移動体
【課題】 移動体が走行前に、これから走行する経路を予め周囲の人たちに提示し、しかる後に走行を開始する移動体を提供する。
【解決手段】 移動体の予定経路を算出する予定経路算出部と、走行路面に照射する照射光に対して画像を投影する画像投影装置を備え、移動前に予定経路を求め、求めた予定経路を照射することで周囲の人間に移動体の行動を予告する。
【解決手段】 移動体の予定経路を算出する予定経路算出部と、走行路面に照射する照射光に対して画像を投影する画像投影装置を備え、移動前に予定経路を求め、求めた予定経路を照射することで周囲の人間に移動体の行動を予告する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、病院、ホテル、デパート、劇場や老人ホームの廊下など多くの人が介在する環境で自律走行する移動体に関し、移動体の動作状態や行き先を周囲の人に分かりやすく提示するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、施設内の廊下など人間と共存する環境下で走行して、案内や清掃などのサービスを提供する移動体が開発されてきている。移動体は予め設定記憶された目的地に向けて直進や旋回など動作を切替えながら走行するが、該移動体とすれ違ったり、並んで歩いたりする周囲の人間にとっては、該移動体が、今後どのような動作をするかの予測がつかず、不意の針路変更で歩行を邪魔されたり、さらには接触又は衝突したりする危険性がある。
移動体の周囲の人間が、その動作を予測し、接触又は衝突の回避等の行動を取りやすくするためには、移動体がこれからたどるであろう軌道を知ることが必要である。
移動体の動作予告として一般的には、移動体に点滅式ランプに代表されるような方向指示器を備え、周囲の人間に針路変更を予告することが行われている。しかし、ランプの点滅だけでは周囲の人間に提示できる情報量に限りがあるという一般的な課題があった。
【0003】
これに対し、特開平8−221126号公報(参考文献1)では、ディスプレイを移動体の外周面に複数備え、該ディスプレイに「現在位置」等の位置情報、「移動中」等の動作状況、あるいは「右に曲がります」等の動作予告を文字により表示させる方式が提案されている。これによれば、ランプの点滅だけの場合と比較して周囲の人間に提示できる情報量を増やすことができる。
【0004】
しかしながら参考文献1に示す従来例でも、移動体の詳細な軌道を提示するには不充分であった。すなわち、「右に曲がります」又は「左に曲がります」等の表示だけでは、依然として具体的にどれだけ曲がるのかを知ることができず、また仮に「右に30°曲がります」等と表示しても、それが移動体の軌道をどのように変化させるのか、周囲の人間には把握しづらいという問題点があった。
【0005】
これに対し特許文献1では、所定時間後に前記移動体が通過する領域を予測し、照射手段により路面上に照射またはスキャンして提示する方式が提案されている。以下図に基づいて説明する。
図10は、特許文献1の従来例を示すブロック図である。図10において、1は移動体、2は前記移動体1の動作を制御するコントローラ、3は前記移動体1の走行経路を照射する照射装置、101は前記移動体1の前後進を操作する前後進レバー、102は前記移動体1の操作ハンドル角度を検出するハンドル角度検出器、103は前記移動体1の走行速度を検出する速度検出器、104は前記移動体1の傾きを検出する傾斜検出器である。105は前記コントローラ2に搭載され、前記前後進レバー101、ハンドル角度検出器102、速度検出器103、および傾斜検出器104の検出結果から前記移動体1の所定時間後の移動領域を予測する予測部である。照射装置3は傾斜駆動装置106、水平駆動装置107、および径変化装置108から構成される。傾斜駆動装置106は、照射装置3から照射される光の走行路面に対する傾斜角を変化させる。水平駆動装置107は、照射装置3から照射される光の水平角を変化させる。径変化装置108は、照射装置3から照射される光線の径を変化させる。
【0006】
上記構成により、走行中にレバー・ハンドル操作や車両状態を検出して、所定時間後の移動領域または位置を予測し、照射装置の傾斜・水平角度と径を制御して路面に照射する。これにより、周辺の人間に対し移動体の予測移動領域または位置を提示できるとしている。
【0007】
また、特許文献2では、記憶された予定経路に基づいて、移動体の位置が変化する方向、移動速度、移動距離を提示する方法が提案されている。これによれば、移動体は路面に情報を提示する画像投影装置を備え、移動体の進行方向、移動速度、移動距離を示す情報を路面に投影することで、周囲の人間に移動内容を提示できるとしている。
【特許文献1】特開2000−344005号公報
