説明

真空装置用チャンバ、チャンバの製造方法

【課題】 Oリング近傍のガラス部材を保護しながらOリングをも保護し、高い真空度を維持できる真空装置用チャンバを提供する。
【解決手段】 カバー1と、カバー1と共に閉空間100を形成するフランジ5とを備え、形成された閉空間100内の真空状態をOリング10によって封止する真空装置用チャンバにおいて、フランジ5は、カバー1と対向する周縁面5aと、周縁面5aにあってOリング10と嵌合する溝部22とを備える。また、カバー1は、周縁面5aと対向する対向面1aと、対向面1a上にあって、かつ耐プラズマ性を有する第1面30と、第1面30に比して平滑度が高く、かつ溝部22に対向する溝対向面22aに沿う第2面32とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空装置用チャンバ、チャンバの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エッチング等のプラズマを使ったプロセスは、一般的に真空装置のチャンバ内で行われる。チャンバの蓋体には、内部の状態が視認できる、あるいは熱に対して安定である等の理由から石英ガラス等のガラス部材が多く用いられる。
また、チャンバ内の真空状態を保つため、チャンバ本体と蓋体との間にはOリングが挿入されている。Oリングは、本体と蓋体との間にセットされる。そして、チャンバ内の減圧と共に押しつぶされ、変形して本体と蓋体との間を封止する。
【0003】
ところで、SiO2やSi3N4等のエッチングにはフッ素系のガスが用いられる。フッ素系のガスは、蓋体に用いられた石英ガラスをもエッチングする。Oリング近傍の石英ガラスがエッチングされた場合には、蓋体と本体との間に隙間が生じ、Oリングを挿入しているのにも関わらず、真空封止が不完全になるおそれがある。
このような点を解決する従来技術として、例えば、特許文献1が挙げられる。特許文献1に記載された発明は、石英チャンバ52のフランジ50のうち、Oリング55と接触する面を含む面に耐プラズマ性を有する膜51をコーティングしている。膜51のコーティングにより、フランジ50は、プラズマによって侵食されることがない。このため、チャンバ52のフランジと本体53との間をOリングが完全に封止し、チャンバ内の真空状態を良好に保つことができる。
【特許文献1】特開2002−313780
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載された発明は、確かにフランジ50がプラズマに侵食されて真空状態を封止する効果が薄くなることを防止できるという効果を奏するものといえる。しかし、本発明の発明者による鋭意検討の結果、さらなる改良の余地があることが判った。
すなわち、膜51の生成は、アルマイト加工や溶射法、スパッタリング等によって行われるが、簡易に実施できるという点で溶射法が好適である。そこで、本発明者は、溶射法による膜51の生成についてさらに検討した。この結果、溶射法によって成膜された膜51は、耐プラズマ性を得るためには膜厚が厚いほうが有利である一方、充分な厚さに成膜すると、膜表面が比較的粗くなることが判った。
【0005】
つまり、特許文献1に記載された従来技術は、密着性を高めるために膜51を薄く成膜した場合には、膜51を頻繁に再コーティングする必要が生じる一方で、耐プラズマ性を高める目的で膜を厚く成膜した場合にはOリング55と密着しても充分な封止性が得られないという点でさらなる改良の余地が残るものといえる。
さらに、特許文献1に記載された発明は、溶射法によって充分な厚さの膜を生成した場合、Oリング55が表面の粗い膜と密着することによって傷つき、充分な封止の機能が維持できる期間(以下寿命という。)が短くなる。このため、Oリング55の交換頻度が高まってメンテナンスに係る負荷が大きくなるという欠点がある。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑みて行われたものであり、Oリング近傍のガラス部材を保護しながらOリングをも保護し、高い真空度を維持できる真空装置用チャンバ及び真空装置用チャンバの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、本発明は、蓋体と、当該蓋体と共に閉空間を形成する本体とを備え、形成された閉空間内の真空状態をOリングによって封止する真空装置用チャンバであって、前記本体は、形成された閉空間の外周にあって、前記蓋体を支持する周縁面と、前記周縁面にあって前記Oリングと嵌合する環状溝部と、を備え、前記蓋体は、閉空間の形成時に前記周縁面と対向する対向面と、前記対向面上にあって、かつ、対向する前記環状溝部の内周に沿って連続する第1の面と、前記対向面上にあって、かつ前記第1の面の外周に沿って連続する第2の面と、を備え、前記第1の面は耐プラズマ性を有し、前記第2の面は前記第1の面に比して高い平滑度を有することを特徴とする。
