説明

直流モータ駆動回路及びそれを備えた送風ファン装置

【課題】電源電圧を可変することによってモータ回転数を制御する場合に、より広範囲なモータ回転数の制御を実現できる直流モータ駆動回路及びそれを備えた送風ファン装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ホール素子11の出力信号を第1の演算増幅器15によって増幅し、その増幅された出力信号を入力とした第2の演算増幅器18と第3の演算増幅器24を介してモータコイル21,22への通電を行う単相全波型の直流モータ駆動回路10において、第2の演算増幅器18及び第3の演算増幅器24の各非反転入力端子に基準電圧出力回路20から出力された基準電圧Vrefが供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネットロータの磁極を検出する磁気検出素子の出力信号を磁気用の演算増幅器によって増幅し、その増幅された出力信号を入力としたモータコイル用の演算増幅器を介してモータコイルへの通電を行う単相全波型の直流モータ駆動回路及びそれを備えた送風ファン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の直流モータ駆動回路としては、例えばマグネットロータの磁極を検出するホール素子などの磁気検出素子の出力信号を演算増幅器で増幅し、その増幅された出力信号によってモータコイルへの通電を行う単相全波型の直流モータ駆動回路がある。
【0003】
従来、そのような単相全波型の直流モータ駆動回路をノートPCやPCサーバーなどの電子機器の筐体内部に配設された超小型演算処理装置(以下、MPUと称する)などの発熱電子部品を、空気の循環を利用して冷却するときに用いられる送風ファン装置のモータ駆動用として用いた場合には、電子機器側より定格の電源電圧が供給される状態においては定格のモータ回転数で駆動して十分な送風能力が得られ、同じく電子機器側よりその定格の電源電圧の約1/2程度が供給される状態においてはモータ回転数を十分に低下させてファン騒音を小さくすることが要求されていた。
【0004】
したがって、冷却しようとするMPUなどの発熱電子部品の発熱量に応じて電子機器より供給する電源電圧を可変して送風ファン装置のモータ回転数を制御しようとする場合には、その電源電圧の可変範囲に対してより広範囲でモータ回転数を制御することが可能な直流モータ駆動回路が必要となっていた。
【0005】
図14は、従来の技術における直流モータ駆動回路を示す回路図で、図15(a)は、ホール素子出力電圧Vhの電圧波形図で、図15(b)は、第1の演算増幅器の出力電圧Vout1の電圧波形図で、図15(c)は、第2の演算増幅器の出力電圧Vout2の電圧波形図で、図15(d)は、コイル電圧Vcの電圧波形図である。
【0006】
ここで、従来では4極のマグネットロータに回転駆動力を与える単相全波型の駆動方式の送風ファン装置などのファンモータとして図14で示した直流モータ駆動回路70が用いられているが、この直流モータ駆動回路70には図示しないマグネットロータの複数の磁極を検出できる適当な場所に磁気検出素子として代表的なホール素子71が設けられている。
【0007】
そして、そのホール素子71を正常に動作させるためには所定の電流で制御する必要があることから、その電源側の入力端子にはバイアス抵抗72を介して所定の直流の電源電圧Vcc(例えば、5V)が接続される一方、もう一方の通電用の入力端子にはバイアス抵抗73を介してグランドが接続されている。
【0008】
一方、そのホール素子71の一方の出力端子71aと他方の出力端子71bとの間には、所定の制御電流と検出される磁束密度の大きさに応じてピーク電圧が数百mV程度の正弦波のホール素子出力電圧Vhが発生する。
【0009】
つまり、図15(a)で示したように、ホール素子出力電圧Vhはホール素子71の検出する磁束の極性が切り替わるT0、T1、T2、T3、・・・のタイミングで電圧の極性が反転する正弦波の出力電圧波形となっている。
【0010】
そして、そのホール素子71の出力端子71aは抵抗74を介して第1の演算増幅器75の反転入力端子に接続され、ホール素子71の出力端子71bは第1の演算増幅器75の非反転入力端子に接続されるので、その正弦波のホール素子出力電圧Vhは第1の演算増幅器75の第1の帰還抵抗76と抵抗74との比で設定されるゲイン(例えば約100倍)分だけ逆位相で増幅されてその第1の演算増幅器75の出力端子75aより出力される。
【0011】
通常、その第1の演算増幅器75より出力される電圧波形は、ゲインが例えば約100倍程度と十分に大きく設定されることで、ホール素子71の出力端子71aと出力端子71bとの間に発生する正弦波のホール素子出力電圧Vhの最大電圧の部分が電源電圧Vccでクリップされて、全体の波形が図15(b)で示したような台形波に近いものとなっている。
【0012】
さらに、その第1の演算増幅器75の出力端子75aより出力された出力電圧Vout1は、直列に接続されたモータコイル77とモータコイル78の一方の端子77aに接続される一方、抵抗79を介して第2の演算増幅器80の反転入力端子に接続されている。
【0013】
そして、その第2の演算増幅器80の非反転入力端子には、電源電圧Vccとグランドとの間に直列に接続された分圧抵抗81aと分圧抵抗81bの分圧端子81cが接続され、その分圧抵抗81aと分圧抵抗81bとの分圧比に応じて電源電圧Vccが分圧された基準電圧Vrefが入力されている。
【0014】
ここで、従来の技術においては、この分圧抵抗81aと分圧抵抗81bはほぼ等価な抵抗値が選択されており、電源電圧Vccの約1/2程度に設定された基準電圧Vrefが第2の演算増幅器80の非反転入力端子に入力されているので、その第2の演算増幅器80の反転入力端子に入力される第1の演算増幅器75の出力電圧Vout1は、基準電圧Vrefを基準として、第2の演算増幅器80の第2の帰還抵抗82と抵抗79との比であるゲイン分だけ逆位相で増幅されてその第2の演算増幅器80の出力端子80aより出力される。
【0015】
つまり、第2の帰還抵抗82と抵抗79はほぼ等価な抵抗値が選択されているためゲインが1倍となるので、第2の演算増幅器80の反転入力端子に入力される第1の演算増幅器75の出力電圧Vout1は、基準電圧Vrefを基準として、単純に位相が反転されて第2の演算増幅器80の出力端子80aより図15(c)で示したような台形波に近い波形で出力される。
【0016】
さらに、その第2の演算増幅器80の出力端子80aは、直列に接続されたモータコイル77とモータコイル78の他方の端子78aに接続されているので、第2の演算増幅器80から出力された出力電圧Vout2はその他方の端子78aに供給される。
【0017】
したがって、直列に接続されたモータコイル77とモータコイル78の両端に供給されるコイル電圧Vcは、第1の演算増幅器75の出力端子75aから出力される出力電圧Vout1と第2の演算増幅器80の出力端子80aから出力される出力電圧Vout2との間の電位差に相当する電圧となるため、図15(d)で示したような波高値が電源電圧Vccであって、前述したホール素子出力電圧Vhの電圧の極性が切り替わるT0、T1、T2、T3、・・・のタイミングで電圧の極性が反転し、そのホール素子出力電圧Vhと逆位相となる台形波に近い出力電圧波形となっている。
【0018】
また、他の従来の技術において、図示しないがマグネットロータの磁束密度の大きさを検出するホール素子と、そのホール素子の出力電圧を増幅する2組の演算増幅器とを備え、一方の演算増幅器によってホール素子出力電圧を逆位相で増幅した電圧を出力し、他方の演算増幅器によってホール素子出力電圧を同位相で増幅した電圧を出力しモータコイルに交互に極性が反転する2極性通電させるファンモータ用の単相全波型の駆動回路が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0019】
さらに、他の従来の技術において、図示しないがNチャンネルMOSFETまたはNPNトランジスタなどの能動素子をHブリッジ接続したHブリッジ回路と、負荷電流に応じた検出電圧と基準電圧回路の定電圧ダイオードによる基準電圧との比較に基づいてHブリッジ回路の駆動を制御する制御回路とを備え、モータの正転・反転動作を制御する混成集積回路が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−140897号公報(第6頁、図1)
【特許文献2】特開平5−291918号公報(第4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、前記従来の技術では、直流モータ駆動回路に供給する電源電圧を定格電圧から例えばその約1/2程度まで可変してモータ回転数を制御する場合にそのモータ回転数の制御範囲が小さいという課題があった。
【0021】
また、(特許文献1)や(特許文献2)などに記載された直流モータ駆動回路においても、供給する電源電圧を定格電圧から例えばその約1/2程度まで可変して、モータ回転数を制御する場合にそのモータ回転数の制御範囲が小さいという課題があった。
【0022】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、簡素な構成で、より広範囲なモータ回転数の制御を実現できる直流モータ駆動回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
前記従来の課題を解決するために、本発明の直流モータ駆動回路は、磁気検出回路の出力信号を入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第1の帰還抵抗が接続された第1の演算増幅器と、第1の演算増幅器から出力された信号を入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第2の帰還抵抗が接続された第2の演算増幅器と、第2の演算増幅器から出力された信号を入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第3の帰還抵抗が接続された第3の演算増幅器と、第2の演算増幅器の出力端子と第3の演算増幅器の出力端子との間に接続された前記モータコイルと、電源電圧が所定の電圧より小さい場合には所定のクランプ電圧により制限された基準電圧を出力し、電源電圧が所定の電圧より大きい場合には分圧抵抗比による基準電圧を出力する基準電圧出力回路と、を備え、第2の演算増幅器及び第3の演算増幅器の各非反転入力端子に基準電圧出力回路から出力された基準電圧を供給するものである。
