説明

直接書込みナノリソグラフィック印刷による固体フィーチャのパターニング

【課題】ナノスコーピックチップを用いてインクが基板に移される高解像直接パターニング技術の改良。
【解決手段】 本発明は、ディップペン・ナノリソグラフィを用いて、ブロックコポリマーおよび無機前駆体を有する溶液を基板上に付着させる段階を含む、基板上に有機/無機複合ナノ構造を製造する方法を含む。ナノ構造は、1ミクロン未満の幅/直径を有するラインおよび/またはドットのアレイを含む。本発明は、高さ以外のナノスケール直径を有する無機/有機複合ナノスケール領域を含む装置を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の相互参照
この出願は、完全な開示が参照として全体的に本明細書に組み入れられる、2001年12月17日に出願された仮出願第60/341,614号の恩典を主張する。
【0002】
本発明は、補助金__の下で政府の支援によってなされたものである。政府は本発明におけるある権利を有する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
DIP-PEN NANOLITHOGRAPHY(商標)印刷(DPM(商標)印刷)は、たとえば、走査型プローブ電子顕微鏡(SPM)チップや原子間力電子顕微鏡(AFM)チップを含む従来のナノスコピックチップを用いてインクが基板に移される高解像度直接パターニング技術である。たとえば、1999年1月7日に出願された米国特許出願第60/115,133号、1999年10月4日に出願された米国特許出願第60/157,633号、2000年1月5日に出願された米国特許出願第09/477,997号、2000年5月26日に出願された米国特許出願第60/207,711号、2000年5月26日に出願された米国特許出願第60/207,713号、2001年5月24日に出願された米国特許出願第09/866,533号、2001年10月2日に出願された米国特許出願第60/326,767号、2000年1月7日に出願されたPCT出願第PCT/US00/00319号(国際公開公報第00/41213号)、2001年5月25日に出願されたPCT出願第PCT/US01/17067号を参照されたい。これらの出願の完全な開示は参照として本明細書に組み入れられる。
【0004】
DIP-PEN NANOLITHOGRAPHY(商標)印刷およびDPM(商標)は、イリノイ州シカゴのNanoInk, Inc.の商標である。ハードウェア、ソフトウェア、計装、およびキットを含むIPN関連製品は、NanoInkから得ることができる。
【0005】
ディップペン・ナノリソグラフィック印刷の開発は、参照とて全体的に本明細書に組み入れられる、2001年5月24日に出願された特許出願第09/866,533号、特に「発明の背景」節(1ページ〜3ページ)に記載されている。
【0006】
DPN印刷は、たとえば、金上のアルキルチオールおよびアリルチオール自己集合(参考文献1)を含む多数のインク−基板組合せに用いることができ、半導体表面上のシラザン(参考文献3)および導電表面上の金属構造(参考文献4)にも拡張されている。さらに、この印刷は、より高いオーダーの構造の集合(参考文献5)を導くのに用いることができるチオール官能基化タンパク質およびアルキルチオール修飾オリゴヌクレオチドを含む、簡単な有機分子および複雑な生物分子からパターンを作る方法として広く使用されている。
【0007】
固体マイクロスケール構造は、電子機器産業および光通信産業を含む産業にとって重要である。集積回路の速度および装置密度を高めるには、構造を現在可能なよりもずっと小さくすることが重要である。ナノスケールの固体構造を製造することはナノテクノロジーの重要な商業的目標である。
【0008】
フォトリソグラフィ、X線リソグラフィ、および電子ビームリソグラフィを含むナノスケール構造を製造するために様々なパターニング技術が用いられている。しかし、電子装置および光学装置を製造する際に小形化を試みると重大な問題が発生する可能性がある。たとえば、導電フィーチャ同士を適切に分離できないと、短絡が起こる可能性がある。さらに、光学フィーチャと電気的フィーチャの両方を明確に定義しなければならず、装置が設計どおりに動作するように寸法が正確でなければならない。
【0009】
ナノスケールの固体フィーチャを製造する従来技術のリソグラフィ方法は一般に、ナノスコピックスケールよりも大きいスケールに限られている。したがって、DPN印刷のナノスケール精度および機能とガラス構造およびセラミック構造を形成する能力とを持つプロセスを有すると有利である。好ましくは、このプロセスは、たとえばゾル−ゲルプロセスのような適切な反応性プロセスを含む。ゾル−ゲル化学作用は、金属酸化物前駆体からの金属酸化物の形成を含む、有機成分を製造する有用な産業方法である。
【発明の概要】
【0010】
発明の概要
この節では、本発明について概略的に説明する。ただし、この概要は、以下に詳しく記載されかつ請求される本発明を制限すべきではない。
【0011】
一態様では、本発明は、基板を備える段階と、少なくとも1つの金属酸化物前駆体を含むインク組成を有するナノスコピックチップを備える段階と、インク組成をナノスコピックチップから基板に移して、少なくとも1つの金属酸化物前駆体を含む基板上で付着物を形成する段階とを含むナノリソグラフィ方法を提供する。
【0012】
さらに、本発明は、反応性インク組成がナノスコピックチップから基板に移されて基板上で付着物を形成するように、反応性インク組成を有する走査型プローブ顕微鏡チップを基板に対して位置決めする段階を含み、反応性インクが、ゾル−ゲル反応を受けることができるゾル−ゲル前駆体であるナノリソグラフィ方法も提供する。
