説明

種子の育成方法、種子育成装置およびマーキング装置

【課題】 インターネットに接続した端末や表示装置、印刷装置、または地中深くに埋める頑丈な保管器等を必要とせずに、所定の期間の後に相手に自分の気持ちまたはメッセージ等を伝えることを可能とする種子の育成方法、種子育成装置およびマーキング装置を提供する。
【解決手段】 種子育成装置20は、図柄15を形成する表面11を有した子葉を含む種子10と、種子10を育成する土壌25と、種子10が埋め込まれた土壌25を収容する容器27とを備え、種子10は、容器27の蓋を開封した後、所定の期間を経て発芽する。土壌25から現れた子葉に図柄15が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発芽すると子葉に図柄が表示される種子の育成方法、種子育成装置およびマーキング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の期間を経てから相手に自分の気持ちまたはメッセージ等を伝えるものとして、インターネット上で、指定された日時に相手にメッセージを送信するグリーティングカードサービス等が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、例えば、学校の卒業記念に10年後に開封することを目的とし、10年後の同級生に宛てた手紙、作文等を箱や袋に収納し校庭に埋めるタイムカプセル等が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−099490号公報
【特許文献2】特開2000−046976号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、インターネット上で、指定された日時にメッセージを送信するグリーティングカードサービスは、インターネットに接続してメッセージを受信する端末が必要であり、メッセージは電子データとして伝送されるため、受け取ったメッセージを読み取るためには、さらに表示装置または印刷装置がなくてはならないという課題があった。
【0006】
また、タイムカプセルにあっては、インターネットを介してメッセージを受信する端末や、受け取ったメッセージを読み取るための表示装置または印刷装置等は不要であるが、手紙や作文等を長期間にわたって収納することができる頑丈な保管器を必要とし、さらに、メッセージを回収するためには、地中深くに埋められた保管器を再び掘り返さなければならないという課題があった。
【0007】
本発明は、これらの課題を解決するためになされたもので、インターネットに接続した端末や表示装置、印刷装置、または地中深くに埋める頑丈な保管器等を必要とせずに、所定の期間の後に相手に自分の気持ちまたはメッセージ等を伝えることを可能とする種子の育成方法、種子育成装置およびマーキング装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の種子の育成方法は、植物の種子の表面に図柄を形成し、前記種子を適度な育成環境で育成し、前記種子が所定の期間を経て発芽すると前記図柄が表示されることを特徴とする構成を有している。
この構成により、所定の期間を経た後に、意図する図柄を発芽した植物の種子に表示することが可能になる。
【0009】
この結果、インターネットに接続した端末や表示装置、印刷装置、または地中深くに埋める頑丈な保管器等を必要とせずに、環境に優しく、安価な方法で所定の期間の後に相手に自分の気持ちまたはメッセージ等を伝えることができる。
【0010】
本発明の種子の育成方法は、前記植物が子葉植物であり、前記図柄は前記種子の子葉の表面に形成されることを特徴とする構成を有している。
この構成により、所定の期間を経た後に、意図する図柄を発芽した子葉の表面に表示することが可能になる。
【0011】
また、本発明の種子の育成方法は、前記図柄は特定のメッセージを含意することを特徴とする構成を有している。
この構成により、所定の期間を経た後に、発芽した子葉の表面の図柄から特定のメッセージを伝えることが可能になる。
【0012】
また、本発明の種子の育成方法は、前記図柄は前記種子の子葉の表面にレーザによりマーキングされて形成されることを特徴とする構成を有している。
この構成により、種子に任意の図柄を形成することが可能になる。
【0013】
また、本発明の種子育成装置は、前記容器を密封する蓋を有し、前記種子を育成する際には前記蓋を開封するものから構成されている。
この構成により、所定の期間を経た後に、意図する図柄を発芽した子葉の表示することが可能になるだけでなく、種子育成装置により育成する環境を調整することにより、メッセージを伝える期間を変更することが可能になる。
【0014】
