説明

移動体通信可否判断方法、移動体通信可否判断システム、位置情報サーバ、移動端末及び輸送手段位置測定装置

【課題】設備設置後のメンテナンスが無くしかつ不要な規制エリアの発生を防止することが可能な、輸送手段内において移動端末による通信を禁止するための移動体通信可否判断方法及び移動体通信可否判断システムを提供する。
【解決手段】移動体通信可否判断システム1を、移動端末50の位置情報の変化からその速度及び速度方向を算出する移動端末速度算出部12と、輸送手段Aの位置情報の変化からその速度及び速度方向を算出する輸送手段速度算出部14と、移動端末50と輸送手段Aとの間の速度差及び速度方向の差が所定の範囲内にあるとき移動端末を利用した通信を禁止する可否判断部16と、を備えて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公共輸送手段のような輸送手段内において移動端末による通信を禁止するために移動端末による通信の可否を判断する、移動体通信可否判断方法及び移動体通信可否判断システム、並びにこのようなシステムを実現する位置情報サーバ、移動端末及び輸送手段位置測定装置に関する。特に、列車内における携帯電話による通話を禁止するために、携帯電話の通話の可否を判断する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
列車等の公共輸送手段内における迷惑行為の防止のために、このような輸送手段内において、携帯電話などの移動端末の使用を規制する様々な方法やシステムが提案されている(例えば下記特許文献1及び2)。
例えば下記特許文献1では、基地局情報処理部5で周辺の各基地局の基地局識別信号を用いて作成した基地局情報から携帯端末測位部が携帯端末の端末位置を、またはGPS受信機を用いて端末位置を計測し、別途携帯端末の移動速度を移動速度解析部で求める。
そして、通信事業者ネットワークに接続する電力制御装置では、路線位置記憶部に公共車両の路線位置を予め記憶し、送受信号制御部で移動速度の大きい携帯端末の端末位置が、路線位置記憶部の路線位置と一致している間を、該当する携帯端末に通知して公共車両内でのマナーモードに切り替えている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−320208号公報
【特許文献2】特開2002−300632号公報
【特許文献3】特開平6−278611号公報
【特許文献4】特開2002−193104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に示すような携帯端末と路線位置とを照合する方法を実現しようとすると、路線上の多数の位置を測量して予め登録する必要がある。このため路線変更があった場合などにメンテナンスが必要となる問題がある。また、鉄道のように非常に広範囲に亘って路線が設置されている輸送手段では、測量及び登録すべき位置情報が膨大な数になるため、位置情報の登録に多大な労力及びコストがかかる。
【0005】
このような問題を避けるため、輸送手段自体(例えば列車車両)の現在位置と、移動端末の現在位置とを測位して、これらを比較して移動端末を所持するユーザが公共輸送手段に乗っているか否かを判定することも考えられる。
しかしながら、例えば列車のように全長の長い輸送手段の場合(400m弱の編成長のものもある)には、測位位置を編成の中間にしたとしても、規制エリアが、測位位置を中心とし編成長を直径とする非常に広い範囲になってしまい、走行する列車の脇に広範囲の規制エリアを生じてしまうという問題が生じる。
【0006】
上記問題に鑑み、本発明は、設備設置後のメンテナンスが無くしかつ不要な規制エリアの発生を防止することが可能な、輸送手段内において移動端末による通信を禁止するための移動体通信可否判断方法及び移動体通信可否判断システムを提供することを目的とする。
また本発明は、このようなシステムを実現する位置情報サーバ、移動端末及び輸送手段位置測定装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、規制の対象となる移動端末の速度及び速度方向と、規制エリアとなる輸送手段の速度及び速度方向を算出して、これら移動端末と輸送手段との間の速度差及び速度方向の差が所定の範囲内にあるとき、移動端末を利用した通信を禁止する。
このように、移動端末を使用する通信の可否を判断する際に、輸送手段との速度差及び速度方向の差を考慮することによって、輸送手段に搭乗しているユーザ(輸送手段と同じ速度及び速度方向で移動する)と、輸送手段の路線近くにいるが当該輸送手段に搭乗していないユーザとを区別することが可能となるので、従来生じていた不要な規制エリアの発生を防止することが可能となる。
また、特許文献1のように路線の位置情報を使用するのではなく、輸送手段自体の位置情報を使用するので、路線変更が生じてもメンテナンスは生じない。
【0008】
ここに、本発明の第1形態によれば、輸送手段内における移動端末による通信を禁止するために移動端末による通信の可否を判断するために、移動端末及び輸送手段の位置情報の変化からそれぞれの速度及び速度方向を算出し、移動端末と輸送手段との間の速度差及び速度方向の差が所定の範囲内にあるとき移動端末を利用した通信を禁止する、移動体通信可否判断方法が提供される。
【0009】
ここで移動端末及び輸送手段らの速度及び速度方向として、2つの時刻間で測定した位置情報の差である移動量と移動方向を算出して使用してよい。このためにこれらの位置情報を所定の周期毎に取得することとしてよい。
また、移動端末と輸送手段とで大幅に異なる時刻に取得された位置情報に基づいて上記判定を行うと誤判定のおそれがあるので、これを防止するために、移動端末及び輸送手段それぞれの位置情報の取得時刻同士の差が所定の範囲内に無ければ通信を許可することとしてもよい。また、このように取得時刻同士の差に許容幅を持たせることによって位置取得の頻度を低減して、システム及びネットワークの負担軽減に寄与する。
【0010】
移動端末及び輸送手段の位置情報は、これら移動端末及び輸送手段のそれぞれにおいて、例えば汎地球測位システム(GPS)などを利用して測位して作成してもよい。
輸送手段が列車である場合には、列車が走行する軌道に沿った所定の位置に設けられた地上子の位置情報を予め記憶手段に記憶しておき、列車が通過した地上子について記憶された位置情報を用いてこの列車の位置を決定して位置情報を作成することとしてよい。
【0011】
また、本発明の第2形態によれば、輸送手段内における移動端末による通信を禁止するために、移動端末による通信の可否を判断する移動体通信可否判断システムが提供される。そして、このシステムは、移動端末の位置情報の変化からその速度及び速度方向を算出する移動端末速度算出部と、輸送手段の位置情報の変化からその速度及び速度方向を算出する輸送手段速度算出部と、移動端末と前記輸送手段との間の速度差及び速度方向の差が所定の範囲内にあるとき移動端末を利用した通信を禁止する可否判断部と、を備えて構成される。
【0012】
本発明の第3形態によれば、上記の移動体通信可否判断システムに含まれて、移動通端末及び前記輸送手段の位置情報を記録する位置情報サーバが提供される。そしてこの位置情報サーバは、上記の移動端末速度算出部、輸送手段速度算出部及び可否判断部、を備えて構成される。
【0013】
本発明の第4形態によれば、上記の移動体通信可否判断システムによって通信の可否が判断される前記移動端末が提供される。この移動端末は、自機の位置を測定する測位部と、測定した前記位置の位置情報を前記輸送手段速度算出部に送信する移動端末位置送信部と、を備えて構成される。
【0014】
本発明の第5形態によれば、上記の移動体通信可否判断システムに含まれる輸送手段位置測定装置であって、輸送手段の位置を測定する測位部と、測定した位置の位置情報を前記輸送手段速度算出部に送信する輸送手段位置送信部と、備えて構成される輸送手段位置測定装置が提供される。
