知的ハーフトーン化によるUV暗号化
【課題】デジタル透かし暗号化方法を提供する。
【解決手段】画像データは、文書の部分内の透かしをエンコードするために、他のハーフトーン画像に対してハーフトーン画像の少なくとも1つのハーフトーン・セルの一部を位相偏移し、1つのハーフトーン画像が位相偏移領域と非位相偏移領域とを含むように修正される。修正された画像データを用い、UV照明に曝されたときに蛍光する基材上に文書の部分を印刷する。文書の印刷された部分は、位相偏移領域から結果として生じる第1の印刷パターンと、非位相偏移領域から結果として生じる第2の印刷パターンとを含む。文書の印刷された部分の第1及び第2のパターンは、文書の部分を可視光で見たとき実質的に同じに見え、文書の部分をUV光で見たとき異なるように見え、修正された画像データにおけるエンコードされた透かしは、文書の部分をUV光で見たとき知覚可能であり、文書の部分を可視光で見たとき隠される。
【解決手段】画像データは、文書の部分内の透かしをエンコードするために、他のハーフトーン画像に対してハーフトーン画像の少なくとも1つのハーフトーン・セルの一部を位相偏移し、1つのハーフトーン画像が位相偏移領域と非位相偏移領域とを含むように修正される。修正された画像データを用い、UV照明に曝されたときに蛍光する基材上に文書の部分を印刷する。文書の印刷された部分は、位相偏移領域から結果として生じる第1の印刷パターンと、非位相偏移領域から結果として生じる第2の印刷パターンとを含む。文書の印刷された部分の第1及び第2のパターンは、文書の部分を可視光で見たとき実質的に同じに見え、文書の部分をUV光で見たとき異なるように見え、修正された画像データにおけるエンコードされた透かしは、文書の部分をUV光で見たとき知覚可能であり、文書の部分を可視光で見たとき隠される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル透かしの暗号化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
セキュリティは、文書及びデジタル生成、及び/又はその複製の領域において重要な問題である。既知のデジタル画像印刷/コピー・システムは、高品質の文書を生成するので、チケット、金融証書、セキュリティ・パス等を含む高価値の印刷品目のような特定の文書の実効的な印刷/コピーを防止する必要性が識別されている。既知の技術は、通常の用紙、トナー、又はインクのみを用いるデジタル「透かし(watermark)」を含むようにオリジナルの文書を印刷することを含む。デジタル透かしは、通常の観察条件の下で印刷された画像内に少なくとも部分的に(好ましくは完全に、又は少なくとも実質的に)隠されるが、特定の特化された観察条件の下でより明瞭に識別することができる、例えば、1又はそれ以上の文字、語、記号、又はパターンなどの情報として定義される。一般的に、こうしたデジタル透かしを含む文書の許可されていない複製は、デジタル透かしを劣化させるか又は不明瞭にし、そのことは偽造文書を検出する助けとなり得る。
【0003】
蛍光マークは、既知のデジタル透かしの一例である。通常の用紙(例えば、通常の「コピー用紙」又は「プリンタ用紙」)及び通常のインク/トナー(例えば、CMYKインク/トナー)、具体的には条件等色性着色剤混合物(metameric colorant mixture)を用いて、印刷文書内に蛍光マークを含ませるための方法及びシステムは既知のものである。可視の照明条件(例えば、約400−700ナノメートル(nm)の電磁放射線波長)の下では、用紙のそれぞれの隣接する部分上に一緒に印刷された異なる着色剤混合物が、色が実質的に均一に見える全体的な印刷文書領域を定める。紫外線(UV)照明(例えば、約400nmより短い電磁放射線波長)の下では、これらの異なる着色剤混合物は、異なるUV吸収、よって、通常の印刷/コピー用紙に用いられる蛍光増白剤のUV蛍光の異なる抑制を示すので、基材蛍光をそれほど抑制しない着色剤混合物を用いて印刷された領域がより明るい/鮮やかな領域のように見え、基材蛍光を強く抑制する着色剤混合物を用いて印刷された隣接する領域がより暗い領域のように見える。UV照明の下でのこれらのコントラストの違いを用いて、例えば、数、文字、記号、形状などの透かしパターンを生成する。
【0004】
この例が図1に示され、ここで、着色剤混合物「B」を選択し、この例では文字数字記号「0」の形状のパッチ領域BPに適用する。さらに、着色剤混合物「A」を選択し、ここではパッチ領域BPに実質的に空間的に緊密に近接して配置され、これによりパッチ領域BPの周りに背景を与えるパッチ領域APに適用する。着色剤混合物A及び着色剤混合物Bの両方とも、適切に選択された着色剤又は着色剤混合物からなるが、着色剤混合物A及びBは異なる混合物である。各々の着色剤混合物A又はBは、例えば、単一のCMYK着色剤にしても、又はCMYK着色剤のいずれの混合物としてもよい。示される例においては、着色剤混合物Aは、着色剤混合物Bに選択されたものより高いUV吸収(より大きい基材蛍光の抑制)をもたらすように選択される。着色剤混合物A及びBはまた、可視光の条件の下で見たときに、それらの平均色及び輝度が互いに密に合致するようにも選択される。図1のUVで示されるように、UV照明条件の下で、パッチAPと比べると用紙基材における蛍光増白剤の蛍光の抑制が相対的に制限されているため、パッチBPは、パッチAPと比べてより鮮やかに見え、よって、透かしW1を形成する。対照的に、VISで示されるような可視光条件の下では、パッチAP、BPは、少なくとも実質的に区別ができない。一例として、およそ50%のグレイ色を、ブラック(K)の着色剤のハーフトーンのみで実現し、着色剤混合物Bのために使用し、パッチBPを印刷することができる。次に、パッチAPを印刷するために用いられる、類似したおよそ50%のグレイ色を生み出す、イエロー(Y)、シアン(C)、及びマゼンタ(M)を含む着色剤混合物Aに対して、これを色合せすることができる。一般に、着色剤混合物Aは、用紙のより多くをカバーし、よって、パッチBPと比べてずっと大きく固有の基材蛍光を抑制するので、UV照明条件の下で、パッチBPは、透かしW1として容易に明らかになる。図1のVISで示されるような通常の可視光観察の下で、2つの着色剤混合物は、かなり同一に近いものに見える。従って、こうした蛍光マークを含む文書がUV照明に曝されると、透かしW1が現われる。印刷された「類似」文書又は単なる写真コピーは、透かしを適切に複製しない。
【0005】
