説明

真空断熱容器及びその真空断熱層への封入ガスの挿入方法

【課題】二酸化炭素などの液体窒素又は液体酸素等の温度において固体に昇華する封入ガスが真空断熱層に封入された真空断熱容器及びその真空断熱層への封入ガスの挿入方法を提供する。
【解決手段】真空断熱層4を有する真空断熱容器1であって、真空断熱層4に封入ガス5を封入する。封入ガス5は常温で気体であり、極低温冷媒7を真空断熱容器1内に入れたときに封入ガス5が極低温に冷却され凝縮性ガスとして昇華して、真空断熱層4を画成する壁面に付着する。封入ガス5は、二酸化炭素、炭化水素ガス、無機酸化物ガス、アンモニア、アルコールの何れかとすることができる。炭化水素ガスは、フロン、フロリナート、アセチレンの何れかとしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空断熱層を有する真空断熱容器およびその真空断熱層への封入ガスの挿入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷温工学や低温計測等に用いるクライオスタット、極低温液体容器、真空断熱二重管、真空環境装置、LNGタンク、真空装置、液化酸素タンク、液化窒素タンク、液化アルゴンタンク、液化炭酸タンク等の極低温装置の断熱には、二重壁構造の真空断熱層が設けられている(例えば、下記特許文献1参照)。この真空断熱層は、二重壁構造の隙間を真空に引くことによって高性能な断熱を実現している。
【0003】
従来、極低温装置の真空断熱層の真空引きには、真空ポンプを取り付けて中の空気を抜気する手法が用いられていた。また大型の極低温装置の真空断熱層については、真空断熱層中にパーライトなどの粒子を輻射伝熱を防ぐ輻射シールドとして多数挿入されているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−18494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術では、極低温装置に設けた真空断熱層の真空抜気に非常に長い時間がかかるという問題があった。例えば、極低温液体保存容器の場合は、その製作に数日を要するが、1週間以上連続で真空抜気作業を行う必要があり、コスト、納品時期の面で多大な問題があった。
さらに、極低温装置が大型かつ複雑になると、上記真空抜気作業はさらに長時間を有するという欠点があった。
【0006】
真空断熱層の抜気作業は低真空度に達する時間は短いが、高真空になってくると、真空断熱層内の空気分子の平均自由行程が著しく長くなり、真空ポンプを高真空に維持しても、パーライトや真空断熱層内の障害物を越えて真空ポンプに到達できないために著しく長い抜気時間を要するものである。このため、極低温装置を製作した後、真空断熱層の著しく長い真空抜気操作が必要となり、真空ポンプを長時間稼働させる電気料がかかり、かつ極低温装置の納期が著しく長くなっていた。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みて案出されたもので、容器内に極低温冷媒を貯留したとき封入ガスが真空断熱層の真空度を高めることができる真空断熱容器を提供することを目的としている。
また本発明は、真空断熱層を有している真空断熱容器の製造時間を著しく短縮することができる真空断熱容器の真空断熱層への封入ガスの挿入方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、真空断熱層を有する真空断熱容器であって、真空断熱層には封入ガスが封入されており、封入ガスは常温で気体であり、封入ガスが、極低温冷媒を真空断熱容器内に入れたときに凝縮性ガスとして昇華して、真空断熱層を画成する壁面に付着されることを特徴とする。
上記構成において、封入ガスは、好ましくは、二酸化炭素、炭化水素ガス、無機酸化物ガス、アンモニア、アルコールの何れかである。炭化水素ガスは、フロン、フロリナート、アセチレンの何れかとすることができる。
【0009】