【発明の効果】
【0015】
設備設置後のメンテナンスが無くしかつ不要な規制エリアの発生を防止することが可能な、輸送手段内における移動体通信可否判断方法及び移動体通信可否判断システムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施例を説明する。図1は、本発明の実施例による移動体通信可否判断システム1の全体構成図である。
移動体通信可否判断システム1は、輸送手段である列車A及び加入者の移動端末50の位置情報を管理するために通信ネットワークNに接続される位置情報サーバ10と、配下の無線基地局30の通話エリア内の移動端末50を通信ネットワークNに接続する第1交換局20と、列車Aに設置されてGPS等の自立航法システムによって自らの位置を測位するための、本発明に係る輸送手段位置測定装置である列車位置測定装置40と、を備えて構成される。
【0017】
なお図1には、以下の説明において通信可否が判断される移動端末50の相手方の電話機として、電話機B及び携帯電話機92も示しており、電話機Bは交換局90aを介して通信ネットワークNに接続され、携帯電話機92は無線基地局91及び交換局90bを介して通信ネットワークNに接続される。なお、以下の説明において交換局20、交換局90a及び交換局90bを、それぞれ第1、第2及び第3交換局と、記載することがある。
【0018】
以下、移動体通信可否判断システム1による移動端末の通信規制方法の概要を説明する。
列車Aに搭載された列車位置測定装置40は、無線基地局30及び第1交換局20を介して通信ネットワークNに通信可能に接続される。またGPS衛星Sからの軌道情報を受信して、所定の周期(例えば10分)毎に順次列車Aの位置を測位する。
列車位置測定装置40は、通信ネットワークNを経由して、測位した位置情報を位置情報サーバ10に通知する。位置情報サーバ10は、所定の周期毎に通知される位置情報の変化から、所定の周期間における列車Aの移動量及び移動方向を算出して、列車位置の位置情報、移動量及び移動方向を記憶する。
【0019】
一方で、移動端末50もまたGPS等の自立航法システムによって自機の位置を測位可能であり、GPS衛星Sからの軌道情報を受信して、所定の周期(例えば10分)毎に自機の位置を測位する。
そして移動端末50は、通信ネットワークNを経由して、測位した位置情報を位置情報サーバ10に通知する。位置情報サーバ10は、所定の周期毎に通知される位置情報の変化から、所定の周期間における移動端末50の移動量及び移動方向を算出して、移動端末50の位置情報、移動量及び移動方向を記憶する。
【0020】
一般の電話機Bや携帯電話機92が移動端末50への発信を行うと、移動端末50の通話エリアをカバーする第1交換局20は、位置情報サーバ10に対して、移動端末50による通話の可否を確認する。または、移動端末50から一般の電話機Bや形態電話機92への発信を行うと、第1交換局20は、位置情報サーバ10に対して、移動端末50による通話の可否を確認する。
これに対して位置情報サーバ10は、移動端末50及び列車Aの現在の位置情報(例えば経度、緯度など)、移動距離、移動方向が所定の規制範囲内にあるか否かを判断して、移動端末50による通話の可否を決定し第1交換局20に応答する。
【0021】
通話可能と決定した場合には、第1交換局20は通常の接続処理を実行して移動端末50に対する通話を確立する。反対に通話不可と決定した場合には、第1交換局20は接続処理を禁止して、代わりに、発信者に対して通話規制が行われた旨をトーキにて通知する。
【0022】
図2を参照して本発明による通信可否の判定方法の利点を説明する。いま列車Aの車両に乗るユーザが所持する移動端末50の通話を禁止する場合を想定する。図示するように列車Aに列車位置測定装置40を設置すると、列車Aの車両内における移動端末50の通信規制範囲が、列車Aの位置の測位点である列車位置測定装置40を中心とする範囲Rに設定される。
本例では、列車位置測定装置40は乗務員が常駐する先頭車両又は最後尾車両に設置され、かつ列車Aの全車両内における通信規制を行うために、通信規制範囲Rは、列車Aの先頭(又は最後尾車両)を中心とし編成長を半径とする非常に広い範囲に設定される。その結果、通信規制範囲Rが路線の敷地を超えて、図2の例に示すように路線に並行する一般道路にまで及ぶ場合が生じうる。
【0023】
ここで、対象の移動端末50が通信規制範囲R内に在るか否かだけを判断することによって、列車Aに乗っているか否かを判断しようとすると、通信規制範囲Rの外を走行する自動車C1の同乗者が有する移動端末は通信規制を受けないが、通信規制範囲Rの中を走行する列車Aとは無関係の自動車C2及びC3の同乗者が有する移動端末は通信規制を受けて通話不能となってしまう。
【0024】
本発明のように、所定の周期内における列車A及び移動端末50の移動距離の差、及び移動方向の差をも考慮して移動端末の使用可否を判断することによって、列車Aと同じ速度V1及び同じ方向に移動する移動端末50の使用を禁止する一方で、異なる速度V2で走行する自動車C2や、列車速度V1と同様の速度V1’で走行していても異なる方向に向かう自動車C3は、規制の対象から外すことが可能となる。列車Aの速度V1は一般道路を走行する自動車に比べて高速であるのが通常であるから、この判定方法は非常に有効に機能することが予想できる。
【0025】
次に、図1に示す移動体通信可否判断システム1を構成する各構成要素の構成及び機能について説明する。
図3は、本発明の実施例による位置情報サーバ10の構成図である。位置情報サーバ10は、通信ネットワークNを介して移動端末50及び列車位置測定装置40からそれぞれ通知される位置情報の変化から、所定の周期間における移動端末50の移動量及び移動方向を算出して、これら位置情報、移動量及び移動方向を記憶する。
また位置情報サーバ10は、移動端末50からの発信及び移動端末50への発信があったときに第1交換局20からの判定要求に応じて、移動端末50による通信の可否の判定を行う。このとき位置情報サーバ10は、移動端末50及び列車Aの現在の位置情報(経度、緯度)、移動距離、移動方向が所定の規制範囲内にあるか否かを判断して、これらが全て所定の規制範囲内にあるとき移動端末50による通信を禁止し、それ以外の場合には移動端末50による通信を許可する。
【0026】
このため位置情報サーバ10は、通信ネットワークNを介したデータの送受信を行うための送受信部11と、本発明に係る移動端末速度算出部及び輸送手段速度算出部としてそれぞれ機能する移動端末位置情報更新部12及び列車位置情報更新部14と、移動端末50の位置情報を記憶する移動端末位置情報記憶部13と、列車Aの位置情報を記憶する列車位置情報記憶部15と、移動端末50による通信の可否の判定を行う可否判断部16と、を備えて構成される。
【0027】
送受信部11は、移動端末50から通信ネットワークNを介して通知された移動端末50の位置情報を受信して、受信した位置情報を移動端末位置情報更新部12に出力する。同様に送受信部11は、列車位置測定装置40から通信ネットワークNを介して通知された列車Aの位置情報を受信して、受信した位置情報を列車位置情報更新部14に出力する。
また送受信部11は、移動端末50による通信の可否について第1交換局20が発信した可否確認要求を受信して可否判断部16に出力し、これに対して可否判断部16が下した可否応答を入力して、第1交換局20へ送信する。
【0028】
移動端末位置情報更新部12は、送受信部11から移動端末50の位置情報を入力すると、この位置情報を移動端末位置情報記憶部13に記憶するともに、前回記憶した位置情報の変化から、この間の移動量及び移動方向を算出して移動端末位置情報記憶部13に記憶することよって、移動端末50に関する位置情報を更新する。
