説明

破砕機

【課題】スクリーンに付着した木材チップを破砕ロータで生起させた風により除去する清掃と、木材破砕時の騒音や破砕ロータの損傷の低減とを両立できる破砕機の提供。
【解決手段】破砕ロータモータ70は可変容量機構部71を有し、この可変容量機構部71のコントロールピストン72と容量制御弁76は連動する。切換弁81は管路85,87を連通させ容量制御弁76にパイロット圧を作用させないようにする初期位置81dと、パイロット管路86,87を連通させ容量制御弁76にパイロット圧を作用させる作動位置81eとに選択的に切換可能である。パイロット圧が作用した状態の容量制御弁76は、破砕ロータ13の容量を増加させる方向の可変容量機構部71の動作を規制する。破砕ロータ13の回転速度の上限は切換弁81の初期位置81dのとき破砕に適した第1上限に設定され、作動位置81eのとき清掃に適した第2上限(>第1上限)に設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間伐材や廃木材等の木材を破砕して木材チップを生成する破砕機に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、この種の破砕機は破砕室を備えている。この破砕室には破砕ロータが回転自在に設けられている。この破砕ロータの外周面には多数のカッタービットが突出して設けられている。破砕ロータの外周側には、破砕室の壁面の一部を形成しているスクリーンが配置されている。破砕室に差し入れられた木材は、回転中の破砕ロータのカッタービットにより打撃破砕されて木材チップとなり、スクリーンを通過して破砕室の外部に排出される。
【0003】
木材チップの水分の含有量が多いと、木材チップはスクリーンに付着してスクリーンの目詰まりの原因となる。従来、破砕ロータの外周面にはウイングが突出して設けられていて、破砕ロータの回転中、そのウイングによって生起された風により、スクリーンに付着した木材チップが吹き飛ばされて除去されるようになっている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−117421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、従来の破砕機は、スクリーンに付着した木材チップを風により除去するようになっている。当然、その風の風量が多いほど、スクリーンに付着した木材チップを除去する効果を得ることができる。十分な効果を得るためには、破砕ロータの回転速度を必要以上に大きくする必要がある。
【0006】
そこで、木材の破砕に十分な回転速度よりも大きくなるよう破砕ロータを駆動した場合、スクリーンに付着した木材チップの除去に効果的な風量を得ることはできるようになるものの、木材がカッタービットに接触したときの衝撃力が大きくなるため、木材の破砕に伴う騒音が大きくなるという問題が生じる。また、破砕ロータに供給される木材としての廃木材が、釘等の金属部材を取り除かれないまま破砕ロータに供給された場合のように、木材よりも硬い異物が破砕ロータに供給されてしまった場合、その硬い異物がカッタービットに接触したときの衝撃力も大きくなるため、破砕ロータが損傷しやすくなるという問題も生じる。
【0007】
本発明は前述の事情を考慮してなされたものであり、その目的は、スクリーンに付着した木材チップを破砕ロータで生起させた風により除去する清掃と、木材破砕時における騒音や破砕ロータの損傷の低減とを両立させることができる破砕機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
【0009】
〔1〕 本発明は、破砕室と、この破砕室内に回転自在に設けられ、外周面にカッタービットおよびウイングを有する破砕ロータと、この破砕ロータの外周側における前記破砕室の壁面の一部を形成していて、目開きにより規定した粒度以下の木材チップを前記破砕室の外部に導くスクリーンと、前記破砕室の外部から前記破砕ロータに木材を供給する供給装置とを備えていて、前記破砕ロータの回転により生じる風を利用して、前記スクリーンに付着した木材チップを除去する破砕機において、前記破砕ロータを駆動する油圧モータと、この油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプとを備えていて、これら油圧モータおよび油圧ポンプの少なくとも一方が可変容量型であり、前記油圧モータの容量のみの変更、前記油圧ポンプの容量のみの変更、もしくは前記油圧モータの容量と前記油圧ポンプの容量との両方の変更のいずれかによって、前記破砕ロータの回転速度の上限を、予め設定された第1上限および第2上限のいずれか一方に選択的に切り換える切換手段が設けられていて、前記第1上限は木材の破砕に適した回転速度の上限として予め設定されたものであり、前記第2上限は前記スクリーンに付着した木材チップを除去するのに効果的な風量の風が生起されるよう前記第1上限よりも大きく予め設定されたものであることを特徴とする。
【0010】
この「〔1〕」に記載の本発明によれば、破砕ロータの回転速度の上限が、切換手段によって第1上限に切り換えられた状態において、破砕ロータは木材の破砕に適した回転速度で木材を破砕する。また、破砕ロータの回転速度の上限が、切換手段によって第2上限に切り換えられた状態において、破砕ロータはスクリーンに付着した木材チップの除去に効果的な風量の風を生起させて回転する。これらにより、スクリーンに付着した木材チップを破砕ロータで生起させた風により除去する清掃と、木材破砕時における騒音や破砕ロータの損傷の低減とを両立させることができる。
【0011】
〔2〕 本発明は「〔1〕」に記載の破砕機において、前記油圧モータは容量を可変にする油圧操作式の可変容量機構部を備えた可変容量型油圧モータであり、前記切換手段は前記第1上限および前記第2上限の切換えに際して前記油圧モータもしくは前記油圧ポンプのうち前記油圧モータの容量のみを変更するものであり、その容量の変更のために、前記可変容量機構部と連動する油圧操作式の容量制御弁と、この容量制御弁にパイロット圧を作用させる規制時通路と前記パイロット圧を作用させない非規制時通路を選択的に形成する切換弁と、前記切換弁を操作する操作手段とを備えていて、前記パイロット圧による前記容量制御弁の動作方向は前記油圧モータの容量を増加させる前記可変容量機構部の動作を規制する方向であり、前記切換弁は前記非規制通路を形成する弁位置を初期位置とし、前記規制通路を形成する弁位置を作動位置として前記初期位置に自己復帰するものであり、前記油圧モータの容量は前記切換弁の弁位置が前記初期位置であることに伴って前記第1上限を規定する容量に設定され、前記切換弁の弁位置が前記作動位置であることに伴って前記第2上限を規定する容量に設定されることを特徴とする。
【0012】
〔3〕 本発明は「〔2〕」に記載の破砕機において、手動操作によりクリーニング指令信号を出力するクリーニング指令手段が設けられ、前記操作手段は前記クリーニング指令手段からのクリーニング指令信号の入力を契機に、前記切換弁の弁位置を前記作動位置に切り換えるよう設定されていることを特徴とする。
【0013】
この「〔3〕」に記載の本発明は、クリーニング指令手段を手動操作することによって、スクリーンに付着した木材チップを除去するのに効果的な風量の風が生起される回転速度で破砕ロータを回転させることができる。これにより、任意のときに破砕機にスクリーンの清掃を行わせることができる。
【0014】
