説明

神経セロイドリポフスチン症の治療における使用のための1H−キナゾリン−2,4−ジオン

本発明は、神経セロイドリポフスチン症の治療、予防または進行の遅延のための競合的AMPA受容体拮抗薬の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、神経セロイドリポフスチン症の治療における使用のための治療薬に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
神経セロイドリポフスチン症(NCL)は、進行性の精神および運動機能の低下、発作、および早期死亡を特徴とする遺伝性の神経変性リソソーム貯蔵障害の一群である。視力喪失は、大部分の形態の特徴である。神経セロイドリポフスチン症は約100年前に記載されたが、しかし、現在、NCLの症状を治癒させ、遅延させ、または止め得る広く受け入れられた治療はない。
【0003】
神経セロイドリポフスチン症には、乳児型神経セロイドリポフスチン症(INCL、Santavuori−Haltia)、後期乳児型(LINCL、Jansky−Bielschowsky)、フィンランド後期乳児型(fLINCL)、ポルトガル後期乳児型(pLINCL)、トルコ後期乳児型(tLINCL)、若年型(JNCL、バッテン病、Spielmeyer−Vogt)、成人型(ANCL、クッフス病)、およびノーザンてんかん(NE、精神遅滞を伴う進行性てんかん(progressive epilepsy with mental retardation))が含まれる。
【0004】
INCLの小児は、出生時には正常であり、症状は通常、月齢6〜24ヶ月で急性に現れる。初期徴候には、遅延性発育、ミオクローヌス筋収縮および/または発作、頭部成長の減速、ならびに特異的脳波(EEG)変化が含まれる。罹患した乳児は、2才までに網膜失明および発作、その後に進行性精神機能低下を発症する。
【0005】
LINCLの最初の症状は典型的には、2〜4才で現れ、通常てんかんで始まり、その後、発達の目安(developmental milestones)の退行、認知症、運動失調、ならびに錐体外路および錐体路徴候が続く。視力障害は典型的には、4〜6才で現れ、急性に失明に進行する。寿命(life expectancy)は、6才〜40才を超える範囲である。
【0006】
JNCLの発症は通常、4〜10才である。2〜4年以内に全盲をもたらす急速進行性視力喪失は、しばしば最初の臨床的徴候である。全身性強直間代発作、複雑部分発作、またはミオクローヌス発作を伴うてんかんは典型的には、5〜18才で現れる。寿命は、10代後半〜30代の範囲である。
【0007】
ANCLの初期徴候および症状は通常、ほぼ30才で現れ、約10年後に死亡する。罹患した患者は、進行性ミオクローヌスてんかんまたは行動異常を示し、すべての患者が、認知症、運動失調、ならびに遅発性錐体路および錐体外路徴候を示す。
【0008】
ノーザンてんかんは、強直間代性または複雑部分発作、精神遅滞、および運動機能障害を特徴とする。2〜10才で発症する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、神経セロイドリポフスチン症の治療のための新規な治療薬を提供することが有利であると思われる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の要旨
式(I)
【化5】


(式中、
は、ヒドロキシ、C〜CアルコキシもしくはC〜Cシクロアルコキシから選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されたC〜Cアルキルであるか;または
は、
【化6】


であり;
は、C〜Cアルキル、ヒドロキシまたはC〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルであり;
は、水素またはC〜Cアルキルであり;
nは、1または2であり;
は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである)
の1H−キナゾリン−2,4−ジオンおよびその医薬的に許容される塩ならびにそのプロドラッグを、神経セロイドリポフスチン症の治療、予防または進行の遅延に使用し得ることが見出された。
【0011】
したがって、本発明の第1の態様は、神経セロイドリポフスチン症の治療(治療的または予防的にかかわらず)、予防または進行の遅延のための、式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンもしくはその医薬的に許容される塩またはそのプロドラッグの使用に関する。
【0012】
本発明のさらなる態様は、そのような治療を必要としている被験体における神経セロイドリポフスチン症の治療、予防または進行の遅延のための方法であって、前記被験体に治療有効量の式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンもしくはその医薬的に許容される塩またはそのプロドラッグを投与する工程を含む方法に関する。
【0013】
本発明のさらなる態様は、神経セロイドリポフスチン症の治療、予防または進行の遅延のための式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンもしくはその医薬的に許容される塩またはそのプロドラッグを含む医薬組成物に関する。
【0014】
本発明のさらなる態様は、神経セロイドリポフスチン症の治療、予防または進行の遅延のための医薬の製造のための式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンもしくはその医薬的に許容される塩またはそのプロドラッグの使用に関する。
【0015】
本発明のさらなる態様は、神経セロイドリポフスチン症の治療、予防または進行の遅延のための式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンもしくはその医薬的に許容される塩またはそのプロドラッグに関する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の詳細な説明
本発明は、神経セロイドリポフスチン症の治療、予防または進行の遅延における使用のための、式(I)
【化7】


(式中、
は、ヒドロキシ、C〜CアルコキシもしくはC〜Cシクロアルコキシから選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されたC〜Cアルキル;ヒドロキシ、C〜CアルコキシもしくはC〜Cシクロアルコキシから選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されたC〜Cシクロアルキルであるか;または
は、
【化8】