また、本発明の種子育成装置は、上述した種子が収納される種子育成装置であって、前記種子を育成する土壌と、前記土壌を収容する容器とを備えた種子育成装置に埋め込まれて育成されるものから構成されている。
この構成により、蓋を開封せずに保つことにより、種子を発芽させずに保存することができるため、メッセージを伝える期間を長期間延長することが可能になる。
【0015】
また、本発明の種子育成装置は、上述した種子が収納される種子育成装置であって、底部に水抜き用の開口部が形成された容器と、前記容器の下部に着脱自在に装着され、前記開口部を閉塞する底部キャップ部と、前記容器に収納され、前記種子を含有する土壌と、前記容器内の底部に装着され、前記開口部を閉塞する板状の閉塞部材と、前記土壌の上部に位置するように前記容器に収納された板状の除湿材と、前記容器の上部に着脱自在に装着され、前記容器を密閉する蓋とを備えたものから構成されている。
【0016】
この構成により、蓋を開封しない状態では、除湿材によって土壌の湿気を除去することができるので、種子を良好に保存することができるとともに害虫の発生を防止することができる。このとき、蓋を開封する時期を適宜選択することにより、メッセージを伝える期間を長期間延長することが可能になる。
【0017】
また、種子を発芽させる場合には、容器から蓋、除湿材および底部キャップ部を取り外して土壌に水をかけると、土壌に水が十分に染み込みつつ、水抜き用の開口部から水が抜ける。この後、容器に底部キャップ部を取付けることにより、種子を育成する。
【0018】
この結果、所定の期間を経た後に、意図する図柄を発芽した植物の種子に表示することができ、インターネットに接続した端末や表示装置、印刷装置、または地中深くに埋める頑丈な保管器等を必要とせずに、環境に優しく、安価な方法で所定の期間の後に相手に自分の気持ちまたはメッセージ等を伝えることができる。
【0019】
また、蓋を容器に着脱自在にしたので、プルトップ式の容器に比べて、子供等が蓋を開封したときに、切り口で指を損傷するおそれがなく、安全な種子育成装置を提供することができる。
【0020】
また、本発明の種子育成装置は、上述した種子が収納される種子育成装置であって、底部に水抜き用の開口部が形成された容器と、前記容器に収納され、前記種子を含有する土壌と、前記容器内の底部に装着され、前記開口部を閉塞する板状の閉塞部材と、前記土壌の上部に位置するように前記容器に収納された板状の除湿材と、前記容器の上部に着脱自在に装着され、前記容器を密閉する蓋とを備え、前記蓋を前記容器の下部に着脱自在にしたものから構成されている。
【0021】
この構成により、蓋を開封しない状態では、除湿材によって土壌の湿気を除去することができるので、種子を良好に保存することができるとともに害虫の発生を防止することができる。このとき、蓋を開封する時期を適宜選択することにより、メッセージを伝える期間を長期間延長することが可能になる。
【0022】
また、種子を発芽させる場合には、容器から蓋、除湿材および底部キャップ部を取り外して土壌に水をかけると、土壌に水が十分に染み込み、余剰の水が水抜き用の開口部から抜けることにより、種子を育成する環境が整う。このとき、開口部から排出された水が底部キャップ部により外部に漏出するのを防止することができる。
【0023】
この結果、所定の期間を経た後に、意図する図柄を発芽した植物の種子に表示することができ、インターネットに接続した端末や表示装置、印刷装置、または地中深くに埋める頑丈な保管器等を必要とせずに、環境に優しく、安価な方法で所定の期間の後に相手に自分の気持ちまたはメッセージ等を伝えることができる。
【0024】
また、蓋を容器に着脱自在にしたので、プルトップ式の容器に比べて、子供等が蓋を開封したときに、切り口で指を損傷するおそれがなく、安全な種子育成装置を提供することができる。
【0025】
また、蓋を前記容器の下部に着脱自在にしたので、容器を開封した後に、蓋を容器の下部に取付けて開口部を閉塞する底部キャップ部にすることができ、開口部から排出される水が外部に漏れるのを防止することができる。また、蓋と底部キャップ部とを兼用することができるので、種子育成装置の製造コストを低減することができる。
【0026】
また、本発明の種子育成装置の前記種子は、前記容器の高さAに対して、2/3Aの高さに位置するものから構成されている。
この構成により、種子を良好に発育させることができる。ここで、種子の位置を容器の高さAに対して2/3Aよりも高くした場合には、種子の発芽率が低下し、種子の位置を容器の高さAに対して2/3Aよりも低くした場合には、種子が発芽する前に腐ってしまうことが実験で確認された。
【0027】
また、本発明の種子育成装置は、前記種子の周囲の前記土壌に吸水材が含有されるものから構成されている。