【0013】
他の態様では、本発明は、基板上に固体材料前部物質を含むナノスコピック付着物をパターニングする段階と、固体材料前駆体を固体材料に変換する段階とを含むナノリソグラフィ方法を提供する。
【0014】
さらに、本発明は、他の態様では、直接書込みナノリソグラフィによって基板上にインクを付着させて付着物を形成する段階を含み、インクが、無機前駆体と少なくとも1つの有機ポリマーとを含む、無機/有機ナノ構造を製造する方法を提供する。
【0015】
本発明は、本明細書で説明する方法によって作製された少なくとも1つの付着物を基板表面上に含むナノスコピックによってパターニングされた基板も含む。
【0016】
本発明はさらに、基板と、直接書込みナノリソグラフィによって用意され、約1,000nm以下の少なくとも1つの横寸法を有し、かつ金属酸化物前駆体または金属酸化物を含む、基板上の少なくとも1つのナノ構造とを含む装置も提供する。
【0017】
本発明は、基板と、直接書込みナノリソグラフィによって作製され、約1,000nm以下の少なくとも1つの横寸法を有し、ゾル−ゲル材料を含む、基板上の少なくとも1つのナノスケールフィーチャとを含む装置も提供する。
【0018】
本発明は、直接書込みナノリソグラフィによって作製され、約1,000nm以下の少なくとも1つの横寸法を有し、少なくとも1つの金属酸化物前駆体または金属酸化物を含む複数のナノ構造を基板上に含むナノアレイも提供する。
【0019】
本発明の基本的な特徴および新規の特徴は、以下に記載されており、たとえば、直接書込み機能、超高解像度を有するシリアルパターニング、分子の一般性、様々な官能基および材料の使用、比較的安いコスト、使いやすさ、非平面基板、および先例のない整合を含む。本発明は、簡単に言えば、たとえば応用分野のような化学吸着以外の駆動力の必要なしにAFMの分解によって有機分子ではなく固体材料を表面上に付着させるDPN印刷を用いる機会を広げる。本発明は、マスク製造から、DPN印刷によって製造された固体ナノ電子構造および装置の評価までの範囲の分野で用いることができる。ゾルインクの拡散係数は定性的には、金上のアルカネチオールの拡散係数に匹敵するので、DPN印刷による比較的拘束のパターニングを行うことができる。本明細書に記載されている複合ナノ構造は、触媒用途および導波用途に重要な大きな表面積を有することができる。複雑で高価なレジスト、フォトマスク、およびモールドを用いる必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】AFMチップから基板上への金属酸化物前駆体および金属酸化物の付着を示す概略図である。
【図2】図2(A)は、酸化ケイ素上の酸化すず/P-123複合ナノ構造のAFM画像であり、書込み速度は0.2μm/secである。図2(B)は、シリコン上に形成された酸化アルミニウム/P-123複合ナノ構造のドットアレイの横力顕微鏡(LFM)画像である。各ドットの保持時間は1秒である。AFM画像は、酸化ケイ素/P-123複合ナノ構造を空気中で400℃で2時間にわたって加熱する前(C)および後(D)に収集された。書込み速度は0.1μm/secである。チップ回旋のために横方向の寸法が拡大されていることに留意されたい。
【図3】図3(A)は、インクで被覆されたチップを基板上に30秒間保持することによって形成された4μmSnO2ドットの走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。図3(B)は、SnO2ドットのEDX分析を示す図である。図3(C)は、ドットの外側のSiO2基板のEDXを示す図である。図3(D)は、メソポーラスSiO2のTEM画像を示す図である。画像は、Hitachi HF-2000 TEMによって、加熱されたサンプルから収集された。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明の詳細な説明
DPN印刷を含むナノリソグラフィを用いて本発明を実施することができる。たとえば、2001年5月24日に出願された特許出願第09/866,533号(2002年5月30日に公開されたMirkinらの米国特許公開第US2002/0063212 A1号)には、たとえば以下を含む様々な態様をカバーするDPN印刷の背景および手順が詳しく記載されている。
−背景(1〜3ページ)
−概要(3〜4ページ)
−図面の簡単な説明(4〜10ページ)
−走査型プローブ顕微鏡チップの使用(10〜12ページ)
−基板(12〜13ページ)
−パターニング化合物(13〜17ページ)
−たとえば、チップのコーティングを含む実施方法(18〜20ページ)
−ナノプロッタを含む計装(20〜24ページ)
−複数の層ならびに関連する印刷方法およびリソグラフィ方法の使用(24〜26ページ)
−解像度(ページ26〜27)
−アレイおよび組合せアレイ(27〜30ページ)
−ソフトウェアおよび較正(30〜35ページ、68〜70ページ)
−疎水性化合物で被覆されたチップを含むキットおよびその他の製品(35〜37ページ)
−実施例(38〜67ページ)
−対応する特許請求の範囲および要約(71〜82ページ)ならびに
−図1〜28
【0022】
図を含む、上に列挙された様々な各節を含むすべての上記の内容は、参照として全体的に本明細書に組み入れられ、特許請求の範囲を実証する本開示の一部を形成する。
【0023】
ディップペンおよびアパーチャペン・ナノリソグラフィを含む他のナノリソグラフィ方法も、参照として全体的に本明細書に組み入れられ、特許請求の範囲を実証する本開示の一部を形成する、2002年9月5日に公開されたMirkinらの米国特許公開第20020122873 A1号に開示されている。