【0024】
また、本発明の直流モータ駆動回路は、磁気検出回路の出力信号を逆位相で増幅するための入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第1の帰還抵抗が接続された第1の演算増幅器と、第1の演算増幅器から出力された信号を入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第2の帰還抵抗が接続された第2の演算増幅器と、磁気検出回路の出力信号を同位相で増幅するための入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第3の帰還抵抗が接続された第3の演算増幅器と、第3の演算増幅器から出力された信号を入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第4の帰還抵抗が接続された第4の演算増幅器と、第2の演算増幅器の出力端子と第4の演算増幅器の出力端子との間に接続されたモータコイルと、電源電圧が所定の電圧より小さい場合には所定のクランプ電圧により制限された基準電圧を出力し、電源電圧が所定の電圧より大きい場合には分圧抵抗比による基準電圧を出力する基準電圧出力回路と、を備え、第2の演算増幅器及び第4の演算増幅器の各非反転入力端子に基準電圧出力回路から出力された基準電圧を供給するものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明の直流モータ駆動回路及びそれを備えた送風ファン装置によれば、直流モータ駆動回路に供給する電源電圧を可変させてモータ回転数を制御する場合において、モータコイルの両端に供給されるコイル電圧の可変範囲を広くすることが可能となるので、より広範囲なモータ回転数の制御を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
請求項1記載の発明によれば、直流モータ駆動回路に供給する電源電圧を定格電圧からその約1/2程度までの範囲において可変させてモータ回転数を制御する場合において、磁気検出回路の出力信号を入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第1の帰還抵抗が接続された第1の演算増幅器と、第1の演算増幅器から出力された信号を入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第2の帰還抵抗が接続された第2の演算増幅器と、第2の演算増幅器から出力された信号を入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第3の帰還抵抗が接続された第3の演算増幅器と、第2の演算増幅器の出力端子と第3の演算増幅器の出力端子との間に接続されたモータコイルと、電源電圧が所定の電圧より小さい場合には所定のクランプ電圧により制限された基準電圧を出力し、電源電圧が所定の電圧より大きい場合には分圧抵抗比による基準電圧を出力する基準電圧出力回路と、を備え、第2の演算増幅器及び第3の演算増幅器の各非反転入力端子に基準電圧出力回路から出力された基準電圧を供給することにより、モータコイルの両端に供給される電圧可変範囲を広くすることが可能となるので、より広範囲なモータ回転数の制御を実現できる。
【0027】
したがって、その直流モータ駆動回路を送風ファン装置のモータ駆動用として用いた場合は、モータ回転数をより大きく低下させてファン騒音を小さくすることができる。
【0028】
請求項2記載の発明によれば、直流モータ駆動回路に供給する電源電圧を定格電圧からその約1/2程度までの範囲において可変させてモータ回転数を制御する場合において、磁気検出回路の出力信号を逆位相で増幅するための入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第1の帰還抵抗が接続された第1の演算増幅器と、第1の演算増幅器から出力された信号を入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第2の帰還抵抗が接続された第2の演算増幅器と、磁気検出回路の出力信号を同位相で増幅するための入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第3の帰還抵抗が接続された第3の演算増幅器と、第3の演算増幅器から出力された信号を入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第4の帰還抵抗が接続された第4の演算増幅器と、第2の演算増幅器の出力端子と第4の演算増幅器の出力端子との間に接続されたモータコイルと、電源電圧が所定の電圧より小さい場合には所定のクランプ電圧により制限された基準電圧を出力し、電源電圧が所定の電圧より大きい場合には分圧抵抗比による基準電圧を出力する基準電圧出力回路と、を備え、第2の演算増幅器及び第4の演算増幅器の各非反転入力端子に前記基準電圧出力回路から出力された基準電圧を供給することにより、モータコイルの両端に供給される電圧可変範囲を広くすることが可能となるので、より広範囲なモータ回転数の制御を実現できる。
【0029】
したがって、その直流モータ駆動回路を送風ファン装置のモータ駆動用として用いた場合は、モータ回転数をより大きく低下させてファン騒音を小さくすることができる。
【0030】
請求項3記載の発明によれば、基準電圧出力回路は、一方の端子が電源電圧に接続され他方の端子が接地された分圧抵抗と、カソード側の端子が抵抗を介して電源電圧に接続されアノード側の端子が接地されて所定のクランプ電圧に制限する定電圧ダイオードと、を備え、カソード側の端子と分圧抵抗の分圧端子との間に、カソード側の端子から分圧抵抗の分圧端子の方向へ順方向となるダイオードを接続した回路構成であることにより、簡単な構成の回路で基準電圧を所定のクランプ電圧以上に制御して磁気検出回路の出力信号を入力とし、反転入力端子と出力端子との間に帰還抵抗が接続された演算増幅器の各非反転入力端子に供給することが可能となるので、より容易に広範囲なモータ回転数の制御を実現できる。
【0031】
したがって、その直流モータ駆動回路を送風ファン装置のモータ駆動用として用いた場合は、モータ回転数をより大きく低下させてファン騒音を小さくすることができる。
【0032】
請求項4記載の発明によれば、マグネットロータの磁極を検出する磁気検出素子と、磁気検出素子の出力信号を入力とし、その入力に対して逆位相で出力する第1の演算増幅器とその入力に対して同位相で出力する第2の演算増幅器とを有する磁気用の増幅手段と、磁気用の増幅手段の出力信号の中間電位をバイアス入力端子に入力された所定の基準電圧と比較して、その所定の基準電圧と等しくなるように制御する電圧レベル設定手段と、中間電位が所定の電圧と等しくなるように制御された前記磁気用の増幅手段の出力信号により通電されるモータコイルと、電源電圧に応じて所定の基準電圧を出力する基準電圧出力手段と、を備え、電圧レベル設定手段のバイアス入力端子に基準電圧出力手段から出力された基準電圧を供給することにより、モータコイルの両端に供給される電圧可変範囲を広くすることが可能となるので、より広範囲なモータ回転数の制御を実現できる。
【0033】
したがって、その直流モータ駆動回路を送風ファン装置のモータ駆動用として用いた場合は、モータ回転数をより大きく低下させてファン騒音を小さくすることができる。
【0034】
請求項5記載の発明によれば、基準電圧出力手段は、電源電圧が所定の電圧より大きい場合には分圧抵抗比による基準電圧を出力し、電源電圧が所定の電圧より小さい場合には所定の電圧に制限された基準電圧を出力することにより、電源電圧に応じて基準電圧をその電源電圧の1/2または電源電圧の1/2よりも小さな電圧に制限することが可能となるので、よりモータコイルの両端に供給される電圧可変範囲を制御することが容易となる。
【0035】
請求項6記載の発明によれば、基準電圧出力手段は、一方の端子が電源電圧に接続され他方の端子が接地された分圧抵抗と、カソード側の端子が電源電圧に接続されアノード側の端子が抵抗を介して接地されてアノード側の端子を所定の電圧に制限する定電圧ダイオードと、を備え、アノード側の端子と分圧抵抗の分圧端子との間に、分圧抵抗の分圧端子からアノード側の端子の方向へ順方向となるダイオードを接続した構成の回路であることにより、簡単な構成の回路で電源電圧に応じて所定の基準電圧を出力して、電圧レベル設定手段のバイアス入力端子にその基準電圧を供給することが可能となるので、より容易に広範囲なモータ回転数の制御を実現できる。
【0036】
したがって、その直流モータ駆動回路を送風ファン装置のモータ駆動用として用いた場合は、モータ回転数をより大きく低下させてファン騒音を小さくすることができる。
【0037】
請求項7記載の発明によれば、本発明に関わる上記いずれかに記載の直流モータ駆動回路を備えているので、電源電圧を可変させてモータ回転数を制御する場合において、モータコイルの両端に供給されるコイル電圧の可変範囲を広くすることが可能となるので、より広範囲なモータ回転数の制御を実現できる。
【0038】
つまり、電子機器側において大きな送風量が必要でない場合には、モータ回転数をより大きく低下させてファン騒音を小さくすることができる。
【0039】
以下本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0040】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における直流モータ駆動回路を示す回路図で、図2(a)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合におけるホール素子出力電圧Vhの電圧波形図で、図2(b)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合における第1の演算増幅器の出力電圧Vout1の電圧波形図で、図2(c)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合における第2の演算増幅器の出力電圧Vout2の電圧波形図で、図2(d)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合における第3の演算増幅器の出力電圧Vout3の電圧波形図で、図2(e)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合におけるコイル電圧Vcの電圧波形図で、図3(a)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合におけるホール素子出力電圧Vhの電圧波形図で、図3(b)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合における第1の演算増幅器の出力電圧Vout1の電圧波形図で、図3(c)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合における第2の演算増幅器の出力電圧Vout2の電圧波形図で、図3(d)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合における第3の演算増幅器の出力電圧Vout3の電圧波形図で、図3(e)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合におけるコイル電圧Vcの電圧波形図で、図4は本発明の実施の形態1の基準電圧出力回路における電源電圧と基準電圧出力との関係を示すグラフで、図5は本発明の実施の形態1における電源電圧とコイル電圧との関係及び電源電圧とモータ回転数との関係を示すグラフである。
