説明

真空処理装置

【課題】搬送室の排気装置の排気能力に拘わらず、搬送室に接続可能な真空処理装置を提供する。
【解決手段】処理室1がターボ分子ポンプ11を含む排気装置50によって排気され、搬送室31がターボ分子ポンプ37を含む排気装置70によって排気されている状態で仕切弁22を開けて基板を搬送室31と処理室1との間で搬送する。また、搬送室31がメカニカルブースタポンプ44およびロータリーポンプ46によって数Paに排気されているとき、処理室1を排気装置50によって排気しながら仕切弁22を開けて基板を搬送室31と処理室1との間で搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、真空処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、真空処理室内のプロセス雰囲気が真空搬送室に入ってくる確率を低くしてウェハを真空搬送室から真空処理室へ搬送する技術が知られている(特許文献1)。
【0003】
また、搬送室の圧力と処理室の圧力とを調整し、処理室の圧力を所定の圧力に調整することが行なわれている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−149948号公報
【特許文献2】特開2008−78197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の真空処理装置においては、搬送室の排気装置がターボ分子ポンプを含む場合と、搬送室の排気装置がターボ分子ポンプを含まない場合とがある。また、処理室の排気装置は、通常、ターボ分子ポンプを含んでいる。従って、各種の処理が可能な処理室を搬送室に接続しようとした場合、搬送室の排気装置と処理室の排気装置との排気能力の違いによって処理室を搬送室に接続するのが困難な場合がある。
【0006】
例えば、搬送室の排気装置がロータリーポンプのみからなり、処理室の排気装置がターボ分子ポンプを含む場合、搬送室と処理室との間のゲートバルブを開けて基板を搬送室から処理室へ搬送しようとすると、処理室の圧力がターボ分子ポンプの作動範囲よりも高くなり、ターボ分子ポンプが停止するという問題がある。また、ゲートバルブを開けた時点では、処理室の圧力は、搬送室の圧力よりも非常に低いので、ロータリーポンプのオイルが搬送室を介して処理室へ逆拡散するという問題がある。
【0007】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、搬送室の排気装置の排気能力に拘わらず、搬送室に接続可能な真空処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の実施の形態によれば、真空処理装置は、処理室と、第1および第2の排気装置と、制御装置とを備える。第1の排気装置は、第1の開閉弁を介して処理室の排気口に接続され、処理室の圧力が第1の圧力になるまで処理室内のガスを排気する。第2の排気装置は、第2の開閉弁を介して処理室の排気口に接続され、処理室の圧力が第1の圧力よりも高い第2の圧力になるまで処理室内のガスを排気する。制御装置は、処理室が接続される搬送室と処理室との間を仕切る仕切弁と第1および第2の開閉弁とを制御する。そして、制御装置は、処理室の圧力と搬送室の圧力との圧力差が仕切弁を開閉可能な圧力差になるように第1および第2の開閉弁を制御し、処理室の圧力と搬送室の圧力との圧力差が仕切弁を開閉可能な圧力差になると、仕切弁を開けるように仕切弁を制御し仕切弁が開いた状態では搬送室および処理室のいずれか一方が排気されるようにまたは搬送室の圧力および処理室の圧力が第1の圧力または第2の圧力になるように第1および第2の開閉弁を制御し、仕切弁が閉じられた時点で処理室の圧力が処理室を第1の排気装置によって排気可能な圧力になるように第1および第2の開閉弁を制御し、処理室の圧力が第1の排気装置によって処理室を排気可能な圧力になると処理室を第1の排気装置によって排気するように第1および第2の開閉弁を制御する。
【発明の効果】
【0009】
この発明の実施の形態による真空処理装置においては、搬送室の圧力に関係無く、仕切弁を開閉できるように処理室の圧力が調整されるとともに、仕切弁が開いた状態では搬送室の排気装置から処理室への逆拡散または処理室の排気装置から搬送室への逆拡散が防止され、仕切弁が閉じられた時点で処理室は第1の排気装置によって排気される。
【0010】
従って、処理室の排気装置の排気能力に拘わらず、第1の排気装置の停止および搬送室または処理室の排気装置からの逆拡散を防止して搬送室に処理室を接続できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態による真空処理装置の概略断面図である。
【図2】実施の形態1における搬送室と処理室との接続を示す模式図である。
【図3】基板を搬送室から処理室へ搬送する方法を説明するための実施の形態1におけるフローチャートである。
【図4】実施の形態2における搬送室と処理室との接続を示す模式図である。
【図5】基板を搬送室から処理室へ搬送する方法を説明するための実施の形態2におけるフローチャートである。
【図6】基板を搬送室から処理室へ搬送する方法を説明するための実施の形態3におけるフローチャートである。
【図7】実施の形態4における搬送室と処理室との接続を示す模式図である。
【図8】基板を搬送室から処理室へ搬送する方法を説明するための実施の形態4におけるフローチャートである。
【図9】実施の形態5における搬送室と処理室との接続を示す模式図である。
【図10】基板を搬送室から処理室へ搬送する方法を説明するための実施の形態5におけるフローチャートである。
【図11】基板を搬送室から処理室へ搬送する方法を説明するための実施の形態6におけるフローチャートである。
【図12】マルチチャンバシステムの概略図である。
【図13】図12に示す真空装置の概略図である。
【図14】この発明の実施の形態による他の真空処理装置の概略図である。
【図15】図14に示すアンテナおよび平板部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0013】
図1は、この発明の実施の形態による真空処理装置の概略断面図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による真空処理装置100は、処理室1と、電極2と、ホルダー3と、ヒーター4と、圧力検出器5と、配管6,8,10,12,14,15,17,19と、ガス供給弁7と、開閉弁9,13,16と、ターボ分子ポンプ11と、メカニカルブースタポンプ18と、ロータリーポンプ20と、制御装置21と、仕切弁22とを備える。
【0014】
処理室1は、四角形の断面形状を有する。そして、処理室1は、搬入/搬出口1Aと、排気口1Bとを含む。搬入/搬出口1Aは、仕切弁22に接している。電極2は、処理室1内に配置され、処理室1の天井1Cに固定される。
【0015】
ホルダー3は、処理室1内に配置され、電極2に対向するように処理室1の底面1Dに固定される。ヒーター4は、ホルダー3内に配置される。
【0016】
圧力検出器5は、例えば、ピラニーゲージからなる。そして、圧力検出器5は、例えば、処理室1の天井1Cに取り付けられる。
【0017】
配管6は、一方端が処理室1の天井1Cに接続され、他方端がガスボンベ(図示せず)に接続される。
【0018】
ガス供給弁7は、処理室1の近傍で配管6中に配置される。配管8は、一方端が処理室1の排気口1Bに接続され、他方端が開閉弁9に接続される。
【0019】
開閉弁9は、配管8と配管10との間に配置される。配管10は、一方端が開閉弁9に接続され、他方端がターボ分子ポンプ11に接続される。
【0020】
ターボ分子ポンプ11は、配管10と配管12との間に配置される。配管12は、一方端がターボ分子ポンプ11に接続され、他方端が開閉弁13に接続される。
【0021】
開閉弁13は、配管12と配管14との間に配置される。配管14は、一方端が開閉弁13に接続され、他方端がメカニカルブースタポンプ18に接続される。
【0022】
配管15は、一方端が配管8に接続され、他方端が開閉弁16に接続される。開閉弁16は、配管15と配管17との間に配置される。
【0023】
配管17は、一方端が開閉弁16に接続され、他方端が配管14に接続される。メカニカルブースタポンプ18は、配管14と配管19との間に配置される。配管19は、一方端がメカニカルブースタポンプ18に接続され、他方端がロータリーポンプ20に接続される。
【0024】
仕切弁22は、搬入/搬出口1Aに接して配置される。
【0025】
ホルダー3は、基板を支持する。ヒーター4は、制御装置21からの制御に従って基板を所定の温度に加熱する。圧力検出器5は、処理室1内の圧力PPRCを検出し、その検出した圧力PPRCを制御装置21へ出力する。
【0026】
ガス供給弁7は、制御装置21からの制御に従って開閉し、ガスボンベ(図示せず)から供給された窒素(N)ガスを処理室1内に供給し、窒素ガスの処理室1内への供給を停止する。
【0027】
開閉弁9,13,16は、制御装置21からの制御に従って開閉する。ターボ分子ポンプ11は、開閉弁9,13が開けられると、排気口1Bを介して処理室1内のガスをメカニカルブースタポンプ18へ排気する。そして、ターボ分子ポンプ11は、処理室1の圧力PPRCが1×10−4Pa以下の圧力になるまで処理室1内のガスを排気する。また、ターボ分子ポンプ11は、数Pa以下の圧力範囲において動作可能である。この数Paは、ターボ分子ポンプ11が動作可能な「臨界圧力PCRT」である。
【0028】
メカニカルブースタポンプ18は、開閉弁9,13が閉じられ、開閉弁16が開けられると、排気口1Bを介して処理室1内のガスをロータリーポンプ20へ排気する。そして、メカニカルブースタポンプ18は、処理室1の圧力PPRCが数Pa程度の圧力になるまで処理室1内のガスを開閉弁16を介して排気する。
【0029】
また、メカニカルブースタポンプ18は、開閉弁16が閉じられ、開閉弁9,13が開けられると、ターボ分子ポンプ11から排出されたガスをロータリーポンプ20へ排気する。
