破砕機への成形材料の供給装置
【課題】押込みローラーの荷重による装置破損を効果的に防止しつつ押込みローラーの昇降案内をスムーズに行うことができる破砕機への成形材料の供給装置を提供する。
【解決手段】破砕すべき成形材料を搬送する搬送コンベアの上方に、回転自在であり且つ昇降自在な押込みローラー5A、5Bを備え、押込みローラーを回転させながら昇降させることにより成形材料を粗砕し、粗砕した成形材料を破砕機に供給する。供給装置1は、押込みローラーの軸13A、13Bを回転自在に支持する軸受け部14A、14Bと、軸受け部を介して押込みローラーの高さ位置を調整する高さ調整手段(エアーシリンダー)15A、15Bと、押込みローラーの昇降の際に押込みローラーの昇降を案内する昇降案内手段を備える。昇降案内手段は、軸受け部の両側方に付設されている少なくとも一対のガイドローラーと、転動自在に係合するガイドレールを有する一対のガイド柱21よりなる。
【解決手段】破砕すべき成形材料を搬送する搬送コンベアの上方に、回転自在であり且つ昇降自在な押込みローラー5A、5Bを備え、押込みローラーを回転させながら昇降させることにより成形材料を粗砕し、粗砕した成形材料を破砕機に供給する。供給装置1は、押込みローラーの軸13A、13Bを回転自在に支持する軸受け部14A、14Bと、軸受け部を介して押込みローラーの高さ位置を調整する高さ調整手段(エアーシリンダー)15A、15Bと、押込みローラーの昇降の際に押込みローラーの昇降を案内する昇降案内手段を備える。昇降案内手段は、軸受け部の両側方に付設されている少なくとも一対のガイドローラーと、転動自在に係合するガイドレールを有する一対のガイド柱21よりなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、混練後にシート状にした成形材料を、破砕機で破砕して粉体状にするために、破砕すべき成形材料を破砕機へ送りこむ破砕機への成形材料の供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フェノール樹脂成形材料や、メラミン樹脂成形材料等の熱硬化性樹脂成形材料が、電気絶縁部品等の用途に広く用いられている。これらの樹脂成形材料は、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂に、ガラス繊維等の無機充填材や、木粉、パルプ等の有機充填材等を配合して、均一に混合・混練して製造される。そして、樹脂成形材料は、各種形状の成形品を製造可能とするために粉体状やペレット状に加工して供給されている。
【0003】
この粉体状の成形材料を製造する方法として、2本ロール機等を用いて各種原料を加熱して混合・混練すると共に連続的にシート状にし、このシート状にした成形材料を破砕機を用いて粉体状にすることが行われている。その場合、混合・混練を終えた後、シート状にした成形材料を、搬送コンベアで冷却しつつ搬送し、次いで破砕機で安定して破砕するためには、破砕機の破砕が行われる位置にシート状成形材料を押込むように供給することが必要である。
【0004】
従来の破砕機への成形材料の供給装置では、図6の断面図、図7の平面図に示すように、成形材料51を支持して破砕機52に供給する働きをする押込み手段として、搬送コンベア53上に、押込み用ベルトコンベア54を備えているものがあった。この場合、搬送コンベア53と押込み用ベルトコンベア54の間に成形材料51を挟み込んで、支持しながら破砕機52へ供給するようになっている。そして、成形材料51を確実に支持(保持)した状態で、破砕が行われる位置に供給するために、押込み用ベルトコンベア54はゴム製ベルトを使用することが一般的であった。
【0005】
ところが、上記の従来の成形材料の供給装置では、押込み用ベルトコンベア54にゴム製ベルトを使用しているために、連続運転した場合、ゴム製ベルトからクズ等が発生し、製品中に異物として混入するという問題があった。押込み用ベルトコンベア54の材質を金属にすると、成形材料51を押圧して支持していても、成形材料51が滑るために搬送コンベア53と押込み用ベルトコンベア54の間で成形材料51を保持する力が弱く、破砕機52に成形材料51がシート状のままでまきつくという別の問題が生じるため、ベルト材質を金属にすることが困難であった。
【0006】
そこで、本願の発明者は、検討を重ねた結果、搬送コンベアで搬送してきた破砕すべき成形材料を確実に支持しながら、破砕機に供給する働きをする成形材料の供給装置を提案した(特許文献1)。この供給装置は、図8の断面図、図9の平面図に示すように、破砕すべき成形材料61を搬送する搬送コンベア62と、成形材料61をこの搬送コンベア62又は渡り板63との間で挟み込んで送り出す回転自在な2本の押込みローラー64A、64Bを備え、これら2本の押込みローラー64A、64Bの断面形状が六角形であり、その六角形の角部の位置に配置され、押込みローラー64A、64Bの軸方向に平行である金属製の突条片65A、65Bを有していて回転自在であり且つ昇降自在となっている。また、破砕機66は回転刃67と固定刃68を備えている。
【0007】
ここで、上記の成形材料の供給装置における押込みローラー64A、64Bの高さ調整と、昇降自在とする構造について、下流側の押込みローラー64Bのみを示している図10(a)、(b)を用いてさらに説明する。
【0008】
