説明

硬化性組成物、シーリング剤及び接着剤

【課題】
雰囲気中の湿気により硬化し、ゴム状の硬化物を与え、更に、硬化前の熱安定性及び硬化後の高伸び性に優れた硬化性組成物及び該硬化性組成物を用いたシーリング剤及び接着剤を提供する。
【解決手段】
架橋可能な加水分解性シリル基を含有する有機重合体(a)と、加水分解性エステル構造を有する有機重合体であって、主鎖が有機重合体(a)と実質的に同じ主鎖構造を有する有機重合体(b)とを含有する硬化性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雰囲気の湿気により架橋して、弾性を有し、かつ耐久性に優れた硬化物を与える硬化性組成物に関し、例えば、シーリング剤、接着剤、塗料、コーティング材、シーラント、プライマー等に好適に用いられる硬化性組成物に関する。更に、この硬化性組成物を用いるシーリング剤及び接着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル重合体を主成分とする硬化性組成物が種々提案されている。(例えば、下記特許文献1〜3等)。これらの硬化性組成物は、雰囲気の湿気により架橋し、耐久性、耐侯性、透明性及び接着性に優れた硬化物を与える。そのため、上記硬化性組成物は、塗料、コーティング剤、接着剤、感圧接着剤、シーラント及びシーリング剤等の様々な用途に用いられている。
【0003】
上記硬化性組成物をシーリング剤等に用いる場合には、硬化物がゴム状であり、かつ十分な伸びを有することが求められる場合がある。しかし、アルコキシシリル基を有するビニル系重合体の硬化物はゴム状であるものの、硬化物の伸びには限界があり、十分な伸びを発現させることは困難であった。
【0004】
上記硬化物に優れた伸び特性を持たせるために、有機シリコーン化合物を添加する方法(下記の特許文献4)や、分子内に、1個のシラノール基を有する化合物を添加する方法(下記の特許文献5)等が提案されている。
【特許文献1】特開昭57−179210号公報
【特許文献2】特開平4−202585号公報
【特許文献3】特開平11−43512号公報
【特許文献4】特開昭64−9268号公報
【特許文献5】特開平8−157734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル重合体を主成分とする硬化性組成物をシーリング剤等に用いる場合には、分子内にカルボキシル基を含有する化合物を添加する方法により十分な高伸び性を付与することができるが、しかしながら、この方法を用いた場合、アルコキシシリル基の加水分解性制御が困難であり、加熱混練時の加熱安定性を確保することができず、硬化前の加熱安定性と硬化後の高伸び性のバランスを図ることが非常に困難であった。アルコキシシリル基を有する重合体、特にビニル系重合体を用いた硬化性組成物では、硬化前の加熱安定性に優れ、かつ湿気により硬化して得られた硬化物がより一層の伸びを発現するという硬化性組成物が強く求められていた。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、雰囲気中の湿気により硬化し、ゴム状の硬化物を与え、更に、硬化前の熱安定性及び硬化後の高伸び性に優れた硬化性組成物得ること及び該硬化性組成物を用いたシーリング剤及び接着剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る硬化性組成物は、少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を含有する有機重合体(a)と、少なくとも加水分解性エステル構造を有する有機重合体であって、主鎖構造が有機重合体(a)と実質的に同じ主鎖構造を有する有機重合体(b)とを含有することを特徴とする。
【0008】
本発明の硬化性組成物に用いられる架橋可能な加水分解性シリル基を含有する有機重合体(a)の主鎖構造は、特に限定されないが、例えば、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリウレア、ポリイミド、ポリシロキサン及び重合性不飽和基を重合して得られるビニル系重合体の主鎖構造及びこれらの重合体の主鎖構造を組み合わせて得られる主鎖構造を有する有機重合体からなる群から選択された1種であることが好ましい。
【0009】
本発明では、上記有機重合体(a)として、架橋可能な加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体(a1)が好ましい。
【0010】
本発明においては、上記架橋可能な加水分解性シリル基を有するビニル系重合体(a1)は、過酸化物を重合開始剤として用いたラジカル重合により合成されたものであることが好ましい。
【0011】
本発明に係る硬化性組成物では、上記有機重合体(a)がビニル系重合体(a1)である場合には、少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を有するポリエーテル系重合体(c)が更に配合されることが好ましい。
【0012】
本発明の硬化性組成物には、無機粉体(d)が更に配合されていることが好ましい。
【0013】
上記無機粉体(d)としては、炭酸カルシウム粉体(d1)が配合されていることが好ましい。
【0014】
本発明のシーリング剤及び接着剤は、それぞれ、本発明に係る硬化性組成物を用いることにより得られることを特徴とする。
【0015】
以下、本発明の詳細を説明する。
【0016】
(有機重合体(a))
本発明で用いられる有機重合体(a)は、架橋可能な加水分解性シリル基を有する限り特に制限されるものではない。上記加水分解性シリル基は、加水分解してシロキサン結合を形成することにより有機重合体が架橋しゴム状の硬化物となる。このシロキサン結合は、例えば、珪素原子に結合した水酸基もしくは加水分解性基により形成される。
【0017】
上記架橋可能な加水分解性シリル基とは、珪素原子に1〜3個の加水分解性基が結合したものであり、加水分解性基とは、例えば、水素、ハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、アシルオキシド基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシド基等が好ましい例としてあげられ、反応の際に有害な副生成物を生成しないアルコキシ基が特に好ましい。
【0018】
