説明

睫用化粧料

【課題】睫を太く見せる、睫を上向きにカールさせる(カールを持続させる)、睫を長く見せる、耐水性・耐油性に優れる(化粧崩れしない)といった効果に優れるとともに、自然な仕上がりとすることができる睫用化粧料の提供。
【解決手段】(A)アクリル酸系皮膜形成剤、(B)3種の繊維長の異なる繊維、(C)窒化ホウ素および(D)水溶性多糖類を含有してなる睫用化粧料とする。所望により、(E)ロジン誘導体、好ましくは、水添ロジン酸グリセリルを含有させることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睫用化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
睫用化粧料には、目元を際立たせるために、特に「睫を太く見せる」「睫を上向きにカールさせる(カールを持続させる)」「睫を長く見せる」「耐水性・耐油性に優れる(化粧崩れしない)」などといった機能が求められている。
【0003】
従来より、このような機能を付与する試みとしては、例えば、アクリル酸アルキルアミド・アクリル酸エステル共重合体を含有し、「睫を太く見せる」という効果を奏する睫用化粧料(例えば、特許文献1を参照);皮膜形成樹脂と、フラクトオリゴ糖脂肪酸エステルと、フッ素化合物処理粉体とを含有し、「睫を上向きにカールさせる」という効果を奏する睫用化粧料(例えば、特許文献2を参照);特定の長さと太さを有したポリプロピレン繊維と、油溶性樹脂とを含有し、「睫を長く見せる」という効果を奏する睫用化粧料(例えば、特許文献3を参照);固形油分と、ポリマーエマルションと、セラック樹脂とを含有し、「耐水性・耐油性に優れる」という効果を奏する睫毛用化粧料(例えば、特許文献4を参照)などが提案されている。
【0004】
しかしながら、これら試みに拠って特定の優れた機能を付与することはできるものの、睫用化粧料に求められる他機能を補うには至っておらず、未だ十分に満足しうるものではない。加えて、これら試みは睫の自然な仕上がり感に劣るといった問題もある。
【0005】
【特許文献1】特開2001−31526号公報
【特許文献2】特開平10−182357号公報
【特許文献3】特開2004−83577号公報
【特許文献4】特開2004−67517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、睫を太く見せる、睫を上向きにカールさせる(カールを持続させる)、睫を長く見せる、耐水性・耐油性に優れる(化粧崩れしない)といった効果に優れるとともに、自然な仕上がりとすることができる睫用化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
即ち、本発明は、
〔1〕(A)アクリル酸系皮膜形成剤、(B)3種の繊維長の異なる繊維、(C)窒化ホウ素および(D)水溶性多糖類を含有してなる睫用化粧料、
〔2〕(B)成分が、1〜6mmの繊維長から選ばれる3種の長さの異なるナイロン繊維であることを特徴とする前記〔1〕に記載の睫用化粧料、
〔3〕(B)成分が、下記不等式
X:1mm≦X<2.5mm、
Y:2.5mm≦Y<4mm、
Z:4mm≦Z≦6mm、
の何れをも満たす繊維長X、Y、Zの3種のナイロン繊維であることを特徴とする前記〔1〕に記載の睫用化粧料、
〔4〕更に、(E)ロジン誘導体を含有してなる前記〔1〕〜〔3〕の何れかに記載の睫用化粧料、並びに
〔5〕(E)成分が、水添ロジン酸グリセリルである前記〔4〕に記載の睫用化粧料
に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の睫用化粧料は、塗布時の伸びがよく、睫のカールアップ効果に優れるという効果を奏する。また、3種の繊維長の異なる繊維を用いることにより、睫のカールに沿って自然なボリュームアップ効果およびロングラッシュ効果(所謂、睫を長く見せる効果)を付与することができ、睫を自然な仕上がりにできるという効果を奏する。また、皮脂などの油に対する耐油性に優れ、且つ高いウォータープルーフ効果により、化粧崩れがなく、カールアップ効果が持続するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の睫用化粧料は、(A)アクリル酸系皮膜形成剤、(B)3種の繊維長の異なる繊維、(C)窒化ホウ素および(D)水溶性多糖類を含有する。
【0010】
(A)成分のアクリル酸系皮膜形成剤の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン、アクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミド・アモジメチコン共重合体、(メタ)アクリル酸アルキル・(メタ)アクリル酸アルキル・(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル共重合体、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル・イタコン酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル共重合体、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体、アクリル酸アミド・スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸・アクリル酸2−エチルヘキシル・スチレン共重合体、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸・アクリル酸アミド・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸アルキル・(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル共重合体、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル・(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルクロスポリマーなどのアクリル酸系共重合を例示することができる。