【0024】
さらに、固体構造のパターニングの開発は、2001年12月17日に出願され、ディップペン・ナノリソグラフィ印刷を用いて、有機/無機固体構造を生成することを含み、参照として全体的に本明細書に組み入れられる原出願第60/341,614号に、参考文献の引用と共に、記載されている。
【0025】
ゾル−ゲル化学を用いて本発明を実施することができる。たとえば、ゾルーゲル化学の技術とDPN印刷の技術を組み合わせてナノ構造およびナノアレイを作製することができる。本発明では、ゾル−ゲルプロセスは一般に、高温の従来のプロセスよりも純度および均質性が優れたセラミックスおよびガラスを製造できる化学前駆体を用いる低温方法を指す。このプロセスを用いて、粉末、繊維、コーティング/薄膜、モノリス、複合材料、およびポーラス膜に有用な組成を含む、様々な形態の広範囲の組成(たとえば、金属酸化物)を製造することができる。本発明では、特定の特性を得るため、無機ゲルがポリマーや有機染料などの有機成分に含浸している有機/無機混成体を作ることもできる。ゾル−ゲルプロセスの魅力的な特徴は、従来の方法では不可能な組成を作製できることである。他の利点は、溶液の混合レベルが、多くの場合分子スケールで完成品に保持されることである。たとえば、ナノ複合物質を作ることができる。本発明の用途を含むゾル−ゲルによる生成物の用途は数多い。用途には、光吸着コーティングおよび屈折率分布式反射防止コーティングを含む、電子構成要素および装置、光学構成要素および装置、ならびに電気光学構成要素および装置に用いられるコーティングおよび膜が含まれる。他の装置例には、コンデンサ、メモリ装置、基板、および赤外線(IR)検出器が含まれる。他の装置には、薄膜トランジスタ、電界トランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ、ハイブリッドトランジスタ、電荷転送素子、電界放出素子、集積回路、太陽電池、発光ダイオード、フラットパネルディスプレイ、光導波管、導波分割合波器が含まれる。反射防止コーティングは、自動車用途および建築用途にも使用される。保護コーティングおよび装飾コーティングを作ることもできる。他の用途には、歯科用途およびバイオメディカル用途と、農業用化学物質および除草剤が含まれる。ガラスモノリス/コーティングおよび無機/有機混成体が、レンズ、鏡基板、屈折率分布式光学系、光学フィルタ、化学センサ、受動導波管および非線形能動導波管、レーザ、ならびに高解像度マスク用に開発されている。分離プロセスおよびろ過プロセス用の膜も、触媒と共に調査中である。より最近では、バイオテクノロジー用途も開発されており、生体分子がゾルーゲルマトリックスに組み込まれている。用途には、生化学プロセス監視、環境試験、食品加工、および医療または農業用の薬物供給が含まれる。
【0026】
本発明では、ゾル−ゲルプロセスは、加水分解反応および凝縮反応によって新しい相(ゾル)が形成される有機金属前駆体の溶液で行うことができる。

M-O-R+H2O→M-OH+R-OH(加水分解)
M-OH+HO-M→M-O-M+H2O(水凝縮)
M-O-R+HO-M→M-O-M+R-OH(アルコール凝縮)
【0027】
ゾルは、液相で懸濁した固体粒子で構成することができる。次いで、粒子は、固体マクロ分子が液相(溶媒)に浸漬される新しい相(ゲル)に凝縮することができる。これはゼラチン状ネットワークである。低温処理(典型的には、たとえば約2℃から約400℃、より典型的には約25℃から約100℃)によってゲルを乾燥させると、必要に応じて密なセラミックにか焼することのできるポーラス固体マトリックス(ゼロゲル)が得られる。急速乾燥を用いると、エアロゲルを作ることができる。ゾル−ゲルプロセスの重要な特性は、ガラス材料またはセラミック材料を室温に近い温度で生成できることである。
【0028】
さらに、無機塩およびポリマー界面活性剤からメソポーラス構造を作ることができる(たとえば、参考文献6を参照されたい)。本発明では、たとえば、少なくとも1つの金属酸化物前駆体を含むインク組成をチップ上に置き、チップから基板に移して付着物を形成し、その後処理する際に、ゾル−ゲル反応を用いてインク組成を対応する金属酸化物に変換することができる。好ましい態様では、アレイ、マイクロアレイ、およびナノアレイを作製することができる。
【0029】
ゾル−ゲル化学作用をナノテクノロジーに用いることは、たとえば、参照として本明細書に組み入れられ、たとえば156〜157ページや368〜369ページを含む、「マイクロ製造の基本、小形化の技術、第2版(Fundamentals od Microfabrication, The Science of Miniaturization, 2nd Ed)」(2002)、Marc J. Madou、CRC Pressに開示されている。
【0030】
アレイ、マイクロアレイ、およびナノアレイは当技術分野で知られている。DPN印刷、特にパラレルDPN印刷は、アレイおよび格子を作製する場合にも特に有用である。アレイは、基板上により大きなパターンを形成する複数の互いに離散したサンプル領域またはパターンユニットの配列である。この複数における数は、特に制限されないが、たとえば、少なくとも約10、少なくとも約100、少なくとも約1,000、および少なくとも約10,000であってよい。ある場合は、1,000,000以上であってよい。サンプル領域またはパターンは、任意の形状(たとえば、点、線、円、正方形、三角形)であってよく、任意のより大きなパターン(たとえば、互いに離散したサンプル領域の行列、格子)として配置することができる。各サンプル領域は、アレイの他のサンプル領域に含まれるのと同じサンプルを含んでも、異なるサンプルを含んでもよい。