【0008】
このような発明によれば、環状溝部の内周に沿って連続する第1面によって環状溝部よりも内側の周縁面をプラズマから保護することができる。また、第1の面の外周にあってかつ平滑度の高い第2面によってOリングの磨耗や損傷を防ぎ、蓋体と本体との間に形成される閉空間のOリングによる真空封止の効果を維持することができる。
また、本発明の真空装置用チャンバは、前記第2の面が、少なくとも一部が前記閉空間の減圧時に前記Oリングと接する範囲に形成されることを特徴とする。
【0009】
このような発明によれば、閉空間が減圧されて対向面がプラズマにさらされる時点でOリングの磨耗や損傷を防ぎ、蓋体と本体との間に形成される閉空間のOリングによる真空封止の効果を維持することができる。
また、本発明の真空装置用チャンバは、前記第1の面が、耐プラズマ性膜を備えることを特徴とする。
【0010】
このような発明によれば、第1面に簡易に耐プラズマ性を付与することができる。
また、本発明の真空装置用チャンバは、前記第2の面が、前記第1の面の表面よりも表面の平滑度が高い膜を備えることを特徴とする。
このような発明によれば、Oリングの磨耗や損傷を防ぎ、蓋体と本体との間に形成される閉空間のOリングによる真空封止の効果を維持することができる。また、対向面の表面を保護することができる。あるいは対向面よりも高い平滑度を持つ膜を選択すれば、Oリングによる真空封止の効果をいっそう高めることができる。
【0011】
また、本発明の真空装置用チャンバは、前記蓋体がガラス部品を備え、前記耐プラズマ性膜がセラミックを含むことを特徴とする。
このような発明によれば、フッ素系のガスを使う真空装置用チャンバにおいて効果的にガラスを保護することができる。
また、本発明の真空装置用チャンバは、ガラス製のカバーと、当該カバーと共に閉空間を形成するフランジと、前記カバーと前記本体との間に置かれるOリングと、を備えた真空装置用チャンバであって、前記フランジは、形成された閉空間の外周にあって、前記蓋体を支持する周縁面と、前記周縁面にあって前記Oリングと嵌合する環状溝部と、を備え、前記蓋体は、前記周縁面と対向する対向面を備え、前記対向面は、対向する前記環状溝部の内周に沿って設けられる耐プラズマ性膜と、当該プラズマ性膜の外周に沿う面のうちの前記環状溝部と対向する位置にあって、かつ前記耐プラズマ性膜よりも表面の平滑性が高い面と、を備えることを特徴とする。
【0012】
このような発明によれば、耐プラズマ性膜によって環状溝部の内周にある周縁面をプラズマから保護することができる。また、耐プラズマ性膜の外周にあってかつ平滑度の高い面によってOリングの磨耗や損傷を防ぎ、蓋体と本体との間に形成される閉空間のOリングによる真空封止の効果を維持することができる。
また、本発明の真空装置用チャンバの製造方法は、本体と共に閉空間を形成する蓋体と、形成された閉空間の周縁に当該蓋体を支持する周縁面を備える本体と、前記周縁面上の環状溝部に嵌合されるOリングとを備えた真空装置用チャンバの製造方法であって、閉空間の形成時、前記蓋体にあって前記周縁面に対向して支持される対向面に対し、閉空間の形成時、対向する前記環状溝部に沿って連続すると共に耐プラズマ性を有する第1の面を形成する第1面形成工程と、前記第1面の外周に沿って連続すると共に、前記第1の面に比して高い平滑度を有する第2の面を形成する第2面形成工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
このような発明によれば、第1面によって周縁面をプラズマから保護することができる。また、第1の面の外周にあってかつ平滑度の高い第2面によってOリングの磨耗や損傷を防ぎ、蓋体と本体との間に形成される閉空間のOリングによる真空封止の効果を維持することができる。