【0030】
ロータリーポンプ20は、メカニカルブースタポンプ18から排出されたガスを外部へ排出する。
【0031】
制御装置21は、圧力検出器5から圧力PPRCを受ける。また、制御装置21は、処理室1が仕切弁22を介して接続される搬送室(図示せず)の圧力PTRPを搬送室に設けられた圧力検出器(図示せず)から受ける。
【0032】
そして、制御装置21は、搬送室の排気装置の排気能力に関係無く、基板が搬送室と処理室1との間で搬送されるように、圧力PPRC,PTRPに基づいて、後述する方法によって、ガス供給弁7、開閉弁9,13,16および仕切弁22を制御する。
【0033】
また、制御装置21は、ホルダー3上に載せられた基板の温度を所定の温度に加熱するようにヒーター4を制御する。
【0034】
更に、制御装置21は、ターボ分子ポンプ11、メカニカルブースタポンプ18およびロータリーポンプ20をオン/オフする。
【0035】
処理室1内のガスを排気する方法について説明する。処理室1の圧力PPRCは、最初、大気圧であるものとする。
【0036】
処理室1内のガスを排気する動作が開始される前、制御装置21は、開閉弁9,13,16を閉じた状態でロータリーポンプ20をオンし、その後、メカニカルブースタポンプ18をオンする。そして、制御装置21は、開閉弁13を開け、ターボ分子ポンプ11をオンする。
【0037】
その後、制御装置21は、ターボ分子ポンプ11の回転数が定常の回転数に達すると、開閉弁13を閉じ、開閉弁16を開ける。これによって、処理室1内のガスは、メカニカルブースタポンプ18およびロータリーポンプ20によって排気される。
【0038】
そして、制御装置21は、処理室1の圧力PPRCが数Paになると、開閉弁16を閉じ、開閉弁9および開閉弁13を開ける。これによって、処理室1内のガスは、ターボ分子ポンプ11、メカニカルブースタポンプ18およびロータリーポンプ20によって排気され、処理室1の圧力PPRCは、1×10−4Pa以下に到達する。
【0039】
ターボ分子ポンプ11、メカニカルブースタポンプ18およびロータリーポンプ20を用いて処理室1内のガスを排気した場合、処理室1の圧力PPRCは、1×10−4Pa以下に到達するので、配管8、開閉弁9、配管10、ターボ分子ポンプ11、配管12、開閉弁13、配管14、メカニカルブースタポンプ18、配管19およびロータリーポンプ20は、排気装置50を構成する。
【0040】
また、メカニカルブースタポンプ18およびロータリーポンプ20を用いて処理室1内のガスを排気した場合、処理室1の圧力PPRCは、数Pa程度まで到達するので、配管8,15、開閉弁16、配管14,17、メカニカルブースタポンプ18、配管19およびロータリーポンプ20は、排気装置60を構成する。
【0041】
真空処理装置100は、プラズマによって基板上にアモルファスシリコン、アモルファスゲルマニウム、多結晶シリコンおよび多結晶ゲルマニウム等の各種の半導体薄膜を堆積する装置である。
【0042】
また、真空処理装置100は、プラズマによって基板上にシリコン酸化膜およびシリコン窒化膜等の各種の絶縁膜を堆積する装置である。
【0043】
更に、真空処理装置100は、基板上に堆積された各種の半導体薄膜および絶縁膜等を各種のガスを用いてプラズマによってエッチングおよびクリーニングする装置である。
【0044】
そして、処理室1内にプラズマを発生する高周波電源は、例えば、13.56MHzの高周波電力を電極2とホルダー3との間に印加する。これによって、電極2とホルダー3との間の空間にプラズマが発生する。
【0045】
また、各種の半導体薄膜または各種の絶縁膜が基板上に堆積される場合、シラン(SiH)およびゲルマン(GeH)等の各種の材料ガスが配管6およびガス供給弁7を介して処理室1内へ供給される。
【0046】
更に、各種の半導体薄膜または各種の絶縁膜がエッチングまたはクリーニングされる場合、水素(H)ガスおよびアルゴン(Ar)ガス等の各種のガスが配管6およびガス供給弁7を介して処理室1内へ供給される。
【0047】
なお、図1においては、図示されていないが、真空処理装置100は、上述した高周波電源と、整合器とを備えている。整合器は、高周波電源と電極2との間に接続され、高周波電源から供給された高周波電力を反射波を抑制して電極2およびホルダー3間に印加する。
【0048】
以下、搬送室の排気装置の排気能力に関係無く、基板を搬送室と処理室1との間で搬送する方法について説明する。
【0049】
[実施の形態1]
図2は、実施の形態1における搬送室と処理室との接続を示す模式図である。図2を参照して、真空装置200は、搬送室31と、搬送装置32と、圧力検出器33と、配管34,36,38,40,41,43,45,48と、開閉弁35,39,42と、ターボ分子ポンプ37と、メカニカルブースタポンプ44と、ロータリーポンプ46と、搬入/搬出弁47と、ガス供給弁49と、制御装置51とを備える。
【0050】
搬送室31は、四角形の断面形状を有し、搬入/搬出口31A,31Cおよび排気口31Bを含む。
【0051】
搬送装置32は、搬送室31の底面31Dに設置される。圧力検出器33は、例えば、ピラニーゲージからなり、搬送室31の天井31Eに設置される。
【0052】
配管34は、一方端が搬送室31の排気口31Bに接続され、他方端が開閉弁35に接続される。開閉弁35は、配管34と配管36との間に配置される。
【0053】
配管36は、一方端が開閉弁35に接続され、他方端がターボ分子ポンプ37に接続される。ターボ分子ポンプ37は、配管36と配管38との間に配置される。
【0054】
配管38は、一方端がターボ分子ポンプ37に接続され、他方端が開閉弁39に接続される。開閉弁39は、配管38と配管40との間に配置される。
【0055】
配管40は、一方端が開閉弁39に接続され、他方端がメカニカルブースタポンプ44に接続される。
【0056】
配管41は、一方端が配管34に接続され、他方端が開閉弁42に接続される。開閉弁42は、配管41と配管43との間に配置される。配管43は、一方端が開閉弁42に接続され、他方端が配管40に接続される。
【0057】
メカニカルブースタポンプ44は、配管40と配管45との間に配置される。配管45は、一方端がメカニカルブースタポンプ44に接続され、他方端がロータリーポンプ46に接続される。
【0058】
搬入/搬出弁47は、搬入/搬出口31Aに接して配置される。搬入/搬出口31Cは、仕切弁22に接して配置される。
【0059】
配管48は、一方端が搬送室31の天井31Eに接続され、他方端がガスボンベ(図示せず)に接続される。ガス供給弁49は、搬送室31の近くで配管48中に設けられる。
【0060】
搬送装置32は、アーム321を有する。アーム321は、制御装置51からの制御に従って、真空装置200が設置された設置面の面内方向DR1に伸縮する。そして、アーム321は、搬入/搬出口31Aまで伸張し、基板が載せられると、面内方向DR1へ縮む。また、アーム321は、基板を載せた状態で搬入/搬出口31Aまで伸張し、操作者が基板をアーム321から取り除くと、面内方向DR1へ縮む。更に、アーム321は、基板を載せた状態で面内方向DR1へ伸長し、基板を処理室1のホルダー3上へ設置する。更に、アーム321は、処理室1のホルダー3上に載せられた基板を載せて面内方向DR1へ縮み、基板を処理室1から搬送室31へ搬出する。
【0061】
圧力検出器33は、搬送室31の圧力PTRPを検出し、その検出した圧力PTRPを制御装置21,51へ出力する。
【0062】
制御装置51は、ガス供給弁49を開閉する。また、制御装置51は、搬送装置32のアーム321を伸縮させる。更に、制御装置51は、開閉弁35,39,42を開閉する。更に、制御装置51は、ターボ分子ポンプ37、メカニカルブースタポンプ44およびロータリーポンプ46をオン/オフする。更に、制御装置51は、搬入/搬出弁47を開閉する。
【0063】
ターボ分子ポンプ37、メカニカルブースタポンプ44およびロータリーポンプ46を用いて搬送室31内のガスを排気した場合、搬送室31の圧力PTRPは、1×10−4Pa以下に到達するので、配管34、開閉弁35、配管36、ターボ分子ポンプ37、配管38、開閉弁39、配管40、メカニカルブースタポンプ44、配管45およびロータリーポンプ46は、排気装置70を構成する。
【0064】
また、メカニカルブースタポンプ44およびロータリーポンプ46を用いて搬送室31内のガスを排気した場合、搬送室31の圧力PTRPは、数Pa程度まで到達するので、配管34,41、開閉弁42、配管43,40、メカニカルブースタポンプ44、配管45およびロータリーポンプ46は、排気装置80を構成する。
【0065】
基板を搬送室31へ搬入する方法について説明する。なお、ターボ分子ポンプ37、メカニカルブースタポンプ44およびロータリーポンプ46がオンされ、開閉弁35,42が閉じられ、開閉弁39が開けられていることを前提とする。
【0066】
制御装置51は、ガス供給弁49を開ける。これによって、窒素ガスが配管48およびガス供給弁49を介して搬送室31に導入される。
【0067】
そして、制御装置51は、圧力検出器33から受けた圧力PTRPが大気圧になると、搬入/搬出弁47を開ける。その後、制御装置51は、アーム321を搬入/搬出口31Aまで伸張する。引き続いて、制御装置51は、基板がアーム321上に載せられると、アーム321を面内方向DR1へ縮ませる。そして、制御装置51は、アーム321が元の位置まで縮むと、搬入/搬出弁47を閉じ、その後、ガス供給弁49を閉じる。これによって、基板は、搬送室31に搬入される。
【0068】
そうすると、制御装置51は、開閉弁39を閉じ、開閉弁42を開ける。これによって、搬送室31は、排気装置80によって排気される。
【0069】
そして、制御装置51は、圧力検出器33から受けた圧力PTRPが臨界圧力PCRT以下になると、開閉弁42を閉じ、開閉弁35,39を開ける。これによって、搬送室31は、排気装置70によって排気される。そして、搬送室31は、1×10−4Pa以下の圧力に排気される。