【0041】
まず、図1と図2(a)〜(e)を参照しながら、直流モータ駆動回路10の電源電圧Vccが、所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合について説明する。
【0042】
図1において4極のマグネットロータに回転駆動力を与える単相全波型の駆動方式の送風ファン装置などのファンモータとして用いた場合における直流モータ駆動回路10を示しているが、この直流モータ駆動回路10には図示しないマグネットロータの複数の磁極を検出できる適当な場所に磁気検出素子として代表的なホール素子11が設けられている。
【0043】
そして、そのホール素子11を正常に動作させるためには所定の電流で制御する必要があることから、その電源側の入力端子にはバイアス抵抗12を介して所定の直流の電源電圧Vcc(例えば、5V)が接続される一方、もう一方の通電用の入力端子にはバイアス抵抗13を介してグランドが接続されている。
【0044】
一方、そのホール素子11の一方の出力端子11aと他方の出力端子11bとの間には、所定の制御電流と検出される磁束密度の大きさに応じてピーク電圧が数百mV程度の正弦波のホール素子出力電圧Vhが発生する。
【0045】
つまり、図2(a)で示したように、ホール素子出力電圧Vhはホール素子11の検出する磁束の極性が切り替わるT0、T1、T2、T3、・・・のタイミングで電圧の極性が反転する正弦波の出力電圧波形となっている。
【0046】
そして、そのホール素子11の出力端子11aは抵抗14を介して第1の演算増幅器15の反転入力端子に接続され、ホール素子11の出力端子11bは第1の演算増幅器15の非反転入力端子に接続されるので、その正弦波のホール素子出力電圧Vhは第1の演算増幅器15の第1の帰還抵抗16と抵抗14との比で設定されるゲイン(例えば約100倍)分だけ逆位相で増幅されてその第1の演算増幅器15の出力端子15aより出力される。
【0047】
通常、その第1の演算増幅器15より出力される出力電圧Vout1の電圧波形は、ゲインが例えば約100倍程度と十分に大きく設定されることで、ホール素子11の出力端子11aと出力端子11bとの間に発生するピーク電圧が数百mV程度の正弦波のホール素子出力電圧Vhの最大電圧の部分が電源電圧Vccでクリップされて、全体の波形が図2(b)で示したような台形波に近いものとなっている。
【0048】
さらに、その第1の演算増幅器15の出力端子15aは、抵抗17を介して第2の演算増幅器18の反転入力端子に接続されているので、第1の演算増幅器15の出力電圧Vout1は、抵抗17を介して第2の演算増幅器18の反転入力端子に入力される。
【0049】
そして、その第2の演算増幅器18の反転入力端子と出力端子18aとの間には第2の帰還抵抗19が接続されており、その第2の帰還抵抗19と抵抗17はほぼ等価な抵抗値が選択されている。
【0050】
一方、第2の演算増幅器18の非反転入力端子は基準電圧出力回路20の出力端子20aに接続されているので、その出力端子20aから出力される基準電圧Vrefが第2の演算増幅器18の非反転入力端子に入力されている。
【0051】
ここで、基準電圧出力回路20は、一方の端子が電源電圧Vccに接続され他方の端子が接地された2つの分圧抵抗20b、20cと、カソード側の端子が抵抗20dを介して電源電圧Vccに接続されアノード側の端子が接地されて所定のクランプ電圧に制限する定電圧ダイオード20eと、を備え、そのカソード側の端子20fと分圧抵抗20b、20cの分圧端子20gとの間に、カソード側の端子20fから分圧抵抗20b、20cの分圧端子20gの方向へ順方向となるダイオード20hを接続した回路構成となっている。
【0052】
そして、その分圧端子20gが基準電圧出力回路20の出力端子20aに接続され基準電圧Vrefを供給している。
【0053】
そして、第2の帰還抵抗19と抵抗17はほぼ等価な抵抗値が選択されているためゲインが1倍となるので、第1の演算増幅器15の出力電圧Vout1は、前述した基準電圧Vrefを基準として単純に位相が反転されて、第2の演算増幅器18の出力端子18aから出力電圧Vout2として図2(c)で示した電圧波形で出力されている。
【0054】
また、その第2の演算増幅器18の出力端子18aは、直列に接続されたモータコイル21とモータコイル22の一方の端子21aに接続されているので、第2の演算増幅器18の出力端子18aから出力される出力電圧Vout2はその一方の端子21aに供給される。
【0055】
一方、第2の演算増幅器18の出力端子18aは抵抗23を介して第3の演算増幅器24の反転入力端子に接続されているので、第2の演算増幅器18の出力端子18aから出力される出力電圧Vout2は第3の演算増幅器24の反転入力端子に入力されている。
【0056】
また、その第3の演算増幅器24の非反転入力端子には、前述した基準電圧出力回路20の出力端子20aに接続されているので、その出力端子20aから出力される基準電圧Vrefが第3の演算増幅器24の非反転入力端子に入力されている。
【0057】
ここで、その第3の演算増幅器24の反転入力端子とその出力端子24aとの間には第3の帰還抵抗25が接続されており、その第3の帰還抵抗25と抵抗23はほぼ等価な抵抗値が選択されている。
【0058】
したがって、第3の帰還抵抗25と抵抗23はほぼ等価な抵抗値が選択されているためゲインが1倍となるので、第2の演算増幅器18の出力電圧Vout2は、前述した基準電圧Vrefを基準として単純に位相が反転されて、第3の演算増幅器24の出力端子24aから出力電圧Vout3として図2(d)で示した電圧波形で出力されている。
【0059】
さらに、その第3の演算増幅器24の出力端子24aは、直列に接続されたモータコイル21とモータコイル22の他方の端子22aに接続されているので、第3の演算増幅器24から出力される出力電圧Vout3はその他方の端子22aに供給される。
【0060】
したがって、直列に接続されたモータコイル21とモータコイル22の両端に供給されるコイル電圧Vcは、第2の演算増幅器18の出力端子18aの出力電圧Vout2と第3の演算増幅器24の出力端子24aの出力電圧Vout3との間の電位差に相当する電圧となるため、図2(e)で示したような波高値が電源電圧Vccであって、前述したホール素子出力電圧Vhの電圧の極性が切り替わるT0、T1、T2、T3、・・・のタイミングで電圧の極性が反転し、そのホール素子出力電圧Vhと逆位相となる台形波に近い出力電圧波形となっている。
【0061】
次に、図1と図3(a)〜(e)を参照しながら、直流モータ駆動回路10の電源電圧が、所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合について説明する。
【0062】
なお、前述した内容と異なるのは、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも低く、基準電圧Vrefが後述するクランプ電圧(例えば2V)に制限されていることである。
【0063】
まず、図3(a)で示したように、ホール素子出力電圧Vhはホール素子11の検出する磁束の極性が切り替わるT0、T1、T2、T3、・・・のタイミングで電圧の極性が反転する正弦波の出力電圧波形となっている。
【0064】
また、図3(b)で示したように、第1の演算増幅器15より出力される出力電圧Vout1の電圧波形は、電源電圧Vccが低いので波高値が小さい台形波に近いものとなっている。
【0065】
また、図3(c)で示したように、第2の演算増幅器18より出力される出力電圧Vout2の電圧波形は、前述したクランプ電圧に制限された基準電圧Vrefを基準として出力電圧Vout1の単純に位相が反転された電圧波形となっている。
【0066】
また、図3(d)で示したように、第3の演算増幅器24より出力される出力電圧Vout3の電圧波形は、前述したクランプ電圧に制限された基準電圧Vrefを基準として出力電圧Vout2の単純に位相が反転された電圧波形となっている。
【0067】
したがって、図3(e)で示したように、コイル電圧Vcの電圧波形は、波高値が(電源電圧Vcc−基準電圧Vref)の2倍となり、前述したホール素子出力電圧Vhの電圧の極性が切り替わるT0、T1、T2、T3、・・・のタイミングで電圧の極性が反転し、そのホール素子出力電圧Vhと逆位相となる台形波に近い出力電圧波形となっている。
【0068】
つまり、基準電圧Vrefが後述するクランプ電圧(例えば2V)に制限されているので、その分電源電圧Vccとの電位差が小さくなり波高値がより小さくなっている。
【0069】
次に、図4において、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合には、基準電圧Vrefが電源電圧Vccの約1/2となるものの、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合には、基準電圧Vrefが前述したクランプ電圧(例えば2V)に制限されることを実線で示している。
【0070】
つまり、基準電圧出力回路20の分圧抵抗20bと分圧抵抗20cはほぼ等価な抵抗値が選択されているので、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合には、その分圧比に応じた電源電圧Vccの約1/2の電圧が分圧端子20gに供給されているので、定電圧ダイオード20eによって制限された所定のクランプ電圧(例えば2V)よりも分圧端子20gに供給される電圧が大きくなり、ダイオード20hは非導通状態となり、結果として分圧端子20gの電圧は電源電圧Vccの約1/2の電圧となり出力端子20aへ供給され基準電圧Vrefとして出力されている。
