説明

移動通信装置及び該移動通信装置のための入力装置

本発明は、移動通信装置と、この通信装置の操作のために提供される入力装置とに関する。これらの装置により、通信装置で必要な入力操作を行える。本発明は、コンパクトな移動電子装置、特に通信装置及びデジタルカメラの場合に、これらの入力操作をユーザが良好に調整できるようにするという課題を解決する。第1の態様では、片手でつかめるケーシングと、ケーシングに一体化され画像再生表面を提供する表示装置と、表示装置が入力モードで入力手順の実行を援助する入力図表を提供するように該表示装置を駆動する制御装置と、手のタイプ入力運動に従って入力手順を実施する入力装置とを備える移動通信装置によって課題は解決される。この機器は、表示装置の前に配置される入力ゾーン内で、機器に触れずに、ユーザが空いている手の制御運動を行って、入力操作を処理できるように形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信装置と、この通信装置の操作のために提供される入力装置とに関する。これらの装置によって、該通信装置の使用に必要な入力操作を処理することができる。
【0002】
本発明はさらに、下記の移動電話及びデジタルカメラのような移動小型電子装置に対する入力操作の実施のための方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
移動電話及びデジタルカメラには、通常、キーフィールドや入力ボタンが備えられ、また、必要に応じてタッチスクリーン入力装置も備えられている。これら備えられものによって、これらの電子装置の操作に必要な入力操作を行うことができる。
【0004】
特にこれらの電子装置が非常に小型であると、入力処理の実施において、その一部では、細かい運動神経が多く必要とされる。このような入力処理は、ユーザにより、また、多くの場合において、限定された範囲でしか提供され得ず、さらに、電子装置の用途によっては他の処理に対する注意を低減させるという問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の問題に鑑みて、本発明は、特に比較的コンパクトな移動電子装置、特に通信装置及びデジタルカメラの場合に、ユーザが、これらの入力操作を特に良好に連係させることができるように実施することを可能にする解決策を作成するという課題に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、本発明による上記課題は、請求項1に示される特徴を有する移動通信装置によって解決される。
【0007】
このようにして、必要とされる繊細な入力処理を、入力操作で用いるユーザの手の比較的大まかな運動によっても効果的に実施することが可能となり有利である。
【0008】
本発明の特定の態様によれば、制御装置は、ユーザによって行われる制御運動によって生成される入力事象が、ディスプレイに表示されたユーザインタフェースに反映されるように構成される。たとえば、特に、ユーザインタフェース上で、カーソル構造や他のシンボルを指定したり、又は、グラフィック効果を生成したりし、それらの表示や動きがユーザの入力運動に対応するようにすることが可能である。
【0009】
ユーザインタフェースは、特に、入力手の横方向の運動によって、ユーザインタフェース上で視覚化された異なるボタン又はフィールドを選択することができるように形成することができる。ユーザインタフェースはさらにまた、横方向の運動の分解の他に、縦方向の運動も、また好ましくは奥行き運動も検出することができるように構成することができる。横方向及び縦方向の運動の検出によって、特定のメニューウィンドウ上を2次元で動くことが可能である。奥行き運動の検出によって、特に、異なるメニューウィンドウに対するアクセスを得ることが可能である。ユーザインタフェースはさらに、選択処理が、手の際立った運動、特にZ軸情報の際立った変化によって生成されるように構成することができる。さらに、特定のジェスチャを検出し、ユーザインタフェースの選択又はさらに特定の他のコマンドをこれらのジェスチャから推測することも可能である。
【0010】
本発明の特定の態様によれば、システムは好ましくは、操作領域が、少なくともその幅及び/又は高さに関して、ディスプレイによって描画されるグラフィック表面の幅及び/又は高さよりも大きく、また好ましくは通信装置自体よりも大きいように構成される。
【0011】
縦方向及び横方向の運動によって、好ましくはウィンドウ又はフレーム内を航行することができる。本システムはさらに、検出事象に基づいて選択コマンドが導出されるように形成することができる。
【0012】
この選択コマンドは、特に指のジェスチャによって、特にディスプレイに向かって人差し指又はさらには複数の指を傾けることによって生成することができる。この対応する選択コマンドは、この処理に特有の、検出範囲内の電界変化に基づいて生成することができる。装置上には好ましくは入力構造体が設けられる。該入力構造体によって、接触を伴わない入力操作に基づく手の運動の他に、この入力構造体、特に入力ボタンの対応する駆動によるメニュー項目選択も行うことができる。
【0013】
この入力構造体をキー構造体として実施することができる。該入力構造体は、意図された通りに移動通信装置をつかんでいる場合に、特にユーザの左手(右利きユーザの場合)の親指及び他の指によって、又は対応して右手(左利きユーザの場合)の親指及び他の指によって操作することができる。
【0014】
特に、この選択ボタンを、該選択ボタンが親指又は人差し指によって人間工学的に有利に操作されることができるように配置することが可能である。
【0015】
