説明

眼科用防腐組成物

【課題】 亜塩素酸塩を含有する眼科用液剤について、二酸化塩素の発生を抑制すること。
【解決手段】 亜塩素酸塩と下記1)〜7)から選択される少なくとも一つの安定化剤とからなる眼科用防腐組成物を含有する眼科用液剤は、二酸化塩素の発生を抑制するので安全性に優れ、長期に渡って防腐効果が持続する。1)クレアチニン、2)ゲラニオール、3)グルコース、4)酢酸トコフェロール、5)硫酸オキシキノリン、6)糖アルコール、7)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、亜塩素酸塩とその安定化剤からなる眼科用防腐組成物、および同組成物を含む眼科用液剤に関する。
【背景技術】
【0002】
点眼液は、眼という人体の鋭敏な器官に直接投与され、また、コンタクトレンズも、眼に直接触れる環境で使用される。したがって、点眼液やコンタクトレンズ保存液の配合成分については安全性という観点から注意を要し、特に眼刺激性、副作用などに配慮する必要がある。
【0003】
点眼液の防腐成分としては、例えば塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ソルビン酸などが、また、コンタクトレンズ保存液の防腐成分としては、例えばポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)、ポリクアッド、過酸化水素、ピュライト(安定化二酸化塩素)などが実用化されている。
【0004】
しかし、塩化ベンザルコニウムや塩化ベンゼトニウムは、防腐効果に優れているものの濃度が高くなると角膜障害を引き起こすことがあるので、その使用濃度には一定の制約を伴う。また、これらの防腐剤は、酸性の添加物と配合変化(化学反応)を起こすことがあり、点眼容器やろ過フィルターに吸着されやすい性質も併せもつ。ソルビン酸は、点眼容器への吸着は少ないものの、防腐効果が充分ではなく、また、pHによっては安定性が低下するので、点眼液に配合するには一定の制約を伴う。一方、過酸化水素などの過酸化系防腐剤は、コンタクトレンズ保存液に配合すれば優れた殺菌・洗浄作用を発揮するが、刺激性があるので中和することが条件となる。
【0005】
亜塩素酸塩は、ClO2イオンを有する化合物であり、とりわけ亜塩素酸ナトリウムは水道水の殺菌剤などとして用いられている。しかし、亜塩素酸塩が分解すると酸化作用の強い二酸化塩素が発生し、眼、皮膚、気道などに対して刺激性を有することが知られている。これに対して、特許文献1は、二酸化塩素の生成方法および殺菌用組成物に関する発明であって、遷移金属を用いて亜塩素酸塩などの二酸化塩素前駆体から二酸化塩素を発生させることにより、二酸化塩素の強力な殺菌作用を利用してコンタクトレンズなどを殺菌・洗浄する発明を開示している。
【特許文献1】特開平3−164402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
二酸化塩素は、過酸化水素と同様に強い酸化剤であり、眼、皮膚などに対して強い刺激性を有することが知られているので、眼科用の防腐成分として亜塩素酸塩を使用する場合には、二酸化塩素の発生を抑制して安全性を高めることが重要な課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、二酸化塩素の発生を抑制する安定化剤を種々検討したところ、防腐成分である亜塩素酸塩とクレアチニン、ゲラニオール、グルコース、酢酸トコフェロール、硫酸オキシキノリン、糖アルコールおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選択される少なくとも一つの安定化剤からなる眼科用防腐組成物を含有する眼科用液剤は、二酸化塩素の発生を顕著に抑制することにより安全性に優れ、さらに長期に渡って防腐効果が持続することを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)亜塩素酸塩と下記1)〜7)から選択される少なくとも一つの安定剤とからなる眼科用防腐組成物、
1)クレアチニン
2)ゲラニオール
3)グルコース
4)酢酸トコフェロール
5)硫酸オキシキノリン
6)糖アルコール、および
7)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
(2)亜塩素酸塩が、亜塩素酸ナトリウムである前記(1)記載の眼科用防腐組成物、
(3)糖アルコールが、マンニトール、ソルビトールまたはキシリトールである前記(1)記載の眼科用防腐組成物、
(4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、ポリソルベート80である前記(1)記載の眼科用防腐組成物、および
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の眼科用防腐組成物を含む眼科用液剤、
(6)0.0001〜1%(W/V)の亜塩素酸塩と下記1)〜7)から選択される少なくとも一つの安定化剤とを含む眼科用液剤、
1)0.0001〜5%(W/V)のクレアチニン
2)0.00001〜0.05%(W/V)のゲラニオール
3)0.0001〜5%(W/V)のグルコース
4)0.0001〜1%(W/V)の酢酸トコフェロール
5)0.00001〜1%(W/V)の硫酸オキシキノリン
6)0.001〜10%(W/V)の糖アルコール、および
7)0.0001〜10%(W/V)のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
である。
【0009】
本発明において、防腐成分である亜塩素酸塩は、亜塩素酸の塩であれば特に制限されないが、例えば亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウムなどの亜塩素酸アルカリ金属塩、亜塩素酸カルシウム、マグネシウム、バリウムなどの亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸銅、亜塩素酸鉛、亜塩素酸アンモニウム等が挙げられ、より好ましくは亜塩素酸ナトリウムである。
【0010】
眼科用液剤における亜塩素酸塩の濃度は、0.00001〜1%(W/V)であることが好ましく、より好ましくは0.0001%〜0.1%(W/V)である。
【0011】
本発明において、防腐成分である亜塩素酸塩を安定化して二酸化塩素の発生を抑制できる安定化剤としては、以下の7つを挙げることができる。
【0012】
1)クレアチニン
2)ゲラニオール
3)グルコース
4)酢酸トコフェロール
5)硫酸オキシキノリン
6)糖アルコール
7)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
