説明

真空冷却機

【課題】 温かいまま成形されたおにぎりを、簡易な構成で短時間に均一に冷却するための真空冷却機の提供。
【解決手段】 被冷却物としてのおにぎり3は、円板状のプレート4に載せられる。プレート4の上方位置には、下方に開口したドーム形の蓋体7が配置されている。プレート4を上下動装置5により上下動させることで、プレート4に対する蓋体7の開閉が可能である。プレート4に蓋体7が閉められた状態では、内部に気密状態の冷却空間10が形成される。冷却空間10は、真空ユニット11にて所定圧力下に減圧可能である。減圧後には、復圧ライン18にて真空解除して大気圧まで復圧される。減圧ライン17や復圧ライン18は、蓋体7の側へ設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、米飯(おにぎり状態のものを含む)や惣菜などの冷却に用いられる真空冷却機に関するものである。特に、コンビニエンスストアなどで販売されるおにぎりを、温かいまま成形した後、冷却するのに適した真空冷却機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアなどで販売されるおにぎりの製法に関して、従来は、炊き上がった米飯をほぐして、十分に冷ました後、おにぎりに成形して製造していた。ところが、この場合、一旦冷ましてしまうので、その後のおにぎりへの成形に不都合を生じるし、味覚の上でも好ましくない。このようなことから、下記特許文献1および2に開示されるように、炊き上がった米飯を温かいまま、おにぎりに成形してから有効に冷却することが模索されている。
【0003】
すなわち、特許文献1に記載の発明は、成形されたおにぎりを三つの冷却円盤上を順に通過させながら徐々に冷却するために、各冷却円盤の周方向の一部を覆うように冷却フードを配置したものである。回転する冷却円盤上に載せられたおにぎりは、冷却フードを通過する際、冷却フード上部から供給される冷却空気で冷やされ、その冷却空気は、おにぎりの下方より吸引される構成とされている。
【0004】
また、特許文献2に記載の発明は、成形されたおにぎりを二つの冷却円盤上を順に通過させながら徐々に冷却するために、各冷却円盤の周方向の所定位置の上方に、冷風ノズルを有する握飯カバーを上下動可能に設けたものである。間欠的に回転する冷却円盤上に載せられたおにぎりは、握飯カバーのある所定位置にて停止すると、握飯カバーが下降して覆われ、その握飯カバー内の冷風ノズルから噴出される冷却空気で冷やされ、その冷却空気は、おにぎりの下方より吸引される構成とされている。
【特許文献1】特開2003−250472号公報
【特許文献2】特許第3458107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記いずれの特許文献に記載の発明も、成形したおにぎりを真空冷却するものではない。すなわち、上記いずれの特許文献に記載の発明も、単に空気流で冷却しようとするものであった。従って、複数の冷却円盤を隣接して配置し、各冷却円盤上を順に搬送する際に徐々に冷却せざるを得ず、冷却に時間を要するものであった。さらに、冷却円盤全体を冷却空間として、冷却円盤全体におにぎりを載せて一気に冷却できなかった。
【0006】
また、空気流で冷却する場合には、おにぎりの中を通る空気流がおにぎりの各部位での締まり具合の差などによって偏流することにより均一に冷却できないことがあった。しかも、所定の回転を行う一つの冷却円盤上に複数の冷却空間を有するため、おにぎりの温度などに応じて冷却空間ごとに個別に冷却調整できなかった。さらに、前記特許文献2に記載の発明のように、冷却円盤に対し上下動する握飯カバーに、冷風ノズルを上下動可能に設けるのでは、構成が複雑となってしまうものであった。
【0007】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、各種食材、特に温かいまま成形されたおにぎりを、簡易な構成で短時間に均一に冷却するための真空冷却機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、被冷却物が載せられるプレートと、このプレートに対し相対的に上下動可能に設けられ、前記プレートに気密状態で蓋をする蓋体と、前記プレートと前記蓋体とで形成される空間内の減圧手段と、減圧された前記空間内の復圧手段とを備えることを特徴とする真空冷却機である。請求項1に記載の発明によれば、前記プレート全体が前記蓋体で覆われ、前記プレートと前記蓋体とで形成される空間内を前記減圧手段にて減圧して、前記空間内に収容された被冷却物を真空冷却することができる。真空冷却により短時間で均一な冷却が可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成要件に加えて、前記プレートと前記蓋体の内、いずれか一方の部材は上下動不能に固定され、その一方の部材に対し他方の部材が上下動可能に設けられ、前記減圧手段は、前記一方の部材に接続されていることを特徴とする真空冷却機である。