説明

移動通信システム

【課題】被災地等で通信端末機の所持ユーザを救助するためのサポートを極力長時間行うことを可能にする。
【解決手段】通信基地局12から、通信端末機11の消費電力を抑制する命令を行う節電命令データと、通信端末機ユーザの安否確認命令データとを送信し、通信端末機11で、節電命令データの受信時に通信端末機11の消費電力を抑制すると共に、安否確認命令データの受信時にユーザが認識可能に安否確認の応答指示を行うようにする。これによって、通信基地局12から通信端末機11のユーザの安否を確認する際に、通信基地局12からの自動制御で通信端末機11の消費電力を抑制可能なので、ユーザが操作しなくても通信端末機11の電池を長時間持たせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震等の災害時の移動通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、災害時に通信端末機のユーザを救援のためのサポートを行う移動通信システムとして、例えば特許文献1に記載のシステムが有る。このシステムは、通信端末機をユーザが操作することなく、自動でBCMCS(Broadcast Multicast Service)により災害情報番組の配信を受信し、この受信に応じて自動で登録メッセージを通信基地局へ送信する。この際、ユーザ操作の有無を把握可能なように送信するので、通信基地局は、そのユーザ情報を収集し、ユーザ操作の有無を把握することによりユーザの救急度合を迅速に把握することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−71941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術によれば、緊急時に被災地などでは殆どの場合、通信端末機の充電装備が故障や損壊等の為に使用不可能となるので、通信端末機の残量電池で賄える通信しか行えず、長時間救助のためのサポートが行えなくなるという問題がある。
【0005】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、被災地等で通信端末機の所持ユーザを救助するためのサポートを極力長時間行うことができる、移動通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために本発明は、通信端末機が通信基地局と無線通信を行う移動通信システムにおいて、前記通信基地局は、前記通信端末機の消費電力を抑制させ、当該通信端末機のユーザの安否を確認させる命令を送信する命令送信手段を備え、前記通信端末機は、前記命令の受信時に当該通信端末機の消費電力を抑制する節電モードへの設定を行う設定手段と、前記命令の受信時に安否確認の情報を表示する画面表示制御部とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明において、前記設定手段は、ユーザからの安否確認がない場合に、位置情報の送受信可能ができるように消費電力が抑制される緊急救援時節電モードへの設定を行うことを特徴とする。
【0008】
本発明において、前記命令送信手段は、前記通信端末機から受信された位置情報が複数回変動しない場合に前記位置情報の送信停止を行う位置停止命令データを送信し、前記設定手段は、緊急救援時節電モード設定中に前記通信端末機で前記位置停止命令データを受信した際に前記位置情報のパケット送受信機能をオフとする設定制御を行うことを特徴とする。
【0009】
本発明において、前記通信端末機は、当該通信端末機以外の通信装置から発音を命令する発音命令信号が受信された際に、音又は音声を発音する制御を行う音声制御手段を更に備えることを特徴とする。
【0010】
本発明において、ユーザからの安否確認がある場合に、電池残量に応じて節電モードを変更することを特徴とする。
【0011】
本発明において、ユーザからの安否確認がある場合に、充電状況によって節電モードを解除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、被災地等で通信端末機の所持ユーザを救助するためのサポートを極力長時間行うことができる移動通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る移動通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る移動通信システムの通信端末機の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る移動通信システムの通信基地局の構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係る移動通信システムおいて通信端末機ユーザが応答を行う場合の自動電力抑制処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本実施形態に係る移動通信システムの自動電力抑制処理において電離残量に応じた消費電力の抑制動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本実施形態に係る移動通信システムおいて通信端末機ユーザが未応答の場合の自動電力抑制処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための実施の形態(以下、単に本実施形態という)について詳細に説明する。
