説明

監視システム

【課題】従来、予備装置は、現用装置の監視部に異常が発生した場合、監視部に関する情報を取得することができない。
【解決手段】監視システム100は、被監視装置200を監視する第1監視部11と、第1監視部11の異常を検出する第1異常検出部13と、第1監視部11に関する情報を保持する第2メモリ15とを含む第1監視装置1と、被監視装置200を監視する第2監視部21を含む第2監視装置2と、第1通信路3と、第4通信路6とを有する。第1異常検出部13は、第1監視部11の異常を検出した場合、異常信号を第1通信路3を介して第2監視部21に出力し、第2監視部21は、異常信号を受け取ったとき、第4通信路6を介して、第2メモリ15によって保持されている第1監視部11に関する情報を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被監視装置を監視する監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信装置等の被監視装置を監視するシステムとして、第1監視装置と第2監視装置とで構成される監視システムが存在する。第1監視装置と第2監視装置との一方が現用装置として被監視装置を監視し、他方は予備装置として待機する。第1監視装置及び第2監視装置それぞれは、被監視装置を監視する監視部と、監視部の異常を検出する異常検出部とを有する。監視部は、例えば、中央処理装置(CPU;Central Processing Unit)によって実現される。
【0003】
第1監視装置が現用装置である場合、第1監視装置の異常検出部は、第1監視装置の監視部の異常を検出すると、異常信号を第2監視装置に出力し、第2監視装置は予備装置から現用装置に変わり、第2監視装置の監視部は、被監視装置の監視を開始する。同様に、第2監視装置が現用装置である場合、第2監視装置の異常検出部は、第2監視装置の監視部の異常を検出すると、異常信号を第1監視装置に出力し、第1監視装置は予備装置から現用装置に変わり、第1監視装置の監視部は、被監視装置の監視を開始する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
これにより、現用装置に異常が発生しても、それ以後は予備装置が現用装置として使用され、被監視装置を継続して監視することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−228934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、現用装置の監視部に異常が発生すると、予備装置は、現用装置から異常信号を受け取って現用装置に移行し、それとともに、当初の現用装置の監視部に異常が発生したことを示す信号を上位監視装置に出力する。上位監視装置は、異常の内容を解析することを目的として、異常が発生した監視部に関する情報を自身に出力するように、監視システムに要求する。当初の現用装置は、監視部に関する情報を保持する保持部を有しているが、保持部は監視部によって管理されており、異常が発生した監視部は動作を停止するので、監視部に関する情報を上位監視装置に出力することができない。また、当初の予備装置は、当初の現用装置の保持部にアクセスすることができないので、異常が発生した監視部に関する情報を取得することができず、その監視部に関する情報を上位監視装置に出力することができない。したがって、従来の監視システムは、現用装置の監視部に異常が発生した場合、その監視部に関する情報を上位監視装置に伝達することができない。
【0007】
本発明は、現用装置の監視部に異常が発生した場合、異常が発生した監視部に関する情報を取得することができる予備装置を有する監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明の監視システムは、被監視装置を監視する第1監視部と、前記第1監視部の異常を検出する異常検出部と、前記第1監視部に関する情報を保持する保持部とを含む現用装置と、前記被監視装置を監視する第2監視部を含む予備装置と、前記異常検出部と前記第2監視部との間で情報を通信するための第1通信路と、前記保持部と前記第2監視部との間で情報を通信するための第2通信路とを有し、前記異常検出部は、前記第1監視部の異常を検出した場合、異常信号を前記第1通信路を介して前記第2監視部に出力し、前記第2監視部は、前記異常信号を受け取ったとき、前記第2通信路を介して、前記保持部によって保持されている前記第1監視部に関する情報を取得する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、現用装置の監視部に異常が発生した場合、異常が発生した監視部に関する情報を取得することができる予備装置を有する監視システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施の形態の監視システムの構成図である。