本発明による通信装置は、入力操作の検出が電界によって行われるように形成することができる。特に、たとえば、通信装置の裏側を用いて、装置の後方領域内に設けられる電極における電圧の対応する変調によって引き起こされる変動電流事象をユーザに結合することによって、ユーザの体自体を信号送信システムに一体化することが可能である。通信装置の表示装置の前面の領域におけるこの変動電流事象の再伝導を、移動通信装置に一体化される検出電極によって再び検出することができる。
【0016】
本発明の特定の態様によれば、入力操作の実施中に、たとえばスイッチングに特有のノイズ(キーボードノイズ)によって音響フィードバックが、又はさらに、必要な場合には加速質量システムを備え付けられる対応するアクチュエータによって触覚フィードバックが生成されるように移動通信装置又はカメラを形成することも可能である。表示装置によって又はさらなる光学手段、特に発光ダイオードによっても、追加の光情報、たとえば終了した入力処理に関するフィードバック情報を生成することができる。
【0017】
信号構造全体では、運動すなわち入力操作の実施がいわゆる衝撃効果も考慮するように構成される。そうすれば、操作を行う手をより速く動かすと、対応するウィンドウ内のカーソルがより長い距離を進み、ひいては最終的に衝撃機能をもたらす(したがって負の加速度係数aによって遅くなる)。好ましくは、検出フィールドは、約23cm×23cmの領域をカバーするようなサイズを有する。これは、この領域内で、手首の領域を傾斜させると共に肘関節を中心にわずかに回転を行うことによって、操作を行う手の特に迅速な運動を達成することができるためである。
【0018】
音声認識システムを移動通信装置に一体化することが有利に可能である。該音声認識システムによって、音声信号からテキストへの検出及び変換を行うことができる。このテキストはその後、たとえば電子メール又はSMSのコンテンツとして安価に送信することができる。
【0019】
本発明の特定の態様によれば、この音声認識システムは、ジェスチャの変換及び検出に使用される。この点に関して、本発明は、移動通信装置に一体化される検出システムに向かってユーザによって実施される手のジェスチャに従って生成され、手又は該手の指の空間運動と相関する入力信号、を処理する方法にも関連する。ここで、入力信号は、その周波数帯が音声認識システムがアクセス可能な音信号の周波数帯を検出する転送信号を表すように生成又は変換される。ここで、音声認識システムによる手のジェスチャの解釈はこれらの転送信号に基づいて行われる。
【0020】
このようにして、音声認識の分野のために開発された定評がある回路及び評価システムを使用して、ジェスチャ検出及び評価も有利に可能である。音声認識のために開発された概念及びチップセットを専らジェスチャ解釈のために使用する用途が可能である。さらに、音声認識システムを付加的にジェスチャ検出の機能と共に実施することが可能である。ここで、マイクロフォン入力もジェスチャ信号の入力として直接作用することができる。ジェスチャの経路過程を音声類似のシーケンスに変換するという、本発明による概念は、音声認識を実施することができる普及しているコンピュータシステム及び他のシステム、特にマイクロコントローラにおいて、補助ハードウェアに対する費用を比較的少なくして実現することができる。本発明に従って生成される音声類似のシーケンスは、適用可能な場合に、マイクロフォン信号に重ね合わせてシステムの音響入力に結合されるように生成することができる。この概念によって、音声認識プログラムをジェスチャ解釈機能によって特に有利に拡張することが可能である。ジェスチャ記録のための、又は、ジェスチャを行う手の空間運動、若しくは適用可能な場合には指の空間運動のみの検出のための検出電極は、特に移動通信装置のハウジング、又はヘッドセット若しくはハンズフリーキット、又は周辺電話システムと一体化することができ、それによってジェスチャ検出の典型的な基準点が与えられる。車両ハンズフリーヘッドセットでは、特にダッシュボード、ハンドル、中央コンソール、及びドアパネルの領域内の構造体が適切である。
【0021】
本発明によるセンサ装置を、該センサ装置によってほとんど静的な静的ジェスチャ、たとえば静的な手の形を検出して、この検出目的にかなう十分に明確な音シーケンスに変換することができるように形成することもできる。このような静的ジェスチャは、たとえば「平手」、「親指を伸ばした握りこぶし」、「Vサイン」として実施することができる。これらの静的ジェスチャの場合、静的段階の間に生成されるセンサ信号に基づいて、特定の音シーケンスを生成することができる。
【0022】
音によって、静的ジェスチャを形成及び解除するのに特有の運動処理を表すと共に、これらのジェスチャの検出において該処理を考慮することも可能である。
【0023】
ジェスチャに相関する軌跡信号を音声類似信号シーケンスへ変換することによって、電気通信システム及びVOIPシステムによるジェスチャ情報の送信も音データ周波数範囲内で可能になる。操作者、すなわちジェスチャを行うユーザから遠く離れた場所においても、音声送信システムを使用することでジェスチャ情報が利用可能となる。本発明の概念によって、手のジェスチャ言語の音言語への変換又は送信も行うことができる。
【0024】
個々のジェスチャの識別モデルは、その過程又は特定の経路過程を教示して計算することができ、評価のために保存することができる。
【0025】
本発明によれば、生物(好ましくは人)から生じるジェスチャは、検出器を用いて検出され、トーンシーケンス(音シーケンス)に変換される。これらはその後、音声又はトーンシーケンス処理の目下の方法を用いて分析及び評価することができる。これに並行して適用可能な場合には、口頭による音声コマンドが同じチャネルによって同じ処理に到達することができ、ジェスチャと、結合して、個別に、又は順次に評価されうる。