上記構成によれば、真空断熱容器の真空断熱層には、二酸化炭素等の、液体窒素や液体酸素等の極低温冷媒温度において固体に昇華する封入ガスが封入されているので、真空断熱容器に極低温冷媒を入れたとき、真空断熱層を画成する壁面に付着し、真空断熱層の真空度を高めることができる。
さらに、真空層内を低真空に排気した後、封入ガスを注入し、それを排気することを繰り返すことによって、効率的に空気などの不凝縮ガスを排気し、真空層内を封入ガスで満たすことが出来る。
【0010】
また上記目的を達成するため、本発明の真空断熱容器の真空断熱層への封入ガスの挿入方法は、真空断熱層を、所定の温度に保持した後、所定の圧力まで真空排気する第1の工程と、真空排気した真空断熱層へ封入ガスを所定の圧力まで充填し、所定時間保持する第2の工程と、真空断熱層へ封入した封入ガスを所定の圧力まで真空排気する第3の工程と、第2及び第3の工程を所定回数繰り返して行い、真空断熱層内の封入ガスを所定の圧力まで真空排気して、真空断熱層へ封入ガスを封入する工程と、を含み、第2及び第3の工程を所定回数繰り返して行い、封入ガスを、常温で気体とし、かつ、極低温冷媒を真空断熱容器内に入れたとき、封入ガスを凝縮性ガスとして昇華して、真空断熱層を画成する壁面に付着させることを特徴とする。
【0011】
上記構成において、封入ガスを、二酸化炭素、炭化水素ガス、無機酸化物ガス、アンモニア、アルコールの何れかとすることができる。炭化水素ガスを、フロン、フロリナート、アセチレンの何れかとしてもよい。
上記構成によれば、二酸化炭素等の、液体窒素等の温度で固体に昇華する封入ガスを置換ガスとして用いることによって、真空断熱層の排気効率を著しく向上させることができる。最後に真空断熱層内部に所定の圧力で封入ガスを封入することができ、真空断熱容器の断熱特性も向上させることができる。
【0012】
上記構成において、第3の工程の真空排気において、真空断熱層と真空断熱層を排気する真空ポンプとの間の配管に、寒剤を用いた冷却トラップを設け、真空排気を、真空ポンプ及び冷却トラップを使用して行ってもよい。
上記構成によれば、封入ガスの真空排気を冷却トラップを併用して行うことによって、さらに、真空断熱層の真空排気時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の真空断熱容器によれば、真空断熱層に、液体窒素や液体酸素等の極低温冷媒温度において固体に昇華する二酸化炭素等の封入ガスが封入されているので、容器内に極低温冷媒を入れたとき、封入ガスが極低温に冷却され固体に昇華して真空断熱層を画成する壁面に付着し、真空断熱層の真空度を高めることができる。
【0014】
本発明の真空断熱容器の真空断熱層への封入ガスの挿入方法によれば、液体窒素等の温度で固体に昇華する二酸化炭素等の封入ガスを置換ガスとして用いることによって、真空断熱層の排気効率を著しく向上させることができるので、真空断熱層を有している真空断熱容器の製造時間を著しく短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る真空断熱容器の概略構成を示す図である。
【図2】真空断熱容器の真空断熱層への封入ガスの封入を行う封入装置の構成を示す模式図である。
【図3】図2に示した封入装置の変形例の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
(真空断熱容器の実施形態)
図1に示すように、この実施形態に係る真空断熱容器1は、容器部を形成する内壁2と、この内壁2を包囲する外壁3と、内壁2と外壁3とで画成される真空断熱層4と、真空断熱層4に封入されている封入ガス5と、から構成されている。さらには、真空断熱層4内にパーライトまたは輻射シールド膜材が挿入されて構成されてもよい。
【0018】
封入ガス5は、二酸化炭素、炭化水素ガス、無機酸化物ガス、アンモニア、アルコールの何れかを用いることができる。炭化水素ガス5としては、フロン、フロリナート、アセチレンの何れかを用いることができる。封入ガス5は常温で気体である。極低温冷媒7を真空断熱容器1の内壁2で形成する容器部内に入れたときに、封入ガス5は極低温に冷却され凝縮性ガスとして昇華して、真空断熱層4を画成する壁面に付着する。したがって、常温で真空断熱層4に封入されていた封入ガス5は固体となり、真空断熱層4内には気体が無くなるので真空断熱層4の真空度が向上する。これにより、真空断熱層4を高真空度に保つことができる。