(実施形態の構成)
図1は、本実施形態に係る移動通信システムの構成を示すブロック図である。本実施形態に係る移動通信システム10は、ユーザが所持して無線通信を行う携帯電話機等の通信端末機11と、通信端末機11との間で無線通信を行う通信基地局12と、通信基地局12と通信網13を介して有線接続され、移動通信を行うための各種通信制御を行う通信制御装置14とを備えて構成されている。
【0015】
通信端末機11は、図2に示すように、無線通信部11aと、命令受信部11bと、応答送信制御部11cと、位置情報検出部11dと、モード設定制御部11eと、画面表示制御部11fと、操作部11gと、電池11hと、表示部11iと、音声制御部11jと、スピーカ11kとを備えて構成されている。
【0016】
通信基地局12は、図3に示すように、無線通信部12aと、命令送信制御部12bと、応答受信部12cと、計時部12dと、判定部12eとを備えて構成されている。
【0017】
無線通信部12aは、通信端末機11との間で後述の各種応答データ及び各種命令データや音声等の信号を無線で送受信する。命令送信制御部12bは、各種命令データを送信する制御を行う。
【0018】
各種命令データとは、災害の予報または災害の発生時に通知される信号、命令、もしくは情報であって、通信端末機11を災害時節電モード(単に、節電モードともいう)とする命令を行うための災害時節電命令データ(単に、節電命令データともいう)と、ユーザの安否確認を行うための安否確認命令データと、通信端末機11の電池残量に応じて消費電力を制御する災害時節電モードの設定変更を行う節電変更命令データと、通信端末機11を通常モードに復帰する命令を行う通常モード復帰命令データと、通信端末機11に位置情報の送信命令を行う位置送信命令データと、ユーザ未応答の際に通信端末機11を緊急救援時節電モードとする緊急救援時節電命令データと、ユーザ未移動の際に通信端末機11に位置情報の返信を停止させる位置停止命令データとの各種データである。
【0019】
応答受信部12cは、無線通信部12aで受信される通信端末機11からの応答データを受信する。計時部12dは、通信端末機11から位置情報を受信した際に計時動作を行い、一定時間が経過した時点で一定時間経過信号を命令送信制御部12bへ出力し、この際計時動作をリセットする。一定時間経過信号を受けた命令送信制御部12bは位置送信命令データを送信する制御を行う。
【0020】
判定部12eは、命令送信制御部12bから後述の安否確認データを複数回送信後に一定時間経過してもユーザ応答が受信されない場合に、ユーザ応答未返信信号を命令送信制御部12bへ出力する。ユーザ未応答信号を受けた命令送信制御部12bは、その受信時に通信端末機11へ緊急救援時節電命令データを送信する制御を行う。また、判定部12eは、応答受信部12cで受信される位置情報を前回の位置情報と比較し、数回以上位置情報が変動しないと判定、つまりユーザが移動していないと判定した際にユーザ未移動信号を命令送信制御部12bへ出力する。ユーザ未移動信号を受けた命令送信制御部12bは、位置停止命令データを送信する制御を行う。
【0021】
無線通信部11aは、通信基地局12との間で各種応答データ及び各種命令データや音声等の信号を無線で送受信する。命令受信部11bは、無線通信部11aで受信された各種命令データを受信する。
【0022】
モード設定制御部11eは、命令受信部11bで災害時節電命令データ及び安否確認命令データが受信された際に通信端末機11を災害時節電モードとし、この際、画面表示制御部11fが表示部11iに安否確認命令データを画面表示する制御を行う。災害時節電モードとは、通信端末機11の全機能を一旦OFF(オフ)とし、通信基地局12との間の位置情報や安否確認命令データなどの遣り取りに必要なパケットの送受信機能をON(オン)とすると共に、ユーザの安否を確認するための表示部11iの画面表示や操作部11gの入力操作機能をONとすることにより、通信端末機11の消費電力を抑制するものである。
【0023】
また、モード設定制御部11eは、ユーザが操作部11gにおいて安否確認の画面表示に応答する操作を行った際に、安否確認のユーザ応答データを通信基地局12へ無線通信部11aから送信する制御を行う。
【0024】
また、モード設定制御部11eは、命令受信部11bで節電変更命令データが受信された際に通信端末機11をその節電変更命令データに応じた節電モードとする。この節電モードは、通信端末機11自体が電池11hの残量を把握し、この把握された電池残量に応じて電力を消費しないモードに更新してゆく。つまり、電池残量が少ないほどに消費電力が少ないモードに移行してゆく。また、モード設定制御部11eは、命令受信部11bで通常モード復帰命令データが受信された際に通信端末機11を通常モードに復帰する制御を行う。
【0025】