【0071】
しかしながら、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合には、定電圧ダイオード20eによって制限された所定のクランプ電圧(例えば2V)よりも分圧端子20gに供給される電圧が小さくなり、ダイオード20hは導通状態となり、結果として分圧端子20gの電圧はその所定のクランプ電圧(例えば2V)となり出力端子20aへ供給され基準電圧Vrefとして出力されている。
【0072】
したがって、本発明の実施の形態1における基準電圧出力回路20の基準電圧Vrefは、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合には、破線で示したような基準電圧Vrefが電源電圧Vccの約1/2となる従来の基準電圧出力回路(図14参照)において出力される基準電圧Vrefと同等の特性を示し、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合には、基準電圧Vrefがそのクランプ電圧(例えば2V)に制限されている特性を示している。
【0073】
次に、図5において、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合には、コイル電圧Vcが電源電圧Vccと比例するものの、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合には、コイル電圧Vcがより大きな勾配で低下することを実線で示している。
【0074】
つまり、従来の直流モータ駆動回路(図14参照)では、電源電圧Vccを定格電圧の5Vからその1/2の2.5V程度までの範囲において可変させてモータ回転数を制御する場合においては、破線で示したようにコイル電圧Vcは電源電圧Vccと比例して増減し2.5V〜5Vの可変範囲となるのに対して、実施の形態1の直流モータ駆動回路10では、実線で示したようにコイル電圧Vcの下限値が約1Vまで低下し1V〜5Vの可変範囲まで広がっている。
【0075】
したがって、コイル電圧Vcと一定の関係にあるモータ回転数は、それぞれのコイル電圧Vcの可変範囲に対応して制御されることとなるため、従来の直流モータ駆動回路(図14参照)ではモータ回転数の制御範囲が2500rpm〜4000rpmであるのに対して、実施の形態1の直流モータ駆動回路10では、モータ回転数の制御範囲が1700rpm〜4000rpmとなって広がっている。
【0076】
以上のように、実施の形態1においては、直列に接続されたモータコイル21とモータコイル22の両端に供給されるコイル電圧Vcの可変範囲を広くすることが可能となるので、より広範囲なモータ回転数の制御を実現できる。
【0077】
そして、送風ファン装置のモータ駆動用として用いた場合は、モータ回転数をより大きく低下させてファン騒音を小さくすることができる。
【0078】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における直流モータ駆動回路を示す回路図で、図7(a)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合におけるホール素子出力電圧Vhの電圧波形図で、図7(b)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合における第1の演算増幅器の出力電圧Vout4の電圧波形図で、図7(c)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合における第2の演算増幅器の出力電圧Vout5の電圧波形図で、図7(d)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合における第3の演算増幅器の出力電圧Vout6の電圧波形図で、図7(e)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合における第4の演算増幅器の出力電圧Vout7の電圧波形図で、図7(f)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合におけるコイル電圧Vcの電圧波形図である。
【0079】
図6と図7(a)〜(f)を参照しながら、直流モータ駆動回路30の電源電圧Vccが、所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合について説明するが、実施の形態1と重複する説明については、一部説明を省略した。
【0080】
まず、図6において4極のマグネットロータに回転駆動力を与える単相全波型の駆動方式の送風ファン装置などのファンモータとして用いた場合における直流モータ駆動回路30を示しているが、この直流モータ駆動回路30には図示しないマグネットロータの複数の磁極を検出できる適当な場所に磁気検出素子として代表的なホール素子31が設けられている。
【0081】
そして、そのホール素子31を正常に動作させるためには所定の電流で制御する必要があることから、その電源側の入力端子にはバイアス抵抗32を介して所定の直流の電源電圧Vcc(例えば、5V)が接続される一方、もう一方の通電用の入力端子にはバイアス抵抗33を介してグランドが接続されている。
【0082】
一方、そのホール素子31の一方の出力端子31aと他方の出力端子31bとの間には、所定の制御電流と検出される磁束密度の大きさに応じてピーク電圧が数百mV程度の正弦波のホール素子出力電圧Vhが発生する。
【0083】
つまり、図7(a)で示したように、ホール素子出力電圧Vhはホール素子11の検出する磁束の極性が切り替わるT0、T1、T2、T3、・・・のタイミングで電圧の極性が反転する正弦波の出力電圧波形となっている。
【0084】
そして、そのホール素子31の出力端子31aは抵抗34を介して第1の演算増幅器35の反転入力端子に接続され、ホール素子31の出力端子31bは第1の演算増幅器35の非反転入力端子に接続されるので、その正弦波のホール素子出力電圧Vhは第1の演算増幅器35の第1の帰還抵抗36と抵抗34との比で設定されるゲイン(例えば約100倍)分だけ逆位相で増幅されてその第1の演算増幅器35の出力端子35aより出力される。
【0085】
通常、その第1の演算増幅器35より出力される出力電圧Vout4の電圧波形は、ゲインが例えば約100倍程度と十分に大きく設定されることで、ホール素子31の出力端子31aと出力端子31bとの間に発生するピーク電圧が数百mV程度の正弦波のホール素子出力電圧Vhの最大電圧の部分が電源電圧Vccでクリップされて、全体の波形が図7(b)で示したような台形波に近いものとなっている。
【0086】
さらに、その第1の演算増幅器35の出力端子35aは、抵抗37を介して第2の演算増幅器38の反転入力端子に接続されているので、第1の演算増幅器35の出力電圧Vout4は、抵抗37を介して第2の演算増幅器38の反転入力端子に入力される。
【0087】
そして、その第2の演算増幅器38の反転入力端子と出力端子38aとの間には第2の帰還抵抗39が接続されており、その第2の帰還抵抗39と抵抗37はほぼ等価な抵抗値が選択されている。
【0088】
加えて、第2の演算増幅器38の非反転入力端子は基準電圧出力回路40の出力端子40aに接続されているので、その出力端子40aから出力される基準電圧Vrefが第2の演算増幅器38の非反転入力端子に入力されている。
【0089】
ここで、基準電圧出力回路40は、実施の形態1において説明したものと構成が同一であって、一方の端子が電源電圧Vccに接続され他方の端子が接地された2つの分圧抵抗40b、40cと、カソード側の端子が抵抗40dを介して電源電圧Vccに接続されアノード側の端子が接地されて所定のクランプ電圧に制限する定電圧ダイオード40eと、を備え、そのカソード側の端子40fと分圧抵抗40b、40cの分圧端子40gとの間に、カソード側の端子40fから分圧抵抗40b、40cの分圧端子40gの方向へ順方向となるダイオード40hを接続した回路構成となっている。
【0090】
そして、その分圧端子40gが基準電圧出力回路40の出力端子40aに接続され基準電圧Vrefを供給している。
【0091】
したがって、第2の帰還抵抗39と抵抗37はほぼ等価な抵抗値が選択されているためゲインが1倍となるので、第1の演算増幅器35の出力電圧Vout4は、前述した基準電圧Vrefを基準として単純に位相が反転されて、第2の演算増幅器38の出力端子38aから出力電圧Vout5として図7(c)で示した電圧波形で出力されている。
【0092】
また、その第2の演算増幅器38の出力端子38aは、直列に接続されたモータコイル41とモータコイル42の一方の端子41aに接続されているので、第2の演算増幅器38の出力端子38aから出力される出力電圧Vout5はその一方の端子41aに供給される。
【0093】
一方、ホール素子31の出力端子31aは抵抗43を介して第3の演算増幅器44の非反転入力端子に接続され、ホール素子31の出力端子31bは第3の演算増幅器44の反転入力端子に接続されるので、その正弦波のホール素子出力電圧Vhは第3の演算増幅器44の第3の帰還抵抗45と抵抗43との比で設定されるゲイン(例えば約100倍)分だけ同位相で増幅されてその第3の演算増幅器44の出力端子44aより出力される。
【0094】
通常、その第3の演算増幅器44より出力される出力電圧Vout6の電圧波形は、ゲインが例えば約100倍程度と十分に大きく設定されることで、ホール素子31の出力端子31aと出力端子31bとの間に発生するピーク電圧が数百mV程度の正弦波のホール素子出力電圧Vhの最大電圧の部分が電源電圧Vccでクリップされて、全体の波形が図7(d)で示したような台形波に近いものとなっている。
【0095】
さらに、その第3の演算増幅器44の出力端子44aは、抵抗46を介して第4の演算増幅器47の反転入力端子に接続されているので、第3の演算増幅器44の出力電圧Vout6は、抵抗46を介して第4の演算増幅器47の反転入力端子に入力される。
【0096】
そして、その第4の演算増幅器47の反転入力端子と出力端子47aとの間には第4の帰還抵抗48が接続されており、その第4の帰還抵抗48と抵抗46はほぼ等価な抵抗値が選択されている。
【0097】
加えて、第4の演算増幅器47の非反転入力端子は基準電圧出力回路40の出力端子40aに接続されているので、その出力端子40aから出力される基準電圧Vrefが第4の演算増幅器47の非反転入力端子に入力されている。