本発明においては、上記した共重合体のナトリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩などのアクリル酸系共重合の塩を用いてもよく、また、これら共重合体又はその塩を水性媒体に分散したエマルションを用いてもよい。これら成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。尚、重合される酸化エチレンの付加モル数は特に限定されない。また、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および「メタクリル」の双方を意味する。
【0011】
(A)成分の含有量は、所望の効果が充分に付与されるのであれば特に限定されないが、通常、耐水性・耐油性の観点から、化粧料中、1重量%以上が好ましく、より好ましくは5重量%以上である。また、自然な仕上がりにする観点から、45重量%以下が好ましく、より好ましくは40重量%以下である。これらの観点から、(A)成分の含有量は、好ましくは1〜45重量%、より好ましくは5〜40重量%である。
【0012】
(B)成分に用いられる繊維としては、化粧品に一般に用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、セルロースなどの天然繊維;アセテート人絹などの半合成繊維;ナイロン、ポリエステルなどの合成繊維;レーヨンなどの人造繊維などを例示することができる。また、これら繊維は、シリコーン油などの油剤、フッ素化合物、界面活性剤などを用いて表面処理を施したものを用いることもできる。好適な繊維としては、自然なロングラッシュ効果が得られる観点から、合成繊維を用いることが好ましく、中でも、ナイロン繊維を用いることがより好ましい。
【0013】
本発明においては、繊維の長さの異なる3種を組み合わせて用いることで、繊維同士が重なり合い、睫のカールに沿って自然なボリュームアップ効果およびロングラッシュ効果を付与することができる。用いられる繊維の長さは、特に限定されないが、自然なロングラッシュ効果が得られる観点から、1〜6mmの範囲で調製された繊維から選ばれる3種の長さの異なる繊維を用いることが好ましく、中でも、次の不等式、X:1mm≦X<2.5mm、Y:2.5mm≦Y<4mm、Z:4mm≦Z≦6mmを満たす繊維長X、Y、Zの3種の繊維を用いることがより好ましい。その理由としては、長さがZ領域の繊維が主に睫の先端に伸びるように重なり合ってロングラッシュ効果を発揮し易く、長さがX領域の繊維が主に睫の根元やカール部分に重なり合いボリュームアップ効果を発揮し易くなるためである。また、繊維の太さは、特に限定されないが、ボリュームアップ効果の観点から、0.1〜30デニールのものが好ましく、1〜20デニールのものがより好ましく用いることができる。
【0014】
また、3種の繊維長の異なる繊維の含有重量比は、特に限定されないが、例えば、長さがX領域の繊維:長さがY領域の繊維:長さがZ領域の繊維を1:0.01〜2:0.0001〜1の比率で含有させることが好ましく、より好ましくは1:0.05〜1:0.005〜0.5である。これら含有比は、望む効果により適宜変動させることができる。即ち、よりロングラッシュ効果を際立たせたい場合は、長さがZ領域の繊維の含有量を多くすればよく、よりボリュームアップ効果を際立たせたい場合は、長さがX領域の繊維の含有量を多くすればよい。
【0015】
(B)成分の含有量は、所望の効果が充分に付与されるのであれば特に限定されないが、通常、自然なボリュームアップ効果およびロングラッシュ効果を付与する観点から、化粧料中、0.5重量%以上が好ましく、より好ましくは1重量%以上である。また、自然な仕上がりにする観点から、10重量%以下が好ましく、より好ましくは8重量%以下である。これらの観点から、(B)成分の含有量は、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜8重量%である。
【0016】
(C)成分の窒化ホウ素とは、平均板径が1〜20μmの平面的な結晶構造を有する窒化ホウ素のことである。尚、平均板径とは、窒化ホウ素の長辺と短辺の平均値のことをいう。(C)成分の含有量は、所望の効果が充分に付与されるのであれば特に限定されないが、通常、塗布時の伸びを良好にする観点から、化粧料中、0.1重量%以上が好ましく、より好ましくは0.5重量%以上である。また、睫への付着性の観点から、7重量%以下が好ましく、より好ましくは4重量%以下である。これらの観点から、(C)成分の含有量は、好ましくは0.1〜7重量%、より好ましくは0.5〜4重量%である。
【0017】
尚、本発明に用い得る(C)成分は、市販品をそのまま使用することができる。具体的には、例えば、SHP−5(商品名,水島合金鉄社製)などを例示することができる。