【0026】
好ましくは、ジェスチャ識別回路によって生成されるトーンシーケンスは、音声入力と同じ周波数帯で生成され、それによって、音声処理での濾波方法も使用することができる。しかしながら、別の周波数範囲、たとえば処理される周波数範囲の端部に向かって変位させられた周波数範囲を選択することも可能である。音声コマンドと同様に又は同じ方法で、ジェスチャをシステムに教えることができ、該ジェスチャが再び生じた場合に、該ジェスチャをたとえばテーブルに記憶されている機能において実施することができる。したがって、ジェスチャ−トーンシーケンス変換器を除いて、同じハードウェア及びソフトウェアを音声処理において使用することができる。これは、分離して動作するシステムと比較して、経済上の及び回路設計上の利点を意味する。それぞれのジェスチャは、特定の時間間隔において検出装置の前で3次元で実施することができ、ユーザにほとんど左右されない。
【0027】
基本的に、本発明の概念は、光学的技法、静電容量技法、又は画像処理技法のような、ジェスチャ検出の様々な技法に適している。有利には、ジェスチャの特定はシーケンスにおいて行われ、シーケンスごとに特定のトーンを生成することができる。したがって、簡単なジェスチャも複雑なジェスチャも、長短程度の差がある異なるトーンシーケンスを生成する。同じジェスチャを2回正確に入力することができる者はいないため、システムは好ましくは誤差許容検出を提供する。これは好ましくはプログラムに基づいて行われる。この目的に適したソフトウェアを、特に、本発明に従いジェスチャ、特にジェスチャ経路に相関するトーンシーケンスが口頭による単語又は文と同様の形態を有する場合に、本発明に従って、音声処理システムにおいて提供される識別及び解釈手順を使用して提供することができる。
【0028】
ジェスチャ信号の受信
ジェスチャ信号の受信は、好ましくは1つ又は複数の静電容量(電界)センサを用いて行なわれる。これらのセンサは好ましくは、人為的に生成された電界における変化を検出し、その結果、手又は指の位置又は運動と十分密接に相関する信号を伝送するように、構造化される。
【0029】
好ましくは、ジェスチャ信号の前処理が行われる。この前処理は有利には、既に認識されたジェスチャに同期されうる。ジェスチャ検出は、それぞれのセンサによって伝送される信号を分割/逆多重化することによって、又は複数のセンサ−信号の好ましい使用中に行うことができる。
【0030】
ジェスチャの解釈は、好ましくは、少なくとも2つ、好ましくは3つの空間座標に関してセンサ信号を生成することによって行われる。これらのセンサ信号は、好ましくは多チャネル測定システムにおいて得られる。ここで、センサ信号は、多チャネル上で並列で又は時分割多重で検出することができる。時分割多重における又はさらに周波数多重におけるシステムの励起も可能である。
【0031】
様々なセンサチャネルの搬送波変調(電極受信)信号のシフトは、特に、包絡線検出又は整流及び低域濾波(変位周波数<低域濾波周波数<搬送波周波数)によって受信低周波信号へと生じるようにすることができる。該低周波数信号の振幅は、受信センサへの接近/受信センサからの離隔に比例する。
【0032】
ジェスチャの最初及びジェスチャの最後を、以下のプロセスのうちの1つ又は組み合わせを用いて認識することが可能である。
【0033】
a.)接近検出:ジェスチャとして電界センサの信号が検出される。ここで、少なくとも1つのセンサ信号が、特定の又は適応的に自動調整するレベルを超えるか又は下回る。
【0034】
b.)動き検出:ジェスチャとして、最小変化速度での電界センサの信号が検出される。この目的のために、この信号の数学的な導出を形成することが有利である。代替的に、その導出に対応する高域濾波を実施することも可能である。
【0035】
c.)a及びbに記載の手段を組み合わせて実施することもできる。
【0036】
本発明の特定の好ましい実施の形態によれば、たとえば全てのセンサ信号の時間平均又は直流信号成分をそれぞれの単一センサの信号から減算することによって、ジェスチャ信号の正規化が行われる。
【0037】
さらに、検出されたジェスチャ信号の座標変換が可能であり、それによって、空間基準面において対応するジェスチャが示される。
【0038】
この基準ジェスチャ面は好ましくは概ね電極表面に平行で且つセンサ軸に垂直に存在しており、それによって、対応するジェスチャは常に、センサ原点から特定の距離において視覚化される。ジェスチャによって広がる領域の質量中心は有利にはセンサ軸上に存在する。
【0039】
このように変換された多次元センサ信号はしたがって、好ましくは電圧周波数変換(たとえばVCO)によって、通常50Hz〜8000Hz又は300Hz〜3400Hz(電話帯域領域)の音声周波数範囲内にある適切なトーンシーケンスに変換され、それによって、様々な(通常3つの)センサ信号は、1つのみの評価される信号(1チャネル)へと変換される。これは、次の評価ステップにおいてジェスチャ検出器によって利用可能とすることができる。
【0040】
センサ信号は、時分割多重信号として生成することができる。VCO変換によるセンサ信号の変換又は変化は好ましくは、音声周波数範囲内の毎回異なる周波数帯域内の信号をもたらす。
【0041】
ジェスチャ検出
ジェスチャの検出は、音声検出器における単語認識と同様に、好ましくは全ジェスチャの検出のためにDTW(動的タイムワーピング:Dynamic Time Warping)サンプル検出器を使用して行われる。これらの検出器のタイプは、多数の用途事例に十分な、同様に実施されるジェスチャに対する選別能力と、ひいては、相対的に際立ったジェスチャを伴うより小さなジェスチャスペクトルについての十分な識別率とによって特徴付けられる。