述べられたように、相関マークは、別の既知の透かし入れ技術である。一例として、図2に示されるように、格子状のハーフトーン・パターンHPが、規則的な45度のクラスター・ハーフトーン・スクリーンにより用紙上に印刷され、13列のハーフトーン・セルを有する。等しい空間領域全体を覆っている別の格子状ハーフトーン・パターンHP’が、中間区域にわずかに伸張した4つの列C5−C8を有するハーフトーン・スクリーンによって用紙上に印刷されるので、ハーフトーン・パターンHP’は、パターンHPと同じ空間幅にわたって12列だけを有する。パターンHP及びHP’は、人間の観察者には同じグレイレベルとして知覚され、通常の画像観察条件の下で、位相偏移(phase shift)は実質的に隠される。パターンHP’においては、規則的な列C1−C4、C9−C12とわずかに伸張した列C5−C8との間のピッチ差のために、ホワイトとブラックとの間の移行を表す位相は、伸張した列C5−C8についての様々な増大する位相偏移を有した状態で、列C1−C4についてのパターンHPを有する「同相(in phase)」(0ラジアンの位相偏移)から、列C9−C12についての「逆位相(opposite phase)」(Πラジアンの位相偏移)まで変わった。トランスペアレンシー・キー(transparency key)Kが、ハーフトーン・パターンHPで印刷され、K+HPで示されるような用紙に印刷されたハーフトーン・パターンHPと重ねられ、その結果、キーK及び印刷パターンをソリッド・オン・ソリッド(solid−on−solid)、ブランク・オン・ブランク(blank−on−blank)式に位置合わせできるので、オリジナルの印刷パターンと比べて変わらない。対照的に、キーKがK+HP’で示されるような位相偏移されたパターンHP’と重ねられたとき、オリジナルの印刷格子状パターンHP’は、パターンHP’とキーKが逆位相である場所で格子状パターンHP’が完全にブラック(又は他のソリッド・カラー)になるまで、画像の左から右へと移るパターンHP’とキーKとの間の位相差に比例して、徐々に見えなくなる。平均反射率は、位置合わせされた領域C1−C4では高く、部分的に位相偏移された領域C5−C8では低く、逆位相領域C9−C12ではさらに低い。従って、画像の一部分がΠラジアン位相偏移されたハーフトーン・セルでエンコードされ、直に囲んでいるΠラジアン位相偏移されたハーフトーン・セルが、0ラジアン位相偏移されたハーフトーン・セルである場合には、同じ空間周波数の格子状パターンのトランスペアレンシー・キーを重ねることによって、キー及びハーフトーン・パターンの位相がずれている低反射率の領域により高コントラストの透かしW2を定めることができる(逆に、キー及び印刷文書が同相である高反射率の領域により透かしを定めることもできる)。従って、対応するトランスペアレンシー・キーを重ねて、位相偏移されたハーフトーン領域が現われるまで、完全に又は少なくとも実質的に検出することができない透かしを含ませるようなこの方法で、文書を印刷することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
蛍光マーク及び相関マークの両方とも非常に有効なものであるが、別個のトランスペアレンシー・オーバーレイ・キーの使用を必要とすることなく、周辺光の条件の下であまりはっきり見えず、文書のセキュリティ・チェックの際によりはっきり見える透かしに対する必要性が確認された。従って、以下に述べられるように、本開発は、蛍光マークと相関マークの原理を組み合わせて、これらの目的を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開発の一態様によると、知的ハーフトーン化によるデジタル透かしの暗号化のための方法が、各々が複数のハーフトーン・セルを含む、それぞれ3つの印刷着色剤に対応する少なくとも3つのハーフトーン画像に関して印刷された文書の少なくとも部分を定める画像データを受け取るステップを含む。画像データは、文書の部分内の透かしをエンコードするために、他のハーフトーン画像に対してハーフトーン画像の少なくとも1つのハーフトーン・セルの一部を位相偏移し、少なくとも1つのハーフトーン画像が位相偏移領域と非位相偏移領域とを含むように修正される。修正された画像データを用いて、UV照明に曝されたときに蛍光する基材上に文書の部分を印刷する。文書の印刷された部分は、位相偏移領域から結果として生じる第1の印刷パターンと、非位相偏移領域から結果として生じる第2の印刷パターンとを含む。文書の印刷された部分の第1及び第2のパターンは、文書の部分を可視光で見たとき実質的に同じに見え、文書の部分をUV光で見たとき異なるように見え、修正された画像データにおけるエンコードされた透かしは、文書の部分をUV光で見たときに知覚可能であり、文書の部分を可視光で見たときに隠される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(従来技術)印刷文書内に蛍光マークを含ませることを図式的に開示する。
【図2】(従来技術)印刷文書内に相関マークを含ませることを図式的に開示する。
【図3】本開発による方法を実施するためのシステムを開示する。
【図4】本開発による、知的ハーフトーン化によるUV暗号化を開示するフローチャートである。
【図5A】本開発に従って生成された透かしを含む文書を図式的に示す。
【図5B】可視光に曝されたときに人間の観察者に見える、図5Aの文書を示す。
【図5C】可視光に曝されたときに人間の観察者に見える、図5Aの文書を示す。
【図6】本開発に従って生成された文書と、デジタル透かしが現われるようにこれをデコードするプロセスとを示す。
【図7】2着色剤の非均一なロゼット・パターンを示す。
【図8A】互いに対してΠラジアン位相偏移している単一の着色剤(例えば、イエロー)のハーフトーン画像を示す。
【図8B】互いに対してΠラジアン位相偏移している単一の着色剤(例えば、イエロー)のハーフトーン画像を示す。
【図9A】可視光で見た、図8Aのハーフトーン画像と組み合わされた図7のロゼット・パターンを示す。
【図9B】可視光で見た、図8Bのハーフトーン画像と組み合わされた図7のロゼット・パターンを示す。
【図10A】UV光で見た、図9Aのハーフトーン画像と組み合わされた図7のロゼット・パターンを示す。
【図10B】UV光で見た、図9Bのハーフトーン画像と組み合わされた図7のロゼット・パターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開発によるシステム及び/又は方法は、印刷装置及び/又は複製装置の一部として設けることができる任意の市販の多数着色剤(multi−colorant)(「カラー」)プリンタのような印刷システムにおいて実施されることが好ましい。典型的には、プリンタは、CMYK色空間を実装し、ゼログラフィ式プリンタ・エンジンを含むが、本開発は、インク・ジェットのような他の印刷方法にも適用できる。図3は、本開発による方法を実施するための装置の一例を示す。装置10は、本明細書に開示されるデジタル画像処理操作を実行するための画像処理ユニット(IPU)14を含む。IPU14は、電子回路及び/又は画像処理専用のソフトウェアによって定められ、及び/又は、本明細書に開示される画像処理操作を実施するようにプログラムされた汎用コンピュータを含むことができる。IPU14は、スキャナ16a、コンピュータ16b(例えば、デジタル・フロント・エンド(DFE))、及び/又は、データ記憶装置16c又は装置10の一部であり、及び/又は、ネットワーク又は他の手段を通してIPU14に作動可能に接続される別のソースのようなソースから画像データを受け取るように適合される。装置10は、CMYK又は他の多数着色剤の色空間24を用いる、当技術分野において既知のトナー及び/又はインクを用いて、用紙、トランスペアレンシー、又は別の記録媒体上に画像データを印刷するためのゼログラフィ式、インク・ジェット式、又は他の印刷エンジン22を含む、画像出力又は印刷ユニット20を含む。印刷ユニット20は、印刷された用紙、トランスペアレンシー、又は別の記録媒体シートのような最終的な印刷製品の物理的な出力のための印刷出力ステーション26をさらに含む。適切な市販のシステム10の例には、これらに限られるものではないが、Xerox Corporation社から入手可能なPhaser(商標)、WorkCentre(商標)、DocuColor(商標)及びiGen3(商標)の印刷/コピー/デジタル・プレス・システムが挙げられる。
