説明

移載装置

【課題】物品を移載する際に、移載時間を短縮することができる移載装置を提供する。
【解決手段】上面に物品が載置された載置部に対して、物品の下方かつ載置部の側方に進入し、物品を下方から支持することで載置部から物品を受け取り、当該側方から退出するトップ部221を備える移載装置200であって、載置部の有無を検出することで、トップ部221の上面部が、載置部の上面部よりも上方にあるか否かを検出する第一検出部224と、トップ部221の上面部が載置部の上面部よりも下方に配置されているトップ部221が当該側方に進入した状態でトップ部221を上昇させ、第一検出部224が、載置部が無いと検出することで、トップ部221の上面部が載置部の上面部よりも上方にあると検出した場合、当該側方からのトップ部221の退出を開始する制御部230とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動倉庫などで物品を移載するために使用される移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を移載するための移載装置が設けられた搬送装置であるスタッカークレーンと、物品が載置される棚受けを備えたラックとを備える自動倉庫が広く実用化されている。このような自動倉庫においては、移載装置に設けられたスライドフォークで、棚受けに載置されている物品をすくい出すことで、物品が棚受けとの間で移載される。
【0003】
ここで、このスライドフォークで物品をすくい出す際に、物品が棚受けから離隔するまでスライドフォークを一定高さ上昇させていた。このため、必要のない高さまでスライドフォークを上昇させる場合があり、スライドフォークの上昇による移載時間のロスが生じていた。
【0004】
そこで、従来、スライドフォークと物品との当接が検出された時に、スライドフォークを棚受けから退出させる移載装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この従来の移載装置によれば、必要のない高さまでスライドフォークを上昇させることがなく、移載時間を短縮できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−326706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の移載装置では、移載時間が短縮されない場合があるという問題がある。
【0007】
従来の移載装置では、スライドフォークと物品との当接が検出された時に、スライドフォークを棚受けから退出させている。しかし、スライドフォークと物品との当接が検出されても、物品が棚受けから完全に離隔していない場合がある。例えば、物品の重さによりスライドフォークに撓みが生じ、検出された位置では物品が棚受けから離隔しているものの、その他の位置では物品が棚受けから離隔していない場合などである。
【0008】
この場合、物品を破損させないためには、スライドフォークを再度上昇させる必要があり、移載時間のロスが生じる。このように、従来の移載装置では、移載時間が短縮されない場合があるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、移載時間を短縮することができる移載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る移載装置は、上面に物品が載置された載置部に対して、前記物品の下方かつ前記載置部の側方に進入し、前記物品を下方から支持することで前記載置部から前記物品を受け取り、前記載置部の側方から退出するスライド部を備える移載装置であって、前記載置部の有無を検出することで、前記スライド部の上面部が、前記載置部の上面部よりも上方にあるか否かを検出する検出部と、前記スライド部の上面部が前記載置部の上面部よりも下方に配置されている前記スライド部が前記側方に進入した状態で前記スライド部を上昇させ、前記検出部が、前記載置部が無いと検出することで、前記スライド部の上面部が前記載置部の上面部よりも上方にあると検出した場合、前記側方からの前記スライド部の退出を開始する制御部とを備える。
【0011】
これによれば、スライド部の上面部が載置部の上面部よりも上方にあると検出した場合に、載置部側方からのスライド部の退出を開始する。つまり、スライド部が載置部から物品を受け取る場合に、物品が載置部から完全に離隔したときに、スライド部が退出するので、スライドフォークを再度上昇させるようなことがない。また、必要のない高さまでスライドフォークを上昇させることもない。したがって、移載時間を短縮することができる。
【0012】
また、上記構成によれば、載置部が無いと検出された場合に、スライド部の退出を開始する。このため、スライド部が載置部から物品を受け取る場合に、物品が載置されている載置部を検出することで、容易に、物品が載置部から完全に離隔したことを検知することができる。したがって、載置部からの物品の離隔を容易に検知しつつ、移載時間を短縮することができる。
【0013】
また、好ましくは、前記検出部は、前記スライド部の側面部に取り付けられ、前記スライド部の側方に配置される前記載置部の有無を検出することで、前記スライド部の上面部が前記載置部の上面部よりも上方にあるか否かを検出する。