【0042】
DTWパターン認識の上述した手法に対する代替として、音声認識概念としても既知である、隠れマルコフモデル(HMM)検出器による方法を使用することも可能である。このタイプの音声認識では、単語は、音素、すなわち音声の原子的な準定常音に分割される。同様にジェスチャは、HMMにおいてステータス(statuses)によって表されるジェスチャ片に分割される。ジェスチャ片としてジェスチャの任意の部分を使用することができ、したがって任意のジェスチャ、好ましくは指/手/腕を使用することができる。特に、直線運動又は湾曲運動、方向の変化(たとえば手を回転させる)、(手を開くような)形の変化、及び、これらの変化の、任意の程度まで導出されると共に統合される形態(運動の長さ、速度等)である。これらのジェスチャ片は、個別に順次に検出され、HMM検出器によって再び、(訓練又は記述プロセスにおいて)規定された全ジェスチャに割り当てられる(たとえばLジェスチャ)。
【0043】
本発明に従って音声類似信号シーケンスとして生成されると共に手のジェスチャと相関する信号は、音声認識(音素分類器)と同様に、ニューラルネットワーク検出器及びジェスチャ片分類器によっても評価することができる。
【0044】
上記の手段及び他の普及している音声認識方法を組み合わせて実施し、それによって、本発明に従って音声類似信号シーケンスとして生成されるジェスチャ信号を評価して、該ジェスチャ信号を解釈することもできる。
【0045】
訓練及び検出段階の区別
検出されるジェスチャは、好ましくは少なくとも1回、適用可能である場合には複数回訓練され、マスタサンプルとしてジェスチャ検出器に保存される。同じ意味を有するが、訓練において過度に異なるとみなされるジェスチャは好ましくは拒絶される。拒絶されず、十分に類似しており、且つひいては正確な複数のジェスチャを、対応する基準信号を平均化することで統合することができる。
【0046】
訓練プロセスの代替として、基準ジェスチャを、例えばマウス/メニューに基づき、画像入力することもできる(右から左への、上から下への矢印、円等)。これらの入力ジェスチャに対して、対応して予想されるセンサ信号を求め、マスタサンプルとしてジェスチャ検出器に保存することができる。
【0047】
識別段階
識別段階中、好ましくは、ジェスチャ信号は、訓練/記述プロセスにおいて保存された基準信号モデルと比較され、最も確率が高いジェスチャが出力される。ジェスチャ信号が全ての基準信号から過度に異なる場合、「不認識」が出力される。ここで、偏差に応じて閾値を規定することができる。該閾値を用いて、誤検出(認識されたジェスチャが誤って割り当てられる)及び誤った拒絶(英語では「ミス(Miss)」)(ジェスチャが検出されず拒絶される)の確率を用途に応じて適応させることができる。
【0048】
HMM検出器の場合、最良ジェスチャの探索がビタビアルゴリズムによって有利に行われる。
【0049】
本発明による概念によって、音声認識システムにジェスチャ信号を導き、音声認識のために既に開発された認識方法によって驚くほど効率的に該ジェスチャ信号を評価することが可能である。約100kHzまでの範囲内の低周波数電界を使用するセンサ(電界センサ)は、対応する検出電極から通常50cmまでの距離における運動からの良好な検出を可能にする。
【0050】
ジェスチャを空間的に示すために、好ましくは少なくとも3つの電極が使用される。該電極はたとえばそれぞれ、距離変化の動態に相関する3つの音寄与を提供する。特に手の形も認識し、まとめて分解能を向上させ、適用可能な場合に特定の冗長性を付加するために、4つ以上の電極を使用し、したがって、必要な場合には、座標に関して過剰に測定できるシステムを作成することが有利である。
【0051】
本発明のさらなる詳細及び特徴は、図面に関連する以下の説明からもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明による移動通信装置によって入力操作のために提供される仮想入力上面と当該移動通信装置とを示す透視図である。
【図2】通信装置に対する操作を行う手の運動を検出する電極装置の構造を示す基本回路図である。
【図3】本発明による移動通信装置の回路設計構造を示す概略図である。
【図4】通信装置のための、事前製造される組み立て品として形成される本発明による入力装置であって、該入力装置はそれ自体で、電極表面を上に有する薄いロジックボードカード構造体を備え、ここで、このロジックボードカード構造体上には、電極表面によって検出される接近効果に基づいてコマンド信号を生成するASIC回路が配置される、入力装置である。
【図5】手の空間運動が3つの送信電極及び1つの受信電極によって検出され、受信電極によって検出された信号が、音声認識システムによって十分に明確に検出されることができるように生成又は変更される、本発明によるジェスチャ検出の概念を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1に表される移動通信装置は、この実施形態においては平面モニタである表示装置2を備える。移動通信装置1はこの実施形態では、その外側設計に関して、高品質の移動通信装置、特にI−Phone電話機に類似している。ディスプレイ2によってグラフィカルユーザインタフェースが示される。該グラフィカルユーザインタフェース自体は複数の操作ウィンドウを提供する。ここで、それぞれの操作ウィンドウ内で、カーソル3又は他の様態で目立っている色構造の2次元ナビゲーションが可能である。