【0098】
そして、第4の帰還抵抗48と抵抗46はほぼ等価な抵抗値が選択されているためゲインが1倍となるので、第3の演算増幅器44の出力電圧Vout6は、前述した基準電圧Vrefを基準として単純に位相が反転されて、第4の演算増幅器47の出力端子47aから出力電圧Vout7として図7(e)で示した電圧波形で出力されている。
【0099】
また、その第4の演算増幅器47の出力端子47aは、直列に接続されたモータコイル41とモータコイル42の他方の端子42aに接続されているので、第4の演算増幅器47の出力端子47aから出力される出力電圧Vout7はその他方の端子42aに供給される。
【0100】
したがって、直列に接続されたモータコイル41とモータコイル42の両端に供給されるコイル電圧Vcは、第2の演算増幅器38の出力端子38aの出力電圧Vout5と第4の演算増幅器47の出力端子47aの出力電圧Vout7との間の電位差に相当する電圧となるため、図7(f)で示したように、コイル電圧Vcの電圧波形は、波高値が(電源電圧Vcc−基準電圧Vref)の2倍となり、前述したホール素子出力電圧Vhの電圧の極性が切り替わるT0、T1、T2、T3、・・・のタイミングで電圧の極性が反転し、そのホール素子出力電圧Vhと逆位相となる台形波に近い出力電圧波形となっている。
【0101】
つまり、基準電圧Vrefが後述するクランプ電圧(例えば2V)に制限されているので、その分電源電圧Vccとの電位差が小さくなり波高値がより小さくなっている。
【0102】
以上の説明より明らかなように、コイル電圧Vcの電圧波形は実施の形態1の場合と同様である。
【0103】
なお、直流モータ駆動回路30の電源電圧Vccが、所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合についても、基準電圧Vrefが電源電圧Vccの約1/2となるため、コイル電圧Vcの波高値が電源電圧Vccとなり、実施の形態1の場合と同様であるので、説明を省略した。
【0104】
以上のように、実施の形態2においては、直列に接続されたモータコイル41とモータコイル42の両端に供給されるコイル電圧Vcの可変範囲を広くすることが可能となるので、より広範囲なモータ回転数の制御を実現できる。
【0105】
そして、送風ファン装置のモータ駆動用として用いた場合は、モータ回転数をより大きく低下させてファン騒音を小さくすることができる。
【0106】
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3における直流モータ駆動回路を示す回路図で、図9(a)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合におけるホール素子出力電圧Vhの電圧波形図で、図9(b)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合における第1の演算増幅器の出力電圧Vout8の電圧波形図で、図9(c)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合における第2の演算増幅器の出力電圧Vout9の電圧波形図で、図9(d)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合におけるコイル電圧Vcの電圧波形図で、図10(a)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合におけるホール素子出力電圧Vhの電圧波形図で、図10(b)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合における第1の演算増幅器の出力電圧Vout8の電圧波形図で、図10(c)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合における第2の演算増幅器の出力電圧Vout9の電圧波形図で、図10(d)は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合におけるコイル電圧Vcの電圧波形図で、図11は本発明の実施の形態3の基準電圧出力手段を構成する回路における電源電圧と基準電圧出力との関係を示すグラフである。
【0107】
まず、図8と図9(a)〜(d)を参照しながら、直流モータ駆動回路100の電源電圧Vccが、所定の電圧(例えば、4V)よりも大きい場合について、直流モータ駆動回路100を構成する磁気用の増幅手段101、電圧レベル設定手段102、及び基準電圧出力手段103の動作を説明する。
【0108】
図8において4極のマグネットロータに回転駆動力を与える単相全波型の駆動方式の送風ファン装置(例えば、図12)などのファンモータとして用いた場合における直流モータ駆動回路100を示しているが、この直流モータ駆動回路100には図示しないマグネットロータの複数の磁極を検出できる適当な場所に磁気検出素子として代表的なホール素子104が設けられている。
【0109】
そして、そのホール素子104を正常に動作させるためには所定の電流で制御する必要があることから、その電源側の入力端子にはバイアス抵抗105を介して所定の直流の電源電圧端子(例えば、5V)が接続される一方、もう一方の通電用の入力端子にはバイアス抵抗106を介してグランド端子が接続されている。
【0110】
一方、そのホール素子104の一方の出力端子104aと他方の出力端子104bとの間には、所定の制御電流と検出される磁束密度の大きさに応じてピーク電圧が数百mV程度の正弦波のホール素子出力電圧Vhが発生し、磁気用の増幅手段101に出力される。
【0111】
そのホール素子出力電圧Vhは、図9(a)で示したように、ホール素子104の検出する磁束の極性が切り替わるT0、T1、T2、T3、・・・のタイミングで電圧の極性が反転する正弦波の出力電圧波形となっている。
【0112】
そして、そのホール素子104の出力端子104aは抵抗107を介して第1の演算増幅器108の反転入力端子に接続され、ホール素子104の出力端子104bは抵抗109を介して第1の演算増幅器108の非反転入力端子に接続されるので、その正弦波のホール素子出力電圧Vhは第1の演算増幅器108の反転入力端子と出力端子108aとの間に接続された第1の帰還抵抗110と抵抗107との比で設定されるゲイン(例えば約100倍)分だけ増幅されてそのホール素子出力電圧Vhに対して逆位相となって第1の演算増幅器108の出力端子108aから出力電圧Vout8として出力される。
【0113】
通常、その第1の演算増幅器108より出力される出力電圧Vout8の電圧波形は、ゲインが例えば約100倍程度と十分に大きく設定されることで、ホール素子104の出力端子104aと出力端子104bとの間に発生するピーク電圧が数百mV程度の正弦波のホール素子出力電圧Vhの最大電圧の部分が電源電圧Vccでクリップされて、全体の波形が図9(b)で示したような台形波に近いものとなっている。
【0114】
一方、ホール素子104の出力端子104aは抵抗107を介して第2の演算増幅器111の非反転入力端子に接続され、ホール素子104の出力端子104bは抵抗109を介して第2の演算増幅器111の反転入力端子に接続されるので、その正弦波のホール素子出力電圧Vhは第2の演算増幅器111の反転入力端子と出力端子111aとの間に接続された第2の帰還抵抗112と抵抗109との比で設定されるゲイン(例えば約100倍)分だけ増幅されてそのホール素子出力電圧Vhに対して同位相となって第2の演算増幅器111の出力端子111aから出力電圧Vout9として出力される。
【0115】
通常、その第2の演算増幅器111より出力される出力電圧Vout9の電圧波形は、ゲインが例えば約100倍程度と十分に大きく設定されることで、ホール素子104の出力端子104aと出力端子104bとの間に発生するピーク電圧が数百mV程度の正弦波のホール素子出力電圧Vhの最大電圧の部分が電源電圧Vccでクリップされて、全体の波形が図9(c)で示したような台形波に近いものとなっている。
【0116】
以上のように、磁気用の増幅手段101は、磁気検出素子であるホール素子104の出力信号を逆位相となるように増幅するための入力とし、反転入力端子と出力端子108aとの間に第1の帰還抵抗110が接続された第1の演算増幅器108と、ホール素子104の出力信号を同位相となるように増幅するための入力とし、反転入力端子と出力端子111aとの間に第2の帰還抵抗112が接続された第2の演算増幅器111とを備え、その磁気用の増幅手段101の出力電圧Vout8及び出力電圧Vout9は電圧レベル設定手段102に供給される。
【0117】
そして、電圧レベル設定手段102においては、その電圧レベル設定手段102の主要部を構成する電圧制御回路113の入力端子113aが第1の演算増幅器108の出力端子108aとバッファアンプ102aを介して接続され、電圧制御回路113の入力端子113bが第2の演算増幅器111の出力端子111aとバッファアンプ102bを介して接続されている。
【0118】
また、電圧レベル設定手段102のバイアス入力端子102cは、電圧制御回路113の入力端子113cに接続され、さらにそのバイアス入力端子102cは所定の基準電圧を出力する基準電圧出力手段103の出力端子103aと接続されている。
【0119】
ここで、電圧制御回路113の内部において、入力端子113aと入力端子113bとから入力された入力電圧の中間電位が、基準電圧出力手段103の出力端子103aからバイアス入力端子102cを介して電圧制御回路113の入力端子113cへ供給された所定の基準電圧Vrefとコンパレータ113dによって比較され、そのコンパレータ113dの出力電圧レベルに応じて調整回路113eが出力端子113fと出力端子113gのそれぞれの電圧レベルを制御して、その中間電位((Vout8+Vout9)/2)が基準電圧Vrefにより等しくなるようしている。
【0120】
つまり、言い換えると電圧レベル設定手段102によって第1の演算増幅器108から出力された出力電圧Vout8と第2の演算増幅器111から出力された出力電圧Vout9との中間電位が基準電圧Vrefと略等しくなるように制御されている。
【0121】
ここで、基準電圧出力手段103を構成する回路は、一方の端子が電源電圧Vccに接続され他方の端子が接地された2つの分圧抵抗103b、103cと、カソード側の端子が電源電圧Vccに接続されアノード側の端子103fが抵抗103dを介して接地されてそのアノード側の端子103fを所定の電圧に制限する定電圧ダイオード103eと、を備え、そのアノード側の端子103fと分圧抵抗103b、103cの分圧端子でもある出力端子103aとの間に、出力端子103aから定電圧ダイオード103eのアノード側の端子103fの方向へ順方向となるダイオード103gを接続した回路構成となっている。