【0019】
真空断熱層4への封入ガス5の充填圧力は、絶対圧で0.01気圧から2/3気圧程度とする。さらに、封入時に真空断熱容器1を加熱して脱ガスを行う場合等を考慮すると、真空断熱層4内の圧力は絶対圧で1気圧以下となるように調整する。
【0020】
(封入ガスの封入方法に係る第1の実施形態)
図1に示す実施形態に係る真空断熱容器1の真空断熱層4への封入ガス5の封入は、真空断熱容器1を製造した後、図2に示すガス封入装置10を用いて、真空断熱層4を真空にし、かつ真空断熱層4へ所定の圧力の封入ガス5を供給することによって行うことができる。
【0021】
ガス封入装置10は、真空断熱容器1の真空断熱層4を真空にする真空排気部20と、真空断熱層4へ封入ガス5を供給する封入ガス供給部30と、を備えている。
【0022】
真空排気部20は、真空断熱層4に連通する封入ガス用開閉弁4Aと接続される第1のT型接続部品21と、T型接続部品21に接続される配管22と、この配管22に接続される第2のT型接続部品23と、この第2のT型接続部品23に真空ポンプ用開閉弁24を介して接続される真空ポンプ25と、を含んで構成されている。図示の場合、真空ポンプ25は荒引き用真空ポンプ26と高真空用ポンプ27とから構成されている。荒引き用真空ポンプ26は、例えば油回転ポンプである。高真空用ポンプ27は、拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ等を用いることができる。
ここで、第1のT型接続部品21の真空排気側ではない分岐ポート23Aには、圧力計28が接続されており、真空排気部20による排気状態と後述する封入ガス5の圧力を監視している。
【0023】
封入ガス供給部30は、封入ガス5が充填されたガスボンベ31と、ガスボンベ31と接続されるガスボンベ用開閉弁32と、ガスボンベ用開閉弁32と第2のT型接続部品23とを接続する配管34とから構成されている。
【0024】
次に、封入装置10を用いて真空断熱層4へ封入ガス5を封入する方法について説明する。以下の説明では、封入ガス5は二酸化炭素とする。
(1)最初に、封入ガス供給部30の配管内を、二酸化炭素5以外の気体がないように清浄化、所謂パージを行う。
(2)真空断熱容器1及び封入装置10は、脱ガスのために所定温度、例えば100℃程度まで加温する。以下の工程において、常に所定温度に保持する。
(3)ガスボンベ用開閉弁32だけを閉めて、封入ガス用開閉弁4Aと真空ポンプ用開閉弁24を全開として、真空断熱層4内の空気を油回転ポンプ26で排気する。真空断熱層4内の所定真空度が高真空を要求される場合には、油回転ポンプ26による排気の後で、さらに、所定真空度となるまで高真空用ポンプ27によって真空断熱層4内を真空排気する。真空断熱層4内を10−3Torr程度まで真空引きしたら、真空ポンプ用開閉弁24を閉じる。
(4)次に、ガスボンベ用開閉弁32を少しずつ開けて、真空断熱層4へ二酸化炭素5を導入する。真空断熱層4への二酸化炭素5の充填圧力は、圧力計28で圧力を監視して絶対圧が0.1気圧程度まで二酸化炭素5を充填する。二酸化炭素5を所定の圧力に充填した後、ガスボンベ用開閉弁32を閉める。
(5)温度を保ったまま、30分程度放置する。
(6)次に、真空ポンプ25を作動させて真空ポンプ用開閉弁24を全開し、真空断熱層4内に充填した二酸化炭素5を排気する。10−3Torr程度まで真空引きしたら、真空ポンプ用開閉弁24を閉める。
(7)続いて、ガスボンベ用開閉弁32を少しずつ開けて、再度二酸化炭素5を導入する。圧力計28で圧力を監視して絶対圧が0.1気圧程度まで二酸化炭素5を充填する。二酸化炭素5を所定の圧力に充填した後、ガスボンベ用開閉弁32を閉める。
(8)温度を保ったまま、30分程度放置する。