上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェルノキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられ、炭素数1〜3のアルコキシ基が特に好ましい。アルコキシ基の結合したアルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基等のトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基等のジメトキシシリル基;メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基等のモノアルコキシシリル基を挙げることができる。これらを複数個組み合わせて用いてもよいし、異なるアルコキシ基を複数個組み合わせて用いてもよい。
【0019】
有機重合体(a)の主鎖構造は、特に限定されないが、ポリエーテル主鎖構造、ポリエステル主鎖構造、ポリカーボネート主鎖構造、ポリウレタン主鎖構造、ポリアミド主鎖構造、ポリウレア主鎖構造、ポリイミド主鎖構造、ポリシロキサン主鎖構造及び重合性不飽和基を重合して得られるビニル系重合体主鎖構造及びこれらの主鎖構造を組み合わせて得られる主鎖構造が挙げられる。有機重合体(a)は、好ましくは、ビニル系重合体及び/又はポリエーテル重合体である。すなわち、主鎖がビニル重合体であっても、ポリエーテル系重合体であっても、或いは、ビニル系重合体部分とポリエーテル系重合体部分の両者を有していても良い。
尚、上記ビニル系重合体主鎖構造には、主鎖構造としては同じになるエチレン系重合体の主鎖構造も含まれるものとする。
【0020】
上記ポリエーテル主鎖構造としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の主鎖構造が挙げられ、上記ポリエーテル系重合体としては、これらの主鎖構造を有する共重合体、置換基を有する誘導体を挙げることができる。
【0021】
ポリエーテル主鎖構造もつ有機重合体(a)の市販品としては、例えば、鐘淵化学工業(株)の商品名MSポリマーとして、MSポリマーS−203、S−303、S−903等、サイリルポリマーとしてサイリルSAT−200、MA−403、MA−447等、旭硝子(株)のエクセスターESS−2410、ESS−2420、ESS−3630等を挙げることができる。
【0022】
上記ポリエステル主鎖構造としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール等のグリコールとテレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、コハク酸、フタル酸、アジピン酸等のジカルボン酸を縮合させて得られるポリエステル主鎖構造が挙げられる。
【0023】
上記ポリカーボネート主鎖構造としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等のポリオールとキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート等のイソシアネートを重付加させて得られるポリウレタン主鎖構造が挙げられる。
【0024】
上記ポリアミド主鎖構造としては、例えば、ジアミンとジカルボン酸を縮合あるいはカプロラクタムを開環重合させて得られるポリアミド主鎖構造が挙げられる。
【0025】
上記ポリウレア主鎖構造としては、例えば、ジアミンとジイソシアネートを重付加させて得られるポリウレア主鎖構造が挙げられる。
【0026】
上記ポリイミド主鎖構造としては、例えば、ジアミンと1分子中に2個の環状酸無水物構造を有する化合物のイミド化によって得られるポリイミド主鎖構造が挙げられる。
【0027】
上記ポリシロキサン主鎖構造としては、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、メチルフェニルシロキサン等のポリシロキサン主鎖構造が挙げられる。

【0028】
上記ビニル系重合体の主鎖構造としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。他同様の主鎖構造を有する塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキル等のハロゲン化有機重合体が挙げられ、これらが好適に用いられる。
【0029】
本発明で用いられる上記重合性不飽和基を重合して得られるビニル系重合体としては、重合性不飽和基を有する化合物を重合して得られるビニル系重合体であれば特に限定されない。上記重合性不飽和基を有する化合物を重合して得られるビニル系重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(メタ)アクリレーと、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルエーテル等を挙げることができる。また、これらビニル系重合体部分を有する共重合体であってもよい。
【0030】
上記ビニル系重合体としては、凝集力や接着性等から数平均分子量8000以上の(メタ)アクリレート重合体やその他のビニルモノマーとの共重合体が好ましい。ここで、(メタ)アクリルとはメタクリルとアクリルをまとめて示した表現である。
【0031】
上記(メタ)アクリレートの重合体や他のビニルモノマーとの共重合体を得るための(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル−2−ヒドロキシプロピルフタル酸、
【0032】
(化合物1)
CH=CH−C(O)O−CHCHO−[C(O)CHCHCHCHCHO]−H (n=1〜10)
(化合物2)
CH=C(CH)−C(O)O−CHCHO−[C(O)CHCHCHCHCHO]−H
(n=1〜10)
(化合物3)
CH=CH−C(O)O−(CHCHO)−H
(n=1〜12)
(化合物4)
CH=C(CH)−C(O)O−(CHCHO)−H
(n=1〜12)
(化合物5)
CH=CH−C(O)O−[CHCH(CH)O]−H
(n=1〜12)
(化合物6)
CH=C(CH)−C(O)O−[CHCH(CH3)O)]−H
(n=1〜12)
(化合物7)
CH=C(CH)−C(O)O−(CHCHO)n−[CHCH(CH)O)]−H
(m、n=1〜12)
(化合物8)
CH=CH−C(O)O−(CHCHO)−[CHCH(CH)O)]−H (m、n=1〜12)
(化合物9)
CH=C(CH)−C(O)O−(CHCHO)−(CHCHCHCHO)‐H
(m、n=1〜12)
(化合物10)
CH=CH−C(O)O−(CHCHO)−(CHCHCHCHO)‐H
(m、n=1〜12)
(化合物11)
CH=CH−C(O)O−(CHCHO)−CH
(n=1〜10)
(化合物12)
CH=C(CH)−C(O)O−(CHCHO)−CH
(n=1〜30)
(化合物13)
CH=CH−C(O)O−[CHCH(CH)O]−CH
(n=1〜10)
(化合物14)
CH=C(CH)−C(O)O−[CHCH(CH)O]−CH