〔4〕 本発明は「〔3〕」に記載の破砕機において、前記破砕ロータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記回転速度検出手段による検出回転速度が前記第1上限を超えた状態において、前記供給装置に前記破砕ロータへの木材の供給を行わせないようにするクリーニング対応制御を行う制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0015】
この「〔4〕」に記載された本発明においては、検出回転速度が第1上限を超えた状態において、制御手段は供給装置に破砕ロータへの木材の供給を行わせない。破砕ロータの回転速度が第1上限を超えるのは、破砕ロータの回転速度の上限が第2上限のとき、すなわち、スクリーンの清掃に効果的な風量の風が生起される回転速度で破砕ロータを回転させるときである。つまり、「〔4〕」に記載された本発明によれば、スクリーンの清掃に効果的な風量の風が生起される回転速度で破砕ロータを回転させるときに、木材や木材と混合した異物が破砕されて破砕ロータが損傷する事態を確実に防止することができる。
【0016】
〔5〕 本発明は「〔2〕」に記載の破砕機において、手動操作により断続クリーニング指令信号を出力する断続クリーニング指令手段が設けられ、前記操作手段は前記断続クリーニング指令手段からの断続クリーニング指令信号の入力を契機に、まず前記切換弁の弁位置を前記作動位置に切り換え、次に前記作動位置を一時的に保持し、最後に前記切換弁の弁位置を前記作動位置から前記初期位置に自己復帰させるクリーニング制御を断続的に行い、前記破砕ロータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記クリーニング制御に対応した前記供給装置の制御を行う制御手段とが設けられていて、前記制御手段は前記クリーニング制御が開始される前に、前記供給装置に前記破砕ロータへの木材の供給を行わせないようにし、その後、前記回転速度検出手段による検出回転速度が前記第2上限から前記第1上限と同値の回転速度に低下することが検知されるまでの間、前記供給装置に前記破砕ロータへの木材の供給を行わせない状態を保持するよう設定されていることを特徴とする。
【0017】
この「〔5〕」に記載の本発明においては、断続クリーニング指令手段が手動操作されて断続クリーニング指令信号を出力すると、回転制御手段はその断続クリーニング指令信号を入力し、この入力を契機にクリーニング制御を断続的に行う。制御手段は、断続するクリーニング制御のそれぞれが開始される前に、供給装置に破砕ロータへの木材の供給を行わせないようにし、その後、回転速度検出手段による検出回転速度が第2上限から第1上限と同値の回転速度に低下することが検知されるまでの間、供給装置に破砕ロータへの木材の供給を行わせない状態を保持する。これにより、断続的に行われるクリーニング制御のそれぞれの度に、木材や異物が破砕されることを確実に防止することができる。つまり、「〔5〕」に記載の発明によれば、破砕機に木材の破砕とスクリーンの清掃を自動的に交互に繰り返させることがきる。
【0018】
〔6〕 本発明は「〔5〕」に記載の破砕機において、前記制御手段は、木材の破砕作業の際、前記検出回転速度が前記第1上限よりも小さい回転速度範囲における最大回転速度のときに前記供給装置に前記破砕ロータへの木材の供給を行わせ、前記検出回転速度が前記回転速度範囲における最小回転速度のときに前記供給装置に前記破砕ロータへの木材の供給を停止させ、前記操作手段は、前記クリーニング制御の直前における前記最小回転速度から前記最大回転速度への復帰時間が長いほど、前記クリーニング制御において前記切換弁の弁位置を前記作動位置に保持する時間を長くするよう設定されていることを特徴とする。
【0019】
最小回転速度から最大回転速度への復帰時間は、スクリーンの目詰まりの度合い大きいほど長くなる。つまり、「〔7〕」に記載の本発明によれば、スクリーンの目詰まりの度合いが大きいほど、クリーニング制御において切換弁の弁位置を作動位置に保持する時間を、すなわち、スクリーンに付着した木材チップを風により除去する時間を、自動的に長くすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、前述したように、木材の破砕時の騒音や破砕ロータの損傷の低減と、スクリーンに付着した木材チップの風による除去とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る自走式破砕機を左前方斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る破砕機の左側面を、その中央部を破断して示す図である。
【図3】図2に示したスクリーンを左前方斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図4】図2に示した破砕ロータを駆動する油圧駆動回路と、この油圧駆動回路中の破砕ロータモータのレギュレータを操作して破砕ロータモータの回転速度の上限を切り換える油圧操作回路とを示す油圧回路図である。
【図5】図4に示した油圧駆動回路中の方向切換弁の操作手段、油圧操作回路中の切換弁の操作手段、図2に示した投入フィーダのコンベアベルトおよび圧縮ローラを駆動する油圧駆動回路に含まれる投入フィーダ制御弁および圧縮ローラ制御弁のそれぞれの操作手段を示すブロック図である。
【図6】破砕作業時における破砕ロータの回転速度の変化の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態に係る破砕機について図1〜図6を用いて説明する。
【0023】
図1,図2に示すように、自走式破砕機1は自走のための走行体2を備えている。この走行体2は左右に並列して設けられ、対を成している。走行体2はトラックフレーム3と、このトラックフレーム3に設けられた駆動輪4および従動輪5と、駆動輪4と従動輪5に掛け回された履帯6とを備えていて、駆動輪4が走行モータ7(油圧モータ)の動力で駆動されることにより走行する。
【0024】
走行体2の上方には、ベースフレーム8が前後方向に延びて位置する。ベースフレーム8はトラックフレーム3に固着されていて、その後端において破砕装置10を支持している。この破砕装置10は、内部に破砕室12を形成している筐体部11と、破砕室12内に回転自在に設けられた破砕ロータ13とを備えている。破砕ロータ13の外周側における破砕室12の壁面の一部、例えば破砕ロータ13の後側の壁面の一部は、スクリーン14により形成されている。破砕室12内において生成された木材チップのうち、スクリーン14の目開きにより規定された粒度以下の木材チップが、破砕室12の後側に排出されることになる。
【0025】
破砕ロータ13は、外周面に複数のカッタービット13aを有する。破砕室12の前面には、木材の供給口12aが設けられていて、この供給口12aから挿入されてきた木材を、カッタービット13aが破砕することになる。また、破砕ロータ13の外周面には、破砕ロータ13の回転時に風が生じやすくするためのウイング13bが設けられている。破砕ロータ13は、油圧モータからなる破砕ロータモータ70(図4に示す)を駆動源としている。
【0026】
スクリーン14は、図3に示すように、後側の壁面の一部を形成している湾曲板部14aを有する。この湾曲板部14aには、木材チップの粒度を規定する目開き14b(孔)が多数形成されている。
【0027】