であり;
は、C〜Cアルキル、ヒドロキシまたはC〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルであり;
は、水素またはC〜Cアルキルであり;
nは、1または2であり;
は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである)
の化合物、1H−キナゾリン−2,4−ジオン;
およびその医薬的に許容される塩ならびにそのプロドラッグに関する。
【0017】
式(I)の化合物は、競合的AMPA拮抗薬である。アロステリック(非競合的)拮抗薬が、AMPA受容体の乗り越えられない遮断を与え、シナプスでいずれのAMPA受容体仲介神経伝達も潜在的に防止することはよく理解されている。対照的に、シナプスにおける高濃度のグルタミン酸は、競合的AMPA拮抗薬の存在下でシナプス後膜(post-synaptic membrane)を依然として活性化し得る(比較的低い効力ではあるが)。したがって、競合的AMPA拮抗薬は、神経伝達を完全には遮断しないが、その代わりに、一部の神経疾患で見られる過剰なグルタミン酸シグナル伝達を低減するので、改善された安全性プロファイルを示し得る。
【0018】
式(I)の化合物は、活性化星状細胞からのAMPA誘発グルタミン酸の放出を遮断するのみでなく、経口投与後に、神経セロイドリポフスチン症に伴う症状を抑制する。
【0019】
式(I)の本発明の化合物は、競合的AMPA拮抗薬受容体阻害剤である利点に加えて、選択的な競合的AMPA拮抗薬である利点も示す。さらに、式(I)の本発明の化合物は、血液脳関門を通過することができ、経口剤形で製剤化され得る。
【0020】
本明細書において、特に他の定義が与えられない限り、以下の定義が適用されるものとする。
【0021】
アステリスク()を有する結合は、分子の残部に結合する先端部(point)を意味する。
【0022】
「C〜Cアルキル」は、直鎖または分岐鎖のアルキル基;例えば、メチル、エチル、n−またはイソプロピル、n−、イソ−、sec−またはtert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルを表し、メチル、エチル、n−プロピルおよびイソプロピルが特に好ましい。
【0023】
「C〜Cシクロアルキル」は、シクロペンチルまたはシクロヘキシル;好ましくはシクロペンチルを表す。
【0024】
「アルコキシ」、「シクロアルコキシ」、「アルコキシアルキル」および「フルオロアルキル」のそれぞれのアルキル/シクロアルキルの部分は、上記の「アルキル」/「シクロアルキル」の定義に記載されたのと同じ意味を有するものとする。
【0025】
「C〜Cフルオロアルキル」は好ましくは、トリフルオロメチル、ジフルオロメチルまたはフルオロメチルを表す。
【0026】
本発明における使用のための化合物は、遊離の形態で、その医薬的に許容される塩として、またはそのプロドラッグ誘導体として得られる。
【0027】
いずれの方法の検討または活性成分(active ingredient)への言及も、遊離の形態、その医薬的に許容される塩の形態またはそのプロドラッグ誘導体の形態で前記活性成分を含むと理解される。活性成分が、例えば、少なくとも1つの塩基性中心を有する場合、それらは酸付加塩を形成し得る。活性成分が、例えば、少なくとも1つの酸性中心(例えば、COOH)を有する場合、それらは塩基と塩を形成し得る。活性成分またはその医薬的に許容される塩はまた、水和物の形態で使用されてもよく、または結晶化に使用される他の溶媒を含んでもよい。
【0028】
「医薬的に許容される塩」は、毒性でない、生物学的に忍容性のある、または他の点では生物学的に望ましい、式(I)で表される化合物の遊離塩基/遊離酸の塩を意味すると意図される。好ましい医薬的に許容される塩は、薬理学的に有効であり、過度の毒性、刺激、またはアレルギー反応なしに患者の組織との接触に適したものである。このような塩は、当該分野で公知である(例えば、S.M. Bergeら、「Pharmaceutical Salts」、J. Pharm. Sd.、1977年、66:1〜19頁;および「Handbook of Pharmaceutical Salts, Properties, Selection, and Use」、Stahl, RH.、Wermuth, C.G.編;Wiley-VCH and VHCA: Zurich, 2002年)。
【0029】
本発明の1つの実施形態において、式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンは、遊離の形態で使用される。
【0030】
この態様において、神経セロイドリポフスチン症の治療(治療的または予防的にかかわらず)、予防または進行の遅延のための式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンの使用が提供される。
【0031】
この態様において、そのような治療を必要としている被験体における神経セロイドリポフスチン症の治療、予防または進行の遅延のための方法であって、前記被験体に治療有効量の式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンを投与する工程を含む方法も提供される。
【0032】
この態様において、神経セロイドリポフスチン症の治療、予防または進行の遅延のための式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンを含む医薬組成物も提供される。
【0033】
この態様において、神経セロイドリポフスチン症の治療、予防または進行の遅延のための医薬の製造のための式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンの使用も提供される。
【0034】
この態様において、神経セロイドリポフスチン症の治療、予防または進行の遅延のための式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンも提供される。
【0035】
式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンおよびその製造は、WO2006/108591から公知であるか、または前記参考文献と同じように調製され得る。WO2006/108591は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンおよびその医薬的に許容される塩に存在し得る不斉炭素原子(単数または複数)のために、この化合物は、光学的に活性な形態または光学異性体の混合物の形態、例えば、ラセミ混合物またはジアステレオマー混合物の形態で存在し得る。光学異性体のすべておよび、ラセミ混合物を含むそれらの混合物は、本発明の一部である。
【0037】
本明細書で用いられる「プロドラッグ」という用語は、本発明において使用される化合物にインビボで変換する化合物に関する。プロドラッグは、そのプロドラッグを被験体に投与した後に、インビボでの生理作用(例えば、加水分解、代謝など)によって本発明の化合物に化学的に改変される活性または不活性化合物である。プロドラッグの製造および使用に関する適切性および技術は、当業者によって周知である。本明細書で用いられる「プロドラッグ」という用語は、例えば、T. HiguchiおよびV. Stella、Pro-drugs as Novel Delivery Systems、A.C.S.シンポジウムシリーズの第14巻、Edward B. Roche編、Bioreversible Carriers in Drug Design、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987年;H Bundgaard編、Design of Prodrugs、Elsevier、1985年;およびJudkinsら、Synthetic Communications、26(23)、4351-4367頁(1996年);ならびに「The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action」、第2版、R B Silverman(特に第8章、497〜557頁)、Elsevier Academic Press、2004年に記載されたとおりに、インビボで、例えば、血液中での加水分解によって親化合物に変換される化合物を特に表す。
【0038】
したがって、プロドラッグは、その可逆的な誘導体に変換された官能基を有する薬剤を含む。通常、このようなプロドラッグは、加水分解によって活性な薬剤に変換される。例として、以下を挙げることができる:
【表1】

