説明

移動撮像装置が取得した画像上にカテーテルの先端の表示を重ねるためのシステムおよび方法

【課題】体内に配置される医療装置の先端の表示を移動撮像装置の画像検出器が検出する身体対象領域の画像上に表示する。
【解決手段】MPSセンサの医療用位置決めシステム(MPS)は、センサ画像を取得する手順、医療装置の先端の2D光学座標を決定する手順、医療装置の先端の表示を身体対象領域の画像上に重ねる手順、および身体対象領域の画像上に重ねられた医療装置の先端の画像を表示する手順よりなる。MPSセンサは、移動撮像装置の移動部分にしっかりと結合される電磁場生成器が生成する電磁場に応答し、医療装置の先端の2D光学座標は、物理的ズーム設定、内在および外在パラメータセット、選択された画像検出器対象領域設定、および医療装置の先端に配置されるMPSセンサのリアルタイムMPS座標に従って決定され、医療装置の先端の表示が、2D光学座標に従って身体対象領域の画像上に重ねられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の技術は、一般に医療用ナビゲーションシステムに関し、詳細には医療用撮像システムと医療用ナビゲーションシステムとを組み合わせる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、経皮的冠動脈形成術(PTCA)、経皮的血管形成術(PTA)、管腔に血管を通す、管腔またはその中にあるプラークの一部を切断する(例えばアテローム切除術)、管腔を縫合する、管腔の内径を拡大する(例えば、バルーン、自己拡張ステント、形状記憶合金ステント(SMA)、またはバルーン拡張ステント)、およびステントを植込むことによって拡大した直径を維持するなど、患者の身体の管腔に医療措置を施すのに利用される。これらの医療措置中、理学スタッフが、患者の身体の一部のリアルタイムの画像と比較して、カテーテル先端の画像またはその表示を見ることが有利である。このような装置は、従来技術において知られている。
【0003】
次に図1を参照すると、全体的に50で示され、従来技術で知られるように、移動撮像装置が検出する患者の身体の画像に対して、カテーテルの先端位置を決定するシステムの概略図である。システム50は、移動撮像装置52と、位置決めセンサ54と、トランスミッタ組立体56と、磁気位置決めシステム58とを含む。移動撮像装置52は手術台64の上に横たわる患者62の身体の身体対象領域60の画像(図示せず)を取得する装置である。
【0004】
移動撮像装置52は、移動組立体66と、移動機構68と、増倍管70と、放射源72とを含む。トランスミッタ組立体56は、複数の磁場生成器74を含む。図1に記載される実施例において、移動撮像装置52は、X線タイプの撮像装置(従来技術において、Cアーム撮像装置として知られる)である。したがって増倍管70および放射源72を移動組立体66に接続することで、増倍管70が患者62の片側に配置され、放射源72が患者62の反対側に配置されるようになる。増倍管70および放射源72は、身体対象領域60を横切る放射軸(図示せず)上に配置される。
【0005】
トランスミッタ組立体56は、手術台64の下に固定される。位置決めセンサ54は、カテーテル76の遠位部分(図示せず)に配置される。カテーテル76は、身体対象領域60に挿入される。位置決めセンサ54および磁場生成器74は、磁気位置決めシステム58に接続される。移動撮像装置52は、XIMAGER、YIMAGER、ZIMAGER座標系(すなわち3D光学座標系)に関連付けられる。磁気位置決めシステム58は、XMAGNETIC、YMAGNETIC、ZMAGNETIC座標系(すなわち磁気座標系)に関連付けられる。3D光学座標系および磁気座標系は異なっている(すなわちそれらのスケール、起点、および配向が異なる)。移動機構68を移動組立体66に接続することによって、移動組立体66をY軸について回転させることができる。移動機構68が矢印78および80で示す方向に移動組立体66を回転させることにより、XIMAGER−ZIMAGER面で、YIMAGER軸についての放射軸の向きが変わる。
【0006】
移動機構68が矢印94および96で示す方向に移動組立体66を回転させることにより、ZIMAGNER−YIMAGER面で、ZIMAGER軸についての放射軸の向きが変わる。移動撮像装置52は、矢印86および88に示す方向(すなわち患者62の頭尾軸)にYIMAGER軸に沿って移動撮像装置52を移動させる別の移動機構(図示せず)を含むことができる。移動撮像装置52はさらに、矢印90および92に示す方向(すなわち患者62の頭尾軸に垂直)にXIMAGER軸に沿って移動撮像装置52を移動させる別の移動機構(図示せず)を含むことができる。
【0007】
放射源72が、身体対象領域60に向けて視野82に放射し、これが増倍管70によって検出されることにより、患者62の身体の可視対象領域(図示せず)が照射される。増倍管70は、放射源72から放出され、身体対象領域60を貫通して進む放射線を検出する。増倍管70は、増倍管70のそれぞれの2D光学座標系(図示せず)に、3D光学座標系の身体対象領域60の3次元画像(図示せず)を投影することによって、身体対象領域60の2次元画像(図示せず)を生成する。表示装置(図示せず)は、2D光学座標系の2次元画像を表示する。
【0008】
磁場生成器74は、患者62の身体の磁気対象領域(図示せず)に磁場84を生成する。磁気位置決めシステム58が、位置決めセンサ54の出力に従って、磁気座標系のカテーテル76の遠位部分の位置を決定する。表示装置は、磁気位置決めシステム58の出力に従って、身体対象領域60の2次元画像に対してカテーテル76の遠位部分を表示する。
【0009】
3D光学座標系および磁気座標系は異なるため、増倍管70および磁気位置決めシステム58によって生成されたデータは、身体対象領域60の2次元画像に対してカテーテル76の遠位部分を表示する前に、変換マトリクスによって共通の座標系(すなわち磁気座標系)に変換される。トランスミッタ組立体56は、手術台64の下の所定の位置に固定される。移動撮像装置52が患者62の身体に対して移動する際、対象の磁気領域が対象視野と一致しない場合がある。
【0010】
Ben−Haimによる、タイトル「Attachment With One or More Sensors for Precise Position Determination of Endoscopes」の米国特許第6、203、493号は、大腸内視鏡に沿った任意の地点の位置を決定するための複数のセンサを対象としている。大腸内視鏡は、可撓性の内視鏡シースと、内視鏡挿入管と、制御装置とを含む。内視鏡挿入管は、可撓性内視鏡シース内で管腔内を進む。可撓性内視鏡シースは、複数の作用チャネルを含む。
【0011】
内視鏡挿入管は、導電物質を含む非使い捨ての伸長管である。各センサは少なくとも3つの座標を測定する。センサは内視鏡挿入管に固定され、位置決定システムに接続される。可撓性内視鏡シースは使い捨ての伸長管であり、位置決定システムの作用に影響を及ぼさない物質を含む。このように、位置決定システムは、可撓性内視鏡シースおよび内視鏡挿入管に沿ったいずれの場所の位置も決定することができる。
【0012】
Acker等によるタイトル「Movable Transmit or ReceiveCoils for Location System」の米国特許第6、366、799号は、患者の身体に挿入されるプローブの配置を決定するシステムを対象とする。プローブは、1つまたは複数のフィールド変換器を含む。システムは、フレームと、複数の参照フィールド変換器と、駆動回路とを含む。参照フィールド変換器はフレームに固定され、フレームは、手術台の上に横たわる患者の胸郭の下の手術台に固定される。参照フィールド変換器は駆動回路によって駆動する。プローブのフィールド変換器が、参照フィールド変換器によって生成された磁場に応答して信号を生成することにより、プローブの配置を決定することができる。
【0013】
別の実施形態において、特許出願は、可撓性グースネックアームと、複数の参照変換器と、支持体と、調整可能搭載機構とを含む可動変換組立体を記載する。可撓性グースネックアームは、支持体および調整可能搭載機構に固定される。調整可能搭載機構は手術台の上に装着される。可撓性グースネックアームにより、外科処置の際、外科医が支持体および参照変換器を対象領域に近接する位置に移動させ、外科医が接近しなければならない領域から離して再配置することが可能になる。
【0014】
C−アーム撮像装置が取得する画像中の歪みを修正する方法は、従来技術において知られている。このような方法の1つは、増倍管の前方に配置されるグリッドを利用する。このグリッドの本来の形状は、メモリに記憶される。取得された画像は、グリッドの画像を含む。取得画像が歪んでいる場合、取得画像のグリッドの形状も歪んでいる。画像処理装置が取得画像のグリッドの歪みを検出し、メモリに記憶されるグリッドの本来の形状に従って歪みを修正する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
開示の技術の目的は、患者の身体の画像上に、カテーテルの先端の表示を重ねるための新規の方法およびシステムを提供することである。
【0016】
開示の技術によって、以下のように、移動撮像装置の画像検出器が取得する身体対象領域の画像上に、患者の身体の身体対象領域内に配置される医療装置の先端を表示する方法が提供される。方法は、MPSセンサの医療用位置決めシステム(MPS)センサ画像を取得する手順、1セットの内在および外在パラメータを決定する手順、および医療装置の先端の2次元光学座標を決定する手順を含む。方法はさらに、医療装置の先端の表示を身体対象領域の画像上に重ね、身体対象領域の画像上に重ねられた医療装置の先端の画像を表示する手順を含む。
【0017】
画像のそれぞれの画像検出器の物理的ズーム設定で、および画像検出器の選択された画像検出器対象領域設定で、画像検出器によってMPSセンサのMPSセンサ画像が取得される。MPSセンサは、MPSに結合される。MPSセンサは移動撮像装置の移動部分にしっかりと結合する電磁場生成器によって生成される電磁場に応答する。
【0018】
内在および外在パラメータのセットは、画像検出器のそれぞれの2次元光学座標系のMPSセンサ画像のセンサ画像座標に従って、およびMSPのそれぞれのMPS座標系のMPSセンサの非リアルタイムMPS座標に従って決定する。医療装置の先端の2次元光学座標は、物理的ズーム設定に従って、内在および外在パラメータのセットに従って、選択された画像検出器対象領域設定に従って、および医療装置の先端に配置されるMPSセンサのリアルタイムMPS座標に従って決定する。医療装置の先端の表示は、2次元光学座標に従って身体対象領域の画像に重ねられる。
【0019】
開示の技術の別の態様によって、以下のように、移動撮像装置の画像検出器が取得する身体対象領域の画像上に、患者の身体対象領域内に配置される医療装置の先端の画像を表示するシステムを提供する。システムは、磁場生成器と、医療装置医療用置決めシステム(MPS)センサと、MPSと、処理装置とを含む。磁場生成器は、移動撮像装置の移動部分にしっかりと結合される。医療装置MPSセンサは、医療装置の先端に結合される。MPSは、磁場生成器および医療装置MPSセンサに結合される。処理装置はMPSに結合される。
【0020】