【0070】
次に、基板を搬送室31から処理室1へ搬送する方法について説明する。図3は、基板を搬送室31から処理室1へ搬送する方法を説明するための実施の形態1におけるフローチャートである。
【0071】
なお、図3においては、搬入/搬出弁47が開けられ、基板が搬送装置32のアーム321上に載せられ、搬入/搬出弁47が閉じられた状態であり、処理室1は、排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気されていることを前提として基板を搬送室31から処理室1へ搬送する方法を説明する。
【0072】
図3を参照して、一連の動作が開始されると、真空装置200の制御装置51は、開閉弁35,39を閉じ、開閉弁42を開ける。これによって、メカニカルブースタポンプ44およびロータリーポンプ46(=排気装置80)は、搬送室31内のガスを排気する。その後、制御装置51は、搬送室31の圧力PTRPが臨界圧力PCRT以下になると、開閉弁42を閉じ、開閉弁35,39を開ける。これによって、ターボ分子ポンプ37、メカニカルブースタポンプ44およびロータリーポンプ46(=排気装置70)は、搬送室31内のガスを1×10−4Pa以下に排気する。即ち、制御装置51は、搬送室1内のガスを1×10−4Pa以下に排気するように開閉弁35,39,42を制御する(ステップS1)。
【0073】
そして、搬送室31は、排気装置70によって排気され続ける(ステップS2)。
【0074】
一方、真空処理装置100の制御装置21は、搬送室31の圧力PTRPおよび処理室1内の圧力PPRCが1×10−4Pa以下になると、制御装置21は、処理室1を排気装置50によって排気しながら仕切弁22を開ける(ステップS3)。
【0075】
その後、制御装置51は、仕切弁22が開けられたことを示す信号OPEN1を制御装置21から受けると、搬送装置32のアーム321を面内方向DR1へ伸張し、基板を処理室1のホルダー3へ搬送する。即ち、処理室1を排気装置50によって排気しながら基板を搬送室31から処理室1へ搬入する(ステップS4)。
【0076】
この場合、基板は、例えば、ガラス基板からなり、サイズは、例えば、0.7mm(厚み)×550mm×650mmである。
【0077】
制御装置51は、基板が処理室1へ搬入されると、処理室1を排気装置50によって排気しながらアーム321を搬送室31へ戻す(ステップS5)。
【0078】
そして、制御装置21は、アーム321が元の位置に戻ったことを示す信号ARMを制御装置51から受けると、処理室1を排気装置50によって排気しながら仕切弁22を閉じる(ステップS6)。これによって、一連の動作が終了する。
【0079】
基板が処理室1へ搬送されると、制御装置21は、処理室1を排気装置50によって排気しながらシランガス等を配管6およびガス供給弁7を介して処理室1へ供給し、アモルファスシリコン等の半導体薄膜を基板上に堆積する。
【0080】
そして、処理室1におけるプロセスが終了すると、基板は、図3に示すフローチャートに従って処理室1から搬送室31へ搬送される。即ち、搬送室31および処理室1をそれぞれ排気装置70,50によって排気しながら基板が処理室1から搬送室31へ搬送される。
【0081】
このように、実施の形態1においては、搬送室31および処理室1をそれぞれターボ分子ポンプ37,11によって1×10−4Pa以下に排気しながら基板が搬送室31と処理室1との間で搬送される。
【0082】
従って、1×10−4Pa以下の圧力まで排気可能な排気装置70が搬送室31に接続されている場合、処理室1を搬送室31に接続し、基板を搬送室31と処理室1との間で搬送できる。
【0083】
また、基板の処理室1への搬送が完了した時点で、処理室1の圧力は、1×10−4Pa以下に保持されており、プロセスを直ちに開始できる。その結果、基板の搬送からプロセス開始までの時間を大幅に短縮でき、スループットを向上できる。
【0084】
更に、基板を搬送室31から処理室1へ搬送しているとき、搬送室31および処理室1の圧力は、1×10−4Pa以下に保持されているので、搬送室31と処理室1との間でガスの粘性流的な流れはなく、分子流のみである。その結果、搬送室31から処理出1への不純物の持ち込み、および処理室1から搬送室31への残留ガスの拡散を抑制できる。
【0085】
更に、基板を搬送室31と処理室1との間で搬送するとき、搬送室31および処理室1は、それぞれ、排気装置70,50によって排気されているので、排気装置50または排気装置70からのオイルの逆拡散を防止できる。
【0086】
[実施の形態2]
図4は、実施の形態2における搬送室と処理室との接続を示す模式図である。図4を参照して、真空装置300は、図2に示す真空装置200の開閉弁35,39、配管36,38、およびターボ分子ポンプ37を削除し、制御装置51を制御装置51Aに代えたものであり、その他は、真空装置200と同じである。
【0087】
制御装置51Aは、図2に示す制御装置51の機能のうち、開閉弁35,39を開閉する機能と、ターボ分子ポンプ37をオン/オフする機能とを削除したものであり、その他、制御装置51と同じ機能を果たす。
【0088】
このように、実施の形態2においては、真空装置300処理室31は、メカニカルブースタポンプ44およびロータリーポンプ46(=排気装置80)によって排気される。そして、処理室1は、排気装置80によって排気される搬送室31に接続される。即ち、実施の形態2においては、処理室1は、数Pa程度まで排気される搬送室31に接続される。
【0089】
図5は、基板を搬送室から処理室へ搬送する方法を説明するための実施の形態2におけるフローチャートである。
【0090】
なお、図5においても、搬入/搬出弁47が開けられ、基板が搬送装置32のアーム321上に載せられ、搬入/搬出弁47が閉じられた状態であり、処理室1は、排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気されていることを前提として基板を搬送室31から処理室1へ搬送する方法を説明する。
【0091】
図5を参照して、一連の動作が開始されると、制御装置51Aは、開閉弁42を開ける。これによって、メカニカルブースタポンプ44およびロータリーポンプ46(=排気装置80)は、搬送室31内のガスを排気する。即ち、制御装置51Aは、搬送室1内のガスを数Pa程度まで排気するように開閉弁42を制御する(ステップS11)。
【0092】
そして、搬送室31は、排気装置80によって排気され続ける(ステップS12)。
【0093】
一方、真空処理装置200の制御装置21は、処理室1内の圧力PPRCが1×10−4Pa以下になると、開閉弁9,16を閉じる(ステップS13)。
【0094】
そして、制御装置21は、仕切弁22を開ける(ステップS14)。この場合、搬送室31と処理室1との圧力差は、数Pa程度であるので、仕切弁22を開けることができる。これによって、処理室1の圧力は、上昇し、搬送室31の圧力は、若干低下する。
【0095】
その後、制御装置51Aは、アーム321を面内方向DR1へ伸張させ、基板を処理室1のホルダー3上へ搬入する(ステップS15)。そして、制御装置51Aは、アーム321を搬送室31へ戻す(ステップS16)。
【0096】
その後、制御装置21は、アーム321が元の位置へ戻ったことを示す信号ARMを制御装置51Aから受けると、仕切弁22を閉じる(ステップS17)。そして、制御装置21は、開閉弁9を開ける(ステップS18)。これによって、処理室1は、排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気される。そして、一連の動作が終了する。
【0097】
基板が処理室1へ搬入された時点においては、開閉弁9,16は、閉じられており、処理室1の圧力は、数Pa程度であり、臨界圧力PCRT以下であるので、制御装置21は、開閉弁9を開け、排気装置50によって処理室1を排気する。そして、処理室1の圧力が1×10−4Pa以下になると、プロセスが開始される。
【0098】
そして、処理室1におけるプロセスが終了すると、排気装置50によって処理室1を1×10−4Pa以下に排気した後、図5に示すフローチャートに従って基板を処理室1から搬送室31へ搬出する。
【0099】
このように、実施の形態2においては、搬送室31の圧力を数Pa程度に保持し、処理室1の圧力を1×10−4Pa以下に保持した状態で仕切弁22を開けて搬送室31および処理室1を排気装置80によって排気しながら基板を搬送室31と処理室1との間で搬送する。
【0100】
従って、数Pa程度までしか排気しない排気装置80が搬送室31に接続されている場合も、処理室1を搬送室31に接続し、基板を搬送室31と処理室1との間で搬送できる。
【0101】
また、仕切弁22を開ける直前では、処理室1の圧力は、搬送室31の圧力よりも低いので、仕切弁22を開けても、処理室1の残留ガスが搬送室31へ拡散するのを抑制できる。
【0102】
更に、仕切弁22を開けた状態では、開閉弁9,16が閉じられているので、処理室1の圧力が搬送室31の圧力よりも低くても、排気装置80のオイルが処理室1へ逆拡散するのを防止できる。
【0103】
更に、仕切弁22が閉じられる直前では、処理室1の圧力PPRCは、数Pa程度であるので、仕切弁22が閉じられると、開閉弁9を直ちに開けて処理室1を排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気できる。その結果、制御装置21は、仕切弁22が閉じられた時点で処理室1の圧力が排気装置50によって排気可能な圧力になるように開閉弁9,16を制御することになる。
【0104】
[実施の形態3]
実施の形態3においても、真空処理装置100は、真空装置300に接続される。
【0105】
図6は、基板を搬送室から処理室へ搬送する方法を説明するための実施の形態3におけるフローチャートである。
【0106】