列車位置情報更新部14は、送受信部11から列車Aの位置情報を入力すると、この位置情報を列車位置情報記憶部15に記憶するともに、前回記憶した位置情報の変化から、この間の移動量及び移動方向を算出して列車位置情報記憶部15に記憶することよって、列車Aに関する位置情報を更新する。
これら、移動端末位置情報更新部12及び列車位置情報更新部14による、位置情報の更新動作については、後に詳述する。
【0029】
可否判断部16は、移動端末50による通信の可否について第1交換局20が発信した可否確認要求を送受信部11から入力して、後述の判断フローにしたがって可否判断をした後、その結果を送受信部11に出力する。
【0030】
図4は、本発明の実施例による第1交換局20の構成図である。第1交換局20は、移動端末50及び列車位置測定装置40からそれぞれ通知される位置情報を、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ10に転送する。
また第1交換局20は、移動端末50からの発信及び移動端末50への発信があったときに、この移動端末50による通信の可否の判定を位置情報サーバ10に要求し、通話可能の場合には、通常の接続処理を実行して移動端末50による通信を確立する。反対に通話不可の場合には、第1交換局20は接続処理を禁止して代わりに発信者に通話規制が行われた旨をトーキにて通知する。
【0031】
このため、第1交換局20は、移動端末50及び列車位置測定装置40から位置情報を位置情報サーバ10へ転送するために、これら位置情報を受信した無線基地局30と通信ネットワークNとの間の回線接続を行う交換器部21を備える。
さらに、所定の周期毎に第1交換局20側から移動端末50に位置情報を通知するように要求して、移動端末50の位置情報を収集する場合には、第1交換局20は、位置情報の通知を要求する位置情報取得要求信号を、無線基地局30を介して移動端末50に送信する移動端末位置情報要求部22と、位置情報取得要求信号を出力する周期を計時するタイマ部23を備える。
また、所定の周期毎に第1交換局20側から列車位置測定装置40に位置情報を通知するように要求して、列車Aの位置情報を収集する場合には、第1交換局20は、位置情報の通知を要求する位置情報取得要求信号を、無線基地局30を介して列車位置測定装置40に送信する列車位置情報要求部24と、位置情報取得要求信号を出力する周期を計時するタイマ部25を備える。
【0032】
さらにまた、第1交換局20は、移動端末50からの発信及び移動端末50への発信があったときに、この移動端末50による通信の可否の判定を位置情報サーバ10に要求する通信禁止部26を備える。通信禁止部26は、位置情報サーバ10の応答内容に応じて、通話可能の場合には交換機部21に通常の接続処理を実行させて移動端末50による通信を確立し、反対に通話不可の場合には、交換機部21による接続処理を禁止して代わりに通話規制が行われた旨を発信者にトーキにて通知する。
【0033】
なお本例では、第1交換局20が、加入者階梯交換局及び関門階梯交換局を併合した加入者/関門交換局であるとして説明を行うが、例えば本システムのサービスを提供する通信事業者が関門交換局及び加入者交換局を分けて設置する場合には、第1交換局20に設けられた本システムの構成要素である移動端末位置情報要求部22、列車位置情報要求部24、タイマ部23、25及び通信禁止部26を、関門交換局や加入者交換局、これらを接続する中継交換局等のうちのどの階梯に設けても、本システムを実現することが可能である。
【0034】
図5は、本発明の実施例による移動端末50の構成図である。移動端末50は、位置情報サーバ10による通信可否判断に従った通信規制の対象となり、列車Aなどの公共輸送手段の中ではその通信が制限される。
移動端末50は、位置情報サーバ10による通信可否判断のために、従来の移動端末の機能(例えば通話など)の他に、GPS測量システムなどの自立航法システムによって自機の位置を測定し、通信ネットワークNを介してこの位置情報を位置情報サーバ10へ通知する機能を有する。
【0035】
このため、移動端末50は、無線基地局30との無線通信を行う送受信部51を含む既存の回路に加えて、移動端末50の位置を測定して位置情報を作成する測位部52と、作成された位置情報を、送受信部51を介して、既知のアドレスを有する位置情報サーバ10へ送信する移動端末位置情報送信部53と、を備えて構成される。
さらに、測位部52はGPS衛星からの軌道情報を受信するGPS受信部54と、受信した軌道情報に基づいて、自機の位置を測定しその位置情報を作成する移動端末位置測定部55を備えて構成される。
【0036】
また、所定の周期毎に第1交換局20側から移動端末50に位置情報を通知するように要求して、移動端末50の位置情報を収集する場合には、移動端末位置情報送信部53は、移動端末50が第1交換局20からの位置情報取得要求信号を受信したとき、位置測定を移動端末位置測定部55に要求する。この要求に応答して、移動端末位置測定部55が、その時点で受信していたGPS衛星からの軌道情報に基づいて自機の位置情報を作成し、これを移動端末位置情報送信部53に出力することによって、位置情報サーバ10に対する位置情報の通知が行われる。
【0037】
一方で、移動端末50が自発的に所定の周期毎に位置情報を通知するように構成してもよい。この場合では移動端末50は、位置情報を通知する所定の周期を計時してこの周期の計時完了信号を出力するタイマ部56を備える。そして、タイマ部56から計時完了信号を受信した移動端末位置測定部55が、その時点で受信していた軌道情報に基づいて自機の位置情報を作成し、これを移動端末位置情報送信部53に出力することによって、位置情報サーバ10に対する位置情報の通知が行われる。
なお、本実施例では移動端末50が、GPS測量システムを利用して自機の位置を測定する場合について説明するが、このほかにも移動端末50は、慣性航法システムなどの既存の様々な自立航法システムによって自機の位置を測定することとしてもよい。
【0038】
図6は、本発明の第1実施例による列車位置測定装置40の構成図である。列車位置測定装置40は、規制エリアとなる公共輸送手段である列車Aに設けられ、自機の位置を測定して、これを列車Aの位置情報として通信ネットワークNを介して位置情報サーバ10を通知するための無線通信端末である。
このため、列車位置測定装置40は、無線基地局30との無線通信を行う送受信部41と、列車位置測定装置40の位置を測定して列車Aの位置情報として作成する測位部42と、作成された位置情報を、送受信部41を介して、既知のアドレスを有する位置情報サーバ10へ送信する列車位置情報送信部43と、を備えて構成される。
さらに、測位部42はGPS衛星からの軌道情報を受信するGPS受信部44と、受信した軌道情報に基づいて、自機の位置を測定し列車Aの位置情報として作成する列車位置測定部45を備えて構成される。
【0039】
また、所定の周期毎に第1交換局20側から列車位置測定装置40に位置情報を通知するように要求して、列車位置測定装置40の位置情報を収集する場合には、列車位置情報送信部43は、列車位置測定装置40が第1交換局20からの位置情報取得要求信号を受信したとき、位置測定を列車位置測定部45に要求する。この要求に応答して、列車位置測定部45が、その時点で受信していたGPS衛星からの軌道情報に基づいて自機の位置情報を作成し、これを列車位置情報送信部43に出力することによって、位置情報サーバ10に対する位置情報の通知が行われる。
【0040】
一方で、列車位置測定装置40が自発的に所定の周期毎に位置情報を通知するように構成してもよい。この場合では列車位置測定装置40は、位置情報を通知する所定の周期を計時してこの周期の計時完了信号を出力するタイマ部46を備える。そして、タイマ部46から計時完了信号を受信した列車位置測定部45が、その時点で受信していた軌道情報に基づいて自機の位置情報を作成し、これを列車位置情報送信部43に出力することによって、位置情報サーバ10に対する位置情報の通知が行われる。