図10(a)は、押込みローラー64Bを上昇させている状態を示し、図10(b)は押込みローラー64Bを下降させている状態を示している。このように、押込みローラー64Bは、その軸69Bを支持する軸受け部70Bを昇降手段であるエアーシリンダー71Bのピストン72Bによって昇降できるようにしている。なお、エアーシリンダー71Bは基台73Bに固定されていて、制御部(図示せず)からの信号でピストン72Bを動かすようにしている。押込みローラー64Bを上昇させた場合の軸69Bの高さはエアーシリンダー71Bの動作で制御し、押込みローラー64Bを下降させた場合の軸69Bの高さは、高さ調整手段で制御する。この高さ調整手段は、押込みローラー64Bの軸69Bを支持する軸受け部70Bに固定しているロッド74Bに移動自在に設けている高さ調整プレート75Bと、基台73B上に配設されて、その内側をロッド74Bが貫通している圧縮バネ76Bとで形成されている。なお、基台73Bは押込みローラー64B全体を支持している支持台77(図11)に取付けている。ロッド74Bに螺着され、高さ調整プレート75Bを固着しているナット78Bの位置を調整することによって、高さ調整プレート75Bをロッド74Bの所望位置に移動させて固定できるようにしている。
【0009】
そして、図10(a)に示すように押込みローラー64Bが上昇している状態では、高さ調整プレート75Bは圧縮バネ76Bから離れた位置にあるが、図10(b)に示すように押込みローラー64Bを下降させたときは、圧縮バネ76Bに当接して、押込みローラー64Bの軸69Bの高さを所望の高さに調整できるようにしている。このように、この例では、押込みローラー64Bの軸69Bの高さを、高さ調整手段で調整することによって、所望の高さに調整できるようになっていて、成形材料61の厚さに応じて搬送コンベヤ62の搬送面と押込みローラー64Bの隙間を調整することができる。なお、上流側の押込みローラー64Aについても、同様にしてその軸の高さを、高さ調整手段で調整することによって、所望の高さに調整できるようになっていて、シート状の成形材料61の厚さに応じて搬送コンベヤ62の搬送面と上流側の押込みローラー64Aの隙間を調整することができる。
【0010】
また、上記の供給装置における各押込みローラー64A、64Bを昇降させる際の昇降案内手段としては、図11に示すスライドシャフト式案内手段を用いる。すなわち、押込みローラー64A、64Bを支持している支持台77に立設したスライドシャフト79A、79Bによって、押込みローラーの64A、64Bの軸受け部70A、70Bに付設したスライド部80A、80Bを案内する。
【0011】
なお、上記の供給装置においては、押込みローラーで成形材料を粗砕して破砕機へ供給する場合に、破砕機側に近い押込みローラーと破砕機との間に供給された粗砕した成形材料が破砕機へ押込まれずに滞留するという問題が生ずることが判明したが、この問題は、本願の発明者の検討により、押込みローラーの断面形状を八角形以上とすることで解決した(特許文献2)。
【特許文献1】特開2002−282726号公報
【特許文献2】特開2003−340311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記の成形材料の供給装置では、各押込みローラー64A、64Bを昇降させる際の昇降案内手段として、スライドシャフト式案内手段を用いているが、押込みローラー64A、64Bは付設しているモーターも含めて例えば100kg以上の自重を有しているため、スライドシャフト79A、79Bに過度の負荷が加わり、破損するという問題があった。
【0013】
また、上記の成形材料の供給装置では、各押込みローラー64A、64Bの昇降の制御を、エアーシリンダー71A、71Bと、ロッド74A、74B、高さ調整プレート75A、75B及び圧縮バネ76A、76Bよりなる高さ調整手段とにより行っていたが、部品点数が多く、さらにコンパクトな構造のものが要望されていた。
【0014】
そこで、本願発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたもので、押込みローラーの荷重による装置破損を効果的に防止しつつ押込みローラーの昇降案内をスムーズに行うことができる破砕機への成形材料の供給装置を提供することを課題とする。
【0015】
また、本願発明は、部品点数を削減でき、よりコンパクトの構造で押込みローラーの昇降動作を行うことができる破砕機への成形材料の供給装置を提供することを別の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願発明の破砕機への成形材料の供給装置は、上記課題を解決するため、第1には、破砕すべき成形材料を搬送する搬送コンベアと、搬送コンベアの破砕機側端部の上方に、その軸方向が搬送コンベアの搬送方向に直交するように配設され、回転自在であり且つ昇降自在な押込みローラーを備え、押込みローラーを回転させながら、昇降させることにより、押込みローラーと搬送コンベアの間で、搬送コンベアで搬送している成形材料を粗砕し、その粗砕した成形材料を破砕機に供給する破砕機への成形材料の供給装置であって、押込みローラーの軸を回転自在に支持する軸受け部と、軸受け部を介して押込みローラーの高さ位置を調整する高さ調整手段と、押込みローラーの昇降の際に押込みローラーの昇降を案内する昇降案内手段を備え、昇降案内手段が、軸受け部の両側方に付設されている少なくとも一対のガイドローラーと、押込みローラーを支持する支持台上に離間して立設され、軸受け部に設けられた少なくとも一対のガイドローラーとそれぞれ転動自在に係合するガイドレールを有する一対のガイド柱よりなることを特徴とする。
【0017】
また、第2には、上記第1の発明において、押込みローラーを搬送コンベアの上方に2本備えていることを特徴とする。
【0018】
また、第3には、上記第1又は第2の発明において、押込みローラーは、その断面形状が八角形以上の多角形であり、多角形の各角部の位置に押込みローラーの軸方向に平行な金属製の突条片を備えることを特徴とする。
【0019】
さらに、第4には、上記第1から第3のいずれかの発明において、高さ調整手段が、荷重吸収型のエアーシリンダーであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本願請求項1及び請求項2の発明によれば、押込みローラーの荷重による装置破損を効果的に防止しつつ押込みローラーの昇降案内をスムーズに行うことができる破砕機への成形材料の供給装置を提供することが可能となる。