請求項2に記載の発明によれば、前記プレートと前記蓋体の内、一方の部材を固定し、その固定された部材に、前記減圧手段の減圧ラインを設けた。これにより、構成が簡易とできるだけでなく、特に前記減圧ラインを常に最適状態に維持できるので、前記空間内の減圧を効果的に行える。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の構成要件に加えて、前記蓋体は、下方へ開口したドーム形に形成されており、その上部に前記減圧手段および前記復圧手段が接続され、前記蓋体内には、前記復圧手段から流入する空気を遮るようにバッフル板が設けられると共に、前記減圧手段へ向けて流出する気体を濾過するフィルターが設けられていることを特徴とする真空冷却機である。請求項3に記載の発明によれば、前記プレートと前記蓋体とで形成される空間内の減圧時に、米粒などが減圧ラインへ吸引されるのが前記フィルターにより防止される。また、復圧時には、逆に前記空間内に向けて空気が一気に流れ込むが、前記バッフル板により、その空気流が被冷却物に直接に当たることが防止され、被冷却物の吹き飛びが防止される。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の構成要件に加えて、前記プレートの上面に、そこに載せられる前記被冷却物の下面を浮かせる凹溝または凹凸が形成されていることを特徴とする真空冷却機である。請求項4に記載の発明によれば、凹溝または凹凸の作用により、被冷却物の表裏全体から均一に真空冷却できる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の構成要件に加えて、前記空間に収容される被冷却物の温度を検知する温度センサを更に備え、この温度センサの出力に基づき、前記減圧手段による前記空間の減圧時間が調整されることを特徴とする真空冷却機である。請求項5に記載の発明によれば、被冷却物の温度に応じて、真空冷却の度合いを変更することができる。ここで、被冷却物の温度とは、真空冷却の前後いずれか一方または双方の温度をいう。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5までのいずれかに記載の構成要件に加えて、前記空間に収容される被冷却物の量に基づき、前記減圧手段による前記空間の減圧時間が調整されることを特徴とする真空冷却機である。請求項6に記載の発明によれば、被冷却物の量の変化にも対応した真空冷却が可能となる。
【0014】
さらに、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6までのいずれかに記載の構成要件に加えて、前記プレートを少なくとも三つ備え、これら各プレートは、作動可能なテーブル上に設けられており、一のプレートに被冷却物が搬入されると共に、他のプレートから被冷却物が搬出されつつ、更に別のプレート上には前記蓋体が備えられていることで被冷却物の真空冷却が可能とされ、前記テーブルを作動させて、前記蓋体のある位置に各プレートを順次に移動させつつ、各プレートにおける前記搬入、真空冷却、または搬出の各工程が順次に行われることを特徴とする真空冷却機である。請求項7に記載の発明によれば、被冷却物のプレート上への搬入、プレート上での真空冷却、真空冷却後の被冷却物のプレートからの搬出を、各プレートで並列的に、しかも各プレートで順次に行えるので、作業効率を向上することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、各種食材、特に温かいまま成形されたおにぎりを、簡易な構成で短時間に均一に冷却することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。
本実施形態の真空冷却機は、被冷却物が載せ置かれるプレートと、このプレートの蓋体と、前記プレートに前記蓋体が被せられることで形成される空間内の減圧手段と、減圧された前記空間内を大気圧まで復圧する復圧手段とを備える。前記プレートに前記蓋体が被せられることで形成される前記空間は、そこに収容された被冷却物を前記減圧手段にて真空冷却するための領域として機能することから、以下では「冷却空間」と呼ぶことにする。
【0017】
前記プレートは、矩形状などでもよいが、本実施形態では円板状に形成されており、水平に配置される。一方、前記蓋体は、下方に開口したドーム形に形成されている。この蓋体は、前記プレートのほぼ全体を覆う略半球状またはそれよりも偏平に形成されたドーム状とされている。この蓋体は、球面状に形成すれば耐圧性が高まり好ましく、また被冷却物を収容した冷却空間内に余分な空間(空気)が残らない形状が、冷却空間内を減圧する上で好ましい。前記プレートと前記蓋体とは、近接離隔方向に相対的な移動が可能に構成され、前記プレートへの前記蓋体の着脱が可能とされている。
【0018】
その際、前記プレートの位置を固定しておき、そのプレートに対し前記蓋体を上下動してもよいし、逆に、前記蓋体の位置を固定しておき、その蓋体に対し前記プレートを上下動するように構成してもよい。いずれの場合も、前記蓋体によって前記プレートに蓋をなすことができ、蓋をした状態では両部材間に配置されたパッキンにより、前記プレートと前記蓋体とは気密状態に接触し、ひいては前記冷却空間が密閉される。前記パッキンは、前記プレートまたは前記蓋体のいずれの側に設けることもできる。