【0018】
(D)成分の水溶性多糖類としては、増粘性を有する水溶性の多糖類であれば特に限定されないが、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン、キサンタンガム、アラビアガム、グアーガム、カラヤガム、トンガカントガム、デキストリン、シクロデキストリン、デキストラン、アガロース、ジェランガム、プルランなどを例示することができる。これら成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
【0019】
(D)成分の含有量は、所望の効果が充分に付与されるのであれば特に限定されないが、通常、自然な仕上がりとする観点から、化粧料中、0.1量%以上が好ましく、より好ましくは0.2重量%以上である。また、塗布時の伸びを良好にする観点から、7重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以下である。これらの観点から、(D)成分の含有量は、好ましくは0.1〜7重量%、より好ましくは0.2〜5重量%である。
【0020】
また、本発明の睫用化粧料には、自然なボリュームアップ効果およびロングラッシュ効果を向上し、化粧崩れを抑制する観点から、(E)ロジン誘導体を含有させることができる。用いられる(E)成分の具体例としては、例えば、水素添加ロジン、水添ロジン酸グリセリル、水添ロジン酸ペンタエリスリチル、水添ロジン酸メチル、(水添ロジン・ジイソステアリン酸)グリセリル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ロジン酸ペンタエリスリットなどを例示することができる。これら成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。好適な(E)成分としては、上記観点から、水添ロジン酸グリセリル、水添ロジン酸ペンタエリスリチルを用いることが好ましく、中でも、水添ロジン酸グリセリルを用いることがより好ましい。
【0021】
(E)成分の含有量は、所望の効果が充分に付与されるのであれば特に限定されないが、通常、自然なボリュームアップ効果およびロングラッシュ効果を向上させる観点から、化粧料中、0.1重量%以上が好ましく、より好ましくは0.5重量%以上である。また、自然な仕上がりとする観点から、7重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以下である。これらの観点から、(E)成分の含有量は、好ましくは0.1〜7重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。
【0022】
尚、本発明に用い得る(E)成分は、市販品をそのまま使用することができる。具体的には、例えば、エステルガムKE−311(商品名,荒川化学社製)などを例示することができる。
【0023】
本発明の睫用化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記した成分の他に通常化粧品に用いられる成分を目的に応じて適宜配合することができる。例えば、無機顔料、有機顔料、パール顔料などの着色剤;ロウ類、油脂、シリコーン類、高級脂肪酸、高級アルコールなどの油性成分;非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤の各種界面活性剤;低級アルコール、多価アルコール、糖アルコール、ステロール類などのアルコール類;紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、動植物抽出物、保湿剤、精製水などを例示することができる。
【0024】
具体的な着色剤としては、例えば、タルク、カオリン、マイカ、セリサイト、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸、硫酸バリウム、ベンガラ、酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、紺青、酸化クロム、酸化コバルト、亜鉛華、カーボンブラック、アルミナなどの無機顔料;青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、黄色4号、黄色5号、黄色203号、黄色403号、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色401号、緑色3号、緑色201号などの有機顔料;パール粉末、オキシ塩化ビスマス、雲母、金属酸化物被覆雲母(例えば、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、黒酸化鉄被覆雲母、黒酸化鉄被覆雲母チタン、黄酸化鉄被覆雲母、酸化鉄・黒酸化鉄被覆雲母チタン、コンジョウ被覆雲母チタン、酸化鉄・コンジョウ被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタンなど)、金属酸化物被覆アルミナフレーク、金属酸化物被覆シリカフレーク、多層コートパール顔料(例えば、TiO−SiO−TiO−Micaなど)などのパール顔料などを例示することができる。
【0025】