(9)上記(6),(7),(8)を2回繰り返す。
(10)最後に、再び真空ポンプ25を作動させて真空ポンプ用開閉弁24を全開し、二酸化炭素5を排気する作業を所定時間行う。この所定時間は例えば2時間程度である。二酸化炭素5の圧力は10−3Torr程度で十分である。
(11)上記の作業が終了したら、封入ガス用開閉弁4Aを閉めることで、真空断熱層4への二酸化炭素5の封入工程が完了する。
【0025】
上記した本発明によれば、真空断熱容器1の真空断熱層4の排気中に二酸化炭素5を繰り返し充填し、真空断熱層4内の空気を置換排気することによって排気効率を著しく向上し、かつ、液体窒素及び液体酸素及び液体ヘリウムなどの極低温冷媒7を真空断熱容器1内に入れたときに、真空断熱層4内の希薄な所定圧力で封入された二酸化炭素5が凝縮性ガスとして昇華して低温内面に付着する。
これにより、真空断熱容器1の真空断熱層4を高真空度に保つ二酸化炭素等からなる封入ガス5を、効率良く短時間で真空断熱容器1の真空断熱層4へ封入することができる。
【0026】
(封入ガスの封入方法に係る第2の実施形態)
この実施形態に係る真空断熱容器1の真空断熱層4への封入ガス5の封入方法は、真空断熱容器1を製造した後、図3に示すガス封入装置15を用いて、真空断熱層4を真空にし、かつ真空断熱層4へ所定の圧力の封入ガス5を供給して挿入することによって行うことができる。
【0027】
ガス封入装置15は、真空断熱容器1の真空断熱層4を真空にする真空排気部20と、真空断熱層4へ封入ガス5を挿入供給する封入ガス供給部30と、を備えている。真空排気部20は、冷却トラップ42を備えている点以外は、図2に示す真空排気部20と変わるものではない。封入ガス供給部30は、図2に示すものと同一である。
冷却トラップ42は、第1のT型接続部品21と第2のT型接続部品23との間の配管22の間に挿入される第3のT型接続部品43の分岐ポート43Aへ冷却トラップ用開閉弁44を介して接続されている。冷却トラップ42の寒剤としては、液体窒素等を用いることができる。封入装置15の他の構成は、封入装置10と同じであるので説明は省略する。
【0028】
次に、封入装置15を用いて真空断熱層4へ封入ガス5を封入する方法について説明する。以下の説明でも、封入ガス5は、二酸化炭素とする。
(1)〜(5)の工程は同じである。冷却トラップ42は、上記(6)に対応する工程(この工程を(6A)として以下に説明する。)で使用する。
(6A)真空ポンプ25を作動させ、真空ポンプ用開閉弁24を全開して、真空断熱層4内に充填した二酸化炭素5を排気する。二酸化炭素5の圧力が1Torr程度に低下した時に、冷却トラップ用開閉弁44を開けて冷却トラップ42に二酸化炭素5を吸着させ、排気速度を上げる。10−3Torr程度まで真空引きした後、冷却トラップ用開閉弁44及び真空ポンプ用開閉弁24を閉める。
【0029】
(6A),(7),(8)の工程を所定回数繰り返し、(9)〜(11)の工程を行うことで、真空断熱層4へ二酸化炭素5を所定の圧力で封入することができる。
上記の封入方法によれば、(6A)の工程で冷却トラップ42を使用することによって排気速度が上がるので、真空断熱層4の真空引き時間を短縮することができる。
【0030】
二酸化炭素5の充填圧力は絶対圧で0.01気圧から2/3気圧程度とする。真空断熱容器1を加熱した後の真空断熱層4の気圧が絶対圧で1気圧以下となるように調整する。
【0031】
以下に真空層内にパーライトが充填された容量約10立方メートルの液体窒素貯蔵容器の排気手順の一例を示す。
(1) 真空ポンプで初期排気を15時間実施する。
(2) CO2を0.1気圧になるまで充填し4時間程度放置する。
(3) 空気がCO2に充分拡散した後に、CO2の排気を真空ポンプにて15時間行う。
(4) (2)と(3)を3回実施する。
(5) 貯蔵容器使用時に液体窒素を充填し、封入ガスを昇華させることによって真空容器内を高真空に維持する。
【0032】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0033】