この構成により、種子の周囲に存在する吸水材に水を十分に含ませることができるので、種子に水を十分に与えることができ、種子の発芽を良好なものにすることができる。
【0028】
また、本発明の種子育成装置の前記容器は、玩具形状に形成される。
この構成により、容器をアニメや映画等に登場するキャラクタやアイドルのキャラクタ等から構成することにより、種子の育成と共に容器を見て楽しむことができる。
【0029】
また、本発明の種子育成装置は、前記蓋に、硬貨を挿通可能な挿通部が形成されるものから構成されている。
【0030】
この構成により、植物が枯れた後に、使用済みの容器を貯金箱として再利用することができるので、ごみを少なくすることができるとともに資源の無駄を少なくすることができる。
【0031】
また、本発明の種子育成装置は、土壌を固めて構成された鉢を備え、少なくとも前記種子を含有した前記土壌を前記鉢に収納するとともに、前記鉢を前記容器に着脱自在に収納したものから構成されている。
【0032】
この構成により、植物が成長して大きくなったとき、例えば、種子育成装置を部屋に置けるスペースが少なくなったときに、容器から鉢を取り外して鉢と共に植物を庭に植えることができ、種子育成装置が邪魔になるような事態が発生するのを抑制することができる。
【0033】
また、本発明の種子育成装置の前記蓋は、ヒンジを介して前記容器に連結されるものから構成されている。
この構成により、蓋を簡単に開けることができるとともに、容器から取り外された蓋を紛失してしまうのを防止することができる。
【0034】
また、本発明の種子育成装置の前記容器は、他の容器に結合される結合手段を備えたものから構成されている。
この構成により、個々の容器の形状を、例えば三角柱にして容器同士を連結することにより、任意の形状の種子育成装置を構築することができ、多様性のある観賞用の種子育成装置を提供して楽しむことができる。
【0035】
また、本発明の種子育成装置の前記容器は、前記容器は、一端部に第1の開口部を有するとともに少なくとも前記土壌および前記種子を収納する第1の容器と、一端部に第2の開口部を有し、前記第1の開口部周縁を前記第2の開口部の周縁に接続することにより、前記第1の容器に着脱自在に装着される第2の容器と、前記第1の容器の他端部に形成された水抜き用の開口部と、前記水抜き用の開口部の周囲の前記第1の開口部の底部に形成された第1の係合部と、前記第2の容器の他端部に設けられた前記蓋と、前記蓋の装着面に形成され、前記蓋が取り外された状態で前記第1の係合部に係合する第2の係合部とを備えたものから構成されている。
【0036】
この構成により、第1の容器と第2の容器を分離した後、第1の容器の第1の係合部に第2の容器の第2の係合部を係合することにより、第1の容器の第1の開口部が上方に開口するとともに、第2の容器の第2の開口部が載置面に対向し、第1の容器が第2の容器の上方に位置する。この状態で第1の容器に収納された種子が育成する。また、第1の容器の水抜き用の開口部から第2の容器内に水が排出されるので、排出された水が第2の容器により外部に漏出するのを防止することができる。
【0037】
また、本発明の種子育成装置は、前記第1の容器の前記第1の開口部を閉塞する中蓋を有し、前記中蓋と前記第2の容器の内部とに、前記中蓋を前記第2の容器の内部に係合する係合手段を有するものから構成されている。
【0038】
この構成により、第1の容器内に収納された土壌が第2の容器側に移動するのを防止することができるとともに、第2の容器と中蓋の間に、水抜き用の開口部から流下した水を貯留する閉空間を形成することができる。
【0039】
また、本発明の種子育成装置は、前記第2の容器内に玩具が収納されるものから構成されている。
この構成により、第2の容器の空きスペースに玩具を収納することができるので、種子育成装置を購入した人を楽しませることができる。
【0040】
また、本発明の種子育成装置は、上述した種子育成装置であって、第1の容器と、前記容器に収納された第2の容器と、前記第2の容器に収納され、前記種子を含有する土壌と、前記第2の容器の底部に形成された水供給用の開口部と、前記第2の容器の上部に形成されたシート部材と、前記容器を密閉する蓋とを備え、前記シート部材は、発芽した子葉によって突き破られる材料からなるものから構成されている。
【0041】
この構成により、蓋を開封せずに保つことにより、種子を発芽させずに保存することができるため、メッセージを伝える期間を長期間延長することが可能になる。
【0042】
また、種子を発芽させる場合には、第1の容器から蓋を取り外して第1の容器内に水を入れると、第2の容器の水供給用の開口部から水が土壌に十分に染み込み、種子を育成する環境が整う。