【0054】
図1に示される移動通信装置は、該移動通信装置を、普通につかんでいるときに、残りの空いている手R(ここでは単に例示として右手とする)を用いて該手又は伸ばした人差し指Fを接触を伴わずに図1に表される仮想入力面E上で動かすことによって、ディスプレイ2によって提供されるユーザインタフェース内でカーソルを動かすか又は選択処理を行うことによって操作されうるように構成される。図1に示される実施形態では、システム調整は、仮想入力面Eの幅B及び長さLが表示装置2の幅b及び長さlよりも大きくなるように行われる。このようにして、ディスプレイのサイズを大幅に越える入力運動が可能である。移動通信装置1の入力装置はさらに、特に、操作を行う手R又は指Fの際立った運動によって入力面Eに対して垂直な方向において選択操作を行うことができる(z方向)ように構成される。
【0055】
さらに、移動通信装置1は、押しボタン4、5の形態の入力装置を備え付けられる。該押しボタンによって、さらなる入力操作を誘発することができる。移動通信装置1は、入力手Rの瞬間位置によって表示装置2内のどこにカーソル3が位置決めされるかが表示装置2上に直接示されるように構成される。装置4、5の押しボタン上でリセット処理を行うことが可能である。該リセット処理によって、操作を行う手Rの移動通信装置1に対する瞬間位置がたとえばゼロ位置と解釈されることになる。該ゼロ位置によって、たとえば、カーソル3は表示装置2の概ね中央に存在することになる。さらに、入力命令を生成するのに使用される仮想入力フィールドEの幅B及び必要な場合は長さLも、教示モードによって、たとえば、特定のキーの組み合わせにおいて、たとえば押しボタン4及び5を同時に押しながら、操作を行う手Rをまず左端に、次に右端に、続いて上端に、そして最後に下端に動かすことによって走査できるように、通信装置1を形成することが可能である。
【0056】
図1に表される移動通信装置によって、信頼可能で迅速に調整可能な入力操作を、接触を伴わずに且つ仮想入力フィールドEにおいて操作を行う手Rの相対的に粗大な運動によって行うと共に、小型でコンパクトな表示装置2において直接実現することができる。
【0057】
操作を行う手Rの運動を検出する検出手段は好ましくは、通信装置1に直接一体化される。この検出手段は特に、操作を行う手Rの運動及び位置が電界相互作用効果に基づいて検出されるように形成することができる。
【0058】
手及び指の運動に従って、表示装置の再生領域内にカーソル構造を作成することが可能である。手及び指の運動に従って、特定のメニュー項目を毎回表示装置の中央領域内に動かして、中央ウィンドウへの入力時にそれらのメニュー項目を選択することも可能である。これらの両方の手法を組み合わせることも可能であり、それによって、たとえば、特定の端部境界ゾーン、たとえばディスプレイ端部から画像領域対角線の約20%だけ離れて延在する境界線に達すると、画像領域追跡が行われ、次いで、追跡されるウィンドウにおいて再びX−Yナビゲージョン、及び適用可能な場合にはZズームも行うことができる。
【0059】
入力装置は、仮想キーボード上への書き込みをもたらすような特定の指のジェスチャも解釈するように形成することができる。表示装置2はさらに、タッチスクリーンとして形成することができる。
【0060】
図2において、好ましくは、表示装置の近くにおいて通信装置1の非導電ハウジング表面の直下において使用される電極構造体が示される。この電極構造体7によって、操作を行う手R(図1)の移動通信装置1に対するX運動及びY運動並びにZ運動を検出すると共に、ユーザインタフェース内でのナビゲーションに必要なX/Y信号、及び存在する場合はZ信号を生成することが可能である。
【0061】
電極構造体7は、給電電極装置8と、遮蔽電極装置9と、複数の検出電極11、12、13、14とを備える。給電電極装置8によって、変調された電界が生成され、該電界は通信装置1の前の、操作を行う手Rがアクセス可能な領域内に広がる。遮蔽電極装置9は、給電電極8によって生成される電界の検出電極11、12、13、14との直接の電界結合を防止する。電界電極11、12、13、14によって、操作を行う手Rの位置及び給電電極8に対する相対的運動を検出することができる。検出電極11、12、13、14はこの目的のために評価回路に取り付けられる。該評価回路は好ましくは、複数の異なる評価概念に基づいて検出事象、特にそれぞれの検出電極11、12、13、14における電界の強度を評価する。検出電極11、12、13、14は好ましくはLCネットワークの構成要素を形成する。評価概念は特に、LCネットワークの対応するセクションにおける、電流、電圧の測定と、電流及び電圧相互の位相差と、励起システムに対する位相差と、静電容量とを含むことができる。
【0062】
