説明

磁気再生ヘッドおよび磁気記録再生装置

【課題】本発明の目的は、磁気ノイズが低く、高いSN比を有する磁気再生ヘッドおよび高密度の磁気記録再生装置を提供することにある。
【解決手段】磁気再生ヘッドにおいて、第一の非磁性導電体101から固定層105を介して第二の非磁性導電体103へ電流を流しながら、第一の非磁性導電体101と第一の自由層102との間の電圧と、第二の非磁性導電体103と第二の自由層104との間の電圧との差分から記録媒体1704の漏洩磁気を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
磁気抵抗効果素子を用いた磁気再生ヘッド及びそれを備えた磁気記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気記録再生装置市場においては、年率40%超の記録密度向上が要求されており、現在の成長率に従うと2011年頃には1平方インチ当たりテラビット(Tbit/in)に到達すると推測される。テラビット級の磁気記録再生装置に対し、磁気記録再生ヘッドは、高出力化・高分解能化を余儀なくされている。
【0003】
現行の磁気記録再生装置に関しては、その要素技術として、センス電流を積層面に垂直に流すCPP−GMR(Current Perpendicular to Plane Giant Magneto Resistance)ヘッドやTMR(Tunneling Magneto Resistance)ヘッドが提案されている。これらスピンバルブタイプの再生装置は、媒体からの漏洩磁界の検出方法として磁性導電体(自由層)を用いており、磁気的に一方向に固着した磁性導電体(固定層)との相対的な磁化の向きに関して、抵抗変化を示す。
【0004】
高出力化狙いでスピン蓄積効果を応用した素子を再生ヘッドに用いた磁気装置が提案されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)なお、非磁性導電体の中でのスピン電子の作用については非特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−342241号公報
【特許文献2】特開2004−186274号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】F.J.Jedema他4名、“Electrical detection of spin precession in a metallic mesoscopic spin valve”、Nature、vol.416(2002)、p713−716.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現行のCPP−GMRヘッドやTMRヘッドに関して、分解能を高める為には構成膜を薄くする必要性がある。特にビット長が小さくなってくると、高い分解能を得る為にはギャップ幅を狭小化しなくてはならない。例えば、1平方インチ当たり2テラビット(2Tbit/in)の媒体に対する再生ヘッドはギャップ幅が18nmとなり、素子の構成膜の合計が18nm以下にする必要性がある。その為、現行のCPP−GMRヘッドやTMRヘッドの構成では、室温においても磁性導電体の磁化が不安定となる。磁性導電体の熱安定性Sは、下記数式(1)で評価され、その値が100以下になると熱揺らぎの為、磁化を保つことが困難となる。
【0008】
【数1】

磁性導電体の体積が減少すると、磁化の不安定化が起こり、磁気的なノイズが増大する事が予想される。その為、再生ヘッドのS/N比が悪くなり、超高密度ハードディスクの読み出しが困難となる。
【0009】
そこで、テラビット級の面記録密度を持つハードディスクに関しては、高分解能かつ低ノイズを特徴とする外部磁界センサが必要となっている。
【0010】
特許文献1や特許文献2に記載のスピン蓄積効果を応用した再生ヘッドは、高分解能かつ低ノイズを実現できる可能性がある。スピン蓄積効果とは、強磁性導電体から非磁性金属に電流を流した際に、スピン拡散長の範囲内で、非磁性金属中にスピン偏極した電子が蓄積される現象である。なお、スピン拡散長とは、スピンの情報が消失する(スピンが反転する)距離を表しており、物質固有の値である。この効果は、強磁性導電体が一般にフェルミ準位において異なるスピン密度(アップスピン電子とダウンスピン電子の数が異なる)をもつため、強磁性導電体から非磁性金属に電流を流すとスピン偏極した電子(スピン電子)が注入され、アップスピン電子とダウンスピン電子のケミカルポテンシャルが異なることに起因している。この蓄積されたスピン電子の為、非磁性導電体は、スピン拡散長の範囲内で、強磁性的な振る舞いをする事が知られている(非特許文献1参照)。
【0011】