【0043】
また、土壌が収納された第2の容器の上部にシート部材が設けられるので、種子の育成を開始するときに、土壌が第2の容器から漏れて周囲を汚してしまうのを防止することができる。また、種子の育成開始後にはシート部材が発芽した子葉によって突き破られるので、発芽に支障を来すことがない。
【0044】
この結果、所定の期間を経た後に、意図する図柄を発芽した植物の種子に表示することができ、インターネットに接続した端末や表示装置、印刷装置、または地中深くに埋める頑丈な保管器等を必要とせずに、環境に優しく、安価な方法で所定の期間の後に相手に自分の気持ちまたはメッセージ等を伝えることができる。
【0045】
また、蓋を第1の容器に着脱自在にしたので、プルトップ式の容器に比べて、子供等が蓋を開封したときに、切り口で指を損傷するおそれがなく、安全な種子育成装置を提供することができる。
【0046】
また、本発明の種子育成装置の前記第2の容器は、土壌を固めた鉢から構成されている。
この構成により、植物が成長して大きくなったとき、例えば、種子育成装置を部屋に置けるスペースが少なくなったときに、容器から鉢を取り外して鉢と共に植物を庭に植えることができ、種子育成装置が邪魔になるような事態が発生するのを抑制することができる。
【0047】
また、本発明のマーキング装置は、上述した種子の子葉の表面にレーザによりマーキングを行うマーキング装置であって、複数の開口部が形成され、前記開口部に前記種子が位置するようにして前記種子を挟持する一対の支持基板と、前記一対の支持基板を保持する保持手段と、前記開口部を通して前記種子の子葉にレーザ光を照射するレーザ光照射手段とを備え、前記保持手段またはレーザ光照射手段の何れか一方を移動制御することにより、前記子葉の表面に前記図柄をマーキングするものから構成されている。
【0048】
この構成により、開口部に種子が位置するようにして種子を一対の支持基板によって挟持し、開口部を通して種子の子葉にレーザ光を照射することにより、子葉の表面に図柄をマーキングするので、多数の子葉の表面にマーキングをすることができ、図柄付きの種子の生産性を向上させることができる。
【0049】
また、開口部を通して種子の子葉にレーザ光を照射することができるので、レーザ照射手段に対して一対の支持基板の向き(表裏面)を変えることにより、子葉の両面にマーキングを行うことができる。
【0050】
また、本発明のマーキング装置は、前記種子の子葉の表面の掘り込みの深さは、0.3mm〜0.55mmの間に設定されるものから構成されている。
この構成により、所定の期間を経た後に、意図する図柄を発芽した子葉の表面に確実に表示することができる。ここで、種子の子葉の表面の掘り込みの深さを0.3mm〜0.55mmの間に設定したのは、子葉の厚みが0.3mm〜0.55mm程度であることが多いからである。
【0051】
仮に、掘り込みの深さを0.3mm以下にした場合には、発芽した子葉にマーキングが表示されないので好ましくなく、掘り込みの深さが0.55mm以上であると、種子内部の胚にまでマーキングが行われてしまい、種子が傷付いて発芽しないことがあるので、好ましくない。
【発明の効果】
【0052】
本発明の種子育成方法、種子育成装置およびマーキング装置によれば、インターネットに接続した端末や表示装置、印刷装置、または地中深くに埋める頑丈な保管器等を必要とせずに、環境に優しく安価な方法で所定の期間の後に相手に自分の気持ちまたはメッセージ等を伝えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図5は、本発明に係る種子育成方法およびマーキング装置の一実施の形態を示す図である。
【0054】
まず、構成を説明する。図1に示される種子10は、ダイズ、ヒマワリ等、子葉を有する種類の種子で、フジマメ等が好ましい。種子表面11には図柄15が形成されている。一般的に、種子10は種皮と子葉、胚等から構成されているが、本実施の形態では、種子表面11とは、種皮および子葉の表面を意味するものとする。種子10は、所定の期間を経て発芽する。この発芽期間は種子により異なり、例えばフジマメの場合、4日程度である。
【0055】
図柄15を種子表面11に形成する方法としては、公知のレーザによるマーキングが好ましい。レーザによりマーキングを行う場合、照射するレーザの強度は、子葉を含む種子表面11の一部を種子が発芽した際に消えることのないように適度な深さに溶解する程度とする。種子内部の胚を傷付けることのないようにする。あるいは、種子表面11の一部を同様の程度に刻む方法で代用しても良い。また、別の方法としては、子葉の表面に塗料を塗布しても良い。この場合は、子葉に塗料を塗布する前に、種皮を剥がす、または切り込みを入れておく。
【0056】