【0010】
図4は、図3のシステム等を用いる、本開発による知的ハーフトーン化によるUV暗号化を開示する。当技術分野において一般的に知られているように、画像印刷ユニット20で印刷される電子デジタル画像文書Dは、多数の単色2値画像、又は示されるシアン分離C、マゼンタ分離M、イエロー分離Y、及びブラック分離K(ブラック分離Kは、本開発を実施するのに随意的なものであり、よって破線で示され、これ以上説明されない)のような分離(separation)を含む。S1で示されるように、デジタル画像文書D内にエンコードされる透かしWを選択し、IPU14に入力する。本開発は、透かしをエンコードするためにハーフトーンの分離の1つにおける位相偏移にのみ依存しており、こうした方法を用いて微妙な境界線又は同様な高周波データをエンコードすることができないので、選択される透かしは、例えば、多数のハーフトーン・セルを含む緩やかに変化するパターン又は記号などの低周波数の透かしにすべきである、又はこれに変換しなければならない。好ましい実施形態においては、位相偏移のために、イエロー分離Yが選択される。このように、電子画像文書Dのイエロー分離Yを定める2値画像がIPU14に入力される。一例においては、透かしWを選択し、1又はそれ以上の文字のテキスト文字列としてこれをIPU14に入力し、IPUは、そのテキスト文字列を、デジタル画像文書D内にエンコードするのに適した低周波数の2値画像に変換する。
【0011】
IPU14において、選択された透かしWは、S2で示されるように、デジタル画像文書Dのイエロー分離Yだけにエンコードされ、新しいイエロー分離Y’を定める、すなわち、Y’=Y+Wである。特に、選択された低周波数の透かしWと空間的に合致するように配置されたハーフトーン・セルが一定の量だけ同相で偏移されると同時に、イエロー分離のハーフトーン・セルの残りが異なる量だけ同相で偏移されるように、イエロー分離Yのハーフトーン・セルが修正される。一例においては、選択された低周波数の透かしWと空間的に合致するように配置されたイエロー分離Yのハーフトーン・セルが、位相偏移されていない(すなわち、0ラジアン位相偏移された)ハーフトーン・セルを用いて、修正されたイエロー分離Y’内に定められると同時に、イエロー分離Yのハーフトーン・セルの残りが、逆位相である(すなわち、Πラジアン位相偏移された)修正されたイエロー分離Y’内に定められる。カラー画像文書Dの非イエローのC、M、及び随意的なKの分離は、透かしエンコード・プロセスの一部として変更されない。
【0012】
デジタル画像文書の空間範囲全体、又はその帯域或いは他の部分のみとすることができる、デジタル画像文書Dの一定のカラー領域(すなわち、固定されたコントーン・デジタル入力領域)において、選択された透かしがエンコードされる。一例において、それらが一定の印刷カラー領域の出力をもたらすならば、シアン分離C、マゼンタ分離M、及びイエロー分離Yについて50%のデジタル入力レベルが用いられるが、他のデジタル入力レベルも考慮され、本開発の範囲内に含まれる。
【0013】
S3で示されるように、透かしが入れられた画像I’は分離CMY’を含み、次に、イエロー分離Y’だけが位相偏移によりエンコードされた透かしを含み、かつ、こうした位相偏移を用いて印刷される場合に、UV照明の下で蛍光する蛍光増白剤を含む通常の印刷/コピー用紙又は別の基材上に、画像印刷ユニット20を用いる、すなわち、分離データCMY’及び対応するCMYインク/トナーを用いる通常の方法で、S4で示されるような文書Dとして印刷される。
【0014】
本開発は、シアンC、マゼンタM、及びイエローYのプリンタ着色剤を用いて実施されるものとして、図4及び本明細書の別の場所に説明されるが、当業者であれば、可視光の条件の下では第3の着色剤における位相偏移が不明瞭であるものの、印刷文書がUV光に曝されたときに第3の着色剤における位相偏移を知覚することが可能である、繁雑な(distracting)パターンを印刷するために2つ又はそれ以上の着色剤が用いられる場合、プリンタ着色剤の3つ又はそれ以上の他の組み合わせを用いて開発を実施することができることを認識するであろう。イエローは、第3の着色剤のための1つの好ましい色であるが、例えば、オレンジ又はライトマゼンタのような第3の着色剤のために、可視光において低コントラストを示すがUV光において高コントラストを示す他の着色剤を用いることができる。
【0015】
印刷操作S4は、既知のハーフトーン化技術を用いて実施される。例えば、当技術分野において一般的に知られているようなハーフトーン・ロゼットを生成するハーフトーン・スクリーン回転角である。例えば、シアンC、マゼンタM、及びイエローYのスクリーン角は、それぞれ15度、75度、及び45度であり、全てのスクリーン周波数は、例えば、1インチ当たり35.4ラインに等しく設定される。従って、マゼンタのスクリーン角は、シアンのスクリーン角から60度であり、イエローのスクリーン角は、シアンのスクリーン角から30度である。これらの設定により、45度及び1インチ当たり35.4ラインにおいて、2−着色剤のロゼット・パターンを定めるシアンC及びマゼンタMの着色剤がもたらされる(イエロー着色剤Yも、ロゼット・パターン内に存在するが、主要な2−着色剤であるシアン及びマゼンタのロゼット・パターンにより不明瞭にされる)。個々の周波数ベクトルの合計がゼロになるので、低周波の3−着色剤のモアレはない。
【0016】
図5Aは、上述のような知的ハーフトーン化(すなわち、イエロー分離だけにおける位相偏移)を介してエンコードされた透かしを含む印刷されたデジタル画像文書Dの一定のカラー透かし領域Gを図式的に示す。領域Gは、分解データC、M、Y’に従って印刷されたシアン、マゼンタ、及びイエローのハーフトーン・ドットCD、MD、YDを含むハーフトーン・ロゼットRTのグループにより定められる(説明を簡単にするために、ロゼットRTは均一のパターンで構成されるように示されるが、当業者であれば、ロゼットRTは、周期的でない非均一のパターンで構成され得る、又は固定された空間周波数で説明され得ることを認識するであろう。イエロー分離Y’は、位相偏移されたハーフトーン・セル及び位相偏移されていないハーフトーン・セルの両方を含むので、透かし入れされた画像領域Gの対応するイエロー・ハーフトーン・ドットYDの空間的位置は、考慮されるロゼットRTに応じて、シアン・ドットCD及びマゼンタ・ドットMDに対して変化する。特に、イエロー分離Y’のΠラジアン位相偏移された領域は、ロゼットにおいてシアン・ドットCD及びマゼンタ・ドットMDに対してオフセットされる対応するイエロー・ハーフトーン・ドットYDをもたらして、ドット中心の(dot−centered)ロゼットDCとなり、イエロー・ハーフトーン・ドットYDは、シアン・ハーフトーン・ドットCD及びマゼンタ・ハーフトーン・ドットMD、並びに他の位相偏移されたイエロー・ハーフトーン・ドットで囲まれた、ロゼットDCの中心に完全に又は実質的に配置される。逆に、イエロー分離Y’の0ラジアン位相偏移された領域は、シアン・ドットCD及びマゼンタ・ドットMDを有する同相の対応するイエロー・ハーフトーン・ドットをもたらすので、対応するロゼットは、透明中心の(clear−centered)ロゼットCCであり、そこで、シアン・ハーフトーン・ドットCD、マゼンタ・ハーフトーン・ドットMD、及びイエロー・ハーフトーン・ドットYDは全て、ロゼットの中心が開いたままになるように互いに同相で配置される。位相偏移されたロゼットのイエロー・ドットYDが、用紙、又は他の方法で少なくとも部分的にインク/トナーで覆われていない他の基材の領域内に配置される場合、位相偏移された(ドット中心の)ロゼットDCは、対応する位相偏移されない(透明中心の)ロゼットCCより大きくなる。