図3は、通信装置1の入力処理のために提供される回路構造の基本構造を非常に単純化して示す。表示装置2は、プログラムされた電子制御装置20によってトリガされる。表示装置2のこのトリガは、図3に表される実施形態では、ユーザインタフェース2上に、入力処理の実現に有利であると共に好ましくは迅速に直感的に理解可能なユーザインタフェースが形成されるように行われる。このユーザインタフェースは複数のウィンドウを形成するように特に構造化することができる。ここで、これらのウィンドウのうちの少なくとも一部は、これらのウィンドウ内でカーソル構造の2次元シフト又は対応して2次元の別のナビゲーションが可能であるように構成される。カーソル構造3を画像領域内でシフトするためのX/Y情報は、本発明によれば、移動通信装置1内に直接含まれる検出手段21によって生成される。この検出手段21は、移動通信装置1の前で表示装置の側に存在する操作空間(図1を参照されたい)において、操作を行う手の運動を可能にするように構成される。図3に示される実施形態では、入力装置21は、ユーザの操作を行う手Rの入力装置21に対するX/Y運動を検出するように構成される。この運動は好ましくは、移動通信装置1のディスプレイにおけるカーソル構造3の対応する運動によって直接視覚化される。この実施形態における移動通信装置1はさらに、出力構造体、すなわち音響信号を生成するスピーカ装置22、追加の光信号を生成する追加のLED手段23、及び好ましくは触覚信号を生成するパルスアクチュエータ24を備える。図3に示されている実施形態では、たとえば、操作を行う手Rの入力装置21に対する運動によって、表示装置2によって提供されるユーザインタフェースにおいてカーソル構造3のシフトがもたらされる。対応するメニュー項目を選択するとき、スピーカ装置2が、これに相関する音響信号、特に音設計によって規定されるキーストローク音又はビープ信号を生成する。発光ダイオード装置23によって、特定の装置状態、たとえば入力処理を行う装置の準備が整っているか否か、及び特に特定のメニューレベルも視覚化することができる。たとえば、通信装置1においてLEDチェーンによって生成される光スクロールバーを配置することが可能であり、それによって、この光スクロールバーに基づいて、いずれのユーザウィンドウレベルに現在ユーザが存在するかを直接示すことができる。このユーザレベルは、たとえば操作を行う手Rの距離をz方向(装置表面に対して概ね垂直であるか又は操作面Eに対して垂直)において変更することによって処理することができる。
【0063】
グラフィックユーザウィンドウ内で特定のキーを選択するとき、アクチュエータ装置24によって小さなパルス事象を生成することができる。該パルス事象は、或るメニュー項目が現在選択されていることをユーザに付加的に通知する。
【0064】
本発明による概念に基づいて、片手用移動電話をユーザの残りの空いている手を該移動電話の上で動かすことによって接触を伴うことなく使用することが可能であり、ここで、数字及び文字フィールドを有する比較的精巧なメニューウィンドウを、ユーザの空いている手の移動通信装置に対する比較的良好に調整される運動によって且つ特に入力を行う手が該移動通信装置に触れることなく処理することができる。
【0065】
本発明による概念は、移動電話における使用に限定されない。該概念は特に、デジタルカメラ、ゲームボーイ、及びプレイステーション、並びにそれ自体で片方の手でつかまれることができると共に通常ユーザの他方の手によって操作される他の性能が良い小型電子装置の操作にも適している。
【0066】
図4は、通信装置のための、事前製造される組み立て品として形成される本発明による入力装置を示す。該入力装置はそれ自体で、電極構造体8、9、11、12、13を上に有する薄いロジックボードカード構造体20を備える。ここで、このロジックボードカード構造体上には、電極装置によって検出される接近効果に基づいてコマンド信号を生成するためのASIC回路ACが配置される。これらのコマンド信号は、規格化されている信号標準規格、特にUSB標準規格において接続構造体ASによって利用可能とすることができる。
【0067】
接触を伴わないジェスチャ及び手の運動の検出のための本発明によるシステムを、接触検出システム、特にタッチスクリーンシステムとも組み合わせることが可能である。また、慣性センサ、特にジャイロメータによる追加の入力情報を、入力操作を行うためのハンドセットの分野において本発明による検出概念と組み合わせて処理することができる。
【0068】
図5は、本発明によるジェスチャ変換回路の第1の変形形態を視覚化する。音声処理に基本的に適していると共にそのために備え付けられる電子部品(たとえばモジュールRSC4128)はプログラム可能コントローラを備える。該プログラム可能コントローラは、ファームウェアによって命令されて、少なくとも1つのIOポートにおいて、変化する信号を生成する(1−0シーケンス)。この信号は、たとえば発光ダイオードによって光学的に、又はたとえば結合表面上に静電容量的にも放出することができる。後者の場合、該信号は交流電界を生成する。好ましくはインピーダンス変換増幅器を備え付けられる検出器は、この電界又は発光ダイオードから生じる或る量の光を受信することができる。これは、DC電圧に変えられ、該DC電圧は電圧制御発振器VCOを作動させる。たとえば人の四肢を有効領域内に導入することによる光度又は電界の変化がピッチを変化させる。該ピッチは低下するか又は上昇する可能性がある。対応するコントローラピンが一時的にのみ(たとえば40秒)駆動される場合、トーンの変化もこの時間内においてのみ生じる。最後に、それぞれのVCOを別のIOピンによってオン又はオフに切り替えることができ、それによってアイドル状態ではトーンを聞くことができなくなる。接近によって生成されるトーンシーケンスは、通常ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせから成る、通例音声処理用の分析回路に伝導され、正確には好ましくは、電界信号又は光信号も生成する同じチップ内で伝導される。複数の次元を検出することを望む場合、必要であれば、複数の電界形成電極又は発光ダイオードが設けられる。これは、順次に(=シーケンスで)駆動することができる、同じコントローラの他のIOピンを用いて行うことができる。上述の検出概念に対する代替として、光学マウスシステム又は他のカメラ装置、特に適用可能な場合には移動電話におけるカメラによってジェスチャを検出することも可能である。
【0069】