本効果を利用した再生ヘッドは、スピン電流を注入する磁性導電体を固定層、他方の磁性導電体を記録媒体に対向する自由層として利用する。スピン蓄積効果によって、固定層と自由層とをスピン拡散長の範囲内で離れた位置に配置することが出来る為、記録媒体に対向するシールド間距離(ギャップ長)を狭小化することが可能となる。また、自由層のセンシング部分には直接電流が流れない為、ジョンソンノイズなどを低減できる可能性がある。
【0012】
しかし、記録密度が高くなるとシールド間距離も更に小さくなる。その為、シールド間内部に配置される自由層の体積を減少せざるを得ない。自由層の体積が減少すると、熱揺らぎに起因する磁気ノイズが増大すると予想される。実際、面内記録密度が2Tb/inになると、ギャップ長が18nm程度となる。(ただし、トラック幅とギャップ幅が1:1を仮定している。)この場合、磁性導電体の膜厚が2〜3nm程度になり、素子から発生されるノイズの殆どが磁気ノイズから起因する物となる。その為、高いS/N比を得る為には、磁気ノイズを低減する必要性がある。
【0013】
本発明の目的は、磁気ノイズが低く、高いSN比を有する磁気再生ヘッドおよび高密度の磁気記録再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するための一形態として、第一の非磁性導電体と前記第一の非磁性導電体の上に積層された第一の自由層と、第二の非磁性導電体と前記第二の非磁性導電体上に積層された第二の自由層と、その両端が前記第一と前記第二の非磁性導電体に接する第三の磁性導電体からなり、前記第一の非磁性導電体から、前記第三の非磁性導電体方向に、前記第二の非磁性導電体に向けて電流を印加する、前記第一および前記第二の非磁性導電体中にスピン電子を蓄積させる電極端子とを備え、磁気記録媒体からの漏洩磁界を検出する場合、前記第一の非磁性導電体と前記第一の自由層の電位差と、前記第二の非磁性導電体と前記第二の自由層の電位差を検出する電圧端子を有し、前記第一の非磁性導電体と前記第一の自由層の電位差と、前記第二の非磁性導電体と前記第二の自由層の電位差の差分を検出できる電気回路を持つことを特徴とする磁気再生ヘッドとする。
【0015】
また、長手記録連続媒体、垂直記録連続媒体、ディスクリート媒体、パターン媒体のうち少なくとも1個の磁気記録層を有する磁気記録媒体と、前記記録媒体を駆動する駆動部と、請求項1に記載の磁気再生ヘッドと磁気記録ヘッドとを組み合わせた磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体上の所定の位置へ移動させるアクチュエータと、前記磁気ヘッドからの出力信号を処理する手段とを備えたことを特徴とする磁気記録再生装置とする。
【発明の効果】
【0016】
一対のスピン蓄積素子のそれぞれの電圧の差分から漏洩磁界を検出する(差動型スピン蓄積素子)ことにより、低磁気ノイズで高いS/Nを示す磁気再生ヘッド及び高密度の磁気記録再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第一の差動型スピン蓄積素子を模式的に示す斜視図である。
【図2】第一の差動型スピン蓄積素子の原理を説明するための概略図である。
【図3】第二の差動型スピン蓄積素子を模式的に示す斜視図である。
【図4】第三の差動型スピン蓄積素子を模式的に示す斜視図である。
【図5】第一の差動型スピン蓄積素子の製造工程図であり、(a)は配線用電極となる導電膜および第一の自由層となる膜が形成された工程を示す正面図、(aa)はその底面図(記録媒体側から見た図)、(b)は配線用電極となる導電膜および第一の自由層となる磁性導電体膜が加工された工程を示す正面図、(bb)はその底面図、(c)は層間絶縁膜が形成・加工された工程を示す正面図、(cc)はその底面図、(d)は第一の非磁性導電体となる膜及び固定層となる膜が形成された工程を示す正面図、(dd)はその底面図、(e)は固定層となる膜が加工された工程を示す正面図、(ee)はその底面図、(f)は層間絶縁膜が形成された工程を示す正面図、(ff)はその底面図である。
【図6】図5で示された第一の差動型スピン蓄積素子の製造工程の続きの製造工程図であり、(a)は第二の非磁性導電体となる膜、第二の自由層となる膜及び配線用電極となる膜が形成された工程を示す正面図、(aa)はその底面図、(b)は第二の自由層となる膜及び配線用電極となる膜が加工された工程を示す正面図、(bb)はその底面図、(c)は層間絶縁膜となる膜が形成・加工された工程を示す正面図、(cc)はその底面図、(d)は層間絶縁膜が形成・加工された工程を示す正面図、(dd)はその底面図である。
【図7】図6で示された第一の差動型スピン蓄積素子の製造工程の続きの製造工程図であり、(a)はそれぞれ第一の自由層、第一の非磁性導電体、層間絶縁膜、第二の非磁性導電体、第二の自由層等になる膜がトラック方向に加工された工程を示す正面図、(aa)はその底面図、(b)は層間絶縁膜を形成した工程を示す正面図、(bb)はその底面図、(c)は層間絶縁膜を加工した工程を示す正面図、(cc)はその底面図、(d)は電極用配線膜を形成・加工した工程を示す正面図、(dd)はその底面図である。