【0019】
前記プレートまたは前記蓋体には、前記減圧手段の減圧ライン、または前記復圧手段の復圧ラインが接続される。その際、これら減圧ラインや復圧ラインは、前記プレートまたは前記蓋体の内、固定側の部材に設けるのが好ましい。すなわち、前記プレートの位置を固定しておき、そのプレートに対し前記蓋体を上下動する場合には、前記減圧ラインおよび前記復圧ラインは、前記プレートの側に接続するのがよい。逆に、前記蓋体の位置を固定しておき、その蓋体に対し前記プレートを上下動する場合には、前記減圧ラインおよび前記復圧ラインは、前記蓋体の側へ接続するのがよい。このように、固定側の部材に前記減圧ラインや前記復圧ラインを接続することで、構成を簡易とできるだけでなく、特に前記減圧ラインを常に最適状態に維持できるので、前記冷却空間内の減圧を効果的に行える。
【0020】
前記減圧手段は、前記冷却空間内を減圧する手段であり、真空ポンプまたはエゼクタ(ejector)などからなる。これらは、複数種類のものを組み合わせて前記減圧手段として用いることもできる。この減圧手段の減圧ラインは、第一弁を介して前記冷却空間に接続されており、前記第一弁より基端側(真空ポンプ等の側)は常時、所定の減圧下に維持される。従って、前記第一弁を開閉操作することで、前記冷却空間の減圧の有無が切り替えられる。
【0021】
一方、前記復圧手段は、減圧された前記冷却空間内へ外気を導入して、真空状態を解除し復圧する手段である。この復圧手段により、前記冷却空間は、大気圧下に解放可能とされる。その際、衛生面を考慮して、フィルター(第二フィルター)を介して外気を導入するのがよい。前記復圧手段の復圧ラインは、第二弁を介して前記冷却空間に接続されており、この第二弁を開閉操作することで、前記冷却空間と外部との連通の有無が切り替えられる。
【0022】
ところで、前記減圧手段による減圧時に前記冷却空間内の被冷却物またはその一部が、前記減圧ラインに吸い込まれないように、前記冷却空間内にはフィルター(第一フィルター)を設けるのが好ましい。また、前記復圧手段による復圧時に前記冷却空間内へは空気が流入するが、この空気流によって被冷却物が吹き飛ばされないように、前記復圧ラインの出口付近にはバッフル板(邪魔板)を設けるのが好ましい。たとえば、下方に開口したドーム形の前記蓋体の上部中央に、前記減圧ラインと前記復圧ラインとを接続する場合には、前記バッフル板および前記第一フィルターが前記蓋体内に設けられる。すなわち、前記蓋体内には、その上部中央より下方位置に、前記バッフル板が設けられると共に、このバッフル板と前記蓋体内面との間にフィルターが設けられる。
【0023】
前記プレートの上面は、平板状でもよいが、被冷却物を位置決めするための適宜の凹凸部を設けても良い。また、前記プレートの上面には、そこに載せられる前記被冷却物の下面から外方へ延出して凹溝を形成してもよい。この凹溝を形成しておけば、被冷却物の裏面からの減圧が容易かつ確実となり、効率的でムラのない真空冷却が可能となる。さらに、前記凹溝に代えてまたはそれに加えて、前記プレートの上面に適宜の凹凸を形成して、被冷却物を浮かせて保持するようにしてもよい。
【0024】
また、前記プレートへの被冷却物の搬入と、前記プレートからの被冷却物の搬出は、ロボットアームなどの適宜の手段によりなされる。これら被冷却物の搬入または搬出は、前記プレートに隣接して平行に配置されるコンベアベルトとの間で、被冷却物をスライドさせて行うこともできる。その場合、そのスライド時のガイドとして、前記プレート上に形成した凹溝または凹凸を利用することもできる。さらに、前記プレートへの被冷却物の搬入または搬出を簡易に行うために、前記プレートを回転可能としてよい。
【0025】
以上の構成において、前記プレートへの被冷却物の搬入工程、前記蓋体で前記プレートを閉じる工程、前記第二弁を閉じた状態で前記第一弁を開いて前記冷却空間内を減圧する真空冷却工程、前記第一弁を閉じる一方で前記第二弁を開いて前記冷却空間を大気圧まで復圧する工程、前記プレートに対し前記蓋体を開く工程、真空冷却後の被冷却物を前記プレートから搬出する工程、が順次に行われる。この際、前記プレートと前記蓋体との開閉操作、前記第一弁や前記第二弁の各開閉操作などは、これらの駆動部に接続された制御部により行われる。制御部では、予め登録されたプログラムに従い、前記各工程を順次に実行して、被冷却物の真空冷却処理を行う。
【0026】
また、その際、前記冷却空間に収容される被冷却物の温度を検知する温度センサを備えておけば、その温度センサの出力に基づき前記減圧手段の作動時間を調整することで、最適な目標温度まで真空冷却を確実に行うことができる。この温度センサは、被冷却物を前記プレートへ載せる直前に計測できる位置へ設けておけばよい。また、前記冷却空間内に前記温度センサを設けてもよく、その場合はその温度センサからの出力に基づきつつ真空冷却処理が可能である。さらに、真空冷却した後の被冷却物の温度を計測して、前記減圧手段の作動時間を調整してもよい。
