説明

移動通信方法、移動局及び無線基地局

【課題】移動局UEが「Hybrid」で動作している無線基地局HeNB2配下のセルに対してハンドオーバする際に、かかる無線基地局HeNB2において適切なリソース割り当て処理を行う。
【解決手段】本発明に係る移動局UEは、無線基地局eNB配下のセルをサービングセルとしている際に、無線基地局HeNB2によって送信された報知情報に基づいて、無線基地局HeNB2における登録移動局であるか否かについて判定するように構成されている判定部13と、無線基地局eNBに対して、かかる判定結果を示す所定情報を含む測定報告を送信するように構成されている測定報告送信部14とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法、移動局及び無線基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPPで規定されているLTE(Long Term Evolurion)方式の移動通信システムでは、「Open」、「Closed」及び「Hybrid」のいずれかの状態で動作可能な無線基地局HeNB(Home eNB)を設けることができる。
【0003】
「Open」で動作している無線基地局HeNB(或いは、セル、以下、同様)は、無線基地局HeNBにおける登録移動局及び非登録移動局の両方に対して移動通信サービスを提供することができるように構成されている。
【0004】
ここで、無線基地局HeNBにおける登録移動局は、無線基地局HeNBのCSG(Closed Subscriber Group)-IDによって特定されるCSGに属する移動局UEであり、無線基地局HeNBにおける非登録移動局は、無線基地局HeNBのCSG-IDによって特定されるCSGに属していない移動局UEである。
【0005】
また、「Closed」で動作している無線基地局HeNBは、無線基地局HeNBにおける登録移動局のみに対して移動通信サービスを提供することができるように構成されている。
【0006】
さらに、「Hybrid」で動作している無線基地局HeNB(或いは、セル)は、無線基地局HeNBにおける登録移動局及び非登録移動局のそれぞれに対して差別化して移動通信サービスを提供することができるように構成されている。
【0007】
例えば、「Hybrid」で動作している無線基地局HeNBは、登録移動局からの通信開始要求を優先的に受け付けて高速通信用のリソースを割り当てるように構成されており、非登録移動局からの通信開始要求の優先度を下げたり受け付けなかったりするように構成されていてもよい。
【0008】
以下、図6を参照して、かかる移動通信システムにおいて、移動局UEが「Hybrid」で動作している無線基地局HeNB2配下のセルに対してハンドオーバする際の動作について説明する。
【0009】
図6に示すように、ステップS2001において、移動局UEは、無線基地局eNBに対して、例えば、無線基地局HeNB2のE-CGI(EUTRAN Cell Global Identity)を含む測定報告(Measurement Report)を送信する。
【0010】
ステップS2002において、無線基地局eNBは、交換局MMEに対して、無線基地局HeNB2の識別情報(HeNB-ID(E-CGI)=yyy.001)を含むハンドオーバ要求信号(HO REQUIRED)を送信する。
【0011】
ステップS2003Aにおいて、交換局MMEは、ゲートウェイ装置HeNB-GWに対して、ハンドオーバ要求信号(HO REQUEST)を送信し、ステップS2003Bにおいて、ゲートウェイ装置HeNB-GWは、無線基地局HeNB2に対して、ハンドオーバ要求信号(HO REQUEST)を送信する。
【0012】
ステップS2004Aにおいて、無線基地局HeNB2は、ゲートウェイ装置HeNB-GWに対して、無線基地局HeNB2のCSG-ID=#31を含むハンドオーバ要求応答信号(HO REQUEST ACK)を送信し、ステップS2004Bにおいて、ゲートウェイ装置HeNB-GWは、交換局MMEに対して、かかるハンドオーバ要求応答信号(HO REQUEST ACK)を送信する。
【0013】
ステップS2005において、交換局MMEは、ゲートウェイ装置HeNB-GWから受信したハンドオーバ要求応答信号(HO REQUEST ACK)に含まれる無線基地局HeNB2のCSG-ID=#31及び自身によって管理されている移動局UEのCSG-IDに基づいて、移動局UEが無線基地局HeNB2における登録移動局或いは非登録移動局のいずれであるのかについて判定する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】3GPP TS36.300
【非特許文献2】3GPP TS36.331
【非特許文献3】3GPP TS36.413
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上述の移動通信システムでは、ステップS2003A及びS2003Bにおいて、交換局MMEから無線基地局HeNB2に対して、移動局UEのCSG-IDが通知されないため、無線基地局HeNB2は、移動局UEが無線基地局HeNB2における登録移動局又は非登録移動局のいずれであるのかについて判定することができず、「Hybrid」で動作している場合に適切なリソース割り当て処理を行うことができないという問題点があった。