【0014】
これによれば、検出部は、スライド部の側面部に取り付けられる。このため、スライド部に検出部を取り付けることで、スライド部に載置される物品と載置部との位置関係の把握が容易であり、スライド部の側面部に検出部を取り付けることで、当該物品が載置部から完全に離隔したことを検知し易い。したがって、載置部からの物品の離隔を容易に検知しつつ、移載時間を短縮することができる。
【0015】
また、好ましくは、前記検出部は、前記スライド部の先端部に取り付けられ、前記スライド部の先端部の上面部が、前記載置部の上面部よりも上方にあるか否かを検出する。
【0016】
これによれば、検出部は、スライド部の先端部に取り付けられる。ここで、物品が載置されたスライド部には、物品の重さで撓みが生じるため、スライド部の先端部が基端部よりも下がる。このため、スライド部の先端部に検出部を取り付けることで、物品の重さでスライド部に撓みが生じ先端部が下がった場合でも、当該物品が載置部から完全に離隔したことを容易に検知することができる。したがって、載置部からの物品の離隔を容易に検知しつつ、移載時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る移載装置によれば、物品が載置されている棚受けとの間で物品を移載する際に、移載時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態における自動倉庫の一例を示す斜視図である。
【図2】ラック及びスタッカークレーンの構成の一例を模式的に示す図である。
【図3A】スライドフォークの構成を詳細に示す図である。
【図3B】スライドフォークの構成を詳細に示す図である。
【図4】移載装置の制御部の機能を説明するブロック図である。
【図5】移載装置の制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6A】制御部がトップ部を進入させることを説明する図である。
【図6B】制御部がトップ部を載置部の側方に進入させることを説明する図である。
【図6C】制御部がトップ部を載置部の側方に進入させることを説明する図である。
【図7A】制御部がトップ部を上昇させ、第一検出部が載置部の有無を検出することを説明する図である。
【図7B】制御部がトップ部を上昇させ、第一検出部が載置部の有無を検出することを説明する図である。
【図7C】制御部がトップ部を上昇させ、第一検出部が載置部の有無を検出することを説明する図である。
【図8A】トップ部が載置部に物品を渡す場合の、移載装置の制御部が行う動作を説明する図である。
【図8B】トップ部が載置部に物品を渡す場合の、移載装置の制御部が行う動作を説明する図である。
【図8C】トップ部が載置部に物品を渡す場合の、移載装置の制御部が行う動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態における自動倉庫1の一例を示す斜視図である。
【0021】
自動倉庫1は、スタッカークレーンとラックとの間で物品の受け渡しを行う装置である。この自動倉庫1は、ラック10及びスタッカークレーン20を備えている。
【0022】
ラック10は、複数の物品30を保管する保管庫であり、複数の物品30が載置されている。
【0023】
スタッカークレーン20は、ラック10に沿って床面上に設けられる軌道上を走行し、物品30を搬送する。そして、ラック10との間で物品30の受け渡しを行う。
【0024】
図2は、ラック10及びスタッカークレーン20の構成の一例を模式的に示す図である。
【0025】
同図に示すように、ラック10は、ラック10の柱であるラック柱110と、載置部120とを備えている。
【0026】
載置部120は、2本のラック柱110の間に、一端がラック柱110に固定されて配置されている棚受けである。また、一対の載置部120の上に、物品30がパレットに載置された状態で、載置される。
【0027】
また、スタッカークレーン20は、移載装置200を備えている。移載装置200は、ラック10の載置部120との間で物品の移載を行う装置である。そして、移載装置200は、昇降台210及びスライドフォーク220を備えている。
【0028】
スライドフォーク220は、昇降台210の底面上に配置され、パレットに載置された物品30をラック10の載置部120との間で移載する。具体的には、スライドフォーク220は、物品30の下方に挿入され、物品30を載置して載置部120との間で移載する。このスライドフォーク220の詳細については、後述する。
【0029】
昇降台210は、スライドフォーク220を上昇したり、下降したりする昇降台である。
【0030】
このような構成により、スタッカークレーン20は、ラック10に沿って走行し、昇降台210が昇降することで、スライドフォーク220と載置部120との間で物品30の受け渡しが行われる。
【0031】
次に、スライドフォーク220の詳細な構成について、説明する。
【0032】
図3A及び図3Bは、スライドフォーク220の構成を詳細に示す図である。具体的には、図3Aは、図2に示されたスライドフォーク220を上方から見た平面図であり、図3Bは、図2に示されたスライドフォーク220を左側から見た側面図である。
【0033】