なお、本実施例では列車位置測定装置40が、GPS測量システムを利用して列車Aの位置を測定する場合について説明するが、このほかにも列車位置測定装置40は、慣性航法システムなどの既存の様々な自立航法システムによって列車Aの位置を測定することとしてもよい。
【0041】
以下、本システムによる移動端末50による通信の可否判断動作及びこれに従う通信規制を説明する。図7は、位置情報サーバ10への位置情報登録を列車Aからの自発的に行う場合の構成ブロック図である。
まず、ステップS100において列車Aに設けられた列車位置測定装置40のGPS受信機44は、GPS衛星Sから報知されている軌道情報を受信する。図8にGPS衛星Sから報知されている軌道情報を示す。軌道情報には、当該衛星Sの軌道情報であるエフェメリス情報と、全衛星の軌道情報であるアルマナック情報を含んでいる。
この間、列車位置測定装置40のタイマ部46は、列車の位置情報を通知する所定の通知周期(例えば10分)を計時している。
【0042】
タイマ部46は、所定の通知周期を計時し終えると(ステップS101)、列車位置測定部45に計時完了信号を出力する。これを受信した列車位置測定部45が、その時点で受信していた最新の軌道情報のエフェメリス情報に基づいて自機の現在位置(経度及び緯度)を測定して、位置情報を作成する(ステップS102)。
列車位置情報送信部43は、この位置情報を、既知のアドレスを有する位置情報サーバ10へ向けて通知する(ステップS103)。
通知される列車Aの位置情報の例を図9に示す。図示するとおり位置情報は、列車Aの識別子である列車番号と、現在位置の経度及び緯度を含んでいる。
【0043】
列車位置測定装置40から送信された位置情報通知は、基地局30を介して第1交換局20に送信され(ステップS104)、さらに第1交換局20、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ10に送信される(ステップS105)。
位置情報サーバ10は、位置情報通知を受信すると、当該列車Aについて、図3に示した列車位置情報記憶部15に記憶された位置情報を更新する(ステップS106)。
【0044】
図10に、列車位置情報記憶部15に記憶された位置情報の更新方法の例を説明する図を示す。
列車位置情報記憶部15は、位置情報サーバ10による列車Aの位置情報の管理のために図10の(A)に示すようなデータ構造で、各列車毎にその位置情報を記憶する。
データ構造は、列車の位置情報と、この情報をサーバ10が取得した取得時間と、前回の取得時間と今回の取得時間の間の移動距離と、移動の方向角を格納するフィールドを有する。ここで前回の取得時間と今回の取得時間の間の移動距離及び方向角を算出するために、列車位置情報記憶部15には最低1回分の履歴を保持しておく必要があり、よって位置情報フィールド及び取得時間フィールドは、今回取得した位置情報及び取得時間を格納する新情報フィールドと、前回取得した位置情報及び取得時間を格納する旧情報フィールドとを各々有している。
【0045】
位置情報サーバ10が列車Aの位置情報通知を受信すると、列車位置情報更新部14は、図中に矢印Aで示すように、列車位置情報記憶部15内の新情報フィールドに記憶されている前回の周期で受信した位置情報及びその取得時間を、旧情報フィールドに保存する。そして新しく受信した位置情報とそのときの取得時間を新情報フィールドに記憶する(図中のB及びC)。
そして列車位置情報更新部14は、旧情報フィールドに記憶された位置情報から新情報フィールドに記憶された位置情報までの変化に基づいて、前回取得した位置情報に示す位置から今回取得した位置情報に示す位置までの間の列車Aの移動距離及び移動の方向を算出して、移動距離フィールド及び方向角フィールドに記憶する(矢印D)。
【0046】
位置情報の収集は、例えば基地局20から列車Aに位置情報を要求することによって、ネットワーク側主導で行ってもよい。図11は、基地局20側から列車Aの位置情報通知を要求して位置情報サーバ10への位置情報登録を行う場合の構成ブロック図である。
まず、ステップS200において列車位置測定装置40のGPS受信機44は、GPS衛星Sの軌道情報を受信する。この間、第1交換局20のタイマ部25は、列車Aに対して位置情報の通知を要求する所定の通知周期(例えば10分)を計時している。
【0047】
タイマ部25は、所定の通知周期を計時し終えると(ステップS201)、列車位置情報要求部24に計時完了信号を出力する。これを受信した列車位置情報要求部24は、列車Aに位置情報の通知を要求する位置情報取得要求信号を、交換機部21を介して基地局30へ送信する(S202)。基地局30は無線回線を介してこの位置情報取得要求信号を列車Aの列車位置測定装置40に転送する(S203)。
図12に列車Aに対する位置情報取得要求信号の例を示す。位置情報取得要求信号は、位置情報の通知を要求する相手方の列車Aを特定する列車番号を含んで構成してよい。
【0048】
図6に示す列車位置測定装置40の列車位置情報送信部43は、第1交換局20からの位置情報取得要求信号を受信したとき、位置測定を列車位置測定部45に要求する(S204)。この要求に応答して、列車位置測定部45が、その時点で受信していた最新の軌道情報に基づいて自機の位置情報を作成する。
列車位置情報送信部43は、この位置情報を、既知のアドレスを有する位置情報サーバ10へ向けて通知する(ステップS205)。通知される列車Aの位置情報の例は、図9に示した例と同様である。
【0049】
列車位置測定装置40から送信された位置情報通知は、基地局30を介して第1交換局20に送信され(ステップS206)、さらに第1交換局20、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ10に送信される(ステップS207)。位置情報サーバ10は、位置情報通知を受信すると、当該列車Aについて列車位置情報記憶部15に記憶された位置情報を更新する(S208)。位置情報の更新方法は、図10を参照して上述した方法と同様である。
【0050】
図13は、位置情報サーバ10への位置情報登録を移動端末50からの自発的に行う場合の構成ブロック図である。
まず、ステップS300において移動端末50のGPS受信機54は、GPS衛星Sから報知されている軌道情報を受信する。この間、移動端末50タイマ部56は、移動端末50の位置情報を通知する所定の通知周期(例えば10分)を計時している。
【0051】
タイマ部56は、所定の通知周期を計時し終えると(ステップS301)、移動端末位置測定部55に計時完了信号を出力する。これを受信した移動端末車位置測定部55が、その時点で受信していた最新の軌道情報に基づいて自機の現在位置(経度及び緯度)を測定して、位置情報を作成する(S302)。移動端末位置情報送信部53は、この位置情報を既知のアドレスを有する位置情報サーバ10へ向けて通知する(ステップS303)。
通知される移動端末50の位置情報の例を図14に示す。図示するとおり位置情報は、移動端末50の発信者番号と、現在位置の経度及び緯度を含んでいる。
【0052】
移動端末50から送信された位置情報通知は、基地局30を介して第1交換局20に送信され(ステップS304)、さらに第1交換局20、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ10に送信される(ステップS305)。位置情報サーバ10は、位置情報通知を受信すると、当該移動端末50について、図3に示した移動端末位置情報記憶部13に記憶された位置情報を更新する(ステップS306)。