【0017】
ここで図5Bを参照すると、文書Dの領域Gが、人間の観察者には可視光VISの下で見えるものとして示される。特に、シアン・ハーフトーン・ドットCD及びマゼンタ・ハーフトーン・ドットMDは、モアレ・パターンMと比較してイエロー・ハーフトーン・ドットYDの比較的低コントラスト及び可視性のために、イエロー・ハーフトーン・ドットYDによってエンコードされた透かしWを少なくとも実質的に又は完全に不明瞭にする高周波数の2着色剤モアレ・パターンMをもたらす。
【0018】
同じ領域Gが、UV照明の下で人間の観察者に見えるものとして図5Cに示され、ここで、イエロー・ハーフトーン・ドットYDは、同じく暗く又は黒く見えるシアン・ハーフトーン・ドットCD及びマゼンタ・ハーフトーン・ドットMDと共に、基材蛍光を抑制し、暗く又は黒く見える。従って、位相偏移された(ドット中心の)ロゼットDCは、位相偏移されていない(透明中心の)ものと比べてより高密度であり、より暗い。イエロー分離Y’の位相偏移されたハーフトーン・セルは、印刷された一定のカラー領域Gのより暗い領域に対応する一方で、イエロー分離Y’の位相偏移されていないハーフトーン・セルは、基材蛍光のために、透かしWが現われるように、印刷された一定のカラー領域Gのより明るい/鮮やかな領域に対応する(示される例における大文字「T」)に対応する。シアン・ハーフトーン・ドットCD及びマゼンタ・ハーフトーン・ドットMDに対して位相がずれているイエロー・ハーフトーン・ドットYDは、付加的な基材カバー範囲を、よって、シアン・ハーフトーン・ドットCD及びマゼンタ・ハーフトーン・ドットMDに対して同相のイエロー・ハーフトーン・ドットYDに比べて、より大きいUV蛍光抑制を提供する。同相のイエロー・ハーフトーン・ドットYDの基材カバー範囲は、既に存在するシアン・ハーフトーン・ドットCD及びマゼンタ・ハーフトーン・ドットMDに対して部分的に重複している。
【0019】
図6においては、図4のオリジナルのC、M、Yの分解データIを用いて文書D’が印刷され、分解データCMY’を用いる本開発に従った知的ハーフトーン化によってエンコードされたデジタル透かしWを有するように文書Dが印刷される。文書D及びD’は、可視光において少なくとも実質的に同一に見える。しかしながら、UV照明に曝されると、文書D及びD’は、非常に異なって見え、文書Dの透かしWが現われる。
【0020】
上述のように、図5A−図5Cに示される例は、位相偏移されてエンコードされた透かしWを隠すために、本開発を均一なモアレ・パターンMの使用に制限するものではない。均一でないロゼット・パターン又は確率的パターンによって、代替的な繁雑なパターンを与えることができる。図7は、例えば、シアン・ハーフトーン・ドットCD及びマゼンタ・ハーフトーン・ドットMDにより定められる2着色剤の均一でないロゼット・パターンM’を示す。図8A及び図8Bは、イエロー・インク/トナーのハーフトーン・ドットYDにより定められる単一の着色剤(例えば、イエロー)のハーフトーン画像Y1、Y2を示す。図8A及び図8Bのハーフトーン画像は、同じ全体的なグレイレベルを提供するが、画像Y1、Y2のハーフトーン・ドットYDは、互いに対してΠラジアン位相偏移される。上述のように、ハーフトーン画像内の透かしをエンコードするために、こうした位相偏移(単一のハーフトーン画像内の)が用いられる。図9A及び図9Bは、それぞれ、可視光で見たときの、図8Aのハーフトーン画像Y1及び図8Bのハーフトーン画像Y2と組み合わされた文書A及びBである。可視光においては、イエロー・ハーフトーン画像の低コントラスト、及び、2着色剤の均一でない繁雑なロゼット・パターンM’が組み合わされているために、図8Aの文書A及び図8Bの印刷文書Bの全体的な外観の差異を識別するのは困難である。しかしながら、UV光の下では、図10A及び図10Bに示されるように、印刷文書Bがより大きい基材カバー範囲を含み、よって、印刷文書Aより暗く見えるように基材蛍光の抑制がより大きいことが明らかになる。
【符号の説明】
【0021】
10 装置
14 画像処理ユニット(IPU)
16a スキャナ
16b コンピュータ
16c データ記憶装置
20 印刷ユニット
24 色空間
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル透かしの暗号化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
セキュリティは、文書及びデジタル生成、及び/又はその複製の領域において重要な問題である。既知のデジタル画像印刷/コピー・システムは、高品質の文書を生成するので、チケット、金融証書、セキュリティ・パス等を含む高価値の印刷品目のような特定の文書の実効的な印刷/コピーを防止する必要性が識別されている。既知の技術は、通常の用紙、トナー、又はインクのみを用いるデジタル「透かし(watermark)」を含むようにオリジナルの文書を印刷することを含む。デジタル透かしは、通常の観察条件の下で印刷された画像内に少なくとも部分的に(好ましくは完全に、又は少なくとも実質的に)隠されるが、特定の特化された観察条件の下でより明瞭に識別することができる、例えば、1又はそれ以上の文字、語、記号、又はパターンなどの情報として定義される。一般的に、こうしたデジタル透かしを含む文書の許可されていない複製は、デジタル透かしを劣化させるか又は不明瞭にし、そのことは偽造文書を検出する助けとなり得る。
【0003】
蛍光マークは、既知のデジタル透かしの一例である。通常の用紙(例えば、通常の「コピー用紙」又は「プリンタ用紙」)及び通常のインク/トナー(例えば、CMYKインク/トナー)、具体的には条件等色性着色剤混合物(metameric colorant mixture)を用いて、印刷文書内に蛍光マークを含ませるための方法及びシステムは既知のものである。可視の照明条件(例えば、約400−700ナノメートル(nm)の電磁放射線波長)の下では、用紙のそれぞれの隣接する部分上に一緒に印刷された異なる着色剤混合物が、色が実質的に均一に見える全体的な印刷文書領域を定める。紫外線(UV)照明(例えば、約400nmより短い電磁放射線波長)の下では、これらの異なる着色剤混合物は、異なるUV吸収、よって、通常の印刷/コピー用紙に用いられる蛍光増白剤のUV蛍光の異なる抑制を示すので、基材蛍光をそれほど抑制しない着色剤混合物を用いて印刷された領域がより明るい/鮮やかな領域のように見え、基材蛍光を強く抑制する着色剤混合物を用いて印刷された隣接する領域がより暗い領域のように見える。UV照明の下でのこれらのコントラストの違いを用いて、例えば、数、文字、記号、形状などの透かしパターンを生成する。