これらの図に示すように、スライドフォーク220は、三段式のスライドフォークであり、トップ部221、ミドル部222、ベース部223、第一検出部224及び第二検出部225を備えている。
【0034】
ベース部223は、図3Aに示されたX軸方向に延びる平板状の部位であり、昇降台210に固定されている。なお、ベース部223の形状は平板状に限定されず、ベース部223が昇降台210に固定されているのであれば、どのような形状であってもよい。
【0035】
ミドル部222は、当該X軸方向に延びる平板状の部位であり、ベース部223に対して当該X軸方向に進退する。なお、ミドル部222の形状は平板状に限定されず、ミドル部222がベース部223に対して進退するのであれば、どのような形状であってもよい。
【0036】
トップ部221は、当該X軸方向に延びる平板状の部位であり、ミドル部222に対して当該X軸方向に進退する。なお、トップ部221の形状は平板状に限定されず、トップ部221がミドル部222に対して進退するのであれば、どのような形状であってもよい。
【0037】
つまり、トップ部221は、物品が載置された載置部120に対して進退し、載置部120から物品を受け取る。具体的には、トップ部221は、載置部120の側方に進入し、物品30を下方から支持することで載置部120から物品30を受け取り、載置部120の側方から退出する。このトップ部221の動きの詳細については、後述する。ここで、トップ部221は、特許請求の範囲に記載の「スライド部」に相当する。
【0038】
第一検出部224は、トップ部221の上面部が、載置部120の上面部よりも上方にあるか否かを検出する検出センサである。第一検出部224は、トップ部221の先端部の側面部の上部に取り付けられている。つまり、第一検出部224は、トップ部221の先端部の上面部が、載置部120の上面部よりも上方にあるか否かを検出する。
【0039】
具体的には、第一検出部224は、トップ部221の側方に配置される載置部120の有無を検出することで、トップ部221の上面部が、載置部120の上面部よりも上方にあるか否かを検出する。ここで、第一検出部224は、例えば、光電センサである。この第一検出部224が行う検出の詳細については、後述する。また、第一検出部224は、特許請求の範囲に記載の「検出部」に相当する。
【0040】
第二検出部225は、トップ部221の上面部が、載置部120の上面部よりも下方にあるか否かを検出する検出センサである。第二検出部225は、トップ部221の基端部の側面部の上部に取り付けられている。つまり、第二検出部225は、トップ部221の基端部の上面部が、載置部120の上面部よりも下方にあるか否かを検出する。
【0041】
具体的には、第二検出部225は、トップ部221の側方に配置される載置部120の有無を検出することで、トップ部221の上面部が、載置部120の上面部よりも下方にあるか否かを検出する。ここで、第二検出部225は、例えば、光電センサである。この第二検出部225が行う検出の詳細については、後述する。
【0042】
また、移載装置200は、さらに、移載の際に制御を行う制御部230を備えている。
【0043】
図4は、移載装置200の制御部230の機能を説明するブロック図である。
【0044】
同図に示す制御部230は、第一検出部224及び第二検出部225の検出結果に従って、トップ部221を進退させ、また、昇降台210を昇降させることでトップ部221を昇降させる。この制御部230の制御により、スライドフォーク220のトップ部221と載置部120との間で、物品30が移載される。
【0045】
具体的には、制御部230は、トップ部221が載置部120から物品30を受け取る場合、トップ部221を上昇させ、トップ部221に物品30が載置されて載置部120から物品30が離隔すれば、トップ部221を退出させる。
【0046】
つまり、制御部230は、トップ部221の上面部が載置部120の上面部よりも下方に配置されるようにトップ部221が載置部120の側方に進入した状態でトップ部221を上昇させ、第一検出部224が、トップ部221の上面部が載置部120の上面部よりも上方にあると検出した場合、載置部120の側方からのトップ部221の退出を開始する。具体的には、制御部230は、第一検出部224が載置部120が無いと検出した場合、トップ部221の退出を開始する。
【0047】
また、制御部230は、トップ部221が載置部120に物品30を渡す場合、トップ部221を下降させ、載置部120に物品30が載置されてトップ部221から物品30が離隔すれば、トップ部221を退出させる。
【0048】
つまり、制御部230は、トップ部221の上面部が載置部120の上面部よりも上方に配置されるようにトップ部221が載置部120の側方に進入した状態でトップ部221を下降させ、第二検出部225が、トップ部221の上面部が載置部120の上面部よりも下方にあると検出した場合、載置部120の側方からのトップ部221の退出を開始する。具体的には、制御部230は、第二検出部225が載置部120が有ると検出した場合、トップ部221の退出を開始する。
【0049】
次に、図5〜図8Cを用いて、移載装置200の制御部230が行う動作について、詳細に説明する。
【0050】