【0027】
また、前記冷却空間内の圧力を計測する圧力センサを設けてもよく、その場合もその圧力センサの出力を利用して真空冷却処理が可能なだけでなく、その圧力センサからの出力を利用して、前記復圧手段により前記冷却空間内が大気圧まで完全に戻されたか否かの確認をすることができる。
【0028】
さらに、前記減圧手段の作動時間の調整は、上述したような被冷却物の温度による場合だけでなく、被冷却物の量に基づいて行ってもよい。たとえば、被冷却物がおにぎりの場合には、冷却空間内に収容するおにぎりの個数に応じて、前記減圧手段の作動時間を調整するのである。その際、おにぎりの個数だけでなく、前記温度センサにより検出したおにぎりの温度をも考慮して、前記減圧手段の作動時間を調整してもよい。
【0029】
上記実施形態の真空冷却機は、対象とする被冷却物を特に問わない。たとえば、各種惣菜や弁当(トレーに載せられた米飯など)の真空冷却にも利用できるが、好適には、温かい米飯にて成形されたおにぎりの冷却に用いられる。このおにぎりは、コンビニエンスストアなどで販売するためのおにぎりである。おにぎりへの具入れを行う場合には、その具入れは真空冷却処理の前後いずれで行うこともできる。
【0030】
ところで、前記プレートを一つだけ有する真空冷却機では、前記各工程はバッチ処理になるが、前記プレートを少なくとも三つ備えておくことで、連続的な真空冷却処理が可能となる。すなわち、三つのプレートの内、第一プレートでは搬入工程が行われ、第二プレートでは真空冷却工程が行われ、第三プレートでは搬出工程が行われるように、各プレートにおける実行工程をずらしつつ、各プレートにおいて前記搬入、真空冷却、搬出の各工程が順次に行われるように構成すればよい。
【0031】
具体的には、前記第二プレートにおいて、その第二プレート上に載せられた被冷却物に蓋体を被せて真空冷却処理を行う間に、前記第一プレートでは、次の真空冷却処理に備えて被冷却物の搬入がなされ、且つ前記第三プレートでは、真空冷却処理後の被冷却物の搬出処理を行うのである。この場合、円板状のテーブル上に前記各プレートを配置し、そのテーブルを回転など適宜作動させて、前記蓋体のある位置に各プレートを順次に移動させれば、各プレート上に個別に前記蓋体を設置せずに済ませることもできる。
【実施例1】
【0032】
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施例の真空冷却機は、コンビニエンスストアなどで販売するためのおにぎりの製造ラインにおいて、温かい米飯にて成形されたおにぎりに具入れ後、冷却するために用いられる。このようなおにぎり製造システムは、米飯を炊く炊飯装置と、炊き上がった米飯をほぐしあら熱を取るほぐし機と、ほぐされた米飯から所定量を計量取得しおにぎり状に成形する計量成形機と、さらにそのおにぎりに具入れして形を整える包あん成形機と、この包あん成形機から取得したおにぎりの冷却を図る真空冷却機と、この真空冷却機にて冷却されたおにぎりに塩振りして包装する塩振り機および包装機とを備えている。
【0033】
図1は、本発明の真空冷却機の実施例1を示す概略構成図であり、一部を断面にして示している。また、図2は、その真空冷却機への被冷却物の搬入および搬出状態を示す概略平面図である。本実施例の真空冷却機は、前記おにぎり製造システム中の真空冷却機として使用される。真空冷却機と、それに隣接した装置(包あん成形機、塩振り機)とは、第一コンベアベルト1と第二コンベアベルト2を介して、略三角形状のおにぎり3が受け渡される。
【0034】
前記各コンベアベルト1,2との間でおにぎり3の受け渡しを可能に、各コンベアベルト1,2と隣接してプレート4が設けられる。本実施例のプレート4は、図2に示すように平面視円形の板材であり、その上面は平らに形成され、図1に示すように水平に保持されている。プレート4は、その下部に配置された上下動装置5により、上下動可能とされる。この上下動装置5は、カム、ソレノイド、またはエアシリンダなどを利用して構成される。この上下動装置5により、プレート4は、下方停止位置4Dと上方停止位置4Uのいずれかの位置で停止可能である。プレート4が下方停止位置4Dにある場合、プレート4の上面は、前記各コンベアベルト1,2のおにぎり搬送面と同一平面に配置される。ところで、本実施例では、第一コンベアベルト1からプレート4に載せられるおにぎり3の温度を計測する温度センサ6が備えられている。
【0035】
プレート4の真上には、蓋体7が配置されている。蓋体7の位置は常に固定され、この蓋体7に対しプレート4が上下動することで、プレート4は蓋体7により開閉される。つまり、プレート4が下方停止位置4Dにある場合には、プレート4に対し蓋体7が上方へ相対的に離間した状態となり、プレート4に対するおにぎり3の搬入または搬出が可能とされる。一方、プレート4が上方停止位置4Uにある場合には、プレート4に対し蓋体7が相対的に下降した状態となり、プレート4に蓋体7が被せられた状態となる。
【0036】