【0122】
上記のような簡単な構成の回路により基準電圧出力手段103は、電源電圧Vccに応じて所定の基準電圧Vrefを出力端子103aへ出力するので、その出力端子103aと接続された電圧レベル設定手段102のバイアス入力端子102cにその基準電圧Vrefを供給することが可能となり、より容易に広範囲なモータ回転数の制御を実現できる。
【0123】
次に、図11において、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合には、基準電圧Vrefが電源電圧Vccの約1/2となるものの、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合には、基準電圧Vrefが電源電圧Vccの約1/2よりも小さな電圧に制限されていることを実線で示している。
【0124】
つまり、基準電圧出力手段103を構成する回路の分圧抵抗103bと分圧抵抗103cは、ほぼ等価な抵抗値が選択されることにより、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合には、その分圧比に応じた電源電圧Vccの約1/2の電圧が出力端子103aに供給されているので、出力端子103aの電圧よりも定電圧ダイオード103eによって所定の電圧に制限されたアノード側の端子103fの電圧が大きくなり、ダイオード103gは非導通状態となり、結果として、出力端子103aの電圧は電源電圧Vccの約1/2の電圧となり基準電圧Vrefとして出力されている。
【0125】
しかしながら、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合には、出力端子103aの電圧よりも定電圧ダイオード103eによって所定の電圧に制限されたアノード側の端子103fの電圧が小さくなり、ダイオード103gは導通状態となり、分圧抵抗103bにはダイオード103gと抵抗103dが並列に接続された回路構成となるため、結果として、電源電圧Vccが小さくなればなるほど、出力端子103aの電圧は電源電圧Vccの約1/2よりもより小さくなる所定の電圧となり基準電圧Vrefとして出力されている。
【0126】
つまり、基準電圧出力手段103を構成する回路から出力する基準電圧Vrefは、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合には、破線で示したような基準電圧Vrefが電源電圧Vccの約1/2となる従来の基準電圧出力回路(図14参照)において出力される基準電圧Vrefと同等の特性を示し、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合には、基準電圧Vrefが所定の電圧(<Vcc/2)に制限されている特性を示している。
【0127】
そして、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合には、第1の演算増幅器108から出力された出力電圧Vout8と第2の演算増幅器111から出力された出力電圧Vout9の中間電位が、電源電圧Vccの約1/2となる基準電圧Vrefと略等しくなるように電圧レベル設定手段102によって設定されているため、図9(b)や図9(c)で示したように出力電圧Vout8と出力電圧Vout9のいずれの波高値も基準電圧Vrefの2倍となる電源電圧Vccであって、前述したホール素子出力電圧Vhの電圧の極性が切り替わるT0、T1、T2、T3、・・・のタイミングで電圧の極性が反転し、そのホール素子出力電圧Vhに対して出力電圧Vout8は逆位相、出力電圧Vout9は同位相となる台形波に近い出力電圧波形となっている。
【0128】
したがって、直列に接続されたモータコイル114とモータコイル115の両端の端子114aと端子115aとに供給されるコイル電圧Vcは、第1の演算増幅器108の出力端子108aの出力電圧Vout8と第2の演算増幅器111の出力端子111aの出力電圧Vout9との間の電位差が反転したものに相当する電圧となるため、図9(d)で示したように、コイル電圧Vcの電圧波形は、波高値が電源電圧Vccであって、前述したホール素子出力電圧Vhの電圧の極性が切り替わるT0、T1、T2、T3、・・・のタイミングで電圧の極性が反転し、そのホール素子出力電圧Vhと逆位相となる台形波に近い出力電圧波形となっている。
【0129】
そして、そのコイル電圧Vcによって直列に接続されたモータコイル114とモータコイル115が通電して所望の回転駆動力が得られている。
【0130】
次に、図8と図10(a)〜(d)を参照しながら、直流モータ駆動回路100の電源電圧Vccが、所定の電圧(例えば、4V)よりも小さい場合について、直流モータ駆動回路100を構成する磁気用の増幅手段101、電圧レベル設定手段102、及び基準電圧出力手段103の動作を説明する。
【0131】
なお、前述した内容と異なるのは、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも低く、基準電圧Vrefが前述したように所定の電圧(<Vcc/2)に制限されていることである。
【0132】
まず、図10(a)で示したように、ホール素子出力電圧Vhはホール素子104の検出する磁束の極性が切り替わるT0、T1、T2、T3、・・・のタイミングで電圧の極性が反転する正弦波の出力電圧波形となっている。
【0133】
また、図10(b)で示したように、第1の演算増幅器108より出力される出力電圧Vout8の電圧波形は、その波高値が基準電圧Vrefの2倍となるものの基準電圧Vrefが所定の電圧(<Vcc/2)に制限されているので、その波高値が電源電圧Vccよりも小さな台形波に近いものとなっている。
【0134】
また、図10(c)で示したように、第2の演算増幅器111より出力される出力電圧Vout9の電圧波形も、その波高値が基準電圧Vrefの2倍となるものの基準電圧Vrefが所定の電圧(<Vcc/2)に制限されているので、その波高値が電源電圧Vccよりも小さな台形波に近いものとなっている。
【0135】
そして、ホール素子出力電圧Vhに対して出力電圧Vout8は逆位相、出力電圧Vout9は同位相となる台形波に近い出力電圧波形となっている。
【0136】
したがって、直列に接続されたモータコイル114とモータコイル115の両端の端子114aと端子115aとに供給されるコイル電圧Vcは、第1の演算増幅器108の出力端子108aの出力電圧Vout8と第2の演算増幅器111の出力端子111aの出力電圧Vout9との間の電位差が反転したものに相当する電圧となるため、図10(d)で示したように、コイル電圧Vcの電圧波形は、波高値が電源電圧Vccよりも小さく、前述したホール素子出力電圧Vhの電圧の極性が切り替わるT0、T1、T2、T3、・・・のタイミングで電圧の極性が反転し、そのホール素子出力電圧Vhと逆位相となる台形波に近い出力電圧波形となっている。
【0137】
そして、そのコイル電圧Vcによって直列に接続されたモータコイル114とモータコイル115が通電して所望の回転駆動力が得られている。
【0138】
以上説明したように、コイル電圧Vcの波高値は基準電圧Vrefの2倍となることから、図11で示した基準電圧Vrefと電源電圧Vccとの関係において単純にY軸の数値を2倍にした関係がコイル電圧Vcと電源電圧Vccとの関係となり、その関係は電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合には、コイル電圧Vcが電源電圧Vccと比例するものの、電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合には、コイル電圧Vcがより大きな勾配で低下することを意味し、実施の形態1において説明した図5の実線と略同一の特性を有するものである。
【0139】
つまり、その図5でも説明したように、従来の直流モータ駆動回路(図14参照)では、電源電圧Vccを定格電圧の5Vからその1/2の2.5V程度までの範囲において可変させてモータ回転数を制御する場合においては、破線で示したようにコイル電圧Vcは電源電圧Vccと比例して増減し2.5V〜5Vの可変範囲となるのに対して、実施の形態3の直流モータ駆動回路100では、実線で示したようにコイル電圧Vcの下限値が約1Vまで低下し1V〜5Vの可変範囲まで広がっている。
【0140】
したがって、コイル電圧Vcと一定の関係にあるモータ回転数は、それぞれのコイル電圧Vcの可変範囲に対応して制御されることとなるため、従来の直流モータ駆動回路(図14参照)ではモータ回転数の制御範囲が2500rpm〜4000rpmであるのに対して、実施の形態3の直流モータ駆動回路100では、モータ回転数の制御範囲が1700rpm〜4000rpmとなって広がっている。
【0141】
以上のように、実施の形態3においては、直列に接続されたモータコイル114とモータコイル115の両端の端子114aと端子115aとに供給されるコイル電圧Vcの可変範囲を広くすることが可能となるので、より広範囲なモータ回転数の制御を実現できる。
【0142】
そして、送風ファン装置のモータ駆動用として用いた場合は、モータ回転数をより大きく低下させてファン騒音を小さくすることができる。
【0143】
(実施の形態4)
図12は、本発明の実施の形態4における送風ファン装置の斜視図で、図13は、本発明の実施の形態4における送風ファン装置のモータ部の断面図である。
【0144】
まず、図12で示したように、送風ファン装置50の薄型で偏平形状のケーシング501は、上部に位置するファンカバー501aとその下部に位置するファンフレーム501bとにより構成されている。
【0145】
ここで、ファンカバー501aは、アルミニウムやステンレス鋼などの金属材料の打ち抜き成形や樹脂成形によりプレート状に成形されており、その略中央部に外部から空気を吸気する略円形状の上側空気吸込口502が配設されている。
【0146】
そして、ファンカバー501aとファンフレーム501bとに挟まれて収容されるように遠心型のファン58がケーシング501の内部に配置され、そのファン58は、円筒形状の外周面を有するハブ部とその外周面から遠心方向へ略放射状に延びる複数のブレードとから構成され、さらにそのブレードがシャフト58a(図13参照)を中心として回転することによって、上側空気吸込口502から吸い込んだ空気を遠心方向へ送風する。