【0004】
この例が図1に示され、ここで、着色剤混合物「B」を選択し、この例では文字数字記号「0」の形状のパッチ領域BPに適用する。さらに、着色剤混合物「A」を選択し、ここではパッチ領域BPに実質的に空間的に緊密に近接して配置され、これによりパッチ領域BPの周りに背景を与えるパッチ領域APに適用する。着色剤混合物A及び着色剤混合物Bの両方とも、適切に選択された着色剤又は着色剤混合物からなるが、着色剤混合物A及びBは異なる混合物である。各々の着色剤混合物A又はBは、例えば、単一のCMYK着色剤にしても、又はCMYK着色剤のいずれの混合物としてもよい。示される例においては、着色剤混合物Aは、着色剤混合物Bに選択されたものより高いUV吸収(より大きい基材蛍光の抑制)をもたらすように選択される。着色剤混合物A及びBはまた、可視光の条件の下で見たときに、それらの平均色及び輝度が互いに密に合致するようにも選択される。図1のUVで示されるように、UV照明条件の下で、パッチAPと比べると用紙基材における蛍光増白剤の蛍光の抑制が相対的に制限されているため、パッチBPは、パッチAPと比べてより鮮やかに見え、よって、透かしW1を形成する。対照的に、VISで示されるような可視光条件の下では、パッチAP、BPは、少なくとも実質的に区別ができない。一例として、およそ50%のグレイ色を、ブラック(K)の着色剤のハーフトーンのみで実現し、着色剤混合物Bのために使用し、パッチBPを印刷することができる。次に、パッチAPを印刷するために用いられる、類似したおよそ50%のグレイ色を生み出す、イエロー(Y)、シアン(C)、及びマゼンタ(M)を含む着色剤混合物Aに対して、これを色合せすることができる。一般に、着色剤混合物Aは、用紙のより多くをカバーし、よって、パッチBPと比べてずっと大きく固有の基材蛍光を抑制するので、UV照明条件の下で、パッチBPは、透かしW1として容易に明らかになる。図1のVISで示されるような通常の可視光観察の下で、2つの着色剤混合物は、かなり同一に近いものに見える。従って、こうした蛍光マークを含む文書がUV照明に曝されると、透かしW1が現われる。印刷された「類似」文書又は単なる写真コピーは、透かしを適切に複製しない。
【0005】
述べられたように、相関マークは、別の既知の透かし入れ技術である。一例として、図2に示されるように、格子状のハーフトーン・パターンHPが、規則的な45度のクラスター・ハーフトーン・スクリーンにより用紙上に印刷され、13列のハーフトーン・セルを有する。等しい空間領域全体を覆っている別の格子状ハーフトーン・パターンHP’が、中間区域にわずかに伸張した4つの列C5−C8を有するハーフトーン・スクリーンによって用紙上に印刷されるので、ハーフトーン・パターンHP’は、パターンHPと同じ空間幅にわたって12列だけを有する。パターンHP及びHP’は、人間の観察者には同じグレイレベルとして知覚され、通常の画像観察条件の下で、位相偏移(phase shift)は実質的に隠される。パターンHP’においては、規則的な列C1−C4、C9−C12とわずかに伸張した列C5−C8との間のピッチ差のために、ホワイトとブラックとの間の移行を表す位相は、伸張した列C5−C8についての様々な増大する位相偏移を有した状態で、列C1−C4についてのパターンHPを有する「同相(in phase)」(0ラジアンの位相偏移)から、列C9−C12についての「逆位相(opposite phase)」(Πラジアンの位相偏移)まで変わった。トランスペアレンシー・キー(transparency key)Kが、ハーフトーン・パターンHPで印刷され、K+HPで示されるような用紙に印刷されたハーフトーン・パターンHPと重ねられ、その結果、キーK及び印刷パターンをソリッド・オン・ソリッド(solid−on−solid)、ブランク・オン・ブランク(blank−on−blank)式に位置合わせできるので、オリジナルの印刷パターンと比べて変わらない。対照的に、キーKがK+HP’で示されるような位相偏移されたパターンHP’と重ねられたとき、オリジナルの印刷格子状パターンHP’は、パターンHP’とキーKが逆位相である場所で格子状パターンHP’が完全にブラック(又は他のソリッド・カラー)になるまで、画像の左から右へと移るパターンHP’とキーKとの間の位相差に比例して、徐々に見えなくなる。平均反射率は、位置合わせされた領域C1−C4では高く、部分的に位相偏移された領域C5−C8では低く、逆位相領域C9−C12ではさらに低い。従って、画像の一部分がΠラジアン位相偏移されたハーフトーン・セルでエンコードされ、直に囲んでいるΠラジアン位相偏移されたハーフトーン・セルが、0ラジアン位相偏移されたハーフトーン・セルである場合には、同じ空間周波数の格子状パターンのトランスペアレンシー・キーを重ねることによって、キー及びハーフトーン・パターンの位相がずれている低反射率の領域により高コントラストの透かしW2を定めることができる(逆に、キー及び印刷文書が同相である高反射率の領域により透かしを定めることもできる)。従って、対応するトランスペアレンシー・キーを重ねて、位相偏移されたハーフトーン領域が現われるまで、完全に又は少なくとも実質的に検出することができない透かしを含ませるようなこの方法で、文書を印刷することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
蛍光マーク及び相関マークの両方とも非常に有効なものであるが、別個のトランスペアレンシー・オーバーレイ・キーの使用を必要とすることなく、周辺光の条件の下であまりはっきり見えず、文書のセキュリティ・チェックの際によりはっきり見える透かしに対する必要性が確認された。従って、以下に述べられるように、本開発は、蛍光マークと相関マークの原理を組み合わせて、これらの目的を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開発の一態様によると、知的ハーフトーン化によるデジタル透かしの暗号化のための方法が、各々が複数のハーフトーン・セルを含む、それぞれ3つの印刷着色剤に対応する少なくとも3つのハーフトーン画像に関して印刷された文書の少なくとも部分を定める画像データを受け取るステップを含む。画像データは、文書の部分内の透かしをエンコードするために、他のハーフトーン画像に対してハーフトーン画像の少なくとも1つのハーフトーン・セルの一部を位相偏移し、少なくとも1つのハーフトーン画像が位相偏移領域と非位相偏移領域とを含むように修正される。修正された画像データを用いて、UV照明に曝されたときに蛍光する基材上に文書の部分を印刷する。文書の印刷された部分は、位相偏移領域から結果として生じる第1の印刷パターンと、非位相偏移領域から結果として生じる第2の印刷パターンとを含む。文書の印刷された部分の第1及び第2のパターンは、文書の部分を可視光で見たとき実質的に同じに見え、文書の部分をUV光で見たとき異なるように見え、修正された画像データにおけるエンコードされた透かしは、文書の部分をUV光で見たときに知覚可能であり、文書の部分を可視光で見たときに隠される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(従来技術)印刷文書内に蛍光マークを含ませることを図式的に開示する。