本実施例の蓋体7は、平面視円形のドーム形に形成されており、上部は偏平に形成され、下方に開口して形成されている。蓋体7の内面下部には、短円筒状のストッパー8が内周に沿って固定される。このストッパー8は、下端部が蓋体7より下方へ延出して、上端部が蓋体7の内周面に固定される。ストッパー8には、前記下方への延出部の外周部に、パッキン9が装着される。その際、パッキン9の上端部は、蓋体7の下端縁へ当接して位置決めされる。また、パッキン9は、その下端部がストッパー8よりも下方へ延出する大きさである。さらに、パッキン9の下端部は、蓋体7の径方向外側へ湾曲する形状とされている。
【0037】
このような構成であるから、プレート4が上方停止位置4Uまで上昇すると、プレート4の外周部上面にストッパー8の下端部が当接されて位置決めがなされる。このようにしてプレート4上に蓋体7が被せられた状態では、ストッパー8の外周部において、プレート4の外周部上面にパッキン9の下端部が密着して、プレート4に蓋体7が気密状態に設けられる。この状態において、パッキン9の下端部外周縁は、プレート4の外周縁にほぼ対応して配置される。これにより、プレート4と蓋体7との間に、おにぎり3の冷却空間10が密閉空間として形成される。ストッパー8の下端部をプレート4の上面に当接して位置決めすることで、パッキン9が適切にプレート4に密着するだけでなく、パッキン9の損傷を防止できる。
【0038】
蓋体7の上部中央は、減圧手段11および復圧手段12に接続される。具体的には、蓋体7の上部中央に接続された管路13を介して、減圧手段11と復圧手段12が蓋体7に接続される。図示例では、T字管13の一端部14が蓋体7の上部中央に接続され、他端部15が減圧手段11に接続され、分岐部16に復圧手段12が接続される。従って、本実施例では、減圧手段11の減圧ライン17と復圧手段12の復圧ライン18は、蓋体7側の末端部において共通の管路とされる。
【0039】
減圧手段11は、真空ユニットからなり、この真空ユニット11は減圧ライン17を介して蓋体7と接続される。真空ユニット11は、典型的には、真空ポンプを備えて構成される。減圧ライン17の中途には、真空ユニット11と冷却空間10との連通の有無を切り替える第一弁19が設けられている。本実施例の第一弁19は、ボール弁とされている。つまり、球状のボール20に形成された貫通穴21の向きを、減圧ライン17の管路に沿って配置するか、またはそれと垂直に配置するか(図1の状態)により、減圧ライン17の開閉が可能とされる。
【0040】
この第一弁19の開閉操作は、前記ボール20に継手22を介して接続された第一弁駆動装置23により行われる。この第一弁駆動装置23は、第一弁19の開閉操作を速やかに行うために、本実施例ではエア駆動バルブが使用される。ところで、減圧ライン17は、前記第一弁19より真空ユニット11側が、真空ユニット11にて常に所定の減圧下に維持されている。従って、プレート4に蓋体7を被せた状態で、第一弁駆動装置23により第一弁19を開けば、プレート4と蓋体7とで形成された冷却空間10内を所定圧力下に減圧することができる。
【0041】
一方、前記復圧手段12は、減圧された前記冷却空間10内へ外気を導入して、真空状態を解除し復圧する手段である。具体的には、外気は、フィルター(第二フィルター)24を介して取り込まれ、復圧ライン18を介して冷却空間10内へ供給可能とされている。復圧ライン18の中途には、外気と冷却空間10との連通の有無を切り替える開閉弁としての第二弁25が設けられている。この第二弁25の開閉操作は、第二弁駆動装置26により行われる。従って、第二弁25を閉じて冷却空間10内を減圧手段11にて減圧した状態で、第二弁25を開ければ、冷却空間10内の真空状態を解除して大気圧下に戻すことができる。
【0042】
さらに、本実施例の復圧ライン18には、前記第二弁25より末端側(冷却空間10側)に、圧力センサ27が設けられている。従って、この圧力センサ27により、冷却空間10内の圧力を検出することができる。
【0043】
蓋体7の上部中央には、上述したように減圧ライン17と復圧ライン18の各末端側の共通管路14が接続されて内面へ開口している。この開口部と離間した下方位置に、蓋体7内にはバッフル板(邪魔板)28が設けられている。バッフル板28の外径は、蓋体7の上部開口の直径よりもやや大きく形成されている。そして、このバッフル板28の外周部と、蓋体7の内面との間には、フィルター(第一フィルター)29が取り替え可能に設けられている。
【0044】
このような構成であるから、冷却空間10の減圧時には、冷却空間10内の空気はフィルター29を介して真空ユニット11側へ吸引されることになる。従って、冷却空間10内の減圧時に、おにぎり3の米粒が吸引されるのが第一フィルター29によって阻止される。また逆に、復圧時には、冷却空間10内へ空気が一気に流入するが、この空気流がおにぎり3に直接に当たるのがバッフル板28によって防止され、前記空気流によるおにぎり3の吹き飛びが防止される。
【0045】