(n=1〜10)
(化合物15)
CH=C(CH)−C(O)O−(CHCHO)−[CHCH(CH)O)]−H
(m、n=1〜10)
(化合物16)
CH=CH−C(O)O−(CHCHO)−[CHCH(CH)O)−H
(m、n=1〜10)
(化合物17)
CH=CH−C(O)O−[CHCH(CH)O]−C(O)−CH=CH
(n=1〜20)
(化合物18)
CH=C(CH)−C(O)O−[CHCH(CH)O]−C(O)−C(CH)=CH
(n=1〜20)
(化合物19)
CH=CH−C(O)O−[CHCHO]−C(O)−CH=CH
(n=1〜20)
(化合物20)
CH=C(CH)−C(O)O−[CHCHO]−C(O)−C(CH)=CH
(n=1〜20)
等を挙げることができる。
【0033】
上記他のモノマーとしては、例えば、スチレン、インデン、αーメチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン誘導体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニル等のビニルエステル基を持つ化合物;無水マレイン酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニルモルフォリン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリチレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4−ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオール−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−ジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチルトリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシル、ビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル3−アミノプロピルビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル等のビニロキシ基を持つ化合物を挙げることができる。また上記ビニル重合体は、ハロゲン元素を含有していてもよく、たとえば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、塩素かポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリメタアクリル酸パーフロオロアルキル等が挙げられる。
【0034】
本発明で用いられる有機重合体(a)は、公知の製法で得られる。例えば、フリーラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法、UVラジカル重合法、リビングアニオン重合法、リビングカチオン重合法、リビングラジカル重合法などを用いることができ、モノマーの重合性反応に応じて適宜重合法を選択すればよい。
上記の方法の内、重合開始剤として過酸化物系開始剤、アゾ化合物系開始剤を用いるフリーラジカル重合法が好ましく、アゾ化合物系開始剤として用いた場合は重合体が応変しやすいので、特に好ましくは、過酸化物系重合開始剤を用いたフリーら光る重合法が好ましい。
【0035】
上記過酸化物系重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、イソノナノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドなどのジアシルパーオキサイド類;ジイソプロピルパージカーボネート、ジ−sec−ブチルパージカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパージカーボネート、ジ−1−メチルヘプチルパージカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパージカーボネート、ジシクロヘキシルパージカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類;tert−ブチルパーベンゾエート、tert−ブチルパーアセテート、tert−ブチルパー−2−エチルへキサノエート、tert−ブチルパーイソブチレート、tert−ブチルパーピバレート、tert−ブチルジパーアジペート、キュミルパーネオデカノエートなどのパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジキュミルパーオキサイド、tert−ブチルキュミルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのジアルキルパーオキサイド類;キュメンヒドロキシパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどを挙げることができる。なお、過酸化物は、1種のみが用いられてもよく、複数種併用されてもよい。さらに、過酸化物は、複数回にわたって逐次添加されてもよい
【0036】
架橋可能な加水分解性シリル基を有するメタアクリル酸エステル、架橋可能な加水分解性シリル基を有する共重合性モノマー、架橋可能な加水分解性シリル基を有する開始剤、架橋可能な加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤等を用いて重合と同時にシリル基を導入する方法(例えば、特開昭54−123192号公報、特開昭57−179210号公報、特開昭59−78220号公報、特開昭60−23405号公報に記載されている。)や、アルケニル基を有するビニル重合体を合成し、その後、ヒドロシリル化によってアルコキシシリル基を導入する方法(例えば、特開昭54−40893号公報、特開平11−80571号公報に記載されている。)等がある。本発明で用いられる有機重合体(a)のアルコキシシリル基の導入法は、有機重合体(a)が得られる限り、上述の様な公知の方法を用いることができる。
【0037】
上記架橋可能な加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、N−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン3−アクリロイルオキシプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロペニルトリメトキシシラン、
【0038】