油性成分としては、例えば、ホホバ油、キャンデリラロウ、カルナバロウ、コメヌカロウ、ミツロウ、サラシミツロウ、ラノリン、モンタンロウ、ライスワックス、水素添加ホホバ油などのロウ類;オリーブ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、アボカド油などの油脂;ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどのシリコーン類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、オレイルアルコールなどの高級アルコールなどを例示することができる。
【0026】
界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、およびこれらのアルキレンオキシド付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロールおよびその誘導体、ポリオキシエチレンラノリンおよびその誘導体、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、シュガーエステル類などの非イオン界面活性剤;高級脂肪酸石鹸、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグリシン塩、N−アシルグルタミン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルカルボン酸塩、アルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸およびその塩、N−アシルサルコシンおよびその塩、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩などの陰イオン界面活性剤;アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有3級アミン塩などのアミン塩、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩などのアルキル4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などの環式4級アンモニウム塩、塩化ベンゼエトニウムなどの陽イオン界面活性剤;アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、N−アシルアミノエチル−N−2−ヒドロキシエチルグリシン塩などのグリシン型両性界面活性剤、アルキルアミノプロピオン酸塩、アルキルイミノジプロピオン酸塩などのアミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤、アルキルヒドロキシスルホベタインなどのスルホベタイン型両性界面活性剤などの両性界面活性剤などを例示することができる。
【0027】
アルコール類としては、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;1,3−ブタンジオール,グリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールなどの多価アルコール類;ソルビトール、マンニトール、グルコース、キシリトール、ラクトース、トレハロースなどの糖アルコール;コレステロール、フィトステロールなどのステロール類;パントテニルアルコールなどを例示ことができる。
【0028】
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステルなどの安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸メチル、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレートなどのアントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸メチルなどのサリチル酸系紫外線吸収剤;パラメトキシケイ皮酸オクチル、エチル−4−イソプロピルシンナメートなどのケイ皮酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ベンジルサリシレートなどのサリチル酸系紫外線吸収剤;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルなどのウロカニン酸系紫外線吸収剤などを例示することができる。
【0029】
酸化防止剤としては、例えば、α−トコフェロールおよびその誘導体、アスコルビン酸およびその誘導体、エリソルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類、亜硫酸、重亜硫酸、チオ硫酸、チオ乳酸、チオグリコール酸、L−システイン、N−アセチル−L−システインなどを例示することができる。
【0030】
防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベンなどのパラベン類、イソプロピルメチルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン液、トリクロロカルバニリド、フェノキシエタノール、石炭酸、ヘキサクロロフェンなどのフェノール類、安息香酸およびその塩、ウンデシレン酸、サリチル酸、ソルビン酸およびその塩、デヒドロ酢酸およびその塩、感光素101号、感光素201号、感光素401号、ヒノキチオール、トリクロサンなどを例示することができる。
【実施例】
【0031】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。尚、配合量は、特記しない限り「重量%」を表す。