磁場生成器は、身体対象領域に磁場を生成する。医療装置MPSセンサがこの磁場を検出する。磁場生成器は、MPSのそれぞれのMPS座標系に関連付けられる。MPSは、医療装置MPSセンサの出力に従って、医療装置MPSセンサのMPS座標を決定する。処理装置は、画像のそれぞれの画像検出器の物理的ズーム設定に従って、画像検出器のそれぞれの1セットの内在および外在パラメータに従って、身体対象領域内に配置される医療装置の先端の2次元座標を決定する。処理装置はさらに、画像検出器の選択された画像検出器対象領域設定に従って、および医療装置MPSセンサのMPS座標に従って、医療装置の先端の2次元座標を決定する。処理装置は、さらに画像検出器の選択された画像検出器対象領域設定に従って、および医療装置MPSセンサのMPS座標に従って医療装置の先端の座標を決定する。処理装置は、2次元座標に従って医療装置の先端の表示を画像上に重ねる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下の詳細な説明を図面と併せることにより、開示の技術はより完全に理解され評価されるであろう。
【0022】
開示の技術は、画像がリアルタイムに被ることがある歪みに対応する事前の歪み修正モデルを決定すること、および歪み修正モデルによって、歪んだリアルタイム画像上のカテーテルの先端の映像の位置を修正することによって従来技術の欠点を克服する。このように開示の技術によるシステムは、リアルタイムの時間のかかる画像処理を必要とせずに、ルックアップテーブルからデータを回収することによって、患者の身体の歪んだリアルタイム画像上にカテーテルの先端映像のほぼ正確な位置を決定することができる。さらに医療用位置決めシステム(MPS)の磁場生成器を移動撮像装置の画像検出器にしっかりと装着することにより、画像検出器の3D光学座標系の起点を任意でMPSの磁気座標系の起点にセットさせて処理過重をさらに減少させることができる。
【0023】
以下の本明細書中の用語「頭尾」軸は、患者の頭部と患者のつま先の間の縦軸を示す。以下の本明細書中の用語「医療装置」は、バルーンカテーテル、ステント担持カテーテル、医療物質分配カテーテル、縫合カテーテル、ガイドワイヤ、レーザなどの切断ユニット、極低温流体ユニット、電気インパルスユニット、切断バルーン、回転アテローム切除ユニット(すなわちロータブレータ)、指向性アテローム切除ユニット、経管抽出ユニット、薬物送達カテーテル、ブラッキーテラピーユニット、血管内超音波カテーテル、心調律治療(CRT)装置のリード、体内心臓細動除去(ICD)装置のリード、心調律治療装置のリードの誘導装置、体内心臓細動除去装置のリードの誘導装置、弁治療カテーテル、弁植込みカテーテル、体内超音波カテーテル、体内コンピュータ断層撮影カテーテル、治療針、診断針、消化器系装置(例えば、腹腔鏡、内視鏡、大腸内視鏡)、整形外科装置、神経外科装置、血管内流測定装置、血管内圧測定装置、血管内光コヒーレンス断層撮影装置、血管内近赤外線分光法装置、血管内赤外線装置(すなわちサーモセンサ)、耳鼻咽喉科精密外科装置などを示す。
【0024】
以下の本明細書の用語、物体の「位置」は、物体の配置および向きのいずれか、またはその配置および向きの両方を示す。以下の本明細書の用語「磁気対象領域」は、MPSセンサが照射される磁場に反応し、MPSが医療装置の先端の位置を決定することができるように、磁場生成器によって磁気的に照射される患者の身体領域を示す。
【0025】
以下の本明細書の用語「画像検出器」は、可視対象領域の画像を生成する装置を示す。画像検出器は画像増倍管、平面検出器(例えば、相補型金属酸化膜半導体−CMOS)などであり得る。以下の本明細書の用語「磁気座標系」は、MPSに関連する3次元座標系を示す。以下の本明細書の用語「3D光学座標系」は、画像検出器が捕らえる3次元対象物に関連する3次元座標系を示す。以下の本明細書の用語「2D光学座標系」は、3次元対象物を捕らえる画像検出器によって検出される画像に関連する2次元座標系を示す。
【0026】
以下の本明細書の用語「身体対象領域」は、治療措置が施される患者の身体領域を示す。以下の本明細書の用語「可視対象領域」は、移動撮像装置が撮像するべき患者の身体領域を示す。以下の本明細書の用語「画像検出器対象領域(ROI)」は、画像検出器のサイズの異なる検出領域を示す。画像検出器は、画像検出器の全領域、または画像検出器の中央付近のより狭い領域のいずれかを利用して、可視対象領域を検出することができる。用語「画像検出器ROI」は、画像増倍管および平面検出器の両方を示す。
【0027】
以下の本明細書の用語「画像回転」は、画像処理装置による画像検出器が取得する画像の回転を示す。以下の本明細書の用語「画像フリップ」は、取得画像の1面の軸について行われる取得画像のミラー画像を示し、この軸は、参照角度に対する取得画像の面に垂直な別の軸についての取得画像の回転を示す(すなわち画像回転が行われた後)。例えば、取得画像を時計周りに25度回転させ、軸がこの回転量を規定する場合、画像フリップが次いで、この軸について180度取得画像を回転することによって得られる別の画像を形成する。画像回転が行われない場合、画像フリップは所定の軸(例えば、取得画像の面上に位置するほぼ垂直の軸)について実行される。
【0028】
以下の本明細書の用語「内在パラメータ」は、焦点、焦点距離、固有の光学的歪み特性などの画像検出器および移動撮像装置の光学的組立体の光学的特性を示す。磁場生成器が画像検出器の周辺にしっかりと固定される移動撮像装置では、可視対象領域および磁気対象領域の理想条件は同一である。しかしながら種々の制約により、この条件は十分に満たされない場合がある。したがって、可視対象領域と磁気対象領域の間の回転および転換を規定する変換マトリクスを決定する必要がある。この変換マトリクスのパラメータは、以下の本明細書では「外在パラメータ」と称される。以下の本明細書の用語「移動画像検出器」は、画像検出器が、放射源の面に対してほぼ垂直な軸に沿って直線状に移動し、ズームインおよびズームアウトする画像検出器を示す。
【0029】
以下の本明細書の用語「参照画像」は、移動撮像装置が選択参照位置(例えば、移動撮像装置の3D座標系の0、0、0座標)に配置される際、キャリブレーション(すなわちオフライン)で移動撮像装置が取得する画像を示す。以下の本明細書の用語「参照画像歪み」は、参照画像内の歪みを示す。以下の本明細書の用語「視点画像歪み」は、移動撮像装置の選択位置(例えば、選択された位置)で画像検出器が取得する画像中の歪みを示す。視点画像歪みは、一般に画像増倍管のアースの磁場の影響によって生じる。したがって、画像検出器が取得する画像は、移動撮像装置の異なる位置で多様に歪んでいる。
【0030】
一般に画像増倍管は、取得する画像内に有意な視点歪みを生じさせるが、平面検出器は画像内に歪みをほとんど生じない。したがって、開示の技術によって身体対象領域のリアルタイム画像にカテーテルの先端の表示を重ねる方法は、画像増倍管の場合と平面検出器の場合では異なる。
【0031】
以下の本明細書の用語「画像回転歪み」は、画像の回転による画像の歪みを示す。以下の本明細書の用語「画像フリップ歪み」は、画像フリップによる画像歪みを示す。平面検出器が取得した画像内の画像回転歪み、画像フリップ歪みおよび視点画像歪みは、画像増倍管が取得した画像に比べてごくわずかである。画像回転歪みおよび画像フリップ歪みは、視点画像歪みより実質的に大きいことに留意されたい。以下の本明細書の用語「参照歪み修正モデル」は、参照画像に適用され参照画像歪みを修正する変換マトリクスを示す。 以下の本明細書で互換的に使用される用語「オフライン」および「非リアルタイム」は、システムのキャリブレーション、画像検出器による作動前の画像取得、内在および外在パラメータの決定、画像検出器が取得した画像に関連する画像回転および画像フリップ、システムに結合するデータベースにデータを入れるなどの患者に対する医療措置の前のシステムの作動モードを示す。以下の本明細書で互換的に使用される用語「オンライン」および「リアルタイム」は、患者に対する医療措置中のシステムの作動モードを示す。
【0032】
次に図2を参照すると、全体的に100で示され、移動撮像装置が取得した患者の身体のリアルタイム画像上に医療装置の先端の画像を表示し、その位置はリアルタイム画像および移動撮像装置の特性によって決定する開示の技術の一実施形態によって構築され作動可能なシステムの概略図である。システム100は、移動撮像装置102と、医療用位置決めシステム(MPS)104と、データベース106と、処理装置108と、表示装置110と、MPSセンサ112、114および116と、複数の磁場生成器118(すなわちトランスミッタ)とを含む。
【0033】
移動撮像装置102は、手術台124の上に横たわる患者122の身体の身体対象領域120の画像(図示せず)を取得する装置である。移動撮像装置102は、移動組立体126と、移動機構128と、放射源130と、画像検出器132とを含む。
【0034】
移動撮像装置102は、X線、核磁気共鳴、素粒子放射、サーモグラフィーなどによって作動することができる。移動撮像装置102は、少なくとも1自由度を有する。図2に記載の実施例において、移動撮像装置102はC−アーム撮像装置である。放射源130および画像検出器132は移動組立体126に結合され、放射源130は患者122の片側に配置され、画像検出器132は患者122の反対側に配置される。放射源130および画像検出器132は、身体対象領域120を横切る放射軸(図示せず)上に配置される。
【0035】
システムはさらに、移動撮像装置に結合するユーザインターフェース(例えば、プッシュボタン、ジョイスティック、フットパネル)を含むことにより、理学スタッフが画像検出器が取得する画像を順次回転させる、所与の回転角で画像をフリップする、または画像検出器のROIを設定することが可能になる。移動撮像装置は、画像がプッシュボタンの作動ごとに所定量だけ画像を前後に調整することができるように構築される。この調整は、例えば5段階であってよく、移動撮像装置は最大72の画像回転を実行することができる(すなわち360を5で割る)。移動撮像装置はそれぞれの画像回転について1つの画像フリップを生成することができ、画像検出器が取得する単一の画像から最大で144(すなわち72かける2)の画像を得ることができる。
【0036】
磁場生成器118は、画像検出器132にしっかりと結合される。MPSセンサ112は、医療装置134の遠位部分(図示せず)に配置される。MPSセンサ114は、患者122の身体のほぼ静止した位置に装着される。医療装置134は、身体対象領域120に挿入される。MPSセンサ112および114と、磁場生成器118とがMPS104い結合される。各MPSセンサ112および114は、導線またはワイヤレスリンクのいずれかによってMPS104に結合されてよい。処理装置108は、移動撮像装置102、MPS104、データベース106および表示装置110に結合される。
【0037】
移動撮像装置102は、XIMAGNERR、YIMAGER、ZIMAGER座標系(すなわち3D光学座標系)に関連付けられる。MPS104は、XMPS、YMPS、ZMPS座標系(すなわち磁気座標系)に関連付けられる。3D光学座標系のスケーリングは、磁気座標系のものとは異なる。移動機構128が移動組立体126に結合することにより、移動機構126がYIMAGER軸について回転することができる。移動機構128が矢印136および138で示す方向に移動組立体126を回転させることにより、XIMAGNER−ZIMAGER面でのYIMAGER軸についての回転軸の向きを変えることができる。移動機構128により、XIMAGNER軸について移動組立体126を回転させることができる。移動機構128が矢印152および154で示す方向に移動組立体126を回転させることにより、ZIMAGNER−YIMAGER面でのXIMAGER軸についての回転軸の向きを変えることができる。移動撮像装置102は、移動撮像装置102に結合する別の移動機構(図示せず)を含むことができ、これにより矢印144および146で示す方向に(すなわち患者122の頭尾軸に沿って)YIMAGER軸に沿って移動撮像装置102を移動させることができる。移動撮像装置102は、移動撮像装置102に結合するさらに別の移動機構(図示せず)を含むことができ、これにより矢印148および150で示す方向に(すなわち患者122の頭尾軸に垂直)XIMAGER軸に沿って移動撮像装置102を移動させることができる。