また、本発明の真空装置用チャンバの製造方法は、本体と共に閉空間を形成する蓋体と、形成された閉空間の周縁に当該蓋体を支持する周縁面を備える本体と、前記周縁面上の環状溝部に嵌合されるOリングとを備えた真空装置用チャンバの製造方法であって、閉空間の形成時、前記周縁面に対向して支持される前記蓋体の対向面に対し、閉空間の形成時、対向する前記環状溝部の内周に沿って連続すると共に耐プラズマ性を有する第1の面を形成する第1面形成工程と、前記第1面の外周に沿って連続すると共に、前記第1の面に比して高い平滑度を有する第2の面を形成する第2面形成工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
このような発明によれば、第1面によって周縁面をプラズマから保護することができる。また、第1の面の外周にあってかつ平滑度の高い第2面によってOリングの磨耗や損傷を防ぎ、蓋体と本体との間に形成される閉空間のOリングによる真空封止の効果を維持することができる。
また、本発明の真空装置用チャンバの製造方法は、前記第1面形成工程が、前記環状溝部に沿って連続する所定の範囲がマスキングされた前記対向面の全面に耐プラズマ性膜をコーティングする工程を含み、前記第2面形成工程が、前記対向面をマスキングしたマスクを剥がす工程を含むことを特徴とする。
【0015】
このような発明によれば、溝対向面に沿う範囲をマスキングした後に耐プラズマ性膜をコーティングする。そして、マスキングに使ったマスクを剥がすことにより、第1面と、第1面よりも平滑度の高い第2面とを形成することができる。
また、本発明の真空装置用チャンバの製造方法は、前記第1面形成工程が、前記対向面の全面に耐プラズマ性膜をコーティングする工程を含み、前記第2面形成工程は、前記環状溝部の内面と対向する面を除き、環状溝部と対向する面を含む範囲にある耐プラズマ性膜を除去する工程を含むことを特徴とする。
【0016】
このような発明によれば、耐プラズマ性膜をコーティングした後、例えば研磨等によって耐プラズマ性膜を除去することにより、第1面と、第1面よりも平滑度の高い第2面とを形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図を参照して本発明に係る真空装置用チャンバ、真空装置用チャンバの製造方法の実施の形態を説明する。
図1は、本実施形態の真空装置用チャンバ(以下、単にチャンバと記す。)を説明するための図である。図示したチャンバは、蓋体と、蓋体と共に閉空間100を形成する本体15とを備えたチャンバである。本実施形態では、蓋体をカバー1と記す。また、本体15は、形成された閉空間100の外周に位置するフランジ5を備えている。フランジ5のカバー1を支持する面は、閉空間100の外周にあって、カバー1を支持する周縁面5aとなる。カバー1は、石英ガラス等のガラスで形成されていて、フランジ5はステンレス製である。
【0018】
閉空間100は、カバー1が凹面1bをフランジ5に向けて置かれたときに形成される。形成された閉空間100内にはステージ3があって、ステージ3上にはウェハ2が静電チャック等の方法によって固定され、エッチング等のプラズマ処理を受ける。
また、カバー1は、周縁面5aと対向する対向面1aを有している。周縁面5aと対向面1aとの間にはOリング10が置かれる。Oリング10は、カバー1とフランジ5との間で形成された閉空間内の真空状態を封止している。
【0019】
図2(a)、(b)は、フランジ5の周縁面5aと、対向面1aとの断面を拡大して示した図である。本実施形態では、周縁面5aがOリング10と嵌合する環状の溝部22を備えている。一方、対向面1aは、対向する溝部22の内周に沿って連続する第1面30と、第1面30の外周に沿って連続する第2面32とを備えている。第1面30は耐プラズマ性を有し、第2面32は第1面30に比して高い平滑度を有する。
【0020】
なお、本実施形態では、対向面1aにあって、閉空間100に近い側を内側Iとし、反対にカバー1の外部に近い側を外側Oとして以降の説明を行うものとする。
本実施形態では、対向面1aにセラミック膜をコーティングしたことによって第1面30を形成する。すなわち、本実施形態の第1面30は、対向面1a上にコーティングされたセラミック膜表面である(図2(a))。また、本実施形態の第2面32は、セラミック膜が形成されていないガラス表面である。
【0021】
ところで、Oリング10は、閉空間100の減圧時、対向面1aが周縁面5aに強く押し付けられることから変形する(図2(b))。本発明は、この際にOリング10が表面の粗いセラミック膜に圧接されることを防ぐことを目的としている。このため、第2面32を、閉空間100の減圧時に第2面32の少なくとも一部がOリング10と接する範囲に形成することが望ましい。本実施形態は、この目的を達成するため、以下のようにして第2面32を形成している。
【0022】