【図8】第一の差動型スピン蓄積素子の模式図である。
【図9】記録媒体と差動型スピン蓄積ヘッドとの位置関係を示す概略図である。
【図10】差動型スピン蓄積素子の出力波形図である。
【図11】出力波形のGI依存性を示す図である。
【図12】出力波形の自由層幅wの依存性(GI<TR−(w+w)/2)を示す図である。
【図13】出力波形の自由層幅wの依存性(GI>TR−(w+w)/2)を示す図である。
【図14】従来技術による素子と本発明による素子のノイズ特性比較図である。
【図15】本発明に係る差動型スピン蓄積素子を備えた再生ヘッドの概略図である。
【図16】本発明に係る再生ヘッドを備えた磁気ヘッドの概略図である。
【図17】本発明による磁気ヘッドを備えた磁気記録再生装置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を適用するのに好ましい磁気ヘッドについて、実施例を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
第1の実施例について図1を用いて説明する。図1は本実施例に係る第一の差動型スピン蓄積素子を模式的に示す斜視図である。本素子は、第一の非磁性導電体101と第一の磁性導電体102とが接している。同様に、第二の磁性導電体104は、第一の非磁性導電体101と反対方向に第二の非磁性導電体103に接している。記録媒体に対向する第一の磁性導電体102および第二の磁性導電体104は、記録媒体からの漏洩磁場に依存して磁化の向きが反転することから、それぞれ第一の自由層、第二の自由層と呼ぶ。一方、第三の磁性導電体105は、磁気的に一方向に固定されており、固定層と呼ぶ。固定層105の両端は、それぞれ、第一の非磁性導電体101および第二の非磁性導電体103に接した構造となっている。
【0020】
動作原理を図2を用いて説明する。
図2は、図1で示した作動型スピン蓄積素子の動作原理図である。第一の非磁性導電体101から、固定層105を介して第二の非磁性導電体103へと定常的に電流Iを流した場合、第一および第二の非磁性導電体101、103中にはスピン電子Is1、Is2が注入される。
【0021】
この点について更に説明する。アップとダウンに偏極したスピン電子の総数は、第二の非磁性導電体103の左側では同数である。今、固定層105の磁化の向きがアップを向いている場合、第二の非磁性導電体103中を移動するアップを向いたスピン電子(アップスピン電子)は、スピンフィルタリングの効果で、固定層105を透過する。ダウンを向いたスピン電子(ダウンスピン電子)は、固定層105と第二の非磁性導電体103の界面で反射される。
【0022】
すなわち、固定層105が、それぞれの非磁性導電体へのスピン注入源となっている。その結果、第二の非磁性導電体103中には、ダウンスピン電子Is2↓が、スピン拡散長の範囲内で蓄積される。一方、固定層105中を移動しているアップスピン電子は、第一の非磁性導電体101へ注入され、スピン蓄積効果によって、アップスピン電子Is1↑が蓄積される。
【0023】
この蓄積されたスピン電子の為、非磁性導電体は、スピン拡散長の範囲内で、強磁性的な振る舞いをする。この現象は、固定層105の磁化の向きが反対でも必ずおき、その結果、第一の非磁性導電体101と第二の非磁性導電体103に蓄積されるスピン電子の偏極方向が、常に反対の極性を持つ事がわかる。
【0024】
第一と第二の自由層102、104の磁化の向きが同じ場合、出力電圧V1とV2は常に反対の極性を示す。その為、第一の非磁性導電体101と第一の自由層102の間に電位差V1が生じ、自由層の磁化の向きに依存してV1が変化する。同様に、第二の非磁性導電体103と第二自由層104との間にも、磁化の向きに依存した電位差V2が生じる。そこで、V1とV2の差分Vdiffを検出することで、磁気記録媒体の漏洩磁場の方向を検知することが可能となる。このような素子をここでは、差動型スピン蓄積素子と呼ぶ。すなわち、本素子を用いることにより、V1とV2の差分をとる事で外乱の影響が取り除かれるため、ギャップシールド(磁気シールド)が不要な、磁気再生ヘッドを提供できる。
【0025】
尚、V1とV2の絶対値が等しくなる様に、例えば、V2の絶対値の補正を電気回路にて行っている。また、流す電流の向きは逆方向、すなわち第二の非磁性導電体から固定層を介して第一の非磁性導電体へ流してもよい。
【0026】
本実施例の差動型スピン蓄積素子を構成する各要素の材料として以下のものを用いることができる。
【0027】