【0021】
本願請求項3の発明によれば、破砕工程の次の工程へ破砕済みの成形材料を安定して供給することが可能となる。
【0022】
本願請求項4の発明によれば、押込みローラーの昇降動作時に発生する荷重をエアシリンダーが吸収するので、ロッド、高さ調整プレート及び圧縮バネよりなる高さ調整部材が不要となり、装置のコンパクト化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本願発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
【0024】
図2、図3は、本願発明の一実施形態に係る破砕機への成形材料の供給装置の構造をそれぞれ断面図、平面図で模式的に示したものである。本実施形態の成形材料の供給装置1は、混合・混練した後で連続的にシート状にした成形材料2を搬送する搬送コンベア3と、搬送コンベア3の破砕機側端部4の上方に2本の押込みローラー5A、5Bとを備えている。押込みローラー5A、5Bは、その軸方向が搬送コンベア3の搬送方向に直交するように配設されており、回転自在であり且つ昇降自在となっている。搬送コンベア3の材質については、特に制限はなく、ゴム、金属等を使用できるが、ステンレススチール等の金属製とすると、品種の切替時に溶剤で搬送コンベア3を洗浄しても、溶剤で搬送コンベア3が劣化することがないため好ましい。
【0025】
そして、各押込みローラー5A、5Bは、断面形状が八角形であり、この八角形の各角部の位置に、押込みローラーの軸方向に平行である金属製の突条片6A、6Bを有している。押込みローラー5A、5Bの断面形状については、円形、多角形等任意の形状とすることができるが、前述したような成形材料のまきこみや滞留の問題を解消するためには、八角形以上の多角形であることが好ましい。
【0026】
また、突条片6A、6Bは、粗砕した成形材料2を突条片6A、6Bの側面7A、7Bで下流側に送り出す作用が発揮できれば、押込みローラー5A、5Bの軸方向全長にわたって形成してもよいし、適当な間隔を空けて複数形成されていてもよい。突条片6A、6Bを金属製としているのは、耐久性に優れるためであるが、突条片6A、6Bに使用する金属としては、ステンレススチールを用いることが、錆の発生を防止できるので好ましい。また、押込みローラー5A、5Bも、その全体を金属(好ましくはステンレススチール)で形成することが、耐久性の点で望ましい。
【0027】
突条片6A、6Bを押込みローラー5A、5Bから突出させる方向については、突条片6A、6Bの基部と押込みローラー5A、5Bの軸中心とを結ぶ線よりも、押込みローラー5A、5Bの回転方向側に傾斜するように突条片6A、6Bを突出させることが、粗砕した成形材料2を突条片6A、6Bの側面7A、7Bで下流側に送り出す作用が強まるので好ましい。
【0028】
本実施形態の成形材料の供給装置1では、押込みローラー5A、5Bを回転させながら、周期的に昇降させることにより、各押込みローラー5A、5Bと搬送コンベア3との間で、搬送コンベア3で搬送している成形材料2を粗砕して、粗砕した成形材料2を破砕機8に供給する。そして、押込みローラー5A、5Bを回転させることにより、粗砕した成形材料2を突条片6A、6Bの側面7A、7Bで下流側に送り出す。
【0029】
本実施形態の成形材料の供給装置1では、破砕機8は回転する軸に多数の回転刃9を設け、この回転刃9と固定刃10とで破砕する方式のものを示しているが、この他の方式(例えばシュレッダー型等)の破砕機に本願発明を適用することは可能である。また、図2、図3に示すように、破砕機8の固定刃10から延設している渡り板11を、破砕機8の固定刃10と搬送コンベア3の間に配置すると、渡り板11で搬送コンベア3と固定刃10との隙間を覆うので、破砕機8の固定刃10上に粗砕した成形材料2がスムーズに供給されるので好ましい。なお、破砕機8はカバー12を備えている。
【0030】
次に、各押込みローラー5A、5Bを駆動、支持、昇降させる機構について説明する。図1は、押込みローラー5A、5Bを支持、昇降させる機構の側面図、図4は、一方の押込みローラー5Aの昇降機構の側面図(図5のX−X線断面図)、図5は、一方の押込みローラー5Aの軸受け部の平面図である。
【0031】
各押込みローラー5A、5Bは、それぞれに付設したモーター(図示せず)で駆動することにより回転自在となっている。また、各押込みローラー5A、5Bの軸13A、13Bはそれぞれ軸受け部14A、14Bに回転自在に支持されている(図5では押込みローラー5Aの軸受け部14Aのみ示してある)。軸受け部14A、14Bは、荷重吸収型のエアーシリンダー15A、15Bを用いて昇降することで、昇降自在としている。各押込みローラー5A、5Bの回転運動や上下運動は、それぞれ独立して制御できるように制御部を構成しておくことが、成形材料2の種類によって、回転運動や上下運動の条件を設定することができるので好ましい。
【0032】
以下、押込みローラー5A側の軸受け部14Aとその支持、昇降機構を中心に述べるが、もう一方の押込みローラー5Bの軸受け部14Bとその支持、昇降機構についても同様な構造、動作を行うようになっている。
【0033】
図5に示すように、押込みローラ5Aの軸13Aを回転自在に支持する軸受け部14Aのローラー側の側面16からは一対の板状部17がローラー側に向けて突出形成されており、一対の板状部17から外側に向けて上下にそれぞれ一対のガイドローラー支持部18が取り付けられ、その先端にガイドローラー19がそれぞれ回転自在に取付支持されている。一方、押込みローラー5Aの軸受け部14Aの両横には、ガイドレール20を備えたガイド柱21が立設されている。上下それぞれ一対のガイドローラー19はガイドレール20と転動自在に係合している。各ガイド柱21は、ボルト締めに替えて上方にて溶接等により結合され、強度が維持されるようになっている。