【図2】本実施の形態の監視システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0012】
先ず、本実施の形態の監視システム100の構成を図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態の監視システム100の構成図である。監視システム100は、第1監視装置1と、第2監視装置2と、第1通信路3と、第2通信路4と、第3通信路5と、第4通信路6と、第5通信路7とを有する。図1には、被監視装置200も示されており、第1監視装置1及び第2監視装置2は、被監視装置200を監視する装置である。被監視装置200は、例えば通信装置である。第1通信路3、第2通信路4、第3通信路5、第4通信路6、及び、第5通信路7は、いずれも、第1監視装置1と第2監視装置2との間の情報の通信路である。図1には、監視システム100を監視する上位監視装置300も示されている。次に、第1監視装置1、第2監視装置2、第1通信路3、第2通信路4、第3通信路5、第4通信路6、及び、第5通信路7それぞれの構成を順に説明する。
【0013】
第1監視装置1は、第1監視部11と、第1メモリ12と、第1異常検出部13と、第1インタフェース14と、第2メモリ15と、第1バッファ16と、第2バッファ17と、第1通信部18と、第6通信路19と、第7通信路20とを有する。
【0014】
第1監視部11は、監視システム100の外部の被監視装置200を第1インタフェース14を介して監視する。第1監視部11は、CPUにより実現される。第1監視部11は、自らが正常に動作している場合、所定の期間毎に、自らが正常に動作していることを示す信号(以下、「正常信号」と記載する。)を第1異常検出部13に出力する。第1監視部11は、自らに異常が発生した場合、異常が発生したときの自ら(第1監視部11)に関する情報を第1バッファ16を介して第2メモリ15に格納する。その際、第1監視部11は、その異常がソフトエラーであるか否かを判断し、その異常がソフトエラーであると判断したとき、その旨の情報も第2メモリ15に格納する。そして、第1監視部11は、動作を停止する。
【0015】
なお、第1監視部11に関する情報は、第1監視部11の状態を示す情報を含む。また、ソフトエラーは、α線や宇宙線の照射を受けることによりCPUのメモリのデータに1ビットの誤りが発生するという異常であって、それはCPUの構造的なエラーではない。
【0016】
第1メモリ12は、被監視装置200を監視するためのプログラム(以下、「監視プログラム」と記載する。)を保持する。第1監視部11は、第1メモリ12によって保持される監視プログラムに基づいて被監視装置200を監視する。
【0017】
第1異常検出部13は、第1監視部11からの正常信号に基づいて、第1監視部11の異常を検出する。具体的には、第1異常検出部13は、第1監視部11からある正常信号を受け取ってから上記所定の期間を経過しても次の正常信号を受け取っていない場合、第1監視部11に異常が発生したことを検出する。第1異常検出部13は、第1監視部11に異常が発生したことを検出すると、第1監視部11に異常が発生したことを示す第1異常信号を第1通信路3を介して第2監視装置2に出力する。
【0018】
第1インタフェース14は、第1監視部11が被監視装置200を監視する際に被監視装置200と通信するための構成部である。第2メモリ15は、第1監視部11に関する情報を保持する。具体的には、第1監視部11は、自らに異常が発生すると、異常が発生したときの自らに関する情報を第2メモリ15に格納し、それにより、第2メモリ15は、第1監視部11に関する情報を保持する。第1監視部11に関する情報は、第1監視部11の状態を示す情報を含む。
【0019】
第1バッファ16は、第1監視部11と第2メモリ15との間における情報の中継部である。第1バッファ16は、第1監視部11が動作している場合のみ、第2メモリ15と通信できるように第1異常検出部13によって制御される。第2バッファ17は、第2監視装置2と第2メモリ15との間における情報の中継部である。第2バッファ17は、第1監視部11に異常が発生した場合のみ、第2メモリ15と通信できるように第1異常検出部13によって制御される。
【0020】
第1通信部18は、第2監視装置2から後述する第2異常信号を受け取り、第1監視装置1が予備装置である場合、第1監視装置1を現用装置に変更するための状態変更信号を、第6通信路19を介して第1監視部11に出力する。また、第1通信部18は、第2異常信号を受け取ると、第2監視装置2の後述する第2監視部21に異常が発生したことを示す信号(以下、「異常発生信号」と記載する。)を上位監視装置300に出力する。
【0021】