なお、図6においても、搬入/搬出弁47が開けられ、基板が搬送装置32のアーム321上に載せられ、搬入/搬出弁47が閉じられた状態であり、処理室1は、排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気されていることを前提として基板を搬送室31から処理室1へ搬送する方法を説明する。
【0107】
図6を参照して、一連の動作が開始されると、制御装置51Aは、開閉弁42を開ける。これによって、メカニカルブースタポンプ44およびロータリーポンプ46(排気装置80)は、搬送室31内のガスを排気する。即ち、制御装置51Aは、搬送室31内のガスを数Pa程度まで排気するように開閉弁42を制御する(ステップS21)。
【0108】
そして、搬送室31は、排気装置80によって排気され続ける(ステップS22)。
【0109】
一方、真空処理装置100の制御装置21は、処理室1内の圧力PPRCが1×10−4Pa以下になると、開閉弁9,13を閉じる(ステップS23)。
【0110】
そして、制御装置21は、ガス供給弁7を開け、配管6およびガス供給弁7を介して窒素ガスを処理室1へ導入する(ステップS24)。
【0111】
その後、制御装置21は、処理室1の圧力PPRCが数Paになると、開閉弁16を開ける(ステップS25)。これによって、処理室1は、排気装置60によって排気される。
【0112】
そうすると、制御装置21は、仕切弁22を開ける(ステップS26)。そして、制御装置51Aは、仕切弁22が開けられたことを示す信号OPEN1を制御装置21から受けると、アーム321を面内方向DR1へ伸張し、基板を搬送室31から処理室1へ搬入する(ステップS27)。
【0113】
その後、制御装置51Aは、アーム321を搬送室31へ戻す(ステップS28)。そして、制御装置21は、アーム321が元の位置に戻ったことを示す信号ARMを制御装置51Aから受けると、仕切弁22を閉じる(ステップS29)。
【0114】
そして、制御装置21は、ガス供給弁7を閉じ、その後、開閉弁16を閉じ、開閉弁9,13を開ける(ステップS30)。これによって、処理室1は、排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気される。そして、一連の動作が終了する。
【0115】
処理室1が1×10−4Pa以下に排気されると、処理室1におけるプロセスが開始される。その後、処理室1におけるプロセスが終了すると、処理室1は、排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気される。
【0116】
そうすると、基板は、図6に示すフローチャートに従って処理室1から搬送室31へ搬出される。
【0117】
このように、実施の形態3においては、処理室1に窒素ガスを導入し、搬送室31の圧力と処理室1の圧力とを同程度(=数Pa程度)に保持して基板を搬送室31と処理室1との間で搬送する。
【0118】
従って、数Pa程度までしか排気しない排気装置80が搬送室31に接続されている場合も、処理室1を搬送室31に接続し、基板を搬送室31と処理室1との間で搬送できる。
【0119】
また、処理室1に窒素ガスを導入し、排気装置60によって処理室1を排気しながら基板を搬送室31と処理室1との間で搬送するので、処理室1の残留ガスが搬送室31へ拡散するのを抑制できる。
【0120】
更に、仕切弁22が閉じられる直前では、処理室1の圧力PPRCは、数Pa程度であるので、仕切弁22が閉じられると、開閉弁9を直ちに開けて処理室1を排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気できる。その結果、制御装置21は、仕切弁22が閉じられた時点で処理室1の圧力が排気装置50によって排気可能な圧力になるように開閉弁9,16を制御することになる。
【0121】
[実施の形態4]
図7は、実施の形態4における搬送室と処理室との接続を示す模式図である。図7を参照して、真空装置400は、図4に示す真空装置300の制御装置51Aを制御装置51Bに代えたものであり、その他は、真空装置300と同じである。
【0122】
制御装置51Bは、圧力検出器33から受けた圧力PTRPが数Paになると、ガス供給弁49を開ける。
【0123】
また、制御装置51Bは、仕切弁22を閉じたことを示す信号CLS1を制御装置21から受けると、開閉弁42を開ける。
【0124】
制御装置51Bは、その他、制御装置51Aと同じ機能を果たす。
【0125】
なお、実施の形態4においては、制御装置21は、仕切弁22を閉めると、信号CLS1を生成して制御装置51Bへ出力する。
【0126】
図8は、基板を搬送室から処理室へ搬送する方法を説明するための実施の形態4におけるフローチャートである。
【0127】
なお、図8においても、搬入/搬出弁47が開けられ、基板が搬送装置32のアーム321上に載せられ、搬入/搬出弁47が閉じられた状態であり、処理室1は、排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気されていることを前提として基板を搬送室31から処理室1へ搬送する方法を説明する。
【0128】
図8を参照して、一連の動作が開始されると、制御装置51Bは、開閉弁42を開ける。これによって、メカニカルブースタポンプ44およびロータリーポンプ46(=排気装置80)は、搬送室31内のガスを排気する。即ち、制御装置51Bは、搬送室31内のガスを数Pa程度まで排気するように開閉弁42を制御する(ステップS41)。
【0129】
その後、制御装置51Bは、搬送室31の圧力PTRPが数Pa程度になると、ガス供給弁49を開け、1〜10リットル/分の流量で窒素ガスを搬送室31へ導入する(ステップS42)。
【0130】
そして、搬送室31は、圧力が1〜100Paになるように排気装置80によって排気される(ステップS43)。
【0131】
一方、真空処理装置100の制御装置21は、処理室1内の圧力PPRCが1×10−4Pa以下になると、開閉弁9,13を閉じる(ステップS44)。
【0132】
そして、制御装置21は、仕切弁22を開ける(ステップS45)。この場合、搬送室31と処理室1との間の圧力差は、100Pa以下であるので、仕切弁22を開けることができる。
【0133】
その後、制御装置21は、圧力検出器5から受けた圧力PPRCが10Pa程度になると、開閉弁16を開ける(ステップS46)。これによって、処理室1は、排気装置60によって排気される。
【0134】
そして、制御装置51Bは、仕切弁22が開けられたことを示す信号OPEN1を制御装置21から受けると、アーム321を面内方向DR1へ伸張し、基板を搬送室31から処理室1へ搬入する(ステップS47)。
【0135】
その後、制御装置51Bは、アーム321を搬送室31に戻す(ステップS48)。
【0136】
そして、制御装置21は、アーム321が元の位置へ戻ったことを示す信号ARMを制御装置51Bから受けると、仕切弁22を閉じ(ステップS49)、信号CLS1を生成して制御装置51Bへ出力する。
【0137】
そして、制御装置21は、開閉弁16を閉じ、開閉弁9,13を開ける(ステップS50)。これによって、処理室1は、排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気される。
【0138】
真空装置400の制御装置51Bは、制御装置21から信号CLS1を受けると、ガス供給弁49を閉じ、その後、開閉弁42を開ける(ステップS51)。これによって、搬送室31は、排気装置80によって排気される。そして、一連の動作が終了する。
【0139】
処理室1が1×10−4Pa以下に排気されると、処理室1におけるプロセスが開始される。その後、処理室1におけるプロセスが終了すると、処理室1は、排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気される。
【0140】
そうすると、基板は、図8に示すフローチャートに従って処理室1から搬送室31へ搬出される。
【0141】
このように、実施の形態4においては、搬送室31に窒素ガスを導入し、搬送室31を排気装置80によって排気し、処理室1を排気装置60によって排気しながら基板を搬送室31と処理室1との間で搬送する。
【0142】
従って、搬送室31が数Pa程度までしか排気されない場合も、処理室1を搬送室31に接続し、基板を搬送室31と処理室1との間で搬送できる。
【0143】
また、搬送室31に窒素ガスを導入し、搬送室31および処理室1をそれぞれ排気装置80,60によって排気しながら基板を搬送室31と処理室1との間で搬送するので、処理室1の残留ガスが搬送室31へ拡散するのを抑制できる。
【0144】
更に、仕切弁22が開けられ、基板が搬送室31と処理室1との間で搬送されるとき、搬送室31および処理室1は、それぞれ、排気装置80,60によって排気されているので、排気装置80,60のオイルが逆拡散するのを防止できる。
【0145】
更に、仕切弁22が閉じられる直前では、処理室1の圧力PPRCは、数Paであるので、仕切弁22が閉じられると、開閉弁9を直ちに開け、処理室1を排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気できる。その結果、制御装置21は、仕切弁22が閉じられた時点で処理室1の圧力が排気装置50によって排気可能な圧力になるように開閉弁9,16を制御することになる。
【0146】
[実施の形態5]
図9は、実施の形態5における搬送室と処理室との接続を示す模式図である。図9を参照して、真空装置500は、図7に示す真空装置400の制御装置51Bを制御装置51Cに代えたものであり、その他は、真空装置400と同じである。
【0147】
制御装置51Cは、開閉弁42を閉めると、開閉弁42を閉めたことを示す信号CLS2を生成して制御装置21へ出力する。制御装置51Cは、その他、制御装置51Bと同じ機能を果たす。
【0148】
実施の形態5においても、処理室1は、数Paまでしか排気しない排気装置80が接続された搬送室31に接続される。
【0149】
図10は、基板を搬送室から処理室へ搬送する方法を説明するための実施の形態5におけるフローチャートである。