上記架橋可能な加水分解性シリル基を有する共重合性モノマーとしては、ビニルメチルジアセトキシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビンルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルジメチルイソペンテニルオキシシラン、ビニルジメチル−2−[(2−エトキシエトキシ)エトキシ]シラン、ビニルトリス(1−メチルビニルオキシ)シラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、フェニルビニルジエトキシシラン、ジフェニルビニルエトキシシラン、6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、オクタ−7−エニルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン等の重合性不飽和基を有するアルコキシシラン等を挙げることができる。
【0039】
上記架橋可能な加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトメチルトリメチルシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシシラン、等の連鎖移動性の高い官能基を有するアルコキシシランが挙げられる。上記架橋可能な加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤配合量は、ビニル系重合性モノマー100重量部に対し、0.01〜20重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜5重量部である。
【0040】
(有機重合体(b))
本発明で用いる有機重合体(b)は、少なくとも加水分解性エステル構造を有する有機重合体であって、主鎖構造が有機重合体(a)と実質的に同じである限り特に限定されない。
また、加水分解性エステル構造の重合体上での位置は、有機重合体の末端であってもよく、側鎖であってもよい。また、有機重合体末端と側鎖の両方に加水分解性エステル構造が位置していてもよい。
上記加水分解性エステル基を重合体に導入する方法としては、加水分解性エステル基を有するビニルモノマーを共重合させる方法が挙げられる。
上記加水分解性エステル構造を含有するビニルモノマーとしては、「PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS」(Theodora W.Greene, Peter G.M.Wuts著 WILEY・INTERSCIENCE版)p.224〜276に挙げられるものであり、さらに好ましくは、弱酸性条件下、40℃以下で加水分解するエステル構造を含有するビニルモノマーが好ましい。
有機重合体(b)中の記加水分解性エステル構造を有するビニルモノマーの量は、硬化性組成物の熱安定性及び硬化後の硬化物性等から1〜40重量部が好ましい。
【0041】
上記加水分解性エステル基を有するビニルモノマーとしては、置換メチル(メタ)アクリレートが挙げられ、例えば、9−フルオレニルメチル(メタ)アクリレート、メトキシメチル(メタ)アクリレート、メチルチオメチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフラニル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシメチル(メタ)アクリレート、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(メタ)アクリレート、ベンジルオキシメチル(メタ)アクリレート、フェナシル(メタ)アクリレート、p−ブロモフェナシル(メタ)アクリレート、α―メチルフェナシル(メタ)アクリレート、p−メトキシフェナシル(メタ)アクリレート、カルボキシアミドメチル(メタ)アクリレート、N−フタリミドメチル(メタ)アクリレート、1,3−ジチアニル−2−メチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0042】
更に、加水分解性エステル基を有するその他の(メタ)アクリレートとして、2−置換エチル(メタ)アクリレートである、例えば、2,2,2−トリクロロエチル(メタ)アクリレート、2−ハロエチル(メタ)アクリレート、2−トリメチルシリルエチル(メタ)アクリレート、2−メチルチオエチル(メタ)アクリレート、2−(p−ニトロフェニルスルヘニル)エチル(メタ)アクリレート、2−(p−トルエンスルホニル)エチル(メタ)アクリレート、2−(2’−ピリジル)エチル(メタ)アクリレート、2−(ジフェニルフォスフィノ)エチル(メタ)アクリレートが1−メチル−1−フェニルエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0043】
更に、加水分解性エステル基を有するその他の(メタ)アクリレートとして、ω−クロロアルキル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、3−ブテン−1−イル(メタ)アクリレート、4−(トリメチルシリル)−2−ブテン−1−イル(メタ)アクリレート、シナミル(メタ)アクリレート、α−メチルシナミル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、p−(メチルメルカプト)フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0044】
更に、加水分解性エステル基を有するその他の(メタ)アクリレートとして、置換ベンジルエステルである例えば、トリフェニルメチル(メタ)アクリレート、ジフェニルメチル(メタ)アクリレート、ビス(o−ニトロフェニル)メチル(メタ)アクリレート、9−アンスリルメチル(メタ)アクリレート、2−(9,10−ジオキソ)アンスリルメチル(メタ)アクリレート、5−ジベンゾスベリル(メタ)アクリレート、1−ピレニルメチル(メタ)アクリレート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロミルメチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリメチルベンジル(メタ)アクリレート、p−ブロモベンジル(メタ)アクリレート、o−ニトロベンジル(メタ)アクリレート、p−ニトロベンジル(メタ)アクリレート、p−メトキシベンジル(メタ)アクリレート、2,6−ジメトキシベンジル(メタ)アクリレート、4−(メチルスルヒニル)ベンジル(メタ)アクリレート、ピペロニル(メタ)アクリレート、4−ピコルイル(メタ)アクリレート、p−ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0045】