なお、第1監視部11は、状態変更信号を受け取ると、予備状態から現用状態に移行し、被監視装置200の監視を開始する。また、第1監視部11は、予備状態から現用状態に移行すると、第2監視装置2の後述する第4メモリ25から、異常が発生したときの第2監視装置2の第2監視部21に関する情報を第3通信路5を介して取得する。上位監視装置300が異常発生信号に応答して異常が発生したときの第2監視部21に関する情報を出力するように第1通信部18に要求した場合、第1監視部11は、上位監視装置300の要求に応答するために、第2監視装置2の第4メモリ25から取得した、異常が発生したときの第2監視部21に関する情報を、第1通信部18を介して上位監視装置300に出力する。
【0022】
第6通信路19は、第1監視部11、第1メモリ12、第1異常検出部13、第1インタフェース14、第1バッファ16、及び、第1通信部18が接続され、それら相互の情報の通信路である。第7通信路20は、第2メモリ15第1バッファ16、及び、第2バッファ17が接続され、それら相互の情報の通信路である。
【0023】
第2監視装置2は、第1監視装置1と同じ機能を有する装置であって、第2監視部21と、第3メモリ22と、第2異常検出部23と、第2インタフェース24と、第4メモリ25と、第3バッファ26と、第4バッファ27と、第2通信部28と、第8通信路29と、第9通信路30とを有する。
【0024】
第2監視部21は、被監視装置200を第2インタフェース24を介して監視する。第2監視部21は、CPUにより実現される。第2監視部21は、自らが正常に動作している場合、上記所定の期間毎に、自らが正常に動作していることを示す正常信号を第2異常検出部23に出力する。第2監視部21は、自らに異常が発生した場合、異常が発生したときの自ら(第2監視部21)に関する情報を第3バッファ26を介して第4メモリ25に格納する。その際、第2監視部21は、その異常がソフトエラーであるか否かを判断し、その異常がソフトエラーであると判断したとき、その旨の情報も第4メモリ25に格納する。そして、第2監視部21は、動作を停止する。なお、第2監視部21に関する情報は、第2監視部21の状態を示す情報を含む。
【0025】
第3メモリ22は、被監視装置200を監視するための監視プログラムを保持する。第2監視部21は、第3メモリ22によって保持される監視プログラムに基づいて被監視装置200を監視する。
【0026】
第2異常検出部23は、第2監視部21からの正常信号に基づいて、第2監視部21の異常を検出する。具体的には、第2異常検出部23は、第2監視部21からある正常信号を受け取ってから上記所定の期間を経過しても次の正常信号を受け取っていない場合、第2監視部21に異常が発生したことを検出する。第2異常検出部23は、第2監視部21に異常が発生したことを検出すると、第2監視部21に異常が発生したことを示す第2異常信号を第1通信路3を介して第1監視装置1に出力する。
【0027】
第2インタフェース24は、第2監視部21が被監視装置200を監視する際に被監視装置200と通信するための構成部である。第4メモリ25は、第2監視部21に関する情報を保持する。具体的には、第2監視部21は、自らに異常が発生すると、異常が発生したときの自らに関する情報を第4メモリ25に格納し、それにより、第4メモリ25は、第2監視部21に関する情報を保持する。第2監視部21に関する情報は、第2監視部21の状態を示す情報を含む。
【0028】
第3バッファ26は、第2監視部21と第4メモリ25との間における情報の中継部である。第3バッファ26は、第2監視部21が動作している場合のみ、第4メモリ25と通信できるように第2異常検出部23によって制御される。第4バッファ27は、第1監視装置1と第4メモリ25との間における情報の中継部である。第4バッファ27は、第2監視部21に異常が発生した場合のみ、第4メモリ25と通信できるように第2異常検出部23によって制御される。
【0029】
第2通信部28は、第1監視装置1から第1異常信号を受け取り、第2監視装置2が予備装置である場合、第2監視装置2を現用装置に変更するための状態変更信号を、第8通信路29を介して第2監視部21に出力する。また、第2通信部28は、第1異常信号を受け取ると、第1監視装置1の第1監視部11に異常が発生したことを示す異常発生信号を上位監視装置300に出力する。
【0030】
なお、第2監視部21は、状態変更信号を受け取ると、予備状態から現用状態に移行し、被監視装置200の監視を開始する。また、第2監視部21は、予備状態から現用状態に移行すると、第1監視装置1の第2メモリ15から、異常が発生したときの第1監視装置1の第1監視部11に関する情報を第4通信路6を介して取得する。上位監視装置300が異常発生信号に応答して異常が発生したときの第1監視部11に関する情報を出力するように第2通信部28に要求した場合、第2監視部21は、上位監視装置300の要求に応答するために、第1監視装置1の第2メモリ15から取得した、異常が発生したときの第1監視部11に関する情報を、第2通信部28を介して上位監視装置300に出力する。
【0031】