さらに、本実施例の真空冷却機には、減圧手段11や復圧手段12などを制御する制御器(制御手段)30が備えられている。本実施例では、上下動装置5、真空ユニット11、温度センサ6、圧力センサ27、第一弁19(第一弁駆動装置23)、第二弁25(第二弁駆動装置26)などは、制御器30に接続されており、その制御器30にて各種制御が可能とされる。具体的には、制御器30は、温度センサ6からの検出信号に基づいて、真空ユニット11による冷却空間10の減圧時間を調整(つまり第一弁駆動装置23を制御して第一弁19を開く時間を調整)したり、圧力センサ27からの検出信号に基づいて、第二弁25による冷却空間10の復圧完了を確認したりする。このように、制御器は、所定のプログラムに従い、第一弁19や第二弁25の開閉を制御したり、上下動装置5や真空ユニット11を制御したりする。
【0046】
次に、本実施例の真空冷却機の使用について説明する。まず、第一弁19および第二弁25が閉められ、且つプレート4が下方停止位置4Dにあり、蓋体7が開かれた状態とする。この状態において、プレート4上へのおにぎり3の搬入工程が行われる。本実施例では、図2に示すように、包あん成形機(不図示)から第一コンベアベルト1上を所定間隔で搬送されるおにぎり3が、第一ロボットアーム31によりプレート4上に移される。
【0047】
本実施例の第一ロボットアーム31は、基端部32まわりに揺動可能で、先端部33にておにぎり3を保持できる構成である。従って、その先端部33が第一コンベアベルト1とプレート4との間を往復動するように第一ロボットアーム31を揺動させることで、おにぎり3を第一コンベアベルト1からプレート4へ移動させることができる。その際、プレート4を回転させつつ行うことで、プレート4には、周方向に等間隔に所定個数(たとえば16個)のおにぎり3が載せられる。
【0048】
このような搬入工程後、おにぎり3,3…を載せられたプレート4は、蓋体7にて閉じられる。すなわち、上下動装置5によりプレート4を上方停止位置4Uまで上昇させる。その後の真空冷却工程では、第一弁19を所定時間だけ開くことで、冷却空間10内を減圧して、おにぎり3の冷却が図られる。前記所定時間は、冷却空間10内へ搬入されるおにぎり3の温度により調整してもよい。この際のおにぎり3の温度は、上述した温度センサ6により検出される。また、前記所定時間は、プレート4に載せられるおにぎり3の数量に応じて調整してもよい。
【0049】
真空冷却工程後には、第一弁19を閉じる一方、第二弁25を開いて、冷却空間10内を大気圧まで復圧する復圧工程が行われる。この復圧工程により冷却空間10内が大気圧まで戻されたか否かは、圧力センサ27により把握される。復圧工程終了後には、おにぎり3が載せられたプレート4から蓋体7が開かれる。すなわち、上下動装置5によりプレート4を下方停止位置4Dまで下降させた後、プレート4上からのおにぎりの搬出工程が行われる。
【0050】
搬出工程では、図2に示すように、プレート4上のおにぎり3を第二コンベアベルト2上に、所定間隔で搬出する。プレート4から第二コンベアベルト2へのおにぎり3の移動は、第二ロボットアーム34により行われる。この第二ロボットアーム34は、前記第一ロボットアーム31と同様の構成であり、基端部35まわりに揺動可能で、先端部36にておにぎり3を保持できる構成である。プレート4を回転しつつ第二ロボットアーム34を駆動することで、所定速度で作動する第二コンベアベルト2には、所定間隔でおにぎり3が載せられ、塩振り機(不図示)へ向けて搬送される。
【実施例2】
【0051】
図3は、本発明の真空冷却機の実施例2を示す概略斜視図である。また、図4は、その真空冷却機へのおにぎり3の搬入状態を示す概略平面図である。本実施例2は、基本的には前記実施例1と同様の構成であるので、以下では両者の異なる点を中心に説明する。また、両実施例で同等の箇所には、同一の符号を付して説明する。
【0052】
本実施例2においても、蓋体7は上下動不能に固定され、この蓋体7に対しプレート4が上下動する。そして、蓋体7には、減圧手段11や復圧手段12が接続されている。減圧手段の真空ユニット11や復圧手段の第二フィルター24(図3では不図示)は、プレート4を上下動可能で且つ回転可能に保持するボックス37内に収容することができる。そして、蓋体7は、このボックス37上に固定された逆L字形状の取付アーム38に保持されている。
【0053】
本実施例2のプレート4には、その外周部上面に、おにぎり3を所定間隔で位置決めして載せるための載置部39,39…が設けられている。図示例の各載置部39は、平面視略V字形状の凹部が、径方向外側へ向けて形成されてなる。さらに、載置部39には、プレート4の外方へ向けて複数の凹溝40が平行に形成されている。
【0054】
本実施例2では、第一コンベアベルト1からプレート4へのおにぎり3の搬入は、ブロック状の取込ハンド41にて、第一コンベアベルト1からプレート4へおにぎり3をスライドさせて行われる。プレート4が下方停止位置4Dにある場合には、第一コンベアベルト1とプレート4の各上面が同一平面に配置される。また、第一コンベアベルト1とプレート4との間には、ブリッジ材42が配置され、その上面も前記各部材1,4と同一平面に配置される。これにより、第一コンベアベルト1の搬送面は、ブリッジ材42の上面を介して、プレート4の上面と連続的に同一平面に配置される。従って、取込ハンド41をプレート4側へ移動させることで、第一コンベアベルト1上のおにぎり3をプレート4の前記載置部39へ移動することができる。