図5は、移載装置200の制御部230の動作の一例を示すフローチャートである。具体的には、同図は、トップ部221が載置部120から物品30を受け取る場合の、制御部230の動作の一例を示すフローチャートである。
【0051】
同図に示すように、まず、制御部230は、昇降台210を昇降させる(S102)。具体的には、制御部230は、トップ部221の上面部が載置部120の上面部よりも下方になるように、昇降台210を昇降させる。
【0052】
そして、制御部230は、トップ部221を載置部120の側方に進入させる(S104)。
【0053】
図6A〜図6Cは、制御部230がトップ部221を載置部120の側方に進入させることを説明する図である。
【0054】
まず、図6Aに示すように、スライドフォーク220は物品30が載置されている載置部120の前に配置されており、制御部230は、トップ部221の上面部が載置部120の上面部よりも下方になるように、昇降台210を昇降している。
【0055】
そして、制御部230は、トップ部221を載置部120に向けて、同図に示すX軸方向に前進させる。
【0056】
そして、図6Bに示すように、制御部230は、トップ部221を載置部120に向けて、同図に示すX軸方向にさらに前進させることで、トップ部221を載置部120の側方に進入させる。
【0057】
これにより、図6Cに示すように、トップ部221は、載置部120の側方(一対の載置部120の間)に配置される。このため、第一検出部224は、載置部120が有ると検出する。
【0058】
図5に戻り、次に、制御部230は、トップ部221を上昇させる(S106)。
【0059】
そして、第一検出部224は、載置部120の有無を検出する(S108)。第一検出部224が、載置部120が有ると検出している間は、制御部230は、トップ部221を継続して上昇させる(S106)。
【0060】
図7A〜図7Cは、制御部230がトップ部221を上昇させ、第一検出部224が載置部120の有無を検出することを説明する図である。
【0061】
具体的には、これらの図は、図6Cに示された載置部120及びトップ部221を左側から見た図である。また、これらの図の(a)は、トップ部221の先端部の位置(第一検出部224での位置)での図であり、(b)は、トップ部221の基端部の位置(第二検出部225での位置)での図である。
【0062】
まず、図7Aに示すように、トップ部221は、トップ部221の上面部が載置部120の上面部よりも下方になるように、載置部120の側方(一対の載置部120の間)に配置されており、第一検出部224は、載置部120が有ると検出している。このため、制御部230は、トップ部221を上昇させる。
【0063】
そして、図7Bに示すように、トップ部221に物品30が載置される。ここで、物品30の重さにより、スライドフォーク220が撓む。
【0064】
つまり、同図の(b)に示されるように、トップ部221の基端部では、トップ部221が上昇することで、トップ部221に物品30が載置され、物品30が載置部120から離隔する。しかし、スライドフォーク220の撓みにより、同図の(a)に示されるように、トップ部221の先端部では、物品30は載置部120から離隔しない。つまり、第一検出部224は、載置部120を検出している。
【0065】
したがって、第一検出部224は、載置部120が有ると検出し、制御部230は、トップ部221を、さらに上昇させる。
【0066】
そして、図7Cの(a)に示すように、トップ部221の先端部の上面部が載置部120の上面部よりも上方になる高さまでトップ部221が上昇する。つまり、第一検出部224は、載置部120を検出できなくなる。このため、第一検出部224は、載置部120が無いと検出する。
【0067】
つまり、トップ部221の先端部で、物品30が載置部120から離隔する。また、同図の(b)に示されるように、トップ部221の基端部でも、物品30が載置部120から離隔しているため、物品30は載置部120から完全に離隔している。
【0068】
図5に戻り、第一検出部224が、載置部120が無いと検出した場合は、制御部230は、トップ部221の上昇を停止させ、トップ部221を載置部120の側方から退出させる(S108)。
【0069】
なお、制御部230は、第一検出部224が、載置部120が無いと検出した時点で、トップ部221の上昇を停止させなくてもよい。例えば、第一検出部224が、載置部120が無いと検出した場合、制御部230は、トップ部221の上昇を継続させつつトップ部221の退出を開始してもよい。
【0070】
これにより、例えば、より安全に、物品の載置部120からの受け取りを行うことができる。
【0071】
以上により、トップ部221が載置部120から物品30を受け取る場合の、移載装置200の制御部230が行う動作は終了する。
【0072】
次に、トップ部221が載置部120に物品30を渡す場合の、移載装置200の制御部230が行う動作を説明する。
【0073】
図8A〜図8Cは、トップ部221が載置部120に物品30を渡す場合の、移載装置200の制御部230が行う動作を説明する図である。
【0074】