第8通信路29は、第2監視部21、第3メモリ22、第2異常検出部23、第2インタフェース24、第3バッファ26、及び、第2通信部28が接続され、それら相互の情報の通信路である。第9通信路30は、第4メモリ25、第3バッファ26、及び、第4バッファ27が接続され、それら相互の情報の通信路である。
【0032】
第1通信路3は、第1監視装置1の第1異常検出部13と、第2監視装置2の第2通信部28との間の情報の通信路である。第2通信路4は、第2監視装置2の第2異常検出部23と、第1監視装置1の第1通信部18との間の情報の通信路である。第3通信路5は、第1監視装置1の第6通信路19に接続されており、第1監視装置1の第1監視部11と、第2監視装置2の第4バッファ27との間の情報の通信路である。第4通信路6は、第2監視装置2の第8通信路29に接続されており、第2監視装置2の第2監視部21と、第1監視装置1の第2バッファ17との間の情報の通信路である。第5通信路7は、第1監視装置1の第1通信部18と、第2監視装置2の第2通信部28との間の情報の通信路である。
【0033】
次に、本実施の形態の監視システム100の動作を説明する。具体的には、第1監視装置1が現用装置であり、第2監視装置2が予備装置であって、第1監視装置1の第1監視部11が被監視装置200を監視しているときに、第1監視部11に異常が発生した際の監視システム100の動作を図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態の監視システム100の動作を説明するためのシーケンス図である。図2には、上位監視装置300の動作も含まれている。
【0034】
第1監視装置1において、第1監視部11は、正常に動作している場合、所定の期間毎に正常信号を第1異常検出部13に出力する。第1監視部11に異常が発生すると(S1)、第1監視部11は、自ら(第1監視部11)に関する情報を第2メモリ15に格納する(S2)。その際、第1監視部11は、その異常がソフトエラーであるか否かを判断し、その異常がソフトエラーであると判断したとき、その旨の情報も第2メモリ15に格納する(S2)。そして、第1監視部11は、動作を停止する。なお、第1監視部11に関する情報は、第1監視部11の状態を示す情報を含む。
【0035】
また、第1監視部11に異常が発生すると、第1異常検出部13は、正常信号を受け取らなくなるので、第1監視部11に異常が発生したことを検出し、第1監視部11に異常が発生したことを示す第1異常信号を第1通信路3を介して第2監視装置2の第2通信部28に出力する(S3)。
【0036】
第2監視装置2において、第2通信部28は、第1異常信号を受け取ると、第2監視装置2を現用装置に変更するための状態変更信号を、第8通信路29を介して第2監視部21に出力する。第2監視部21は、状態変更信号を受け取ると、予備状態から現用状態に移行し、被監視装置200の監視を開始する(S4)。すなわち、第2監視装置2は、第2通信部28が第1異常信号を受け取ると、予備装置から現用装置に移行する(S4)。また、第2通信部28は、第1異常信号を受け取ると、第1監視装置1の第1監視部11に異常が発生したことを示す異常発生信号を、上位監視装置300に出力する(S5)。
【0037】
また、第2監視部21は、予備状態から現用状態に移行すると、第4通信路6及び第2バッファ17を介して第1監視装置1の第2メモリ15にアクセスし、異常が発生したときの第1監視部11に関する情報を取得する(S6)。上位監視装置300が異常発生信号に応答して異常が発生したときの第1監視部11に関する情報を出力するように要求した場合(S7)、第2監視部21は、上位監視装置300の要求に応答するために、第1監視装置1の第2メモリ15から取得した、異常が発生したときの第1監視部11に関する情報を、第2通信部28を介して上位監視装置300に出力する(S8)。
【0038】
第2監視部21は、第2メモリ15から取得した情報に基づいて、第1監視部11の異常がソフトエラーであると判断すると、再起動指示信号を第2通信部28を介して第1監視部11に出力し、第1監視部11を再起動させる(S9)。なお、第1監視部11は、正常に起動できた場合、その旨の情報を第1通信部18を介して上位監視装置300に出力する。他方、第1監視部11は、正常に起動できなかった場合、動作を停止し、第1異常検出部13は、第1監視部11が正常に起動できなかったことを検出してそれを第2監視装置2の第2通信部28に伝達する。第2通信部28は、第1監視部11が正常に起動できなかったことを示す情報を上位監視装置300に出力する。
【0039】
上述したように、本実施の形態の監視システム100は第4通信路6を有する。第4通信路6は、第2監視装置2の第8通信路29に接続されていて、第2監視装置2の第2監視部21と第1監視装置1の第2バッファ17との間の情報の通信路になっている。これにより、第2監視装置2の第2監視部21は、第1監視装置1の第1監視部11に異常が発生した場合、第4通信路6及び第2バッファ17を介して第1監視装置1の第2メモリ15にアクセスし、異常が発生したときの第1監視部11に関する情報を取得することができる。したがって、第2監視装置2は、第1監視装置1の第1監視部11に異常が発生した場合、異常が発生したときの第1監視部11に関する情報を上位監視装置300に伝達することができる。その結果、保守者は、異常が発生した第1監視部11に関する情報を迅速に知ることができ、第1監視部11に対する復元又は交換等の処理を迅速に行うことができる。