【特許文献2】特開2008−9774号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に示す従来例では、走行中の移動体の移動速度、移動方向、および操舵角度により移動体の移動領域を予測しているため、軌道の曲率が変化する直前でなければ、移動体の予測移動領域または位置を提示することができないという問題点があった。図11は特許文献1に示す従来例における移動領域の推定を示す図である。施設内を走行する移動体において一般的な、直線と円弧を組み合わせた軌道を例としている。図11(a)のように直線軌道の走行時にはハンドルが中立点にあるため、移動体の推定移動領域を示す照射範囲は走行経路と一致している。ところが、図11(b)のように円弧軌道に入る直前においては、ハンドル操作は未だ行われていないため、照射範囲は依然として移動体の前方に留まり、これから曲がろうとする走行経路とは大きくずれてしまう。一方、図11(c)のように円弧軌道に入ればハンドル操作が行われるため、照射範囲と軌道は一致する。上記のように、従来例では軌道の曲率が変化する前後において、移動領域の推定精度が低下するという問題点があった。実際の移動体の移動経路はクロソイド曲線を描くと考えられるが、前述の問題がある。この照射位置のずれは、周囲の人間に誤った情報となるので、移動体との接触又は衝突の回避が誤った行動となる可能性をもっている。
また、特許文献2の従来例では、画像投影装置は移動体に固定されているため照射できる領域が限られており、直近の進行方向は提示することはできるが、移動体の走行経路全体を提示することはできない。また、移動体の進行方向や移動速度が頻繁に変化するような経路を提示するには情報量が不十分という問題点がある。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、どのような軌道であってもあらかじめ精度良く移動経路を推定して、移動体の通過する領域を周囲の人間にわかりやすく提示することができる移動体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、走行路上の所定領域を照射又は走査する照射装置を備えた移動体において、前記移動体の予定経路を算出する予定経路算出部と、走行路面に照射する照射光に対して画像を投影する画像投影装置と、を備えることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、前記移動体は、走行前に予め前記予定経路の画像を投影し、その後に走行を開始することを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、移動体の走行経路とともに、移動体の幅に基づき移動体の通過する領域を投影することを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、投影する画像の縦方向のひずみを補正することを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、照射装置から照射先までの距離に合わせて投影する画像の大きさを調整することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によると、画像投影装置により移動体の走行経路を投影することができるので、周囲の人はより明確に移動体の走行する経路を知ることができる。
請求項2に記載の発明によると、移動体の走行前にこれから走行する経路全体を投影することができるので、周囲の人達は、予め移動体の走行する経路を知ることができる。
請求項3に記載の発明によると、移動体の大きさに基づき、移動体の通過する領域を投影することによって、周囲の人は移動体と接触する領域を容易に知ることができる。
請求項4に記載の発明によると、照射装置の光軸が傾いたときに生じる、画像の縦方向のひずみを補正することができるので、常に一定の形状の画像を投影することができる。
請求項5に記載の発明によると、照射距離に合わせて投影する画像の大きさを調整することができるので、走行路面に対して所定の大きさの画像を投影することができる。
すなわち、停止時、走行時に関わらず、これから走行する経路全体を事前に精度よく提示することができるという効果が得られる。また、画像を床面上に走査しながら投影することで、広い範囲において移動体の走行経路を提示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示す移動体のブロック図である。図1において、1は移動体、2は前記移動体1の動作を制御するコントローラ、3は前記移動体1の走行経路を照射する照射装置、4は前記移動体1に操作者により目的地を指示するための目的地指定手段である。5は前記移動体1の予定経路を算出する予定経路算出部である。照射装置3は、傾斜駆動装置6、水平駆動装置7、画像投影装置8から構成される。傾斜駆動装置6は、照射装置3から照射される光の走行路面に対する傾斜角を変化させる。水平駆動装置7は、照射装置3から照射される光の水平角を変化させる。画像投影装置8は走行路面に照射する照射光に対して画像を投影する。
【0013】
図2は、本発明の第1の実施例によって得られる作用の説明図である。図の(a)乃至(c)は全て走行開始前であり、(a)、(b)、(c)の順に時系列で変化する。移動体1は、目的地指定手段4において指定された目的地までの予定経路を予定経路算出部5で算出し、図のように予定経路上に投影装置8によって投影する画像(投影画像)を走査させ、予定経路を提示する。本方式によれば、予定経路の軌道の曲率が変化する前後であっても、移動領域(移動体の通過する領域)の推定の後に、精度を低下させることなく提示させることができる。また、走行前に予定経路の画像を投影することにより、周囲の人は、移動体が走行する前に予め走行経路を把握することができる。また、移動体の大きさに基づき、移動体の通過する領域を画像投影装置8により投影することにより、周囲の人は、移動体が走行する前に、移動体と接触又は衝突する可能性を容易に把握することができ、必要に応じた回避行動をとることができる。