【0038】
移動撮像装置128または別の移動機構(図示せず)が手術台124に結合されることで、3D光学座標系の3つの軸に沿う移動撮像装置102と身体対象領域120間の相対移動、さらに136、138、152および154の方向の回転が可能になる。放射源130および画像検出器132それぞれは、従来技術で知られた方法によって構築され作動可能である。
画像検出器132は、画像の焦点距離を変更するために、放射源130へ向かうおよびそこから離れる方向での線形移動が可能である(すなわちズームインおよびズームアウトするため)。このズーム操作は本明細書で以下に「物理的ズーム」と称する。この場合、画像検出器132がこのように線形移動するために、システム100はさらに画像検出器132に結合する検出器移動機構(図示せず)を含む。検出器移動機構は、電動式または手動のいずれであってもよい。以下の本明細書の用語「物理的ズーム」は、画像検出器が取得する画像中に歪みを生じさせる画像検出器(例えば、画像増倍管)、ならびにほぼ歪みを生じさせない画像検出器(例えば、平面検出器)に適用される。磁気座標系の放射源130の表面にほぼ垂直な軸(図示せず)に沿った画像検出器132の位置を検出するために、MPSセンサ116(すなわち画像検出器MPSセンサ)は、画像検出器132にしっかりと結合され、MPS104に結合することができる。
【0039】
あるいは、放射源130に対する移動撮像装置102の現在の位置を処理装置108に知らせるために、画像検出器132は処理装置108に結合する位置検出器(図示せず)を含むことができる。この位置検出器は、光学、音波、電磁、電気、機械などの従来技術で知られたいずれのタイプであってもよい。このような位置検出器を利用する場合、処理装置108は、位置検出器の出力によって移動撮像装置102の現在位置を判定することができるため、MPSセンサ116をシステム100から排除することができる。
【0040】
あるいは、画像検出器132は、システム100のリアルタイム作動中、放射源130に対してほぼ静止状態である。この場合、移動組立体126を身体対象領域120に対して移動させる、または手術台124を移動させることで物理的ズームを実行する。この場合、MPSセンサ116をシステム100から排除することができる。この構成は、従来技術で知られるように可動撮像装置で一般に利用される。あるいは処理装置108はユーザインターフェースを介する理学スタッフの入力によって、理学ズームを決定することができる。この場合も、MPSセンサ116を排除することができる。
【0041】
さらに、移動撮像装置102は、画像検出器ROI設定によってズーム操作を行うことができる。この場合、移動撮像装置102に関連する画像処理装置(図示せず)が、異なる画像検出器ROI設定を利用することで取得画像のズーム画像を生成し、取得画像それぞれの元のピクセル数および元の寸法を保存する。
【0042】
画像検出器132の物理的ズーム設定はほぼ連続的な機能(すなわち、物理的ズームは所与の範囲内の任意の非離散値で設定することができる)であることに留意されたい。画像検出器ROIは、複数の離散(すなわち非連続)値または非離散(すなわち連続的)値のいずれか1つで設定することができる。
【0043】
画像検出器132が生成する放射を磁場生成器118が物理的に妨害しないように、磁場生成器118は画像検出器132にしっかりと結合され、したがって放射源130は、身体対象領域120に向けて視野140に照射を誘導し、画像検出器132がこれを検出することができる。このようにして放射源130は、患者122の身体の可視対象領域(図示せず)を照射する。画像検出器132は、3D光学座標系の身体対象領域120の画像それぞれの画像出力を生成する。画像検出器132は、表示装置110が身体対象領域120を表示するように処理装置108に画像出力を送る。
【0044】
磁場生成器118が身体対象領域120に向けて磁場142を生成することによって、患者122の身体の磁気対象領域(図示せず)を磁気的に照射する。磁場生成器118が画像検出器132にしっかりと結合されるため、画像検出器132がどんな位置であっても、視野140は磁場142内に含まれる。あるいは磁場142は、視野140内に含まれる。いずれの場合でも身体対象領域120は、視野140および磁場142の交点である。MPS104は、MPSセンサ112の出力に従って医療装置134の遠位部分の位置を判定する(すなわち位置測定を行う)。
【0045】
磁場生成器118を画像検出器132に直接しっかりと結合することにより、可視対象領域は磁気対象領域にほぼ一致することになり、ほぼ移動撮像装置102が移動する間中、MPSセンサ112は磁場142に反応する。患者122の身体の任意の部分に医療装置134を挿入し、移動撮像装置102が患者122のその同一部分を撮影する際、医療装置134の遠位部分の位置を判定することが望ましい。磁場生成器118が移動撮像装置102にしっかりと結合され、常に移動撮像装置と共に移動するため、システム100により、このような能力が実現する。これは、その画像を検出する目的で、移動撮像装置102がその方向に移動することができる患者122の身体のいずれの部分にも当てはまる。
【0046】
磁場生成器118が移動撮像装置102にしっかりと結合されるため、3D光学座標系および磁気座標系はそれらと強固に関連付けられ、共に整列する。したがって移動撮像装置102が身体対象領域120に対して移動する際、磁場生成器118は移動撮像装置102と共に移動する。3D光学座標系および磁気座標系は厳密に結合される。したがって、磁気座標系でMPS104が取得した位置測定を3D光学座標系と相関させるために、処理装置108がオンライン演算を行う必要がなくなる。
【0047】
したがって、変換モデル(すなわち変換マトリクス)に従って座標を変換するなどいかなるリアルタイム演算も行うことなく、移動撮像装置102が検出する身体対象領域120の画像に対するMPSセンサ112の位置を決定することができる。この場合、磁気座標系の特定の点を3D光学座標系の対応する点に変換する変換マトリクスは、単一のマトリクスである。
【0048】
磁場生成器118は、現在治療中で移動撮像装置102によって撮影される患者122の身体のその部分にほぼ近接して配置される。したがって、実質的にサイズが小さく、実質的に低電力消費型である磁場生成器を使用することが可能である。これは、その画像を検出する目的で移動撮像装置102がその方向に移動することができる患者122の身体のいずれの部分にも当てはまる。このような構成により、患者122の体内でMPSセンサ112の移動に対するMPS104の感度が向上し、コストが下がり、磁場生成器118の容積および重量が減少する。
【0049】
さらに、磁場生成器118の上記の構成により、理学スタッフ(図示せず)が身体対象領域120をほぼ明確に見ることができ、理学スタッフがほぼ容易に身体対象領域120に到達することができる。磁場生成器118は移動撮像装置102にしっかりと結合されるため、MPS104と移動撮像装置102の間のいかなる障害(例えば、磁気、電気、電磁気)も事前に確認することができ、システム100の作動中に補償することができる。
【0050】
さらにシステムは、MPSセンサ112の他にMPSセンサを含むことができることに留意されたい。磁場生成器は、磁場生成器と、それぞれの磁場生成器についての複数の搭載物と、トランスミッタ組立体構成要素を囲む筐体とを含むトランスミッタ組立体の一部であってよいことに留意されたい。トランスミッタ組立体は例えば、画像検出器132を包含する環状形状であってよい。
【0051】
MPS104は、MPSセンサ114(すなわち患者の身体MPSセンサ)の出力に従って、患者122の身体の位置に対する磁気座標系の画像検出器132の視点値を決定する。このようにして処理装置108は、MPS104の出力に従って、患者122および患者122に対する医療措置中の移動撮像装置102の移動を補償することができ、処理装置108は、画像検出器132が身体対象領域120から取得する画像を処理する。 移動撮像装置102が電動式であり、処理装置108にその位置を直接提供することができる場合、画像検出器132の位置を決定するために、処理装置108が、MPSセンサ114のそれぞれの位置のデータをMPS104から受信する必要はない。しかしながら、MPS104が患者122の身体位置を判定できるように、依然としてMPSセンサ114は必要である。
【0052】
次に図3を参照すると、図2のシステムの画像検出器が取得する身体対象領域の画像上に、図2の患者の身体対象領域内に配置される医療装置の先端の表示を重ねる、開示の技術の別の実施形態により作動可能な方法を概略的に示している。手順160において、患者の身体の身体対象領域の画像それぞれの画像検出器の物理的ズーム設定で、および画像検出器の選択された画像検出器対象領域設定で、移動撮像装置の画像検出器によって、少なくとも1つのMPSセンサの少なくとも1つのMPSセンサ画像を取得し、MPSセンサをMPSに結合し、MPSセンサは、移動撮像装置の移動部分にしっかりと結合される複数の電磁場生成器によって生成される電磁場に応答する。
【0053】
図2を参照すると、MPSセンサ(図示せず)は画像検出器132の視野内に配置され、MPSセンサは空間内を異なる位置へ移動し、画像検出器132はMPSセンサの1セットの画像を取得する。空間内をMPSセンサが移動するように、MPSセンサを2軸装置(図示せず)上に搭載することができる。あるいは画像検出器132は、複数のMPSセンサの単一の画像を取得することができる。
【0054】
このMPSセンサは、MPSセンサ112と同一であってよい。あるいはこのMPSセンサはMPSセンサ114と同一であってよい。さらに代替として、このMPSセンサはMPSセンサ112および114のいずれとも異なってよい。
【0055】
画像検出器132は、画像検出器132の1つまたは複数の物理的ズーム設定で、または画像検出器132の選択された画像検出器ROI設定でMPSセンサ画像を取得する。複数の異なる画像検出器ROIが画像検出器132に属する場合、画像検出器132は、最大値を有する画像検出器ROI設定でMPSセンサ画像を取得する。単一の画像検出器ROIが画像検出器132に属する場合、画像検出器がMPSセンサから取得するMPSセンサ画像は、この単一の画像検出器ROIに属する。
【0056】
磁場生成器118(すなわちMPSトランスミッタ)は、画像検出器132の周辺部でしっかりとこれに結合する。画像検出器132は3D光学座標系に関連付けられ、磁場生成器118はMPS104の磁気座標系に関連付けられる。磁気座標系および3D光学座標系を任意でほぼ同一に設定することにより、これらは空間内で同一の起点および同一の軸を共有することになる。磁気座標系は、MPSセンサ112、114および116のいずれかの参照フレームとして利用され、3D光学座標系は、この磁気座標系を称する場合がある。磁気座標系の電磁場生成器118に対するMPSセンサの位置に従って、MPSセンサが出力を生成することによって、MPSは、電磁場生成器118が生成する電磁場に応答する。