【0034】
本実施形態の成形材料の供給装置1では、高さ調整手段として、エアーシリンダー15Aを用いるが、このエアーシリンダー15Aは、荷重吸収部(エアークッション:エアーシリンダーに付属)22Aを備え、押込みローラー5Aの昇降動作時に発生する荷重を吸収する構造となっている。エアーシリンダー15Aは基台23に固定されている。
【0035】
次に、本実施形態の成形材料の供給装置1の動作について述べる。
【0036】
2本ロール機等を用いて加熱・混練後に、シート状にした成形材料2を搬送コンベア3上に蛇行するように載せて冷却しつつ、破砕機8側に移動させる。昇降自在である2本の押込みローラー5A、5Bそれぞれについて下降させた際の高さを、成形材料2を粗砕可能となる高さに調整しておき、各押込みローラー5A、5Bを図2に示す矢印の方向に回転させながら、周期的に昇降させる。そうすると、搬送コンベア3上に載って移動してきた成形材料2は、まず上流側の押込みローラー5Aが下降した際に上流側の押込みローラー5Aと搬送コンベア3との間で粗砕される。なお、シート状にした成形材料2の厚みは3〜5mm程度であるので、付設しているモーターも含めてその自重が100kg以上ある押込みローラー5Aをある高さから降下させる動作によって、成形材料2の粗砕が達成できる。そして、上流側の押込みローラー5Aは回転しているため、粗砕した成形材料2を上流側の押込みローラー5Aが備える突条片6Aの側面7Aで下流側に送り出す。
【0037】
次いで、同様にして下流側の押込みローラー5Bの下方に搬送コンベア3上に載って移動してきた成形材料2を、下流側の押込みローラー5Aと搬送コンベア3との間で粗砕する。そして、下流側の押込みローラー5Bは回転しているため、下流側の押込みローラー5Bが備える突条片6Bの側面7Bで粗砕した成形材料2を下流側にある破砕機8に送り出して供給する。
【0038】
ここで、本実施形態の成形材料の供給装置1における押込みローラー5Aの昇降動作について述べる(押込みローラー5Bの昇降動作も同様である)。押込みローラー5Aの昇降は、図示しない制御部からの制御信号に基づいて、その軸13Aを支持する軸受け部14Aを昇降手段であるエアーシリンダー15Aのピストンが上下動することによって昇降できるようにしている。押込みローラー5Aを上昇させた場合の軸13Aの高さはエアーシリンダー15Aの動作で制御し、押込みローラー5Aを下降させた場合の軸13Aの高さも、エアーシリンダー15Aの動作で制御する。下降時に加わる荷重はエアーシリンダー15Aに設けられた荷重吸収部22Aによって吸収される。押込みローラー5Aの昇降動作時には、軸受け部14Aに付設された上下一対のガイドローラー19と一対のガイド柱21に設けられたガイドレール20が転動自在に係合してその昇降動作が案内される。この時、軸受け部14A及び押込みローラー5Aに付設された昇降案内部材は両端受けの形で支持されるため、荷重により昇降案内部材が破損したりするトラブルの発生が効果的に防止される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本願発明の一実施形態の供給装置における一方の押込みローラーの昇降案内機構の側面図である。
【図2】本願発明の一実施形態の供給装置を説明するための概略断面図である。
【図3】同上装置の概略平面図である。
【図4】押込みローラー6を支持、昇降させる機構の側面図である。
【図5】一方の押込みローラーの軸受け部の平面図である。
【図6】従来例の供給装置を説明するための概略断面図である。
【図7】同上装置の概略平面図である。
【図8】先に提案した供給装置を説明するための概略断面図である。
【図9】同上装置の概略平面図である。
【図10】同上装置における押込みローラーの昇降案内機構の説明図である。
【図11】同上装置における昇降案内機構の説明図である。
【符号の説明】
【0040】
1 供給装置
2 成形材料
3 搬送コンベア
4 搬送コンベアの破砕機側端部
5A、5B 押込みローラー
6A、6B 突条片
7A、7B 側面
8 破砕機
9 回転刃
10 固定刃
11 渡り板
12 カバー
13A、13B 軸
14A、14B 軸受け部
15A、15B エアーシリンダー
16 側面
17 板状部
18 ガイドローラー支持部
19 ガイドローラー
20 ガイドレール
21 ガイド柱
22A、22B 荷重吸収部
23 基台
【技術分野】
【0001】
本願発明は、混練後にシート状にした成形材料を、破砕機で破砕して粉体状にするために、破砕すべき成形材料を破砕機へ送りこむ破砕機への成形材料の供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フェノール樹脂成形材料や、メラミン樹脂成形材料等の熱硬化性樹脂成形材料が、電気絶縁部品等の用途に広く用いられている。これらの樹脂成形材料は、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂に、ガラス繊維等の無機充填材や、木粉、パルプ等の有機充填材等を配合して、均一に混合・混練して製造される。そして、樹脂成形材料は、各種形状の成形品を製造可能とするために粉体状やペレット状に加工して供給されている。
【0003】
この粉体状の成形材料を製造する方法として、2本ロール機等を用いて各種原料を加熱して混合・混練すると共に連続的にシート状にし、このシート状にした成形材料を破砕機を用いて粉体状にすることが行われている。その場合、混合・混練を終えた後、シート状にした成形材料を、搬送コンベアで冷却しつつ搬送し、次いで破砕機で安定して破砕するためには、破砕機の破砕が行われる位置にシート状成形材料を押込むように供給することが必要である。
【0004】