第一および第二の非性導電体101、103は、Cu、Au、Ag、Pt、Al、Pd、Ru、Ir、Rhを含む非磁性導電性金属か、または、GaAs、Si、TiN、TiO、ReOを主成分とする伝導性の化合物からなる。これらの非磁性導電性金属は、スピン拡散長が長い為、スピン電子を効率的に蓄積できるのが特徴である。
【0028】
第一、第二の自由層102、103と固定層105は、Co、Ni、Fe、Mnあるいは、これらの元素を少なくとも一種類を主成分として含有している合金あるいは化合物からなる材料で構成される。さらに、ハーフメタルFeに代表されるABなる構造を持つ酸化物で、AはFe、Co、Znの少なくとも一つ、BはFe、Co、Ni、Mn、Znの一つからなる酸化物、CrO、CrAs、CrSbあるいはZnOに遷移金属であるFe、Co、Ni、Cr、Mnを少なくとも一成分以上添加した化合物、GaNにMnを添加した化合物、あるいはCoMnGe、CoMnSb、CoCr0.6Fe0.4Alなどに代表されるCD×E1×F型のホイスラー合金で、CはCo、CuあるいはNiの少なくとも一種類からなり、DとEはそれぞれMn、Fe、Crの一種であり、かつFはAl、Sb、Ge、Si、Ga、Snの少なくとも一成分を含有する材料を、これら磁性層が含有している場合でも用いることができる。
【0029】
本実施例に示した第一の差動型スピン蓄積素子の製造方法を図5、図6及び図7を用いて説明する。素子の加工は、1.第一自由層の作製工程、2.第一の非磁性導電体および固定層の作製工程、3.第二の非磁性層および自由層の作製工程、4.細線加工工程、5.コンタクト部作製工程の大まかに5つの工程を有する。
【0030】
素子を作製する基板として、SiO基板やガラス基板などの通常用いられる基板(酸化マグネシウム基板、GaAs基板、AlTiC基板、SiC基板、Al基板等を含む)を用いることができる。また、第一の差動型スピン蓄積素子を構成する要素を形成するための各膜は、RFスパッタリング法やDCスパッタリング法、分子線エピタキシー法(MBE)等の膜形成装置を用いて形成することができる。例えばRFスパッタリング法の場合、Ar雰囲気中で、約0.1〜0.001Paの圧力、100W〜500Wのパワーで、所定の膜を成長させた。素子形成する基板は、上記基板を直接用いるか、または、これら基板上に絶縁膜や、適当な下地金属膜などを形成したものを用いたものである。
工程1:第一自由層の作製
図5(a)、(aa)は、直径が3インチで熱酸化膜が形成されたSi基板500上にRFマグネトロンスパッタリング装置で、コンタクト用非磁性導電体501を形成した後、第一の自由層102を積層した製造工程を示す図である。図5(a)は正面図、図5(aa)は底面図(記録媒体側から見た図)である。尚、電極用の配線膜501−1としてAuを用いた。また、自由層102に用いた磁性材料はNiFeであり、実用性が高い。その他、上述した材料が候補である。
【0031】
その後、電子線描画法とドライエッチングによって微細加工した(図5(b)、(bb))。その後、層間絶縁用膜503−1を積層し、第一の非磁性導電体101と磁性導電体102との電圧を測定する為のコンタクトホールを形成した(図5(c)、(cc))。層間絶縁膜503−1としては、Alを用いたが、SiO、MgOなどの酸化物を用いてもよい。
工程2:第一非磁性細線および固定層の作製
次いで、第一の非磁性導電体101となる膜及び固定層105となる膜を形成する(図5(d)、(dd))。第一の非磁性導電体101としてCu、固定層105としてMnIr/NiFeを実用性が高いため採用したが、材料に関しては、図1で説明したものが候補である。尚、Cu細線を真空中で240℃、50分間の条件で焼き鈍している。
【0032】
その後、電子線描画法とドライエッチングによって固定層105となる膜の微細加工を行った(図5(e)、(ee))。また、微細加工後、層間絶縁膜503−2をAlで形成し、固定層505上の絶縁膜503−2をリフトオフによって、除去している(図5(f)、(ff))。
工程3:第二の非磁性層および自由層の作製
次に、第二の非磁性導電体103となる膜、第二の自由層104となる膜および配線用電極501−2となる膜を固定層105上に積層する(図6(a)、(aa))。第二の非磁性導電体103としてCu、第二の自由層104としてNiFeを用いた。他の候補材料は、図1で示したのもが挙げられる。次に、配線用電極501−2と第二の自由層104を加工する(図6(b)、(bb))。
【0033】
その後、Al2O3の層間絶縁膜503−3を積層し、コンタクトホールを形成する(図6(c)、(cc))。これらの微細加工は、電子線描画法とドライエッチングによって微細加工を行った。その後、第二の非磁性体103と電圧端子とのコンタクトを取るために、非磁性導電体103と電極用配線膜501−3を積層し、リフトオフ法によって、コンタクト部分以外の非磁性導電体103を剥離する(図6(d)、(dd))。
