説明

研磨方法

【課題】マイクロスクラッチの発生を抑制して、ステンレス鋼板の研磨を行う。
【解決手段】帯状ステンレス鋼板1を研磨した後、鋼板上の研磨液3の洗浄及び、鋼板1の乾燥を行う鋼板1の研磨方法であって、(1)鋼板1を研磨した領域の鋼板1の長手方向の両端近傍の上部に設けられた1対の洗浄ノズルから鋼板上に洗浄液を供給し、鋼板上の1対の洗浄ノズル間に研磨液3と洗浄液を滞留させた後、研磨液3を、研磨液除去材料を用いて洗浄液と共に鋼板1の幅方向端部から外部へと洗い流す。(2)鋼板1の長手方向において、研磨した領域、洗浄ノズル及び乾燥ノズルの順で鋼板1の上部に設けられた乾燥ノズルから鋼板上にガスを供給し、洗浄ノズルと乾燥ノズルの間に洗浄液を滞留させ、かつ鋼板1を洗浄ノズルから乾燥ノズル方向へ向って移動させながら前記ガスにて鋼板上の洗浄液を順次吹き払って鋼板1を乾燥する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼板の研磨方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アクリル樹脂板は、透明性と耐衝撃性の点から、携帯電話のディスプレイ部の前面板等に使用されている。このアクリル樹脂板の製造として、例えば、ステンレス鏡面ベルトを金型としたキャスト重合が挙げられる。しかし、このアクリル樹脂板の製造の際、アクリル樹脂板の表面にマイクロスクラッチを発生させてしまう問題があった。この原因は、製造時に金型として使用するステンレス鏡面ベルトの表面に付いているマイクロスクラッチが原因であり、このマイクロスクラッチがそのままアクリル樹脂板の表面に転写されるということが分かった。このステンレス鏡面ベルトのマイクロスクラッチは、もともと製造装置に組み込む前のステンレスベルトを鏡面研磨する段階で発生していることが分かった。組み込む前のステンレスベルトは、製造ラインとは別ラインで鏡面研磨することになるが、この研磨時に排出された研磨液中の砥粒を洗浄や乾燥する際に使用している布などでマイクロスクラッチを発生させていることが原因であることが判明した。特に布での乾拭きがマイクロスクラッチを発生させる主原因であった。
【0003】
布などで乾拭きをしない方法として、例えば、特許文献1には、洗浄ノズルで洗浄後、乾燥ノズルで乾燥する方法が提案されている。しかしながら、この方法では、研磨してない部分や砥粒が滞留してしまった部分は洗浄ノズルだけでは取りきれない。また、取りきれなかった砥粒を取ろうとブラシのようなもので無理な力を掛けて取ろうとすると逆にマイクロスクラッチが発生してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−271111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ステンレス鏡面ベルトにマイクロスクラッチを発生させないと共に、研磨後の洗浄不足による砥粒残りをなくすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、帯状ステンレス鋼板上に設置した円盤状の研磨ヘッドの研磨面を前記鋼板に圧着し、研磨ヘッドを鋼板面に垂直な回転軸で回転させながら砥粒を含んだ研磨液にて鋼板を研磨した後、前記鋼板上の研磨液の洗浄及び、その後の鋼板の乾燥を行う鋼板の研磨方法であって、以下の(1)〜(2)の手順にて前記洗浄及び乾燥を行う研磨方法である。
(1)鋼板を研磨した領域の鋼板の長手方向の両端近傍の上部に設けられた1対の洗浄ノズルから鋼板上に洗浄液を供給することにより鋼板上の1対の洗浄ノズル間に前記研磨液と洗浄液を滞留させた後、滞留する前記研磨液を、研磨液除去材料を用いて5g/cm以下の荷重にて洗浄液と共に鋼板の幅方向端部から外部へと洗い流す。