すなわち、対向面1aは、溝部22と対向する面(溝対向面22a)と、溝対向面22aの内周に沿う面(内側面21)と、溝対向面22aの外周に沿う面(外側面23)とに分けられる。本実施形態では、第1面30を内側面21上に、第2面32を溝対向面22aと外側面23との上に形成するものとした。
図3(a)、(b)は、内側面21、溝対向面22a、外側面23と第1面30、第2面32との関係をより詳細に示した図であって、カバー1を対向面1aの側から見た図である。本実施形態では、図1で述べたように、対向面1aにあって、閉空間100に近い側を内側Iとし、反対にカバー1の外部に近い側を外側Oとする。したがって、溝対向面22aの内周とは、溝対向面22aと外部との境界線のうちの内側Iの側の周をいう。また、溝対向面22aの外周とは、溝対向面22aと外部との境界線のうちの外側Oの側の周をいう。
【0023】
図示するように、対向面1aは、カバー1の外周に沿う円環状の面である。対向面1a上の溝対向面22aは、対向面1aと中心点が同一の円環形状である。したがって、溝対向面22aの内側面21、外側面23が共に対向面1aと中心点が同一の円環形状となる。
このため、内側面21上に形成される第1面30、溝対向面22aと外側面23との上に形成される第2面32は、共に対向面1aの平面視において円環状の面となる。
【0024】
本実施形態では、溝対向面22aと外側面23の範囲をマスキングし、マスキングされた対向面1aの全面にセラミック膜をコーティングする。セラミック膜のコーティングは、アルミナ溶射等の簡易な方法で実現できる。
そして、マスキングに使われたマスク部材を剥がすことにより、セラミック膜を備えた第1面30と、ガラス表面が露出した第2面32とが形成できる。
【0025】
このような本実施形態によれば、閉空間100内が真空引きされてプラズマが生成されたとき、カバー1の対向面1aのうちプラズマにさらされる内側面21をセラミックによってカバーすることができる。また、Oリング10に圧接される対向面1aの表面に平滑なガラス部材を露出させておくことができる。このため、Oリング10による真空封止の効果を低下させることがない。また、セラミック膜コーティングによるOリングの短寿命化をも防ぐことができるので、従来に比べてメンテナンスにかかる負荷が大きくなることがない。
【0026】
また、本発明は、以上述べた実施形態に限定されるものではない。図4(a)、(b)、(c)は、本発明の実施形態の変形例を示した図である。図4(a)は、第1面30を内側面の他、外側面にも設けて溝対向面上のみを第2面とした例である。図4(b)は、対向面1aの全面に第1面30の表面よりも平滑な平滑膜41を設け、この上から溝対向面と外側面とをマスキングし、セラミック膜を設けた例である。
【0027】
また、本実施形態は、対向面の一部をマスキングしてセラミック膜をコーティングするものに限定されるものではない。例えば、対向面1aの全面に耐プラズマ性を有するセラミック膜をコーティングし、溝対向面22aの内面と対向する面を除き、溝対向面22aと対向する面を含む範囲にあるセラミック膜を除去することによって第1面30、第2面32を形成してもよい。
【0028】
セラミック膜の除去は、一般的に研磨によって行われる。ただし、本実施形態のセラミック膜を研磨で除去する場合、高い研磨精度を得ることが難しい。図4(c)は、この点を解決するための構成であり、平滑で、かつ比較的粘性の高い可撓部材43を対向面上に設ける。そして、可撓部材43上にセラミック膜を設けて第1面30とする。
図4(c)に示した構成によれば、研磨後に充分な平坦度が得られない場合にも、閉空間が減圧されたときに可撓部材43が第1面30、第2面32の傾きや凹凸を吸収できる。このため、Oリング10による高い真空封止性を維持することができる。
【0029】
また、本発明の真空装置用チャンバの製造方法は、いったん使用されたチャンバに対しても適用することができる。いったん使用されたチャンバとは、耐プラズマ性膜をコーティングすることなく使用されたチャンバであっても、コーティングされた耐プラズマ性膜が再度コーティングされるチャンバであってもよい。
さらに、本実施形態で述べた方法によれば、Oリング近傍のガラスが損傷した部分にのみセラミック膜をコーティングすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態の真空装置用チャンバを説明するための図である。
【図2】図1に示したフランジの周縁面と対向面との断面を拡大して示した図である。