工程4:細線加工
以上の工程で作られた素子を構成する第一、第二の自由層102、104、第一、第二の非磁性導電体101、103、層間絶縁膜503−1、503−2、503−3、配線用電極501−2、501−3等々の積層膜を、今度は、トラック方向に微細加工する。微細加工は、電子線描画法とドライエッチングによって行った(図7(a)、(aa))。また、微細化加工後、層間絶縁膜503−4を積層した(図7(b)、(bb))。
工程5:コンタクト部作製
工程4で形成された素子の電圧端子、および、電流端子部分を作製するために、層間絶縁膜503−4にコンタクトホールを形成し(図7(c)、(cc))、その後、電極用配線膜501−4を製膜する。最小で、電圧端子4個、電流端子2個の計4つの電極パターンを光学式の露光器で作製し、ミリングによって加工する(図7(d)、(dd))。
以上の工程を経て、第一差動型スピン蓄積素子が完成する。
【0034】
次に、図8に示す第一の差動型スピン蓄積素子を用いて、本素子の電気的特性について説明する。符号101、103が第一および第二の非磁性体を示し、それぞれの幅がw0とする。第一の自由層102のサイズ(幅×奥行き×高さ)は、w1×D×h1(nm)、第二の自由層104のサイズは、w2×D×h2(nm)、固定層105のサイズは、w-3×D×h3(nm)、固定層の磁化を固定する反強磁性導電体808のサイズは、w-AF×D×h3(nm)とする。また、媒体に対向する第一の自由層102および第二の自由層104の間隔をGIとし、第一の自由層102と固定層105との間隔をLとする。
【0035】
図9は、差動型スピン蓄積素子と記録媒体の関係図を示す。トラック幅をTRとし、第一の非磁性導電体101と第一の自由層102との電位差、および第二の非磁性導電体103と第二の自由層104との電位差をそれぞれV1、V2とし、w1=w2および|V1|=|V2|の条件で出力信号波形を得た。
【0036】
図10は、差動型スピン蓄積素子で得られる出力信号の波形を示す。尚、図中の細破線、細実線、太破線、太実線は、それぞれ、V1、V2、Vdiff+(=V1+V2)、Vdiff−(=|V1−V2|)とする。得られる出力電圧V1とV2の極性は、GIの大きさに依存しており、GI<TR/2の場合はV1とV2が異なる極性、GI>TR/2の場合はV1とV2が同じ極性となる。その為、V1とV2の差分電圧Vdiffを、GI<TR/2の場合はV1+V2、GI>TR/2の場合は、V1−V2と定義する。
【0037】
図11は、差分電圧VdiffのGI依存性を示す。GI<TR−(w1+w2)/2の範囲では、出力電圧Vdiffが元の電圧V1またはV2の絶対値の2倍の値を示す。GI>TR−(w1+w2)/2の範囲では、GIの増加に従って減少していく。ただし、GI<TRとする。
【0038】
図12は、GI<TR−(w1+w2)/2の場合の、差分電圧Vdiffの磁性導電体の膜厚w依存性を示す。ただし、TR=18nm、GI=12nm、w1=w2とした。この範囲内では、磁性導電体の線幅に依らず、差分電圧Vdiffが元の電圧V1またはV2の絶対値の2倍の値を示す。この結果、磁性導電体の体積を増大させても出力は減少しないため、磁気ノイズを低減するため、磁性導電体の体積を増大させることが、高SN比が得られる再生ヘッドの最適な構造であるといえる。
【0039】
図13は、GI>TR−(w1+w2)/2の場合の、差分電圧Vdiffの磁性導電体の膜厚w依存性を示す。ただし、TR=12nm、GI=10nm、w1=w2とした。この範囲内では、磁性導電体の線幅が増大するに従って、差分電圧Vdiffが増大していく。その為、高SN比を保つためには、磁性導電体の体積を増加する必要があり、w=TR/2の膜厚で設計することが理想である。
【0040】
上記電気的特性を踏まえ、図8に示した第一の差動型スピン蓄積素子を用いて出力電圧の改善効果やノイズ低減効果について説明する。
【0041】
本実施例では、第一および第二の自由層102、104として、被抵抗値ρ=20μΩcmのNiFeを用いた。それぞれの自由層の幅は、w1=w2=6nmとし、h1=20nm、D=12nm、GI=10nmとなる様に微細加工した。また、第一および第二の非磁性導電体101、103として、被抵抗値ρ=2μΩcmのCuを用いた。Cu細線は、In−situでミリング加工後、熱処理を施し、酸化防止膜Alで覆われている。
【0042】
第一および第二の非磁性導電体101、103の非磁性細線の幅は、共にw0=3nmとしている。固定層105は、幅w3=3nm、被抵抗値ρ=20μΩcmのNiFeを用いた。また、固定層105の磁化を固定する為の反強磁性導電体808としてMnIrを用い、その幅は、wAF=8nmとしている。固定層105および反強磁性体808の高さ方向の長さは、h3=100nmとし、この断面を貫く電流をI=1mA、磁性電極間距離L=50nmの条件で、差分電圧Vdiffの測定を行った。