更に、加水分解性エステル基を有するその他の(メタ)アクリレートとして、例えば、トリメチルシリル(メタ)アクリレート、トリエチルシリル(メタ)アクリレート、t−ブチルジメチルシリル(メタ)アクリレート、i−プロピルジメチルシリル(メタ)アクリレート、フェニルジメチルシリル(メタ)アクリレート、ジ−t−ブチルメチルシリル(メタ)アクリレート等のシリルメタアクリレートが挙げられる。
【0046】
更に、加水分解性エステル基を有するその他の(メタ)アクリレートとして、チオールエステルである例えば、S−(メタ)アクリオリルチオエタン、S−(メタ)アクリオリルチオ−t−ブタン、S−(メタ)アクリオリルチオ−n−ブタン、S−(メタ)アクリオリルチオベンゼン、S−(メタ)アクリオリルチオ−2−ピリジン、S−(メタ)アクリオリルチオ−c−ヘキサン等も挙げられる。
【0047】
更に、加水分解性エステル基を有するその他の(メタ)アクリレートとして、各種カルボン酸誘導体(メタ)アクリレートである例えば、2−(メタ)アクリオリル−1,3−オキサゾリン、4−(メタ)アクリオリル−5−オキソ−1,3−ジオキソラン、5−(メタ)アクリオリル−4−オキソ−1,3−ジオキソラン等が挙げられる。
【0048】
更に、加水分解性エステル基を有するその他の(メタ)アクリレートとして、スタニル(メタ)アクリレート、トリエチルスタニル(メタ)アクリレート、トリ−n−ブチルスタニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0049】
更に、加水分解性エステル基を有するその他の(メタ)アクリレートとして(メタ)アクリルアミドである例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ピロリジニル(メタ)アクリルアミド、ピペリジニル(メタ)アクリルアミド、5,6−ジヒドロフェナンスリジニル(メタ)アクリルアミド、o−ニトロアニリド(メタ)アクリルアミド、N−7−ニトロインドリル(メタ)アクリルアミド、N−8−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリル(メタ)アクリルアミド、p−P−ベンゼンスルホン(メタ)アクリルアミド等も挙げられる。
【0050】
更に、加水分解性エステル基を有するその他の(メタ)アクリレートとして、ヒドラジドである例えば、(メタ)アクリルヒドラジド、(メタ)アクリル−N−フェニルヒドラジド、(メタ)アクリル−N,N´−ジイソプロピルヒドラジド等が挙げられる。
【0051】
更に、また、ビニルエーテルにアクリル酸を付加させて加水分解性エステル構造を含有ビニルモノマーを得てもよく、この場合ビニルエーテルとしては、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、3、4−ジヒドロ2H―ピランなどが用いられる。
【0052】
(有機重合体(a)、(b)の粘度)
本発明においては、有機重合体(a)又は有機重合体(b)のどちらかの粘度が1〜50000Pa・sであることが好ましい。有機重合体(a)と有機重合体(b)のどちらもが粘度1Pa・s未満の場合、取り扱い易い液状組成物となるが、粘性調整によるチキソ性の付与が困難な場合がある。有機重合体(a)と有機重合体(b)のどちらもが粘度50000Pa・sを越える場合、塗布等の作業性が悪くなり意、取り扱いの難しい硬化性組成物となる場合がある。より好ましくは、有機重合体(a)又は有機重合体(b)のどちらかの粘度が10〜5000Pa・sである。さらに好ましくは、100〜3000Pa・sである。また、本発明の硬化性組成物の粘度は、塗布、塗工性党から5〜50000Pa・sが好ましく、更に、好ましくは、10〜10000Pa・sである。
【0053】
(有機重合体(a)、(b)の分子量)
本発明においては、有機重合体(a)又は有機重合体(b)のどちらかの数平均分子量(GPCより求めたポリスチレン換算分子量)は、5000〜100000であることが好ましい。より好ましくは、有機重合体(a)又は有機重合体(b)のどちらかの数平均分子量が1000〜50000であり、更に好ましくは、5000〜30000である。
有機重合体(a)と有機重合体(b)のどちらもが数平均分子量5000未満の場合、取り扱い易い液状硬化性組成物となるが、硬化物の伸びが十分得られない場合がある。有機重合体(a)と有機重合体(b)のどちらもが粘度100000を越える場合、硬化物の伸び物性に優れた組成物を容易に得ることが出来るが、糸引きの生じやすい液状硬化性組成物となる場合がある。
【0054】
(配合割合)
本発明で用いられる有機重合体(a)と有機重合体(b)の配合割合は、特に限定されないが、好ましくは、有機重合体(a)と有機重合体(b)の合計100重量部に対して、有機重合体(a)は10〜98重量部である。有機重合体(a)の配合割合が10重量部未満の場合、有機重合体(a)が架橋したとしても、架橋度が低く十分な硬化物とはなり得ない場合がある。一方、有機重合体(a)の配合割合が98重量部を越える場合、有機重合体(b)の配合割合が極めて少ない硬化性組成物となり、有機重合体(b)による硬化物の十分な伸びが期待できない場合がある。従って、有機重合体(a)と有機重合体(b)の配合割合は、上記範囲が好適であるが、より好ましくは、有機重合体(a)の配合割合は、30〜95重量部である。更に、好ましくは、50〜90重量部である。
【0055】
本発明で用いられる有機重合体(a)としてビニル系重合体を用いる場合は、少なくとも架橋可能な加水分解性のシリル基を有するポリエーテル系重合体(c)を添加することが好ましく、これにより硬化物の耐水性を高めたり、シーリング剤を構成した場合のゴム弾性を高めることができる。
【0056】
上記架橋可能な加水分解性シリル記を含有するポリエーテル系重合体(c)とは、主鎖が本質的に、一般式 ―(R―O)―、(式中のRは炭素数1〜4であるアルキレン基を示す。Oは酸素原子を表す。nは自然数を表す。)で表される繰り返し単位を含み、かつ架橋可能な加水分解性シリル基を含有する重合体であり、ポリエーテル主鎖構造を有する重合体(a)が用いられてよい。ポリエーテル系重合体(c)の量は、有機重合体(a)と有機重合体(b)の合計100重量部に対して、20〜80重量部であることが好ましい。
【0057】
本発明の硬化性組成物は、無機粉体(d)を含有することが好ましく、無機粉体(d)としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、マグネシア、マイカ、タルク等が挙げられる。上記無機粉体(d)の、中でも、重質炭酸カルシウム、脂肪酸処理炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム粉体(d1)が好ましい。