【図2】(従来技術)印刷文書内に相関マークを含ませることを図式的に開示する。
【図3】本開発による方法を実施するためのシステムを開示する。
【図4】本開発による、知的ハーフトーン化によるUV暗号化を開示するフローチャートである。
【図5A】本開発に従って生成された透かしを含む文書を図式的に示す。
【図5B】可視光に曝されたときに人間の観察者に見える、図5Aの文書を示す。
【図5C】可視光に曝されたときに人間の観察者に見える、図5Aの文書を示す。
【図6】本開発に従って生成された文書と、デジタル透かしが現われるようにこれをデコードするプロセスとを示す。
【図7】2着色剤の非均一なロゼット・パターンを示す。
【図8A】互いに対してΠラジアン位相偏移している単一の着色剤(例えば、イエロー)のハーフトーン画像を示す。
【図8B】互いに対してΠラジアン位相偏移している単一の着色剤(例えば、イエロー)のハーフトーン画像を示す。
【図9A】可視光で見た、図8Aのハーフトーン画像と組み合わされた図7のロゼット・パターンを示す。
【図9B】可視光で見た、図8Bのハーフトーン画像と組み合わされた図7のロゼット・パターンを示す。
【図10A】UV光で見た、図9Aのハーフトーン画像と組み合わされた図7のロゼット・パターンを示す。
【図10B】UV光で見た、図9Bのハーフトーン画像と組み合わされた図7のロゼット・パターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開発によるシステム及び/又は方法は、印刷装置及び/又は複製装置の一部として設けることができる任意の市販の多数着色剤(multi−colorant)(「カラー」)プリンタのような印刷システムにおいて実施されることが好ましい。典型的には、プリンタは、CMYK色空間を実装し、ゼログラフィ式プリンタ・エンジンを含むが、本開発は、インク・ジェットのような他の印刷方法にも適用できる。図3は、本開発による方法を実施するための装置の一例を示す。装置10は、本明細書に開示されるデジタル画像処理操作を実行するための画像処理ユニット(IPU)14を含む。IPU14は、電子回路及び/又は画像処理専用のソフトウェアによって定められ、及び/又は、本明細書に開示される画像処理操作を実施するようにプログラムされた汎用コンピュータを含むことができる。IPU14は、スキャナ16a、コンピュータ16b(例えば、デジタル・フロント・エンド(DFE))、及び/又は、データ記憶装置16c又は装置10の一部であり、及び/又は、ネットワーク又は他の手段を通してIPU14に作動可能に接続される別のソースのようなソースから画像データを受け取るように適合される。装置10は、CMYK又は他の多数着色剤の色空間24を用いる、当技術分野において既知のトナー及び/又はインクを用いて、用紙、トランスペアレンシー、又は別の記録媒体上に画像データを印刷するためのゼログラフィ式、インク・ジェット式、又は他の印刷エンジン22を含む、画像出力又は印刷ユニット20を含む。印刷ユニット20は、印刷された用紙、トランスペアレンシー、又は別の記録媒体シートのような最終的な印刷製品の物理的な出力のための印刷出力ステーション26をさらに含む。適切な市販のシステム10の例には、これらに限られるものではないが、Xerox Corporation社から入手可能なPhaser(商標)、WorkCentre(商標)、DocuColor(商標)及びiGen3(商標)の印刷/コピー/デジタル・プレス・システムが挙げられる。
【0010】
図4は、図3のシステム等を用いる、本開発による知的ハーフトーン化によるUV暗号化を開示する。当技術分野において一般的に知られているように、画像印刷ユニット20で印刷される電子デジタル画像文書Dは、多数の単色2値画像、又は示されるシアン分離C、マゼンタ分離M、イエロー分離Y、及びブラック分離K(ブラック分離Kは、本開発を実施するのに随意的なものであり、よって破線で示され、これ以上説明されない)のような分離(separation)を含む。S1で示されるように、デジタル画像文書D内にエンコードされる透かしWを選択し、IPU14に入力する。本開発は、透かしをエンコードするためにハーフトーンの分離の1つにおける位相偏移にのみ依存しており、こうした方法を用いて微妙な境界線又は同様な高周波データをエンコードすることができないので、選択される透かしは、例えば、多数のハーフトーン・セルを含む緩やかに変化するパターン又は記号などの低周波数の透かしにすべきである、又はこれに変換しなければならない。好ましい実施形態においては、位相偏移のために、イエロー分離Yが選択される。このように、電子画像文書Dのイエロー分離Yを定める2値画像がIPU14に入力される。一例においては、透かしWを選択し、1又はそれ以上の文字のテキスト文字列としてこれをIPU14に入力し、IPUは、そのテキスト文字列を、デジタル画像文書D内にエンコードするのに適した低周波数の2値画像に変換する。
【0011】
IPU14において、選択された透かしWは、S2で示されるように、デジタル画像文書Dのイエロー分離Yだけにエンコードされ、新しいイエロー分離Y’を定める、すなわち、Y’=Y+Wである。特に、選択された低周波数の透かしWと空間的に合致するように配置されたハーフトーン・セルが一定の量だけ同相で偏移されると同時に、イエロー分離のハーフトーン・セルの残りが異なる量だけ同相で偏移されるように、イエロー分離Yのハーフトーン・セルが修正される。一例においては、選択された低周波数の透かしWと空間的に合致するように配置されたイエロー分離Yのハーフトーン・セルが、位相偏移されていない(すなわち、0ラジアン位相偏移された)ハーフトーン・セルを用いて、修正されたイエロー分離Y’内に定められると同時に、イエロー分離Yのハーフトーン・セルの残りが、逆位相である(すなわち、Πラジアン位相偏移された)修正されたイエロー分離Y’内に定められる。カラー画像文書Dの非イエローのC、M、及び随意的なKの分離は、透かしエンコード・プロセスの一部として変更されない。
【0012】
デジタル画像文書の空間範囲全体、又はその帯域或いは他の部分のみとすることができる、デジタル画像文書Dの一定のカラー領域(すなわち、固定されたコントーン・デジタル入力領域)において、選択された透かしがエンコードされる。一例において、それらが一定の印刷カラー領域の出力をもたらすならば、シアン分離C、マゼンタ分離M、及びイエロー分離Yについて50%のデジタル入力レベルが用いられるが、他のデジタル入力レベルも考慮され、本開発の範囲内に含まれる。
【0013】
S3で示されるように、透かしが入れられた画像I’は分離CMY’を含み、次に、イエロー分離Y’だけが位相偏移によりエンコードされた透かしを含み、かつ、こうした位相偏移を用いて印刷される場合に、UV照明の下で蛍光する蛍光増白剤を含む通常の印刷/コピー用紙又は別の基材上に、画像印刷ユニット20を用いる、すなわち、分離データCMY’及び対応するCMYインク/トナーを用いる通常の方法で、S4で示されるような文書Dとして印刷される。
【0014】