【0014】
図3は、照射装置3の構成図である。図3において、6は傾斜駆動装置、7は水平駆動装置、8は画像投影装置である。傾斜駆動装置6において、6aは減速機、6bはモータ、6cはエンコーダである。モータ6bは、予定経路算出部5の指令により駆動する(図ではモータ駆動部を省略している)。減速機6aの出力側の回転軸は、画像投影装置8の光軸と直交している。水平駆動装置7において、7aは減速機、7bはモータ、7cはエンコーダ、7dは軸である。モータ7bは、予定経路算出部5の指令により駆動する(図ではモータ駆動部を省略している)。減速機7aの出力側の回転軸は走行路面の法線方向と一致し、画像投影装置8の光軸と交差している。画像投影装置8において、8aは液晶パネル、8bはランプ、8cはレンズ、8dはピント調整装置、8eは液晶画像制御部となっている。液晶パネル8aは、液晶画像制御部8eより入力された画像を表示しており、その背後にあるランプ8bにより画像は投影され、投影された画像は、レンズ8cによって拡大される。また、レンズ8cは、ピント調節装置8dに固定され、投影方向に移動可能となっており、投影する画像のピントを調節できる(図ではピント調整装置の駆動部を省略している)。
【0015】
図4は、画像投影装置8によって投影される画像の大きさの補正の説明図である。(a)に示すように、画像投影装置により画像を走行路面上に投影するとき、画像投影装置8の光軸の傾斜角度φの大きさに応じて、走行路面上に投影画像の大きさは変化する。そこで、常に一定の大きさの投影画像となるよう、液晶画像制御部8eにおいて、(b)に示すように投影する画像の大きさの補正を行う。このとき、投影画像の基準の大きさは、φ=0となる、床面に垂直に投影した投影画像であり、常にこの大きさの画像が投影される。まず、投影画像の幅は、画像投影装置8から、光軸と床面の交点までの距離に比例する。そこで、元の画像の幅をWとすると画像の幅を式(1)に示すように縮小する。また、投影画像の高さは、光軸の傾斜角度φの大きさに応じて変化する。画像投影装置8の視野角の大きさをφl、元の画像の長さをhとするとき、投影画像の光軸から手前方向の長さh’lower、奥方向の長さをh’upperは、それぞれ式(2)、式(3)によって求められる。さらに、投影距離に応じてピント調節装置を制御し、レンズ8cを前後に動かしてピントを調節する。
【0016】
【数1】
【0017】
図5は画像投影装置8によって投影される画像の縦方向のひずみの補正の説明図である。本発明は、(a)のように画像投影装置8の光軸が走行路面の法線方向に対して角度をなして投影しているため、(b)のような長方形の画像を投影すると、(c)のような手前から奥に広がる台形の形状となってしまう。これを補正するため、光軸の傾斜角度に応じて、投影する画像の形状を補正する。例えば、(b)の画像を(d)に示す形状に補正することで、走行路面に投影される画像は、(e)に示すような長方形のものとなる。
【0018】
図6は、移動体の移動先と照射装置の各駆動装置の回転角の関係を示す説明図である。図6において、移動先Ptは、移動体1の水平駆動装置7の回転軸と走行路面との交点を原点とし、水平駆動装置7の回転角=0°のときの照射装置3の光軸の方向をY軸とするX‐Y座標系で表現される。移動先Pt(Xt,Yt)を照射するための傾斜駆動装置6の傾斜角φtは、照射装置3の走行路面からの高さhより、式(4)によって算出される。また、回転駆動装置7の回転角θt(左回りを正とする)は,式(5)、式(6)によって算出される。
【0019】
【数2】
【0020】
図7は、移動体の通過する領域を投影する方法の説明図である。照射装置3によって走行経路を走査しながら、画像投影装置8によって移動体の通過する領域を投影する。
画像投影装置8によって投影する画像の作成方法を説明する。まず、予定経路算出部において移動体の走行経路全体を算出し、走行経路を移動体の幅Wほどオフセットして移動体の通過する領域を算出し、現在地から目的地までの移動体の通過する領域全体を示す経路全体画像を作成する。作成する経路全体画像は、画像投影装置が照射できる範囲のものとする。座標Ptに対して画像投影装置8が投影する画像は、経路全体画像において、照射装置3が照射する移動位置Ptを中心とし、水平駆動装置7の回転角θほど回転させた、所定の四角形の範囲の画像を抽出したものである。経路上の各点について投影する画像を算出する。
【0021】
図8は、移動体の走行経路を投影するフローチャートであり、静止時に移動体の走行経路を投影する場合のフローチャートである。
まず、予定経路算出部5において、所定の時間後Teまでの移動体の走行経路を算出し、時間間隔Δtごとに移動体の通る座標Pt(Xt,Yt)を算出する(ステップ1)。
次に、各座標を照射するための傾斜駆動装置6と水平駆動装置7のそれぞれの回転角指令値θ、φを算出する(ステップ2)。
画像投影装置8によって投影する画像を各座標ごとに算出する(ステップ3)。
傾斜角φに基づいて、投影する画像の形状および大きさを算出する。また、ピントを合わせるためのピント調節装置への指令値を算出する(ステップ4)。