【0016】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、移動局UEが「Hybrid」で動作している無線基地局HeNB2配下のセルに対してハンドオーバする際に、かかる無線基地局HeNB2において適切なリソース割り当て処理を行うことができる移動通信方法、移動局及び無線基地局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の特徴は、移動通信方法であって、第1無線基地局配下のセルをサービングセルとしている移動局が、第2無線基地局によって送信された報知情報に基づいて、該第2無線基地局における登録移動局であるか否かについて判定する工程Aと、前記移動局が、前記第1無線基地局に対して、前記判定結果を示す所定情報を含む測定報告を送信する工程Bと、前記第1無線基地局が、交換局に対して、前記所定情報を含むハンドオーバ要求信号を送信する工程Cと、前記交換局が、前記第2無線基地局に対して、前記所定情報を含むハンドオーバ要求信号を送信する工程Dと、前記第2無線基地局が、前記交換局から受信した前記ハンドオーバ要求信号に含まれる前記所定情報、及び、該第2無線基地局におけるアクセスモードに応じて、該移動局に対するリソース割り当て処理を行う工程Eとを有することを要旨とする。
【0018】
本発明の第2の特徴は、移動局であって、第1無線基地局配下のセルをサービングセルとしている際に、第2無線基地局によって送信された報知情報に基づいて、該第2無線基地局における登録移動局であるか否かについて判定するように構成されている判定部と、前記第1無線基地局に対して、前記判定結果を示す所定情報を含む測定報告を送信するように構成されている測定報告送信部とを具備することを要旨とする。
【0019】
本発明の第3の特徴は、無線基地局であって、交換局から、移動局が前記無線基地局における登録移動局であるか否かについて示す所定情報を含むハンドオーバ要求信号を受信するように構成されている受信部と、前記所定情報及び前記無線基地局におけるアクセスモードに応じて、前記移動局に対するリソース割り当て処理を行うように構成されている割り当て処理部とを具備することを要旨とする。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、移動局UEが「Hybrid」で動作している無線HeNB2において適切なリソース割り当て処理を行うことができる移動通信方法、移動局及び無線基地局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る移動局UEの機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局HeNBの機能ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る交換局MMEの機能ブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図6】従来の移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成)
図1乃至図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成について説明する。
【0023】
本実施形態に係る移動通信システムは、LTE方式の移動通信システムであって、図1に示すように、交換局MMEと、交換局MMEに接続されている無線基地局eNB及び無線基地局HeNB1と、交換局MMEに接続されているゲートウェイ装置HeNB-GWと、ゲートウェイ装置HeNB-GWに接続されている無線基地局HeNB2及び無線基地局HeNB3とを具備している。
【0024】
ここで、無線基地局eNBの識別情報eNB-ID(E-CGI)は「zzz.000」であり、ゲートウェイ装置HeNB-GWの識別情報HeNB-ID(E-CGI)は「yyy.000」であり、無線基地局HeNB1の識別情報HeNB-ID(E-CGI)は「xxx.100」であり、無線基地局HeNB2の識別情報HeNB-ID(E-CGI)は「yyy.001」であり、無線基地局HeNB3の識別情報HeNB-ID(E-CGI)は「yyy.002」である。
【0025】
また、無線基地局HeNB1のCSG-IDは「#22」であり、無線基地局HeNB2のCSG-IDは「#31」であり、無線基地局HeNB3のCSG-IDは「#32」である。
【0026】
図2に示すように、移動局UEは、管理部11と、報知情報受信部12と、判定部13と、測定報告送信部14とを具備している。
【0027】
管理部11は、「Allowed CSG-ID List(すなわち、White List)」を管理するように構成されている。具体的には、「Allowed CSG-ID List」には、移動局UEが属しているCSGを特定する1つ又は複数のCSG-IDが含まれている。
【0028】
報知情報受信部12は、サービングセル及び周辺セルにおける報知情報を受信するように構成されている。
【0029】
例えば、報知情報受信部12は、無線基地局HeNB1乃至HeNB3によって送信されている報知情報内に含まれるCSG-IDやCSG indicatorを取得するように構成されている。
【0030】
ここで、報知情報内に含まれるCSG-IDは、無線基地局HeNB1乃至HeNB3のCSG-IDであり、報知情報内に含まれるCSG indicatorは、無線基地局HeNB1乃至HeNB3のアクセスモードを示すものである。なお、無線基地局HeNB1乃至HeNB3のアクセスモードには、上述した「Open」、「Closed」及び「Hybrid」の3種類が想定される。