1:真空断熱容器
2:内壁
3:外壁
4:真空断熱層
4A:封入ガス用開閉弁
5:封入ガス
7:極低温冷媒
10,15:封入装置
20:真空排気部
21:第1のT型接続部品
22,34:配管
23:第2のT型接続部品
25:真空ポンプ
26:荒引き用真空ポンプ
27:高真空用ポンプ
28:圧力計
30:封入ガス供給部
31:ガスボンベ
32:ガスボンベ用開閉弁
42:冷却トラップ
43:第3のT型接続部品
44:冷却トラップ用開閉弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空断熱層を有する真空断熱容器であって、
上記真空断熱層には封入ガスが封入されており、
上記封入ガスは常温で気体であり、
上記封入ガスが、極低温冷媒を上記真空断熱容器内に入れたときに凝縮性ガスとして昇華して、上記真空断熱層を画成する壁面に付着されることを特徴とする、真空断熱容器。
【請求項2】
前記封入ガスが、二酸化炭素、炭化水素ガス、無機酸化物ガス、アンモニア、アルコールの何れかであることを特徴とする、請求項1に記載の真空断熱容器。
【請求項3】
前記炭化水素ガスが、フロン、フロリナート、アセチレンの何れかであることを特徴とする、請求項2に記載の真空断熱容器。
【請求項4】
真空断熱層内にパーライトまたは輻射シールド膜材が挿入されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の真空断熱容器。
【請求項5】
真空断熱容器の真空断熱層への封入ガスの挿入方法であって、
上記真空断熱層を、所定の温度に保持した後、所定の圧力まで真空排気する第1の工程と、
上記真空排気した真空断熱層へ封入ガスを所定の圧力まで充填し、所定時間保持する第2の工程と、
上記真空断熱層へ封入した封入ガスを所定の圧力まで真空排気する第3の工程と、
上記第2及び第3の工程を所定回数繰り返して行い、
上記真空断熱層内の上記封入ガスを所定の圧力まで真空排気して、上記真空断熱層へ上記封入ガスを封入する工程と、
を含み、
上記第2及び第3の工程を所定回数繰り返して行い、
上記封入ガスを、常温で気体とし、かつ、極低温冷媒を上記真空断熱容器内に入れたとき、上記封入ガスを凝縮性ガスとして昇華して上記真空断熱層を画成する壁面に付着させることを特徴とする、真空断熱容器の真空断熱層への封入ガスの挿入方法。
【請求項6】
前記封入ガスを、二酸化炭素、炭化水素ガス、無機酸化物ガス、アンモニア、アルコールのいずれかとすることを特徴とする、請求項5に記載の真空断熱容器の真空断熱層への封入ガスの挿入方法。
【請求項7】
前記炭化水素ガスを、フロン、フロリナート、アセチレンのいずれかとすることを特徴とする、請求項6に記載の真空断熱容器の真空断熱層への封入ガスの挿入方法。
【請求項8】
前記第3の工程の真空排気において、前記真空断熱層と該真空断熱層を排気する真空ポンプとの間の配管に寒剤を用いた冷却トラップを設け、
上記真空排気を、上記真空ポンプ及び前記冷却トラップを使用して行うことを特徴とする、請求項5乃至7のいずれかに記載の真空断熱容器の真空断熱層への封入ガスの挿入方法。
【請求項9】
パーライトまたは輻射シールド膜材が挿入された前記真空断熱容器の真空断熱層内に前記封入ガスを挿入することを特徴とする、請求項5乃至8のいずれかに記載の真空断熱容器の真空断熱層への封入ガスの挿入方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−276173(P2010−276173A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131372(P2009−131372)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(397036457)株式会社ジェック東理社 (4)
【出願人】(505472506)株式会社クライオワン (3)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【Fターム(参考)】