ここで、糖アルコールとしては、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、白糖などが挙げられ、より好ましくはマンニトールである。また、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、ポリソルベート80[ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート]、ポリソルベート60[ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート]、ポリソルベート40[ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート]、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート、ポリソルベート65[ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート]などが挙げられ、より好ましくはポリソルベート80である。
【0013】
眼科用液剤における安定化剤の濃度は、クレアチニンについては0.0001〜5%(W/V)、ゲラニオールについては0.00001〜0.05%(W/V)、グルコースについては0.0001〜5%(W/V)、酢酸トコフェロール(α、β、γ、δ)については0.0001〜1%(W/V)、硫酸オキシキノリンについては0.00001〜1%(W/V)、糖アルコールについては0.001〜10%(W/V)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルについては0.0001〜10%(W/V)であることが好ましい。
【0014】
上記7つの安定化剤は、それぞれ単独で用いてもよく、また、それらを組み合わせて用いてもよい。
【0015】
本発明の眼科用液剤は、例えば点眼液やコンタクトレンズ保存液として用いることが好ましく、汎用されている方法によって調製することができる。
【0016】
また、本発明の眼科用液剤には、必要に応じて薬物をはじめ、等張化剤、緩衝剤、pH調節剤、増粘剤等を適宜配合することができる。
【0017】
本発明の眼科用液剤に配合する薬物は、特に制限されないが、例えば抗緑内障剤(チモロール、プロスタグランジン誘導体、炭酸脱水酵素阻害剤など)、各種のビタミン類(ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、パンテノール等)、充血除去剤(塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン等)、抗炎症剤(ジクロフェナク、インドメタシン、フルオロメトロン、プラノプロフェン、グリチルリチン酸二カリウム、イプシロン-アミノカプロン酸等)、抗ヒスタミン剤(マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン等)、抗アレルギー剤(クロモグリク酸ナトリウム等)、抗菌剤(キノロン系抗菌剤、セファロスポリン類、スルファセタミドナトリウム、スルファメトキサゾール等)、アミノ酸類(L−アスパラギン酸カリウム、アミノエチルスルホン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム等)、診断用試薬(ナトリウムフルオレセインなど)、ヒアルロン酸ナトリウム、メチル硫酸ネオスチグミン等を挙げることができる。
【0018】
等張化剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等を挙げることができる。
【0019】
緩衝剤としては、例えばリン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム等のリン酸塩;ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム等のホウ酸塩;クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等のクエン酸塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トロメタモール、イプシロンアミノカプロン酸等の炭酸塩等を挙げることができる。
【0020】
pH調節剤としては、例えば塩酸、クエン酸、リン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等を挙げることができる。
【0021】
増粘剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン等を挙げることができる。
【0022】
本発明の眼科用液剤のpHは3〜9、特に5〜8とするのが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
亜塩素酸塩と、クレアチニン、ゲラニオール、グルコース、酢酸トコフェロール、硫酸オキシキノリン、糖アルコールおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選択される少なくとも一つの安定化剤とからなる眼科用防腐組成物を含有する眼科用液剤は、二酸化塩素の発生を抑制するので安全性に優れ、長期に渡って防腐効果が持続する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
1.二酸化塩素の発生抑制試験
(1)試料調製
試験溶液1
亜塩素酸塩7mg、クレアチニン500mg及びリン酸水素ナトリウム20mgを精製水約80mLに溶解し、希塩酸若しくは水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整し、精製水で全量を100mLとして試験溶液1を得た。
【0025】
試験溶液2〜6
試験溶液1のクレアチニン500mgに代えて、それぞれゲラニオール5mg、グルコース200mg、マンニトール2g、ポリソルベート80 100mg、硫酸オキシキノリン10mgを用いる以外は、試験溶液1と同様の操作を行って試験溶液2〜6を得た。
【0026】
試験溶液7
酢酸d-α-トコフェロール140mgとポリソルベート80 100mgを混合し、ついで亜塩素酸塩7mg、リン酸水素ナトリウム20mg及び精製水約80mLを加えて溶解し、希塩酸若しくは水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整し、精製水で全量を100mLとして試験溶液7を得た。
【0027】
比較試験溶液1
亜塩素酸塩7mg及びリン酸水素ナトリウム20mgを精製水約80mLに溶解し、希塩酸若しくは水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整し、精製水で全量を100mLとして比較試験溶液1を得た。
【0028】
(2)試験方法及び結果
1)DPD法による二酸化塩素の定量(14日間)
試験溶液1〜5および比較試験溶液1を用い、上水試験方法記載のDPD法によって二酸化塩素の発生濃度(ppm)を測定した。これらの試験結果を表1に示す。
【表1】