【0058】
上記無機粉体(d)の量は、樹脂成分100重量部に対して80〜200重量部が好ましい。80重量部未満の場合は硬化物強度が低下し、200重量部を超えた場合は作業性が著しく低下する。
【0059】
(その他添加物)
本発明の効果・目的を阻害しない範囲において、本発明の硬化性組成物に必要に応じて、有機重合体(a)の硬化促進剤、硬化性組成物の粘性特性を調整するための増粘剤・チキソトロープ剤、引っ張り特性等を改善する物性調整剤、増量剤、補強剤、可塑剤、着色剤、難燃剤等の公地の機能を有する各種添加剤を加えても良い。
【0060】
上記硬化促進剤として、例えば、有機金属化合部を用いることができる。好適に用いることの出来る有機金属化合物として、ゲルマニウム、錫、鉛、硼素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタニウム、ジルコニウム等の金属元素と有機基を置換してなる有機金属化合物を挙げることが出来る。また、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイド等の錫化合物、テトラ−n−ブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート等のチタネート系化合物も挙げられ、これらは単独または2種以上を併用して使用することが出来る。
【0061】
上記増粘剤として、例えば、有機重合体(a)との相溶性の良い高分子化合物から選ばれ、配合される化合物から適宜選択される。例えば、アクリル系高分子、メタクリル系高分子、ポリビニルアルコール誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン誘導体、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリイソブテン、ポリオレフィン類、ポリアルキレンオキシド類、ポリウレタン類、ポリアミド類、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、NBR、SBS、SIS、SEBS、水添NBR、水添SBS、水添SIS、水添SEBS等を挙げることができる。また、これら共重合体、官能基変成体を挙げることができ、これらを適宜組み合わせてもよい。
【0062】
上記チキソトロープ剤として、硬化性組成物がチキソトロピー性を発現するような物質から適宜選ばれる。例えば、コロイダルシリカ、ポリビニルピロリドン、疎水化炭酸カルシウム、ガラスバルーン、ガラスビーズ等を挙げることができる。チキソトロープ剤の選択については、有機重合体(a)との親和性の高い表面を有することが好ましい。
【0063】
上記引っ張り特等を改善する物性調整剤としては、各種シランカップリング剤が用いられ、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン等が挙げられ、これらは単独または2種以上併用してもかまわない。
【0064】
上記増量剤として、本発明の硬化性組成物中に添加してチキソトロープ性を発現しないものが好適に利用でき、例えば、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水珪素、含水珪素、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック等を挙げられ、これらは単独または2種以上併用してもかまわない。
【0065】
上記可塑剤として、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類、フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステル類、グリセリンモノオレイル酸エステル等の脂肪酸−塩基酸エステル類、アジピン酸ジオクチル等の脂肪酸二塩基酸エステル類、ポリプロピレングリコール類等を挙げられ、これらは単独または2種以上併用してもかまわない。
【0066】
その他、必要に応じて、タレ防止剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、溶剤、香料、顔料、染料等を添加しても良い。
【0067】
本発明の硬化性組成物を主成分とし、必要に応じて硬化促進剤等の各種添加物を添加し、混練、脱泡することにより、本発明の接着剤、シーリング剤を得ることが出来る。
【発明の効果】
【0068】
本発明の硬化性組成物では、加水分解性シリル基を有する有機重合体(a)と、少なくとも加水分解性酸エステル構造を有する有機重合体であって、主鎖構造が有機重合体(a)と同じ主鎖構造を有する有機重合体(b)とを含むため、硬化前の安定性および雰囲気中の湿気により硬化した後の硬化物の優れた高伸び物性に優れた硬化性組成物を提供することが可能となる。
【0069】
従って、本発明の硬化性組成物からは、歪の吸収が必要であるシーリング部分、コーティング部分、あるいは接着部分などに好適に用いることができ熱安定性と高伸び性を有するシーリング剤または接着剤を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0070】
以下、本発明の具体的な実施例を説明することにより、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0071】
(加水分解性シリル基を有するビニル系重合体(a1)の調製)
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を供えた2Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート100g、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、品番:KBM−503)0.5g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、品番:KBM−803)0.2g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)0.1g及び酢酸エチル100gを投入して、混合してモノマー混合溶液とした。
【0072】
このモノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、攪拌しながら還流に達するまでに昇温した。還流した後、重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。更に、重合開始後、2、3及び4時間後に、ジ(3,3,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g、0.12g、及び0.36gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液をそれぞれ投入した。一回目の重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し、重合を終了させ重合体を得た。