【0031】
DPN印刷、特にパラレル印刷は、ナノアレイおよび格子をサブマイクロメートルスケールで作製する場合に特に有用である。サブマイクロメートルスケールのアレイとは、深さまたは高さを除くサンプル領域の寸法(たとえば、長さ、幅、直径)の少なくとも1つが1μm未満であることを意味する。換言すれば、付着物の少なくとも1つの横寸法は約1,000nm以下である。横寸法は、たとえば約500nm以下であってよく、他の態様では、約200nmであってよい。サブマイクロメートルスケールのアレイは、装置をより密に実装するのを可能にする。これによって通常、装置全体がより高速になる。付着物の深さまたは高さは約50nm以下、特に約8nm以下であってよい。
【0032】
DPM印刷はたとえば、直径が約1ミクロン以下、直径が約500ナノメートル以下、直径が約200ナノメートル以下、直径が約100ナノメートル以下、直径が約50ナノメートル以下、または直径が約10ナノメートル以下のナノアレイドットを作製するのに用いることができる。鋭いチップを用いた場合、直径が約1nmのドットを作製することができる。
【0033】
DPM印刷はたとえば、約1ミクロン以下、約500ナノメートル以下、約200ナノメートル以下、約100ナノメートル以下、約50ナノメートル以下、または約10ナノメートル以下の幅を有するナノアレイラインを作製するのに用いることができる。鋭いチップを用いた場合、幅が約1nmのラインを作製することができる。
【0034】
ナノアレイは、約1,000nm以下、特に約500nm以下、特に約200nm以下の距離だけ互いに分離されたナノ構造を含んでよい。分離距離は、AFM撮像を含む、当技術分野で知られている方法によって測定することができる。
【0035】
DPN印刷プロセスは、一般に印刷中に溶液において化学反応を受けない分子を付着させる段階を含んでよい。すなわち、プロセスは、パターニングまたはインク分子の、チップから基板への物理的な非反応性移送と、その後で行われる、基板への化学吸着または共役結合に集中することができる。このプロセスは、有機層の付着および製造にうまく働く。無機成分、特にセラミック層およびガラス層を含む層の付着および製造は、たとえばゾル−ゲル反応性プロセスを含む反応性プロセスによって効果的に行うことができる。換言すれば、これは反応性DPN印刷プロセスであってよい。ここで、溶液中のいくつかの構成物質は、溶液中で化学反応を受けて付着物を形成する。
【0036】
特に、DPN印刷と、前述の手順、計装、および実施例は、意外なことに、固体構造、特に本明細書に詳しく記載されている無機材料、金属酸化物材料、およびゾル−ゲル材料を含む固体構造を製造するように適合させることができる。ナノスコピックAFMチップおよび水メニスカスを示す態様が図1に示されている。多くの場合、メニスカスの役割は完全に明確でない部分もあり、本発明は理論には制限されないが、インク組成は、周囲条件、またはたとえば約40%を超えるような比較的高い湿度の条件(たとえば、参考文献2を参照されたい)の下で、チップと基板表面との間に形成される水メニスカスを介してチップから基板表面に運ばれる。
【0037】
ナノスコピックチップの種類および基板の種類は特に制限されず、本発明は広い適用性を有する。たとえば、チップは中空であっても、非中空であってもよい。基板はプライマ層を備えても備えなくてもよい。プライマを用いる場合、複数のプライミング層を使用することができる。基板は電気絶縁体でも、電気半導体でも、電気導体であってもよい。重要なこととして、本明細書で説明する方法は導電基板を必要とせず、したがって、この方法はより有用である。代表的な基板には、シリコン、SiO2、ゲルマニウム、SiGe、GaAs、InP、AlGaAs、AlGaP、AlGaInP、およびGaPが含まれるが、これらに限らない。基板は、必要に応じて、たとえば単層や自己組織化単層を含む比較的薄いプライミング層を備えることができる。2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の層を含む複数のプライミング層を使用することができる。
【0038】
本明細書では、たとえば、シリコン基板や酸化シリコン基板などの基板上に有機/無機複合ナノ構造を直接パターンニングする新しいDPN印刷ベースの方法を開示する。好ましい態様では、金属酸化物前駆体を含む金属前駆体の加水分解を用いることができる。実際の加水分解反応は、前駆体および加水分解生成物に依存する。代表的な加水分解反応は数式2MCln+nH2O→M2On+2nHCl(Mは金属)によって記述される。加水分解反応は、付着ツール(通常、SPMチップやAFMチップなどのナノスコピックチップ)を浸漬させる前に「インク井戸」内で起こり、かつ/またはナノスコピック付着ツールと基板表面との間のメニスカス内で起こる可能性がある。
【0039】
本発明で用いられるインクは、たとえば無機塩(金属前駆体)や、たとえば両親媒性ブロックコポリマー界面活性剤などの界面活性剤を含む混成複合溶液であってよい。金属前駆体は典型的には金属ハロゲン化物であり、より典型的には金属塩化物である。しかし、他の多数の金属前駆体を用いることができ、それらの金属前駆体は当業者に知られている。例示的な金属にはAl、Si、Sn、Ti、Zr、Nb、Ta、W、In、およびHfが含まれる。
【0040】