照射装置3が移動体1の予定経路を走査するように、算出した回転角指令値θ、φを傾斜駆動装置6と水平駆動装置7に与えて駆動させ、画像投影装置8によって照射する座標に対応する画像を投影することで走行路面上に移動体の通過する領域を表示する(ステップ5)。ステップ5において、傾斜駆動装置6と水平駆動装置7の角速度は、次の回転角指令値までの回転角を所定の時間(例えば時間間隔Δt)で割ることで算出できる。
【0022】
本発明において、移動体1の走行する予定経路は事前にわかっているため、走行中に走行経路を照射する場合においても、走行しながら照射先をリアルタイムに算出することなく走行前に前もって算出することができる。ただし、移動体は予定経路を予定された速度で走行するものとする。
図9は、移動体の走行経路を投影するフローチャートであり、走行時に移動体の予定経路を投影する場合のフローチャートである。
これは、走行前に予定経路と、所定時間移動後での予定経路を照射するための照射装置3で照射する。
まず、走行前に、図8と同様にステップ1からステップ4において、照射装置3の回転角指令値θ、φを算出する。走行時に移動体の走行経路を投影する場合は、移動体の走行に伴い、座標系が時間ごとに変化するため、ステップ1において移動体の通過点を算出したあとに、座標変換処理を行う(ステップ12)。t=t1の移動体1の座標をPv1(Xv1,Yv1)、t=0との姿勢の変化(左回りを正とする角度)をαv1、また、t=0の移動体の座標を原点としてステップ1で求めたt=t1の照射装置3による照射座標をPs1(Xs1,Ys1)とする。t=t1における移動体1の座標Pv1(Xv1,Yv1)を原点とする座標系において、照射装置3の照射する座標Pt(Xt,Yt)は、式(7)、式(8)の座標変換によって算出される。
【0023】
【数3】
【0024】
求めた値より式(4)、式(5)、式(6)を用いて、照射装置3の回転角指令値θ、φを算出できる。このように走行前に事前に演算することが本発明の特徴である。続いて走行を開始したら、ステップ6で移動体の現在位置を求め、ステップ7において走行路面上に移動体の通過する領域を表示する。移動体1は、現在位置を計測し、走行時に生じるずれを補正しながら照射装置によって提示された経路上を走行する。
【0025】
また、画像投影装置8は文字を投影できるので、走行路面に走行経路を提示しながら同時に文字情報も提示することができる。例えば、バッテリ残量やアラーム発生などを表示することで、周囲から移動体の走行領域と動作状態を把握することができる。また、走行経路を走査しながら移動先の名称などを投影することで、移動体の動作をより詳しく知ることができる。移動体の動作状態や移動先の名称などの情報は、コントローラ2より画像投影装置8に与えられ、文字情報を含めた画像が液晶画像制御部8eにおいて生成される。
【産業上の利用可能性】
【0026】
走行経路を予め提示することが安全対策となっており、多くの人間が介在する施設内においてサービス用途として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す移動体のブロック図
【図2】本発明の第1の実施例によって得られる作用の説明図
【図3】本発明の第1の実施例における照射装置の構成図
【図4】本発明の画像投影装置によって投影される画像の大きさの補正の説明図
【図5】本発明の画像投影装置によって投影される画像の縦方向の補正の説明図
【図6】本発明の移動体の移動先と照射装置の各駆動装置の回転角の関係を示す説明図
【図7】本発明の移動体の通過する領域を投影する方法の説明図
【図8】本発明の移動体の静止時に走行経路を投影するフローチャート
【図9】本発明の移動体の走行時に走行経路を投影するフローチャート
【図10】従来例を示すブロック図
【図11】従来例の手法によって得られる作用を示す説明図
【符号の説明】
【0028】
1 移動体
2 コントローラ
3 照射装置
4 目的地指定手段
5 予定経路算出部
6 傾斜駆動手段
7 水平駆動装置
8 画像投影装置
101 前後進レバー
102 ハンドル角度検出器
103 速度検出器
104 傾斜検出器
105 予測部
106 傾斜駆動装置
107 水平駆動装置
108 径変化装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、病院、ホテル、デパート、劇場や老人ホームの廊下など多くの人が介在する環境で自律走行する移動体に関し、移動体の動作状態や行き先を周囲の人に分かりやすく提示するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、施設内の廊下など人間と共存する環境下で走行して、案内や清掃などのサービスを提供する移動体が開発されてきている。移動体は予め設定記憶された目的地に向けて直進や旋回など動作を切替えながら走行するが、該移動体とすれ違ったり、並んで歩いたりする周囲の人間にとっては、該移動体が、今後どのような動作をするかの予測がつかず、不意の針路変更で歩行を邪魔されたり、さらには接触又は衝突したりする危険性がある。
移動体の周囲の人間が、その動作を予測し、接触又は衝突の回避等の行動を取りやすくするためには、移動体がこれからたどるであろう軌道を知ることが必要である。