従来の破砕機への成形材料の供給装置では、図6の断面図、図7の平面図に示すように、成形材料51を支持して破砕機52に供給する働きをする押込み手段として、搬送コンベア53上に、押込み用ベルトコンベア54を備えているものがあった。この場合、搬送コンベア53と押込み用ベルトコンベア54の間に成形材料51を挟み込んで、支持しながら破砕機52へ供給するようになっている。そして、成形材料51を確実に支持(保持)した状態で、破砕が行われる位置に供給するために、押込み用ベルトコンベア54はゴム製ベルトを使用することが一般的であった。
【0005】
ところが、上記の従来の成形材料の供給装置では、押込み用ベルトコンベア54にゴム製ベルトを使用しているために、連続運転した場合、ゴム製ベルトからクズ等が発生し、製品中に異物として混入するという問題があった。押込み用ベルトコンベア54の材質を金属にすると、成形材料51を押圧して支持していても、成形材料51が滑るために搬送コンベア53と押込み用ベルトコンベア54の間で成形材料51を保持する力が弱く、破砕機52に成形材料51がシート状のままでまきつくという別の問題が生じるため、ベルト材質を金属にすることが困難であった。
【0006】
そこで、本願の発明者は、検討を重ねた結果、搬送コンベアで搬送してきた破砕すべき成形材料を確実に支持しながら、破砕機に供給する働きをする成形材料の供給装置を提案した(特許文献1)。この供給装置は、図8の断面図、図9の平面図に示すように、破砕すべき成形材料61を搬送する搬送コンベア62と、成形材料61をこの搬送コンベア62又は渡り板63との間で挟み込んで送り出す回転自在な2本の押込みローラー64A、64Bを備え、これら2本の押込みローラー64A、64Bの断面形状が六角形であり、その六角形の角部の位置に配置され、押込みローラー64A、64Bの軸方向に平行である金属製の突条片65A、65Bを有していて回転自在であり且つ昇降自在となっている。また、破砕機66は回転刃67と固定刃68を備えている。
【0007】
ここで、上記の成形材料の供給装置における押込みローラー64A、64Bの高さ調整と、昇降自在とする構造について、下流側の押込みローラー64Bのみを示している図10(a)、(b)を用いてさらに説明する。
【0008】
図10(a)は、押込みローラー64Bを上昇させている状態を示し、図10(b)は押込みローラー64Bを下降させている状態を示している。このように、押込みローラー64Bは、その軸69Bを支持する軸受け部70Bを昇降手段であるエアーシリンダー71Bのピストン72Bによって昇降できるようにしている。なお、エアーシリンダー71Bは基台73Bに固定されていて、制御部(図示せず)からの信号でピストン72Bを動かすようにしている。押込みローラー64Bを上昇させた場合の軸69Bの高さはエアーシリンダー71Bの動作で制御し、押込みローラー64Bを下降させた場合の軸69Bの高さは、高さ調整手段で制御する。この高さ調整手段は、押込みローラー64Bの軸69Bを支持する軸受け部70Bに固定しているロッド74Bに移動自在に設けている高さ調整プレート75Bと、基台73B上に配設されて、その内側をロッド74Bが貫通している圧縮バネ76Bとで形成されている。なお、基台73Bは押込みローラー64B全体を支持している支持台77(図11)に取付けている。ロッド74Bに螺着され、高さ調整プレート75Bを固着しているナット78Bの位置を調整することによって、高さ調整プレート75Bをロッド74Bの所望位置に移動させて固定できるようにしている。
【0009】
そして、図10(a)に示すように押込みローラー64Bが上昇している状態では、高さ調整プレート75Bは圧縮バネ76Bから離れた位置にあるが、図10(b)に示すように押込みローラー64Bを下降させたときは、圧縮バネ76Bに当接して、押込みローラー64Bの軸69Bの高さを所望の高さに調整できるようにしている。このように、この例では、押込みローラー64Bの軸69Bの高さを、高さ調整手段で調整することによって、所望の高さに調整できるようになっていて、成形材料61の厚さに応じて搬送コンベヤ62の搬送面と押込みローラー64Bの隙間を調整することができる。なお、上流側の押込みローラー64Aについても、同様にしてその軸の高さを、高さ調整手段で調整することによって、所望の高さに調整できるようになっていて、シート状の成形材料61の厚さに応じて搬送コンベヤ62の搬送面と上流側の押込みローラー64Aの隙間を調整することができる。
【0010】
また、上記の供給装置における各押込みローラー64A、64Bを昇降させる際の昇降案内手段としては、図11に示すスライドシャフト式案内手段を用いる。すなわち、押込みローラー64A、64Bを支持している支持台77に立設したスライドシャフト79A、79Bによって、押込みローラーの64A、64Bの軸受け部70A、70Bに付設したスライド部80A、80Bを案内する。
【0011】
なお、上記の供給装置においては、押込みローラーで成形材料を粗砕して破砕機へ供給する場合に、破砕機側に近い押込みローラーと破砕機との間に供給された粗砕した成形材料が破砕機へ押込まれずに滞留するという問題が生ずることが判明したが、この問題は、本願の発明者の検討により、押込みローラーの断面形状を八角形以上とすることで解決した(特許文献2)。
【特許文献1】特開2002−282726号公報
【特許文献2】特開2003−340311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記の成形材料の供給装置では、各押込みローラー64A、64Bを昇降させる際の昇降案内手段として、スライドシャフト式案内手段を用いているが、押込みローラー64A、64Bは付設しているモーターも含めて例えば100kg以上の自重を有しているため、スライドシャフト79A、79Bに過度の負荷が加わり、破損するという問題があった。