【0150】
なお、図10においても、搬入/搬出弁47が開けられ、基板が搬送装置32のアーム321上に載せられ、搬入/搬出弁47が閉じられた状態であり、処理室1は、排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気されていることを前提として基板を搬送室31から処理室1へ搬送する方法を説明する。
【0151】
図10を参照して、一連の動作が開始されると、制御装置51Cは、開閉弁42を開ける。これによって、メカニカルブースタポンプ44およびロータリーポンプ46(―排気装置80)は、搬送室31内のガスを排気する。即ち、制御装置51Cは、搬送室31内のガスを数Pa程度まで排気するように開閉弁42を制御する(ステップS61)。
【0152】
その後、制御装置51Cは、搬送室31の圧力PTRPが数Pa程度になると、ガス供給弁49を開け、1〜10リットル/分の流量で窒素ガスを搬送室31へ導入する(ステップS62)。
【0153】
そして、搬送室31は、圧力が1〜100Paになるように排気装置80によって排気される(ステップS63)。
【0154】
その後、制御装置51Cは、搬送室31の圧力PTRPが1〜100Paになると、開閉弁42を閉じ(ステップS64)、開閉弁42を閉じたことを示す信号CLS2を生成して制御装置21へ出力する。
【0155】
一方、真空処理装置100の制御装置21は、処理室1内の圧力PPRCが1×10−4Pa以下になると、開閉弁9,13を閉じる(ステップS65)。
【0156】
そして、制御装置21は、信号CLS2を制御装置51Cから受けると、仕切弁22を開ける(ステップS66)。この場合、搬送室31と処理室1との圧力差は、100Pa以下であるので、仕切弁22を開けることができる。
【0157】
その後、制御装置21は、処理室1の圧力PPRCが10Pa程度になると、開閉弁16を開ける(ステップS67)。これによって、搬送室31に導入された窒素ガスは、処理室1を介して排気装置60によって排気される。
【0158】
そして、制御装置21は、処理室1の圧力PPRCが臨界圧力PCRT以下であるか否かを判定する(ステップS68)。
【0159】
ステップS68において、圧力PPRCが臨界圧力PCRT以下であると判定されたとき、制御装置21は、開閉弁16を閉じ、開閉弁9,13を開ける(ステップS69)。これによって、処理室1は、排気装置50によって排気される。
【0160】
そして、制御装置51Cは、開閉弁9,13が開けられたことを示す信号OPEN2を制御装置21から受けると、アーム321を面内方向DR1へ伸張し、基板を搬送室31から処理室1へ搬入する(ステップS70)。その後、制御装置51Cは、アーム321を搬送室31へ戻す(ステップS71)。
【0161】
そして、制御装置21は、アーム321が元の位置に戻ったことを示す信号ARMを制御装置51Cから受けると、仕切弁22を閉じ(ステップS72)、仕切弁22を閉じたことを示す信号CLS1を生成して制御装置51Cへ出力する。
【0162】
一方、ステップS68において、圧力PPRCが臨界圧力PCRTよりも高いと判定されたとき、制御装置51Cは、圧力PPRCが臨界圧力PCRTよりも高いことを示す信号HPを制御装置21から受けると、アーム321を面内方向DR1へ伸張し、基板を搬送室31から処理室1へ搬入する(ステップS73)。
【0163】
そして、制御装置51Cは、アーム321を搬送室31へ戻す(ステップS74)。
【0164】
その後、制御装置21は、アーム321が元に戻ったことを示す信号ARMを制御装置51Cから受けると、仕切弁22を閉じ(ステップS75)、仕切弁22を閉じたことを示す信号CLS1を生成して制御装置51Cへ出力する。
【0165】
そして、制御装置21は、開閉弁16を閉じ、開閉弁9,13を開ける(ステップS76)。これによって、処理室1は、排気装置50によって排気される。
【0166】
一方、真空装置400の制御装置51Cは、制御装置21から信号CLS1を受けると、ガス供給弁49を閉じ、その後、開閉弁42を開ける(ステップS77)。これによって、搬送室31は、排気装置80によって排気される。
【0167】
そして、ステップS73,S78の後、またはステップS77,S78の後、一連の動作は、終了する。
【0168】
ステップS70〜ステップS73の経路は、処理室1を排気装置50によって排気しながら基板を搬送室31から処理室1へ搬送する経路である。また、ステップS74〜ステップS77の経路は、処理室1を排気装置60によって排気しながら基板を搬送室31から処理室1へ搬送する経路である。
【0169】
このように、実施の形態5においては、搬送室31に導入する窒素ガスの流量が処理室1の圧力をターボ分子ポンプ11が動作する臨界圧力PCRT以下の圧力に設定する流量であれば、処理室1をターボ分子ポンプ11を含む排気装置50によって排気しながら基板を搬送室31から処理室1へ搬送する(ステップS70〜ステップS73参照)。
【0170】
また、実施の形態5においては、搬送室31に導入する窒素ガスの流量が処理室1の圧力をターボ分子ポンプ11が動作する臨界圧力PCRTよりも高い圧力に設定する流量であれば、処理室1をメカニカルブースタポンプ18を含む排気装置60によって排気しながら基板を搬送室31から処理室1へ搬送する(ステップS74〜ステップS77参照)。
【0171】
基板の処理室1への搬送が終了すると、処理室1は、排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気され、処理室1におけるプロセスが開始される。その後、処理室1におけるプロセスが終了すると、処理室1は、排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気される。
【0172】
そうすると、基板は、図9に示すフローチャートに従って処理室1から搬送室31へ搬出される。
【0173】
このように、実施の形態5においては、搬送室31から処理室1へ窒素ガスを導入し、搬送室31および処理室1を排気装置50または排気装置60によって排気しながら基板を搬送室31と処理室1との間で搬送する。
【0174】
従って、搬送室31が数Pa程度までしか排気されない場合も、処理室1を搬送室31に接続し、基板を搬送室31と処理室1との間で搬送できる。
【0175】
また、搬送室31に窒素ガスを導入し、搬送室31および処理室1を排気装置50または排気装置60によって排気しながら基板を搬送室31と処理室1との間で搬送するので、処理室1の残留ガスが搬送室31へ拡散するのを抑制できる。
【0176】
更に、仕切弁22が閉じられる直前では、処理室1の圧力PPRCは、数Paまたは1×10−4Pa以下であるので、仕切弁22が閉じられると、直ちに、処理室1を排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気できる。その結果、制御装置21は、仕切弁22が閉じられた時点で処理室1の圧力が排気装置50によって排気可能な圧力になるように開閉弁9,16を制御することになる。
【0177】
[実施の形態6]
実施の形態6においても、真空処理装置100の処理室1は、真空装置500の搬送室31に接続される。
【0178】
図11は、基板を搬送室から処理室へ搬送する方法を説明するための実施の形態6におけるフローチャートである。
【0179】
なお、図11においても、搬入/搬出弁47が開けられ、基板が搬送装置32のアーム321上に載せられ、搬入/搬出弁47が閉じられた状態であり、処理室1は、排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気されていることを前提として基板を搬送室31から処理室1へ搬送する方法を説明する。
【0180】
図11を参照して、一連の動作が開始されると、制御装置51Cは、開閉弁42を開ける。これによって、メカニカルブースタポンプ44およびロータリーポンプ46(=排気装置80)は、搬送室31内のガスを排気する。即ち、制御装置51Cは、搬送室31内のガスを数Pa程度まで排気するように開閉弁42を制御する(ステップS81)。
【0181】
その後、制御装置51Cは、搬送室31の圧力PTRPが数Pa程度になると、ガス供給弁49を開け、1〜10リットル/分の流量で窒素ガスを搬送室31へ導入する(ステップS82)。
【0182】
そして、搬送室31は、圧力が1〜100Paになるように排気装置80によって排気される(ステップS83)。
【0183】
その後、制御装置51Cは、搬送室31の圧力PTRPが1〜100Paになると、開閉弁42を閉じ(ステップS64)、開閉弁42を閉じたことを示す信号CLS2を生成して制御装置21へ出力する。
【0184】
一方、真空処理装置100の制御装置21は、処理室1内の圧力PPRCが1×10−4Pa以下になると、開閉弁9,13を閉じる(ステップS85)。
【0185】
そして、制御装置21は、ガス供給弁7を開け、窒素ガスを処理室1へ導入する(ステップS86)。
【0186】
その後、制御装置21は、処理室1の圧力PPRCが10Pa程度になると、開閉弁16を開ける(ステップS87)。これによって、処理室1は、排気装置60によって排気される。
【0187】
その後、制御装置21は、処理室1の圧力PPRCと搬送室31の圧力PTRPとの圧力差が数Pa程度になると、仕切弁22を開ける(ステップS88)。この場合、搬送室31と処理室1との圧力差は、数Pa程度であるので、仕切弁22を開けることができる。
【0188】
そして、制御装置51Cは、仕切弁22が開けられたことを示す信号OPEN1を制御装置21から受けると、アーム321を面内方向DR1へ伸張し、基板を搬送室31から処理室1へ搬入する(ステップS89)。その後、制御装置51Cは、アーム321を搬送室31へ戻す(ステップS90)。
【0189】
そして、制御装置21は、アーム321が元の位置に戻ったことを示す信号ARMを制御装置51Cから受けると、仕切弁22を閉じ(ステップS91)、仕切弁22を閉じたことを示す信号CLS1を生成して制御装置51Cへ出力する。