ベースフレーム8は破砕装置10よりも前方において供給装置20を支持している。この供給装置20は、ベースフレーム8の前端から破砕室12に向かって延びた投入フィーダ21と、この投入フィーダ21の後端部に配置された圧縮ローラ23とを備えている。投入フィーダ21はプレートコンベアであり、左右方向に長細い金属製の板部材が前後方向に多数、無端状に連結されて形成されたコンベアプレート22を有する。圧縮ローラ23は、左右で対を成した揺動アーム24の下端に回転可能に設けられている。左右の揺動アーム24は互いの上端部において軸棒25を介し連結されていて、この軸棒25は破砕室12の前方斜め上方において軸心周りに回動自在に支持されている。つまり、圧縮ローラ23は、コンベアプレート22の後端部の上面に対して近づいたり離れたりする方向に揺動自在に、破砕装置10の筐体部11に支持されている。
【0028】
投入フィーダ21のコンベアプレート22は、図示してない投入フィーダモータ(油圧モータ)を駆動源としていて、コンベアプレート22の上面が破砕室12の方向(後方向)に移動するよう駆動される。圧縮ローラ23は、図示してない圧縮ローラモータ(油圧モータ)を駆動源としていて、下側に位置した圧縮ローラ23の外周面の部分が破砕室12側から上側に移動する方向、すなわち図2において圧縮ローラ23が反時計回りに回転するよう駆動される。
【0029】
ベースフレーム8は破砕装置10よりも前方においてホッパ26も支持している。このホッパ26は、コンベアプレート22の左右両側方において起立し前後方向に延びて位置した1対の側板27A,27Bから構成されている。
【0030】
破砕装置10の後部下方からは、排出コンベア30が後斜め上方に向かって延びている。この排出コンベア30は樹脂製のコンベアベルト31を有するベルトコンベアである。排出コンベア30の側部を成したフレーム部32は、破砕装置10の筐体部11に取り付けられ、間接的にベースフレーム8によって支持されている。排出コンベア30のコンベアベルト31は、図示してない排出コンベアモータ(油圧モータ)を駆動源としていて、コンベアベルト31の上面に載った木材チップを後斜め上方に搬送する方向に駆動される。
【0031】
前出の投入フィーダモータ、前出の圧縮ローラモータおよび前出の排出コンベアモータは、互いに同じ駆動ポンプ(図示してない油圧ポンプ)の吐出油を供給されて駆動される。その駆動ポンプと投入フィーダモータの間の作動油の流れは、電気操作式の投入フィーダ制御弁97(図5に示す)により制御されるようになっている。その駆動ポンプと圧縮ローラモータの間の作動油の流れは、電気操作式の圧縮ローラ制御弁98(図5に示す)により制御されるようになっている。その駆動ポンプと排出コンベアモータの間の作動油の流れは、電気操作式の排出コンベア制御弁(図示してない)により制御されるようになっている。
【0032】
図4に示すように、破砕ロータモータ70の油圧駆動回路40は、エンジン41と、このエンジン41により駆動される可変容量型ポンプ・モータ42(以下、単に「ポンプ・モータ42」という)とを備えている。ポンプ・モータ42と破砕ロータモータ70とは1対のメイン管路46A,46Bにより接続され、これにより閉回路45が形成されている。
【0033】
ポンプ・モータ42は、このポンプ・モータ42の容量を可変にする可変容量機構部43を有する。この可変容量機構部43はコントロールピストン44を有し、このコントロールピストン44に対して圧力を供給されることにより駆動される。
【0034】
閉回路45にはチャージ回路50が付設されている。このチャージ回路50は、チャージポンプ51(定容量型油圧ポンプ)と、このチャージポンプ51を閉回路45のメイン管路46A,46Bの両方に接続しているチャージ管路52とを有する。チャージ管路52は、チャージポンプ51から延びた幹管路53と、チャージポンプ51側とは反対側の幹管路53の端部からメイン管路46Aまで延びた枝管路54Aと、同端部からメイン管路46Bまで延びた枝管路54Bとから構成されている。幹管路53にはフィルタ55と、このフィルタ55を保護するために幹管路53のサージ圧を規制するバイパス弁56と、チャージ圧を規定するチャージリリーフ弁57とが設けられている。枝管路54Aには、メイン管路46Aからチャージ管路52に作動油が流入するのを阻止するチェック弁58Aと、メイン管路46Aの最高圧力を規制するリリーフ弁59Aとが設けられている。枝管路54Bには、メイン管路46Bからチャージ管路52に作動油が流入するのを阻止するチェック弁58Bと、メイン管路46Bの最高圧力を規制するリリーフ弁59Bとが設けられている。
【0035】
前出のコントロールピストン44は、チャージポンプ51の吐出圧を電気操作式の方向制御弁60を介して供給することにより作動するようになっている。
【0036】
破砕ロータモータ70は、この破砕ロータモータ70の容量を可変にする可動容量機構部71を有する。この可変容量機構部71は片ロッド形のコントロールピストン72を有し、このコントロールピストン72に圧力を与えることにより駆動される。コントロールピストン72のロッド側室73には、メイン管路46A内の圧力とメイン管路46B内の圧力のうち高い方の圧力が供給されるようになっている。コントロールピストン72のボトム側室74の圧力(以下「ボトム圧」という)は、容量制御弁75,76により制御されるようになっている。これら容量制御弁75,76は、スプリングリターン式で油圧操作式の2位置弁であり、弁位置が初期位置と作動位置との間で無段階に変化するようになっている。容量制御弁75のパイロット圧は、メイン管路46A内の圧力とメイン管路46B内の圧力のうち高い方の圧力である。
【0037】
容量制御弁76はコントロールピストン72と連動するようになっている。容量制御弁76はパイロット圧を受け入れる油圧パイロット部76aを有し、この油圧パイロット部76aに受け入れたパイロット圧によって、コントロールピストン72のボトム圧に抗する方向に作動する。容量制御弁76の弁位置をコントロールピストン72のボトム圧に抗して保持することによって、コントロールピストン72のボトム圧による移動の限界位置、すなわち、破砕ロータモータ70の容量の上限が設定されることになる。破砕ロータモータ70の回転速度は、破砕ロータモータ70に供給される流量が変化しない状態では、破砕ロータモータ70の容量が小さいほど大きくなるので、破砕ロータモータ70の容量の上限が小さく設定されるほど破砕ロータ13の回転速度は大きくなりやすくなる。
【0038】
容量制御弁76の油圧パイロット部76aへのパイロット圧を制御する、すなわち容量制御弁76を操作する油圧操作回路80は、切換弁81を有する。この切換弁81は容量制御弁76の油圧パイロット部76aに、コントロールピストン44のパイロット圧、および、チャージポンプ51の元圧を減圧した一定圧力のいずれか一方を選択的に与える。
【0039】
切換弁81は電気操作式の弁であり、パイロット管路85を介してコントロールピストン44を作動させるパイロット管路に接続された第1ポート81aと、チャージ管路52の幹管路53から分岐したパイロット管路86に接続された第2ポート81bと、パイロット管路87を介して容量制御弁76の油圧パイロット部76aに接続された第3ポート81cとを有する。パイロット管路86には、チャージポンプ51から油圧パイロット部76aに導かれる圧力を、ボトム圧によるコントロールピストン72の移動を規制するのに必要な圧力に調整するパイロット圧設定弁88が設けられている。
【0040】