【0013】
また、上記の成形材料の供給装置では、各押込みローラー64A、64Bの昇降の制御を、エアーシリンダー71A、71Bと、ロッド74A、74B、高さ調整プレート75A、75B及び圧縮バネ76A、76Bよりなる高さ調整手段とにより行っていたが、部品点数が多く、さらにコンパクトな構造のものが要望されていた。
【0014】
そこで、本願発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたもので、押込みローラーの荷重による装置破損を効果的に防止しつつ押込みローラーの昇降案内をスムーズに行うことができる破砕機への成形材料の供給装置を提供することを課題とする。
【0015】
また、本願発明は、部品点数を削減でき、よりコンパクトの構造で押込みローラーの昇降動作を行うことができる破砕機への成形材料の供給装置を提供することを別の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願発明の破砕機への成形材料の供給装置は、上記課題を解決するため、第1には、破砕すべき成形材料を搬送する搬送コンベアと、搬送コンベアの破砕機側端部の上方に、その軸方向が搬送コンベアの搬送方向に直交するように配設され、回転自在であり且つ昇降自在な押込みローラーを備え、押込みローラーを回転させながら、昇降させることにより、押込みローラーと搬送コンベアの間で、搬送コンベアで搬送している成形材料を粗砕し、その粗砕した成形材料を破砕機に供給する破砕機への成形材料の供給装置であって、押込みローラーの軸を回転自在に支持する軸受け部と、軸受け部を介して押込みローラーの高さ位置を調整する高さ調整手段と、押込みローラーの昇降の際に押込みローラーの昇降を案内する昇降案内手段を備え、昇降案内手段が、軸受け部の両側方に付設されている少なくとも一対のガイドローラーと、押込みローラーを支持する支持台上に離間して立設され、軸受け部に設けられた少なくとも一対のガイドローラーとそれぞれ転動自在に係合するガイドレールを有する一対のガイド柱よりなることを特徴とする。
【0017】
また、第2には、上記第1の発明において、押込みローラーを搬送コンベアの上方に2本備えていることを特徴とする。
【0018】
また、第3には、上記第1又は第2の発明において、押込みローラーは、その断面形状が八角形以上の多角形であり、多角形の各角部の位置に押込みローラーの軸方向に平行な金属製の突条片を備えることを特徴とする。
【0019】
さらに、第4には、上記第1から第3のいずれかの発明において、高さ調整手段が、荷重吸収型のエアーシリンダーであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本願請求項1及び請求項2の発明によれば、押込みローラーの荷重による装置破損を効果的に防止しつつ押込みローラーの昇降案内をスムーズに行うことができる破砕機への成形材料の供給装置を提供することが可能となる。
【0021】
本願請求項3の発明によれば、破砕工程の次の工程へ破砕済みの成形材料を安定して供給することが可能となる。
【0022】
本願請求項4の発明によれば、押込みローラーの昇降動作時に発生する荷重をエアシリンダーが吸収するので、ロッド、高さ調整プレート及び圧縮バネよりなる高さ調整部材が不要となり、装置のコンパクト化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本願発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
【0024】
図2、図3は、本願発明の一実施形態に係る破砕機への成形材料の供給装置の構造をそれぞれ断面図、平面図で模式的に示したものである。本実施形態の成形材料の供給装置1は、混合・混練した後で連続的にシート状にした成形材料2を搬送する搬送コンベア3と、搬送コンベア3の破砕機側端部4の上方に2本の押込みローラー5A、5Bとを備えている。押込みローラー5A、5Bは、その軸方向が搬送コンベア3の搬送方向に直交するように配設されており、回転自在であり且つ昇降自在となっている。搬送コンベア3の材質については、特に制限はなく、ゴム、金属等を使用できるが、ステンレススチール等の金属製とすると、品種の切替時に溶剤で搬送コンベア3を洗浄しても、溶剤で搬送コンベア3が劣化することがないため好ましい。
【0025】
そして、各押込みローラー5A、5Bは、断面形状が八角形であり、この八角形の各角部の位置に、押込みローラーの軸方向に平行である金属製の突条片6A、6Bを有している。押込みローラー5A、5Bの断面形状については、円形、多角形等任意の形状とすることができるが、前述したような成形材料のまきこみや滞留の問題を解消するためには、八角形以上の多角形であることが好ましい。
【0026】
また、突条片6A、6Bは、粗砕した成形材料2を突条片6A、6Bの側面7A、7Bで下流側に送り出す作用が発揮できれば、押込みローラー5A、5Bの軸方向全長にわたって形成してもよいし、適当な間隔を空けて複数形成されていてもよい。突条片6A、6Bを金属製としているのは、耐久性に優れるためであるが、突条片6A、6Bに使用する金属としては、ステンレススチールを用いることが、錆の発生を防止できるので好ましい。また、押込みローラー5A、5Bも、その全体を金属(好ましくはステンレススチール)で形成することが、耐久性の点で望ましい。
【0027】
突条片6A、6Bを押込みローラー5A、5Bから突出させる方向については、突条片6A、6Bの基部と押込みローラー5A、5Bの軸中心とを結ぶ線よりも、押込みローラー5A、5Bの回転方向側に傾斜するように突条片6A、6Bを突出させることが、粗砕した成形材料2を突条片6A、6Bの側面7A、7Bで下流側に送り出す作用が強まるので好ましい。
【0028】