【0147】
また、ファンフレーム501bは、樹脂成型やアルミニウム合金のダイカスト成型などにより底面と側面が一体的に成形され、その一方の側面には、ケーシング501の内部に吸気されケーシング501の内壁面に沿って流れた空気を吹き出す空気吹出口503が配設されている。
【0148】
また、ファンカバー501aとファンフレーム501bとは、4箇所に設けられたカシメ部504においてファンカバー501aの取り付け穴にファンフレーム501bの突起部を嵌挿して熱溶着やカシメなどにより固定されている。
【0149】
また、ファンフレーム501bの下方に位置する底面にも前述した上側空気吸込口502と略同径の下側空気吸込口(図示せず)が配設され、外部からの空気を吸気している。
【0150】
そして、その下側空気吸込口を横断するように、ファン58を回転自在に保持する支持部材51(図13参照)がファンフレーム501bの下側空気吸込口の周部に連設されている。
【0151】
ここで、ファン58が矢印Rで示した回転方向に高速で回転すると、ファンカバー501aの中央部に配設された上側空気吸込口502とファンフレーム501bの底面の中央部に配設された下側空気吸込口との両方から空気が吸気される。
【0152】
さらにその吸気された空気が、ファン58の複数のブレードの回転運動によりケーシング501の内部でそのブレードの遠心方向へと風向きが変えられるので、その大部分はファンカバー501aやファンフレーム501bの内壁にぶつかりながら、その内壁に沿ってファン58の矢印Rで示した回転方向へそれらの空気が送られて最終的に空気吹出口503から吹き出される。
【0153】
次に、図13で示した本発明の実施の形態4における送風ファン装置50のモータ部の断面図を参照して説明する。
【0154】
ここで、送風ファン装置50の主要部であるモータ部は支持部材51に連設された環状保持部52の内周側に構成されており、円板状の底面を有しその略中央が円筒状に突出したハウジング53がその環状保持部52の内周側に固定され、そのハウジング53の周囲にはモータコイル54が巻かれた環状のステータ55やホール素子56等が実装された直流モータ駆動回路基板57が配置されそのモータ部の主要部を構成している。
【0155】
一方、ハウジング53の内部には、ファン58に一体成型により組み込まれたシャフト58aの下端が挿入され回転自在に軸支する軸受けスリーブ59が収容されており、その軸受けスリーブ59をハウジング53内に形成された受け座53aとの間で挟むように固定リング60がハウジング53の開口側に圧入固定されている。
【0156】
また、シャフト58aはスラストシート61に当接した状態で軸受けスリーブ59にはめ込まれている。
【0157】
そして、ファン58には、環状のステータ55と対向配置するように4極のマグネットロータ58bとマグネットヨーク58cが配置されモータ部のロータを構成している。
【0158】
以上のように構成されたモータ部において、直流モータ駆動回路基板57にリード線62を介して電源電圧Vccが供給されると、ステータ55に巻かれた各モータコイル54に電流が流れステータ55に磁力が発生する。するとマグネットロータ58bは周方向にN極とS極が交互に着磁されており、ステータ55に発生した磁力と引き合ってファン58が回転する。
【0159】
このとき、直流モータ駆動回路基板57に実装されたホール素子56はマグネットロータ58bのN極とS極の磁極を検出して出力信号を発生する。各モータコイル54に流れる電流をホール素子56の出力信号により位相を逆転させ、転流するように制御することで、ステータ55に発生する磁力の磁極は逐次変わってマグネットロータ58bのN極やS極と引き合い、ファン58は、所定の回転方向に連続的に回転する。
【0160】
そして、ファン58の回転により、図示しないファンカバーの一方の吸気口から外部の空気が吸気され、その吸気された空気は、ファン58の遠心方向へ送風され排気口より吹き出される。
【0161】
ここで、直流モータ駆動回路基板57は、前述した実施の形態1、実施の形態2、または実施の形態3において説明したような本発明に関わる直流モータ駆動回路を備えているので、リード線62を介して供給される電源電圧Vccを可変させてモータ回転数を制御する場合において、モータコイル54の両端に供給されるコイル電圧の可変範囲を広くすることが可能となるので、より広範囲なモータ回転数の制御を実現できる。
【0162】
つまり、電子機器側において大きな送風量が必要でない場合には、モータ回転数をより大きく低下させてファン騒音を小さくすることができる。
【0163】
なお、以上の実施の形態の説明において、構成要素の個数、電源電圧や所定の電圧などの設定値、クランプ電圧、抵抗、帰還抵抗などの回路常数等については、特にそれらに限定される旨の記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なるひとつの実施の形態の説明に過ぎず、様々な変形が可能である。
【0164】
例えば、電源電圧は5Vでなく12Vやそれ以外の電圧でもよく、発明の目的を達成できるよう構成要素の個数、電源電圧や所定の電圧などの設定値、クランプ電圧、抵抗、帰還抵抗などの回路常数は適宜選択すればよい。また、モータコイルは一個または極数に応じて複数個でもよく、さらに磁気検出素子としてホール素子に換えて、ホールICや磁気抵抗素子など別の磁電変換素子を応用してもよい。
【0165】
また、送風ファン装置のファンの形状についても、例えばシロッコファンやクロスフローファンのようにブレードが外周部のみに形成されブレードの回転によって遠心方向へ空気を送風するような形態の遠心型のファンでもよく、プロペラファンのような軸流方向へ空気を送風するような形態の軸流型のファンであっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0166】
本発明にかかる直流モータ駆動回路及びそれを備えた送風ファン装置は、直流モータ駆動回路の電源電圧を可変させてモータ回転数を制御する場合において、モータコイルの両端に供給される電圧可変範囲を広くすることが可能となるので、マグネットロータの磁極を検出する磁気検出素子の出力信号を磁気用の演算増幅器によって増幅し、その増幅された出力信号を入力としたモータコイル用の演算増幅器を介してモータコイルへの通電を行う単相全波型の直流モータ駆動回路及びそれを備えた送風ファン装置、さらには回転数制御を行う各種の直流モータ駆動装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】本発明の実施の形態1における直流モータ駆動回路を示す回路図
【図2】(a)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合におけるホール素子出力電圧Vhの電圧波形図、(b)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合における第1の演算増幅器の出力電圧Vout1の電圧波形図、(c)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合における第2の演算増幅器の出力電圧Vout2の電圧波形図、(d)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合における第3の演算増幅器の出力電圧Vout3の電圧波形図、(e)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合におけるコイル電圧Vcの電圧波形図
【図3】(a)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合におけるホール素子出力電圧Vhの電圧波形図、(b)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合における第1の演算増幅器の出力電圧Vout1の電圧波形図、(c)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合における第2の演算増幅器の出力電圧Vout2の電圧波形図、(d)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合における第3の演算増幅器の出力電圧Vout3の電圧波形図、(e)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合におけるコイル電圧Vcの電圧波形図
【図4】本発明の実施の形態1の基準電圧出力回路における電源電圧と基準電圧出力との関係を示すグラフ
【図5】本発明の実施の形態1における電源電圧とコイル電圧との関係及び電源電圧とモータ回転数との関係を示すグラフ
【図6】本発明の実施の形態2における直流モータ駆動回路を示す回路図
【図7】(a)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合におけるホール素子出力電圧Vhの電圧波形図、(b)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合における第1の演算増幅器の出力電圧Vout4の電圧波形図、(c)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合における第2の演算増幅器の出力電圧Vout5の電圧波形図、(d)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合における第3の演算増幅器の出力電圧Vout6の電圧波形図、(e)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合における第4の演算増幅器の出力電圧Vout7の電圧波形図、(f)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合におけるコイル電圧Vcの電圧波形図
【図8】本発明の実施の形態3における直流モータ駆動回路を示す回路図
【図9】(a)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合におけるホール素子出力電圧Vhの電圧波形図、(b)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合における第1の演算増幅器の出力電圧Vout8の電圧波形図、(c)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合における第2の演算増幅器の出力電圧Vout9の電圧波形図、(d)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも大きい場合におけるコイル電圧Vcの電圧波形図