移動体の動作予告として一般的には、移動体に点滅式ランプに代表されるような方向指示器を備え、周囲の人間に針路変更を予告することが行われている。しかし、ランプの点滅だけでは周囲の人間に提示できる情報量に限りがあるという一般的な課題があった。
【0003】
これに対し、特開平8−221126号公報(参考文献1)では、ディスプレイを移動体の外周面に複数備え、該ディスプレイに「現在位置」等の位置情報、「移動中」等の動作状況、あるいは「右に曲がります」等の動作予告を文字により表示させる方式が提案されている。これによれば、ランプの点滅だけの場合と比較して周囲の人間に提示できる情報量を増やすことができる。
【0004】
しかしながら参考文献1に示す従来例でも、移動体の詳細な軌道を提示するには不充分であった。すなわち、「右に曲がります」又は「左に曲がります」等の表示だけでは、依然として具体的にどれだけ曲がるのかを知ることができず、また仮に「右に30°曲がります」等と表示しても、それが移動体の軌道をどのように変化させるのか、周囲の人間には把握しづらいという問題点があった。
【0005】
これに対し特許文献1では、所定時間後に前記移動体が通過する領域を予測し、照射手段により路面上に照射またはスキャンして提示する方式が提案されている。以下図に基づいて説明する。
図10は、特許文献1の従来例を示すブロック図である。図10において、1は移動体、2は前記移動体1の動作を制御するコントローラ、3は前記移動体1の走行経路を照射する照射装置、101は前記移動体1の前後進を操作する前後進レバー、102は前記移動体1の操作ハンドル角度を検出するハンドル角度検出器、103は前記移動体1の走行速度を検出する速度検出器、104は前記移動体1の傾きを検出する傾斜検出器である。105は前記コントローラ2に搭載され、前記前後進レバー101、ハンドル角度検出器102、速度検出器103、および傾斜検出器104の検出結果から前記移動体1の所定時間後の移動領域を予測する予測部である。照射装置3は傾斜駆動装置106、水平駆動装置107、および径変化装置108から構成される。傾斜駆動装置106は、照射装置3から照射される光の走行路面に対する傾斜角を変化させる。水平駆動装置107は、照射装置3から照射される光の水平角を変化させる。径変化装置108は、照射装置3から照射される光線の径を変化させる。
【0006】
上記構成により、走行中にレバー・ハンドル操作や車両状態を検出して、所定時間後の移動領域または位置を予測し、照射装置の傾斜・水平角度と径を制御して路面に照射する。これにより、周辺の人間に対し移動体の予測移動領域または位置を提示できるとしている。
【0007】
また、特許文献2では、記憶された予定経路に基づいて、移動体の位置が変化する方向、移動速度、移動距離を提示する方法が提案されている。これによれば、移動体は路面に情報を提示する画像投影装置を備え、移動体の進行方向、移動速度、移動距離を示す情報を路面に投影することで、周囲の人間に移動内容を提示できるとしている。
【特許文献1】特開2000−344005号公報
【特許文献2】特開2008−9774号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に示す従来例では、走行中の移動体の移動速度、移動方向、および操舵角度により移動体の移動領域を予測しているため、軌道の曲率が変化する直前でなければ、移動体の予測移動領域または位置を提示することができないという問題点があった。図11は特許文献1に示す従来例における移動領域の推定を示す図である。施設内を走行する移動体において一般的な、直線と円弧を組み合わせた軌道を例としている。図11(a)のように直線軌道の走行時にはハンドルが中立点にあるため、移動体の推定移動領域を示す照射範囲は走行経路と一致している。ところが、図11(b)のように円弧軌道に入る直前においては、ハンドル操作は未だ行われていないため、照射範囲は依然として移動体の前方に留まり、これから曲がろうとする走行経路とは大きくずれてしまう。一方、図11(c)のように円弧軌道に入ればハンドル操作が行われるため、照射範囲と軌道は一致する。上記のように、従来例では軌道の曲率が変化する前後において、移動領域の推定精度が低下するという問題点があった。実際の移動体の移動経路はクロソイド曲線を描くと考えられるが、前述の問題がある。この照射位置のずれは、周囲の人間に誤った情報となるので、移動体との接触又は衝突の回避が誤った行動となる可能性をもっている。