本発明による信号処理及び評価は、音声処理のための普及している分析技法によって行われる。これらの音声認識技法は、本発明によれば、まずジェスチャとの相関において、特に、ジェスチャ物体(手及び/又は指)の形、軌跡及び動態、音声類似信号シーケンス、音声のような信号シーケンスが形成されることによって、ジェスチャ検出のために使用される。これらの音声類似信号シーケンスの評価は比較的信頼可能である。これは、トーンが、たとえばむしろ母音のシーケンスとして現われ、子音及び歯擦音が欠落している可能性がある(しかし必ずしもではない)ように生成される可能性があるためである。このようにして、音声コマンド及びジェスチャコマンドを互いに混合して、それらを同時に又は順次に実施することも可能である。ニューラルネットワーク又は他の学習アルゴリズムを用いて、このようなシステムを訓練して許容閾値を調整することが可能である。
【0070】
図5に表される電子モジュールでは、たとえば3つの電界形成電極(たとえば銅表面)がそのIOポートに接続される。その近傍には検知電極が置かれる。該検知電極は、バッファ(たとえばインピーダンス変換増幅器)、ダイオード及びコンデンサから成る後続の整流回路、並びに電圧制御発振器(VCO、ここではニードルパルス生成器)において示される。この回路を用いて、接近、好ましくは人の四肢の接近によって高さが変化するトーンシーケンス(複数のトーンシーケンス)を生成することが可能である。ここで、シーケンサ回路(ソフトウェア又はハードウェア)を用いて、個々の電極表面E1〜E3を順次に駆動する。正確には時間長で1−0の繰り返し、例えば100kHzから成る交流電界で、20ミリ秒ごとに駆動する。交流電界が生じる。四肢を導入することは、入力電極面Keに対して電界を減衰させることができるか、又はブリッジとして作用することができる。両方の効果が、オンに切り替えられたVCOのピッチを変化させる。その出力はチップ内に戻り、ここで音声処理が統合される。したがって、運動のシーケンスを容易に訓練及び評価することができる。同じ入力(又は別の入力)にマイクロフォンを接続することもでき、該マイクロフォンは音声コマンドを同様に処理する。
【0071】
本発明は、非常に経済的に実現することができ、移動通信装置の場合に音声及びジェスチャの検出を共同で実現することが可能であり得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信装置であって、
片手でつかむことができるように形成されるケーシングと、
画像再生表面を提供する、前記ケーシングに一体化される表示装置と、
前記表示装置が入力モードにおいて入力図形を提供するように該表示装置を駆動する制御装置であって、前記入力図形自体は入力処理の実施を援助する、制御装置と、
手によるタイプの入力運動に従って前記入力処理を実施する入力装置と、
を備え、
前記入力装置は、該装置を意図した通りに扱うときに、前記表示装置の前に配置される領域内に入力ゾーンが提供され、該入力ゾーン内で、ユーザによって、該ユーザの空いている手で、該手によって前記表示装置又は該通信装置に触れることなく前記ケーシングに対して制御運動を行うことによって入力操作を行うことができるように形成されることを特徴とする、移動通信装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記ユーザによって行われる前記制御運動が、前記ディスプレイによって視覚化されるユーザインタフェースに反映されるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記ユーザインタフェースは、前記操作を行う手の前記通信装置に対する横方向の運動によって異なるボタンを選択することができるように構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の移動通信装置。
【請求項4】
前記ユーザインタフェースは、前記操作を行う手の縦方向の運動によって異なるボタンを選択することができるように構成されることを特徴とする、請求項1〜3の少なくとも一項に記載の移動通信装置。
【請求項5】
奥行き運動によって、前記ユーザインタフェースの異なるメニューウィンドウを選択することができることを特徴とする、請求項1〜4の少なくとも一項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記奥行き運動によって、異なるメニューウィンドウ又はフレームを選択することができることを特徴とする、請求項1〜5の少なくとも一項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記Z情報によって、前記表示装置によって視覚化される前記ユーザインタフェースの前記ズーム係数が調整されることを特徴とする、請求項1〜6の少なくとも一項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記ユーザの操作を行う手は、縦方向の運動及び横方向の運動によってウィンドウ又はフレーム内でナビゲートすることを特徴とする、請求項1〜7の少なくとも一項に記載の移動通信装置。
【請求項9】
前記システムは、検出事象によって選択コマンドが導出されるように構成されることを特徴とする、請求項1〜8の少なくとも一項に記載の移動通信装置。
【請求項10】
前記選択コマンドは、指の運動、特に前記操作を行う手の1つ又は複数の指を前記ディスプレイに向かって傾けることによって生成されることを特徴とする、請求項1〜9の少なくとも一項に記載の通信装置。
【請求項11】
入力構造体の対応する駆動による、手による選択のために、前記装置上に該入力構造体が設けられることを特徴とする、請求項1〜10の少なくとも一項に記載の通信装置。