また、切換弁81はスプリングリターン式の弁であり、弁位置が初期位置81dと作動位置81eとに切換可能になっている。初期位置81dは、パイロット管路87をパイロット管路86に連通させて、容量制御弁76の油圧パイロット部76aに作用する圧力をチャージポンプ51の元圧からパイロット圧設定弁88により減圧された一定圧力とする(図4に示す状態)。この通路が形成されることにより、可変容量機構部71のコントロールピストン72の可動範囲(破砕ロータモータ70の容量の変化幅)が、破砕ロータモータ70の回転速度の第1上限、すなわち破砕ロータ13の回転速度の第1上限を規定する可動範囲に設定される。作動位置81eは、パイロット管路87をパイロット管路85に連通させて、容量制御弁76の油圧パイロット部76aにコントロールピストン44を作動させるパイロット圧を導く、すなわち、容量制御弁76にパイロット圧を作用させる規制時通路を形成する。この規制時通路が形成されることにより、コントロールピストン72の可動範囲(破砕ロータモータ70の容量の変化幅)が、破砕ロータモータ70の回転速度の第2上限、すなわち破砕ロータ13の回転速度の第2上限を規定する可動範囲に設定される。第2上限は第1上限よりも大きく設定される回転速度である。
【0041】
図5に示すコントローラ90は、CPU、ROMおよびRAMを備えて、ROMに書き込まれたコンピュータプログラムに従って動作するものである。このコントローラ90には、第1指令装置91、第2指令装置92、第3指令装置93および第4指令装置94のそれぞれからの指令信号と、破砕ロータモータ70の回転を検出する回転検出器95からの検出信号が入力されるようになっている。
【0042】
第1指令装置91は手動で回動操作されるツマミ91aを有する。このツマミ91aは、その指針91bが位置91cを指す姿勢および位置91dを指す姿勢のどちらの姿勢にも保持可能になっている。ツマミ91aが位置91cを指した状態は、第1指令装置91のオフ状態である。ツマミ91aが位置91dを指した状態は、破砕指令信号を出力するオン状態である。手動操作により破砕指令信号を出力する破砕指令手段として機能する。
【0043】
第2指令装置92は回動操作可能なツマミ92aを有する。このツマミ92aは、その指針92bが位置92cを指す姿勢、位置92dを指す姿勢、位置92eを指す姿勢、位置92fを指す姿勢、および、位置92gを指す姿勢のどの姿勢にも保持可能になっている。ツマミ92aの指針92bが位置92cを指した状態は第2指令装置92のオフ状態であり、この状態では指令信号は出力されない。
【0044】
ツマミ92aの指針92bが位置92dを指した姿勢のとき、第2指令装置92はコントローラ90にクリーニング指令信号を出力する。つまり、第2指令装置92は、手動操作によりクリーニング指令信号を出力するクリーニング指令手段として機能する。
【0045】
ツマミ92aの指針92bが位置92eを指した姿勢のとき、第2指令装置92はコントローラ90に第1断続クリーニング指令信号を出力する。ツマミ92aの指針92bが位置92fを指した姿勢のとき、第2指令装置92はコントローラ90に第2断続クリーニング指令信号を出力する。ツマミ92aの指針92bが位置92gを指した姿勢のとき、第2指令装置92はコントローラ90に第3断続クリーニング指令信号を出力する。つまり、第2指令装置92は、手動操作により断続クリーニング指令信号を出力する断続クリーニング指令手段として機能する。
【0046】
第3指令装置93は手動で押圧操作される押ボタン93aを有し、この押ボタン93aが押圧操作されるとモード切換指令信号を出力するオン状態になり、押ボタン93aが押圧操作から解放されるとモード切換指令信号の出力を停止するオフ状態に自己復帰するようになっている。
【0047】
第4指令装置94は第3指令装置93と同様に、手動で押圧操作される押ボタン94aを有し、この押ボタン94aが押圧操作されるとモード切換指令信号を出力するオン状態になり、押ボタン94aが押圧操作から解放されるとモード切換指令信号の出力を停止するオフ状態に自己復帰するようになっている。
【0048】
コントローラ90は、ROMに書き込まれたコンピュータプログラムにより、回転検出器95からの検出信号を基に破砕ロータモータ70の回転速度を算出するよう設定されている。つまり、コントローラ90と回転検出器95とから破砕ロータ13の回転速度を検出する回転速度検出手段が構成されている。
【0049】
コントローラ90は、ROMに書き込まれたコンピュータプログラムにより、前出の切換弁81を操作する次の第1,第2回転制御手段として機能するようになっている。
【0050】
第1回転制御手段は、第2指令装置92(クリーニング指令手段)からのクリーニング指令信号の入力を契機に切換弁81の弁位置を初期位置81dから作動位置81eに切り換え、クリーニング指令信号が出力されている間において作動位置81eを保持する。つまり、第1回転制御手段としてのコントローラ90と、クリーニング指令手段としての第2指令装置92とから切換弁81の操作装置が構成されている。
【0051】
第2回転制御手段は、第2指令装置92(断続クリーニング指令手段)からの第1〜第3断続クリーニング指令信号の入力を契機に、まず切換弁81の弁位置を初期位置81dから作動位置81eに切り換え、次にその作動位置81eに一時的に保持し、例えば予め設定された時間である3分間だけ保持し、最後に作動位置81eから初期位置81dに自己復帰させるクリーニング制御を、断続クリーニング指令信号が出力されている間において断続的に行う。つまり、第2回転制御手段としてのコントローラ90と、断続クリーニング指令手段としての第2指令装置92とからも切換弁81の操作装置が構成されている。クリーニング制御の開始のタイミング、すなわち、切換弁81の弁位置を初期位置81dから作動位置81eに切換えるタイミングは、第1〜第3断続クリーニング指令信号の入力後、破砕ロータ13の回転速度が第1上限に達したときに設定されている。
【0052】
コントローラ90は、木材の破砕作業の際、検出回転速度が第1上限よりも小さく予め設定された供給開始回転速度のときに、供給装置20に破砕ロータ13への木材の供給を行わせ、検出回転速度が供給開始回転速度よりも小さく予め設定された供給停止回転速度のときに供給装置20に破砕ロータ13への木材の供給を停止させる制御手段として機能するよう設定されている。そして、第3断続クリーニング指令信号の入力状態に伴う第2回転制御手段としてのコントローラ90は、予め記憶した関数に従って、クリーニング制御の直前における供給停止回転速度から供給開始回転速度への復帰時間が長いほど、切換弁81を一時的に作動位置81eに保持する時間を長くするよう設定されている。つまり、第3断続クリーニング指令信号の出力状態の第2回転制御手段としてのコントローラ90から構成された操作手段は、クリーニング制御の直前における供給停止回転速度から供給開始回転速度への復帰時間が長いほど、切換弁81を一時的に作動位置81eに保持する時間を長くするよう設定されている。
【0053】
コントローラ90は、ROMに書き込まれたコンピュータプログラムにより、前出の電気操作式の方向制御弁60を操作するよう設定されていて、破砕指令信号、クリーニング指令信号、第1断続クリーニング指令信号、第2断続クリーニング指令信号、第3断続クリーニング指令信号のいずれを入力したときでも、方向制御弁60を予め設定された弁位置に切り換えるよう設定されている。つまり、ポンプ・モータ42の容量は、それらの指令信号のいずれがコントローラ90に入力された場合も同じ容量に制御される。この容量はゼロよりも大きな容量である。
【0054】