【0053】
図15を参照して、移動端末位置情報記憶部13に記憶された位置情報の更新方法の例を説明する。
移動端末位置情報記憶部13は、位置情報サーバ10による移動端末50の位置情報の管理のために図15の(A)に示すようなデータ構造で、各移動端末毎にその位置情報を記憶する。
データ構造は、移動端末の位置情報と、この情報をサーバ10が取得した取得時間と、前回の取得時間と今回の取得時間の間の移動距離と、移動の方向角を格納するフィールドを有する。ここで前回の取得時間と今回の取得時間の間の移動距離及び方向角を算出するために、移動端末位置情報記憶部13には最低1回分の履歴を保持しておく必要があり、よって位置情報フィールド及び取得時間フィールドは、今回取得した位置情報及び取得時間を格納する新情報フィールドと、前回取得した位置情報及び取得時間を格納する旧情報フィールドとを各々有している。
【0054】
位置情報サーバ10が移動端末50の位置情報通知を受信すると、移動端末位置情報更新部12は、図中に矢印Aで示すように、移動端末位置情報記憶部13内の新情報フィールドに記憶されている前回の周期で受信した位置情報及びその取得時間を、旧情報フィールドに保存する。そして新しく受信した位置情報とそのときの取得時間を新情報フィールドに記憶する(図中のB及びC)。
そして移動端末位置情報更新部12は、旧情報フィールドに記憶された位置情報から新情報フィールドに記憶された位置情報までの変化に基づいて、前回取得した位置情報に示す位置から今回取得した位置情報に示す位置までの間の移動端末50の移動距離及び移動の方向を算出して、移動距離フィールド及び方向角フィールドに記憶する(矢印D)。
【0055】
移動端末50からの位置情報の収集もまた、例えば基地局20から移動端末50に位置情報を要求することによって、ネットワーク側主導で行ってもよい。図16は、基地局20側から移動端末50の位置情報通知を要求して位置情報サーバ10への位置情報登録を行う場合の構成ブロック図である。
まず、ステップS400において移動端末50のGPS受信機54は、GPS衛星Sの軌道情報を受信する。この間、第1交換局20のタイマ部23は、移動端末50に対して位置情報の通知を要求する所定の通知周期(例えば10分)を計時している。
【0056】
タイマ部23は、所定の通知周期を計時し終えると(ステップS401)、移動端末位置情報要求部22に計時完了信号を出力する。これを受信した移動端末位置情報要求部22は、移動端末50に位置情報の通知を要求する位置情報取得要求信号を、交換機部21を介して基地局30へ送信する(S402)。基地局30は無線回線を介してこの位置情報取得要求信号を移動端末に転送する(S403)。
図17に移動端末50に対する位置情報取得要求信号の例を示す。位置情報取得要求信号は、位置情報の通知を要求する相手方の移動端末50を特定する発信者番号を含んで構成してよい。
【0057】
図5に示す移動端末50の移動端末位置情報送信部53は、第1交換局20からの位置情報取得要求信号を受信したとき、位置測定を移動端末位置測定部55に要求する(S404)。この要求に応答して、移動端末位置測定部55が、その時点で受信していた最新の軌道情報に基づいて自機の位置情報を作成する。
移動端末位置情報送信部53は、この位置情報を、既知のアドレスを有する位置情報サーバ10へ向けて通知する(ステップS405)。通知される列車Aの位置情報の例は、図14に示した例と同様である。
【0058】
移動端末50から送信された位置情報通知は、基地局30を介して第1交換局20に送信され(ステップS406)、さらに第1交換局20、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ10に送信される(ステップS407)。位置情報サーバ10は、位置情報通知を受信すると、当該移動端末50について移動端末位置情報記憶部13に記憶された位置情報を更新する(S408)。位置情報の更新方法は、図15を参照して上述した方法と同様である。
【0059】
以下、図18〜図22を参照しながら、移動端末50による通信の規制する規制処理を説明する。図18に、一般の電話機Bから移動端末50への接続時においてマナー規制を行う場合の構成ブロック図である。
電話機Bのユーザが移動端末50に対する発信操作を行うことによって、移動端末50の発信者番号を着番号に含むSETUP(呼設定)メッセージが、電話機Bから第2交換局90aに送信される(ステップS501)。
SETUPメッセージを受信した第2交換局90aは、ステップS502において、移動端末50が在圏している第1交換局20に、移動端末50の発信者番号を含むIAMメッセージを送信するとともに、SETUPメッセージを受信したことを示すCALL PROCメッセージを電話機Bに返送する(ステップS503)。
【0060】
第1交換局20は、移動端末50の発信者番号を含むIAMメッセージを受信すると、移動端末50に対するマナー規制の要否を確認するために、移動端末50による通信の可否を確認する可否確認要求信号を、位置情報サーバ10に送信する(ステップS504)。この可否確認要求信号には、判断対象となる移動端末50の発信者番号を含む。
移動端末50の発信者番号を含む可否確認要求信号を受信すると、位置情報サーバ10は、ステップS505において、移動端末50による通信を許可するか禁止するかの判断を行い、その判断結果を含む可否応答信号を第1交換局20に返答する(ステップS506)。
【0061】
図19は、上記ステップS505において位置情報サーバ10における判断される、移動端末50による通信の可否判断フローチャートである。
まず、ステップS520において、図3に示す位置情報サーバ10の可否判断部16は、移動端末50について移動端末位置情報記憶部13に記憶されたデータ構造内の新情報フィールドの取得時間(図15)と、列車Aについて列車位置情報記憶部15に記憶されたデータ構造内の新情報フィールドの取得時間(図10)とを比較して、両者の時間差が、測定時刻差としての所定の許容範囲(例えば、上記の位置情報取得周期10分)以内にあるか否か、すなわち両者の位置情報を比較して通信可否判断を行うに足りる程度に位置情報が妥当であるか否かを判断する。判断の結果、許容範囲にあれば次の判断ステップ(S521)へ移行し、許容範囲になければ移動端末50による通信を許可する(ステップS526)。
【0062】
次にステップS521において、可否判断部16は、移動端末50について移動端末位置情報記憶部13に記憶された移動距離と、列車Aについて列車位置情報記憶部15に記憶された移動距離とを比較して、その差が所定の範囲(規制範囲)内にあるか否かを判定する。判断の結果、規制範囲にあれば両者の速度差が少なく移動端末50のユーザが列車Aに乗っている可能性があるものとして次の判断ステップ(S522)へ移行し、規制範囲になければ移動端末50による通信を許可する(ステップS526)。
【0063】
次にステップS522において、可否判断部16は、移動端末50について移動端末位置情報記憶部13に記憶された方向角と、列車Aについて列車位置情報記憶部15に記憶された方向角とを比較して、その差が所定の規制範囲内にあるか否かを判定する。判断の結果、規制範囲にあれば両者の移動方向の相違が少なく移動端末50のユーザが列車Aに乗っている可能性があるものとして次のステップ(S523)へ移行し、規制範囲になければ移動端末50による通信を許可する(ステップS526)。
なお、移動距離及び方向角に関する規制範囲は、列車ごとに想定される最高速度(線区最高速度)や、路線の状況(カーブが多い路線であるか否か)によって適宜選択する必要があるため、列車毎に設定できることとしてよく、この場合にはこれら規制範囲を位置情報と共に各列車毎に列車位置情報記憶部15に記憶してもよい(図10参照)。
【0064】