【請求項12】
前記入力構造体はキー構造体として設計され、該キー構造体は、意図された通りに前記移動通信装置をつかんでいるときに、つかんでいる手の指、特に親指又は人差し指によって操作されることができることを特徴とする、請求項1〜11の少なくとも一項に記載の通信装置。
【請求項13】
前記入力装置は、電界相互作用効果に基づいて前記入力操作を検出する電極構造体を備えることを特徴とする、請求項1〜12の少なくとも一項に記載の通信装置。
【請求項14】
前記入力装置は第1の電極装置と第2の電極装置と第3の電極装置とを備えること、並びに、該電極に印加される電界事象の差に基づいて、前記操作を行う手の位置、及び/又は、前記通信装置に対する該操作を行う手の前記横方向の運動、前記縦方向の運動、及び/若しくは前記奥行き運動が検出されることを特徴とする、請求項1〜13の少なくとも一項に記載の通信装置。
【請求項15】
前記入力装置は、送信電極として作用すると共に前記通信装置の前の領域において電界を生成する励起電極を備えることを特徴とする、請求項1〜14の少なくとも一項に記載の通信装置。
【請求項16】
前記励起電極は、励起電界を前方へ放射するように配置されることを特徴とする、請求項1〜15の少なくとも一項に記載の通信装置。
【請求項17】
後方領域において、変動電流事象を前記ユーザのつかんでいる手に結合する結合電極を備えることを特徴とする、請求項1〜16の少なくとも一項に記載の通信装置。
【請求項18】
前記装置には、前記入力操作の実施中に音響フィードバックを生成するスピーカ装置、特に圧電スピーカが設けられることを特徴とする、請求項1〜17の少なくとも一項に記載の通信装置。
【請求項19】
前記通信装置には、触覚フィードバックを生成する装置が設けられることを特徴とする、請求項1〜18の少なくとも一項に記載の通信装置。
【請求項20】
前記通信装置には、光フィードバックを生成する装置が設けられることを特徴とする、請求項1〜19の少なくとも一項に記載の通信装置。
【請求項21】
前記通信装置は、前記操作を行う手Rによる前記入力操作のために提供される前記仮想入力面Eの寸法の長さ及び幅が前記表示装置の長さ及び幅よりも大きいように構成されることを特徴とする、請求項1〜20の少なくとも一項に記載の通信装置。
【請求項22】
前記システムは、前記操作領域が少なくとも該操作領域の幅及び/又は高さに関して、前記ディスプレイによって描画される前記グラフィック表面の幅B及び/又は高さHよりも大きいように構成されることを特徴とする、請求項1〜21の少なくとも一項に記載の通信装置。
【請求項23】
請求項1〜22の少なくとも一項に記載の通信装置のための入力装置であって、該入力装置は、電極構造体を上に有する薄いロジックボードカード構造体を備えること、及び、該ロジックボードカード構造体上に、前記電極装置によって検出される前記接近効果に基づいて前記コマンド信号を生成するASIC回路が配置されることを特徴とする、入力装置。
【請求項24】
移動通信装置の使用中に入力処理を実施する方法であって、該移動通信装置自体は、
片手でつかむことができるように形成されるケーシングと、
画像再生表面を提供する、前記ケーシングに一体化される表示装置と、
前記表示装置が入力モードにおいて入力図形を提供するように該表示装置を駆動する制御装置であって、前記入力図形自体は入力処理の実施を援助する、制御装置と、
手によるタイプの入力運動に従って前記入力処理を実施する入力装置と、
を備え、
前記入力処理は、前記装置を意図した通りに扱うときに、前記表示装置の前に配置される領域内に電界によって入力ゾーンを提供することによって行われ、該入力ゾーン内で、ユーザによって、該ユーザの空いている手で、該手によって前記表示装置又は前記通信装置に触れることなく前記ケーシングに対して制御運動を行うことによって入力操作が行われる、方法。
【請求項25】
移動通信装置であって、該移動通信装置はそれ自体に、音声認識システムと、ユーザの手のジェスチャを検出する装置とが備え付けられ、前記手のジェスチャの検出は前記音声認識システムによって行われる、移動通信装置。
【請求項26】
それ自体が手のジェスチャに従って生成される入力信号の電子信号処理によって移動通信装置において手のジェスチャコマンドの入力を実施する方法であって、
a.)前記手のジェスチャは、ユーザ側で検出システムに対して実施され、
b.)前記入力信号は、手又は該手の指の空間運動に相関する転送信号を表すように生成又は変換され、
c.)前記転送信号は、該転送信号の周波数帯が、音声認識システムがアクセス可能な前記音信号の周波数帯を検出するように生成され、
d.)前記手のジェスチャの解釈は、前記移動通信装置に一体化されるか又は該移動通信装置がアクセス可能な音声認識システムによって、音声分析手順を使用して前記転送信号に基づいて行われる、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−522492(P2010−522492A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500134(P2010−500134)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【国際出願番号】PCT/EP2008/002384
【国際公開番号】WO2008/116642
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(507113199)イデント テクノロジー アーゲー (19)
【Fターム(参考)】