更に、モード設定制御部11eは、命令受信部11bで緊急救援時節電命令データが受信された際に通信端末機11を緊急救援時節電モードに設定する制御を行う。この際、モード設定制御部11eは、位置情報を送受信可能なパケット送受信機能のみを一定時間間隔でONとし、このON時に通信基地局12から送信されてくる位置送信命令データの受信時に位置情報を返信する。
【0026】
更には、モード設定制御部11eは、命令受信部11bで位置停止命令データが受信された際に通信端末機11からの位置情報送信機能を停止する制御を行う。
【0027】
音声制御部11jは、命令受信部11bで自通信端末機11以外の他の通信装置からの救援信号が受信された際にスピーカ11kから警報音などの大音量を発生する。
(実施形態の動作)
以下、図1に示す本実施形態に係る移動通信システム10の動作について、図4のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0028】
最初に図4を参照して通信端末機11のユーザが応答を行う場合について説明する。まず、地震による災害が発生したとする(ステップS1)。この際、通信基地局12の命令送信制御部12bの制御により、通信端末機11を災害時節電モードとする節電命令データとユーザの安否確認命令データとが無線通信部12aから送信される(ステップS2)。なお、この送信は、緊急地震速報などの送信でもよく、通信端末機11の消費電力を抑制させ、通信端末機11のユーザの安否を確認させる命令を含んでいればよい。
【0029】
この節電命令データ及び安否確認命令データが通信端末機11において無線通信部11aを介して命令受信部11bで受信されると、モード設定制御部11eにより通信端末機11が災害時節電モードとされる(ステップS3)。これと同時に、画面表示制御部11fの制御によって表示部11iに安否確認のための画像や文字が表示される(ステップS4)。
【0030】
ここで、ユーザが安否確認に反応して操作部11gから応答操作を行うと(ステップS5)、応答送信制御部11cの制御によってそのユーザ応答データが無線通信部11aから送信される(ステップS6)。このユーザ応答データが通信基地局12の応答受信部12cで受信されると、命令送信制御部12bにより節電変更命令データが送信される(ステップS7)。
【0031】
この節電変更命令データが通信端末機11の命令受信部11bで受信されると、モード設定制御部11eによりその節電変更命令データに応じた節電モードとされる(ステップS8)。この節電モードは、図5のステップS8aにおいて、モード設定制御部11eが電池11hの残量が規定の電池残量あるか否かを判定し、この結果、無ければ、ステップS8bにおいて、上記ステップS3で設定された災害時節電モードを維持する。ここでステップS8cにおいて、モード設定制御部11eにより電池11hの充電が行われているか否かが判定され、この結果、受電されていなければステップS8bに戻って災害時節電モードが維持される。この災害時節電モードでは、電池残量が少ないほどに消費電力が少ないモードに移行されるので、通信端末機11の消費電力を抑制して電池11hを長持ちさせることが出来る。
【0032】
一方、充電が行われていると判定されると、ステップS8dにおいて、モード設定制御部11eにより通信端末機11の全機能が復帰される。この復帰後、ステップS8aに戻って上記ステップS8a〜S8dの処理が繰り返される。
【0033】
この災害時節電モードへの設定後、図4のステップS9において、通信端末機11の位置情報検出部11dで位置情報が検出され、通信基地局12へ送信される。この位置情報が通信基地局12の応答受信部12cで受信されると、計時部12dで計時動作が行われ、一定時間経過後に一定時間経過信号が命令送信制御部12bへ出力される。この際、計時部12dでは計時動作がリセットされる。一定時間経過信号を受けた命令送信制御部12bでは位置送信命令データが送信される(ステップS10)。このステップS10及びS9の処理が、破線枠20で示すように一定時間間隔で繰り返される。
【0034】
ここで、通信制御装置14から通信基地局12に対して、災害解除時における災害時節電モードの解除命令が送信されたとする(ステップS11)。これが通信基地局12の応答受信部12cで受信されると、命令送信制御部12bにより通常モード復帰命令データが通信端末機11へ送信される(ステップS12)。その通常モード復帰命令データが通信端末機11の命令受信部11bで受信されると、モード設定制御部11eにより通信端末機11が通常モードに復帰される(ステップS13)。但し、通常モードとは、通信端末機の全機能又は全機能のうち所定機能を作動させるモードである。
【0035】
なお、ステップS8、ステップS13では、通信基地局12からの指示でモードを変更しているが、通信端末機11が、通信基地局12からの指示に依存しないで、ステップS7、ステップS12を独自で実行してモードを変更してもよい。
【0036】
次に、図6を参照して通信端末機11のユーザが未応答の場合について説明する。但し、ステップS1〜S4は図4と同一処理のため説明を省略する。
【0037】