【0055】
本実施例の取込ハンド41は、おにぎり3を二つずつプレート4へ取り込む構成である。そのために、取込ハンド41には、略コ字形状溝43が隣接して二つ形成されている。各略コ字形状溝43は、おにぎり3を受け入れ可能な幅寸法であり、隣接した略コ字形状溝43,43の間隔は、第一コンベアベルト1上のおにぎり3,3の間隔に対応している。
【0056】
このような構成であるから、第一コンベアベルト1のブリッジ材42と対応した位置に二つのおにぎり3,3が配置されると、取込ハンド41をプレート4側へ移動して、おにぎり3,3をプレート4上の隣接した載置部39,39へ移動させることができる。その後、一ピッチ分(おにぎり載置部39の二個分)だけプレート4を回転させると共に、第一コンベアベルト1もおにぎり3を二個分だけ駆動して、そのおにぎり二個3,3を取込ハンド41にてプレート4へ移動させる。同様にして、プレート4のすべての載置部39に、おにぎり4を収容すればよい。
【0057】
プレート4やブリッジ材42の上部に、おにぎり3のスライド方向に沿った凹溝40,44を複数形成しておけば、おにぎり3のスライドを容易に行うことができる。さらに、プレート4の凹溝40は、真空冷却工程において、おにぎり3を効果的にムラなく冷却するのに効果を発揮する。すなわち、図5および図6に示すように、各載置部39の凹溝40は、その上に載せられるおにぎり3よりも外方へ延出するよう形成されている。これにより、真空冷却時の減圧は、凹溝40を介しておにぎり3の下方からも有効になされる。
【実施例3】
【0058】
図7は、本発明の真空冷却機の実施例3を示す概略平面図である。本実施例3は、基本的には前記実施例1と同様の構成であるので、以下では両者の異なる点を中心に説明する。また、両実施例で同等の箇所には、同一の符号を付して説明する。
【0059】
本実施例では、三つのプレート4(第一プレート4A、第二プレート4B、第三プレート4C)を備える。各プレート4は、同一形状であり、それぞれ前記実施例1と同様の構成とされている。さらに、各プレート4は、一つの円形のテーブル45上に周方向等間隔に設けられており、このテーブル45が回転することで、各プレート4は同一の円上を回転可能とされている。
【0060】
図7の状態において、第一プレート4Aでは搬入工程が行われ、第二プレート4Bでは真空冷却工程が行われ、第三プレート4Cでは搬出工程が行われている。すなわち、第一プレート4Aには、第一コンベアベルト1から第一ロボットアーム31にて、おにぎり3が搬入されている。また、第二プレート4Bでは、おにぎり3が載せられた後、蓋体7が閉じられて、減圧手段11(図7では不図示)により真空冷却がなされた後、復圧手段12(図7では不図示)により復圧される処理がなされる。さらに、第三プレート4Cでは、真空冷却後のおにぎり3を、第二ロボットアーム34にて、第二コンベアベルト2へ搬出している。
【0061】
このような各プレート4における処理は、並列して行われる。つまり、第二プレート4Bにおいて真空冷却工程が行われている最中に、第一プレート4Aでは、次の真空冷却用のおにぎり3の搬入工程が行われており、第三プレート4Cでは、真空冷却後のおにぎり4の搬出工程が行われている。そして、各工程終了後には、テーブル45を回転させて、蓋体7のある位置に第一プレート4Aを配置することで、前記第一プレート4Aに載せられたおにぎり3の真空冷却が可能とされる。その際、第二プレート4Bでは、前記真空冷却後のおにぎり3の搬出がなされ、また第三プレート4Cでは、新たにおにぎり3が搬入される。このように、各プレート4における実行工程をずらしつつ、各プレート4において前記搬入、真空冷却、搬出の各工程が順次に行われる。
【0062】
本発明の真空冷却機は、前記各実施例の構成に限らず、適宜変更可能である。
前記各実施例では、蓋体7を上下動不能に固定して、この蓋体7に対しプレート4を上下動可能としたが、これとは逆に、プレート4を固定し、このプレート4に対し蓋体7を上下動させてもよい。蓋体7の上下動は、図3において、取付アーム38をエアシリンダなどで上下動させればよい。そして、その場合、減圧手段11の減圧ライン17や復圧手段12の復圧ライン18は、前記各実施例のように蓋体7へ接続してもよいが、上下動しないプレート4側へ接続してもよい。
【0063】
また、前記実施例1では、プレート4を回転させつつロボットアーム31,34を揺動させて、プレート4に対するおにぎり3の搬送または搬出を行ったが、ロボットアーム31,34の構成を変更して、プレート4を固定した状態で、おにぎり3の搬送または搬出を可能としてもよい。
【0064】
さらに、前記各実施例では、温かい米飯にて成形されたおにぎり3を冷却するのに使用したが、本発明の真空冷却機は、おにぎり3に限らず、惣菜や弁当などの冷却にも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の真空冷却機の実施例1を示す概略構成図である。