【0032】
(試料の調製)
表1および表2に記した組成に従い、実施例1〜6および比較例1〜6の各睫用化粧料を常法に準じて調製し、下記評価に供した。結果をそれぞれ表1および表2に併記する。
尚、評価はすべて、23℃、湿度60%の恒温恒湿の一定条件下で実施した。
【0033】
(試験例1:試料の評価)
女性専門パネル20名により、各実施例および各比較例で得られた試料を実際にマスカラブラシを用いて使用してもらい、塗布時の「伸び」、塗布直後の「カールアップ効果」「ボリュームアップ効果」「ロングラッシュ効果」「自然な仕上がり感」、塗布後6時間後の「カールアップ効果の持続」に関し、以下の5段階の評価基準に従って官能評価した。尚、評価は、下記評価基準により算出された平均点から下記判定基準にしたがって判定を行った。
【0034】
尚、使用方法は、得られた試料にマスカラブラシを1回つけた後、左右の睫ごとに別試料を各20回づつ塗布してもらう方法により行った。
【0035】
<評価基準>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
【0036】
<判定基準>
◎:平均4.0点以上
○:平均3.0点以上4.0点未満
△:平均2.0点以上3.0点未満
×:平均2.0点未満
【0037】
(試験例2:耐油性・耐水性の評価)
試験例1の評価後、スクワラン(皮脂の代替)又は30℃の温水に浸したコットンで、それぞれの睫を10秒間挟んだ後、睫からコットンを引き抜き、コットンに付着した資料の状態、並びに睫の状態を、以下の評価基準に従って目視評価した。
【0038】
<評価基準>
◎:コットンに全く付着しておらず、睫に残っている
○:コットンに僅かに付着しており、睫から僅かに剥がれ落ちている
△:コットンに明らかに付着しており、睫から明らかに剥がれ落ちている
×:睫から全て剥がれ落ちている
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
表1および表2に示された結果から、各実施例の睫用化粧料は、各比較例のものと対比して、塗布時の伸び、カールアップ効果、ボリュームアップ効果、ロングラッシュ効果に優れ、塗布後の睫を自然な仕上がりにできることが分かる。また、耐油性、耐水性に優れることから、化粧崩れが生じず、カールアップ効果が持続していることが分かる。
【0042】
以下、本発明に係る睫用化粧料の処方例を示す。尚、含有量は重量%である。
【0043】
(処方例1)
アクリル酸系皮膜形成剤−※2) 20.0
ナイロン繊維(繊維長2.0mm) 2.0
ナイロン繊維(繊維長3.0mm) 0.5
ナイロン繊維(繊維長5.0mm) 0.05
窒化ホウ素 3.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.8
水添ロジン酸グリセリル 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ステアリン酸 2.5
キャンデリラロウ 5.0
親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
トリエタノールアミン 2.0
精製水 残 部
合 計 100.0
※2)アクリル酸アルキルコポリマーアンモニウム(商品名;ヨドゾールGH810F)
【0044】
(処方例2)
アクリル酸系皮膜形成剤−※2) 15.0
ナイロン繊維(繊維長1.0mm) 3.0
ナイロン繊維(繊維長3.0mm) 0.2
ナイロン繊維(繊維長5.0mm) 0.1
窒化ホウ素 3.0
キサンタンガム 1.0
水添ロジン酸ペンタエリスリチル 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ステアリン酸 2.5
ライスワックス 5.0
親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
トリエタノールアミン 2.0
精製水 残 部
合 計 100.0
※2)アクリル酸アルキルコポリマーアンモニウム(商品名;ヨドゾールGH810F)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アクリル酸系皮膜形成剤、(B)3種の繊維長の異なる繊維、(C)窒化ホウ素および(D)水溶性多糖類を含有してなる睫用化粧料。
【請求項2】
(B)成分が、1〜6mmの繊維長から選ばれる3種の長さの異なるナイロン繊維であることを特徴とする請求項1に記載の睫用化粧料。
【請求項3】
(B)成分が、下記不等式
X:1mm≦X<2.5mm、
Y:2.5mm≦Y<4mm、
Z:4mm≦Z≦6mm、
の何れをも満たす繊維長X、Y、Zの3種のナイロン繊維であることを特徴とする請求項1に記載の睫用化粧料。
【請求項4】
更に、(E)ロジン誘導体を含有してなる請求項1〜3の何れかに記載の睫用化粧料。
【請求項5】
(E)成分が、水添ロジン酸グリセリルである請求項4に記載の睫用化粧料。

【公開番号】特開2009−137841(P2009−137841A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−312256(P2007−312256)
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【出願人】(390011442)株式会社マンダム (305)
【出願人】(592106155)ジェイオーコスメティックス株式会社 (6)
【Fターム(参考)】