次にステップS523において、可否判断部16は、移動端末50について移動端末位置情報記憶部13に記憶された新情報フィールドの位置情報と、列車Aについて列車位置情報記憶部15に記憶された新情報フィールドの位置情報に基づいて両者の間隔を算出する。そしてステップS524において、算出された間隔が所定の規制範囲内にあるか否かを判定する。判断の結果、規制範囲にあれば移動端末50のユーザが列車Aに乗っているものとして移動端末50による通信を禁止し(ステップS525)、規制範囲になければ移動端末50による通信を許可する(ステップS526)。
【0065】
図18に戻り、ステップS505において移動端末50による通信が禁止された場合について以下説明する。第1交換局20は、移動端末50の通信が禁止された結果を含む可否応答信号を受信した場合にはマナー規制を実施すると判断して、第2交換局90aにACMとANMメッセージを送信する(ステップS507、509)。第2交換局90aは、ACMメッセージを受信すると電話機BにALERTメッセージを送信し(S508)、ANMメッセージを受信すると電話機BにCONNメッセージを送信する(S510)。
その後、第1交換局20は、マナー規制トーキを電話機Bに流して、移動端末50に対する通信がマナー規制になった旨を通知する(ステップS511)。
【0066】
図20は、一般の電話機Bから移動端末50への接続時においてマナー規制を行なわない場合の構成ブロック図である。位置情報サーバ10による通信可否の判断ステップ(S505)までは、図18を参照して上述したので説明を省略する。
第1交換局20は、移動端末50の通信が許可された結果を含む可否応答信号を受信した場合にはマナー規制を実施せず、電話機Bからの発信が規制を通過できると判断して、移動端末50と電話機Bとの間の通常の通話接続処理を行う。
【0067】
すなわち、基地局30を介して移動端末50にSETUPメッセージを送信する(ステップS532、S533)。移動端末50は、SETUPメッセージを受信すると鳴動して移動端末50のユーザに着信がある旨を通知する。
移動端末50のユーザが鳴動により応答すると、移動端末50はALERT、CONNメッセージを基地局30、第1交換局20、第2交換局90aを介して電話機Bに送信し(ステップS536〜S543)、電話機Bと移動端末50の通話が確立する(ステップS544)。
【0068】
図21は、移動端末50から一般の電話機Bへの接続においてマナー規制を行う場合の構成ブロック図である。
移動端末50のユーザが電話機Bに対する発信操作を行うことによって、移動端末50の発信者番号を発番号に含むSETUP(呼設定)メッセージが、移動端末50から基地局30に送信され(ステップS601)、基地局30はこのSETUPメッセージを第1交換局20に送信する(ステップS602)。
SETUPメッセージを受信した第1交換局20は、基地局30を介して、CALL PROCメッセージを移動端末50に返送する(ステップS603、S604)。
【0069】
一方で、移動端末50の発信者番号を含むSETUPメッセージを受信第1交換局20は、移動端末50に対するマナー規制の要否を確認するために、移動端末50による通信の可否を確認する可否確認要求信号を、位置情報サーバ10に送信する(ステップS605)。この可否確認要求信号には、判断対象となる移動端末50の発信者番号を含む。
移動端末50の発信者番号を含む可否確認要求信号を受信すると、位置情報サーバ10は、ステップS606において、移動端末50による通信を許可するか禁止するかの判断を行う。この判断方法は図19に示す判断フローチャートを参照して上述した方法と同様である。その後、その判断結果を含む可否応答信号を第1交換局20に返答する(ステップS607)。
【0070】
以下に、ステップS606において移動端末50による通信が禁止された場合について説明する。第1交換局20は、移動端末50の通信が禁止された結果を含む可否応答信号を受信した場合にはマナー規制を実施すると判断して、基地局30を介してALERTメッセージとCONNメッセージを、移動端末50に送信する(ステップS608〜S611)。
その後、第1交換局20はマナー規制になった旨を通知するマナー規制トーキを移動端末50に流す(ステップS612)。
【0071】
図22は、移動端末50から一般の電話機Bへの接続においてマナー規制を行なわない場合の構成ブロック図である。位置情報サーバ10による通信可否の判断ステップ(S606)までは、図21を参照して上述したので説明を省略する。
第1交換局20は、移動端末50の通信が許可された結果を含む可否応答信号を受信した場合にはマナー規制を実施せず、移動端末50からの発信が規制を通過できると判断して、移動端末50と電話機Bとの間の通常の通話接続処理を行う。
【0072】
すなわち、電話機Bの発信者番号を着番号に含むIAMメッセージを第2交換局90aに送信する(ステップS631)。これを受信した第2交換局90aは、電話機BにSETUPメッセージを送信する(ステップS632)。SETUPメッセージを受信した電話機BはCALL PROCメッセージを第2交換局90aに返信する(ステップS633)。
電話機Bのユーザが鳴動により応答すると、電話機BがALERT、CONNメッセージを第2交換局90a、第1交換局20、基地局30を介して移動端末50に送信することで(ステップS634〜S641)、電話機Bと移動端末50の通話が確立する(ステップS642)。
【0073】
なお、マナー規制方法に関する上記説明において、移動端末50の通信相手を第2交換局90aを介して通信ネットワークNに接続され電話機Bとしたが、無線基地局91及び第3交換局90bを介して通信ネットワークNに接続される携帯電話機92を通信相手とした場合にも同様の方法によって規制を行うことが可能である。
【0074】
ところで、図6を参照して説明した上記の実施例では、列車位置測定装置40はGPSシステムなどの自立航法システムによって列車Aの位置を測定することとした。しかし、特に鉄道などの公共輸送手段において、自動列車停止装置(ATS)が導入されている路線では、これを利用して列車の位置を取得することができる。
例えばATS−P型の自動列車停止装置が導入されている路線の場合には、路線上の多数の位置に、列車に前方の停止位置までの距離情報を通知するための地上子が設置されており、また、これら地上子は、当該地上子の上を列車が通過した際に列車側に設けられた車上子と双方向通信を行うことが可能である。
したがって、列車Aとの間の通信が行われたことを示す検知信号(例えば車上子からの受信信号)と、既知の地上子の位置情報を利用することによって、列車の位置情報を取得することが可能である。そしてこのように取得した位置情報を位置情報サーバ10に登録することも可能である。
【0075】
図23は、このようなATSシステムを利用した列車位置測定装置40の構成図である。列車Aが走行する軌道には、トランスポンダ用地上子で実現されるATS地上子61が、軌道に沿った複数の既知の位置に設置されている。
列車Aには、例えば上記特許文献3に開示されるように、運転手や車掌その他の取扱者によって、列車Aを識別する列車番号を設定する列車番号設定器62と、列車番号設定器62により設定された列車番号情報を所定のATS伝送情報に載せるATS符号処理器(EC)63と、ATS伝送情報をATS地上子61に送信するATS車上子65と、ATS符号処理器63から出力されたATS伝送情報をATS車上子65に入力するATS送受信機64と、を備えている。
そして、列車Aが各ATS地上子61の上を列車が通過すると、運転手や車掌その他の取扱者によって入力された列車番号情報が各ATS地上子61に送信される。
【0076】
一方で地上側の各駅には、駅伝送装置66が設けられる。駅伝送装置66は、駅間の線路に設けられた各ATS地上子61が受信した列車番号を収集して、列車の運行管理が行われる中央指令室などに設置される中央指令装置67に送信される。