種子表面11に形成する図柄15は、特定のメッセージを含意することが好ましい。例えば、I Love You等の文字であっても良いし、I?You(注;?はハートマークと置き換えるものとする)等のメッセージを連想させる図柄であっても良い。
【0057】
このような種子10を発芽に適した土壌に埋めて、温度、湿度、空気等、発芽に適した環境を整えると、種子10に固有の発芽期間を経て発芽する。土壌から子葉が現れると、種子表面11に形成された図柄15が可視可能になる。
【0058】
図柄15には、自分の気持ちやメッセージを含意させることができるため、メッセージを伝える相手には、図柄付き種子10の表面11を見せないようにして土壌に埋めておけば、種子10が発芽に要する所定の期間の後に相手に自分の気持ちまたはメッセージ等を伝えることが可能となる。
【0059】
発芽期間は種子、および種子を育成する環境により異なることから、適当な種子を選択する、または、種子を埋める土壌、温度、湿度、空気等の育成環境を考慮して調整することにより、メッセージを伝える期間を変更することが可能である。
また、種子表面11には図柄15をレーザや塗料等により容易に形成することができるため、比較的安価に図柄付き種子10を製造することが可能である。
【0060】
このように本実施の形態によれば、インターネットに接続した端末や表示装置、印刷装置、または地中深くに埋める頑丈な保管器等を必要とせずに、所定の期間の後に相手に自分の気持ちまたはメッセージ等を伝えることができる。
【0061】
図2〜図5はマーキング装置を示す図である。
まず、構成を説明する。図2において、支持基板31、32にはそれぞれ開口部31a、32aが形成されており、種子10は開口部31a、32aに位置するようにして支持基板31、32に挟持される。このため、支持基板31、32に挟持された種子10は開口部31a、32aから露出される。
【0062】
なお、開口部31a、32aは支持基板31の縦方向に5個、横方向に10個で合計50個形成されており、支持基板31、32には合計50個の種子10が取付けられるようになっている。この開口部31a、32aは種子10の設置数に応じて任意に変更可能であることは言うまでもない。また、支持基板31、32は種子10を挟持したときに種子10を傷付けないようにするために、弾性部材やプラスチック等から構成することが好ましい。
【0063】
また、図3に示すように、レーザ照射装置(レーザ照射手段)33は、COレーザマーキング装置からなり、開口部31aまたは開口部32aを通して種子10の子葉の表面にレーザ光を照射するようになっている。また、支持基板31、32は把持装置(保持手段)34によって両端部が把持されるようになっている。
【0064】
この把持装置34は、支持基板31、32を把持するロボットアーム35と、ロボットアーム35を伸長および伸縮させるシリンダ36と、シリンダ36およびロボットアーム35を回転方向およびロボットアーム35の伸長・伸縮方向と略直交する方向(紙面方向)に移動させる移動部材37とを備えている。なお、移動部材としてはシリンダ36を回転方向に回転させるモータおよび一方向に移動させるシリンダを組み合わせたもの等から構成される。
【0065】
この把持装置34は、シリンダ36によってロボットアーム35を伸長させることにより、支持基板31、32を把持し、シリンダ36によってロボットアーム35を伸長、伸縮させるとともに、移動部材37を紙面方向に移動させることにより、レーザ照射装置33から照射されるレーザ光をスキャニングすることで、支持基板31、32に挟持されたそれぞれの種子10の子葉の表面にマーキングするようになっている。
【0066】
なお、把持装置34によって支持基板31、32をX−Y平面上に移動させることによってレーザ光をスキャニングするのに代えて、レーザ照射装置33を移動手段でX−Y平面に移動可能にすることにより、レーザ光をスキャニングするようにしても良い。
【0067】
次に、図4、図5に基づいてマーキング方法を説明する。
【0068】
まず、支持基板31、32と同様の構成を有する選別用の支持基板38を準備し(図4(a)参照)、支持基板38に多数の種子10を載置して支持基板38を振るい、開口部31a、32aの開口面積よりも小さい種子10を支持基板38の開口部から落下させることにより、マーキング用の種子10を支持基板38上に残す。
【0069】
次いで、支持基板32の開口部32aに位置するように種子10を支持基板32上に移載した後(図4(b)参照)、支持基板31、32によって種子10を挟持する(図4(c)参照)。
【0070】