必要に応じて界面活性剤を用いることができる。界面活性剤は、イオン界面活性剤でも、非イオン界面活性剤でも、カチオン界面活性剤でも、アニオン界面活性剤でもよい。界面活性剤はで両親媒性であってよく、親水性成分および疎水性成分を含む。界面活性剤の親水性成分および疎水性成分は、所望のDPN印刷方法および構造が得られるように調整することができる。コポリマー界面活性剤を使用する場合、この界面活性剤はいくつかの機能を実行することができる。たとえば、この活性剤は、無機インク前駆体を分散させて安定させ、インク流動性を高め、パターニングされたナノ構造を含む(たとえば、メソ孔を生成する)材料用のSDA(structure-directing agent)として働くことができる。特に有効な例には、共重合ポリ(酸化エチレン)およびポリ(酸化ポリピレン)を含むポリ(酸化アルキレン)のコポリマーなどのブロックコポリマー界面活性剤が含まれる。ポリ(酸化アルキレン)のうちで、ポリ(酸化エチレン)-b-ポリ(酸化プロピレン)-b-ポリ(酸化エチレン)、(EO20PO70EO20)(Pluronic P-123, BASF)が特に有効であることがわかっている。
【0041】
反応性DPN印刷の生成物の1つの種類は酸化物および金属酸化物であってよい。代表的な酸化物には、Al2O3、SiO2、SnO2、TiO2、ZrO2、Nb2O5、Ta2O5、WO3、HfO2、In2O3が含まれるが、これらに限らない。さらに、本発明の一態様によれば、混合酸化物を形成することも可能である。これには、たとえば、SiAlO3.5、SiTiO4、ZrTiO4、Al2TiO5、ZrWO8、インジウム酸化すず(ITO)が含まれる。
【0042】
反応性ディップペン・ナノリソグラフィ印刷を用いるプロセスは、他のナノリソグラフィ印刷プロセスと同様であってよい。たとえば、まず、インクまたはインク組成を作ることができる。本発明の一態様では、インクは金属酸化物前駆体と両親媒性ブロックコポリマー界面活性剤を混合し、それらにゾルを形成させることによって作ることができる。次いで、他のDPN印刷プロセスと同様に、AFMチップなどのナノスコピックチップはインクに浸漬され、少量のゾルが取り出される。次いで、AFMチップなどのナノスコピックチップが基板の表面まで運ばれ、ゾルが付着させられる。必要に応じて、ナノスコピックチップを、インクがチップを被覆し、チップから基板に移る能力を向上させるように修正することができる。
【0043】
本発明の第2の態様では、ゾルはインクつぼには形成されない。第1の態様と同様に、第1の段階では、金属前駆体と両親媒性ブロックコポリマー界面活性剤が混合される。しかし、この態様では、AFMチップなどのナノスコピックチップは、ゾルが形成される前にインクに浸漬される。この態様では、ゾルはナノスコピックチップ上に形成される。
【0044】
好ましくは、インクを基板に付着させ移す間、相対湿度は約25%から約95%の範囲であり、温度は約15℃から約45℃の範囲である。特に有用な組合せは、約30%から約50%の相対湿度と20℃の温度である。通常、付着は、AFMチップを約0.1μm/秒から約0.4μm/秒の間の速度で基板全体にわたって走査させることによって行われる。1つの特に有用な速度は0.2μm/秒である。
【0045】
インクを形成し、移し、付着させる間、インクは中間相を含んでよい。界面活性剤分子またはブロックコポリマーは、水などの溶媒中にミセルまたは液体結晶相を形成することができる。このような液体結晶相は、積層構造、六角形構造、立方構造を含む。このような構造の長さスケールは、たとえば約1nmから約50nmであってよい。蒸発によって誘導される非共役相互作用を通じた材料の自発的組織化であってよい、蒸発誘導自己集合を使用することができる。
【0046】
基板を付着後に比較的低温で加熱し、有機成分を除去することができる。付着後熱処理の時間および温度は特に制限されない。たとえば、最高で約900℃の温度を用いることができる。付着後熱処理は通常、25℃から500℃の間、好ましくは300℃から500℃の間であってよい。付着後熱処理は通常、0.5時間から4時間の間である。特に有用な組合せは約400℃で2時間である。加熱は、収縮を制御するように調節することができる。
【0047】
インク中に有機成分を使用する場合、加熱によって有機物を除去することができる。有機成分を除去した後、結果として、たとえばポーラス金属酸化物、マイクロポーラス金属酸化物、またはメソポーラス金属酸化物が得られる。孔サイズは、たとえば、約1nmから約50nmにすることができる。
【0048】
DPN印刷を用いて、インクで被覆されたAFMチップを所望の基板上に制御しながら移動させることによって1分子厚さ構造を生成することができる(たとえば、参考文献1を参照されたい)。重要なこととして、反応性DPN印刷では、個々の分子レベルの形状が調節された固体構造を作製することができる。反応性DPN印刷を用いることによって、フィーチャサイズおよび形状をサブ200nmレベルで調節しながらドットとラインのアレイを容易に書き込むことができる。さらに、ゾルインク中に官能基材料を添加することができる(たとえば、参考文献9を参照されたい)。たとえば、触媒の場合、このような種類の構造は、これらの材料でパターニングされた表面からより大きな構造(たとえば、ナノチューブ)の成長を開始するうえで非常に重要である場合がある。
【0049】
ゾルパターニングプロセスは、実質的に高い解像度、および超高整合によって多成分ナノ構造を作る能力(たとえば、参考文型1bを参照されたい)を与えることによって、より大きなスケールのマイクロ成形技術(たとえば、参考文献10を参照されたい)を補足する。
【0050】
本発明では、4つの特に好ましい方法を用いることができる。
【0051】