具体的には、これらの図は、図7Cに示された状態から、トップ部221が載置部120に物品30を渡す場合の、制御部230が行う動作を説明する図である。また、これらの図の(a)は、トップ部221の先端部の位置(第一検出部224での位置)での図であり、(b)は、トップ部221の基端部の位置(第二検出部225での位置)での図である。
【0075】
まず、図7Cに示された状態では、トップ部221は、トップ部221の上面部が載置部120の上面部よりも上方になるように、載置部120の側方(一対の載置部120の間)に配置されており、第二検出部225は、載置部120が無いと検出している。このため、制御部230は、トップ部221を下降させる。
【0076】
そして、図8Aの(a)に示すように、トップ部221の基端部では、載置部120に物品30が載置される。しかし、物品30の重さにより、スライドフォーク220が撓んでいる。
【0077】
このため、同図の(b)に示すように、トップ部221の基端部では、載置部120に物品30が載置されていない。つまり、第二検出部225は、載置部120を検出していない。
【0078】
したがって、第二検出部225は、載置部120が無いと検出し、制御部230は、トップ部221を、さらに下降させる。
【0079】
そして、図8Bに示すように、トップ部221の先端部及び基端部で、載置部120に物品30が載置される。つまり、同図の(b)に示すように、第二検出部225は、載置部120を検出する。このため、第二検出部225は、載置部120が有ると検出する。
【0080】
そして、図8Cに示すように、制御部230は、トップ部221を余裕分である所定量だけさらに下降させて、トップ部221と物品30とを完全に離隔した後、トップ部221の下降を停止させ、トップ部221を載置部120の側方から退出させる。
【0081】
以上により、トップ部221が載置部120に物品30を渡す場合の、移載装置200の制御部230が行う動作は終了する。
【0082】
以上の本発明に係る移載装置200によれば、第一検出部224が、トップ部221の上面部が載置部120の上面部よりも上方にあると検出した場合に、制御部230が載置部120側方からのトップ部221の退出を開始する。つまり、トップ部221が載置部120から物品30を受け取る場合に、物品30が載置部120から完全に離隔したときに、トップ部221が退出するので、スライドフォーク220を再度上昇させるようなことがない。また、必要のない高さまでスライドフォーク220を上昇させることもない。
【0083】
また、第一検出部224が、載置部120が無いと検出した場合に、制御部230がトップ部221の退出を開始する。このため、トップ部221が載置部120から物品30を受け取る場合に、第一検出部224が、物品30が載置されている載置部120を検出することで、容易に、物品30が載置部120から完全に離隔したことを検知することができる。
【0084】
また、第一検出部224は、トップ部221の側面部に取り付けられる。このため、トップ部221に第一検出部224を取り付けることで、トップ部221に載置される物品30と載置部120との位置関係の把握が容易であり、トップ部221の側面部に第一検出部224を取り付けることで、物品30が載置部120から完全に離隔したことを検知し易い。
【0085】
また、第一検出部224は、トップ部221の先端部に取り付けられる。ここで、物品30が載置されたトップ部221には、物品30の重さで撓みが生じるため、トップ部221の先端部が基端部よりも下がる。このため、トップ部221の先端部に第一検出部224を取り付けることで、物品30の重さでトップ部221に撓みが生じ先端部が下がった場合でも、物品30が載置部120から完全に離隔したことを容易に検知することができる。
【0086】
また、第二検出部225が、トップ部221の上面部が載置部120の上面部よりも下方にあると検出したことに応じて、制御部230が載置部120側方からのトップ部221の退出を開始する。つまり、トップ部221が載置部120に物品30を渡す場合に、物品30がトップ部221から完全に離隔したときに、トップ部221が退出するので、スライドフォーク220を再度下降させるようなことがない。また、必要のない高さまでスライドフォーク220を下降させることもない。
【0087】
また、第二検出部225が、載置部120が有ると検出した場合に、制御部230がトップ部221の退出を開始する。このため、トップ部221が載置部120に物品30を渡す場合に、第二検出部225が載置部120を検出することで、容易に、物品30がトップ部221から完全に離隔したことを検知することができる。
【0088】
また、第二検出部225は、トップ部221の側面部に取り付けられる。このため、トップ部221に第二検出部225を取り付けることで、トップ部221に載置されている物品30と載置部120との位置関係の把握が容易であり、トップ部221の側面部に第二検出部225を取り付けることで、物品30がトップ部221から完全に離隔したことを検知し易い。
【0089】
また、第二検出部225は、トップ部221の基端部に取り付けられる。ここで、物品30が載置されたトップ部221には、物品30の重さで撓みが生じるため、トップ部221の先端部が基端部よりも下がる。このため、トップ部221の基端部に第二検出部225を取り付けることで、物品30の重さでトップ部221に撓みが生じ先端部が下がった場合でも、物品30がトップ部221から完全に離隔したことを容易に検知することができる。