【0057】
手順162において、画像検出器のそれぞれの2D光学座標系のMPSセンサ画像のそれぞれのセンサ画像座標に従って、およびMPSのそれぞれのMPS座標系のMPSセンサのそれぞれのMPS座標に従って、1セットの内在および外在パラメータが決定する。画像検出器132が取得する画像中に歪みを生じさせるかどうかに関わらず(例えば、画像増倍管および平面検出器それぞれの両方の場合)画像検出器132の内在パラメータは、画像検出器132の物理的ズーム設定に左右される。内在パラメータはマトリクスMで示される。
【0058】
処理装置108は、画像検出器132の各物理的ズーム設定で内在パラメータを決定する。2つの隣接する物理的ズーム設定の間を内挿する、またはそれらの間を外挿する、このいずれかによって、処理装置108は、選択された物理的ズーム設定で内在および外在パラメータを決定する。例えば、15.1、15.3、および15.7の物理的ズーム設定で画像検出器132に関する内在および外在パラメータが処理装置108内に記憶され、内在および外在パラメータが15.2の物理的ズーム設定で決定される場合、次いで処理装置108は15.1から15.3の物理的ズーム設定間を内挿することによってこれらの内在および外在パラメータを決定する。一方、15.9の物理的ズーム設定で内在および外在パラメータを決定する場合、処理装置108は次いで、15.3から15.7の物理的ズーム設定間を外挿することによってこれらの内在および外在パラメータを決定する。内在および外在パラメータが2つの物理的ズーム設定(例えば、画像検出器132の2つの極限位置)のみで取得可能な場合、処理装置108は次いで、これら2つの物理的ズーム設定間に内挿または外挿のいずれかを行うことができる。
【0059】
処理装置108は、より精密に内在パラメータを決定することができ、画像検出器132は、画像検出器132の異なる物理的ズーム設定でMPSセンサからより多くの画像を取得する。あるいは処理装置108は、画像検出器132が取得する2つの画像のみに従って、画像検出器132の2つの極限の物理的ズーム設定で内在パラメータを決定することができる。
【0060】
画像検出器132が、画像検出器132が取得する画像中にほとんど歪みを生じない場合(例えば、平面検出器の場合)、内在パラメータは画像検出器132の物理的ズーム設定によってほぼ直線状に影響を受ける。しかしながら、画像検出器132が視点歪みによって画像中に歪みを生じさせる場合(例えば、画像増倍管の場合)、内在パラメータは不規則に物理的ズーム設定の影響を受ける。したがって画像増倍管の場合、処理装置108は、画像検出器132の物理的ズーム設定およびの視点に従って内在パラメータを決定する。
【0061】
外在パラメータは、磁気座標系に対する画像検出器132の回転および転換を規定する(すなわち、外在パラメータは、電磁場生成器118と移動撮像装置102の間の機械接続を示す)。電磁場生成器118と画像検出器132の間の機械結合が修正されなければ、画像検出器132の物理的ズーム設定、または画像検出器132の画像検出器対象領域設定のいかなる変更にも関わらず、外在パラメータは同一のままである。外在パラメータは定数マトリクスN、または内在パラメータに組み込まれる一定の乗数のいずれかとして表示することができる。
【0062】
画像検出器132の2D光学座標系で画像検出器132が手順160で取得する各MPSセンサ画像の座標に従って、およびMPS104の磁気座標系の同一のMPSセンサのそれぞれの座標に従って、処理装置108が内在および外在パラメータを決定する。画像検出器132が複数のMPSセンサの単一のMPSセンサ画像を取得する場合、画像検出器132の2D光学座標系の各MPSセンサの座標に従って、およびMPS104の磁気座標系のそれぞれのMPSセンサの座標に従って、処理装置108が内在および外在パラメータを決定する。
【0063】
手順164において、物理的ズーム設定に従って、内在および外在パラメータのセットに従って、画像検出器対象領域設定に従って、およびカテーテルの先端に装着されるMPSセンサのMPS座標に従って、身体対象領域内に配置されるカテーテルの先端の2D光学座標が決定する。図2を参照すると、カテーテル134の先端の2D光学座標は、ベクトルLで示される。MPSセンサ112のリアルタイム磁気座標は、ベクトルQで示される。MPS104の磁気座標系と、画像検出器132の3D光学座標系の間の接続はマトリクスRで示される。
【0064】
システム100の場合、磁場生成器118は画像検出器132に結合し、磁気座標系および3D光学座標系は共通の起点および向き(一般原則を失うことなく)と関連付けられるため、それらの間の接続を判定する必要はない。したがってR=1である。内在パラメータはマトリクスMで示され、外在パラメータはマトリクスNで示される。カテーテル134の先端の2D光学座標は、R≠1の場合、L=MNRQ(1)によって決定する。図2の場合、R=1の場合、カテーテル134の先端の2D光学座標はL=MNQ(2)により決定し、外在パラメータが内在パラメータに含まれる場合、カテーテル134の先端の2D光学座標はL=MQ(3)により決定する。
【0065】
画像検出器132の物理的ズーム設定に従って、手順162で決定する画像検出器132の内在および外在パラメータのセットに従って、画像検出器対象領域設定に従って、およびMPS104のMPS座標系のMPSセンサ112の座標に従って、処理装置108がカテーテル134の先端の2D光学座標を決定する。
【0066】
手順166において、カテーテルの先端の表示は、決定した2D光学座標に従って、身体対象領域の画像上に重ねられる。図2を参照すると、処理装置108は、手順164で決定した2D光学座標の表示を身体対象領域120の表示の上に重ねる。システム100で利用する画像検出器のタイプに応じて(すなわち画像検出器132が画像に歪みを生じさせるか否か)、画像検出器132の内在および外在パラメータによって、および場合により画像回転、画像フリップ、画像検出器132の視点、および画像のスケーリングによって身体対象領域120の画像が歪むことに留意されたい。表示装置110が、身体対象領域120の画像上のこの重ねられた画像を表示することで、理学スタッフは、身体対象領域120内のカテーテル134の先端のそれぞれの位置のほぼ正確な情報を得ることができる。
【0067】
図3による方法は、単一の画像検出器ROIを含む画像検出器に関することに留意されたい。画像検出器132は、複数の画像検出器対象領域を備え、フルスパン基準スクリーンを利用することにより、および手順160を実行する前に以下の手順を行うことにより、異なる画像検出器対象領域間のスケール関数を決定する。
【0068】
最初に、画像検出器132の視野内にフルスパン基準スクリーンを配置することで、画像検出器132が取得する画像が、フルスパン基準スクリーンの基準の画像を含むことになる。このフルスパン基準スクリーンは例えば、半透明のマーカー(例えば、スチールボール)を中に組み込む透過材料(例えば、プラスチックシート)から構築することができる。このようなフルスパン基準スクリーンは、フルスパンスクリーンの全表面上の直線格子上に分散される10個のマーカーを含んでよい。
【0069】
次に、異なる画像検出器対象領域で、画像検出器132が、選択された物理的ズーム設定(すなわち一定の物理的ズーム設定)で複数のマーカー画像を取得し、各マーカー画像は、基準の画像を含む。次に処理装置108が、各マーカー画像の基準の座標(すなわちマーカー画像座標)に従って、およびそれぞれの基準の実際の座標に従って、異なる画像検出器対象領域間にスケール関数sを決定する。この場合、処理装置108は、L=sMNRQ(4)に従って、カテーテル134の先端の2D光学座標を決定する。
【0070】
画像検出器132が、ほぼ歪みを形成せずに画像の中心について均一な方法で画像を上下にスケール変更する場合(例えば、平面検出器の場合)、次いでスケール関数sは、スケール因子(すなわち回転数)として処理される。しかしながら、画像検出器132が非均一な方法で画像を上下にスケール変更する場合(例えば、画像増倍管の場合)、各スケール変更された画像はさらに異なる様式で歪み、次いでスケール関数が利用される。この場合スケール関数はまた、以下に記載するように画像検出器132の物理的ズーム設定および視点の影響を受ける。
【0071】
処理装置108がスケール関数を決定すると、フルスパン標準スクリーンを画像検出器132の視野から外すことができ、手順160で方法を再び開始することができる。
【0072】
手順162は、画像検出器132が取得する画像中にほとんど視点の歪みを生じない画像検出器(例えば、平面検出器の場合)に適用されることに留意されたい。画像検出器132が視点歪みを生じる場合(例えば、画像増倍管の場合)、方法はさらに手順162を実行する際、視点歪みを考慮するために視点変換モデルを決定する手順を含む。
【0073】
この目的のために、システム100のオフラインモード作動で(すなわち患者122の医療措置を行う前)、画像検出器132の前方で周辺基準スクリーンが画像検出器132にしっかりと結合される。この周辺基準スクリーンは、基準(すなわち周辺基準)の画像(すなわち周辺マーカー画像)が、身体対象領域120の画像の周辺にかかるような形態である。1つの基準グループ内の各基準はそのグループの残りの基準に対して相補的であるため、処理装置108が、画像検出器132が取得した画像内の1つまたは複数の基準を識別することができない場合、(例えば、基準が画像の暗い部分に配置される)、次いで処理装置108は、明確に認識可能な少なくとも1つの基準の座標に従って、さらに残りの基準の座標を決定することができる。これは、例えば、所定の独自の形状およびサイズの基準、所定のパターンの基準などを利用することによって、所定の形状に基準を配置することによって実現する。周辺基準スクリーンの形状は、円形、面取りコーナー、円形コーナーなどの画像検出器132が検出する画像の形状と一致する。
【0074】
画像検出器132の前方に周辺基準スクリーンを搭載した後、画像検出器132は、画像検出器132の各画像検出器ROI設定および各物理的ズーム設定で、非リアルタイムモード作動の参照位置(例えば、3D光学座標系の0、0、0)での参照画像を取得する。例えば画像検出器132が、3つの画像検出器ROI設定および3つの物理的ズーム設定を含む場合、画像検出器132は次いで全部で9つの参照画像を取得する。参照画像は、周辺マーカー画像を含む。処理装置108は、非リアルタイムモード作動で異なる画像検出器ROI設定および異なる物理的ズーム設定の各組み合わせについてのスケール関数sを決定する。処理装置108は、画像検出器132がオフラインで取得する参照画像内の周辺基準の座標に従って、および画像検出器132がリアルタイムで取得する画像内の周辺基準の座標に従って、物理的ズーム設定およびその画像検出器ROI設定に対してリアルタイムの視点変換モデルを決定する。処理装置108はさらに、この視点変換モデルに従って手順164を実行する。
【0075】
あるいは処理装置108は、周辺マーカー画像内の周辺基準の基準画像座標に従って、および周辺基準スクリーンの周辺基準の実際の座標に従って、システム100の非リアルタイムモード作動における画像検出器132のそれぞれの視点値に対応する複数の視点変換モデルを決定する。処理装置108は、システム100の非リアルタイムモード作動において、各視点変換モードとそれぞれの視点値の間に論理関係を構築する。システム100の非リアルタイムモード作動において、処理装置108は、画像検出器132のそれぞれの視点値の情報を受信する。