【0039】
プロドラッグは、酸化または還元反応によって活性な薬剤に変換し得る化合物も含む。例として以下を挙げることができる:
酸化活性化
N−、O−およびS−脱アルキル化
酸化脱アミノ化
N−酸化
S−酸化
エポキシ化
還元活性化
アゾ還元
スルホキシド還元
ジスルフィド還元
生体内還元アルキル化(bioreductive alkylation)
ニトロ還元
【0040】
上記反応および/または反応工程のそれぞれは、AMPA阻害剤またはそのプロドラッグを調製する方法において個別にまたは組み合わせて使用することができる。
【0041】
さらに、本発明の化合物(その塩を含む)は、その水和物の形態で得ることも、またはその結晶化に用いられる他の溶媒を含むこともできる。本発明の化合物は、医薬的に許容される溶媒(水を含む)と溶媒和物を本質的にまたは設計によって(inherently or by design)形成することができ、したがって、本発明は、溶媒和された形態および溶媒和されない形態の両方を包含することが意図される。「溶媒和物」という用語は、本発明の化合物(その医薬的に許容される塩を含む)と、1つ以上の溶媒分子との分子複合体を指す。このような溶媒分子は、受容者に無害であると知られている、薬学的技術分野で一般に用いられるもの、例えば、水、エタノールなどである。「水和物」という用語は、溶媒分子が水である複合体を指す。本発明の1つの実施形態において、式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンは、Rが、ヒドロキシ、C〜CアルコキシまたはC〜Cシクロアルコキシから選択される1、2または3個の置換基で置換されたC〜Cアルキルであり;Rが、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである化合物である。
【0042】
本発明の1つの実施形態において、式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオン、その医薬的に許容される塩およびそのプロドラッグは、

【化9】


であり;Rが、C〜Cアルキル、ヒドロキシまたはC〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルであり;Rが、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである化合物である。
【0043】
本発明の1つの実施形態において、式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオン、その医薬的に許容される塩およびそのプロドラッグは、