第1の好ましい態様では、本発明は、基板を備える段階と、少なくとも1つの金属酸化物前駆体を含むインク組成を有するナノスコピックチップを備える段階と、インク組成をナノスコピックチップから基板に移し、少なくとも1つの金属酸化物前駆体を含む基板上で付着物を形成することを含むナノリソグラフィ方法を提供する。この方法は、インク組成を有するナノスコピックチップを備えるために、インクを移す段階の前にナノスコピックチップにインク組成を供給する段階をさらに含んでよい。ナノスコピックチップにインク組成を供給する段階は、インク組成を形成する段階と、インク組成をナノスコピックチップの端部に移す段階とを含んでよい。この方法は、たとえば加熱によって、基板上の金属酸化物前駆体を変換して金属酸化物を形成する段階をさらに含んでよい。ナノスコピックチップは、中空チップと非中空チップの両方を含む走査型プローブ顕微鏡チップ、好ましくは原子間力顕微鏡チップであってよい。付着物は、約1,000nm以下、好ましくは約200nm以下の少なくとも1つの横寸法を有してよい。付着物の高さは、約50nm以下であり、特に約8nm以下であってよい。基板はシリコンであっても酸化ケイ素であってもよい。
【0052】
さらに、本発明は、第2の好ましい態様、すなわち、反応性インク組成がナノスコピックチップから基板に移されて基板上に付着物を形成するように反応性インク組成を有する走査型プローブ顕微鏡チップを基板に対して位置決めする段階を含み、反応性インクが、ゾル−ゲル反応を受けることができるゾル−ゲル前駆体であるナノリソグラフィ方法も提供する。本発明は、付着物を加熱してゾル−ゲル反応を実質的に完了する段階をさらに含んでよい。
【0053】
第3の好ましい態様では、本発明は、基板上に固体材料前部物質を含むナノスコピック付着物をパターニングする段階と、固体材料前駆体を固体材料に変換する段階とを含むナノリソグラフィ方法を提供する。固体材料は酸化物であってよく、好ましくは金属酸化物である。固体材料はメソポーラスであってよい。
【0054】
さらに、本発明は、第4の好ましい態様では、直接書込みナノリソグラフィによって基板上にインクを付着させて付着物を形成する段階を含み、インクが、無機前駆体と少なくとも1つの有機ポリマーとを含む、無機/有機ナノ構造を製造する方法を提供する。インクはゾルであってよく、無機前駆体は金属酸化物前駆体であってよい。ドットのパターンおよびラインのパターンを形成することができる。
【0055】
ゾル−ゲル技術とナノテクノロジーの様々な組合せを含む、本発明を実施する際に他の指針として用いることのできる技術文献には、たとえば、それぞれ参照として本明細書に組み込まれる、Fanらの米国特許第6,471,761号およびMcDougallらの米国特許第6,365,266号が含まれる。たとえば、米国特許第6,471,761号は、テトラエトキシシラン(TEOS)、界面活性剤、少なくとも1つのオルガノシラン、HCl、水、およびエタノールを含む、本発明で使用できるコーティング組成を開示している。必要に応じて染料成分を用いることができる。コーティング組成は、マイクロペン・リソグラフィを含む方法によってパターニングすることができる。さらに、Fanらによる論文「マイクロポーラス材料およびメソポーラス材料(Microporous and Mesoporous Materials)」44-45(2001)625-637における開示を用いて本発明を実施することができ、この開示は参照として本明細書に組み入れられる。
【0056】
さらに、2002年12月12日に公開されたKellyらの米国特許公開第20020187335A1号を用いて本発明を実施することもでき、この特許は参照として本明細書に組み入れられる。この参考文献は、コーティングの表面上にパターンとして配置された複数のキャピラリ開口部で形成されたナノテクスチャ加工された表面を有する金属酸化物コーティングを開示している。各キャピラリ開口部は、すでに存在する有機マクロ分子によって形成される直径を有する。この直径は、たとえば約10nm未満であってよい。金属酸化物は、硬度、耐磨耗性、耐腐食性、磨耗強さ、および熱安定性が高いことを特徴とするセラミックスであってよい。
【0057】
さらに、Katzらの米国特許第6,380,266号を用いて本発明を実施することもでき、この特許は参照として本明細書に組み入れられる。この参考文献は、1つまたは複数の空間的に組織化された官能基が形成された調節されたサイズおよび形状を持つ孔を有する無定形無機材料を開示している。各官能基は、空隙に対して定められた三次元関係を有するように、互いに対して位置決めすることができる。これらの官能基の位置と組成の両方を変えることによって、基板固有の吸収剤と非生物学的な触媒の様々な組を形成することができる。この有機群を無機酸化物に共役的に付着させることができる。
【0058】
本発明に用いることのできる固体材料、非分子固体、および金属酸化物は一般に、たとえば1〜27ページを含み、参照として本明細書に組み入れられる、CottonおよびWilkinson「高度な無機化学作用、総合テキスト、第4版(Advanced Inorganic Chemistry, A Comprehensive Text, 4th Ed. )」に開示されている。
【0059】
さらに、以下の参考文献、すなわち、Yang, PらNature 1998, 396, 152を用いて本発明を実施することもでき、この参考文献は参照として本明細書に組み入れられる。この参考文献は、半結晶フレームワークを有する大孔メソポーラス金属酸化物の一般化された合成を開示している。
【0060】
さらに、参考文献Vioux, A. Chem. Mater. 1997、9、2292を用いて本発明を実施することもでき、この参考文献は参照として本明細書に組み入れられる。この参考文献は、非水性系中のヒドロシキ化および非プロトン性凝縮反応を含む、酸化物を形成する非加水ゾル−ゲル方法を開示している。