【0029】
注)*1:N.D.は0.02ppm以下であること(DPD法の測定範囲:0.02-5ppm)を示す。
【0030】
2)検知管による二酸化塩素の存在確認(14日間)
試験溶液6および7については試験溶液が着色しているためDPD法による定量はできないので、検知管による簡易な試験方法を用いて二酸化塩素の存在を確認した。すなわち、試験溶液6、7および比較試験溶液1中の二酸化塩素を減圧条件下で気化させてから、検知管を用いて二酸化塩素の存在を確認した。これらの試験結果を表2に示す。
【表2】

【0031】
注)*2:N.D.は二酸化塩素の存在を認めなかったこと(検知管の測定範囲:0.05-0.6ppm)を示す。
【0032】
(3)考察
表1および表2から明らかなように、亜塩素酸塩と各安定化剤(クレアチニン、ゲラニオール、グルコース、マンニトール、ポリソルベート80、硫酸オキシキノリン、酢酸d-α-トコフェロール)からなる眼科用防腐組成物を含有する眼科用液剤は、二酸化塩素の発生を顕著に抑制することができるので、安全性に優れ、眼に対する刺激も少ない。
【0033】
2.保存効力試験
(1)P.aeruginosaおよびC.albicansを用いた保存効力試験
1)試料
前記試験溶液1〜7を用いた。
【0034】
2)試験方法及び結果
保存効力試験は、第十四改正日本薬局方の保存効力試験法に準拠して行い、試験菌としてPseudomonas aeruginosa(P.aeruginosa)とCandida albicans(C.albicans)を用いて7日後および14日後の生菌数を測定した。下記計算式に従い、菌の生存率(%)を算出した。
【0035】
生存率(%)=サンプリング時の生菌数/初期菌数×100
これらの試験結果を表3に示す。
【表3】

【0036】
注)*3:N.D.は菌が検出されなかったことを示す。
【0037】
(2)A.nigerを用いた保存効力試験
1)試料調製
試験溶液8
亜塩素酸塩20mg、ゲラニオール5mg及びリン酸水素ナトリウム200mgを精製水に溶解し、希塩酸若しくは水酸化ナトリウムでpHを6.5に調整し、精製水で全量を100mLとして試験溶液8を得た。
【0038】
試験溶液9および10
試験溶液8のゲラニオール5mgに代えて、クレアチニン50mg、マンニトール2gをそれぞれ用いる以外は、試験溶液8と同様の操作を行って試験溶液9および10を得た。
【0039】
試験溶液11および12
試験溶液8の亜塩素酸塩20mgを、それぞれ50mg、7mgとする以外は、試験溶液8と同様の操作を行って試験溶液11および12を得た。
【0040】
2)試験方法及び結果
試験溶液8〜12を用いて保存効力試験を実施した。保存効力試験は、第十四改正日本薬局方の保存効力試験法に準拠して行い、試験菌としてAspergillus niger(A.niger)を用いて7日後、14日後および28日後の生菌数を測定した。以下に点眼剤が分類されるカテゴリーIAの日本薬局方(JP)および米国薬局方(USP)の判定基準を示す。
【0041】
JPの判定基準(真菌):14日後および28日後の生菌数が接種菌数と同じレベル若しくはそれ以下であること
USPの判定基準(真菌):7日後、14日後および28日後の生菌数が接種菌数から増加しないこと
これらの試験結果を表4に示す。
【表4】