(2)鋼板の長手方向において、研磨した領域、洗浄ノズル及び乾燥ノズルの順となるように鋼板の上部に設けられた乾燥ノズルから鋼板上にガスを供給することにより、洗浄ノズルと乾燥ノズルの間に洗浄液を滞留させ、かつ鋼板を洗浄ノズルから乾燥ノズル方向へ向って移動させながら前記ガスにて鋼板上の洗浄液を鋼板の移動とともに順次吹き払って鋼板を乾燥する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の方法によれば、ステンレス鋼板を研磨する際、マイクロスクラッチの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明における研磨方法の一例の模式的側面図を示す図である。
【図2】本発明における洗浄方法の一例の模式的側面図を示す図である。
【図3】本発明における乾燥方法の一例の模式的側面図を示す図である。
【図4】実施例の方法で研磨した後のステンレス鋼板表面を観察し、マイクロスクラッチをスケッチした図である。
【図5】比較例の方法で研磨した後のステンレス鋼板表面を観察し、マイクロスクラッチをスケッチした図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
帯状ステンレス鋼板
本発明で使用されるステンレス鋼板の材質としては、例えば、オーステナイト系(SUS304、SUS316等)、フェライト系(SUS430等)及びマルテンサイト系(SUS403等)が挙げられる。これらの中で、耐食性の点でオーステナイト系が好ましい。また、ステンレス鋼板の表面状態としては、照度1000ルクス程度の蛍光灯をつけた状態で、ステンレス鋼板表面から200mmの高さから数万ルクスのLEDライトを向きを変えて様々な角度から照射し、例えば、深さ100nm以下或いは幅5μm以下のようなマイクロスクラッチが観察されない程度に鏡面研磨処理されていることが好ましい。
本発明に使用する鋼板の大きさは、特に制限されないが、コイル材やエンドレスベルトのような帯状板であることが好ましい。

研磨方法
帯状ステンレス鋼板は走行しながら研磨しても良いし、静止状態で研磨しても良い。
【0010】
本研磨ヘッドは、円盤状の形状をしている。そして、1個或いは複数個配設した円盤状の各研磨ヘッドの研磨面を鋼板に圧着し、各研磨ヘッドを基板面に垂直な回転軸で回転させる(図1)。鋼板を静止して研磨する場合には、研磨ヘッドが自在に運動できる。鋼板を走行しながら研磨する場合には、研磨ヘッドは鋼板の走行方向と直交する水平方向に往復運動することもできる。前記研磨ヘッドの研磨面の形状は、安定した回転状態の保持の観点から、円形であることが好ましい。前記研磨面を基板に圧着し研磨する際の研磨圧力(以下、「研磨圧」ともいう。)は、例えば研磨ヘッドに接続されたエアシリンダーあるいは電動シリンダーによる加圧により調整することができる。研磨圧としては0.01〜0.1MPaが好ましい。研磨圧が小さすぎると研磨効率が悪くなり、研磨圧が高すぎると鋼板表面が粗くなり、また研磨時のトルク負荷が増大するため、それに耐えるべくモータを大型化せざるを得ないことになる。
【0011】
研磨ヘッドの回転及び研磨ヘッドの往復運動は、モータ等の公知の駆動装置により行うことができる。この研磨ヘッドの回転速度は、100〜1000rpmとするのが好ましい。回転速度が遅すぎると、回転による遠心力が小さい分、回転軸中心部の研磨液の研磨パッド全体への浸透性が悪くなり研磨効率が悪くなる。回転速度が速すぎると、研磨液の飛散が顕著となる。
【0012】