【図10】(a)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合におけるホール素子出力電圧Vhの電圧波形図、(b)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合における第1の演算増幅器の出力電圧Vout8の電圧波形図、(c)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合における第2の演算増幅器の出力電圧Vout9の電圧波形図、(d)電源電圧Vccが所定の電圧(例えば4V)よりも小さい場合におけるコイル電圧Vcの電圧波形図
【図11】本発明の実施の形態3の基準電圧出力手段を構成する回路における電源電圧と基準電圧出力との関係を示すグラフ
【図12】本発明の実施の形態4における送風ファン装置の斜視図
【図13】本発明の実施の形態4における送風ファン装置のモータ部の断面図
【図14】従来の技術における直流モータ駆動回路を示す回路図
【図15】(a)ホール素子出力電圧Vhの電圧波形図、(b)第1の演算増幅器の出力電圧Vout1の電圧波形図、(c)第2の演算増幅器の出力電圧Vout2の電圧波形図、(d)コイル電圧Vcの電圧波形図
【符号の説明】
【0168】
10 直流モータ駆動回路
11 ホール素子
11a 出力端子
11b 出力端子
12 バイアス抵抗
13 バイアス抵抗
14 抵抗
15 第1の演算増幅器
15a 出力端子
16 第1の帰還抵抗
17 抵抗
18 第2の演算増幅器
18a 出力端子
19 第2の帰還抵抗
20 基準電圧出力回路
20a 出力端子
20b 分圧抵抗
20c 分圧抵抗
20d 抵抗
20e 定電圧ダイオード
20f カソード側の端子
20g 分圧端子
20h ダイオード
21 モータコイル
21a 端子
22 モータコイル
22a 端子
23 抵抗
24 第3の演算増幅器
24a 出力端子
25 第3の帰還抵抗
30 直流モータ駆動回路
31 ホール素子
31a 出力端子
31b 出力端子
32 バイアス抵抗
33 バイアス抵抗
34 抵抗
35 第1の演算増幅器
35a 出力端子
36 第1の帰還抵抗
37 抵抗
38 第2の演算増幅器
38a 出力端子
39 第2の帰還抵抗
40 基準電圧出力回路
40a 出力端子
40b 分圧抵抗
40c 分圧抵抗
40d 抵抗
40e 定電圧ダイオード
40f カソード側の端子
40g 分圧端子
40h ダイオード
41 モータコイル
41a 端子
42 モータコイル
42a 端子
43 抵抗
44 第3の演算増幅器
44a 出力端子
45 第3の帰還抵抗
46 抵抗
47 第4の演算増幅器
47a 出力端子
48 第4の帰還抵抗
50 送風ファン装置
51 支持部材
52 環状保持部
53 ハウジング
53a 受け座
54 モータコイル
55 ステータ
56 ホール素子
57 直流モータ駆動回路基板
58 ファン
58a シャフト
58b マグネットロータ
58c マグネットヨーク
59 軸受けスリーブ
60 固定リング
61 スラストシート
62 リード線
100 直流モータ駆動回路
101 磁気用の増幅手段
102 電圧レベル設定手段
102a バッファアンプ
102b バッファアンプ
102c バイアス入力端子
103 基準電圧出力手段
103a 出力端子
103b 分圧抵抗
103c 分圧抵抗
103d 抵抗
103e 定電圧ダイオード
103f アノード側の端子
103g ダイオード
104 ホール素子
104a 出力端子
104b 出力端子
105 バイアス抵抗
106 バイアス抵抗
107 抵抗
108 第1の演算増幅器
108a 出力端子
109 抵抗
110 第1の帰還抵抗
111 第2の演算増幅器
111a 出力端子
112 第2の帰還抵抗
113 電圧制御回路
113a 入力端子
113b 入力端子
113c 入力端子
113d コンパレータ
113e 調整回路
113f 出力端子
113g 出力端子
114 モータコイル
114a 端子
115 モータコイル
115a 端子
501 ケーシング
501a ファンカバー
501b ファンフレーム
502 上側空気吸込口
503 空気吹出口
504 カシメ部
R 回転方向
Vc コイル電圧
Vcc 電源電圧
Vh ホール素子出力電圧
Vout1 出力電圧
Vout2 出力電圧
Vout3 出力電圧
Vout4 出力電圧
Vout5 出力電圧
Vout6 出力電圧
Vout7 出力電圧
Vout8 出力電圧
Vout9 出力電圧
Vref 基準電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マグネットロータの磁極を検出する磁気検出素子の出力信号を磁気用の演算増幅器によって増幅し、その増幅された出力信号を入力としたモータコイル用の演算増幅器を介してモータコイルへの通電を行う単相全波型の直流モータ駆動回路であって、
前記磁気検出回路の出力信号を入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第1の帰還抵抗が接続された第1の演算増幅器と、
前記第1の演算増幅器から出力された信号を入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第2の帰還抵抗が接続された第2の演算増幅器と、
前記第2の演算増幅器から出力された信号を入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第3の帰還抵抗が接続された第3の演算増幅器と、
前記第2の演算増幅器の出力端子と前記第3の演算増幅器の出力端子との間に接続された前記モータコイルと、
電源電圧が所定の電圧より小さい場合には所定のクランプ電圧により制限された基準電圧を出力し、電源電圧が所定の電圧より大きい場合には分圧抵抗比による基準電圧を出力する基準電圧出力回路と、を備え、
前記第2の演算増幅器及び前記第3の演算増幅器の各非反転入力端子に前記基準電圧出力回路から出力された基準電圧を供給することを特徴とする直流モータ駆動回路。
【請求項2】
マグネットロータの磁極を検出する磁気検出素子の出力信号を磁気用の演算増幅器によって増幅し、その増幅された出力信号を入力としたモータコイル用の演算増幅器を介してモータコイルへの通電を行う単相全波型の直流モータ駆動回路であって、
前記磁気検出回路の出力信号を逆位相で増幅するための入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第1の帰還抵抗が接続された第1の演算増幅器と、
前記第1の演算増幅器から出力された信号を入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第2の帰還抵抗が接続された第2の演算増幅器と、
前記磁気検出回路の出力信号を同位相で増幅するための入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第3の帰還抵抗が接続された第3の演算増幅器と、
前記第3の演算増幅器から出力された信号を入力とし、反転入力端子と出力端子との間に第4の帰還抵抗が接続された第4の演算増幅器と、
前記第2の演算増幅器の出力端子と前記第4の演算増幅器の出力端子との間に接続された前記モータコイルと、
電源電圧が所定の電圧より小さい場合には所定のクランプ電圧により制限された基準電圧を出力し、電源電圧が所定の電圧より大きい場合には分圧抵抗比による基準電圧を出力する基準電圧出力回路と、を備え、
前記第2の演算増幅器及び前記第4の演算増幅器の各非反転入力端子に前記基準電圧出力回路から出力された基準電圧を供給することを特徴とする直流モータ駆動回路。
【請求項3】
前記基準電圧出力回路は、一方の端子が前記電源電圧に接続され他方の端子が接地された分圧抵抗と、カソード側の端子が抵抗を介して前記電源電圧に接続されアノード側の端子が接地されて前記所定のクランプ電圧に制限する定電圧ダイオードと、を備え、
前記カソード側の端子と前記分圧抵抗の分圧端子との間に、前記カソード側の端子から前記分圧抵抗の分圧端子の方向へ順方向となるダイオードを接続した回路構成であることを特徴とする請求項1または2記載の直流モータ駆動回路。
【請求項4】
マグネットロータの磁極を検出する磁気検出素子と、
前記磁気検出素子の出力信号を入力とし、その入力に対して逆位相で出力する第1の演算増幅器とその入力に対して同位相で出力する第2の演算増幅器とを有する磁気用の増幅手段と、
前記磁気用の増幅手段の出力信号の中間電位をバイアス入力端子に入力された所定の基準電圧と比較して、その所定の基準電圧と等しくなるように制御する電圧レベル設定手段と、
中間電位が前記所定の電圧と等しくなるように制御された前記磁気用の増幅手段の出力信号により通電されるモータコイルと、
電源電圧に応じて所定の基準電圧を出力する基準電圧出力手段と、を備え、
前記電圧レベル設定手段の前記バイアス入力端子に前記基準電圧出力手段から出力された基準電圧を供給することを特徴とする直流モータ駆動回路。
【請求項5】
前記基準電圧出力手段は、電源電圧が所定の電圧より大きい場合には分圧抵抗比による基準電圧を出力し、電源電圧が所定の電圧より小さい場合には所定の電圧に制限された基準電圧を出力することを特徴とする請求項4記載の直流モータ駆動回路。
【請求項6】
前記基準電圧出力手段は、一方の端子が前記電源電圧に接続され他方の端子が接地された分圧抵抗と、カソード側の端子が前記電源電圧に接続されアノード側の端子が抵抗を介して接地されて前記アノード側の端子を所定の電圧に制限する定電圧ダイオードと、を備え、
前記アノード側の端子と前記分圧抵抗の分圧端子との間に、前記分圧抵抗の分圧端子から前記アノード側の端子の方向へ順方向となるダイオードを接続した構成の回路であることを特徴とする請求項4記載の直流モータ駆動回路。
【請求項7】
請求項1から6いずれか1項に記載の直流モータ駆動回路を備えたことを特徴とする送風ファン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−104335(P2008−104335A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−349186(P2006−349186)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】