【0043】
尚、本発明による効果の比較として、前記素子と分解能が同じ(ギャップ間距離が10nm)単独のスピン蓄積ヘッドも用意した。こちらの素子サイズは、自由層の体積のみが異なり、w1×D×h=2×12×20nmとする。尚、非磁性体および固定層のサイズは、前記素子と同じものとする。また、それぞれの素材、および、磁性電極間距離Lも同様とした。
【0044】
差動型スピン蓄積素子に関して、出力電圧V1およびV2を測定したところ、それぞれの出力電圧は、従来技術の単独のスピン蓄積ヘッドの出力電圧V0と同じ値を示した。そこで、V1とV2の差動出力Vdiffを検出した所、約1.4倍の値を示した。また、出力電圧の磁場依存性を測定すると、単独の自由層を持つスピン蓄積素子に比べ、本実施例による差動型スピン蓄積素子の方が、出力電圧の揺らぎが少ない結果となった。これは、差動型スピン蓄積素子の構造にする事で、各自由層の磁性体体積が増大した事を反映している。
【0045】
次に、本実施例によるノイズ低減効果について説明する。図14にその結果を示す。横軸がセンス電流の大きさに対応しており、縦軸がノイズの大きさである。ショットノイズに関しては、従来技術と本発明による技術との間で、優位な差は見られなかった。しかし、磁気ノイズに関しては、本実施例による効果は顕著に観測され、本実施例の範囲では、約67%の低減に成功している。これは、差動型スピン蓄積再生ヘッドでは、従来の単独のスピン蓄積素子を用いたヘッドと比較し、各自由層の体積が3倍となった為に、磁化の熱安定性が増大したと推測される。また、差動型スピン蓄積素子の出力に関しては、従来技術の約1.4倍となるため、SN比は従来技術と比較し増大する。
【0046】
次に、本実施例に係る差動型スピン蓄積素子用いた再生ヘッド(差動型スピン蓄積再生ヘッド)の構成について説明する。
【0047】
図15は、差動型スピン蓄積再生ヘッドの模式図である。1501は、差動型スピン蓄積素子である。1502は、電流端子、1503、1504は、第一および第二の自由層の電圧を検出する為の電圧端子となる。電流は定電流源1505を用いて印加し、電圧V1、V2は電圧増幅器1506、1507を用いて増幅される。この時、増幅された電圧V1、V2の最大値が等しくなるように補正する。これらの電圧は、信号処理器1508を用いて検出する。尚、磁区制御として、バイアス磁界を1509、1510を用いて発生させている。
【0048】
図16は、記録・再生磁気ヘッドの模式図を示す。1601はスライダアーム、1602は磁気ヘッド、1603は本実施例に係る再生ヘッド部位、1604は垂直記録方式やエネルギーアシストによる記録ヘッド部位をそれぞれ示す。本実施例による再生ヘッドは、膜厚方向へ積層して作製可能の為、従来の垂直記録方式などの記録ヘッドとの組み合わせも可能である。
【0049】
図17は、長手記録連続媒体、垂直記録連続媒体、ディスクリート媒体、パターン媒体といった磁気記録層を有する磁気記録媒体1704と、前記記録媒体を駆動する駆動部1705と、図16で示した磁気ヘッド1703と、前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体上の所定の位置へ移動させるアクチュエータ1701およびスライダアーム1702と、前記磁気ヘッドからの出力信号を処理する信号処理部1716と、駆動部1705及びアクチュエータ1701を制御する制御部1717とを備えた磁気記録再生装置を表す。
【0050】
本磁気記録再生装置は、スピンドルモータ等の駆動部1705によって、磁気記録媒体1704を回転させ、磁気ヘッド1703による記録再生を行う。磁気ヘッド1703から出力された電圧は、適切な信号処理によって、磁気記録媒体1704の磁気情報を読み取ることが可能となる。
【0051】
本実施例によれば、一対のスピン蓄積素子を用いることにより、磁気ノイズを低減でき、高いS/N比を有する磁気再生ヘッドを実現できる。また、一対のスピン蓄積素子からの出力電圧の差分をとることにより、記録媒体からの漏洩磁場を検出するため、外部磁気の影響が無視でき、素子部を挟み込む磁気シールドが不要となり、磁性導電体の配置の自由度が増す。そのため、媒体のトラック幅が狭くなった場合でも、磁性導電体の体積を減少する必要がなく、超テラビットの高密度磁気記録再生装置を実現できる。
【実施例2】
【0052】
第2の実施例について図3を用いて説明する。なお、実施例1に記載され、本実施例に記載されていない事項は実施例1と同様である。
【0053】
図3は、第二の差動型スピン蓄積素子である。本素子の特徴として、第一の非磁性導電体101と第一の自由層102との間に、第一の障壁層303が形成されている。同様に第二の非磁性導電体103と第二の自由層104との間に、第二の障壁層306が形成されている。自由層の幅としては、自由層と障壁層との幅の和とすればよい。