【0076】
処理装置108はこの情報を画像検出器132自体、または画像検出器132に結合されるユーザインターフェース(図示せず)のいずれかから受信することができる。処理装置108はリアルタイムの論理関係に従って、受信情報に含まれるそれぞれの視点値に対応する視点変換モデルを決定する。処理装置108はさらに、この視点変換モデルに従って手順164を実行する。
【0077】
手順162は、画像を回転またはフリップする際、取得する画像に画像フリップ歪みまたは画像回転歪みをほとんど生じさせない画像検出器(すなわち平面検出器の場合)に適用する。画像検出器132が画像フリップ歪みまたは画像回転歪みを生じる場合(すなわち画像増倍管の場合)、方法はさらに、画像回転修正モデルおよび画像フリップ修正モデルを決定する手順を含む。処理装置108は次いで画像回転修正モデルおよび画像フリップ修正モデル、ならびに内在パラメータ、外在パラメータ、物理的ズーム設定、画像検出器ROI設定およびMPSセンサ112のリアルタイム座標に従って、カテーテル134の先端の2D光学座標を決定する。
【0078】
画像回転修正モデルは、処理装置108が手順164で、カテーテル134の先端の2D光学座標を決定するのに使用するモデル(例えば、変換マトリクス)である。画像回転修正モデルは、取得する画像内に画像検出器132が生じさせる回転歪みを包含することができる(例えば、画像検出器132が画像増倍管であり、画像検出器132が取得するアナログ画像上で回転が行われる場合)。処理装置108が手順164を実行するのに画像回転修正モデルを利用する際、処理装置108は、画像検出器132が取得する画像内での画像の回転による歪み、ならびに2D光学座標系における画像の座標の回転の向きを変える作用による変化を考慮する。同様の論拠が画像フリッププロセスにも適用される。
【0079】
画像回転がデジタル画像上で行われる場合(すなわち画像検出器132が取得するアナログ画像をデジタル化することによって)、画像回転修正モデルは、いずれの画像回転歪みも除外し、手順164は回転手順自体による変換のみを包含し、画像回転歪みによるいかなる修正も除外することに留意されたい。同様の論拠が画像フリッププロセスにも適用される。
【0080】
処理装置108は、論理関係(例えば、ルックアップテーブル、数学的関数)に従って、リアルタイム画像回転歪みおよびリアルタイム画像フリップ歪みを判定し、処理装置108はオフラインを構築し、この論理関係をデータベース106に記憶する。この目的のために、上記の本明細書に記載の周辺基準スクリーンは、画像検出器132の前方で画像検出器132にしっかりと結合される。
【0081】
処理装置108は、異なる物理的ズーム設定および異なる画像検出器ROI設定の参照位置で、画像検出器132が取得する参照画像のそれぞれの画像回転および画像フリップの量を参照像内の周辺基準それぞれのパターンに関連付け、この関連付けをルックアップテーブルに入力する。処理装置108は、参照画像内の周辺基準のパターン、および周辺基準スクリーン内の周辺基準の実際のパターンに従って、画像回転および画像フリップのそれぞれの各画像回転修正モデルおよび各画像フリップ修正モデルを決定し、これらの歪みそれぞれのデータをルックテーブルに入力する。処理装置108はさらに、ルックアップテーブルを参照することにより、および画像検出器132が取得するリアルタイム画像内の周辺基準スクリーンの周辺基準の独自のパターンを決定することによって、身体対象領域120のリアルタイム画像と関連付けられたリアルタイム画像回転歪みおよびリアルタイム画像フリップ歪みを判定する。
【0082】
処理装置108は、周辺基準の座標に従って、カテーテル134の先端の2D光学座標を決定するためにルックアップテーブルを利用し、歪められたリアルタイム画像はそのままに残すことによって、貴重な処理時間および中央演算処理装置(CPU)リソースを節約することに留意されたい。
【0083】
さらに移動撮像装置102が現在の画像回転値および画像フリップ値を処理装置108に知らせることができる場合、処理装置108はこの情報に従って、画像回転修正モデルおよび画像フリップ修正モデルを決定することができ、リアルタイムのルックアップテーブルに従ってこの情報を利用できることに留意されたい。これは、画像検出器132が取得する画像内に歪みを生じさせる場合(例えば、画像増倍管の場合)、および画像検出器132がほぼ歪みを生じさせない場合(例えば、平面検出器の場合)の両方に当てはまる。あるいは処理装置108は、理学スタッフがユーザインターフェースを介して入力する関連データに従って、現在の画像回転値および現在の画像フリップ値を決定することができる。
【0084】
画像検出器132が、画像検出器が取得する画像中に画像回転作動による歪みをほとんど生じさせない場合(例えば、画像増倍管の場合)、処理装置108は画像回転の値に従って、およびルックアップテーブルに従って画像回転修正モデルを決定することができる。処理装置108は、画像検出器132がオフラインで取得する参照画像内の周辺基準の座標に従って、および画像検出器132がリアルタイムで取得する画像内の周辺基準の座標に従って、その物理的ズーム設定および画像検出器ROI設定に対するリアルタイムの画像回転修正モデルを決定する。処理装置108は、上記に記載のように、手順164を実行する際この画像回転修正モデルを考慮する。この場合画像回転修正モデルは、画像の2D光学座標系における単独の回転作動による変化に関連し、画像回転作動によるいかなる画像回転歪みも不可能にする。同様の論拠が画像フリッププロセスにも適用される。
【0085】
画像検出器132が、取得した画像内に歪みを生じさせる場合(例えば、画像増倍管の場合)、スケールが変化することによって、手順164に関連して上記の本明細書に記載されるように、カテーテル134の先端の2D光学座標を決定するために、処理装置108はこのスケール関数を考慮する。理学スタッフがシステム100を作動する際、以下のシナリオが広く普及している。
【0086】
身体対象領域120のリアルタイム画像上に、カテーテル134の先端のリアルタイム表示を重ねる。この場合、MPSセンサ112が時間tPNOで出力を生成すると、身体対象領域120の画像は時間tIMAGEに関連付けられ、次いでtPNO=tIMAGEとなる。磁気座標系および3D光学座標系は自明によりほぼ同一であり、処理装置108は、式(1)によってMPSセンサ112の座標と、画像検出器132が取得した画像内の全ピクセルの座標との関係を決定することができる。MPSセンサ112は患者122の身体と共に移動し、MPSセンサ112は、患者122の身体の移動を検出するため、MPSセンサ114をシステム100から取り外すことができる。
【0087】
身体対象領域120の非リアルタイム画像(すなわち、患者122に対する医療措置中、および例えば、処理装置108がカテーテル134の先端の位置を決定する数分前など実質的に短時間が経過した後に、画像検出器132が身体対象領域120から取得した画像)上に、カテーテル134の先端のリアルタイム表示を重ねる。この身体対象領域120の非リアルタイム画像は、静止画像またはシネループ(すなわちビデオクリップ)のいずれであってもよい。このtPNO>tIMAGEの場合、システム100を作動するのにMPSセンサ114は必要である。時間tPNO(すなわちリアルタイム)でのMPSセンサ112の座標に従って、および画像検出器132がtIMAGE取得した非リアルタイム画像(すなわち患者122の医療措置中、および短時間経過後に取得した画像)に関連する時間tIMAGEでのMPSセンサ114の座標に従って、処理装置108は、カテーテル134の先端の2D光学座標を決定する。
【0088】
画像検出器132が取得した身体対象領域120のリアルタイム画像上に、カテーテル134の先端の非リアルタイム表示を重ねる(すなわち、tPNO<tIMAGE)。この場合、時間tPNOでのMPSセンサ112の座標に従って(すなわち患者122の医療措置中、および例えば、画像検出器132が身体対象領域120の画像を取得する数分前など短時間が経過した後に、処理装置108はカテーテル134の先端の2D光学座標を決定してきた)、および時間tIMAGEでのMPSセンサ114の座標に従って、処理装置108はカテーテル134の先端の2D光学座標系を決定する。この場合も、システム100が作動するのにMPSセンサ114が必要である。
【0089】
画像検出器132が取得した身体対象領域120の非リアルタイム画像上に、カテーテル134の先端の非リアルタイム表示を重ねる(すなわち、tPNO≠tIMAGE)。この場合、時間tPNOでのMPSセンサ112の座標に従って、(すなわち、引き続き患者122に対して同一の医療措置中に)、および時間tIMAGE(すなわち、引き続き患者122に対して同一の医療措置中に)でのMPSセンサ114の座標に従って、処理装置108はカテーテル134の先端の2D光学座標を決定する。この場合も、システム100の作動にMPSセンサ114は必要である。
【0090】
カテーテル134の先端のリアルタイムおよび非リアルタイムの表示と、身体対象領域120のリアルタイムおよび非リアルタイムの表示とを組み合わせることにより、患者122の同一の措置中に、理学スタッフはカテーテル134の先端の事前段階を探査することができる。例えば、身体対象領域120の非リアルタイム画像上に、カテーテル134の先端のリアルタイム表示を提供することによって、患者122、理学スタッフまたはその両方を有害な放射線波に曝すことなく、理学スタッフは、身体対象領域120上にカテーテル134の先端の現在の位置の重なりを観察することができる。
【0091】
次に図4を参照すると、全体的に200で示され、移動撮像装置が検出した患者の身体の画像に対して医療装置の先端の位置を決定する開示の技術の別の実施形態によって構築され作動可能なシステムの概略図である。システム200は、移動撮像装置202と、MPSセンサ204と、MPS206と、複数の磁場生成器208とを含む。
【0092】
移動撮像装置202は、移動組立体210と、移動機構212と、画像検出器214と、放射源216とを含む。移動撮像装置202の移動は、上記の本明細書で記載したように移動撮像装置102(図2)の移動と同様である。
【0093】
画像検出器214および放射源216は移動組立体210に結合され、画像検出器214が患者218の片側に配置され、放射源216が患者218の反対側に配置される。画像検出器214および放射源216は、患者218の身体対象領域220を横切る放射軸(図示せず)上に配置される。患者218は、手術台222の上に横たわっている。
【0094】
医療装置224が身体対象領域220内に挿入される。MPSセンサ204および磁場生成器208は、MPS206に結合される。MPSセンサ204は、医療装置224の遠位部分に配置される。
【0095】
画像検出器214は、放射源216が検出するべき身体対象領域220に向けて視野226に放射を誘導し、これにより患者218の身体の可視対象領域(図示せず)を放射する。磁場生成器208は、患者218の身体の磁気対象領域(図示せず)に磁場228を生成する。磁場生成器208は移動撮像装置202にしっかりと結合するため、患者218の身体に対する移動撮像装置202のほぼすべての位置および向きで、磁気対象領域は対象視野にほぼ一致する。したがってMPS206は、移動撮像装置202が撮影する患者218の身体の画像に対して、MPSセンサ204の位置を判定することができる。これは移動撮像装置202が撮影することができる患者218の身体のほぼすべての部分に当てはまる。磁場生成器208は、放射源216にしっかりと結合されるトランスミッタ組立体(図示せず)(例えば、放射源の下に配置される)の中に囲繞されてよい。