通信基地局12の判定部12eによって、命令送信制御部12bから安否確認データを送信後に一定時間経過してもユーザ応答が受信されないと判定された場合、再度、安否確認命令データが送信される(ステップS21)。これに応じて通信端末機11では表示部11iに安否確認の内容が画面表示される(ステップS22)。その後、通信基地局12の判定部12eによって、更に一定時間経過してもユーザ応答が受信されない場合、緊急救援時節電命令データ(第2節電命令データともいう)が送信される(ステップS23)。通信端末機11では、その緊急救援時節電命令データが命令受信部11bで受信された際に、モード設定制御部11eにより緊急救援時節電モードに設定される(ステップS24)。
【0038】
この緊急救援時節電モード時に、モード設定制御部11eにより、位置情報を送受信可能なパケット送受信機能のみが一定時間間隔でONとされ(ステップS25)、このON時にステップS26において通信基地局12から送信されてくる位置送信命令データが受信されると、通信端末機11から通信基地局12へ位置情報が返信される(ステップS27)。このステップS25〜S27の処理が、破線枠22で示すように一定時間間隔で繰り返される。なお、緊急救援時節電モード時には、他の機能に対する電力消費は極力行わず、位置情報の送受信可能ができるように消費電力が抑制される。
【0039】
この繰り返し動作は第2節電モードであり、位置情報を送受信可能なパケット送受信機能のみが一定時間間隔でONとされるので、通信端末機11の消費電力がより抑制される。
【0040】
通信基地局12の判定部12eでは、応答受信部12cで受信される位置情報が前回受信の位置情報と比較され、予め定められた数回以上位置情報が変動しない場合、ユーザ未移動信号が命令送信制御部12bへ出力され、これによって命令送信制御部12bから位置停止命令データが送信される(ステップS28)。この位置停止命令データが通信端末機11の命令受信部11bで受信されると、モード設定制御部11eで緊急救援時節電モード時の位置情報送信機能が停止される。これによって、更に通信端末機11の消費電力が抑制される。
【0041】
ここで、ステップS30において、図示せぬ自通信端末機11以外の他の通信装置から救援信号が発信され、この救援信号が通信端末機11の命令受信部11bで受信されると、音声制御部11jの制御によりスピーカ11kから大音量の警報音が発生される。これによって救助隊等が被災害者を発見可能となる。
(実施形態の効果)
以上説明のように本実施形態に係る移動通信システム10によれば、通信基地局12は、通信端末機11の消費電力を抑制する命令を行う節電命令データと、通信端末機11のユーザの安否を確認する命令を行う安否確認命令データとを送信する命令送信手段としての命令送信制御部12bを備える。通信端末機11は、節電命令データの受信時に通信端末機11の消費電力を抑制する節電モードへの設定を行うと共に、安否確認命令データの受信時にユーザが認識可能に安否確認の応答指示を行う設定手段としてのモード設定制御部11eを備える。
【0042】
この構成によれば、通信基地局12から通信端末機11のユーザの安否を確認する際に、通信基地局12からの自動制御で通信端末機11の消費電力を抑制することができるので、ユーザが操作しなくても通信端末機11の電池11hを長時間持たせることができる。これによって被災地等の充電不能地域で通信端末機11の所持ユーザを救助するためのサポートを極力長時間行うことができる。
【0043】
また、命令送信制御部12bは、通信基地局12が通信端末機11から応答指示に応じたユーザ操作による応答データを受信した際に、通信端末機11の電池残量に応じて消費電力を制御する命令を行う節電変更命令データを送信する。モード設定制御部11eは、通信端末機11による節電変更命令データの受信時に電池11hの残量が少ない程に消費電力を少なくする節電モードへの設定制御を行うようにした。
【0044】
この構成によれば、通信基地局12は、ユーザからの応答があった場合は通信端末機11の電池残量に応じて消費電力を制御する命令を行い、通信端末機11は、その命令に従って電池11hの残量が少ない程に消費電力を少なくする設定制御を行うので、通信端末機11の消費電力をより実態に即して抑制することができ、これによって電池11hを長時間持たせることが可能となる。
【0045】
また、命令送信制御部12bは、通信基地局12で所定の通信装置から送信された節電モードの解除命令が受信された際に、通信端末機11の全機能又は全機能のうち所定機能を作動させる通常モードに復帰する命令を行う復帰命令データを送信する。モード設定制御部11eは、通信端末機11が復帰命令データを受信した際に通信端末機11を通常モードに復帰する設定制御を行うようにした。
【0046】
この構成によれば、例えば通信端末機11のユーザが救助された際にその救助者が通信装置から節電モードの解除命令を送信することで、通信基地局12がその解除命令を受信して通常モードへの復帰を命令すれば、通信端末機11は自動的に通常モードに復帰するので、ユーザは救助された後に必要な通話等を行うことができる。
【0047】
また、命令送信制御部12bは、通信基地局12からの安否確認命令データの複数回の送信後に応答データが返信されて来ない場合、通信端末機11の位置情報のパケット送受信機能のみを一定時間間隔でオンとする第2節電モードへの設定命令を行う第2節電命令データを送信する。モード設定制御部11eは、通信端末機11が第2節電命令データを受信した際に第2節電モードへの設定制御を行うようにした。