【0042】
(3)5菌種を用いた保存効力試験
1)試料調製
試験溶液13
亜塩素酸塩7mg、ゲラニオール5mg、塩化カリウム400mg、塩化ナトリウム100mg及びホウ酸1gを精製水に溶解し、希塩酸若しくは水酸化ナトリウムでpHを7.5に調整し、精製水で全量を100mLとして試験溶液13を得た。
【0043】
試験溶液14
試験溶液13のゲラニオール5mgに代えて、マンニトール2gを用いる以外は、試験溶液13と同様の操作を行って試験溶液14を得た。
【0044】
比較試験溶液2
塩化カリウム400mg、塩化ナトリウム100mg及びホウ酸1gを精製水に溶解し、希塩酸若しくは水酸化ナトリウムでpHを7.5に調整し、精製水で全量を100mLとして比較試験溶液2を得た。
【0045】
2)試験方法及び結果
試験溶液13〜14および比較試験溶液2を用いて保存効力試験を実施した。保存効力試験は、第十四改正日本薬局方の保存効力試験法に準拠して行い、試験菌としてEscherichia coli(E.coli)、Pseudomonas aeruginosa(P.aeruginosa)、Staphylococcus aureus(S.aureus)、Condida albicans(C.albicans)およびAspergillus niger(A.niger)を用いて14日後および28日後の生菌数を測定した。下記計算式に従い、菌の生存率(%)を算出した。
【0046】
生存率(%)=サンプリング時の生菌数/初期菌数×100
これらの試験結果を表5に示す。
【表5】

【0047】
(3)考察
表3〜5から明らかなように、亜塩素酸塩と前記各安定化剤からなる眼科用防腐組成物を含有する眼科用液剤は、緑膿菌(グラム陰性菌)、カンジダ(真菌)、黒麹菌(真菌)などの種々の菌に対して優れた防腐効果を発揮する。
【0048】
3.製剤例
以下に代表的な製剤例を示す。
【0049】
処方例1(pH7)
100ml中
ヒアルロン酸ナトリウム 100mg
亜塩素酸ナトリウム 7mg
クレアチニン 50mg
塩化ナトリウム 850mg
リン酸二水素ナトリウム 200mg
水酸化ナトリウム 適量
希塩酸 適量
滅菌精製水 適量
【0050】
処方例2(pH7)
100ml中
ヒアルロン酸ナトリウム 100mg
亜塩素酸ナトリウム 7mg
ゲラニオール 5mg
塩化ナトリウム 900mg
リン酸二水素ナトリウム 200mg
水酸化ナトリウム 適量
希塩酸 適量
滅菌精製水 適量
【0051】
処方例3(pH7)
100ml中
ヒアルロン酸ナトリウム 100mg
亜塩素酸ナトリウム 7mg
マンニトール 2g
リン酸二水素ナトリウム 200mg
水酸化ナトリウム 適量
希塩酸 適量
滅菌精製水 適量
【0052】
処方例4(pH7)
100ml中
塩化カリウム 100mg
塩化ナトリウム 400mg
亜塩素酸ナトリウム 7mg
ゲラニオール 5mg
ホウ酸 1g
水酸化ナトリウム 適量
希塩酸 適量
滅菌精製水 適量


【特許請求の範囲】
【請求項1】
亜塩素酸塩と下記1)〜7)から選択される少なくとも一つの安定化剤とからなる眼科用防腐組成物。
1)クレアチニン
2)ゲラニオール
3)グルコース
4)酢酸トコフェロール
5)硫酸オキシキノリン
6)糖アルコール、および
7)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
【請求項2】
亜塩素酸塩が、亜塩素酸ナトリウムである請求項1記載の眼科用防腐組成物。
【請求項3】
糖アルコールが、マンニトール、ソルビトールまたはキシリトールである請求項1記載の眼科用防腐組成物。
【請求項4】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、ポリソルベート80である請求項1記載の眼科用防腐組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の眼科用防腐組成物を含む眼科用液剤。
【請求項6】
0.00001〜1%(W/V)の亜塩素酸塩と下記1)〜7)から選択される少なくとも一つの安定化剤とを含む眼科用液剤。
1)0.0001〜5%(W/V)のクレアチニン
2)0.00001〜0.05%(W/V)のゲラニオール
3)0.0001〜5%(W/V)のグルコース
4)0.0001〜1%(W/V)の酢酸トコフェロール
5)0.00001〜1%(W/V)の硫酸オキシキノリン
6)0.001〜10%(W/V)の糖アルコール、および
7)0.0001〜10%(W/V)のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル

【公開番号】特開2007−45819(P2007−45819A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−192413(P2006−192413)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(000177634)参天製薬株式会社 (177)
【Fターム(参考)】