コントローラ90はROMに書き込まれたコンピュータプログラムにより、第3指令装置93からのモード切換指令信号の入力の度に、投入フィーダ稼動モードと投入フィーダ待機モードとが切り換わるよう設定されている。投入フィーダ稼動モードは、回転検出器95とコントローラ90、すなわち回転速度検出手段による検出回転速度が第1上限以下の状態において投入フィーダ制御弁97に対する操作信号の出力状態を保持し、検出回転速度が第1上限を超えた状態においてはその出力状態の保持を中断し、第1上限を超えた状態から第1上限以下の状態に戻れば出力状態の保持を再開する。投入フィーダ待機モードは、検出回転速度に関係なく、投入フィーダ制御弁97に対し操作信号の出力を行わないモードであり、コントローラ90は、このコントローラ90の起動当初において投入フィーダ待機モードになるよう設定されている。
【0055】
コントローラ90はROMに書き込まれたコンピュータプログラムにより、第4指令装置94からのモード切換指令信号の入力の度に、圧縮ローラ稼動モードと圧縮ローラ待機モードとが切り換わるよう設定されている。圧縮ローラ稼動モードは、回転検出器95とコントローラ90による検出回転速度が第1上限以下の状態において圧縮ローラ制御弁98に対する操作信号の出力状態を保持し、検出回転速度が第1上限を超えた状態においてはその出力状態の保持を中断し、第1上限を超えた状態から第1上限以下の状態に戻れば出力状態の保持を再開する。圧縮ローラ待機モードは、検出回転速度に関係なく、圧縮ローラ制御弁98に対し操作信号の出力を行わないモードであり、コントローラ90は、このコントローラ90の起動当初において、前出の投入フィーダ待機モードと並行して圧縮ローラ待機モードになるよう設定されている。
【0056】
コントローラ90はROMに書き込まれたコンピュータプログラムにより、第2指令装置92からのクリーニング指令信号、および第1〜第3断続クリーニング指令信号のいずれかの入力状態において、クリーニング制御に対応した供給装置20の制御(以下「クリーニング対応制御」という)を行う制御手段として機能するよう設定されている。このクリーニング対応制御においては、クリーニング制御が開始される前に、破砕ロータ13への木材の供給が停止し、その後、コントローラ90と回転検出器95とによる検出回転速度が第2上限から第1上限と同値の回転速度に低下することが検知されるまでの間、破砕ロータ13への木材の供給が停止した状態が保持されるよう、投入フィーダ制御弁97および圧縮ローラ制御弁98への操作信号の出力を行わない状態を保持する。つまり、クリーニング制御により破砕ロータ13の回転速度を第1上限よりも大きくする際、破砕ロータ13の回転速度が第1上限を超えた状態において、供給装置20に破砕ロータ13への木材の供給を行わせないようになっている。
【0057】
第1断続クリーニング指令信号は、断続するクリーニング対応制御の間隔として、供給開始回転速度から供給停止回転速度への低下回数が予め設定された第1回数だけ繰り返される分の間隔、例えば乾燥した木材の破砕作業という条件下であれば約5分間となる間隔を、コントローラ90に対し指令するものでもある。第2断続クリーニング指令信号は、断続するクリーニング対応制御の間隔として、供給開始回転速度から供給停止回転速度への低下回数が第1回数よりも多く予め設定された第2回数だけ繰り返される分の間隔、例えば乾燥した木材の破砕作業という条件下であれば約10分間となる間隔を、コントローラ90に対し指令するものでもある。クリーニング対応制御はクリーニング制御との併せて行われることである。したがって、断続するクリーニング対応制御の間隔が変更されれば、断続するクリーニング制御の間隔も変更されることになる。つまり、第1,第2断続クリーニング指令信号とを選択的に出力する断続クリーニング指令手段としての第2指令装置92と、第2回転制御手段としてのコントローラ90とから、断続するクリーニング制御の間隔を、手動操作に応じて変更する間隔変更手段を構成している。間隔の指令は、第1,第2回数の2種類に限定されるものではなく、3種類以上のより細かな種類に細分化されていてもよい。
【0058】
第3断続クリーニング指令信号は、断続するクリーニング対応制御の間隔として、供給開始回転速度から供給停止回転速度への低下回数が予め設定された第3回数だけ繰り返される分の間隔、例えば乾燥した木材の破砕作業という条件下であれば約7分間となる間隔を、コントローラ90に対し指令するものでもある。ここでの第3回数は一例であり、第1回数と第2回数の間の回数に限らず、第1回数または第2回数と同じ回数、第1回数より小さい回数、第2回転数より大きい回数であってもよい。
【0059】
なお、油圧操作回路80と、切換弁81を操作する操作手段(第2指令装置92およびコントローラ90)とから、破砕ロータモータ70の容量を変更することによって破砕ロータ13の回転速度の上限を予め設定された第1,第2上限のいずれか一方に選択的に切り換える切換手段が構成されている。第1上限は木材の破砕に適した回転速度として予め設定された回転速度である。第2上限はスクリーン14に付着した木材チップを除去するのに効果的な風量の風が生起される回転速度として予め設定され第1上限よりも大きな回転速度である。
【0060】
また、エンジン41、ポンプ・モータ42、投入フィーダ、圧縮ロータモータおよび排出コンベア共用の駆動ポンプ、方向制御弁60、投入フィーダ制御弁97、圧縮ローラ制御弁98、排出コンベア制御弁は、図1に示すように、投入フィーダおよびホッパ26の右側方において建屋カバー9aに覆われたパワーユニット9として一箇所にまとめて配置されている。建屋カバー9aには、第1〜第4指令装置91〜94を有する操作盤(図示してない)が設けられている。
【0061】
このように構成された本実施形態に係る自走式破砕機1は次のように動作する。
【0062】
(1) 破砕作業について
第2指令装置92はオフ状態にされている。このオフ状態において、コントローラ90は切換弁81の操作を行わない。したがって、切換弁81は初期位置81dに保持された状態であり、これにより、破砕ロータモータ70の回転速度の上限は第1上限に設定されている。
【0063】
破砕作業を開始する際には、第1指令装置91のツマミ91aを回動操作して、指針91bが位置91cを指した姿勢から位置91dを指した姿勢にする。これにより、第1指令装置91から破砕指令信号が出力され、この破砕指令信号をコントローラ90が入力する。そして、コントローラ90は破砕指令信号の入力に対応する処理を行う、すなわち、方向制御弁60の弁位置を予め設定された弁位置に切り換える。これに伴い、ポンプ・モータ42の容量がゼロよりも大きな容量に制御される。ポンプ・モータ42はエンジン41により回転駆動されているので、ポンプ・モータ42の容量がゼロよりも大きな容量に制御されたことに伴い、ポンプ・モータ42と破砕ロータモータ70との間で圧油が循環する。
【0064】
第1指令装置91からコントローラ90に破砕指令信号が出力され続けている間、すなわち、コントローラ90が破砕指令信号の入力状態にある間、コントローラ90は方向制御弁60に操作信号を与え続ける状態を保持する。つまり、第1指令装置91のツマミ91aが位置91dを指した姿勢に保持された状態において、破砕ロータ13は回転し続ける。破砕ロータ13への木材の供給を開始する前、破砕ロータ13の回転速度は第1上限まで上昇させられ、この第1上限に保持される。
【0065】
破砕作業を開始する際には、第1指令装置91のツマミ91aを回動操作することに加えて、第3指令装置93の押ボタン93aを押圧操作する。これにより、第3指令装置93からモード切換指令信号が出力される。コントローラ90はそのモード切換指令信号を入力して、モード切換信号に対応する処理を行う、すなわち、投入フィーダ待機モードから投入フィーダ稼動モードに切り換わる。これによって、破砕ロータ13の検出回転速度が第1上限以下のときに、投入フィーダ制御弁97に操作信号が出力され投入フィーダが駆動されるようになる。