【0031】
判定部13は、無線基地局HeNB1乃至HeNB3によって送信された報知情報に基づいて、移動局UEが無線基地局HeNB1乃至HeNB3における登録移動局であるか否かについて判定するように構成されている。
【0032】
具体的には、判定部13は、報知情報に含まれているCSG-IDが、管理部11において管理されている「Allowed CSG-ID List」内に記憶されているか否かに基づいて、上述の判定を行うように構成されていてもよい。
【0033】
測定報告送信部14は、移動局UEのサービングセルを管理している無線基地局eNBに対して、判定部13による判定結果を示す所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)を含む測定報告(Measurement Report)を送信するように構成されている。
【0034】
例えば、判定部13が、移動局UEが無線基地局HeNB1乃至HeNB3における非登録移動局であると判定した場合に、測定報告送信部14は、測定報告内の「UE Preliminary Access Check Bit」に「1」又は「0」を設定するように構成されていてもよい。
【0035】
図3に示すように、無線基地局HeNB1乃至HeNB3(以下、代表して、無線基地局HeNBと表記する)又は無線基地局eNBは、測定報告受信部21と、ハンドオーバ処理部22とを具備している。
【0036】
図1における無線基地局eNBの測定報告受信部21は、移動局UEから受信した測定報告を受信するように構成されている。
【0037】
具体的には、図1における無線基地局eNBの測定報告受信部21は、かかる測定報告に含まれている所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)を取得するように構成されている。
【0038】
図1における無線基地局eNBのハンドオーバ処理部21は、移動局UEから受信した測定報告に所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)が含まれていた場合、交換局MMEに対して、かかる所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)を含むハンドオーバ要求信号(HO REQUIRED)を送信するように構成されている。
【0039】
図1における無線基地局HeNBのハンドオーバ処理部21は、交換局MMEから、必要に応じてゲートウェイ装置HeNB-GWを介して、所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)を含むハンドオーバ要求信号(HO REQUIRED)を受信するように構成されている。
【0040】
そして、図1における無線基地局HeNBのハンドオーバ処理部21は、かかる所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)及び無線基地局HeNBにおけるアクセスモードに応じて、移動局UEに対するリソース割り当て処理を行うように構成されている。
【0041】
例えば、図1における無線基地局HeNBのハンドオーバ処理部21は、かかる所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)が、移動局UEが無線基地局HeNB2における非登録移動局であることを示し、無線基地局HeNB2におけるアクセスモードが、「Hybrid」である場合に、移動局UEに対して非登録移動局用のリソース割り当て処理を行うように構成されていてもよい。
【0042】
図4に示すように、交換局MMEは、管理部31と、ハンドオーバ処理部32と、判定部33とを具備している。
【0043】
管理部31は、各移動局UEの「UE CSG Subscription info」を管理するように構成されている。ここで、「UE CSG Subscription info」には、各移動局UEが属する1つ又は複数のCSGを識別するCSG-IDを含む「CSG-ID List」が含まれている。
【0044】
ハンドオーバ処理部32は、無線基地局eNBから、ハンドオーバ要求信号(HO REQUIRED)を受信するように構成されている。
【0045】
また、ハンドオーバ処理部32は、無線基地局eNBから受信したハンドオーバ要求信号(HO REQUIRED)内に、所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)が含まれている場合には、無線基地局HeNB又はゲートウェイ装置HeNB-GWに対して、かかる所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)を含むハンドオーバ要求信号(HO REQUEST)を送信するように構成されている。
【0046】
さらに、ハンドオーバ処理部32は、無線基地局HeNB又はゲートウェイ装置HeNB-GWから、無線基地局HeNBのCSG-IDを含むハンドオーバ要求応答信号(HO REQUEST ACK)を受信するように構成されている。
【0047】
判定部33は、無線基地局HeNB又はゲートウェイ装置HeNB-GWから受信したハンドオーバ要求応答信号(HO REQUEST ACK)に含まれる無線基地局HeNBのCSG-ID及び「UE CSG Subscription info」内の「CSG-IDリスト」内に管理されている移動局UEのCSG-IDに基づいて、移動局UEが無線基地局HeNB2における登録移動局或いは非登録移動局のいずれであるのかについて判定する。