【0073】
(加水分解性エステル基を有するビニル重合体(b1)の調製)
攪拌機、冷却機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒性)95g、トリメチルシリルメタクリレート(アルドリッチ社製)5g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)4g及び酢酸エチル100gを投入して、混合した。得られたモノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、攪拌しながら還流に達するまでに昇温した。
【0074】
還流後、重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。更に、重合開始後、2、3及び4時間後、ジ(3,3,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g、0.12g、および0,3gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入し、重合体を得た。
【0075】
(加水分解性エステル基を有するビニル重合体(b2)の調製)
225mL蓋つきマヨネーズ瓶に2−ヒドロキシエチルビニルエーテル(日曹丸善ケミカル社製)122g、アクリル酸(和光純薬社製)100gを仕込み、マグネチックスターラーで24時間攪拌を行い混合液を得た。
【0076】
上記のようにして得た混合液11.1gを攪拌機、冷却機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに投入し、更にn−ブチルアクリレート(日本触媒性)88.9g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)4g及び酢酸エチル100gを投入して混合した。得られたモノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、攪拌しながら還流に達するまでに昇温した。
【0077】
還流後、重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。更に、重合開始後、2、3及び4時間後、ジ(3,3,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g、0.12g、および0,3gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入し、重合体を得た。
【0078】
(加水分解性エステル基を有するビニル重合体(b3)の調製)
攪拌機、冷却機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒性)95g、t−ブチルアクリレート(東京化成社製)5g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)4g及び酢酸エチル100gを投入して、混合した。得られたモノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、攪拌しながら還流に達するまでに昇温した。
【0079】
還流後、重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。更に、重合開始後、2、3及び4時間後、ジ(3,3,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g、0.12g、および0,3gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入し、重合体を得た。
【0080】
(加水分解性エステル基を含まないビニル系重合体Xの調製)
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート100g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)4g及び酢酸エチル100gを投入して、混合した。モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、攪拌しながら還流に達するまでに昇温した。還流後、重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。更に、重合開始後、2、3及び4時間後、ジ(3,3,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g、0.12g、および0,3gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入し、重合体を得た。
【0081】
(カルボキシル基を有するビニル重合体Yの調製)
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート95g、アクリル酸(和光純薬社製)5g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)4g及び酢酸エチル100gを投入して、混合した。モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、攪拌しながら還流に達するまでに昇温した。還流後、重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。更に、重合開始後、2、3及び4時間後、ジ(3,3,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g、0.12g、および0,3gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入し、重合体を得た。
【0082】
(加水分解性シリル基を有するビニル系重合体(a2)の調製)