【化10】


であり;Rが、水素またはC〜Cアルキルであり;nが、1または2であり;Rが、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである化合物である。
【0044】
本発明の1つの実施形態において、式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンは、
A−1:N−[6−(1−ヒドロキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
A−2:N−[6−(1−メトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
A−3:N−[6−(1−ヒドロキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
A−4:N−[6−(1−イソプロポキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
A−5:N−[6−(1−エトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
A−6:N−[2,4−ジオキソ−6−(1−プロポキシ−プロピル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
A−7:N−[6−(1−イソプロポキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
A−8:N−[7−ジフルオロメチル−6−(1−エトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
A−9:N−[2,4−ジオキソ−6−(1−プロポキシ−エチル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
A−10:N−[6−(1−ブトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
A−11:N−[6−(1−イソブトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
A−12:N−[6−(1−メトキシ−ブチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
A−13:N−[6−(1−エトキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
A−14:N−[6−(1−シクロペンチルオキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
A−15:N−[6−(1−ヒドロキシ−ブチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
A−16:N−[6−(1−メトキシ−2−メチル−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
A−17:N−[6−(3−ヒドロキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
A−18:N−[6−(1−ヒドロキシ−3−メトキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
A−19:N−[6−(1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
B−1:N−[2,4−ジオキソ−6−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
B−2:N−[2,4−ジオキソ−6−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
B−3:N−[2,4−ジオキソ−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
C−1:N−{7−イソプロピル−6−[2−(2−メトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル}−メタンスルホンアミド;
C−2:N−[6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
C−3:N−[7−フルオロメチル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
C−4:N−{6−[2−(2−メトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル}−メタンスルホンアミド;
C−5:N−[6−(2−ヒドロキシ−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
C−6:N−[7−エチル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
C−7:N−[7−イソプロピル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
C−8:N−[7−イソプロピル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
C−9:N−[7−ジフルオロメチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
C−10:N−[7−ジフルオロメチル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
C−11:N−[7−エチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
C−12:N−[7−エチル−6−(2−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
C−13:N−[7−フルオロメチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
C−14:N−[7−(1−フルオロ−エチル)−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
C−15:N−[7−(1,1−ジフルオロ−エチル)−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
C−16:N−[7−(1,1−ジフルオロ−エチル)−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
C−17:N−[7−(1−フルオロ−エチル)−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;および
C−18:N−[6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
からなる群より選択される化合物である。
【0045】
本発明の1つの実施形態において、式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンは、化合物A−1、A−2、A−3、A−4、A−5、A−6、A−7、A−8、A−9、A−10、A−11、A−12、A−13、A−14、A−15、A16、A17、A−18およびA−19からなる群より選択される化合物である。
【0046】
本発明の1つの実施形態において、式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンは、化合物B−1、B−2およびB−3からなる群より選択される化合物である。
【0047】
本発明の1つの実施形態において、式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンは、化合物C−1、C−2、C−3、C−4、C−5、C−6、C−7、C−8、C−9、C−10、C−11、C−12、C−13、C−14、C−15、C−16、C−17およびC−18からなる群より選択される化合物である。
【0048】