【0190】
そして、制御装置21は、ガス供給弁7を閉じ、その後、開閉弁16を閉じ、開閉弁9,13を開ける(ステップS92)。これによって、処理室1は、排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気される。
【0191】
一方、真空装置400の制御装置51Cは、制御装置21から信号CLS1を受けると、ガス供給弁49を閉じ、開閉弁42を開ける(ステップS93)。これによって、搬送室31は、排気装置80によって排気される。
【0192】
基板の処理室1への搬送が終了すると、処理室1は、排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気され、処理室1におけるプロセスが開始される。その後、処理室1におけるプロセスが終了すると、処理室1は、排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気される。
【0193】
そうすると、基板は、図11に示すフローチャートに従って処理室1から搬送室31へ搬出される。
【0194】
このように、実施の形態6においては、搬送室31および処理室1へ窒素ガスを導入し、搬送室31の圧力PTRPと処理室1の圧力PPRCとの圧力差が数Pa程度になった状態で基板を搬送室31と処理室1との間で搬送する。
【0195】
従って、搬送室31が数Pa程度までしか排気されない場合も、処理室1を搬送室31に接続し、基板を搬送室31と処理室1との間で搬送できる。
【0196】
また、搬送室31から処理室1への方向の力が仕切弁22に印加されるのが抑制される。その結果、仕切弁22の寿命を長くできる。
【0197】
更に、搬送室31および処理室1に窒素ガスを導入し、搬送室31および処理室1を排気装置60によって排気しながら基板を搬送室31と処理室1との間で搬送するので、処理室1の残留ガスが搬送室31へ拡散するのを抑制できる。
【0198】
更に、仕切弁22が閉じられる直前では、処理室1の圧力PPRCは、数Pa程度であるので、仕切弁22が閉じられると、開閉弁9を直ちに開け、処理室1を排気装置50によって1×10−4Pa以下に排気できる。その結果、制御装置21は、仕切弁22が閉じられた時点で処理室1の圧力が排気装置50によって排気可能な圧力になるように開閉弁9,16を制御することになる。
【0199】
なお、図11においては、窒素ガスを処理室1に流した状態で基板を搬送室31と処理室1との間で搬送すると説明したが、実施の形態6においては、これに限らず、仕切弁22を開けた後、窒素ガスを停止した状態で基板を搬送室31と処理室1との間で搬送するようにしてもよい。
【0200】
この場合、搬送室31に導入された窒素ガスを処理室1の排気装置60によって排気しながら基板を搬送室31と処理室1との間で搬送するので、処理室1の残留ガスが搬送室31へ拡散するのを抑制できる。
【0201】
図12は、マルチチャンバシステムの概略図である。図12を参照して、マルチチャンバシステム1000は、真空装置1010,1020と、真空処理装置1030,1040,1050,1060とを備える。
【0202】
真空装置1020は、真空装置200,300,400,500のいずれかからなる。従って、真空装置1020は、ターボ分子ポンプ37、メカニカルブースタポンプ44およびロータリーポンプ46を含む排気装置70、またはメカニカルブースタポンプ44およびロータリーポンプ46を含む排気装置80によって排気される真空装置である。
【0203】
真空処理装置1030,1040,1050,1060の各々は、真空処理装置100からなる。従って、真空処理装置1030,1040,1050,1060の各々は、ターボ分子ポンプ11、メカニカルブースタポンプ18およびロータリーポンプ20を含む排気装置50、またはメカニカルブースタポンプ18およびロータリーポンプ20を含む排気装置60によって排気される真空処理装置である。
【0204】
真空装置1020は、五角形の平面形状を有する。真空装置1010および真空処理装置1030,1040,1050,1060は、真空装置1020の五角形の5個の辺にそれぞれ接して真空装置1020の周囲に配置される。
【0205】
図13は、図12に示す真空装置1010の概略図である。図13を参照して、真空装置1010は、真空容器61と、ホルダー62と、圧力検出器63と、配管64,66,68,72と、開閉弁65と、メカニカルブースタポンプ67と、ロータリーポンプ69と、搬入/搬出弁71と、ガス供給弁73と、制御装置74とを含む。
【0206】
真空容器61は、略四角形の断面形状からなり、搬入/搬出口61A,61Cを有する。搬入/搬出口61Cは、搬入/搬出弁47に接する。ホルダー62は、真空容器61の底面61Dに設置される。
【0207】
圧力検出器63は、例えば、ピラニーゲージからなり、真空容器61の天井61Eに設置される。
【0208】
配管64は、一方端が真空容器61の排気口61Bに接続され、他方端が開閉弁65に接続される。開閉弁65は、配管64と配管66との間に配置される。配管66は、一方端が開閉弁65に接続され、他方端がメカニカルブースタポンプ67に接続される。
【0209】
メカニカルブースタポンプ67は、配管66と配管68との間に接続される。配管68は、一方端がメカニカルブースタポンプ67に接続され、他方端がロータリーポンプ69に接続される。
【0210】
搬入/搬出弁71は、搬入/搬出口61Aに接して設置される。配管72は、一方端が真空容器61の天井61Eに接続され、他方端がガスボンベ(図示せず)に接続される。ガス供給弁73は、真空容器61の近くで配管72中に設置される。
【0211】
ホルダー62は、基板を支持する。圧力検出器63は、真空容器61内の圧力PVACを検出し、その検出した圧力PVACを制御装置74へ出力する。
【0212】
開閉弁65は、制御装置74からの制御に従って開閉する。メカニカルブースタポンプ67は、開閉弁65が開けられると、排気口61Bを介して真空容器61内のガスをロータリーポンプ69へ排気する。そして、メカニカルブースタポンプ65は、真空容器61の圧力PVACが数Pa程度の圧力になるまで真空容器61内のガスを開閉弁65を介して排気する。
【0213】
ロータリーポンプ69は、メカニカルブースタポンプ67から排出されたガスを外部へ排出する。
【0214】
搬入/搬出弁71は、制御装置74からの制御に従って開閉される。ガス供給弁73は、制御装置74からの制御に従って開閉し、ガスボンベ(図示せず)から供給された窒素ガスを真空容器61内に供給し、窒素ガスの真空容器61内への供給を停止する。
【0215】
制御装置74は、圧力検出器63から圧力PVACを受ける。また、制御装置74は、圧力PVACに基づいて、開閉弁65、搬入/搬出弁71およびガス供給弁73を開閉する。更に、制御装置74は、メカニカルブースタポンプ67およびロータリーポンプ69をオン/オフする。
【0216】
なお、配管64,66,68、メカニカルブースタポンプ67およびロータリーポンプ69は、排気装置90を構成する。
【0217】
基板を真空装置1010へ搬入/搬出する方法について説明する。基板を真空装置1010へ搬入する場合、制御装置74は、開閉弁65を閉め、その後、ガス供給弁73を開ける。これによって、窒素ガスが真空容器61内へ導入される。
【0218】
そして、制御装置74は、圧力検出器63から受けた圧力PVACが大気圧になると、搬入/搬出弁71を開ける。
【0219】
その後、制御装置74は、基板がホルダー62上に搬入されると、搬入/搬出弁71を閉じ、その後、ガス供給弁73を閉じる。
【0220】
そして、制御装置74は、開閉弁65を開ける。これによって、真空容器61は、排気装置90によって数Pa程度に排気される。
【0221】
その後、真空装置1020の搬入/搬出弁47が開けられると、ホルダー62上に設置された基板は、真空装置1020の搬送装置32のアーム321によって搬送室31へ搬送される。
【0222】
また、基板を真空装置1010から搬出する場合、制御装置74は、開閉弁65を閉め、その後、ガス供給弁73を開ける。これによって、窒素ガスが真空容器61内へ導入される。
【0223】
そして、制御装置74は、圧力検出器63から受けた圧力PVACが大気圧になると、搬入/搬出弁71を開ける。その後、基板は、真空容器61から搬出される。
【0224】
そして、制御装置74は、搬入/搬出弁71を閉じ、その後、ガス供給弁73を閉じる。その後、制御装置74は、開閉弁65を開ける。これによって、真空容器61は、排気装置90によって数Pa程度に排気される。
【0225】
再び、図12を参照して、真空装置1010は、上述した方法によって基板がホルダー62上に搬入される。そして、基板は、真空装置1020の搬入/搬出弁47が開けられると、真空装置1020の搬送装置32のアーム321によって真空装置1020の搬送室31に搬入される。
【0226】
搬送装置32は、基板を真空装置1020の搬送室31に搬入すると、各真空処理装置1030,1040,1050,1060の方向へ回転する(点線参照)。そして、搬送装置32のアーム321は、搬送装置32が回転した位置において、各真空処理装置1030,1040,1050,1060の方向へ伸縮する。
【0227】
真空装置1020から各真空処理装置1030,1040,1050,1060への基板の搬入/搬出は、上述した実施の形態1〜実施の形態6のいずれかの方法によって行なわれる。
【0228】
従って、マルチチャンバシステム1000においても、真空装置1020の搬送室31と各真空処理装置1030,1040,1050,1060の処理室1との間で基板を搬送できる。
【0229】
また、マルチチャンバシステム1000が真空処理装置1030,1040,1050を備えている場合に、真空処理装置1060を追加する場合も、真空装置1020の排気装置の排気能力に無関係に真空処理装置1060をマルチチャンバシステム1000に追加できる。
【0230】