研磨面には研磨パッドが取り付けられている。また、連続的に鏡面研磨を行う場合は、研磨ヘッドの回転中心部に設けた研磨液供給孔から研磨液を研磨パッドを介して走行する鋼板へ一定速度で供給する。研磨面に装着した研磨パッドは不織布などの素材で構成し、貫通孔を有することがなく、研磨液を研磨パッド全体に浸透させることができ、かつ、走行基板へ研磨液を容易に供給可能な素材であることが好ましい。断続的に鏡面研磨する場合には、直接研磨パッドに研磨液を供給しても良い。研磨パッドの素材として不織布からなるものが例示される。該不織布の材質としては、ナイロン、レーヨン、ウレタン等が挙げられる。
【0013】
研磨液は特に限定されないが、本発明では無機微粒子を砥粒として含む研磨液を使用する。無機微粒子を含む研磨液を使用する場合、該無機微粒子の粒径は0.01〜5μmであることが好ましい。

洗浄方法
鋼板を研磨した領域の鋼板の長手方向の両端近傍の上部に設けられた1対の洗浄ノズルから鋼板上に洗浄液を供給することにより鋼板上の1対の洗浄ノズル間に前記研磨液と洗浄液を滞留させた後、滞留する前記研磨液を、研磨液除去材料を用いて5g/cm以下の荷重にて洗浄液と共に鋼板の幅方向端部から外部へと洗い流す(図2)。
【0014】
洗浄ノズルの開口形状は、鋼板の幅全域に亘って洗浄液を供給することができることより、鋼板の幅方向に対応したスリット状の開口を有することが好ましい。
【0015】
1対の洗浄ノズルは鋼板の長手方向に対して、研磨領域を仕切るように配置することが、好ましい。研磨領域に滞留した砥粒を含んだ研磨液を乾燥させないよう洗浄液を鋼板上に供給し滞留させることで、研磨液の除去が容易になる。研磨液が乾燥してしまうと、研磨液中の砥粒が鋼板上に堆積しその除去が困難となる。研磨領域に滞留した砥粒を含んだ研磨液を、洗浄液を染み込ませた状態で研磨液除去材料を用いて洗浄液中に浮遊させるように除去することがマイクロスクラッチを入り難くする点で好ましい。研磨液除去材料の素材として、布、綿、ガーゼなどのように鋼板にマイクロスクラッチが入り難い繊維材料を用いることが好ましい。研磨液の除去方法としては、繊維材料そのものを用いて人手により除去しても良いし、ロールブラシ状のもので機械的に除去しても良い。除去する際の研磨液除去材料の鋼板への荷重としては、5g/cm以下であることが好ましい。これ以上であるとマイクロスクラッチが入る原因となる。
【0016】
人手により研磨液を除去する場合の荷重の測定方法として、例えば以下の方法が挙げられる。秤の上にステンレス鋼板の切片を置き、その上に水を含ませたガーゼ(研磨液除去材料)を載せ、そのガーゼの上に、人の手のひら(10cm×10cm=100cmの面積)を載せる。この時の秤の重さを基準とし、ステンレス鋼板をガーゼにて円を描くように拭いた際に、秤に追加される重さが500g以下、すなわち荷重500g/100cm=5g/cmとなるようにする。
【0017】
研磨液除去材料の取扱方法について述べる。研磨液除去材料を用いて水拭きする際に、研磨液除去材料に研磨液が付着した場合には、研磨液除去材料に付着した研磨液を洗浄液にて頻繁に洗い流し使用することがマイクロスクラッチを発生させ難くする点で好ましい。研磨液除去材料への研磨液の付着が激しく洗浄液にて洗い流しても取れない場合は、新しい研磨液除去材料に取り替えることが好ましい。また、新しい研磨液除去材料を用いる場合にも一度洗浄液にて洗浄しておくことが好ましい。
【0018】
洗浄ノズルからの洗浄液の供給量は、鋼板の幅1mあたり5L/min〜50L/minとすることができる。洗浄ノズルからの洗浄液の供給量がこの範囲であると、鋼板上面に堆積可能な洗浄液量より過剰量が鋼板の側辺から流れ落ちる際に、研磨液除去材料により除去され洗浄液中に浮遊していた砥粒も同時に洗浄液と共に流れ落ちる点で好ましい。
【0019】