【0090】
なお、スライドフォーク220が、スライドフォーク220の両サイドに配置された棚に対して移載可能である場合を想定する。例えば、図6Aにおいて、スライドフォーク220の右側にも載置部120が存在し、スライドフォーク220がこの載置部120に対しても物品30の受け渡しが可能である場合を想定する。
【0091】
この場合、スライドフォーク220の右側の載置部120に対して、第二検出部225は先端側であり、第一検出部224は基端側となる。そのため、この場合、第一検出部224および第二検出部225の機能は入れ替わる。つまり、第一検出部224は基端側の検出部として機能し、第二検出部225は先端側の検出部として機能する。
【0092】
以上のように、本発明によれば、載置部120又はトップ部221からの物品30の離隔を容易に検知しつつ、移載時間を短縮することができる移載装置200を構成することができる。
【0093】
以上、本発明に係る移載装置200について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0094】
つまり、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0095】
たとえば、本実施の形態では、スライドフォーク220は、三段式のスライドフォークであることにした。しかし、スライドフォーク220は、二段、又は四段以上のスライドフォークであってもよい。
【0096】
また、本実施の形態では、第一検出部224は、トップ部221の先端部の側面部の上部に設けられ、第二検出部225は、トップ部221の基端部の側面部の上部に設けられていることとした。しかし、第一検出部224及び第二検出部225は、載置部120の有無を検出することができるのであれば、設けられる位置は限定されない。
【0097】
また、本実施の形態では、第一検出部224及び第二検出部225は、スライドフォーク220に設けられ、載置部120の有無を検出することとした。しかし、第一検出部224及び第二検出部225は、載置部120に設けられることとし、スライドフォーク220の有無を検出することにしてもよい。
【0098】
また、本実施の形態では、第一検出部224及び第二検出部225は、載置部120の有無を検出することで、トップ部221の上面部が載置部120の上面部よりも上方又は下方にあるか否かを検出することとした。しかし、第一検出部224及び第二検出部225は、スライドフォーク220と載置部120との相対位置を検出することで、トップ部221の上面部が載置部120の上面部よりも上方又は下方にあるか否かを検出することにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、自動倉庫の移載装置として、特に、移載時間を短縮することができる移載装置として、利用することができる。
【符号の説明】
【0100】
1 自動倉庫
10 ラック
20 スタッカークレーン
30 物品
110 ラック柱
120 載置部
200 移載装置
210 昇降台
220 スライドフォーク
221 トップ部
222 ミドル部
223 ベース部
224 第一検出部
225 第二検出部
230 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に物品が載置された載置部に対して、前記物品の下方かつ前記載置部の側方に進入し、前記物品を下方から支持することで前記載置部から前記物品を受け取り、前記載置部の側方から退出するスライド部を備える移載装置であって、
前記載置部の有無を検出することで、前記スライド部の上面部が、前記載置部の上面部よりも上方にあるか否かを検出する検出部と、
前記スライド部の上面部が前記載置部の上面部よりも下方に配置されている前記スライド部が前記側方に進入した状態で前記スライド部を上昇させ、前記検出部が、前記載置部が無いと検出することで、前記スライド部の上面部が前記載置部の上面部よりも上方にあると検出した場合、前記側方からの前記スライド部の退出を開始する制御部と
を備える移載装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記スライド部の側面部に取り付けられ、前記スライド部の側方に配置される前記載置部の有無を検出することで、前記スライド部の上面部が前記載置部の上面部よりも上方にあるか否かを検出する
請求項1に記載の移載装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記スライド部の先端部に取り付けられ、前記スライド部の先端部の上面部が、前記載置部の上面部よりも上方にあるか否かを検出する
請求項1または2に記載の移載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【公開番号】特開2011−11882(P2011−11882A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−158296(P2009−158296)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】