本発明の有利な化合物、すなわち、式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンは、胃腸管から十分に吸収され、血液脳関門を通過し、十分に代謝的に安定であり、かつ、有利な薬物動態学的特性を有するものであるべきである。
【0049】
優れた生物学的利用能を有する好ましい化合物は、化合物:A−1、A−2、A−3、A−4、A−5、A−6、A−7、A−13、A−14、A−15、A−18、B−2、B−3、C−1、C−2、C−3、C−4、C−5、C−6、C−7、C−8、C−9、C−10、C−11、C−12、C−15、C−16、C−17およびC−18からなる群より選択される式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンである。
【0050】
優れた生物学的利用能を有するより好ましい化合物は、化合物:A−1、A−2、A−3、A−4、A−5、A−7、A−15、B−2、B−3、C−1、C−2、C−3、C−6、C−7、C−8、C−9、C−10、C−11、C−12、C−15、C−17およびC−18からなる群より選択される式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンである。
【0051】
優れた生物学的利用能を有するさらにより好ましい化合物は、化合物:A−2、A−3、A−4、A−5、B−2、C−2、C−3、C−7、C−9、C−10、C−11、C−15およびC−18からなる群より選択される式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンである。
【0052】
優れた生物学的利用能を有する最も好ましい化合物は、化合物:A−2、A−5、B−2、C−7、C−9およびC−11からなる群より選択される式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンである。
【0053】
本発明の好ましいプロドラッグは、胃腸管から十分に吸収され、その親化合物(または有効成分(active principle)、AMPA受容体拮抗薬としてインビボで作用する化合物である)に変換されるものであり、親化合物は、十分に代謝的に安定であり、有利な薬物動態学的特性を有するものである。
【0054】
本発明のさらに好ましいプロドラッグは、薬剤として投与される場合、その生物学的利用能に相当する、親化合物の経口生物学的利用能をもたらす。
【0055】
本発明のさらに好ましいプロドラッグは、薬剤として投与される場合、親化合物と比べて増加した経口生物学的利用能を示す。経口生物学的利用能は、それ自体、以下の種々の方法で現れ得る:(i)親化合物が経口投与後にあまり有効でない場合、生物学的効果は経口投与後に達成され得る、(ii)経口投与後のより早期の作用の発現、(iii)同じ効果を達成するのに必要とされるより低い用量、(iv)同じ用量で達成されるより高い効果または(v)同じ用量で長期化した作用。
【0056】
本発明のさらに好ましいプロドラッグは、AMPA受容体にインビボで強力に結合するが、一方で他の受容体に対してあまり親和性を示さない親化合物に変換される。
【0057】
本発明の一部のプロドラッグは、カイニン酸受容体に対して拮抗活性も示す親化合物に変換される。片頭痛は、カイニン酸受容体の過剰活性が関与している状態であるので、前記プロドラッグは、片頭痛を治療するのに適切である。このような二重の活性のほかに、他の受容体にあまり親和性を示さないことは好ましい特徴である。
【0058】
本発明のさらなるプロドラッグは、有効成分が、中枢神経系における受容体に対して標的化される場合、血液脳関門を自由に通過する親化合物に変換される。
【0059】
本発明のさらなるプロドラッグは、有効成分が、末梢神経系の受容体に対して選択的に標的化される場合、血液脳関門を通過しない親化合物に変換される。
【0060】
プロドラッグ、親化合物および放出されるプロ部分(pro-moiety)は、非毒性であるべきであり、副作用をあまり示すべきではない。
【0061】
さらに、本発明の理想的なプロドラッグは、安定で、非吸湿性であり、容易に製剤化される物理的形態で存在することができる。
【0062】
本発明における使用のための化合物のより高い経口生物学的利用能は、あまり生物学的利用能のない化合物と比べて以下の有利な効果を生じさせ得る:(i)増強された生物学的効果が、経口投与後に達成され得る;(ii)より早期の作用の発現が、経口投与に続いて観察され得る;(iii)より低い用量が、同じ効果を得るために必要とされ得る;(iv)より高い効果が、同じ用量で達成され得るまたは(v)長期化された作用が、同じ用量で観察され得る。
【0063】
好ましくは、本発明における使用のための化合物は、インビボで試験される場合、AMPA受容体に強力に結合するが、他の受容体に対して親和性をあまり示さない。
【0064】
本明細書において、特定の他の定義が与えられない場合、以下の定義が適用されるものとする:
【0065】
「神経セロイドリポフスチン症」(NCL)という用語は、進行性神経変性を特徴とする常染色体劣性遺伝のリソソーム貯蔵障害の群に用いられる(JD Cooper、Current Opinion in Neurology、16、121-128頁、2003年)。NCLは、その進行性の性質を特徴とし、失明をもたらす視覚障害、進行性脳機能障害(認知症および運動機能障害など)、治療不可能な発作の重症度増加および最終的な早死を示す。症例の大部分は、乳児、後期乳児または若年の発症とともに小児の間に現れるが、まれな成人型および異型も認められる。NCLは、最も一般的な小児神経変性疾患と考えられ、100000回の出生のうち1〜8回という世界的発症率である(N Zhong、Mol Genet Metab、71、195〜206頁、2000年)。今までのところ、進行を遅延させ、またはさらにはその疾患を止め得る具体的な治療は知られていない。
【0066】
これまで、NCLの8種の遺伝的に区別できる型が特定されている:乳児型NCL(INCL、Santavuori−Haltia病、CLN1遺伝子における変異と関連がある)、後期乳児型NCL(LINCL、Jansky−Bielschowsky病、CLN2遺伝子における変異と関連がある)、若年型NCL(JNCL、バッテン病、CLN3遺伝子における変異に関連がある)、成人型NCL(ANCL、クッフス病、パリー病、CLN4遺伝子における変異に関連がある)、フィンランド後期乳児型NCL(fLINCL、CLN5遺伝子における変異と関連がある)、ポルトガル後期乳児型NCL(pLINCL、CLN6遺伝子における変異と関連がある)、トルコ後期乳児型NCL(tLINCL、CLN7遺伝子における変異と関連がある)および精神遅滞を伴う進行性てんかん(EPMR、「ノーザンてんかん」、CLN8遺伝子における変異と関連がある)。
【0067】
NCLの最もよく見られる型は、バッテン病とも呼ばれる若年型である。
【0068】
1つの実施形態において、神経セロイドリポフスチン症はバッテン病である。
【0069】
1つの実施形態において、神経セロイドリポフスチン症は乳児型NCLである。
【0070】
1つの実施形態において、神経セロイドリポフスチン症は後期乳児型NCLである。
【0071】
1つの実施形態において、神経セロイドリポフスチン症は成人型NCLである。
【0072】
1つの実施形態において、神経セロイドリポフスチン症はフィンランド後期乳児型NCLである。
【0073】
1つの実施形態において、神経セロイドリポフスチン症はポルトガル後期乳児型NCLである。
【0074】
1つの実施形態において、神経セロイドリポフスチン症はトルコ後期乳児型NCLである。
【0075】
1つの実施形態において、神経セロイドリポフスチン症は、精神遅滞を伴う進行性てんかんである。
【0076】
本明細書で用いられる「被験体」という用語は、ヒトまたは非ヒト、好ましくはヒト、特に神経セロイドリポフスチン症と診断されている患者を指す。
【0077】