【図3】対向面における内側面、溝対向面、外側面を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態の変形例を説明するための図である。
【図5】従来の構成を説明するための図である。
【符号の説明】
【0031】
1 カバー,1a 対向面,5 フランジ,5a 周縁面,10 Oリング,
21 内側面,22a 溝対向面,23 外側面,30 第1面,32 第2面,
41 平滑膜,43 可撓部材,100 閉空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋体と、当該蓋体と共に閉空間を形成する本体とを備え、形成された閉空間内の真空状態をOリングによって封止する真空装置用チャンバであって、
前記本体は、
形成された閉空間の外周にあって、前記蓋体を支持する周縁面と、
前記周縁面にあって前記Oリングと嵌合する環状溝部と、を備え、
前記蓋体は、
閉空間の形成時に前記周縁面と対向する対向面と、
前記対向面上にあって、かつ、対向する前記環状溝部の内周に沿って連続する第1の面と、
前記対向面上にあって、かつ前記第1の面の外周に沿って連続する第2の面と、を備え、
前記第1の面は耐プラズマ性を有し、前記第2の面は前記第1の面に比して高い平滑度を有することを特徴とする真空装置用チャンバ。
【請求項2】
前記第2の面は、少なくとも一部が前記閉空間の減圧時に前記Oリングと接する範囲に形成されることを特徴とする請求項1に記載の真空装置用チャンバ。
【請求項3】
前記第1の面は、耐プラズマ性膜を備えることを特徴とする請求項1または2項に記載の真空装置用チャンバ。
【請求項4】
前記第2の面は、前記第1の面の表面よりも表面の平滑度が高い膜を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の真空装置用チャンバ。
【請求項5】
前記蓋体はガラス製であり、前記第1の面は表面にセラミック部材を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の真空装置用チャンバ。
【請求項6】
ガラス製のカバーと、当該カバーと共に閉空間を形成するフランジと、前記カバーと前記本体との間に置かれるOリングと、を備えた真空装置用チャンバであって、
前記フランジは、
形成された閉空間の外周にあって、前記蓋体を支持する周縁面と、
前記周縁面にあって前記Oリングと嵌合する環状溝部と、を備え、
前記蓋体は、前記周縁面と対向する対向面を備え、
前記対向面は、対向する前記環状溝部の内周に沿って設けられる耐プラズマ性膜と、当該プラズマ性膜の外周に沿う面のうちの前記環状溝部と対向する位置にあって、かつ前記耐プラズマ性膜よりも表面の平滑性が高い面と、を備えることを特徴とする真空装置用チャンバ。
【請求項7】
本体と共に閉空間を形成する蓋体と、形成された閉空間の周縁に当該蓋体を支持する周縁面を備える本体と、前記周縁面上の環状溝部に嵌合されるOリングとを備えた真空装置用チャンバの製造方法であって、
閉空間の形成時、前記周縁面に対向して支持される前記蓋体の対向面に対し、
閉空間の形成時、対向する前記環状溝部の内周に沿って連続すると共に耐プラズマ性を有する第1の面を形成する第1面形成工程と、
前記第1面の外周に沿って連続すると共に、前記第1の面に比して高い平滑度を有する第2の面を形成する第2面形成工程と、を含むことを特徴とする真空装置用チャンバの製造方法。
【請求項8】
前記第1面形成工程が、前記環状溝部に沿って連続する所定の範囲がマスキングされた前記対向面の全面に耐プラズマ性膜をコーティングする工程を含み、前記第2面形成工程が、前記対向面をマスキングしたマスクを剥がす工程を含むことを特徴とする真空装置用チャンバの製造方法。
【請求項9】
前記第1面形成工程が、前記対向面の全面に耐プラズマ性膜をコーティングする工程を含み、前記第2面形成工程は、前記環状溝部の内面と対向する面を除き、環状溝部と対向する面を含む範囲にある耐プラズマ性膜を除去する工程を含むことを特徴とする真空装置用チャンバの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−32539(P2006−32539A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−207187(P2004−207187)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】