【0048】
また、判定部33は、かかる判定結果と、所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)が示す判定結果とが一致するか否かについて判定する。
【0049】
ここで、判定部33が、両者が一致しないと判定した場合、ハンドオーバ処理部32は、図1に示す無線基地局eNBに対して、ハンドオーバ処理に失敗したことを示すハンドオーバ失敗信号(HO FAILURE)を送信し、無線基地局HeNBに対しては、移動局UEに対するリソースの割り当てを開放することを指示する信号(UE CONTEXT RELEASE COMMAND)を送信する。
【0050】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作)
図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0051】
具体的には、図5を参照して、かかる移動通信システムにおいて、移動局UEが無線基地局eNB配下のセルから無線基地局HeNB2配下のセルにハンドオーバする際の動作について説明する。
【0052】
図5に示すように、ステップS1001において、移動局UEは、無線基地局HeNB2によって送信された報知情報に基づいて、移動局UEが無線基地局HeNB2における登録移動局であるか否かについて判定し、無線基地局eNBに対して、無線基地局HeNB2のE-CGIや、かかる判定結果を示す所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)を含む測定報告を送信する。
【0053】
ステップS1002において、無線基地局eNBは、交換局MMEに対して、無線基地局HeNB2の識別情報(HeNB-ID(E-CGI)=yyy.001)や所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)を含むハンドオーバ要求信号(HO REQUIRED)を送信する。
【0054】
ステップS1003Aにおいて、交換局MMEは、ゲートウェイ装置HeNB-GWに対して、所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)を含むハンドオーバ要求信号(HO REQUEST)を送信し、ステップS1003Bにおいて、ゲートウェイ装置HeNB-GWは、無線基地局HeNB2に対して、かかるハンドオーバ要求信号(HO REQUEST)を送信する。
【0055】
ここで、無線基地局HeNB2は、交換局MMEから受信したハンドオーバ要求信号(HO REQUEST)に含まれる所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)、及び、無線基地局HeNB2におけるアクセスモードに応じて、移動局UEに対するリソース割り当て処理を行う。
【0056】
例えば、所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)が、移動局UEが無線基地局HeNB2における非登録移動局であることを示し、無線基地局HeNB2におけるアクセスモードが、「Hybrid」である場合に、無線基地局HeNB2は、移動局UEに対して非登録移動局用のリソース割り当て処理を行ってもよい。
【0057】
また、所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)が、移動局UEが無線基地局HeNB2における登録移動局であることを示し、無線基地局HeNB2におけるアクセスモードが、「Hybrid」である場合に、無線基地局HeNB2は、移動局UEに対して登録移動局用のリソース割り当て処理を行ってもよい。
【0058】
その後、ステップS1004Aにおいて、無線基地局HeNB2は、ゲートウェイ装置HeNB-GWに対して、上述のリソースの割り当て結果及び無線基地局HeNB2のCSG-ID=#31を含むハンドオーバ要求応答信号(HO REQUEST ACK)を送信し、ステップS1004Bにおいて、ゲートウェイ装置HeNB-GWは、交換局MMEに対して、かかるハンドオーバ要求応答信号(HO REQUEST ACK)を送信する。
【0059】
ステップS1005において、交換局MMEは、ゲートウェイ装置HeNB-GWから受信したハンドオーバ要求応答信号(HO REQUEST ACK)に含まれる無線基地局HeNB2のCSG-ID=#31及び「UE CSG Subscription info」内の「CSG-IDリスト」内に管理されている移動局UEのCSG-IDに基づいて、移動局UEが無線基地局HeNB2における登録移動局或いは非登録移動局のいずれであるのかについて判定する。
【0060】
そして、交換局MMEは、ステップS1005における判定結果と、所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)が示す判定結果とが一致するか否かについて判定する。
【0061】
ここで、両者が一致しないと判定した場合、交換局MMEは、無線基地局eNBに対して、ハンドオーバ処理に失敗したことを示すハンドオーバ失敗信号(HO FAILURE)を送信し、無線基地局HeNB2に対しては、移動局UEに対するリソースの割当てを開放することを指示する信号(UE CONTEXT RELEASE COMMAND)を送信する。
【0062】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの作用・効果)