鋼板の側辺から流れ落ちた洗浄液は、水受けにより集められ、排出される。また、洗浄液は、その粘度や鋼板との濡れ性等を考慮して適宜選択できる。洗浄液の種類としては、鋼板上に滞留する研磨液を除去する上で、界面活性剤や有機溶剤、アルコール類、純水等を適宜選択することができる。

乾燥方法
鋼板の長手方向において、研磨した領域、洗浄ノズル及び乾燥ノズルの順となるように鋼板の上部に設けられた乾燥ノズルから鋼板上にガスを供給することにより、洗浄ノズルと乾燥ノズルの間に洗浄液を滞留させ、かつ鋼板を洗浄ノズルから乾燥ノズル方向へ向って移動させながら前記ガスにて鋼板上の洗浄液を鋼板の移動とともに順次吹き払って鋼板を乾燥する(図3)。
【0020】
乾燥ノズルの開口の形状としては、鋼板の幅方向に対応したスリット状が好ましく、スリット状の開口を有するスリットタイプガスノズルが、清浄度の高い洗浄液を鋼板上に滞留させ、かつ洗浄液を乾燥させる点で好ましい。ジェットノズルを隙間無く鋼板の幅方向に並べて洗浄液を乾燥させても良い。乾燥ノズルと鋼板とのクリアランスは、ノズルの形式等により適宜選択できるが、クリアランスが狭すぎると鋼板と接触して鋼板にスクラッチが入る危険があり、反対に広すぎると圧縮ガス圧を高く設定する必要があり、コスト的に不利になるため、好ましくは1〜50mmである。ガス流としては、洗浄液を滞留させる効果を高めるため、ガスノズルから圧縮ガスとして噴出するように加圧ガスが好ましい。圧縮ガスの圧力としてはガスノズルより噴出するガス圧による洗浄液飛沫が生じにくい範囲とすることが好ましい。ガスの供給量としては、洗浄液除去乾燥性や、ガスノズル形式やガスノズルとベルトとのクリアランスにより適宜選択することができ、例えば、ガスノズル長1mに対し、0.5〜5Nm3 /minなどとすることができる。使用するガス種としては、空気や不活性ガスが好ましい。
【0021】
乾燥ノズルと洗浄ノズルの間に、鋼板の長手方向に添ってさらに洗浄ノズルを1以上設けることが洗浄度を高める点で好ましい。
【実施例】
【0022】
(実施例)
帯状ステンレス鋼板として長さ5m、幅3m、厚み1.5mmのSUS304のステンレスベルトを用いた。研磨ヘッドは、直径200mmの円盤状で、回転軸に研磨液を供給する直径4mmの貫通孔を有し、研磨パッドは貫通孔のない浸透性のある不織布素材として小島繊維製ブランケットを研磨ヘッドと固着することなく、止め金具で張り上げ取り付けた。また、研磨パッドと研磨ヘッドの間には、クッション材として直径200mmの研磨パッド(ケメット・ジャパン(株)製、商品名FEL)を配設し、それを研磨ヘッドへ粘着剤で固着した。研磨ヘッドの中心部は直径8mmの貫通孔を有している。研磨液は、昭和電工(株)製の商品名A6000を用いて純水で砥粒濃度が1%となるように希釈し、さらに添加剤として硝酸アルミニウムを1%添加した。また、研磨液の供給量は0.5L/minとし、研磨ヘッドの研磨液供給孔での供給圧が定常となる状態とした。鋼板の走行速度を0.04m/minとし、研磨ヘッド1個を用いて、回転数400rpm、研磨圧0.01MPa、往復運動幅2.8m、往復運動速度2.24m/minとし、鋼板1m長さを連続的に研磨した。
【0023】
その後、鋼板を停止した状態で、鋼板上に設けられた1対の洗浄ノズルから洗浄液として純水を鋼板上に供給した。
【0024】
滞留する砥粒を含んだ研磨液を、研磨液除去材料としてガーゼを用いて人手で2g/cm以下の荷重にて洗浄液と共に鋼板の幅方向端部から外部へと洗い流した。
【0025】
1対の洗浄ノズルのいずれか一方の洗浄ノズルに対して鋼板の研磨した領域の長手方向反対側の上部に設けられた乾燥ノズルから鋼板上にガスを供給することにより、洗浄ノズルと乾燥ノズルの間に洗浄液を滞留させた。そして鋼板を洗浄ノズルから乾燥ノズル方向へ向って0.175m/minの速度で移動させながらガスにて洗浄液の除去を行った。