【0096】
磁場生成器は、画像検出器と放射源との間で移動組立体の一部にしっかりと結合することができることに留意されたい。この場合も、磁気対象領域は可視対象領域にほぼ一致し、MPSは移動撮像装置のほぼすべての位置および向きでMPSセンサの位置を判定することができる。いずれの場合でも、磁場生成器は、移動撮像装置の要素と共に移動する移動撮像装置の移動部分にしっかりと結合され、これは身体対象領域の撮影に包含される(例えば、画像検出器および放射源)。
【0097】
次に図5を参照すると、全体的に250で示され、コンピュータ断層撮影(CAT)装置が検出した患者の身体の画像に対して医療装置の先端の位置を決定する、開示の技術の別の実施形態によって構築され作動可能なシステムの概略図である。システム250は、CAT装置(図示せず)と、MPSセンサ252と、MPS254と、複数の磁場生成器256とを含む。CAT装置は、回転部258と、摺動可能ベッド260とを含む。回転部258は、長手軸262に沿って確認されるように、それぞれ時計回り264および反時計周り方向266でCAT装置および摺動可能ベッド260の長手軸262について回転することができる。回転部258は、長手軸262にほぼ垂直であり、回転部258の1面(図示せず)に沿って互いに反対側に配置される放射源262および画像検出器264を含む。
【0098】
磁場生成器256は、放射源262にしっかりと結合するトランスミッタ組立体(図示せず)(例えば、放射源の下またはその周辺に配置される)の中に囲繞されてよい。医療装置268が、摺動可能ベッド260の上に横たわる患者272の身体対象領域270内に挿入される。MPSセンサ252および磁場生成器256は、MPS254に結合される。MPSセンサ252は、医療装置268の遠位部分に配置される。放射源262は、身体対象領域270を貫通して画像検出器264に向けてX線を放射し、画像検出器264が、身体対象領域270の画像(図示せず)を検出する。
【0099】
磁場生成器256が身体対象領域270に向けて磁場を放出すると、MPSセンサ252が出力を生成し、MPSセンサ252の出力に従って、MPS254が医療装置268の先端の位置を判定する。あるいは、磁場生成器は画像検出器に結合されてよい。
【0100】
当業者は、開示の技術が、上記に示し記載してきた特定のものに限定されないことを理解するであろう。開示の技術の範囲はむしろ、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】従来技術で知られた、移動撮像装置が検出する患者の身体の画像に対して、カテーテルの先端の位置を判定するシステムの概略図である。
【図2】リアルタイム画像の特性および移動撮像装置の特性によって位置を判定し、移動撮像装置が取得する患者の身体のリアルタイム画像上に医療装置の先端を表示する、開示の技術の一実施形態によって構築され作動可能なシステムの概略図である。
【図3】図2のシステムの画像検出器が取得する身体対象領域の画像上に、図2の患者の身体対象領域内に配置される医療装置の先端の表示を重ねる、開示の技術の別の実施形態によって作動可能な方法の概略図である。
【図4】移動撮像装置が検出する患者の身体の画像に対して、医療装置の先端の位置を判定する、開示の技術の別の実施形態によって構築され作動可能なシステムの概略図である。
【図5】コンピュータ断層撮影(CAT)装置が検出する患者の身体の画像に対して、医療装置の先端の位置を判定する、開示の技術の別の実施形態によって構築され作動可能なシステムの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の身体の身体対象領域内に配置される医療装置の先端の画像を移動撮像装置の画像検出器が取得する身体対象領域の画像上に表示する方法であって、
前記画像のそれぞれの前記画像検出器の物理的ズーム設定で、および前記画像検出器の選択された画像検出器対象領域設定で、前記画像検出器によって少なくとも1つのMPSセンサの少なくとも1つの医療用位置決めシステム(MPS)センサ画像を取得し、前記少なくとも1つのMPSセンサがMPSに結合され、前記少なくとも1つのMPSセンサが、前記移動撮像装置の移動部分にしっかりと結合される複数の電磁場生成器が生成する電磁場に応答する手順と、
前記画像検出器のそれぞれの2D光学座標系における前記少なくとも1つのMPSセンサ画像のセンサ画像座標に従って、および前記MPSのそれぞれのMPS座標系における前記少なくとも1つのMPSセンサそれぞれの非リアルタイムMPS座標に従って、1セットの内在および外在パラメータを決定する手順と、
前記物理的ズーム設定に従って、前記内在および外在パラメータのセットに従って、前記選択された画像検出器対象領域設定に従って、および前記医療装置の前記先端に配置されるMPSセンサのリアルタイムMPS座標に従って、前記医療装置の前記先端の2D光学座標を決定する手順と、
前記2D光学座標に従って、前記医療装置の前記先端の前記表示を前記身体対象領域の前記画像上に重ねる手順と、
前記対象領域の前記画像上に重ねられた前記医療装置の前記先端の前記画像を表示する手順と
を有する方法。
【請求項2】
前記方法によって作動するシステムのオフラインモード作動において、前記視野内に配置されるフルスパン基準スクリーンを前記画像検出器の視野から除去する予備手順をさらに有し、前記フルスパン基準スクリーンが複数の基準を含み、前記基準の全てのグループが前記グループ内の前記基準の残りに対して予備手順を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記異なる画像検出器対象領域で、前記それぞれの物理的ズーム設定で、前記フルスパン基準スクリーンから前記画像検出器が取得する複数の基準画像内の前記フルスパン基準スクリーンの複数の基準の基準画像座標に従って、および前記基準の実際の座標に従って、異なる画像検出器対象領域間のスケール関数を決定する予備手順をさらに有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記2D光学座標を決定する前記手順が、前記スケール関数に従って実行される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記画像検出器によって前記基準画像を取得する予備手順をさらに有する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記視野内に前記フルスパン基準スクリーンを配置する予備手順をさらに有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのMPSセンサ画像が単一のMPSセンサ画像を含み、前記少なくとも1つのMPSセンサが複数のMPSセンサを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記選択された画像検出器対象領域が、複数の画像検出器対象領域の中で最も大きな画像検出器対象領域である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
2つの隣接する前記物理的ズーム設定間に内挿することによって、前記内在および外在パラメータのセットを決定する前記手順が、前記画像検出器の複数の物理的ズーム設定に対して実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
2つの隣接する前記物理的ズーム設定間に外挿することによって、前記画像検出器の複数の前記物理的ズーム設定に対して、前記内在および外在パラメータのセットを決定する前記手順が実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記方法に従って作動するシステムの非リアルタイムモード作動において、前記画像検出器の前方で前記画像検出器に周辺基準スクリーンをしっかりと装着させ、前記周辺基準スクリーンが複数の周辺基準を含み、前記周辺基準の全てのグループが前記グループ内の前記周辺基準の残りに対して相補的である予備手順と、
前記システムの非リアルタイムモード作動において、前記移動撮像装置の参照位置で、前記画像検出器の各物理的ズーム設定で、および前記画像検出器の各画像検出器対象領域設定で、前記画像検出器によって前記身体対象領域の少なくとも1つの参照画像を取得し、前記少なくとも1つの参照画像のそれぞれが、前記少なくとも1つの参照画像の周辺で前記周辺基準の複数の周辺基準画像を含む予備手順と、
前記少なくとも1つの参照画像中の前記周辺基準の第1セット座標に従って、および前記画像検出器が取得する前記身体対象領域のリアルタイム画像中の前記周辺基準の第2セット座標に従って、前記システムのリアルタイムモードの作動における前記画像検出器の視点のそれぞれの視点変換モデルを決定する予備手順と、
をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記医療装置の前記先端の前記光学座標を決定する前記手順がさらに前記視点変換モデルに従って実行される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記システムの非リアルタイムモード作動において、前記少なくとも1つの参照画像のそれぞれに前記第1セット座標のそれぞれの1セットの画像回転修正モデルを決定する手順と、
前記システムの非リアルタイムモード作動において、前記画像回転修正モデルのセットのそれぞれの画像回転修正モデルと、前記それぞれの第1セット座標との間に論理関係を構築する手順と、
前記システムのリアルタイムモード作動において、前記論理関係に従って前記第2セット座標に対応する画像回転修正モデルを決定する手順と、
前記医療装置の前記先端の前記2D光学座標を決定する前記手順をさらに前記画像回転修正モデルに従って実行する手順と
をさらに有する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記システムの非リアルタイムモード作動において、前記少なくとも1つの参照画像のそれぞれに前記第1セット座標のそれぞれの1セットの画像フリップ修正モデルを決定する手順と、
前記システムの非リアルタイムモード作動において前記画像回転修正モデルのセットの各画像フリップ修正モデルと、前記それぞれの第1セット座標との間に論理関係を構築する手順と、
前記システムのリアルタイムモード作動において、前記論理関係に従って前記第2セット座標に対応する画像フリップ修正モデルを決定する手順と、
前記医療装置の前記先端の前記2D光学座標を決定する前記手順をさらに前記画像フリップ修正モデルに従って実行する手順と
をさらに有する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記方法によって作動するシステムの非リアルタイムモード作動において、前記画像検出器の複数の視点値のそれぞれに対応する複数の視点歪みモデルを決定する手順と、
前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記視点歪みモデルと前記それぞれの視点値との間に第1論理関係を構築する手順と、
前記システムのリアルタイムモード作動において、ユーザインターフェースから前記画像検出器の視点値のそれぞれの情報を受信する手順と、
前記システムの前記リアルタイムモード作動において、前記第1論理関係に従って前記視点値に対応する視点歪みモデルを決定する手順と、
をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記医療装置の前記先端の前記2D光学座標を決定する前記手順がさらに前記視点変換モデルに従って実行される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記身体対象領域の別の画像の複数の画像回転値のそれぞれに対応する複数の画像回転修正モデルを決定する手順と、 前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記画像回転修正モデルと前記それぞれの画像回転値との間に第2論理関係を構築する手順と、
前記システムのリアルタイムモード作動において、ユーザインターフェースから前記画像の画像回転値のそれぞれの情報を受信する手順と、
前記システムの前記リアルタイムモード作動において、前記第2論理関係に従って前記画像回転値に対応する画像回転修正モデルを決定する手順と
をさらに有する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記身体対象領域の別の画像の複数の画像フリップ値のそれぞれに対応する複数の画像フリップ修正モデルを決定する手順と、
前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記画像フリップ修正モデルと前記それぞれの画像フリップ値との間に第2論理関係を構築する手順と、
前記システムのリアルタイムモード作動において、ユーザインターフェースから前記画像の画像フリップ値のそれぞれの情報を受信する手順と、
前記システムの前記リアルタイムモード作動において、前記第2論理関係に従って前記画像フリップ値に対応する画像フリップ修正モデルを決定する手順と
をさらに有する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記方法に従って作動するシステムの非リアルタイムモード作動において、前記画像検出器の前方で前記画像検出器に周辺基準スクリーンをしっかりと装着させ、前記周辺基準スクリーンが複数の周辺基準を含み、前記周辺基準の全てグループが前記グループ内の前記周辺基準の残りに対して相補的である手順と、
前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記移動撮像装置の参照位置で、前記画像検出器の各物理的ズーム設定で、および前記画像検出器の各画像検出器対象領域設定で、前記画像検出器によって前記身体対象領域の少なくとも1つの参照画像を取得し、前記少なくとも1つの参照画像のそれぞれが、前記少なくとも1つの参照画像の周辺に前記周辺基準の複数の周辺基準画像を含む手順と、
前記方法に従って作動するシステムの非リアルタイムモード作動において、前記少なくとも1つの参照画像のそれぞれの前記周辺基準の基準画像座標に従って、および前記周辺基準の実際の座標に従って、前記画像検出器の複数の視点値のそれぞれに対応する視点変換モデルを決定する手順と、
前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記視点変換モデルと前記それぞれの視点値との間に第1論理関係を構築する手順と、
前記システムのリアルタイムモード作動において、前記画像検出器から前記画像検出器の視点値のそれぞれの情報を受信する手順と、
前記システムの前記リアルタイムモード作動において、前記第1論理関係に従って前記視点値に対応する視点変換モデルを決定する手順と
をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記医療装置の前記先端の前記2D光学座標を決定する前記手順が、さらに前記視点変換モデルに従って実行される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記身体対象領域の別の画像の複数の画像回転値のそれぞれに対応する複数の画像回転修正モデルを決定する手順と、 前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記画像回転修正モデルと前記それぞれの画像回転値との間に第2論理関係を構築する手順と、
前記システムのリアルタイムモード作動において、前記画像検出器から前記画像の画像回転値のそれぞれの情報を受信する手順と、
前記システムの前記リアルタイムモード作動において、前記第2論理関係に従って前記画像回転値に対応する画像回転修正モデルを決定する手順と
をさらに有する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記身体対象領域の別の画像の複数の画像フリップ値のそれぞれに対応する複数の画像フリップ修正モデルを決定する手順と、
前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記画像フリップ修正モデルと前記それぞれの画像フリップ値との間に第2論理関係を構築する手順と、
前記システムのリアルタイムモード作動において、前記画像検出器から前記画像の画像フリップ値のそれぞれの情報を受信する手順と、
前記システムの前記リアルタイムモード作動において、前記第2論理関係に従って、前記画像フリップ値に対応する画像フリップ修正モデルを決定する手順と
をさらに有する、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記方法に従って作動するシステムの非リアルタイムモード作動において、前記画像検出器の前方で前記画像検出器に周辺基準スクリーンをしっかりと装着させ、前記周辺基準スクリーンが複数の周辺基準を含み、前記周辺基準の全てのグループが、前記グループ内の前記周辺基準の残りに対して相補的である予備手順と、
前記システムの非リアルタイムモード作動において、前記移動撮像装置の参照位置で、前記画像検出器の各物理的ズーム設定で、および前記画像検出器の各画像検出器対象領域で、前記画像検出器によって前記身体対象領域の少なくとも1つの参照画像を取得し、前記少なくとも1つの参照画像のそれぞれが、前記少なくとも1つの参照画像の周辺で前記周辺基準の複数の周辺基準画像を含む予備手順と、
前記システムのリアルタイムモード作動において、前記少なくとも1つの参照画像内の前記周辺基準の第1セット座標に従って、および前記画像内の前記周辺基準の第2セット座標に従って、前記画像の画像回転値のそれぞれの画像回転修正モデルを決定する予備手順とをさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記医療装置の前記先端の前記2D光学座標を決定する前記手段が、さらに前記画像回転修正モデルに従って実行される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記方法に従って作動するシステムの非リアルタイムモード作動において、前記画像検出器の前方で前記画像検出器に周辺基準スクリーンをしっかりと装着させ、前記周辺基準スクリーンが複数の周辺基準を含み、前記周辺基準の全てのグループが、前記グループ内の前記周辺基準の残りに対して相補的である予備手順と、
前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記移動撮像装置の参照位置で、前記画像検出器の各物理的ズーム設定で、および前記画像検出器の各画像検出器対象領域で、前記画像検出器によって前記身体対象領域の少なくとも1つの参照画像を取得し、前記少なくとも1つの参照画像のそれぞれが、前記少なくとも1つの参照画像の周辺で前記周辺基準の複数の周辺基準画像を含む予備手順と、
前記システムのリアルタイムモード作動において、前記少なくとも1つの参照画像内の前記周辺基準の第1セット座標に従って、および前記画像内の前記周辺基準の第2セット座標に従って、前記画像の画像回転値のそれぞれの画像フリップ修正モデルを決定する予備手順とをさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記医療装置の前記先端の前記2D光学座標を決定する前記手段が、さらに前記画像フリップ修正モデルに従って実行される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記身体対象領域の別の画像の複数の画像回転値のそれぞれに対応する複数の画像回転修正モデルを決定する手順と、 前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記画像回転修正モデルと前記それぞれの画像回転値の間に論理関係を構築する手順と、
前記システムのリアルタイムモード作動において、ユーザインターフェースから前記画像の画像回転値のそれぞれの情報を受信する手順と、
前記システムの前記リアルタイムモード作動において、前記論理関係に従って前記画像回転値に対応する画像回転修正モデルを決定する手順と
をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記身体対象領域の別の画像の複数の画像フリップ値のそれぞれに対応する複数の画像フリップ修正モデルを決定する手順と、
前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記画像フリップ修正モデルと前記それぞれの画像フリップ値の間に論理関係を構築する手順と、
前記システムのリアルタイムモード作動において、ユーザインターフェースから前記画像の画像フリップ値のそれぞれの情報を受信する手順と、
前記システムの前記リアルタイムモード作動において、前記論理関係に従って前記画像フリップ値に対応する画像フリップ修正モデルを決定する手順と
ををさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記身体対象領域の別の画像の複数の画像回転値のそれぞれに対応する複数の画像回転修正モデルを決定する手順と、 前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記画像回転修正モデルと前記それぞれの画像回転値の間に論理関係を構築する手順と、
前記システムのリアルタイムモード作動において、前記画像検出器から前記画像の画像回転値のそれぞれの情報を受信する手順と、
前記システムの前記リアルタイムモード作動において、前記論理関係に従って前記画像回転値に対応する画像回転修正モデルを決定する手順と
ををさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記身体対象領域の別の画像の複数の画像フリップ値のそれぞれに対応する複数の画像フリップ修正モデルを決定する手順と、
前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記画像フリップ修正モデルと前記それぞれの画像フリップ値の間に論理関係を構築する手順と、
前記システムのリアルタイムモード作動において、前記画像検出器から前記画像の画像フリップ値のそれぞれの情報を受信する手順と、
前記システムの前記リアルタイムモード作動において、前記論理関係に従って、前記画像フリップ値に対応する画像フリップ修正モデルを決定する手順と
をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記表示および前記画像それぞれがリアルタイムである、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記表示はリアルタイムであり前記画像は事前に取得される、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記表示は事前に取得され前記画像はリアルタイムである、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記表示および前記画像それぞれ事前に取得される、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