本実施形態の成形材料の供給装置1では、押込みローラー5A、5Bを回転させながら、周期的に昇降させることにより、各押込みローラー5A、5Bと搬送コンベア3との間で、搬送コンベア3で搬送している成形材料2を粗砕して、粗砕した成形材料2を破砕機8に供給する。そして、押込みローラー5A、5Bを回転させることにより、粗砕した成形材料2を突条片6A、6Bの側面7A、7Bで下流側に送り出す。
【0029】
本実施形態の成形材料の供給装置1では、破砕機8は回転する軸に多数の回転刃9を設け、この回転刃9と固定刃10とで破砕する方式のものを示しているが、この他の方式(例えばシュレッダー型等)の破砕機に本願発明を適用することは可能である。また、図2、図3に示すように、破砕機8の固定刃10から延設している渡り板11を、破砕機8の固定刃10と搬送コンベア3の間に配置すると、渡り板11で搬送コンベア3と固定刃10との隙間を覆うので、破砕機8の固定刃10上に粗砕した成形材料2がスムーズに供給されるので好ましい。なお、破砕機8はカバー12を備えている。
【0030】
次に、各押込みローラー5A、5Bを駆動、支持、昇降させる機構について説明する。図1は、押込みローラー5A、5Bを支持、昇降させる機構の側面図、図4は、一方の押込みローラー5Aの昇降機構の側面図(図5のX−X線断面図)、図5は、一方の押込みローラー5Aの軸受け部の平面図である。
【0031】
各押込みローラー5A、5Bは、それぞれに付設したモーター(図示せず)で駆動することにより回転自在となっている。また、各押込みローラー5A、5Bの軸13A、13Bはそれぞれ軸受け部14A、14Bに回転自在に支持されている(図5では押込みローラー5Aの軸受け部14Aのみ示してある)。軸受け部14A、14Bは、荷重吸収型のエアーシリンダー15A、15Bを用いて昇降することで、昇降自在としている。各押込みローラー5A、5Bの回転運動や上下運動は、それぞれ独立して制御できるように制御部を構成しておくことが、成形材料2の種類によって、回転運動や上下運動の条件を設定することができるので好ましい。
【0032】
以下、押込みローラー5A側の軸受け部14Aとその支持、昇降機構を中心に述べるが、もう一方の押込みローラー5Bの軸受け部14Bとその支持、昇降機構についても同様な構造、動作を行うようになっている。
【0033】
図5に示すように、押込みローラ5Aの軸13Aを回転自在に支持する軸受け部14Aのローラー側の側面16からは一対の板状部17がローラー側に向けて突出形成されており、一対の板状部17から外側に向けて上下にそれぞれ一対のガイドローラー支持部18が取り付けられ、その先端にガイドローラー19がそれぞれ回転自在に取付支持されている。一方、押込みローラー5Aの軸受け部14Aの両横には、ガイドレール20を備えたガイド柱21が立設されている。上下それぞれ一対のガイドローラー19はガイドレール20と転動自在に係合している。各ガイド柱21は、ボルト締めに替えて上方にて溶接等により結合され、強度が維持されるようになっている。
【0034】
本実施形態の成形材料の供給装置1では、高さ調整手段として、エアーシリンダー15Aを用いるが、このエアーシリンダー15Aは、荷重吸収部(エアークッション:エアーシリンダーに付属)22Aを備え、押込みローラー5Aの昇降動作時に発生する荷重を吸収する構造となっている。エアーシリンダー15Aは基台23に固定されている。
【0035】
次に、本実施形態の成形材料の供給装置1の動作について述べる。
【0036】
2本ロール機等を用いて加熱・混練後に、シート状にした成形材料2を搬送コンベア3上に蛇行するように載せて冷却しつつ、破砕機8側に移動させる。昇降自在である2本の押込みローラー5A、5Bそれぞれについて下降させた際の高さを、成形材料2を粗砕可能となる高さに調整しておき、各押込みローラー5A、5Bを図2に示す矢印の方向に回転させながら、周期的に昇降させる。そうすると、搬送コンベア3上に載って移動してきた成形材料2は、まず上流側の押込みローラー5Aが下降した際に上流側の押込みローラー5Aと搬送コンベア3との間で粗砕される。なお、シート状にした成形材料2の厚みは3〜5mm程度であるので、付設しているモーターも含めてその自重が100kg以上ある押込みローラー5Aをある高さから降下させる動作によって、成形材料2の粗砕が達成できる。そして、上流側の押込みローラー5Aは回転しているため、粗砕した成形材料2を上流側の押込みローラー5Aが備える突条片6Aの側面7Aで下流側に送り出す。
【0037】
次いで、同様にして下流側の押込みローラー5Bの下方に搬送コンベア3上に載って移動してきた成形材料2を、下流側の押込みローラー5Aと搬送コンベア3との間で粗砕する。そして、下流側の押込みローラー5Bは回転しているため、下流側の押込みローラー5Bが備える突条片6Bの側面7Bで粗砕した成形材料2を下流側にある破砕機8に送り出して供給する。
【0038】
ここで、本実施形態の成形材料の供給装置1における押込みローラー5Aの昇降動作について述べる(押込みローラー5Bの昇降動作も同様である)。押込みローラー5Aの昇降は、図示しない制御部からの制御信号に基づいて、その軸13Aを支持する軸受け部14Aを昇降手段であるエアーシリンダー15Aのピストンが上下動することによって昇降できるようにしている。押込みローラー5Aを上昇させた場合の軸13Aの高さはエアーシリンダー15Aの動作で制御し、押込みローラー5Aを下降させた場合の軸13Aの高さも、エアーシリンダー15Aの動作で制御する。下降時に加わる荷重はエアーシリンダー15Aに設けられた荷重吸収部22Aによって吸収される。押込みローラー5Aの昇降動作時には、軸受け部14Aに付設された上下一対のガイドローラー19と一対のガイド柱21に設けられたガイドレール20が転動自在に係合してその昇降動作が案内される。この時、軸受け部14A及び押込みローラー5Aに付設された昇降案内部材は両端受けの形で支持されるため、荷重により昇降案内部材が破損したりするトラブルの発生が効果的に防止される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本願発明の一実施形態の供給装置における一方の押込みローラーの昇降案内機構の側面図である。