【0026】
照度1000ルクス程度の蛍光灯をつけた状態で、ステンレス鋼板表面から200mmの高さから数万ルクスのLEDライトを、向きを変えて様々な角度から照射し、砥粒残りとマイクロスクラッチの発生状況を目視観察した。マイクロスクラッチは図4に示す通りであり、非常に少なかった。一部キズ残りとしてスケッチされているが、これは研磨時に発生したものであり、非常に薄いキズとして判断されるものである。また、砥粒残りは見られなかった。
(比較例)
実施例と同様に研磨した後、洗浄ノズルと乾燥ノズルの間に洗浄液を滞留させず、水ホースにて洗浄液(純水)を研磨液除去材料(ガーゼ)に掛けながら力の指定をせず人手で水拭きし、更に、乾燥ノズルを設けず、乾燥したガーゼを用いて鋼板上の洗浄液を除去し、乾燥させた。
【0027】
実施例と同様に目視観察した結果、マイクロスクラッチは図5のように多数発生した。洗浄際に作業者に水拭きの力の指定をしなかったため、10g/cm以上の強い力で水拭きしてしまったこと、また、乾燥させる際に乾燥したガーゼを用いて乾拭きしたことが影響し強いマイクロスクラッチが発生したと判断されるものである。また、砥粒残りに関しては、洗浄の際に洗浄液を研磨領域に滞留させなかったため、洗浄液に浮遊した砥粒が鋼板の長手方向に広がり、鋼板の幅方向端部から洗浄液に浮遊した砥粒を外部へと完全に洗い流すことができなかった。このため、長手方向に広がった砥粒を含んだ研磨液を取り除くため乾燥したガーゼで拭き取った。砥粒残りは無くなったが、乾燥したガーゼで拭き上げたために、強いマイクロスクラッチを発生させることになった。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明によれば、ステンレス鋼板の研磨方法として、広く適用できる。
【符号の説明】
【0029】
1 ステンレス鋼板
2 研磨ヘッド
3 研磨液
4 研磨液除去材料
5 洗浄ノズル1
6 洗浄ノズル2
7 乾燥ノズル
8 洗浄液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状ステンレス鋼板上に設置した円盤状の研磨ヘッドの研磨面を前記鋼板に圧着し、研磨ヘッドを鋼板面に垂直な回転軸で回転させながら砥粒を含んだ研磨液にて鋼板を研磨した後、前記鋼板上の研磨液の洗浄及び、その後の鋼板の乾燥を行う鋼板の研磨方法であって、以下の(1)〜(2)の手順にて前記洗浄及び乾燥を行う研磨方法。
(1)鋼板を研磨した領域の鋼板の長手方向の両端近傍の上部に設けられた1対の洗浄ノズルから鋼板上に洗浄液を供給することにより鋼板上の1対の洗浄ノズル間に前記研磨液と洗浄液を滞留させた後、滞留する前記研磨液を、研磨液除去材料を用いて5g/cm以下の荷重にて洗浄液と共に鋼板の幅方向端部から外部へと洗い流す。
(2)鋼板の長手方向において、研磨した領域、洗浄ノズル及び乾燥ノズルの順となるように鋼板の上部に設けられた乾燥ノズルから鋼板上にガスを供給することにより、洗浄ノズルと乾燥ノズルの間に洗浄液を滞留させ、かつ鋼板を洗浄ノズルから乾燥ノズル方向へ向って移動させながら前記ガスにて鋼板上の洗浄液を鋼板の移動とともに順次吹き払って鋼板を乾燥する。
【請求項2】
鋼板の長手方向に添ってさらに洗浄ノズルが1以上設けられた請求項1記載の研磨方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−218281(P2011−218281A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89289(P2010−89289)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】