また、特許文献2の従来例では、画像投影装置は移動体に固定されているため照射できる領域が限られており、直近の進行方向は提示することはできるが、移動体の走行経路全体を提示することはできない。また、移動体の進行方向や移動速度が頻繁に変化するような経路を提示するには情報量が不十分という問題点がある。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、どのような軌道であってもあらかじめ精度良く移動経路を推定して、移動体の通過する領域を周囲の人間にわかりやすく提示することができる移動体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、走行路上の所定領域を照射又は走査する照射装置を備えた移動体において、前記移動体の予定経路を算出する予定経路算出部と、走行路面に照射する照射光に対して画像を投影する画像投影装置と、を備えることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、前記移動体は、走行前に予め前記予定経路の画像を投影し、その後に走行を開始することを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、移動体の走行経路とともに、移動体の幅に基づき移動体の通過する領域を投影することを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、投影する画像の縦方向のひずみを補正することを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、照射装置から照射先までの距離に合わせて投影する画像の大きさを調整することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によると、画像投影装置により移動体の走行経路を投影することができるので、周囲の人はより明確に移動体の走行する経路を知ることができる。
請求項2に記載の発明によると、移動体の走行前にこれから走行する経路全体を投影することができるので、周囲の人達は、予め移動体の走行する経路を知ることができる。
請求項3に記載の発明によると、移動体の大きさに基づき、移動体の通過する領域を投影することによって、周囲の人は移動体と接触する領域を容易に知ることができる。
請求項4に記載の発明によると、照射装置の光軸が傾いたときに生じる、画像の縦方向のひずみを補正することができるので、常に一定の形状の画像を投影することができる。
請求項5に記載の発明によると、照射距離に合わせて投影する画像の大きさを調整することができるので、走行路面に対して所定の大きさの画像を投影することができる。
すなわち、停止時、走行時に関わらず、これから走行する経路全体を事前に精度よく提示することができるという効果が得られる。また、画像を床面上に走査しながら投影することで、広い範囲において移動体の走行経路を提示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示す移動体のブロック図である。図1において、1は移動体、2は前記移動体1の動作を制御するコントローラ、3は前記移動体1の走行経路を照射する照射装置、4は前記移動体1に操作者により目的地を指示するための目的地指定手段である。5は前記移動体1の予定経路を算出する予定経路算出部である。照射装置3は、傾斜駆動装置6、水平駆動装置7、画像投影装置8から構成される。傾斜駆動装置6は、照射装置3から照射される光の走行路面に対する傾斜角を変化させる。水平駆動装置7は、照射装置3から照射される光の水平角を変化させる。画像投影装置8は走行路面に照射する照射光に対して画像を投影する。
【0013】
図2は、本発明の第1の実施例によって得られる作用の説明図である。図の(a)乃至(c)は全て走行開始前であり、(a)、(b)、(c)の順に時系列で変化する。移動体1は、目的地指定手段4において指定された目的地までの予定経路を予定経路算出部5で算出し、図のように予定経路上に投影装置8によって投影する画像(投影画像)を走査させ、予定経路を提示する。本方式によれば、予定経路の軌道の曲率が変化する前後であっても、移動領域(移動体の通過する領域)の推定の後に、精度を低下させることなく提示させることができる。また、走行前に予定経路の画像を投影することにより、周囲の人は、移動体が走行する前に予め走行経路を把握することができる。また、移動体の大きさに基づき、移動体の通過する領域を画像投影装置8により投影することにより、周囲の人は、移動体が走行する前に、移動体と接触又は衝突する可能性を容易に把握することができ、必要に応じた回避行動をとることができる。
【0014】
図3は、照射装置3の構成図である。図3において、6は傾斜駆動装置、7は水平駆動装置、8は画像投影装置である。傾斜駆動装置6において、6aは減速機、6bはモータ、6cはエンコーダである。モータ6bは、予定経路算出部5の指令により駆動する(図ではモータ駆動部を省略している)。減速機6aの出力側の回転軸は、画像投影装置8の光軸と直交している。水平駆動装置7において、7aは減速機、7bはモータ、7cはエンコーダ、7dは軸である。モータ7bは、予定経路算出部5の指令により駆動する(図ではモータ駆動部を省略している)。減速機7aの出力側の回転軸は走行路面の法線方向と一致し、画像投影装置8の光軸と交差している。画像投影装置8において、8aは液晶パネル、8bはランプ、8cはレンズ、8dはピント調整装置、8eは液晶画像制御部となっている。液晶パネル8aは、液晶画像制御部8eより入力された画像を表示しており、その背後にあるランプ8bにより画像は投影され、投影された画像は、レンズ8cによって拡大される。また、レンズ8cは、ピント調節装置8dに固定され、投影方向に移動可能となっており、投影する画像のピントを調節できる(図ではピント調整装置の駆動部を省略している)。
【0015】