還流管をつけた1Lの三口丸底フラスコに臭化第一銅(6.25g、156mmol)、アセトニトリル(50mL)、及び、ペンタメチルジエチレントリアミン(9.1mL)を仕込み、窒素ガスで置換した。アクリル酸−n−ブチル(447g、3.9mol)、及び、ジエチル−2,5−ジブロモアジペート(15.7g、43.6mmol)を添加し、70℃で7時間過熱攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、活性アルミナで処理した。揮発分を減圧下留去し、末端にハロゲンを有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)を350g得た。有機重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により10700、分子量分布は1.15であった。
【0083】
次に、還流管をつけた2Lの三口丸底フラスコに、上記のようにして得られた末端にハロゲンを有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)(350g)、4−ペンテン酸のカリウム塩(22.3g、161mmol)、及び、ジメチルアセトアミド(350mL)を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間反応させた。混合物を酢酸エチルで希釈し、2%塩酸、ブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、揮発分を減圧下留去することにより有機重合体を単離した。有機重合体と等量の珪酸アルミ(協和化学製:キョーワード700PEL)を添加して100℃で4時間攪拌し、末端にアルケニル基を有するポリ(アクリル酸ブチル)を得た。オリゴマー1分子当たりに導入されたアルケニル基は、H−NMR分析より、1.82個であった。
【0084】
次に、200mLの耐圧ガラス反応容器に、上記有機重合体(150g)、ジメトキシメチルヒドロシラン(18mL、145mmol)、オルトぎ酸ジメチル(2.6mL、24.2mmol)、及び、白金触媒を仕込んだ。但し、白金触媒の使用量は、有機重合体のアルケニル基に対して、モル比で2×10−当量とした。反応混合物を100℃で4時間加熱した。混合物の揮発分を減圧留去することにより、末端にシリル基を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)を得た。オリゴマー1分子当たりに導入されたシリル基は、H−NMR分析より、1.46個であった。
【0085】
(実施例1)
上記で得られた酢酸エチルを除去する前のアルコキシシリル基含有アクリル重合体(a1)の酢酸エチル溶液160gと、酢酸エチル除去前のカルボキシル基含有アクリル重合体(b1)の酢酸エチル溶液40gとを混合した後、ロータリーエバポレーターを用いて酢酸エチルを除去し、粘調な液状の組成物を得た。
【0086】
上記のようにして得た粘調な液状の組成物に、更に、重質炭酸カルシウム70g、脂肪酸処理炭酸カルシウム30g、硬化促進剤(ジブチル錫ジラウレート)3gを加え、密封した攪拌機で均一になるまで混合し、しかる後10分間減圧脱泡し、白色ペースト状の硬化性組成物を得た。
【0087】
(加熱安定性試験)
得られた硬化性組成物に対し、レオメーター(REOLOGICA製、DAR−200粘弾性装置)を用いた105℃で3時間、周波数1.0ヘルツ、歪一定、時間掃引での粘度測定を行い、0時間目と3時間目との間の粘度増加率(%)を算出し、加熱安定性を評価した。
【0088】
(ゴム物性評価)
得られた硬化性組成物をポリエチレン板上に、膜厚が2.5mmとなるように塗工し、その後、20℃、相対湿度50%の環境下で7日間養生して、ゴム状のシートを得た。
以下の評価でゴム状のシートのゴム物性を評価した。
【0089】
20℃及び相対湿度50%の雰囲気下で7日間養生させたゴム状シートをJIS K 6301に準じて、3号ダンベル形状でクロスヘッドスピード500mm/分で引張試験を行い、最大伸度(%)と最大伸度時応力(N/mm)を評価した。
【0090】
(スレート接着性試験)
実施例1及び比較例1で得られた硬化性組成物を用いて2枚のスレート被着体(5mm×5mm×120mm)を貼り合わせた後、20℃相対湿度50%の環境下で7日間養生して試験片を作製した。
上記試験片を用いて、クロスヘッドスピード10mm/分で引き剥がして接着強度を測定した。
【0091】
上記評価結果を、硬化性組成物の配合割合と共に表1に示す。
【0092】
(実施例2〜11、比較例1、2)
各成分の配合割合を表1、表2、表3に示すように変更したことを除いては、実施例1と同様にして硬化性組成物を得、実施例1と同様にして加熱安定性試験、ゴム物性評価をした。結果を表1、表2、表3に示す。
【0093】
【表1】

【表2】

【表3】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
架橋可能な加水分解性シリル基を含有する有機重合体(a)と、加水分解性エステル構造を有する重合体であって、有機重合体(a)と実質的に同じ主鎖構造を有する有機重合体(b)とを含むことを特徴とする硬化性組成物。
【請求項2】
有機重合体(a)の主鎖構造体が、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリウレア、ポリイミド、ポリシロキサン及び重合性不飽和基を重合して得られるビニル系重合体の主鎖構造体及びこれらの主鎖構造を組み合わせて得られる主鎖構造を有する有機重合体の群から選択された1種であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項3】
有機重合体(a)がビニル系重合体であることを特徴とする請求項2に記載の硬化性組成物。
【請求項4】
ビニル系重合体が、過酸化物を重合開始剤として用いたラジカル重合により得られるビニル系重合体であることを特徴とする請求項3に記載の硬化性組成物。
【請求項5】
有機重合体(a)がビニル系重合体であり、架橋可能な加水分解性シリル基を有するポリエーテル系重合体(c)が更に配合されてなることを特徴とする請求項3又は4に記載の硬化性組成物。
【請求項6】
無機粉体(d)が更に配合されてなることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の硬化性組成物。
【請求項7】
無機粉体(d)が炭酸カルシウム粉体(d1)であることを特徴とする請求項6に記載の硬化性組成物。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載の硬化性組成物を用いることを特徴とするシーリング剤。
【請求項9】
請求項1〜7の何れか1項に記載の硬化性組成物を用いることを特徴とする接着剤。

【公開番号】特開2006−89647(P2006−89647A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−278484(P2004−278484)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】