【図2】本願発明の一実施形態の供給装置を説明するための概略断面図である。
【図3】同上装置の概略平面図である。
【図4】押込みローラー6を支持、昇降させる機構の側面図である。
【図5】一方の押込みローラーの軸受け部の平面図である。
【図6】従来例の供給装置を説明するための概略断面図である。
【図7】同上装置の概略平面図である。
【図8】先に提案した供給装置を説明するための概略断面図である。
【図9】同上装置の概略平面図である。
【図10】同上装置における押込みローラーの昇降案内機構の説明図である。
【図11】同上装置における昇降案内機構の説明図である。
【符号の説明】
【0040】
1 供給装置
2 成形材料
3 搬送コンベア
4 搬送コンベアの破砕機側端部
5A、5B 押込みローラー
6A、6B 突条片
7A、7B 側面
8 破砕機
9 回転刃
10 固定刃
11 渡り板
12 カバー
13A、13B 軸
14A、14B 軸受け部
15A、15B エアーシリンダー
16 側面
17 板状部
18 ガイドローラー支持部
19 ガイドローラー
20 ガイドレール
21 ガイド柱
22A、22B 荷重吸収部
23 基台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
破砕すべき成形材料を搬送する搬送コンベアと、搬送コンベアの破砕機側端部の上方に、その軸方向が搬送コンベアの搬送方向に直交するように配設され、回転自在であり且つ昇降自在な押込みローラーを備え、押込みローラーを回転させながら、昇降させることにより、押込みローラーと搬送コンベアの間で、搬送コンベアで搬送している成形材料を粗砕し、その粗砕した成形材料を破砕機に供給する破砕機への成形材料の供給装置であって、押込みローラーの軸を回転自在に支持する軸受け部と、軸受け部を介して押込みローラーの高さ位置を調整する高さ調整手段と、押込みローラーの昇降の際に押込みローラーの昇降を案内する昇降案内手段を備え、昇降案内手段が、軸受け部の両側方に付設されている少なくとも一対のガイドローラーと、押込みローラーを支持する支持台上に離間して立設され、軸受け部に設けられた少なくとも一対のガイドローラーとそれぞれ転動自在に係合するガイドレールを有する一対のガイド柱よりなることを特徴とする破砕機への成形材料の供給装置。
【請求項2】
押込みローラーを搬送コンベアの上方に2本備えていることを特徴とする請求項1記載の破砕機への成形材料の供給装置。
【請求項3】
押込みローラーは、その断面形状が八角形以上の多角形であり、多角形の各角部の位置に押込みローラーの軸方向に平行な金属製の突条片を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の破砕機への成形材料の供給装置。
【請求項4】
高さ調整手段が、荷重吸収型のエアーシリンダーであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の破砕機への成形材料の供給装置。
【請求項1】
破砕すべき成形材料を搬送する搬送コンベアと、搬送コンベアの破砕機側端部の上方に、その軸方向が搬送コンベアの搬送方向に直交するように配設され、回転自在であり且つ昇降自在な押込みローラーを備え、押込みローラーを回転させながら、昇降させることにより、押込みローラーと搬送コンベアの間で、搬送コンベアで搬送している成形材料を粗砕し、その粗砕した成形材料を破砕機に供給する破砕機への成形材料の供給装置であって、押込みローラーの軸を回転自在に支持する軸受け部と、軸受け部を介して押込みローラーの高さ位置を調整する高さ調整手段と、押込みローラーの昇降の際に押込みローラーの昇降を案内する昇降案内手段を備え、昇降案内手段が、軸受け部の両側方に付設されている少なくとも一対のガイドローラーと、押込みローラーを支持する支持台上に離間して立設され、軸受け部に設けられた少なくとも一対のガイドローラーとそれぞれ転動自在に係合するガイドレールを有する一対のガイド柱よりなることを特徴とする破砕機への成形材料の供給装置。
【請求項2】
押込みローラーを搬送コンベアの上方に2本備えていることを特徴とする請求項1記載の破砕機への成形材料の供給装置。
【請求項3】
押込みローラーは、その断面形状が八角形以上の多角形であり、多角形の各角部の位置に押込みローラーの軸方向に平行な金属製の突条片を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の破砕機への成形材料の供給装置。
【請求項4】
高さ調整手段が、荷重吸収型のエアーシリンダーであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の破砕機への成形材料の供給装置。
【図1】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図5】
【図9】
【図10】
【図11】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図5】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−54760(P2007−54760A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−244764(P2005−244764)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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