【0054】
第一および第二の固定層105−1、105−2の磁化は、反強磁性導電体308によって、共に同一方向に固定されている。第一および第二の固定層105−1、105−2は、第三および第四の障壁層310、311を介して、それぞれ、第一および第二の非磁性導電体101、103に接続された構造をとる。
【0055】
センシングの電流Iは、図1で示した方向(すなわち、第一の非磁性導電体101から第二の非磁性導電体103へ向かう方向)に流し、第一および第二の固定層105−1、105−2が、第一および第二の非磁性導電体101、103のスピン注入源となっている。本構造では、自由層、および、固定層と非磁性との接合は、TMR接合となっており、第一の差動型スピン蓄積素子と比較し、2桁程度、高い出力を示す。
【0056】
また、第一および第二の非磁性導電体101、103が記録媒体に対応する側での間隔が、固定層を配置した部位の間隔と比べて狭い構造とした。これにより、媒体に対向する第一の自由層102および第二の自由層104の間隔GIを小さくでき、読み取りの分解能が向上する。
【0057】
非磁性導電体、および、磁性導電体の材料は、図1で示した材料とし、反強磁性導電体308としてMnIr、MnPt、MnRh等、障壁層303、306、310、311としてMgO、Al、AlN、SiO、HfO、Zr、Cr、TiO、SrTiOの少なくとも一種類を含む材料からなる単膜あるいは積層膜を用いた。
【0058】
また、第二の差動型スピン蓄積素子も実施例1で示した素子の製造方法において、形成する膜の構成を変えることによって、作製が可能である。
【0059】
本実施例によれば、実施例1と同様の効果がある。また、本実施例では、自由層、および、固定層と非磁性との接合は、TMR接合となっており、第一の差動型スピン蓄積素子と比較し、高い出力を得ることができる。更に、第一および第二の非磁性導電体101、103が記録媒体に対応する側での間隔が、固定層を配置した部位の間隔と比べて狭い構造を有するため、読み取りの分解能を向上させることができる。
【実施例3】
【0060】
以下、第3の実施例を図4を用いて説明する。なお、実施例1や実施例2に記載され、本実施例に記載されていない事項は実施例1や実施例2と同様である。
【0061】
図4は、第三の差動型スピン蓄積素子である。本素子構造の特徴は、第一および第二の自由層102、104に積層フェリ構造を用いた点である。第一の積層フェリ自由層の構成は、RuやTaなどの非磁性導電体102−2が、磁性導電体102−1と102−3とで挟まれた構造となっており、磁性導電体102−1と102−3の磁化の間には、反強磁性結合が働いている。この構造にする事で、自由層の熱安定性を確保でき、かつ、磁化反転の際のトルクノイズが低減できる。
【0062】
また、第三の差動型スピン蓄積素子も実施例1で示した素子の製造方法において、形成する膜の構成を変えることによって、作製が可能である。
【0063】
本実施例によれば、実施例1と同様の効果がある。また、本実施例では、第一および第二の自由層102、104に積層フェリ構造を用いており、自由層の熱安定性を確保でき、かつ、磁化反転の際のトルクノイズを低減することができる。
【符号の説明】
【0064】
101…第一の非磁性導電体、
102、102−1、102−2、102−3…第一の自由層、
103…第二の非磁性導電体、
104、104−1、104−2、104−3…第二の自由層、
105、105−1、105−2…固定層、
308、408、808…反強磁性導電体、
302、305、310、311、402、405、410、411…障壁層、
503−1、503−2、503−3、503−4…層間絶縁膜、
501−1、501−2、501−3、501−4、1502、1503、1504…配線用電極、
1501、1603…差動型スピン蓄積再生ヘッド、
1505…電流源、
1506、1507…電圧増幅器、
1508…信号処理器、
1509、1510…磁区制御用磁石、
1601、1702…スライダアーム、
1602、1703…磁気ヘッド、
1604…記録ヘッド、
1701…アクチュエータ、
1704…磁気記録媒体、
1705…駆動部、
1716…信号処理部、
1717…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の非磁性導電体と前記第一の非磁性導電体の上に積層された第一の自由層と、第二の非磁性導電体と前記第二の非磁性導電体上に積層された第二の自由層と、その両端が前記第一と前記第二の非磁性導電体に接する第三の磁性導電体からなり、前記第一の非磁性導電体から、前記第三の非磁性導電体方向に、前記第二の非磁性導電体に向けて電流を印加する、前記第一および前記第二の非磁性導電体中にスピン電子を蓄積させる電極端子とを備え、磁気記録媒体からの漏洩磁界を検出する場合、前記第一の非磁性導電体と前記第一の自由層の電位差と、前記第二の非磁性導電体と前記第二の自由層の電位差を検出する電圧端子を有し、前記第一の非磁性導電体と前記第一の自由層の電位差と、前記第二の非磁性導電体と前記第二の自由層の電位差の差分を検出できる電気回路を持つことを特徴とする磁気再生ヘッド。