【図2】図1の真空冷却機への被冷却物の搬入および搬出状態を示す概略平面図である。
【図3】本発明の真空冷却機の実施例2を示す概略斜視図である。
【図4】図3の真空冷却機への被冷却物の搬入状態を示す概略平面図である。
【図5】図3の真空冷却機の一部を示す縦断面図であり、被冷却物の搬入とその後の真空冷却状態を示している。
【図6】図3の真空冷却機のプレートにおにぎりが載せられた状態を示す図である。
【図7】本発明の真空冷却機の実施例3を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0066】
1 第一コンベアベルト
2 第二コンベアベルト
3 被冷却物(おにぎり)
4 プレート
4A 第一プレート(一のプレート)
4B 第二プレート(更に別のプレート)
4C 第三プレート(他のプレート)
5 上下動装置
6 温度センサ
7 蓋体
10 冷却空間
11 減圧手段(真空ユニット)
12 復圧手段
17 減圧ライン
18 復圧ライン
19 第一弁
25 第二弁
27 圧力センサ
28 バッフル板
29 第一フィルター
30 制御手段(制御器)
39 載置部
40 凹溝
45 テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被冷却物(3)が載せられるプレート(4)と、
このプレート(4)に対し相対的に上下動可能に設けられ、前記プレート(4)に気密状態で蓋をする蓋体(7)と、
前記プレート(4)と前記蓋体(7)とで形成される空間(10)内の減圧手段(11)と、
減圧された前記空間(10)内の復圧手段(12)と
を備えることを特徴とする真空冷却機。
【請求項2】
前記プレート(4)と前記蓋体(7)の内、いずれか一方の部材(7)は上下動不能に固定され、その一方の部材(7)に対し他方の部材(4)が上下動可能に設けられ、
前記減圧手段(11)は、前記一方の部材(7)に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の真空冷却機。
【請求項3】
前記蓋体(7)は、下方へ開口したドーム形に形成されており、その上部に前記減圧手段(11)および前記復圧手段(12)が接続され、
前記蓋体(7)内には、前記復圧手段(12)から流入する空気を遮るようにバッフル板(28)が設けられると共に、前記減圧手段(11)へ向けて流出する気体を濾過するフィルター(29)が設けられている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空冷却機。
【請求項4】
前記プレート(4)の上面に、そこに載せられる前記被冷却物(3)の下面を浮かせる凹溝または凹凸(40)が形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の真空冷却機。
【請求項5】
前記空間(10)に収容される被冷却物(3)の温度を検知する温度センサ(6)を更に備え、
この温度センサ(6)の出力に基づき、前記減圧手段(11)による前記空間(10)の減圧時間が調整される
ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の真空冷却機。
【請求項6】
前記空間(10)に収容される被冷却物(3)の量に基づき、前記減圧手段(11)による前記空間(10)の減圧時間が調整される
ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の真空冷却機。
【請求項7】
前記プレート(4)を少なくとも三つ(4A,4B.4C)備え、
これら各プレート(4A,4B.4C)は、作動可能なテーブル(45)上に設けられており、
一のプレート(4A)に被冷却物(3)が搬入されると共に、他のプレート(4C)から被冷却物(3)が搬出されつつ、更に別のプレート(4B)上には前記蓋体(7)が備えられていることで被冷却物(3)の真空冷却が可能とされ、
前記テーブル(45)を作動させて、前記蓋体(7)のある位置に各プレート(4A,4B.4C)を順次に移動させつつ、各プレート(4A,4B.4C)における前記搬入、真空冷却、または搬出の各工程が順次に行われる
ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の真空冷却機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−129822(P2006−129822A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−324801(P2004−324801)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【出願人】(504143522)株式会社三浦プロテック (488)
【出願人】(392023625)わらべや日洋株式会社 (4)
【出願人】(000236746)不二精機株式会社 (48)
【Fターム(参考)】