患者の身体の身体対象領域内に配置される医療装置の先端の表示を移動撮像装置の画像検出器が取得する身体対象領域の画像上に表示するシステムであって、
前記移動撮像装置の移動部分にしっかりと結合され、前記身体対象領域に磁場を生成する少なくとも1つの磁場生成器と、
前記磁場を検出し、前記医療装置の前記先端に結合される医療装置医療用位置決めシステム(MPS)センサと、
MPSのそれぞれのMPS座標系と関連付けられる前記少なくとも1つの磁場生成器および前記医療装置MPSセンサに結合され、前記医療装置MPSセンサの出力に従って、前記医療装置MPSセンサのMPS座標を決定するMPSと、
前記画像それぞれの前記画像検出器の物理的ズーム設定に従って、前記画像検出器のそれぞれの1セットの内在および外在パラメータに従って、前記画像検出器の選択された画像検出器対象領域設定に従って、前記医療装置MPSセンサの前記MPS座標に従って、前記身体対象領域内に配置される前記医療装置の前記先端の2D光学座標を決定し、前記2D光学座標に従って、前記画像上に前記医療装置の前記先端の表示を重ねる処理装置とを有するシステム。
【請求項36】
前記処理装置に結合し、ユーザからの入力を受信するユーザインターフェースをさらに有する、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記入力が、
前記画像の回転角、
前記画像のフリップタイプ、および
前記画像検出器の視点値からなるリストから選択される、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記処理装置に結合され、前記画像の前記表示を重ねたものを表示する表示装置をさらに有する、請求項35に記載のシステム。
【請求項39】
前記システムのオフラインモード作動において、前記画像検出器の前方で前記画像検出器に結合されるフルスパン基準スクリーンをさらに備え、前記フルスパン基準スクリーンが複数の基準を含み、前記基準の全てのグループが、前記グループ内の前記基準の残りに対して相補的であり、前記処理装置が、前記異なる画像検出器対象領域で、および前記画像検出器の少なくとも1つの物理的ズーム設定で、前記フルスパン基準スクリーンから前記画像検出器が取得する複数の基準画像内の前記基準の基準画像座標に従って、および前記基準の実際の座標に従って、異なる画像検出器対象領域間にスケール関数を決定する、請求項35に記載のシステム。
【請求項40】
前記システムの非リアルタイムモード作動において、前記画像検出器の視野内に配置される周辺基準スクリーンをさらに備え、前記周辺基準スクリーンが複数の基準を含み、前記周辺基準の全てのグループが、前記グループ内の前記周辺基準の残りに対して相補的であり、前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記移動撮像装置の参照位置で、前記画像検出器の各物理的ズーム設定で、および前記画像検出器の各対象領域設定で、前記画像検出器が前記身体対象領域の少なくとも1つの参照画像を取得し、前記少なくとも1つの参照画像のそれぞれが、少なくとも1つの参照画像の周辺で前記周辺基準の複数の周辺基準画像を含み、
前記システムのリアルタイムモード作動において、前記少なくとも1つの参照画像内の前記周辺基準の第1セット座標に従って、および画像内の前記周辺基準の第2セット座標に従って、前記処理装置が、前記画像検出器の選択された視点のそれぞれの視点変換モデルを決定する、請求項35に記載のシステム。
【請求項41】
前記処理装置に結合するデータベースをさらに有し、前記システムの非リアルタイムモード作動において、前記処理装置が、前記第1セット座標に従って、前記少なくとも1つの参照画像の複数の画像回転値の個々のそれぞれに複数の画像回転修正モデルを決定し、 前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記処理装置が、前記画像回転修正モデルと前記画像回転値の間に論理関係を構築し、
前記処理装置が前記データベース内に前記論理関係を記憶し、
前記論理関係に前記第2セット座標を組み込むことによって、前記システムの前記リアルタイムモード作動において、前記処理装置が前記画像の選択された画像回転値に対応する画像回転修正モデルを決定し、
前記処理装置がさらに前記画像回転修正モデルに従って前記医療装置の前記先端の前記2D光学座標を決定する、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記処理装置に結合するデータベースをさらに有し、前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記処理装置が、前記第1セット座標に従って、前記少なくとも1つの参照画像の複数の画像フリップ値の個々のそれぞれに複数の画像フリップ修正モデルを決定し、
前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記処理装置が、前記画像フリップ修正モデルと前記画像フリップ値の間に論理関係を構築し、
前記処理装置が前記データベース内に前記論理関係を記憶し、
前記論理関係に前記第2セット座標を組み込むことによって、前記システムの前記リアルタイムモード作動において、前記処理装置が前記画像の選択された画像フリップ値に対応する画像フリップ修正モデルを決定し、
前記処理装置がさらに前記画像フリップ修正モデルに従って前記医療装置の前記先端の2D光学座標を決定する、請求項40に記載のシステム。
【請求項43】
前記システムの非リアルタイムモード作動において前記画像検出器の視野内に配置される周辺基準スクリーンであって、前記周辺基準スクリーンが複数の基準を含み、前記周辺基準の全てのグループが前記グループ内の前記周辺基準の残りに対して相補的であり、前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記移動撮像装置の参照位置で、前記画像検出器の各物理的ズーム設定で、および各画像検出器対象領域設定で、前記画像検出器が前記身体対象領域の少なくとも1つの参照画像を取得し、前記少なくとも1つの参照画像のそれぞれが、少なくとも1つの参照画像の周辺に前記周辺基準の複数の周辺基準画像を含む前記周辺基準スクリーンと、
前記少なくとも1つの参照画像のそれぞれの前記周辺基準の基準画像座標に従って、および前記周辺基準の実際の座標に従って、前記システムの非リアルタイムモード作動において、前記画像検出器の複数の視点値のそれぞれに対応する複数の視点変換モデルを決定する前記処理装置に結合するデータベースと
をさらに有し、
前記システムの前記非リアルタイムモード作動において、前記処理装置が前記視点変換モデルと、前記それぞれの視点値の間に第1論理関係を構築し、
前記システムのリアルタイムモード作動において、前記処理装置が、ユーザインターフェースから前記画像検出器の視点値のそれぞれの情報を受信し、
前記システムの前記リアルタイムモード作動において、前記第1論理関係に従って前記処理装置が、前記視点値に対応する視点変換モデルを決定する、請求項35に記載のシステム。
【請求項44】
前記移動撮像装置および前記処理装置に結合する位置検出器をさらに備え、前記処理装置が、前記位置検出器の出力に従って前記移動撮像装置の位置を決定する、請求項35に記載のシステム。
【請求項45】
参照位置に固定され前記MPSに結合される参照MPSセンサをさらに備え、前記MPSが、前記参照MPSセンサの出力に従って前記移動撮像装置の位置を決定する、請求項35に記載のシステム。
【請求項46】
前記画像検出器および前記MPSに結合される画像検出器MPSセンサをさらに備え、前記移動撮像装置が、前記画像検出器の位置に対して前記患者の反対側に配置される放射源を含み、前記放射源が放射軸に沿って前記画像検出器に向かって放射し、前記MPSが、前記画像検出器MPSセンサの出力に従って、前記放射軸に沿った前記画像検出器の位置を決定する、請求項35に記載のシステム。
【請求項47】
前記患者の身体および前記MPSにしっかりと結合される患者の身体MPSセンサをさらに有し、前記MPSが、前記患者の身体MPSセンサの出力に従って、前記身体に対する前記画像検出器の視点値を決定し、前記処理装置が前記患者および前記移動撮像装置の移動を補償し、前記処理装置が前記画像検出器が検出するそれぞれの画像データを処理する、請求項35に記載のシステム。
【請求項48】
前記表示および前記画像のそれぞれがリアルタイムである、請求項35に記載のシステム。
【請求項49】
前記表示がリアルタイムであり前記画像が事前に取得される、請求項35に記載のシステム。
【請求項50】
前記表示が事前に取得され前記画像がリアルタイムである、請求項35に記載のシステム。
【請求項51】
前記表示および前記画像それぞれが事前取得される、請求項35に記載のシステム。
【請求項52】
前記画像検出器が画像増倍管である、請求項35に記載のシステム。
【請求項53】
前記画像検出器が平面検出器である、請求項35に記載のシステム。
【請求項54】
前記磁場生成器が前記画像検出器に結合される、請求項35に記載のシステム。
【請求項55】
前記移動撮像装置が、前記画像検出器の位置に対して前記患者の反対側に配置される放射源を含み、前記放射源が前記画像検出器に向かって放射し、前記磁場生成器が前記放射源に結合される、請求項35に記載のシステム。
【請求項56】
前記移動撮像装置がコンピュータ断層撮影(CAT)装置であり、前記CATがCAT画像検出器およびCAT放射源を含み、前記CAT放射源が前記CAT画像検出器の位置に対して前記患者の反対側に配置され、前記CAT放射源がCAT画像検出器に向かって放射し、前記磁場生成器が前記CAT検出器に結合される、請求項35に記載のシステム。
【請求項57】
前記移動撮像装置が
X線、
核磁気共鳴、
素粒子放射および
サーモグラフィーからなるリストから選択される原理に従って作動する、請求項35に記載のシステム。
【請求項58】
前記医療装置が、
バルーンカテーテル、
ステント担持カテーテル、
医療物質分配カテーテル、
縫合カテーテル、
ガイドワイヤ、
切断ユニット、
ブラッキーテラピーユニット、
血管内超音波カテーテル、
心調律治療装置のリード、
体内心臓細動除去装置のリード、
心調律治療装置のリードの誘導装置、
体内心臓細動除去装置のリードの誘導装置、
弁治療カテーテル、
弁植込みカテーテル、
体内超音波カテーテル、
体内コンピュータ断層撮影カテーテル、
治療針、
診断針、
消化器系装置、
整形外科装置、
神経外科装置、
血管内流測定装置、
血管内圧測定装置、
血管内光コヒーレンス断層撮影装置、
血管内近赤外線分光法装置、
血管内赤外線装置、
耳鼻咽喉科精密外科装置からなるリストから選択される、請求項35に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−178686(P2008−178686A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−2955(P2008−2955)
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(501448314)メディガイド リミテッド (13)
【Fターム(参考)】