本明細書で用いられる「治療」という用語は、神経セロイドリポフスチン症および関連状態に罹患した患者への式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンを含有する医薬の投与または適用を意味することが意図される。本明細書で用いられる「治療」という用語は、被験体の状態における(例えば、1つ以上の症状における)改善、疾患の進行の遅延などを含めて、疾患に罹患した被験体、例えば、疾患と診断された患者に利益を与える任意の種類の治療を指す。治療は典型的には、例えば、限定されるものではないが、疾患の初期段階における視覚障害の減少、神経認知および/もしくは運動機能の低下の減少、または発作の数および重症度の減少を含めて、神経セロイドリポフスチン症に伴う症状の減少を含む。
【0078】
本明細書で用いられる「治療有効量」という用語は、典型的には、被験体に投与される場合、治療的利益を与えるのに十分である、例えば、神経セロイドリポフスチン症を治療し、予防しまたは進行を遅延させるために十分である薬剤の量(例えば、症状の軽減を与える、例えば、発作の数および重症度において減少をもたらす量)を指す。
【0079】
「予防」という用語は、神経セロイドリポフスチン症および関連状態の発症を予防するための患者への式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンを含有する医薬の投与または適用、例えば、神経セロイドリポフスチン症を発症させる危険にあることが予測される患者への即座の医薬の投与または適用を意味することが意図される。
【0080】
「進行の遅延」という用語は、神経セロイドリポフスチン症および関連状態の進行を遅らせるための患者への式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンを含有する医薬の投与または適用を意味することが意図される。
【0081】
上記の徴候(状態および障害)に対して、適切な投与量は、例えば、用いられる化合物、宿主、投与の方式ならびに治療される状態の性質および重症度に依存して変わる。しかし、一般に、動物における満足な結果は、約0.01〜約100mg/kg体重、好ましくは約1〜約30mg/kg体重、例えば、10mg/kgの1日投与量で得られることが示される。より大きい哺乳動物、例えば、ヒトにおいて、示される1日投与量は、都合よく投与される式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンの約0.1〜約1000mg、好ましくは約1〜約400mg、最も好ましくは約10〜約100mgの範囲で、例えば、1日最大4回の分割用量である。
【0082】
本発明による使用のために、式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンは、単一の活性剤としてまたは他の活性剤と組み合せて、任意の通常の仕方で、例えば、経口で、例えば、錠剤、カプセルまたは飲用溶液の形態で;直腸に、例えば、坐薬の形態で;静脈内に、例えば、注射溶液または懸濁液の形態で;または経皮的に、例えば、パッチの形態で投与され得る。
【0083】
1つの実施形態において、投与の様式は、例えば、錠剤、カプセルまたは飲用溶液の形態の経口投与である。
【0084】
1つの実施形態において、投与の様式は、例えば、坐薬の形態の直腸投与である。
【0085】
1つの実施形態において、投与の様式は、例えば、パッチの形態の経皮投与である。
【0086】
さらに、本発明は、神経セロイドリポフスチン症の治療、予防または進行の遅延のための、式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンを少なくとも1種の医薬担体または希釈剤と合わせて含む医薬組成物を提供する。このような組成物は、従来の方法で製造され得る。単位剤形は、例えば、約2.5〜約250mg、好ましくは約2.5〜約200mg、より好ましくは約2.5〜約100mg、さらにより好ましくは約2.5〜約50mg、さらにより好ましくは約2.5〜約25mgの1種以上の式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンを含有し得る。
【0087】
本発明による医薬組成物は、有効用量の薬理学的に活性な成分を単独でまたは有意な量の医薬的に許容される担体と一緒に含む、温血動物(ヒトおよび動物)への、経腸投与、例えば、経口もしくは直腸投与;または非経口投与、例えば、筋内、静脈内、鼻腔内もしくは経皮投与のための組成物である。活性成分の用量は、温血動物の種、体重、年齢および個々の状態、個々の薬物動態学的データ、治療される疾患ならびに投与方法に依存する。
【0088】
本医薬組成物は、約1%〜約95%、好ましくは約20%〜約90%の活性成分を含む。本発明による医薬組成物は、例えば、単位剤形で、例えば、アンプル、バイアル、坐薬、糖衣錠、錠剤またはカプセルの形態であり得る。
【0089】
本発明の医薬組成物は、それ自体知られた方法で、例えば、従来の溶解、凍結乾燥、混合、造粒または糖剤化プロセスによって調製される。このようなプロセスは、WO2005/079802、WO2003/047581、WO2004/000316、WO2005/044265、WO2005/044266、WO2005/044267、WO2006/114262およびWO2007/071358に例示されている。
【0090】
経皮用組成物は、Remington's Pharmaceutical Science第16版 Mack; Sucker、FuchsおよびSpieser、Pharmazeutische Technologie、第1版、Springerに記載されている。
【0091】
神経セロイドリポフスチン症および関連状態の治療における本発明の化合物の効力は、任意の適当なインビトロまたはインビボでの試験手順によって実証することができる。例えば、効力は、以下の手順を用いて実証することができる。
【0092】
本発明の化合物の経口生物学的利用能
本発明の化合物の経口生物学的利用能は、本化合物を経口投与し、生物学的効果が観察される任意の一般的に知られた試験を用いて実証し得る。
【0093】
神経セロイドリポフスチン症の治療における本発明の化合物の経口生物学的利用能は、化合物が、経口的に生物学的利用能があり、血液脳関門を通過し、標的受容体に結合することを実証する最大電気ショック閾値試験(Maximal Electroshock test)によってさらに定量し得る。
【0094】
経口生物学的利用能は、聴原性マウス試験 (Audiogenic seizures、R.L. Collins:第14章、347〜372頁。環境:てんかんの実験モデル;手段:Pupura、Penry、Tower、Woodbury、Walter、Raven Press、New York、1972年、Standard Book Number:0-911216-26-X)および/またはMES試験を用いて試験した。MES試験を用いた場合(以下に記載するように)、結果を表1に示す。
【0095】
マウス最大電気ショック閾値試験における親化合物およびプロドラッグのインビボ活性
本発明の化合物を、OF1マウスにおいて、Schmutzら、Naunyn-Schmiedeberg's Arch Pharmacol 1990年、342、61〜66頁によって詳細に記載された最大電気ショック閾値試験(MES試験)を用いて試験した。要約すると、側頭部電極に電流を通すことによって、後肢の全身性強直間代痙攣を誘発した(50ヘルツ、18ミリアンペア、0.2秒)。ビヒクルで処置したマウスは、12〜14秒の平均発作持続時間を示した。30mg/kgのカルバマゼピンを陽性対照として用い、発作の持続時間がわずか3秒以下継続した場合にマウスが化合物で保護されるとして分類した。5匹のマウスを各処置条件について用いて、保護されたマウスのパーセントを読み出しとして用いた(すなわち、化合物は、0%、20%、40%、60%、80%または100%の保護を与え得る)。痙攣の誘発1時間前(すなわち、「前処置時間−1時間」)に、本発明の化合物を50mg/kgの用量で経口投与した。
【0096】
ED50値(ED:有効用量)は、GraphPad Prism、v4.02を用いて計算した。
【0097】
ショックを与えた15秒後に、化合物の血液曝露の決定のためにマウスの血液を採取した。
【0098】
結果を以下の表1に示す。
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【表2−4】