【請求項2】
請求項1記載の磁気再生ヘッドにおいて、
前記第一および前記第二の非磁性導電体の膜厚方向に流れる電流は、前記第三の磁性導電体を貫く共通の電流とし、前記電流によって、前記第三の磁性導電体からそれに接する前記第一及び前記第二の非磁性導電体へとスピン電子が同時に注入されることを特徴とする磁気再生ヘッド。
【請求項3】
請求項1記載の磁気再生ヘッドにおいて、
前記第一の非磁性導電体と前記第一の自由層との間、あるいは、第二の非磁性導電体と前記第二の自由層との間、あるいは、前記第一の非磁性導電体と前記第一の自由層との間、かつ、前記第二の非磁性導電体と前記第二の自由層との間、に障壁層を備えたことを特徴とする磁気再生ヘッド。
【請求項4】
請求項3記載の磁気再生ヘッドにおいて、
前記第一および前記第二の自由層が積層フェリ構造を備えたことを特徴とする磁気再生ヘッド。
【請求項5】
請求項1記載の磁気再生ヘッドにおいて、
前記第一の非磁性導電体と前記第一の自由層の電位差と、前記第二の非磁性導電体と前記第二の自由層の電位差の最大値が等しくなるように電圧を補正する補正機能を有することを特徴とする磁気再生ヘッド。
【請求項6】
長手記録連続媒体、垂直記録連続媒体、ディスクリート媒体、パターン媒体のうち少なくとも1個の磁気記録層を有する磁気記録媒体と、前記記録媒体を駆動する駆動部と、請求項1に記載の磁気再生ヘッドと磁気記録ヘッドとを組み合わせた磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体上の所定の位置へ移動させるアクチュエータと、前記磁気ヘッドからの出力信号を処理する手段とを備えたことを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項7】
磁性導電体を含む第一の自由層と、第一の非磁性導電体と、第二の非磁性導電体と、磁性導電体を含む第二の自由層とが磁気記録媒体のトラック方向に沿って順次配列されるように配置され、
前記第一の非磁性導電体と前記第二の非磁性導電体は、前記磁気記録媒体側では互いに離間するように配置され、前記磁気記録媒体の反対となる側で磁性導電体を含む固定層を挟んで配置され、
前記固定層を介して前記第一の非磁性導電体と前記第二の非磁性導電体との間に電流を流す手段と、
前記第一の自由層と前記第一の非磁性導電体との間の電位差と、前記第二の自由層と前記第二の非磁性導電体との間の電位差との差分を検出する手段とを有することを特徴とする磁気再生ヘッド。
【請求項8】
請求項7記載の磁気再生ヘッドにおいて、
前記第一の自由層と前記固定層との最短距離は、スピン電子が前記第一の非磁性導電体中を拡散するときのスピン拡散長の範囲内であり、
前記第二の自由層と前記固定層との最短距離は、スピン電子が前記第二の非磁性導電体中を拡散するときのスピン拡散長の範囲内であることを特徴とする磁気再生ヘッド。
【請求項9】
請求項7又は8記載の磁気再生ヘッドにおいて、
前記第一の非機器導電体と前記第二の非磁気導電体との距離は、前記固定層側と前記磁気記録媒体側とで等しいことを特徴とする磁気再生ヘッド。
【請求項10】
請求項7又は8記載の磁気再生ヘッドにおいて、
前記第一の非機器導電体と前記第二の非磁気導電体との距離は、前記固定層側よりも前記磁気記録媒体側で短いことを特徴とする磁気再生ヘッド。
【請求項11】
磁気記録媒体を駆動する駆動部と、前記磁気記録媒体への書き込みを行なう磁気記録ヘッド及び前記磁気記録媒体へ書き込まれた情報を再生するための請求項7記載の磁気再生ヘッドが組み込まれた磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体上の所定の位置へ移動させるアクチュエータと、前記磁気ヘッドからの出力信号を処理する手段とを有することを特徴とする磁気記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−192063(P2010−192063A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37558(P2009−37558)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、文部科学省、高機能・超低消費電力スピンデバイス・ストレージ基盤技術の開発 委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】