図14は、この発明の実施の形態による他の真空処理装置の概略図である。この発明の実施の形態においては、真空処理装置は、図14に示す真空処理装置100Aであってもよい。
【0231】
図14を参照して、真空処理装置100Aは、図1に示す真空処理装置100の電極2をアンテナ101〜104、導入端子121,123,125,127および平板部材131に代えたものであり、その他は、真空処理装置100と同じである。
【0232】
アンテナ101〜104の各々は、たとえば、銅(Cu)からなる。アンテナ101〜104は、処理室1の内部に配置される。そして、アンテナ101〜104は、処理室1の天井1Cに所定の間隔で配列される。また、アンテナ101〜104は、その一方端側がそれぞれ導入端子121,123,125,127を通って平板部材131に接続される。更に、アンテナ101〜104は、その他方端側が別の導入端子(図示せず)を通って接地電位GNDに接続される。更に、アンテナ101〜104の各々は、例えば、30〜40cmの長さを有する。
【0233】
導入端子121,123,125,127は、処理室1の天井1Cに固定される。平板部材131は、たとえば、Cuからなる。そして、平板部材131は、処理室1の外側において、処理室1の天井1Cに略平行に配置される。
【0234】
平板部材131は、1つの面がアンテナ101〜104の一方端に接続される。そして、平板部材131は、整合器(図示せず)を介して高周波電源に接続される。高周波電源は、例えば、13.56MHzの高周波電力を整合器に供給する。整合器は、高周波電源から受けた高周波電力を反射波を抑制して平板部材131に供給する。
【0235】
図15は、図14に示すアンテナ101〜104および平板部材131の斜視図である。図15を参照して、真空処理装置100Aは、導入端子122,124,126,128を更に備える。
【0236】
導入端子122,124,126,128は、導入端子121,123,125,127と同じように処理室1の天井1Cに固定される。
【0237】
平板部材131は、たとえば、1cmの幅、1cmの厚みおよび1mの長さを有する。
【0238】
アンテナ101〜104の各々は、略U字形状を有する。そして、アンテナ101〜104は、略U字形に曲げられたアンテナ101〜104をそれぞれ含む4個の平面が略平行になるように配置される。
【0239】
アンテナ101〜104のうち、直線部分101A,102A,103A,104Aは、それぞれ、導入端子121,123,125,127を通って平板部材131に接続される。また、アンテナ101〜104のうち、直線部分101B,102B,103B,104Bは、それぞれ、導入端子122,124,126,128を通って接地電位GNDに接続される。
【0240】
そして、導入端子121〜128は、処理室1の天井1Cに固定されるので、アンテナ101〜104は、それぞれ、1対の導入端子121,122、1対の導入端子123,124、1対の導入端子125,126、および1対の導入端子127,128によって処理室1の天井1Cに固定される。
【0241】
図14および図15を参照して、アンテナ101〜104は、整合器(図示せず)および平板部材131を介して高周波電源(図示せず)から高周波電力が供給されると、平板部材131から接地電位GNDへ向かう方向に高周波電流を流し、誘導結合により処理室1内にプラズマを発生する。
【0242】
より具体的には、高周波電源が高周波電力を整合器を介して平板部材131へ供給すると、高周波電流は、平板部材131と整合器との接続点131Aから矢印ARW1の方向へ流れ、アンテナ101〜104の直線部分101A,102A,103A,104Aへ流れ込む。
【0243】
そして、高周波電流は、アンテナ101を矢印ARW2の方向へ流れ、接地電位GNDへ流れる。また、高周波電流は、アンテナ102を矢印ARW3の方向へ流れ、接地電位GNDへ流れる。さらに、高周波電流は、アンテナ103を矢印ARW4の方向へ流れ、接地電位GNDへ流れる。さらに、高周波電流は、アンテナ104を矢印ARW5の方向へ流れ、接地電位GNDへ流れる。その結果、アンテナ101〜104は、誘導結合によってプラズマを発生する。
【0244】
従って、真空処理装置100Aは、誘導結合型のプラズマによって基板上に半導体薄膜または絶縁膜を堆積するとともに、基板上に堆積された半導体薄膜または絶縁膜をエッチングまたはクリーニングする。
【0245】
真空処理装置100Aが用いられる場合、基板は、実施の形態1〜実施の形態6のいずれかの方法によって真空装置200,300,400,500の搬送室31と真空処理装置100Aの処理室1との間で搬送される。
【0246】
従って、搬送室31に接続された排気装置の排気能力に関係なく、真空処理装置100Aの処理室1を真空装置200,300,400,500の搬送室31に接続できる。
【0247】
また、真空処理装置100Aは、マルチチャンバシステム1000の真空処理装置1030,1040,1050,1060に適用される。そして、基板は、実施の形態1〜実施の形態6のいずれかの方法によって真空装置1020の搬送室31と真空処理装置100Aの処理室1との間で搬送される。
【0248】
従って、搬送室31に接続された排気装置の排気能力に関係なく、真空処理装置100Aの処理室1を真空装置1020の搬送室31に接続できる。
【0249】
この発明の実施の形態による真空処理装置は、実施の形態1による方法(図3のフローチャート参照)によって基板を搬送室31と処理室1との間で搬送する機能と、実施の形態2〜実施の形態6のいずれかによる方法(図5,6,8,10,11のいずれかに示すフローチャート参照)によって基板を搬送室31と処理室1との間で搬送する機能とを備えていればよい。その理由は、次のとおりである。
【0250】
実施の形態1による方法(図3のフローチャート参照)は、搬送室31をターボ分子ポンプを用いて排気する場合における搬送室31と処理室1との間の基板の搬送方法であり、実施の形態2〜実施の形態6のいずれかによる方法(図5,6,8,10,11のいずれかに示すフローチャート参照)は、搬送室31をメカニカルブースタポンプを用いて排気する場合における搬送室31と処理室1との間の基板の搬送方法である。その結果、この発明の実施の形態による真空処理装置は、実施の形態1による方法(図3のフローチャート参照)によって基板を搬送室31と処理室1との間で搬送する機能と、実施の形態2〜実施の形態6のいずれかによる方法(図5,6,8,10,11のいずれかに示すフローチャート参照)によって基板を搬送室31と処理室1との間で搬送する機能とを備えていれば、搬送室31を排気する排気装置の排気能力に関係なく、真空処理装置の処理室1を搬送室31に接続できるからである。
【0251】
そして、実施の形態1による基板の搬送方法は、搬送室31および処理室1の両方を1×10−4Pa以下に排気した状態で仕切弁22を開けて処理室1を排気装置50によって排気しながら基板を搬送室31と処理室1との間で搬送する方法である。
【0252】
一方、実施の形態2〜実施の形態6のいずれかによる基板の搬送方法は、搬送室31の圧力を1〜100Paに設定し、処理室1の圧力を数Paまたは1×10−4Pa以下に設定した状態で仕切弁22を開けて基板を搬送室31と処理室1との間で搬送する方法である。つまり、実施の形態2〜実施の形態6のいずれかによる基板の搬送方法は、搬送室31と処理室1との圧力差が100Pa以下であるときに仕切弁22を開けて基板を搬送室31と処理室1との間で搬送する方法である。そして、100Pa以下の圧力差は、仕切弁22を開閉可能な圧力差である。
【0253】
また、実施の形態2による基板の搬送方法は、処理室1の圧力が搬送室31の圧力とほぼ同等になるように調整した状態で搬送室31の排気装置80によって搬送室31および処理室1を排気しながら基板を搬送室31と処理室1との間で搬送するとともに仕切弁22を閉じた後に処理室1を排気装置50によって排気する。
【0254】
更に、実施の形態3または実施の形態4による基板の搬送方法は、処理室1の圧力が搬送室31の圧力とほぼ同等になるように調整した状態で搬送室31および処理室1をそれぞれ排気装置80,60によって排気しながら基板を搬送室31と処理室1との間で搬送するとともに仕切弁22を閉じた後に処理室1を排気装置50によって排気する。
【0255】
更に、実施の形態5または実施の形態6による基板の搬送方法は、仕切弁22が開いた状態では搬送室31および処理室1を排気装置50または排気装置60によって排気可能な圧力に処理室1の圧力を調整し、搬送室31および処理室1を排気装置50または排気装置60によって排気しながら基板を搬送室31と処理室1との間で搬送するとともに仕切弁22を閉じた後に処理室1を排気装置50によって排気する。
【0256】
従って、この発明の実施の形態による真空処理装置は、処理室1の圧力と搬送室31の圧力との圧力差が仕切弁22を開閉可能な圧力差になるように開閉弁9,16を制御し、処理室1の圧力と搬送室31の圧力との圧力差が仕切弁22を開閉可能な圧力差になると、仕切弁22を開けるように仕切弁22を制御し、仕切弁22が開いた状態では搬送室31および処理室1のいずれか一方が排気されるようにまたは搬送室31の圧力および処理室1の圧力が1×10−4Pa以下または数Paになるように開閉弁9,16を制御し、仕切弁22が閉じられた時点で処理室1の圧力が処理室1を排気装置50によって排気可能な圧力になるように開閉弁9,16を制御し、処理室1の圧力が排気装置50によって処理室1を排気可能な圧力になると処理室1を排気装置50によって排気するように開閉弁9,16を制御する制御装置を備えていればよい。
【0257】
上記においては、基板は、0.7mm(厚み)×550mm×650mmのサイズを有するガラス基板からなると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、基板は、これ以外のサイズを有するガラス基板からなっていてもよく、金属および半導体ウェハ等からなっていてもよい。
【0258】