【表2−5】

【表2−6】

【0099】
このデータにより、本発明における使用のための化合物が、比較例(本発明によらない)に対して有益な経口生物学的利用能を示すことが示される。
【0100】
1. 診断
神経セロイドリポフスチン症を診断する方法は公知である。NCLの診断は、発症年齢、臨床病理学的所見、自己蛍光リソソーム貯蔵物質の顕微鏡的分析および潜在的遺伝子(underlying gene)の変異分析に基づく。症例の大部分は、乳児、後期乳児または若年の発症によって小児の間に現れるが、まれに成人型も認められる。NCLの大部分の患者は、認知症および運動機能障害、ならびに制御されない発作を含む、進行性の眼および脳の機能障害を有し、最終的に車いすまたは寝たきりの段階および早死の結果となる。8種のNCL型(CLN1〜CNL8)の遺伝子型特定は、明確な診断を提供し、したがって、これまで150を超える変異を特定してきた。
【0101】
上記の障害の治療における式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンの有用性は、以下に示されるものを含む一連の標準試験で確認され得る。
【0102】
2. 変異マウスにおける式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンの抗運動失調効果の評価
2.1 方法
CLN3遺伝子の標的破壊を有するマウスは、バッテン病(Mitchisonら、Neurobiology of Disease、6、321〜334頁、1999年)の妥当なマウスモデルと考えられる。CNL3遺伝子の標的変異のホモ接合型マウス(Jackson Laboratory、マウス系統番号004685)は、年齢とともに、増加する運動機能の欠損を示す。
【0103】
2.2 評価
運動機能は、回転ロッド上の位置にとどまる能力によって定量する(「回転ロッド」試験)。式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンのビヒクル対照および急性/反復投与を得ているマウスを分析する。
【0104】
2.3 プロトコール
マウスを異なる齢で試験する。マウスの一群を有効用量の式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンで処置し、対照群にはビヒクルのみを投与する。式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオン化合物を急性投与および反復投与した後に、回転ロッド上の運動協調性について試験する。
【0105】
3. 臨床試験:改善治験
神経セロイドリポフスチン症の特徴/症状は、上記されており、視覚障害、神経認知および運動機能低下ならびに発作の重症度増加を含む。このような欠陥の改善は、臨床試験で測定し得る。式(I)の1H−キナゾリン−2,4−ジオンの臨床試験は、例えば、以下の試験設計の1つで行い得る。熟練医師は、患者の行動および能力の多くの面を診察し得る。医師は、このような試験が、指針と考えられることおよび試験の特定の面が、例えば、状況および環境に依存して変更および再定義され得ることを理解するであろう。
【0106】
3.1 試験A:正常患者集団
正常対照の患者集団に、試験した1週間以上1日1回投与する。試験は、改善を可能にするように設計され、すなわち、障害された機能の測定可能なパラメータの増加がある。患者は、投与期間の開始時および終了時に試験し、結果を比較し、分析する。
【0107】
3.2 試験B:欠損集団
神経セロイドリポフスチン症に伴う欠損を有する患者集団に、1週間以上1日1回投与し、試験する。試験は、改善を可能にするように設計され、すなわち、障害された機能の測定可能なパラメータの増加がある。患者は、投与期間の開始時および終了時に試験し、結果を比較し、分析する。試験する例示的なパラメータには、発作の減少または消失、視機能の改善または記憶依存性もしくは運動機能の回復が含まれ得る。神経構造上の欠陥の一部の反転の視覚化も測定可能であり得る(画像化による)。
【0108】
3.3 試験の設計の検討
・試験の設計に際し、当業者は、床効果および天井効果の両方に対して保護する必要性を理解しよう。言い換えれば、試験設計は、測定可能な上昇または低下に対して認知を可能にさせるべきである。
・機能、例えば、認知を人為的に障害する状態は、その機能の増強を試験する一方法である。このような状態は、例えば、睡眠遮断および薬理学的誘発である。
・プラセボ対照は、すべての試験に必要である。
データの評価において、反復評価から学習および実施効果の可能性を評価しなければならない。偽陽性をもたらすデータに悪影響を与えるこのような効果の可能性は、試験を設計する場合に考慮に入れるべきであり、例えば、試験は、同一であってはならない(例えば、記憶に対して同じリストの言葉を委ねてはならない)が、同じ機構を試験するように設計されなければならない。他の対応策には、治験の終了時のみにおける単一試験を含み得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経セロイドリポフスチン症の治療、予防または進行の遅延のための、式(I)
【化1】


(式中、
は、ヒドロキシ、C〜CアルコキシもしくはC〜Cシクロアルコキシから選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されたC〜Cアルキル;ヒドロキシ、C〜CアルコキシもしくはC〜Cシクロアルコキシから選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されたC〜Cシクロアルキルであるか;または
は、
【化2】


であり;
は、C〜Cアルキル、ヒドロキシまたはC〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルであり;
は、水素またはC〜Cアルキルであり;
nは、1または2であり;
は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである)
の化合物およびその医薬的に許容される塩ならびにそのプロドラッグ。
【請求項2】
神経セロイドリポフスチン症の治療、予防または進行の遅延のための、
が、D1
【化3】


であり;
が、C〜Cアルキル、ヒドロキシまたはC〜Cアルコキシ−C〜Cアルキルであり;
が、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである、請求項1に記載の式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩ならびにそのプロドラッグ。
【請求項3】
神経セロイドリポフスチン症の治療、予防または進行の遅延のための、
が、D2
【化4】