【0066】
破砕作業を開始する際には、さらに、第4指令装置94の押ボタン94aも押圧操作する。これにより、第4指令装置94からモード切換指令信号が出力される。コントローラ90はそのモード切換信号を入力して、そのモード切換信号に対応する処理を行う、すなわち、圧縮ローラ待機モードから圧縮ローラ稼動モードに切り換わる。これによって、破砕ロータ13の検出回転速度が第1上限以下のときに、圧縮ローラ制御弁98に操作信号が出力され圧縮ローラ23が駆動されるようになる。
【0067】
破砕ロータ13の回転速度が第1上限に保持され、投入フィーダ21および圧縮ローラ23が駆動された状態において、ホッパ26に木材が投入されると、この木材は投入フィーダ21のコンベアプレート22により圧縮ローラ23の下方に搬送される。次に圧縮ローラ23によりコンベアプレート22に押さえ付けられた状態で破砕室12に挿入される。そして、回転中の破砕ロータ13のカッタービット13aにより打撃破砕されて木材チップになる。その木材チップは、スクリーン14の目開き14bを通過して破砕室12から排出される。
【0068】
破砕作業時における供給装置20(投入フィーダ21および圧縮ローラ23)の制御と、この制御に伴う破砕ロータ13の回転速度の変化について、図6を用いて説明する。この図6において、破砕ロータ13の回転速度の第1上限をSl1とし、破砕ロータ13の供給開始回転速度をSssとし、破砕ロータ13の供給停止回転速度をSspとした。
【0069】
図6に示すように、破砕ロータ13への木材の供給開始前、破砕ロータ13の回転速度は、ゼロから第1上限Sl1まで上昇し、この第1上限Sl1に保持される。時点t1で破砕ロータ13への木材の供給(破砕)が開始されると、木材の破砕により破砕ロータ13の回転の運動エネルギが消費されるため、破砕ロータ13の回転速度は第1上限Sl1から低下する。この回転速度の低下は、この回転速度が供給停止回転速度に達するまで放置される。そして、コントローラ90は回転検出器95からの検出信号に基づき検出回転速度として供給停止回転速度Sspを得た時点t2で、投入フィーダ制御弁97と圧縮ローラ制御弁98への操作信号の出力を停止して、投入フィーダ21および圧縮ローラ23を停止させる。すなわち、破砕ロータ13への木材の供給を停止させる。これにより、破砕ロータ13の回転に負荷が掛からなくなり、この結果、供給停止回転速度Sspに達した時点t2から時間T1後には破砕ロータ13の回転速度は供給開始回転速度Sssまで復帰する。
【0070】
このときの供給開始回転速度Sssをコントローラ90は検出回転速度として得て、このことを契機に、投入フィーダ制御弁97および圧縮ローラ制御弁98に対し操作信号を再度出力して、破砕ロータ13への木材の供給を再開させる。これに伴い、破砕ロータ13の回転速度は再度、供給停止回転速度Sspまで低下する。このときの供給停止回転速度Sspをコントローラ90は検出回転速度として得て、このことを契機に、投入フィーダ制御弁97と圧縮ローラ制御弁98への操作信号の出力を停止し、破砕ロータ13への木材の供給を再度停止させる。これにより、破砕ロータ13の回転速度が2度目に供給停止回転速度Sspに達した時点から時間T2後に、破砕ロータ13の回転速度は供給開始回転速度Sssまで再度復帰する。
【0071】
このときの供給開始回転速度Sssもコントローラ90は検出回転速度として得て、破砕ロータ13への木材の供給を再再開させる。これに伴い、破砕ロータ13の回転速度は再再度、供給停止回転速度Sspまで低下する。このときの供給停止回転速度Sspもコントローラ90は検出回転速度として得て、このことを契機に、破砕ロータ13への木材の供給を再再度停止させる。これにより、破砕ロータ13の回転速度が3度目に供給停止回転速度Sspに達した時点から時間T3後に、破砕ロータ13の回転速度は供給開始回転速度Sssまで再再度復帰する。
【0072】
このように、回転中の破砕ロータ13への木材の供給とその供給の停止との交互の繰り返しにより破砕作業であり、この破砕作業は、第1指令装置91のツマミ91aが位置91dを指した姿勢に保持されている間、すなわち、第1指令装置91からコントローラ90に破砕指令信号が出力され続けている間、連続して行われる。
【0073】
(2) 手動クリーニングについて
前述のようにして行われる破砕作業において、破砕ロータ13に供給される木材が水分を多く含んだものであると、スクリーン14に木材チップが付着して目詰まりが生じる。その目詰まりの程度が大きいほど、破砕ロータ13の回転に対する負荷が大きくなり、これによって破砕ロータ13の回転速度が供給停止回転速度Sspから供給開始回転速度Sssまで復帰するのに要する時間(以下「復帰時間」という)が長くなる。目詰まりの程度は破砕量の増加に伴って大きくなるため、復帰時間は、前出の時間T1〜T3(復帰時間)の大小関係から分かるように後の復帰時間ほど長くなる。つまり、破砕作業の時間が長くなるほど、破砕作業の効率が低下することになる。
【0074】
そこで、自走式破砕機1のオペレータは、破砕ロータ13の回転に伴う音等から復帰時間が長過ぎると感じたときに、すなわち目詰まりを感じたときに、自走式破砕機1にスクリーン14の清掃を行わせるため、第2指令装置92のツマミ92aを回動操作して、指針92bが位置92cを指す姿勢から位置92dを指す姿勢にする。例えば、時点t3においてツマミ92aを指針92bが位置92dを指すよう回動操作したとする。
【0075】
これにより第2指令装置92からコントローラ90にクリーニング指令信号が出力されると、コントローラ90はクリーニング指令信号の入力時点から最初に検出回転速度として供給停止回転速度Sspを得た時点t4からクリーニング対応制御を行う。つまり、投入フィーダ制御弁97および圧縮ローラ制御弁98への操作信号出力を停止して破砕ロータ13への木材の供給を停止させる。その後、コントローラ90は破砕ロータ13の回転速度が第1上限まで回復するのを待ち、第1上限まで回復した時点t5でクリーニング制御を開始する。
【0076】
クリーニング制御は、コントローラ90が切換弁81への操作信号の出力状態となることにより開始される。その操作信号により切換弁81の弁位置は初期位置81dから作動位置81eに切り換わる。これにより、破砕ロータモータ70の回転速度の上限は第1上限Sl1から第2上限Sl2に切り換わる。クリーニング制御より、切換弁81は作動位置81eに予め設定された時間である3分間(時間T4)だけ保持されるのに伴い、破砕ロータ13の回転速度は第2上限Sl2まで上昇し、その後、第2上限Sl2に一時的に保持される。コントローラ90は、切換弁81への操作信号の出力状態を3分間連続させ終わった時点t6で切換弁81への操作信号の出力を停止し、切換弁81の弁位置を初期位置81dに自己復帰させ、すなわち、破砕ロータ13の回転速度の上限を第2上限Sl1から第1上限Sl2に切り換え、クリーニング制御を終了させる。これに伴い、破砕ロータ13の回転速度が第2上限Sl2から第1上限Sl2に低下する。破砕ロータ13の回転速度が第1上限Sl2に低下した時点t7で、コントローラ90はクリーニング対応制御を終了する。
【0077】
今回は、コントローラ90が第1指令装置91からの破砕指令信号を入力した状態でクリーニング制御およびクリーニング対応制御が行われたため、破砕ロータ13の回転速度が第1上限Sl2に低下した時点t7でクリーニング対応制御が終了すると、コントローラ90は破砕ロータ13の回転速度に応じて投入フィーダ制御弁97および圧縮ローラ制御弁98を操作する状態に戻る。これにより「(1)」で説明した破砕作業が再開される。