【0048】
この構成によれば、位置情報を送受信可能なパケット送受信機能のみが一定時間間隔でONとされるので、通信端末機11の消費電力をより抑制することができる。
【0049】
また、命令送信制御部12bは、通信端末機11から受信された位置情報が複数回変動しない場合に位置情報の送信停止を行う位置停止命令データを送信する。モード設定制御部11eは、通信端末機11で位置停止命令データを受信した際に位置情報のパケット送受信機能をオフとする設定制御を行うようにした。
【0050】
この構成によれば、通信端末機11が移動しないことが確認された際に、通信基地局12から通信端末機11の位置情報のパケット送受信機能を自動的にオフとすることができるので、より通信端末機11の消費電力を抑制することができる。これによって、何らかの理由でその場から移動できないユーザの救援等のサポートをより長時間行うことが可能となる。
【0051】
更に、通信端末機11は、通信端末機11以外の通信装置から発音を命令する発音命令信号としての救援信号が受信された際に、音又は音声を発音する制御を行う音声制御手段としての音声制御部11jを更に備える。
【0052】
この構成によれば、例えば被災害者であるユーザが瓦礫等の中に閉じ込められていても、それを救助者に知らせ、ユーザを発見可能とすることができる。
【0053】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明の技術的範囲予測は上記実施形態に記載の範囲予測には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲予測に含まれ得ることが、特許請求の範囲予測の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0054】
10・・移動通信システム、11・・通信端末機、11a・・無線通信部、11b・・命令受信部、11c・・応答送信制御部、11d・・位置情報検出部、11e・・モード設定制御部、11f・・画面表示制御部、11g・・操作部、11h・・電池、11i・・表示部、11j・・音声制御部、11k・・スピーカ、12・・通信基地局、12a・・無線通信部、12b・・命令送信制御部、12c・・応答受信部、12d・・計時部、12e・・判定部、13・・通信網、14・・通信制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末機が通信基地局と無線通信を行う移動通信システムにおいて、
前記通信基地局は、前記通信端末機の消費電力を抑制させ、当該通信端末機のユーザの安否を確認させる命令を送信する命令送信手段を備え、
前記通信端末機は、前記命令の受信時に当該通信端末機の消費電力を抑制する節電モードへの設定を行う設定手段と、
前記命令の受信時に安否確認の情報を表示する画面表示制御部とを備える
ことを特徴とする移動通信システム。
【請求項2】
前記設定手段は、ユーザからの安否確認がない場合に、位置情報の送受信可能ができるように消費電力が抑制される緊急救援時節電モードへの設定を行うことを特徴とする請求項1記載の移動通信システム。
【請求項3】
前記命令送信手段は、前記通信端末機から受信された位置情報が複数回変動しない場合に前記位置情報の送信停止を行う位置停止命令データを送信し、
前記設定手段は、緊急救援時節電モード設定中に前記通信端末機で前記位置停止命令データを受信した際に前記位置情報のパケット送受信機能をオフとする設定制御を行うことを特徴とする請求項2記載の移動通信システム。
【請求項4】
前記通信端末機は、当該通信端末機以外の通信装置から発音を命令する発音命令信号が受信された際に、音又は音声を発音する制御を行う音声制御手段を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の移動通信システム。
【請求項5】
前記設定手段は、ユーザからの安否確認がある場合に、電池残量に応じて節電モードを変更することを特徴とする請求項1記載の移動通信システム。
【請求項6】
前記設定手段は、ユーザからの安否確認がある場合に、充電状況によって節電モードを解除することを特徴とする請求項1記載の移動通信システム。
【請求項7】
通信端末機の消費電力を抑制させ、当該通信端末機のユーザの安否を確認させる命令を送信する命令送信手段を備えた通信基地局。
【請求項8】
通信端末機の消費電力を抑制させ、当該通信端末機のユーザの安否を確認させる命令を受信した時に当該通信端末機の消費電力を抑制する節電モードへの設定を行う設定手段と、
前記命令の受信時に安否確認の情報を表示する画面表示制御部とを備えた通信端末機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−42231(P2013−42231A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176213(P2011−176213)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】