このとき駅伝送装置66は、例えば上記特許文献4に開示されるように、列車番号を受信した当該ATS地上子61の識別子を列車番号情報に付してから、この列車番号情報を中央指令装置67に送信する。
【0077】
列車位置測定装置40は、列車番号を受信した各地上子61の識別子が付加された列車番号情報を中央指令装置67から受信する。中央指令装置67から受信する列車番号情報の例を図24に示す。図示するとおり列車番号情報は、当該地上子61上を通過した列車Aの列車番号と、当該地上子61の識別子とを含んでいる。さらに識別子は、例えば当該地上子が設置される駅間情報、当該地上子が付帯する信号機の名称情報、及びこの信号機に付帯する複数地上子間における当該地上子の識別番号からなり、地上子61を一意に識別することができる。
列車位置測定装置40は、地上子61上を通過した列車の位置を定める測位部42と、決定された列車の位置を位置情報サーバ10に向けて送信する列車位置情報送信部43を備えて構成される。
【0078】
さらに測位部42は、列車Aが走行する軌道に沿った所定の複数位置にそれぞれ設けられた各ATS地上子61それぞれの位置情報を記憶する地上子位置記憶部47を備えている。地上子位置記憶部47に記憶される地上子位置情報の内容を図25に示す。図示するように地上子位置情報は、各ATS地上子61の識別子毎に、それぞれの設置位置を示す位置情報を含んでいる。
さらに測位部42は、中央指令装置67から受信する列車番号情報に含まれる地上子の位置情報を地上子位置記憶部47から読み出して、これを、この列車番号情報の列車Aの位置として決定する列車位置決定部48を備える。
【0079】
以下、図26を参照して、ATSシステムからの列車通過信号を利用して位置情報サーバ10への位置情報登録を行う方法を説明する。
ステップS701において、列車AがATS地上子61上を通過すると、それと同時にATS地上子61から駅伝送装置66に列車番号情報が送信され、駅伝送装置66はこの列車番号情報に、送信元のATS地上子61の識別子を付加して中央指令装置67に送信する。
【0080】
ステップS702において、中央指令装置67は、駅伝送装置66から受信した列車番号情報を列車位置測定装置40に送信する。
ステップS703において、列車位置測定装置40の列車位置決定部48は、中央指令装置67から受信する列車番号情報に含まれる地上子の識別子の情報を用いて、この地上子61の位置情報(例えば経度、緯度等)を地上子位置記憶部47から読み出して、これを、この列車番号情報の列車Aの位置として決定して位置情報を作成する。作成される位置情報は、図9に示した例と同様としてよい。
列車位置測定装置40の列車位置情報送信部43は、位置情報サーバ10に通知するために、ステップS704において列車Aの列車番号及び緯度、経度などを含む位置情報通知を送信する。
【0081】
列車位置測定装置40から送信された位置情報通知は、基地局30を介して第1交換局20に送信され、さらに第1交換局20、通信ネットワークNを介して位置情報サーバ10に送信される(ステップS705)。
位置情報サーバ10は、位置情報通知を受信すると、当該列車Aについて列車位置情報記憶部15に記憶された位置情報を更新する(S706)。位置情報の更新方法は、図10を参照して上述した方法と同様である。
【0082】
本実施例では既存のATSシステムを活用することによって、各列車毎に測位手段を設けたり、列車が走行する軌道の各箇所に新たな列車検知手段に設けたりすることなく、列車の位置を測定できるので、安価にシステムを構成することができる利点を有する。
一方で路線変更やATS地上子61の位置変更などが生じた場合には、特許文献1の発明と同様にシステムのメンテナンスを行う必要が生じる。しかし本発明では、列車Aと携帯端末50との間の速度(移動量)及び移動方向の差をも考慮して、携帯端末50のユーザが列車Aに乗っているか否かを判定しているため、特許文献1の発明に要する路線位置の情報点の個数と比較した場合、非常に少ない個数の地上子61の位置情報を管理すれば足りる。このため路線変更の際に要するメンテナンスを省力化することが可能である。
【0083】
以上、本発明を特にその好ましい実施の形態を参照して詳細に説明したが、本発明の容易な理解のために、本発明の具体的な形態を以下に付記する。
【0084】
(付記1)
輸送手段内における移動端末による通信を禁止するために、移動端末による通信の可否を判断する移動体通信可否判断方法であって、
前記移動端末及び前記輸送手段の位置情報の変化から、それぞれの速度及び速度方向を算出し、
前記移動端末と前記輸送手段との間の速度差及び速度方向の差が所定の範囲内にあるとき、前記移動端末を利用した通信を禁止する、
ことを特徴とする移動体通信可否判断方法。
【0085】
(付記2)
前記移動端末及び前記輸送手段それぞれの前記位置情報の取得時刻同士の差が所定の範囲を超えるとき、前記移動端末を利用した通信を許可することを特徴とする付記1に記載の移動体通信可否判断方法。
【0086】
(付記3)
所定の周期毎に前記移動端末の位置情報を取得することを特徴とする付記2に記載の移動体通信可否判断方法。
【0087】
(付記4)
前記移動端末の位置を該移動端末において測定して、その位置情報を作成することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の移動体通信可否判断方法。
【0088】
(付記5)
所定の周期毎に前記輸送手段の位置情報を取得することを特徴とする付記2に記載の移動体通信可否判断方法。
【0089】
(付記6)
前記輸送手段の位置を該輸送手段において測定して、その位置情報を作成することを特徴とする付記1、2又は5に記載の移動体通信可否判断方法。
【0090】
(付記7)
前記輸送手段は列車であり、
前記輸送手段が走行する軌道に沿った所定の位置に設けられた地上子の位置情報を予め記憶手段に記憶し、
前記輸送手段が通過した前記地上子について記憶された位置情報を用いて、該輸送手段の位置を決定する、
ことを特徴とする付記1又は2移動体通信可否判断方法。
【0091】
(付記8)
輸送手段内における移動端末による通信を禁止するために、移動端末による通信の可否を判断する移動体通信可否判断システムであって、
前記移動端末の位置情報の変化から、その速度及び速度方向を算出する移動端末速度算出部と、
前記輸送手段の位置情報の変化から、その速度及び速度方向を算出する輸送手段速度算出部と、
前記移動端末と前記輸送手段との間の速度差及び速度方向の差が所定の範囲内にあるとき、前記移動端末を利用した通信を禁止する可否判断部と、
を備えることを特徴とする移動体通信可否判断システム。
【0092】
(付記9)
前記可否判断部は、前記移動端末及び前記輸送手段それぞれの前記位置情報の取得時刻同士の差が所定の範囲を超えるとき、前記移動端末を利用した通信を許可することを特徴とする付記8に記載の移動体通信可否判断システム。
【0093】
(付記10)
前記移動端末の位置情報の取得周期を計時する計時部を備えることを特徴とする付記8又は9に記載の移動体通信可否判断システム。
【0094】
(付記11)
自機の位置を測定する測位部と、
測定した前記位置の位置情報を前記輸送手段速度算出部に送信する輸送手段位置送信部と、
を前記移動体通信端末に設けることを特徴とする付記8〜10のいずれか一つに記載の移動体通信可否判断システム。
【0095】
(付記12)
前記輸送手段の位置情報の取得周期を計時する計時部を備えることを特徴とする付記8又は9に記載の移動体通信可否判断システム。
【0096】
(付記13)
前記輸送手段の位置を測定する測位部と、
測定した前記位置の位置情報を前記輸送手段速度算出部に送信する輸送手段位置送信部と、