【0078】
なお、自走式破砕機1が破砕作業を行っていない状態でクリーニング操作を行う場合には、まず、第1指令装置91をオン状態にしてから、第2指令装置92のツマミ92aを指針92bが位置92dを指すよう回動操作すると、コントローラ90は破砕作業時と同様に方向切換弁81を操作してポンプ・モータ42を駆動し、これにより破砕ロータ13の回転速度が第1上限Sl1に達したときに、クリーニング制御およびクリーニング対応制御を行う。このとき、第3指令装置93の押ボタン93aや第4指令装置94の押ボタン94aが押圧操作された場合、コントローラ90はクリーニング対応制御を行っているので、投入フィーダ21も圧縮ローラ23も駆動されず、したがって破砕ロータ13に木材が供給されることはない。
【0079】
(3) 自動クリーニングについて
水分を多く含む木材の破砕作業を長時間行う場合、例えば図6に示すように、目詰まりの度にクリーニング制御とクリーニング対応制御を断続的に繰り返し行う必要がある。このことを、「(2)」で述べたように第2指令装置92のツマミ92aを指針92bが位置92dを指すよう回動操作することによって行おうとすると、目詰まりの度にツマミ92aの回動操作を繰り返し行う必要がある。このツマミ92aの回動操作の繰り返しは煩わしい。この煩わしさは第2指令装置92のツマミ92aを、(3−1)指針92bが位置92eを指すよう回動操作するか、(3−2)指針92bが位置92fを指すよう回動操作するか、(3−3)指針92bが位置92gを指すよう回動操作するかして自走式破砕機1にスクリーン14の清掃を指令することによって解消される。
【0080】
(3−1) ツマミ92aを指針92bが位置92eを指すよう回動操作した場合
第2指令装置92から第1断続クリーニング指令信号が出力され、コントローラ90に入力される。これにより、コントローラ90は、クリーニング制御およびクリーニング対応制御を断続的に行うようになる。断続するクリーニング対応制御の間隔は、供給開始回転速度Sssから供給停止回転速度Sspまで低下する回数が第1回数だけ繰り返される分の間隔(時間T6)である。
【0081】
(3−2) ツマミ92aを指針92bが位置92fを指すよう回動操作した場合
第2指令装置92から第2断続クリーニング指令信号が出力され、コントローラ90に入力される。これにより、コントローラ90は、クリーニング制御およびクリーニング対応制御を断続的に行うようになる。断続するクリーニング対応制御の間隔は、供給開始回転速度Sssから供給停止回転速度Sspまで低下する回数が第2回数だけ繰り返される分の間隔(時間T6)である。
【0082】
(3−3) ツマミ92aを指針92bが位置92gを指すよう回動操作した場合
第2指令装置92から第3断続クリーニング指令信号が出力され、コントローラ90に入力される。これにより、コントローラ90は、クリーニング制御とクリーニング対応制御を断続的に行うようになる。断続するクリーニング対応制御の間隔は第3回数だけ繰り返される分の間隔(時間T6)である。切換弁81の弁位置が作動位置81eに保持される時間、すなわち破砕ロータ13の回転速度が第2上限に保持される時間は、クリーニング制御を行う直前における復帰時間(時間T3に相当)が長くなるほど長くされる。
【0083】
本実施形態に係る自走式破砕機1によれば次の効果を得られる。
【0084】
自走式破砕機1は、油圧操作回路80と、切換弁81を操作する操作手段(第2指令装置92およびコントローラ90)とから構成された切換手段によって、破砕ロータ13の回転速度の上限を、木材の破砕に適した第1上限と、スクリーン14に付着した木材チップの除去に効果的な風量の風を生起させるのに適した第2上限とに切り換えることができる。これにより、スクリーン14に付着した木材チップを破砕ロータ13で生起させた風により除去する清掃と、木材破砕時における騒音や破砕ロータ13の損傷の低減とを両立させることができる。
【0085】
自走式破砕機1は、第2指令装置92(クリーニング指令手段)のツマミ92aを、指針92bが位置92dを指す姿勢となるよう手動で回転操作することによって、スクリーン14に付着した木材チップを除去するのに効果的な風量の風が生起される回転速度で破砕ロータ13を回転させることができる。これにより、任意のときに自走式破砕機1にスクリーン14の清掃を行わせることができる。
【0086】
自走式破砕機1は、第2指令装置92(断続クリーニング指令手段)のツマミ92aを、指針92bが位置92e,92f,92gのいずれかを指す姿勢となるよう手動で回動操作することによって、自走式破砕機1に木材の破砕とスクリーン14の清掃とを自動的に交互に繰り返させることがきる。
【0087】
自走式破砕機1は、第2指令装置92(間隔変更手段)のツマミ92aを、位置92e,92f,92gのいずれかを指し姿勢になるよう手動で回動操作することによって、断続するクリーニング対応制御の間隔を、供給開始回転速度から供給停止回転速度への低下回数の第1〜第3回数分の間隔から選択して変更することができる。これにより、木材に含まれる水分の程度、すなわち、スクリーン14に対する木材チップの付着のしやすさに応じて、自走式破砕機1にスクリーン14の清掃を行わせる頻度を調節することができる。
【0088】
自走式破砕機1は、コントローラ90がクリーニング制御と併せてクリーニング対応制御を行うことによって、破砕ロータ13の回転速度を検出する回転速度検出手段と、回転速度検出手段による検出回転速度が第1上限を超えた状態において、供給装置20に破砕ロータ13への木材の供給を行わせないようにする。したがって、スクリーン14の清掃に効果的な風量の風が生起される第1上限を超えた回転速度で破砕ロータ13を回転させるときに、木材や木材と混合した異物が破砕されて破砕ロータ13が損傷する事態を確実に防止することができる。
【0089】
自走式破砕機1は、スクリーン14の目詰まりの度合いが大きいほど、クリーニング制御において切換弁81の弁位置を作動位置81eに保持する時間を、すなわち、スクリーン14に付着した木材チップを風により除去する時間(図6に示す時間T7)を、自動的に長くすることができる。
【0090】
自走式破砕機1は、走行体2を走行させることによって、供給装置20、破砕装置10、排出コンベア30およびパワーユニット9をまとめて移動させることができる。
【0091】
なお、前述の実施形態に係る自走式破砕機1においては、破砕ロータ13を駆動する破砕ロータモータ70と、この破砕ロータモータ70に作動油を供給するポンプ・モータ42のどちらも、可変容量型であるが、切換手段は破砕ロータモータ70の容量のみの変更によって、破砕ロータ13の回転速度の上限を、第1上限S1および第2上限S1のいずれか一方に選択的に切り換えるものである。本発明の切換手段はこれに限定されるもではなく、ポンプ・モータ42の容量のみの変更、または、破砕ロータモータ70の容量とポンプ・モータ42の容量の両方の変更によって破砕ロータ13の回転速度の上限を、第1上限S1および第2上限S1のいずれか一方に選択的に切り換える切換手段であってもよい。
【0092】
また、前述の実施形態に係る自走式破砕機1は、第1〜第3断続クリーニング指令信号を基づき、コントローラ90がクリーニング制御およびクリーニング対応制御を行うようになっているが、本発明はこれに限定されるものではない。手動操作により第4断続クリーニング指令信号を出力する指令手段をさらに設け、その第4断続クリーニング指令信号の入力状態のコントローラ90が、復帰時間が予め設定された時間を越えたときに、クリーニング制御およびクリーニング対応制御を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1 自走式破砕機