【0061】
さらに、参考文献Antonelli, D.ら、Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1995、34、2014を用いて本発明を実施することもでき、この参考文献は参照として本明細書に組み入れられる。この参考文献はたとえば、修正されたゾル−ゲルルートによる六方充填されたメソポーラス二酸化チタンの合成を開示している。
【0062】
さらに、参考文献Ichinose, I.ら、Chem. Mater. 1997、9、1296を用いて本発明を実施することもでき、この参考文献は参照として本明細書に組み入れられる。この参考文献はたとえば、分子精度による二酸化チタンおよびその他の金属酸化物膜の表面ゾル−ゲルプロセスを開示している。
【0063】
使用できる他の参考文献にはたとえば、参照として本明細書に組み入れられる、Yang, P.らScience 2000、287、465;Lu, Y.らNature 2001、410、913;Fan, H.らNature 2000、405、56;Yang, PらScience 1998、282、2244が含まれる。
【0064】
本発明は、以下に限定されない実施例を用いてさらに説明され、実施例は、本発明を限定しない。
【0065】
実施例
実験
ThermoMicroscopes CP AFMおよび従来の窒化ケイ素マイクロカンチレバー(力の定数0.05N/m)をすべてのパターニング実験に用いた。各実験で、チップを、作製したままのゾルに室温で20秒間浸漬させることによって被覆した。すべてのパターニング実験は、チップ−表面接触力を0.5nNにして湿度(〜40%)および温度(〜20℃)を厳しく調節せずに周囲条件の下で行った。ピエゾチューブのドリフトを最低限に抑えるために、閉ループ走査制御を含む90μmスキャナをすべてのパターニング実験に用いた、その後、インクで被覆されたチップを、パターニングに用いられるのと同じ条件で、かつより速い走査速度(6Hz)で、生成されたパターンを撮像した。
【0066】
代表的な実験では、1gのブロックコポリマーポリ(酸化エチレン)-b-ポリ(酸化プロピレン)-b-ポリ(酸化エチレン)、(EO20PO70EO20)(Pluronic P-123, BASF)を10gのエタノールに溶かし、次いで0.01モルの所望の無機塩化物前駆体を添加することによって、無機前駆体溶液(ゾル)を作製した。混合物を30分間激しく攪拌してゾルを生成した。生成されたままのゾルは透明の流体であった。エタノールは、(水と比べて)(参考文献7参照)無機前駆体の加水分解を減速させ、その結果、ゲル化は、通常数時間後に起こり、数日後まで完了しない。このタイムフレームは、本明細書に記載されたものでは数分しかかからないDPN印刷実験を容易に行うのを可能にする。
【0067】
実施例1および2
酸化すずおよび酸化アルミニウムで構成されたドット、ライン、および複雑なパターンを、図2に示されているように、シリコンおよび酸化ケイ素(>600nm酸化層)基板上に生成した。たとえば、複合インク(SnCl4およびP-123)で被覆されたチップを基板を横切って移動させる(0.2μm/秒)ことによって、酸化すずで作られた155nm幅の互いに平行なラインをSiO2上に形成した。同様に、(AlCl3およびP-123)で被覆されたチップを用いて、チップを1s/ドット間隔で連続的に基板に接触させることによって、Al2O3から成るドットをSi基板上に生成した。これらの構造は、撮像を繰り返した(5回)後でもその形状を維持し、周囲条件の下で無期限に安定する(>1ヶ月)。
【0068】
実施例3
Siゾル(SiCl4およびP-123で構成されている)を酸化ケイ素基板上に互いに平行なラインの形にパターニングした。各ラインの組成は、SiOxとポリマーの混合物になると予想される。空気中で400℃で2時間にわたって加熱すると、
コポリマー界面活性剤が燃焼してSiO2ナノ構造が残ると予想される。この仮説どおり、同じ領域の後熱によって収集されたAFM画像は、パターン高さが8nmから5nmまで低くなることを示した(図2cおよび2d)。
【0069】
実施例4
形成できる酸化物構造の種類は、ゾル前駆体が一般に得られるときには特に制限される問題ではなかった。実際、SiO2上にSnCl4およびP-123で酸化すず構造を作製し、インクで被覆されたチップを30秒間保持することによって形成された4μm SnO2をエネルギー拡散X線(EDX)分析したところ、すず、シリコン、および酸素の予想されるピークが示され、マイクロ構造の化学的組成が確認された(図3a〜3c)。本明細書で使用されるコポリマーは、メソ顕微鏡オーダーの固体用の構造誘導剤として知られている。作製されたままのバルク生成物(対照として用いられる)を400℃で2時間加熱した後の透過電子顕微鏡(TEM)画像は、SiO2の孔径が約10nmであることを示している(図3d)。これらの構造は、下にある基板に化学吸着されると考えられる。実際、他の画像は、ゾルを酸化物基板上で加水分解すると、シリコン−酸素−金属結合を通じて基板に吸着される薄膜を形成することを示している(参考文献8を参照されたい)。
【0070】
最後に、図2のナノ構造は、バルク材料について観測されるのと同じ構造遷移を受けることができる。
【0071】
以下の参考文献は、上記で引用されており、本発明を実施するのに用いることができ、参照として全体的に本明細書に組み入れられる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の段階を含む、ナノリソグラフィ方法:
基板を備える段階;
少なくとも1つの金属酸化物前駆体を含むインク組成を有するナノスコピックチップをその上に備える段階;および
インク組成をナノスコピックチップから基板に移して、少なくとも1つの金属酸化物前駆体を含む基板上で付着物を形成する段階。
【請求項2】
基板上の金属酸化物前駆体を変換して、金属酸化物を形成する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
変換段階が、金属酸化物前駆体を加熱する段階を含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
ナノスコピックチップが、走査型プローブ顕微鏡チップである、請求項1記載の方法。
【請求項5】
ナノスコピックチップが、原子間力顕微鏡チップである、請求項1記載の方法。
【請求項6】
ナノスコピックチップが、中空チップである、請求項1記載の方法。
【請求項7】
インク組成が、ゾルである、請求項1記載の方法。
【請求項8】
インク組成が、ゾル−ゲル前駆体である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
金属酸化物前駆体が、加水分解性の金属酸化物前駆体である、請求項1記載の方法。
【請求項10】
インク組成が、少なくとも1つの界面活性剤をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
インク組成が、少なくとも1つの両親媒性ポリマーをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
インク組成が、メゾスコピックオーダーの固体を形成するためのSDAである少なくとも1つの界面活性剤を含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
付着物が、約1,000nm以下の少なくとも1つの横寸法を有する、請求項1記載の方法。
【請求項14】
付着物が、約200nm以下の少なくとも1つの横寸法を有する、請求項1記載の方法。
【請求項15】
以下の段階を含む、ナノリソグラフィ方法:
反応性インクがゾル−ゲル反応を受けることができるゾル−ゲル前駆体であって、反応性インク組成がナノスコピックチップから基板に移されて基板上で付着物を形成するように、反応性インク組成を有する走査型プローブ顕微鏡チップを基板に対して位置付ける段階。
【請求項16】
基板上に固体材料前駆体を含むナノスコピック付着物をパターニングする段階、および、固体材料前駆体を固体材料に変換する段階を含むナノリソグラフィ方法。
【請求項17】
直接書込みナノリソグラフィによって基板上にインクを付着させて付着物を形成する段階を含み、インクが、無機前駆体および少なくとも1つの有機ポリマーを含む、無機/有機ナノ構造を製造する方法。
【請求項18】
請求項1による方法によって用意される少なくとも1つの付着物を基板表面上に含むナノスコピックにパターニングされた基板。
【請求項19】
以下を含む、装置:
基板;および
直接書込みナノリソグラフィ印刷によって用意され、約1,000nm以下の少なくとも1つの横寸法を有し、かつ金属酸化物前駆体または金属酸化物を含む、基板上の少なくとも1つのナノ構造。
【請求項20】
ナノ構造が、金属酸化物前駆体を含む、請求項19記載の装置。
【請求項21】
ナノ構造が、金属酸化物を含む、請求項19記載の装置。
【請求項22】
ナノ構造が、有機/無機複合物質を含む、請求項19記載の装置。
【請求項23】
ナノ構造が、少なくとも1つのポリマーを含む、請求項19記載の装置。
【請求項24】
ナノ構造が、ゾル−ゲル構造を含む、請求項19記載の装置。
【請求項25】
ナノ構造が、固体材料を含む、請求項19記載の装置。
【請求項26】
ナノ構造が、メソポーラス金属酸化物を含む、請求項19記載の装置。
【請求項27】
ナノ構造が、メソポーラスである、請求項19記載の装置。
【請求項28】
ナノ構造が、ドットである、請求項19記載の装置。
【請求項29】
ナノ構造が、線である、請求項19記載の装置。
【請求項30】
横寸法が、約500nm以下である、請求項19記載の装置。
【請求項31】
横寸法が、約200nm以下である、請求項19記載の装置。
【請求項32】
ナノ構造の高さが、約50nm以下である、請求項19記載の装置。
【請求項33】
以下を含む、装置:
基板;および
直接書込みナノリソグラフィによって用意され、約1,000nm以下の少なくとも1つの横寸法を有し、かつゾル−ゲル材料を含む、基板上の少なくとも1つのナノスケールフィーチャ。
【請求項34】
ナノフィーチャが、ゾル−ゲル金属酸化物前駆体を含む、請求項33記載の装置。
【請求項35】
ナノフィーチャが、ゾル−ゲル金属酸化物を含む、請求項33記載の装置。
【請求項36】
ナノフィーチャが、ゾル−ゲル有機/無機複合物質を含む、請求項33記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−80977(P2010−80977A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282559(P2009−282559)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【分割の表示】特願2003−553339(P2003−553339)の分割
【原出願日】平成14年12月17日(2002.12.17)
【出願人】(596057893)ノースウエスタン ユニバーシティ (35)
【Fターム(参考)】