【0040】
また、第2監視部21は、第1監視装置1の第1監視部11の異常がソフトエラーであると判断すると、第2通信部28を介して第1監視部11にアクセスして再起動させる。これにより、保守者は、手動で第1監視部11をリセットする必要がなくなる。すなわち、保守者の負担が軽減するという効果が得られる。仮に、第1監視部11が正常に起動できなかった場合、その情報は上位監視装置300に伝達されるので、保守者は、第1監視部11に対する処理を迅速に行うことができる。
【0041】
ここまでは、第1監視装置1が現用装置であり、第2監視装置2が予備装置であって、第1監視装置1の第1監視部11が被監視装置200を監視しているときに、第1監視部11に異常が発生した際の監視システム100の動作を説明した。第1監視装置1の機能と第2監視装置2の機能は同じであるので、第2監視装置2が現用装置であり、第1監視装置1が予備装置であって、第2監視装置2の第2監視部21が被監視装置200を監視しているときに、第2監視装置2に異常が発生すると、監視システム100は、図2において第1監視装置1と第2監視装置2とを置き換えた動作を行う。
【0042】
また、第1バッファ16、第2バッファ17、第3バッファ26、及び、第4バッファ27は、スイッチに置き換えられてもよい。その場合、第1バッファ16と置き換えられるスイッチは、第1監視部11が動作している場合のみ、第2メモリ15と通信できるように第1異常検出部13によって制御される。第2バッファ17と置き換えられるスイッチは、第1監視部11に異常が発生した場合のみ、第2メモリ15と通信できるように第1異常検出部13によって制御される。第3バッファ26と置き換えられるスイッチは、第2監視部21が動作している場合のみ、第4メモリ25と通信できるように第2異常検出部23によって制御される。また、第4バッファ27と置き換えられるスイッチは、第2監視部21に異常が発生した場合のみ、第4メモリ25と通信できるように第2異常検出部23によって制御される。
【符号の説明】
【0043】
100 監視システム、 1 第1監視装置、 2 第2監視装置、 3 第1通信路、 4 第2通信路、 5 第3通信路、6 第4通信路、 7 第5通信路、 11 第1監視部、 12 第1メモリ、13 第1異常検出部、 14 第1インタフェース、 15 第2メモリ、 16 第1バッファ、 17 第2バッファ、 18 第1通信部、 19 第6通信路、 20 第7通信路、 21 第2監視部、 22 第3メモリ、 23 第2異常検出部、 24 第2インタフェース、 25 第4メモリ、 26 第3バッファ、 27 第4バッファ、 28 第2通信部、 29 第8通信路、 30 第9通信路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被監視装置を監視する第1監視部と、前記第1監視部の異常を検出する異常検出部と、前記第1監視部に関する情報を保持する保持部とを有する現用装置と、
前記被監視装置を監視する第2監視部を有する予備装置と、
前記異常検出部と前記第2監視部との間で情報を通信するための第1通信路と、
前記保持部と前記第2監視部との間で情報を通信するための第2通信路とを備え、
前記異常検出部は、前記第1監視部の異常を検出した場合、異常信号を前記第1通信路を介して前記第2監視部に出力し、前記第2監視部は、前記異常信号を受け取ったとき、前記第2通信路を介して、前記保持部によって保持されている前記第1監視部に関する情報を取得する
監視システム。
【請求項2】
更に、前記第1監視部と前記第2監視部との間の情報の第3通信路を備え、
前記第1監視部及び前記第2監視部は、中央処理装置であって、
前記第2監視部は、前記第1監視部の異常がソフトエラーである場合、再起動指示信号を前記第3通信路を介して前記第1監視部に出力して前記第1監視部を再起動させる
請求項1に記載の監視システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−172011(P2011−172011A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33858(P2010−33858)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000237662)富士通テレコムネットワークス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】