であり;
が、水素またはC〜Cアルキルであり;
nが、1または2であり;
が、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである、請求項1に記載の式(I)の化合物およびその医薬的に許容される塩ならびにそのプロドラッグ。
【請求項4】
N−[6−(1−ヒドロキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−メトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−ヒドロキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−イソプロポキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−エトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[2,4−ジオキソ−6−(1−プロポキシ−プロピル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−イソプロポキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−ジフルオロメチル−6−(1−エトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[2,4−ジオキソ−6−(1−プロポキシ−エチル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−ブトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−イソブトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−メトキシ−ブチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−エトキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−シクロペンチルオキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−ヒドロキシ−ブチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−メトキシ−2−メチル−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(3−ヒドロキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−ヒドロキシ−3−メトキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[2,4−ジオキソ−6−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[2,4−ジオキソ−6−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[2,4−ジオキソ−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−{7−イソプロピル−6−[2−(2−メトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル}−メタンスルホンアミド;
N−[6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−フルオロメチル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−{6−[2−(2−メトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル}−メタンスルホンアミド;
N−[6−(2−ヒドロキシ−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−エチル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−イソプロピル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−イソプロピル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−ジフルオロメチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−ジフルオロメチル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−エチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−エチル−6−(2−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−フルオロメチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−(1−フルオロ−エチル)−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−(1,1−ジフルオロ−エチル)−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−(1,1−ジフルオロ−エチル)−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−(1−フルオロ−エチル)−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;または
N−[6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
からなる群より選択される、請求項1〜3に記載の式(I)の化合物、その医薬的に許容される塩およびそのプロドラッグ。
【請求項5】
N−[6−(1−ヒドロキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−メトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−ヒドロキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−イソプロポキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−エトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[2,4−ジオキソ−6−(1−プロポキシ−プロピル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−イソプロポキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−シクロペンチルオキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
N−[6−(1−ヒドロキシ−ブチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−ヒドロキシ−3−メトキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[2,4−ジオキソ−6−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[2,4−ジオキソ−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−{7−イソプロピル−6−[2−(2−メトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル}−メタンスルホンアミド;
N−[6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−フルオロメチル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−{6−[2−(2−メトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル}−メタンスルホンアミド;
N−[6−(2−ヒドロキシ−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−エチル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−イソプロピル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−イソプロピル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−ジフルオロメチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−ジフルオロメチル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−エチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−エチル−6−(2−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−(1,1−ジフルオロ−エチル)−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−(1,1−ジフルオロ−エチル)−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
N−[7−(1−フルオロ−エチル)−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;および
N−[6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
からなる群より選択される、請求項1〜4に記載の式(I)の化合物、その医薬的に許容される塩およびそのプロドラッグ。
【請求項6】
N−[6−(1−ヒドロキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−メトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−ヒドロキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−イソプロポキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−エトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−イソプロポキシ−プロピル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−ヒドロキシ−ブチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[2,4−ジオキソ−6−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[2,4−ジオキソ−6−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−{7−イソプロピル−6−[2−(2−メトキシ−エチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル}−メタンスルホンアミド;
N−[6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−フルオロメチル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−エチル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−イソプロピル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−イソプロピル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−ジフルオロメチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−ジフルオロメチル−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−エチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−エチル−6−(2−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−(1,1−ジフルオロ−エチル)−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−(1−フルオロ−エチル)−6−(2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;および
N−[6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
からなる群より選択される、請求項1〜5に記載の式(I)の化合物、その医薬的に許容される塩およびそのプロドラッグ。
【請求項7】
N−[6−(1−メトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[6−(1−エトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−イソプロピル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[2,4−ジオキソ−6−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−ジフルオロメチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド;
N−[7−エチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド
からなる群より選択される、請求項1〜6に記載の式(I)の化合物、その医薬的に許容される塩およびそのプロドラッグ。
【請求項8】
式(I)の化合物が、N−[7−イソプロピル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミド、またはその医薬的に許容される塩である、請求項1〜7に記載の式(I)の化合物、その医薬的に許容される塩およびそのプロドラッグ。
【請求項9】
式(I)の化合物が、N−[6−(1−メトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミドである、請求項1〜7に記載の式(I)の化合物、その医薬的に許容される塩およびそのプロドラッグ。
【請求項10】
式(I)の化合物が、N−[6−(1−エトキシ−エチル)−2,4−ジオキソ−7−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミドである、請求項1から7に記載の式(I)の化合物、その医薬的に許容される塩およびそのプロドラッグ。
【請求項11】
式(I)の化合物が、N−[7−エチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル]−メタンスルホンアミドである、請求項1〜7に記載の式(I)の化合物、その医薬的に許容される塩およびそのプロドラッグ。
【請求項12】
神経セロイドリポフスチン症の治療、予防または進行の遅延のための医薬の製造における、請求項1に記載の式(I)の化合物、その医薬的に許容される塩およびそのプロドラッグの使用。
【請求項13】
そのような治療を必要としている被験体における神経セロイドリポフスチン症の治療、予防または進行の遅延のための方法であって、前記被験体に、治療有効量の請求項1に記載の式(I)化合物、その医薬的に許容される塩およびそのプロドラッグを投与する工程を含む方法。
【請求項14】
神経セロイドリポフスチン症の治療、予防または進行の遅延のための、請求項1に記載の式(I)の化合物、その医薬的に許容される塩およびそのプロドラッグを含む医薬組成物。
【請求項15】
乳児型神経セロイドリポフスチン症(INCL);
後期乳児型神経セロイドリポフスチン症(LINCL);
若年型神経セロイドリポフスチン症(JNCL);
成人型神経セロイドリポフスチン症(ANCL);
フィンランド後期乳児型神経セロイドリポフスチン症(fLINCL);
ポルトガル後期乳児型神経セロイドリポフスチン症(pLINCL);
トルコ後期乳児型神経セロイドリポフスチン症;および神経セロイドリポフスチン症(tLINCL);ならびに
精神遅滞神経セロイドリポフスチン症を伴う進行性てんかん(EPMR)
から選択される神経セロイドリポフスチン症の治療、予防または進行の遅延のための請求項1〜11に記載の式(I)の化合物、その医薬的に許容される塩およびそのプロドラッグ。

【公表番号】特表2012−533605(P2012−533605A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521055(P2012−521055)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【国際出願番号】PCT/EP2010/060733
【国際公開番号】WO2011/009951
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】