図4は、画像投影装置8によって投影される画像の大きさの補正の説明図である。(a)に示すように、画像投影装置により画像を走行路面上に投影するとき、画像投影装置8の光軸の傾斜角度φの大きさに応じて、走行路面上に投影画像の大きさは変化する。そこで、常に一定の大きさの投影画像となるよう、液晶画像制御部8eにおいて、(b)に示すように投影する画像の大きさの補正を行う。このとき、投影画像の基準の大きさは、φ=0となる、床面に垂直に投影した投影画像であり、常にこの大きさの画像が投影される。まず、投影画像の幅は、画像投影装置8から、光軸と床面の交点までの距離に比例する。そこで、元の画像の幅をWとすると画像の幅を式(1)に示すように縮小する。また、投影画像の高さは、光軸の傾斜角度φの大きさに応じて変化する。画像投影装置8の視野角の大きさをφl、元の画像の長さをhとするとき、投影画像の光軸から手前方向の長さh’lower、奥方向の長さをh’upperは、それぞれ式(2)、式(3)によって求められる。さらに、投影距離に応じてピント調節装置を制御し、レンズ8cを前後に動かしてピントを調節する。
【0016】
【数1】
【0017】
図5は画像投影装置8によって投影される画像の縦方向のひずみの補正の説明図である。本発明は、(a)のように画像投影装置8の光軸が走行路面の法線方向に対して角度をなして投影しているため、(b)のような長方形の画像を投影すると、(c)のような手前から奥に広がる台形の形状となってしまう。これを補正するため、光軸の傾斜角度に応じて、投影する画像の形状を補正する。例えば、(b)の画像を(d)に示す形状に補正することで、走行路面に投影される画像は、(e)に示すような長方形のものとなる。
【0018】
図6は、移動体の移動先と照射装置の各駆動装置の回転角の関係を示す説明図である。図6において、移動先Ptは、移動体1の水平駆動装置7の回転軸と走行路面との交点を原点とし、水平駆動装置7の回転角=0°のときの照射装置3の光軸の方向をY軸とするX‐Y座標系で表現される。移動先Pt(Xt,Yt)を照射するための傾斜駆動装置6の傾斜角φtは、照射装置3の走行路面からの高さhより、式(4)によって算出される。また、回転駆動装置7の回転角θt(左回りを正とする)は,式(5)、式(6)によって算出される。
【0019】
【数2】
【0020】
図7は、移動体の通過する領域を投影する方法の説明図である。照射装置3によって走行経路を走査しながら、画像投影装置8によって移動体の通過する領域を投影する。
画像投影装置8によって投影する画像の作成方法を説明する。まず、予定経路算出部において移動体の走行経路全体を算出し、走行経路を移動体の幅Wほどオフセットして移動体の通過する領域を算出し、現在地から目的地までの移動体の通過する領域全体を示す経路全体画像を作成する。作成する経路全体画像は、画像投影装置が照射できる範囲のものとする。座標Ptに対して画像投影装置8が投影する画像は、経路全体画像において、照射装置3が照射する移動位置Ptを中心とし、水平駆動装置7の回転角θほど回転させた、所定の四角形の範囲の画像を抽出したものである。経路上の各点について投影する画像を算出する。
【0021】
図8は、移動体の走行経路を投影するフローチャートであり、静止時に移動体の走行経路を投影する場合のフローチャートである。
まず、予定経路算出部5において、所定の時間後Teまでの移動体の走行経路を算出し、時間間隔Δtごとに移動体の通る座標Pt(Xt,Yt)を算出する(ステップ1)。
次に、各座標を照射するための傾斜駆動装置6と水平駆動装置7のそれぞれの回転角指令値θ、φを算出する(ステップ2)。
画像投影装置8によって投影する画像を各座標ごとに算出する(ステップ3)。
傾斜角φに基づいて、投影する画像の形状および大きさを算出する。また、ピントを合わせるためのピント調節装置への指令値を算出する(ステップ4)。
照射装置3が移動体1の予定経路を走査するように、算出した回転角指令値θ、φを傾斜駆動装置6と水平駆動装置7に与えて駆動させ、画像投影装置8によって照射する座標に対応する画像を投影することで走行路面上に移動体の通過する領域を表示する(ステップ5)。ステップ5において、傾斜駆動装置6と水平駆動装置7の角速度は、次の回転角指令値までの回転角を所定の時間(例えば時間間隔Δt)で割ることで算出できる。
【0022】
本発明において、移動体1の走行する予定経路は事前にわかっているため、走行中に走行経路を照射する場合においても、走行しながら照射先をリアルタイムに算出することなく走行前に前もって算出することができる。ただし、移動体は予定経路を予定された速度で走行するものとする。
図9は、移動体の走行経路を投影するフローチャートであり、走行時に移動体の予定経路を投影する場合のフローチャートである。
これは、走行前に予定経路と、所定時間移動後での予定経路を照射するための照射装置3で照射する。
まず、走行前に、図8と同様にステップ1からステップ4において、照射装置3の回転角指令値θ、φを算出する。走行時に移動体の走行経路を投影する場合は、移動体の走行に伴い、座標系が時間ごとに変化するため、ステップ1において移動体の通過点を算出したあとに、座標変換処理を行う(ステップ12)。t=t1の移動体1の座標をPv1(Xv1,Yv1)、t=0との姿勢の変化(左回りを正とする角度)をαv1、また、t=0の移動体の座標を原点としてステップ1で求めたt=t1の照射装置3による照射座標をPs1(Xs1,Ys1)とする。t=t1における移動体1の座標Pv1(Xv1,Yv1)を原点とする座標系において、照射装置3の照射する座標Pt(Xt,Yt)は、式(7)、式(8)の座標変換によって算出される。