また、上記においては、排気装置50,70は、ターボ分子ポンプ11,37を含むと説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、排気装置50,70は、イオンソープションポンプを含んでいてもよく、一般的には、処理室1または搬送室31を1×10−4Pa以下まで排気可能なポンプを含んでいればよい。
【0259】
更に、上記においては、排気装置60,80,90は、メカニカルブースタポンプ18,44,67およびロータリーポンプ20,46,69を含むと説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、排気装置60,80,90は、ドライポンプ、および拡散ポンプのいずれかを含んでいてもよい。
【0260】
更に、上記においては、搬送室31の圧力と処理室1の圧力との圧力差が100Pa以下の場合に、仕切弁22を開くことができると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、仕切弁22の設計によって、搬送室31の圧力と処理室1の圧力との圧力差が100Pa以下以外の圧力差であるときに仕切弁22を開くようにしてもよい。
【0261】
なお、この発明の実施の形態においては、排気装置50は、「第1の排気装置」を構成し、排気装置60は、「第2の排気装置」を構成する。
【0262】
また、この発明の実施の形態においては、開閉弁9は、「第1の開閉弁」を構成し、開閉弁16は、「第2の開閉弁」を構成する。
【0263】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0264】
この発明は、真空処理装置に適用される。
【符号の説明】
【0265】
1 処理室、1A,31A,31C,61A,61C 搬入/搬出口、1B,31B,61B 排気口、1C,31E,61E 天井、1D,31D,61D 底面、2 電極、3,62 ホルダー、4 ヒーター、5,33,63 圧力検出器、6,8,10,12,14,15,17,19,34,36,38,40,41,43,45,48,64,66,68,72 配管、7,49,73 ガス供給弁、9,13,16,35,39,42,65 開閉弁、11,37 ターボ分子ポンプ、18,44,67 メカニカルブースタポンプ、20,46,69 ロータリーポンプ、21,51,51A,51B,51C,74 制御装置、22 仕切弁、31 搬送室、32 搬送装置、47,71 搬入/搬出弁、50,60,70,80,90 排気装置、61 真空容器、100,1030,1040,1050,1060 真空処理装置、200,300,400,500,1010,1020 真空装置、321 アーム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理室と、
第1の開閉弁を介して前記処理室の排気口に接続され、前記処理室の圧力が第1の圧力になるまで前記処理室内のガスを排気する第1の排気装置と、
第2の開閉弁を介して前記処理室の排気口に接続され、前記処理室の圧力が前記第1の圧力よりも高い第2の圧力になるまで前記処理室内のガスを排気する第2の排気装置と、
前記処理室が接続される搬送室と前記処理室との間を仕切る仕切弁と前記第1および第2の開閉弁とを制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記処理室の圧力と前記搬送室の圧力との圧力差が前記仕切弁を開閉可能な圧力差になるように前記第1および第2の開閉弁を制御し、前記処理室の圧力と前記搬送室の圧力との圧力差が前記仕切弁を開閉可能な圧力差になると、前記仕切弁を開けるように前記仕切弁を制御し、前記仕切弁が開いた状態では前記搬送室および前記処理室のいずれか一方が排気されるようにまたは前記搬送室の圧力および前記処理室の圧力が前記第1の圧力または前記第2の圧力になるように前記第1および第2の開閉弁を制御し、前記仕切弁が閉じられた時点で前記処理室の圧力が前記処理室を前記第1の排気装置によって排気可能な圧力になるように前記第1および第2の開閉弁を制御し、前記処理室の圧力が前記第1の排気装置によって前記処理室を排気可能な圧力になると前記処理室を前記第1の排気装置によって排気するように前記第1および第2の開閉弁を制御する、真空処理装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記搬送室の圧力が前記第1の圧力になるまで前記搬送室内のガスを排気する排気装置が前記搬送室に接続されているとき、前記処理室内のガスを前記第1の排気装置によって排気するように前記第1および第2の開閉弁を制御し、前記処理室の圧力を前記第1の圧力に保持しながら前記仕切弁を開け、基板の前記処理室または前記搬送室への搬送が終了すると、前記仕切弁を閉じるように前記仕切弁を制御する、請求項1に記載の真空処理装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記搬送室の圧力が前記第2の圧力になるまで前記搬送室内のガスを排気する排気装置が前記搬送室に接続されているとき、前記処理室内のガスを前記第1の排気装置によって排気した後に前記第1の開閉弁を閉じ、前記第1の開閉弁が閉じると前記仕切弁を開け、基板が前記搬送室から前記処理室内に搬入された後または前記基板が前記処理室から前記搬送室内に搬入された後に前記仕切弁を閉じ、前記処理室内のガスを前記第1の排気装置によって排気するように前記第1の開閉弁と前記仕切弁とを制御する、請求項1に記載の真空処理装置。
【請求項4】
前記処理室へガスを供給するためのガス供給弁を更に備え、
前記制御装置は、前記搬送室の圧力が前記第2の圧力になるまで前記搬送室内のガスを排気する排気装置が前記搬送室に接続されているとき、前記処理室内のガスを前記第1の排気装置によって排気しながらガスを前記ガス供給弁を介して前記処理室内へ供給し、前記処理室内の圧力が前記搬送室の圧力と同程度になると前記第1の開閉弁を閉じ、かつ、前記第2の開閉弁を開けて前記処理室内のガスを前記第2の排気装置によって排気しながら前記仕切弁を開け、基板が前記搬送室から前記処理室内に搬入された後または前記基板が前記処理室から前記搬送室内に搬入された後に前記仕切弁を閉じるとともに前記第2の開閉弁を閉じ、かつ、前記処理室内のガスを前記第1の排気装置によって排気するように前記第1および第2の開閉弁と前記仕切弁と前記ガス供給弁とを制御する、請求項1に記載の真空処理装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記搬送室の圧力が前記第2の圧力になるまで前記搬送室内のガスを排気する排気装置が前記搬送室に接続されているとき、前記搬送室内にガスが導入され、前記搬送室の圧力が第3の圧力に設定された状態で前記仕切弁を開け、前記処理室の圧力が前記第2の圧力よりも高い第4の圧力になると前記第2の開閉弁を開けて前記処理室内のガスを前記第2の排気装置によって排気し、基板が前記搬送室から前記処理室内に搬入された後または前記基板が前記処理室から前記搬送室内に搬入された後に前記仕切弁を閉じるとともに前記第2の開閉弁を閉じ、前記第1の開閉弁を開けて前記処理室内のガスを前記第1の排気装置によって排気するように前記第1および第2の開閉弁と前記仕切弁とを制御する、請求項1に記載の真空処理装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記搬送室の圧力が前記第2の圧力になるまで前記搬送室内のガスを排気する排気装置が前記搬送室に接続されているとき、前記搬送室内にガスが導入され、前記搬送室の圧力が第3の圧力に設定された状態で前記仕切弁を開け、前記処理室の圧力が前記第2の圧力よりも高い第4の圧力になると前記第1の開閉弁または前記第2の開閉弁を開けて前記処理室内のガスを前記第1の排気装置または前記第2の排気装置によって排気し、基板が前記搬送室から前記処理室内に搬入された後または前記基板が前記処理室から前記搬送室内に搬入された後に前記仕切弁を閉じるとともに前記第1の開閉弁を開けて前記処理室内のガスを前記第1の排気装置によって排気するように前記第1および第2の開閉弁と前記仕切弁とを制御する、請求項1に記載の真空処理装置。
【請求項7】
前記制御装置は、前記第4の圧力が前記第1の排気装置を差動可能な臨界圧力以下であるとき、前記処理室の圧力が前記第4の圧力になると前記第1の開閉弁を開けて前記処理室内のガスを前記第1の排気装置によって排気するように前記第1の開閉弁を制御する、請求項6に記載の真空処理装置。
【請求項8】
前記制御装置は、前記第4の圧力が前記第1の排気装置を差動可能な基準圧力よりも高いとき、前記処理室の圧力が前記第4の圧力になると前記第2の開閉弁を開けて前記処理室内のガスを前記第2の排気装置によって排気するように前記第2の開閉弁を制御する、請求項6に記載の真空処理装置。
【請求項9】
前記処理室へガスを供給するためのガス供給弁を更に備え、
前記制御装置は、前記第1の開閉弁が閉じると、前記ガス供給弁を介してガスを前記処理室へ供給し、前記処理室の圧力が前記第4の圧力になると、前記第2の開閉弁を開けて前記処理室内のガスを前記第2の排気装置によって排気し、基板が前記搬送室から前記処理室内に搬入された後または前記基板が前記処理室から前記搬送室内に搬入された後に前記仕切弁を閉じるとともに前記ガス供給弁および前記第2の開閉弁を閉じ、前記第1の開閉弁を開けて前記処理室内のガスを前記第1の排気装置によって排気するように前記第1および第2の開閉弁と前記ガス供給弁とを制御する、請求項6に記載の真空処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−233707(P2011−233707A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102552(P2010−102552)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000003942)日新電機株式会社 (328)
【Fターム(参考)】