2 走行体
3 トラックフレーム
4 駆動輪
5 従動輪
6 履帯
7 走行モータ
8 ベースフレーム
9 パワーユニット
9a 建屋カバー
10 破砕装置
11 筐体部
12 破砕室
12a 供給口
13 破砕ロータ
13a カッタービット
13b ウイング
14 スクリーン
14a 湾曲板部
14b 目開き
20 供給装置
21 投入フィーダ
22 コンベアベルト
23 圧縮ローラ
24 揺動アーム
25 軸棒
26 ホッパ
27A,27B 側板
30 排出コンベア
31 コンベアベルト
32 フレーム部
40 油圧駆動回路
41 エンジン
42 ポンプ・モータ
43 可変容量機構部
44 コントロールピストン
45 閉回路
46A,46B メイン管路
50 チャージ回路
51 チャージポンプ
52 チャージ管路
53 幹管路
54A,54B 枝管路
55 フィルタ
56 バイパス弁
57 チャージリリーフ弁
58A,58B チェック弁
59A,59B リリーフ弁
60 方向制御弁
70 破砕ロータモータ
71 可変容量機構部
72 コントロールピストン
73 ロッド側室
74 ボトム側室
75,76 容量制御弁
76a 油圧パイロット部
80 油圧操作回路
81 切換弁
81a 第1ポート
81b 第2ポート
81c 第3ポート
81d 初期位置
81e 作動位置
83 作動油タンク
84 高圧優先形シャトル弁
85〜87 パイロット管路
88 パイロット圧設定弁
90 コントローラ
91 第1指令装置
91a ツマミ
91b 指針
91c,91d 位置
92 第2指令装置
92a ツマミ
92b 指針
92c〜92g 位置
93 第3指令装置
93a 押ボタン
94 第4指令装置
94a 押ボタン
95 回転検出器
97 投入フィーダ制御弁
98 圧縮ローラ制御弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
破砕室と、
この破砕室内に回転自在に設けられ、外周面にカッタービットおよびウイングを有する破砕ロータと、
この破砕ロータの外周側における前記破砕室の壁面の一部を形成していて、目開きにより規定した粒度以下の木材チップを前記破砕室の外部に導くスクリーンと、
前記破砕室の外部から前記破砕ロータに木材を供給する供給装置と
を備えていて、
前記破砕ロータの回転により生じる風を利用して、前記スクリーンに付着した木材チップを除去する破砕機において、
前記破砕ロータを駆動する油圧モータと、この油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプとを備えていて、これら油圧モータおよび油圧ポンプの少なくとも一方が可変容量型であり、
前記油圧モータの容量のみの変更、前記油圧ポンプの容量のみの変更、もしくは前記油圧モータの容量と前記油圧ポンプの容量との両方の変更のいずれかによって、前記破砕ロータの回転速度の上限を、予め設定された第1上限および第2上限のいずれか一方に選択的に切り換える切換手段が設けられていて、
前記第1上限は木材の破砕に適した回転速度の上限として予め設定されたものであり、
前記第2上限は前記スクリーンに付着した木材チップを除去するのに効果的な風量の風が生起されるよう前記第1上限よりも大きく予め設定されたものである
ことを特徴とする破砕機。
【請求項2】
請求項1に記載の破砕機において、
前記油圧モータは容量を可変にする油圧操作式の可変容量機構部を備えた可変容量型油圧モータであり、
前記切換手段は前記第1上限および前記第2上限の切換えに際して前記油圧モータもしくは前記油圧ポンプのうち前記油圧モータの容量のみを変更するものであり、その容量の変更のために、前記可変容量機構部と連動する油圧操作式の容量制御弁と、この容量制御弁にパイロット圧を作用させる規制時通路と前記パイロット圧を作用させない非規制時通路を選択的に形成する切換弁と、前記切換弁を操作する操作手段とを備えていて、
前記パイロット圧による前記容量制御弁の動作方向は前記油圧モータの容量を増加させる前記可変容量機構部の動作を規制する方向であり、
前記切換弁は前記非規制通路を形成する弁位置を初期位置とし、前記規制通路を形成する弁位置を作動位置として前記初期位置に自己復帰するものであり、
前記油圧モータの容量は前記切換弁の弁位置が前記初期位置であることに伴って前記第1上限を規定する容量に設定され、前記切換弁の弁位置が前記作動位置であることに伴って前記第2上限を規定する容量に設定される
ことを特徴とする破砕機。
【請求項3】
請求項2に記載の破砕機において、
手動操作によりクリーニング指令信号を出力するクリーニング指令手段が設けられ、
前記操作手段は前記クリーニング指令手段からのクリーニング指令信号の入力を契機に、前記切換弁の弁位置を前記作動位置に切り換えるよう設定されている
ことを特徴とする破砕機。
【請求項4】
請求項3に記載の破砕機において、
前記破砕ロータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記回転速度検出手段による検出回転速度が前記第1上限を超えた状態において、前記供給装置に前記破砕ロータへの木材の供給を行わせないようにするクリーニング対応制御を行う制御手段とを備えている
ことを特徴とする破砕機。
【請求項5】
請求項2に記載の破砕機において、
手動操作により断続クリーニング指令信号を出力する断続クリーニング指令手段が設けられ、
前記操作手段は前記断続クリーニング指令手段からの断続クリーニング指令信号の入力を契機に、まず前記切換弁の弁位置を前記作動位置に切り換え、次に前記作動位置を一時的に保持し、最後に前記切換弁の弁位置を前記作動位置から前記初期位置に自己復帰させるクリーニング制御を断続的に行い、
前記破砕ロータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記クリーニング制御に対応した前記供給装置の制御を行う制御手段とが設けられていて、
前記制御手段は前記クリーニング制御が開始される前に、前記供給装置に前記破砕ロータへの木材の供給を行わせないようにし、その後、前記回転速度検出手段による検出回転速度が前記第2上限から前記第1上限と同値の回転速度に低下することが検知されるまでの間、前記供給装置に前記破砕ロータへの木材の供給を行わせない状態を保持するよう設定されている
ことを特徴とする破砕機。
【請求項6】
請求項5に記載の破砕機において、
前記制御手段は、木材の破砕作業の際、前記検出回転速度が前記第1上限よりも小さい回転速度範囲における最大回転速度のときに前記供給装置に前記破砕ロータへの木材の供給を行わせ、前記検出回転速度が前記回転速度範囲における最小回転速度のときに前記供給装置に前記破砕ロータへの木材の供給を停止させ、
前記操作手段は、前記クリーニング制御の直前における前記最小回転速度から前記最大回転速度への復帰時間が長いほど、前記クリーニング制御において前記切換弁の弁位置を前記作動位置に保持する時間を長くするよう設定されている
ことを特徴とする破砕機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−234565(P2010−234565A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−83007(P2009−83007)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】