【0023】
【数3】
【0024】
求めた値より式(4)、式(5)、式(6)を用いて、照射装置3の回転角指令値θ、φを算出できる。このように走行前に事前に演算することが本発明の特徴である。続いて走行を開始したら、ステップ6で移動体の現在位置を求め、ステップ7において走行路面上に移動体の通過する領域を表示する。移動体1は、現在位置を計測し、走行時に生じるずれを補正しながら照射装置によって提示された経路上を走行する。
【0025】
また、画像投影装置8は文字を投影できるので、走行路面に走行経路を提示しながら同時に文字情報も提示することができる。例えば、バッテリ残量やアラーム発生などを表示することで、周囲から移動体の走行領域と動作状態を把握することができる。また、走行経路を走査しながら移動先の名称などを投影することで、移動体の動作をより詳しく知ることができる。移動体の動作状態や移動先の名称などの情報は、コントローラ2より画像投影装置8に与えられ、文字情報を含めた画像が液晶画像制御部8eにおいて生成される。
【産業上の利用可能性】
【0026】
走行経路を予め提示することが安全対策となっており、多くの人間が介在する施設内においてサービス用途として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す移動体のブロック図
【図2】本発明の第1の実施例によって得られる作用の説明図
【図3】本発明の第1の実施例における照射装置の構成図
【図4】本発明の画像投影装置によって投影される画像の大きさの補正の説明図
【図5】本発明の画像投影装置によって投影される画像の縦方向の補正の説明図
【図6】本発明の移動体の移動先と照射装置の各駆動装置の回転角の関係を示す説明図
【図7】本発明の移動体の通過する領域を投影する方法の説明図
【図8】本発明の移動体の静止時に走行経路を投影するフローチャート
【図9】本発明の移動体の走行時に走行経路を投影するフローチャート
【図10】従来例を示すブロック図
【図11】従来例の手法によって得られる作用を示す説明図
【符号の説明】
【0028】
1 移動体
2 コントローラ
3 照射装置
4 目的地指定手段
5 予定経路算出部
6 傾斜駆動手段
7 水平駆動装置
8 画像投影装置
101 前後進レバー
102 ハンドル角度検出器
103 速度検出器
104 傾斜検出器
105 予測部
106 傾斜駆動装置
107 水平駆動装置
108 径変化装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行路上の所定領域を照射又は走査する照射装置を備えた移動体において、
前記移動体の予定経路を算出する予定経路算出部と、
走行路面に照射する照射光に対して画像を投影する画像投影装置と、を
備えることを特徴とする移動体。
【請求項2】
前記移動体は、走行前に予め前記予定経路の画像を投影し、その後に走行を開始することを特徴とする請求項1に記載の移動体。
【請求項3】
移動体の走行経路とともに、移動体の幅に基づき移動体の通過する領域を投影することを特徴とする請求項1又は2に記載の移動体。
【請求項4】
投影する画像の縦方向のひずみを補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の移動体。
【請求項5】
照射装置から照射先までの距離に合わせて投影する画像の大きさを調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の移動体。
【請求項1】
走行路上の所定領域を照射又は走査する照射装置を備えた移動体において、
前記移動体の予定経路を算出する予定経路算出部と、
走行路面に照射する照射光に対して画像を投影する画像投影装置と、を
備えることを特徴とする移動体。
【請求項2】
前記移動体は、走行前に予め前記予定経路の画像を投影し、その後に走行を開始することを特徴とする請求項1に記載の移動体。
【請求項3】
移動体の走行経路とともに、移動体の幅に基づき移動体の通過する領域を投影することを特徴とする請求項1又は2に記載の移動体。
【請求項4】
投影する画像の縦方向のひずみを補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の移動体。
【請求項5】
照射装置から照射先までの距離に合わせて投影する画像の大きさを調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の移動体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−202866(P2009−202866A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319112(P2008−319112)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】
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