本開発は、シアンC、マゼンタM、及びイエローYのプリンタ着色剤を用いて実施されるものとして、図4及び本明細書の別の場所に説明されるが、当業者であれば、可視光の条件の下では第3の着色剤における位相偏移が不明瞭であるものの、印刷文書がUV光に曝されたときに第3の着色剤における位相偏移を知覚することが可能である、繁雑な(distracting)パターンを印刷するために2つ又はそれ以上の着色剤が用いられる場合、プリンタ着色剤の3つ又はそれ以上の他の組み合わせを用いて開発を実施することができることを認識するであろう。イエローは、第3の着色剤のための1つの好ましい色であるが、例えば、オレンジ又はライトマゼンタのような第3の着色剤のために、可視光において低コントラストを示すがUV光において高コントラストを示す他の着色剤を用いることができる。
【0015】
印刷操作S4は、既知のハーフトーン化技術を用いて実施される。例えば、当技術分野において一般的に知られているようなハーフトーン・ロゼットを生成するハーフトーン・スクリーン回転角である。例えば、シアンC、マゼンタM、及びイエローYのスクリーン角は、それぞれ15度、75度、及び45度であり、全てのスクリーン周波数は、例えば、1インチ当たり35.4ラインに等しく設定される。従って、マゼンタのスクリーン角は、シアンのスクリーン角から60度であり、イエローのスクリーン角は、シアンのスクリーン角から30度である。これらの設定により、45度及び1インチ当たり35.4ラインにおいて、2−着色剤のロゼット・パターンを定めるシアンC及びマゼンタMの着色剤がもたらされる(イエロー着色剤Yも、ロゼット・パターン内に存在するが、主要な2−着色剤であるシアン及びマゼンタのロゼット・パターンにより不明瞭にされる)。個々の周波数ベクトルの合計がゼロになるので、低周波の3−着色剤のモアレはない。
【0016】
図5Aは、上述のような知的ハーフトーン化(すなわち、イエロー分離だけにおける位相偏移)を介してエンコードされた透かしを含む印刷されたデジタル画像文書Dの一定のカラー透かし領域Gを図式的に示す。領域Gは、分解データC、M、Y’に従って印刷されたシアン、マゼンタ、及びイエローのハーフトーン・ドットCD、MD、YDを含むハーフトーン・ロゼットRTのグループにより定められる(説明を簡単にするために、ロゼットRTは均一のパターンで構成されるように示されるが、当業者であれば、ロゼットRTは、周期的でない非均一のパターンで構成され得る、又は固定された空間周波数で説明され得ることを認識するであろう。イエロー分離Y’は、位相偏移されたハーフトーン・セル及び位相偏移されていないハーフトーン・セルの両方を含むので、透かし入れされた画像領域Gの対応するイエロー・ハーフトーン・ドットYDの空間的位置は、考慮されるロゼットRTに応じて、シアン・ドットCD及びマゼンタ・ドットMDに対して変化する。特に、イエロー分離Y’のΠラジアン位相偏移された領域は、ロゼットにおいてシアン・ドットCD及びマゼンタ・ドットMDに対してオフセットされる対応するイエロー・ハーフトーン・ドットYDをもたらして、ドット中心の(dot−centered)ロゼットDCとなり、イエロー・ハーフトーン・ドットYDは、シアン・ハーフトーン・ドットCD及びマゼンタ・ハーフトーン・ドットMD、並びに他の位相偏移されたイエロー・ハーフトーン・ドットで囲まれた、ロゼットDCの中心に完全に又は実質的に配置される。逆に、イエロー分離Y’の0ラジアン位相偏移された領域は、シアン・ドットCD及びマゼンタ・ドットMDを有する同相の対応するイエロー・ハーフトーン・ドットをもたらすので、対応するロゼットは、透明中心の(clear−centered)ロゼットCCであり、そこで、シアン・ハーフトーン・ドットCD、マゼンタ・ハーフトーン・ドットMD、及びイエロー・ハーフトーン・ドットYDは全て、ロゼットの中心が開いたままになるように互いに同相で配置される。位相偏移されたロゼットのイエロー・ドットYDが、用紙、又は他の方法で少なくとも部分的にインク/トナーで覆われていない他の基材の領域内に配置される場合、位相偏移された(ドット中心の)ロゼットDCは、対応する位相偏移されない(透明中心の)ロゼットCCより大きくなる。
【0017】
ここで図5Bを参照すると、文書Dの領域Gが、人間の観察者には可視光VISの下で見えるものとして示される。特に、シアン・ハーフトーン・ドットCD及びマゼンタ・ハーフトーン・ドットMDは、モアレ・パターンMと比較してイエロー・ハーフトーン・ドットYDの比較的低コントラスト及び可視性のために、イエロー・ハーフトーン・ドットYDによってエンコードされた透かしWを少なくとも実質的に又は完全に不明瞭にする高周波数の2着色剤モアレ・パターンMをもたらす。
【0018】
同じ領域Gが、UV照明の下で人間の観察者に見えるものとして図5Cに示され、ここで、イエロー・ハーフトーン・ドットYDは、同じく暗く又は黒く見えるシアン・ハーフトーン・ドットCD及びマゼンタ・ハーフトーン・ドットMDと共に、基材蛍光を抑制し、暗く又は黒く見える。従って、位相偏移された(ドット中心の)ロゼットDCは、位相偏移されていない(透明中心の)ものと比べてより高密度であり、より暗い。イエロー分離Y’の位相偏移されたハーフトーン・セルは、印刷された一定のカラー領域Gのより暗い領域に対応する一方で、イエロー分離Y’の位相偏移されていないハーフトーン・セルは、基材蛍光のために、透かしWが現われるように、印刷された一定のカラー領域Gのより明るい/鮮やかな領域に対応する(示される例における大文字「T」)に対応する。シアン・ハーフトーン・ドットCD及びマゼンタ・ハーフトーン・ドットMDに対して位相がずれているイエロー・ハーフトーン・ドットYDは、付加的な基材カバー範囲を、よって、シアン・ハーフトーン・ドットCD及びマゼンタ・ハーフトーン・ドットMDに対して同相のイエロー・ハーフトーン・ドットYDに比べて、より大きいUV蛍光抑制を提供する。同相のイエロー・ハーフトーン・ドットYDの基材カバー範囲は、既に存在するシアン・ハーフトーン・ドットCD及びマゼンタ・ハーフトーン・ドットMDに対して部分的に重複している。
【0019】
図6においては、図4のオリジナルのC、M、Yの分解データIを用いて文書D’が印刷され、分解データCMY’を用いる本開発に従った知的ハーフトーン化によってエンコードされたデジタル透かしWを有するように文書Dが印刷される。文書D及びD’は、可視光において少なくとも実質的に同一に見える。しかしながら、UV照明に曝されると、文書D及びD’は、非常に異なって見え、文書Dの透かしWが現われる。
【0020】
上述のように、図5A−図5Cに示される例は、位相偏移されてエンコードされた透かしWを隠すために、本開発を均一なモアレ・パターンMの使用に制限するものではない。均一でないロゼット・パターン又は確率的パターンによって、代替的な繁雑なパターンを与えることができる。図7は、例えば、シアン・ハーフトーン・ドットCD及びマゼンタ・ハーフトーン・ドットMDにより定められる2着色剤の均一でないロゼット・パターンM’を示す。図8A及び図8Bは、イエロー・インク/トナーのハーフトーン・ドットYDにより定められる単一の着色剤(例えば、イエロー)のハーフトーン画像Y1、Y2を示す。図8A及び図8Bのハーフトーン画像は、同じ全体的なグレイレベルを提供するが、画像Y1、Y2のハーフトーン・ドットYDは、互いに対してΠラジアン位相偏移される。上述のように、ハーフトーン画像内の透かしをエンコードするために、こうした位相偏移(単一のハーフトーン画像内の)が用いられる。図9A及び図9Bは、それぞれ、可視光で見たときの、図8Aのハーフトーン画像Y1及び図8Bのハーフトーン画像Y2と組み合わされた文書A及びBである。可視光においては、イエロー・ハーフトーン画像の低コントラスト、及び、2着色剤の均一でない繁雑なロゼット・パターンM’が組み合わされているために、図8Aの文書A及び図8Bの印刷文書Bの全体的な外観の差異を識別するのは困難である。しかしながら、UV光の下では、図10A及び図10Bに示されるように、印刷文書Bがより大きい基材カバー範囲を含み、よって、印刷文書Aより暗く見えるように基材蛍光の抑制がより大きいことが明らかになる。