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、移動局UEが「Hybrid」で動作している無線基地局HeNB2配下のセルに対してハンドオーバする際に、無線基地局HeNB2は、ハンドオーバ要求信号(HO REQUEST)に含まれる所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)及び無線基地局HeNB2におけるアクセスモードに応じて、無線基地局HeNB2における登録移動局と非登録移動局とを差別化して適切なリソース割り当て処理を行うことができる。
【0063】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0064】
本実施形態の第1の特徴は、移動通信方法であって、無線基地局eNB(第1無線基地局)配下のセルをサービングセルとしている移動局UEが、無線基地局HeNB2(第2無線基地局)によって送信された報知情報に基づいて、無線基地局HeNB2における登録移動局であるか否かについて判定する工程Aと、移動局UEが、無線基地局eNBに対して、かかる判定結果を示す所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)を含む測定報告(Measurement Report)を送信する工程Bと、無線基地局eNBが、交換局MMEに対して、所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)を含むハンドオーバ要求信号(HO REQUIRED)を送信する工程Cと、交換局MMEが、無線基地局HeNB2に対して、所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)を含むハンドオーバ要求信号(HO REQUEST)を送信する工程Dと、無線基地局HeNB2が、交換局MMEから受信したハンドオーバ要求信号(HO REQUEST)に含まれる所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)、及び、無線基地局HeNB2におけるアクセスモードに応じて、移動局UEに対するリソース割り当て処理を行う工程Eとを有することを要旨とする。
【0065】
本実施形態の第1の特徴において、工程Aにおいて、移動局UEは、報知情報に含まれているCSG-IDが、移動局UEにおいて管理されている「Allowed CSG-ID List」内に記憶されているか否かに基づいて、上述の判定を行ってもよい。
【0066】
本実施形態の第1の特徴において、工程Eにおいて、所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)が、移動局UEが無線基地局HeNB2における非登録移動局であることを示し、無線基地局HeNB2におけるアクセスモードが、「Hybrid」である場合に、無線基地局HeNB2は、移動局UEに対して非登録移動局用のリソース割り当て処理を行ってもよい。
【0067】
本実施形態の第1の特徴において、無線基地局HeNB2が、交換局MMEに対して、無線基地局HeNB2のCSG-IDを通知する工程と、交換局MMEが、無線基地局HeNB2によって通知された無線基地局HeNB2のCSG-IDと、「UE CSG Subscription info」内の「CSG-ID List」において管理されている移動局UEのCSG-IDとが一致するか否かについて判定する工程とを更に有してもよい。
【0068】
本実施形態の第2の特徴は、移動局UEであって、無線基地局eNB配下のセルをサービングセルとしている際に、無線基地局HeNB2によって送信された報知情報に基づいて、無線基地局HeNB2における登録移動局であるか否かについて判定するように構成されている判定部13と、無線基地局eNBに対して、かかる判定結果を示す所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)を含む測定報告を送信するように構成されている測定報告送信部14とを具備することを要旨とする。
【0069】
本実施形態の第2の特徴において、判定部13は、報知情報に含まれているCSG-IDが、管理部11において管理されている「Allowed CSG-ID List」内に記憶されているか否かに基づいて、上述の判定を行うように構成されていてもよい。
【0070】
本実施形態の第3の特徴は、無線基地局HeNB2であって、交換局MMEから、移動局UEが無線基地局HeNB2における登録移動局であるか否かについて示す所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)を含むハンドオーバ要求信号(HO REQUEST)を受信するように構成されており、かかる所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)及び無線基地局HeNBにおけるアクセスモードに応じて、移動局UEに対するリソース割り当て処理を行うように構成されているハンドオーバ処理部22とを具備することを要旨とする。
【0071】
本実施形態の第3の特徴において、所定情報(UE Preliminary Access Check Bit)が、移動局UEが無線基地局HeNB2における非登録移動局であることを示し、無線基地局HeNB2におけるアクセスモードが、「Hybrid」である場合に、ハンドオーバ処理部22は、移動局UEに対して非登録移動局用のリソース割り当て処理を行うように構成されていてもよい。