を備えることを特徴とする付記8、9又は12のいずれか一つに記載の移動体通信可否判断システム。
【0097】
(付記14)
前記測位部が、前記輸送手段に設けられ自機の位置を測定することを特徴とする付記13に記載の移動体通信可否判断システム。
【0098】
(付記15)
前記輸送手段は列車であって、
前記測位部が、
前記列車が走行する軌道に沿った所定の位置に設けられた地上子の位置情報を記憶する地上子位置記憶部と
前記列車が通過した前記地上子について記憶された位置情報を用いて、該列車の位置を決定する列車位置決定部と、
を備えることを特徴とする付記13に記載の移動体通信可否判断システム。
【0099】
(付記16)
付記8〜15のいずれか一つに記載の移動体通信可否判断システムに含まれて、前記移動通端末及び前記輸送手段の位置情報を記録する位置情報サーバであって、前記移動端末速度算出部と、前記輸送手段速度算出部と、前記可否判断部と、を備えて構成されることを特徴とする位置情報サーバ。
【0100】
(付記17)
付記8〜15のいずれか一つに記載の移動体通信可否判断システムによって、通信の可否が判断される前記移動端末であって、
自機の位置を測定する測位部と、
測定した前記位置の位置情報を前記輸送手段速度算出部に送信する移動端末位置送信部と、
を備えることを特徴とする移動端末。
(付記18)
付記8〜15のいずれか一つに記載の移動体通信可否判断システムに含まれる輸送手段位置測定装置であって、
前記輸送手段の位置を測定する測位部と
測定した前記位置の位置情報を前記輸送手段速度算出部に送信する輸送手段位置送信部と、
を備えることを特徴とする輸送手段位置測定装置。
(付記19)
前記測位部が、前記輸送手段に設けられ自機の位置を測定することを特徴とする付記18に記載の輸送手段位置測定装置。
(付記20)
前記輸送手段は列車であって、
前記測位部が、
前記輸送手段が走行する軌道に沿った所定の位置に設けられた地上子の位置情報を記憶する地上子位置記憶部と
前記地上子の位置を通過した前記輸送手段の位置を、前記地上子位置記憶部に記憶された当該地上子の位置情報から決定する列車位置決定部と、
を備えることを特徴とする付記18に記載の輸送手段位置測定装置。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、公共輸送手段のような輸送手段内において移動端末による通信を禁止するために、この移動端末による通信の可否を判断する移動体通信可否判断方法及び移動体通信可否判断システム、並びにこのようなシステムを実現する位置情報サーバ、移動端末及び輸送手段位置測定装置に利用可能である。特に、列車内における携帯電話による通話を禁止するために、携帯電話の通話の可否を判断する方法に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の実施例による移動体通信可否判断システム1の全体構成図である。
【図2】本発明による通信可否の判定方法の説明図である。
【図3】本発明の実施例による位置情報サーバの構成図である。
【図4】本発明の実施例による交換局の構成図である。
【図5】本発明の実施例による移動端末の構成図である。
【図6】本発明の第1実施例による列車位置測定装置の構成図である。
【図7】位置情報サーバへの位置情報登録を列車からの自発的に行う場合の構成ブロック図である。
【図8】GPS衛星の軌道情報を示す図である。
【図9】列車位置測定装置から送信される位置情報の例を示す図である。
【図10】位置情報サーバに記憶される列車の位置情報の更新例を説明する図である。
【図11】基地局側から列車の位置情報通知を要求して位置情報サーバへの位置情報登録を行う場合の構成ブロック図である。
【図12】列車位置測定装置への位置情報取得要求信号の例を示す図である。
【図13】位置情報サーバへの位置情報登録を移動端末からの自発的に行う場合の構成ブロック図である。
【図14】移動端末から送信される位置情報の例を示す図である。
【図15】位置情報サーバに記憶される移動端末の位置情報の更新例を説明する図である。
【図16】基地局側から移動端末の位置情報通知を要求して位置情報サーバへの位置情報登録を行う場合の構成ブロック図である。
【図17】移動端末への位置情報取得要求信号の例を示す図である。
【図18】一般の電話機から移動端末への接続時においてマナー規制を行う場合の構成ブロック図である。
【図19】位置情報サーバにおける通信可否判断フローチャートである。
【図20】一般の電話機から移動端末への接続時においてマナー規制を行なわない場合の構成ブロック図である。
【図21】移動端末から一般の電話機への接続においてマナー規制を行う場合の構成ブロック図である。
【図22】移動端末から一般の電話機への接続においてマナー規制を行なわない場合の構成ブロック図である。
【図23】本発明の第2実施例による列車位置測定装置の構成図である。
【図24】中央指令装置からの列車番号情報の例を示す図である。
【図25】図24に示す地上子位置記憶部に記憶される地上子情報の例を示す図である。
【図26】ATSシステムからの列車通過信号を利用して位置情報サーバへの位置情報登録を行う場合の構成ブロック図である。
【符号の説明】
【0103】
1 移動体通信可否判断システム
10 位置情報サーバ
20 交換局
50 移動端末
92 携帯電話機
A 輸送手段
B 電話機
N 通信ネットワーク
S GPS衛星

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送手段内における移動端末による通信を禁止するために、移動端末による通信の可否を判断する移動体通信可否判断方法であって、
前記移動端末及び前記輸送手段の位置情報の変化から、それぞれの速度及び速度方向を算出し、
前記移動端末と前記輸送手段との間の速度差及び速度方向の差が所定の範囲内にあるとき、前記移動端末を利用した通信を禁止する、
ことを特徴とする移動体通信可否判断方法。
【請求項2】
輸送手段内における移動端末による通信を禁止するために、移動端末による通信の可否を判断する移動体通信可否判断システムであって、
前記移動端末の位置情報の変化から、その速度及び速度方向を算出する移動端末速度算出部と、
前記輸送手段の位置情報の変化から、その速度及び速度方向を算出する輸送手段速度算出部と、
前記移動端末と前記輸送手段との間の速度差及び速度方向の差が所定の範囲内にあるとき、前記移動端末を利用した通信を禁止する可否判断部と、
を備えることを特徴とする移動体通信可否判断システム。
【請求項3】
請求項2に記載の移動体通信可否判断システムに含まれて、前記移動通端末及び前記輸送手段の位置情報を記録する位置情報サーバであって、
前記移動端末速度算出部と、前記輸送手段速度算出部と、前記可否判断部と、を備えて構成されることを特徴とする位置情報サーバ。
【請求項4】
請求項2に記載の移動体通信可否判断システムによって、通信の可否が判断される前記移動端末であって、
自機の位置を測定する測位部と、
測定した前記位置の位置情報を前記輸送手段速度算出部に送信する移動端末位置送信部と、
を備えることを特徴とする移動端末。
【請求項5】
請求項2に記載の移動体通信可否判断システムに含まれる輸送手段位置測定装置であって、
前記輸送手段の位置を測定する測位部と
測定した前記位置の位置情報を前記輸送手段速度算出部に送信する輸送手段位置送信部と、
を備えることを特徴とする輸送手段位置測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2007−174333(P2007−174333A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−370049(P2005−370049)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】