【符号の説明】
【0021】
10 装置
14 画像処理ユニット(IPU)
16a スキャナ
16b コンピュータ
16c データ記憶装置
20 印刷ユニット
24 色空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
知的ハーフトーン化によるデジタル透かしの暗号化方法であって、
各々が複数のハーフトーン・セルを含む、それぞれ3つの印刷着色剤に対応する少なくとも3つのハーフトーン画像に関して印刷された文書の少なくとも部分を定める画像データを受け取り、
前記文書の前記部分内の透かしをエンコードするために、他のハーフトーン画像に対して前記ハーフトーン画像の少なくとも1つの前記ハーフトーン・セルの一部を位相偏移し、前記少なくとも1つのハーフトーン画像が位相偏移領域と非位相偏移領域とを含むように前記画像データを修正し、
前記修正された画像データを用いて、UV照明に曝されたときに蛍光する基材上に前記文書の前記部分を印刷する、
ステップを含み、前記文書の前記印刷された部分は、前記位相偏移領域から結果として生じる第1の印刷パターンと、前記非位相偏移領域から結果として生じる第2の印刷パターンとを含み、
前記文書の前記印刷された部分の前記第1及び第2のパターンは、該文書の該部分を可視光で見たときに実質的に同じに見え、該文書の該部分をUV光で見たときに異なるように見え、前記修正された画像データにおけるエンコードされた前記透かしは、該文書の該部分をUV光で見たときに知覚可能であり、該文書の該部分を可視光で見たときに隠されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも3つのハーフトーン画像は、イエロー印刷着色剤に対応するイエロー・ハーフトーン画像であり、前記位相偏移ステップは、前記イエロー・ハーフトーン画像の前記ハーフトーン・セルの一部を位相偏移し、選択的に位相偏移されたイエロー・ハーフトーン画像を定めるステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記文書の前記印刷された部分の前記第1及び第2の印刷パターンは、第1及び第2のロゼット・パターンを含み、前記第1及び第2のロゼット・パターンの一方は透明中心であり、該ロゼット・パターンの他方はドット中心であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも3つのハーフトーン画像は、それぞれイエロー印刷着色剤、シアン印刷着色剤、及びマゼンタ印刷着色剤に対応する前記選択的に位相偏移されたイエロー・ハーフトーン画像、シアン・ハーフトーン画像、及びマゼンタ・ハーフトーン画像を含み、
透明中心のロゼットは、前記シアン・ハーフトーン画像及びマゼンタ・ハーフトーン画像の空間的に対応するハーフトーン・セルと同相である前記位相偏移されたイエロー・ハーフトーン画像のハーフトーン・セルの発生ごとに印刷され、
ドット中心のロゼットは、前記シアン・ハーフトーン画像及びマゼンタ・ハーフトーン画像の空間的に対応するハーフトーン・セルに対して逆位相である前記位相偏移されたイエロー・ハーフトーン画像のハーフトーン・セルの発生ごとに印刷されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項1】
知的ハーフトーン化によるデジタル透かしの暗号化方法であって、
各々が複数のハーフトーン・セルを含む、それぞれ3つの印刷着色剤に対応する少なくとも3つのハーフトーン画像に関して印刷された文書の少なくとも部分を定める画像データを受け取り、
前記文書の前記部分内の透かしをエンコードするために、他のハーフトーン画像に対して前記ハーフトーン画像の少なくとも1つの前記ハーフトーン・セルの一部を位相偏移し、前記少なくとも1つのハーフトーン画像が位相偏移領域と非位相偏移領域とを含むように前記画像データを修正し、
前記修正された画像データを用いて、UV照明に曝されたときに蛍光する基材上に前記文書の前記部分を印刷する、
ステップを含み、前記文書の前記印刷された部分は、前記位相偏移領域から結果として生じる第1の印刷パターンと、前記非位相偏移領域から結果として生じる第2の印刷パターンとを含み、
前記文書の前記印刷された部分の前記第1及び第2のパターンは、該文書の該部分を可視光で見たときに実質的に同じに見え、該文書の該部分をUV光で見たときに異なるように見え、前記修正された画像データにおけるエンコードされた前記透かしは、該文書の該部分をUV光で見たときに知覚可能であり、該文書の該部分を可視光で見たときに隠されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも3つのハーフトーン画像は、イエロー印刷着色剤に対応するイエロー・ハーフトーン画像であり、前記位相偏移ステップは、前記イエロー・ハーフトーン画像の前記ハーフトーン・セルの一部を位相偏移し、選択的に位相偏移されたイエロー・ハーフトーン画像を定めるステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記文書の前記印刷された部分の前記第1及び第2の印刷パターンは、第1及び第2のロゼット・パターンを含み、前記第1及び第2のロゼット・パターンの一方は透明中心であり、該ロゼット・パターンの他方はドット中心であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも3つのハーフトーン画像は、それぞれイエロー印刷着色剤、シアン印刷着色剤、及びマゼンタ印刷着色剤に対応する前記選択的に位相偏移されたイエロー・ハーフトーン画像、シアン・ハーフトーン画像、及びマゼンタ・ハーフトーン画像を含み、
透明中心のロゼットは、前記シアン・ハーフトーン画像及びマゼンタ・ハーフトーン画像の空間的に対応するハーフトーン・セルと同相である前記位相偏移されたイエロー・ハーフトーン画像のハーフトーン・セルの発生ごとに印刷され、
ドット中心のロゼットは、前記シアン・ハーフトーン画像及びマゼンタ・ハーフトーン画像の空間的に対応するハーフトーン・セルに対して逆位相である前記位相偏移されたイエロー・ハーフトーン画像のハーフトーン・セルの発生ごとに印刷されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【公開番号】特開2009−171582(P2009−171582A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5005(P2009−5005)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】
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