【0072】
なお、上述の無線基地局HeNB、交換局MME、ゲートウェイ装置HeNB-GW及び移動局UEの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0073】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0074】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、無線基地局HeNB、交換局MME、ゲートウェイ装置HeNB-GW及び移動局UE内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして無線基地局HeNB、交換局MME、ゲートウェイ装置HeNB-GW及び移動局UE内に設けられていてもよい。
【0075】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0076】
UE…移動局
11…管理部
12…報知情報受信部
13…判定部
14…測定報告送信部
HeNB…無線基地局
21…測定報告受信部
22…ハンドオーバ処理部
MME…交換局
31…管理部
32…ハンドオーバ処理部
33…判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1無線基地局配下のセルをサービングセルとしている移動局が、第2無線基地局によって送信された報知情報に基づいて、該第2無線基地局における登録移動局であるか否かについて判定する工程Aと、
前記移動局が、前記第1無線基地局に対して、前記判定結果を示す所定情報を含む測定報告を送信する工程Bと、
前記第1無線基地局が、交換局に対して、前記所定情報を含むハンドオーバ要求信号を送信する工程Cと、
前記交換局が、前記第2無線基地局に対して、前記所定情報を含むハンドオーバ要求信号を送信する工程Dと、
前記第2無線基地局が、前記交換局から受信した前記ハンドオーバ要求信号に含まれる前記所定情報、及び、該第2無線基地局におけるアクセスモードに応じて、該移動局に対するリソース割り当て処理を行う工程Eとを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
前記工程Aにおいて、前記移動局は、前記報知情報に含まれているCSG-IDが、該移動局において管理されている「Allowed CSG-ID List」内に記憶されているか否かに基づいて、前記判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項3】
前記工程Eにおいて、前記所定情報が、前記移動局が前記第2無線基地局における非登録移動局であることを示し、該第2無線基地局におけるアクセスモードが、「Hybrid」である場合に、該第2無線基地局は、該移動局に対して非登録移動局用のリソース割り当て処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項4】
前記第2無線基地局が、前記交換局に対して、該第2無線基地局のCSG-IDを通知する工程と、
前記交換局が、前記第2無線基地局によって通知された該第2無線基地局のCSG-IDと、自身が管理している前記移動局のCSG-IDとが一致するか否かについて判定する工程とを更に有することを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項5】
第1無線基地局配下のセルをサービングセルとしている際に、第2無線基地局によって送信された報知情報に基づいて、該第2無線基地局における登録移動局であるか否かについて判定するように構成されている判定部と、
前記第1無線基地局に対して、前記判定結果を示す所定情報を含む測定報告を送信するように構成されている測定報告送信部とを具備することを特徴とする移動局。
【請求項6】
前記判定部は、前記報知情報に含まれているCSG-IDが、該移動局において管理されている「Allowed CSG-ID List」内に記憶されているか否かに基づいて、前記判定を行うように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の移動局。
【請求項7】
無線基地局であって、
交換局から、移動局が前記無線基地局における登録移動局であるか否かについて示す所定情報を含むハンドオーバ要求信号を受信するように構成されている受信部と、
前記所定情報及び前記無線基地局におけるアクセスモードに応じて、前記移動局に対するリソース割り当て処理を行うように構成されている割り当て処理部とを具備することを特徴とする無線基地局。
【請求項8】
前記所定情報が、前記移動局が前記無線基地局における非登録移動局であることを示し、該無線基地局におけるアクセスモードが、「Hybrid」である場合に、前記割り当て処理部は、該移動局に対して非登録移動局用のリソース割り当て処理を行うように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の無線基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−78024(P2011−78024A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229942(P2009−229942)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】