次いで、シリンダ36によってロボットアーム35を伸長させることにより、支持基板31、32を把持し、シリンダ36によってロボットアーム35を伸長、伸縮させるとともに、移動部材37を紙面方向に移動させることにより、レーザ照射装置33から照射されるレーザ光をスキャニングすることで、支持基板31、32に挟持されたそれぞれの種子10の子葉の表面にマーキングする(図5(a)参照)。
【0071】
なお、この作業を行う前に、種子10の子葉の表面の掘り込みの深さが0.3mm〜0.55mmの間の任意の深さに設定されるように、種子10とレーザ照射装置33との距離、レーザ光の強度、レーザ密度等を調整する。
【0072】
支持基板31、32に挟持された全ての種子10の一方の表面にマーキングが行われると、移動部材37によってロボットアーム35を180゜回動させて全ての種子10の子葉の他方の表面にマーキングを行う(図5(b)参照)。
【0073】
このように本実施の形態では、開口部31a、32aに種子10が位置するようにして種子10を支持基板31、32によって挟持し、開口部31a、32aを通して種子10の子葉にレーザ光を照射することにより、子葉の表面に図柄をマーキングするので、多数の子葉の表面にマーキングをすることができ、図柄付きの種子10の生産性を向上させることができる。
【0074】
また、開口部31a、32aを通して種子の子葉にレーザ光を照射することができるので、レーザ照射装置33に対して支持基板31、32の向き(表裏面)を変えることにより、子葉の両面にマーキングを行うことができる。
【0075】
また、本実施の形態では、種子10の子葉の表面の掘り込みの深さを0.3mm〜0.55mmの間に設定しているので、所定の期間を経た後に、意図する図柄を発芽した子葉の表面に確実に表示することができる。ここで、種子10の子葉の表面の掘り込みの深さを0.3mm〜0.55mmの間に設定したのは、子葉の厚みが0.3mm〜0.55mm程度であることが多いからである。
【0076】
仮に、掘り込みの深さを0.3mm以下にした場合には、発芽した子葉にマーキングが表示されないので好ましくなく、掘り込みの深さが0.55mm以上であると、種子10の内部の胚にまでマーキングが行われてしまい、種子が傷付いて発芽しないことがあるので、好ましくない。
【0077】
図6〜図8は、本発明の種子育成装置の第1の実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。図6に示される種子育成装置20は、図1の種子育成方法に用いられる種子10が収納される容器であり、この種子10においては上記実施の形態において既に説明したので説明を省略する。
【0078】
図6において、図柄を形成する表面を有した種子10と、種子10を育成する土壌25と、種子10が埋め込まれた土壌を収容する容器27とを備えている。容器27は、例えば、蓋のついたアルミ製の缶等でも良い。土壌25は、種子10の発芽に適した養分、保湿性、保温性等の条件を備えるものとし、化学肥料が用いられる。
【0079】
このように構成された種子育成装置20に対して、容器27を開封して、水はけ用の穴を開け、温度、湿度、空気等、発芽に適した環境を整えると、種子10は種子10に固有の発芽期間を経て発芽する。図7は種子10が発芽して子葉が土壌から現れた状態、図8は、子葉が開いた状態を示している。図7および図8に示されるように、土壌から子葉が現れると、種子表面11に形成された図柄15が可視可能になる。図柄15には、自分の気持ちやメッセージを含意させることができるため、所定の期間の後に相手に自分の気持ちまたはメッセージ等を伝えることが可能となる。
【0080】
また、発芽期間は種子、および種子を育成する環境により異なる。容器27に収容する種子10および土壌25の養分、保湿性、保温性、通気性等の育成環境を考慮して調整することにより、メッセージを伝える期間を変更することが可能である。例えば、容器27の蓋(図6には示されていない)を閉じたままにして、種子10を種子育成装置20内に密封した状態で保存する、または冷蔵庫で低温に保存することにより、メッセージを伝える期間を数週間から数ヶ月等、延長することもできる。
【0081】
また、種子表面11には図柄15をレーザや塗料等により比較的安価に形成することができる。さらに、図柄付き種子10の種類、および図柄ごとに容器27を選択することができる。容器27に収容された図柄付き種子10について、受け取る相手は、種子表面11に形成されている図柄15を見ていないため、所定の期間を経た後でなければ、図柄15に託されたメッセージを知ることはできない。
【0082】
このように本実施の形態によれば、インターネットに接続した端末や表示装置、印刷装置、または地中深くに埋める頑丈な保管器等を必要とせずに、所定の期間の後に相手に自分の気持ちまたはメッセージ等を伝えることができる。
【0083】
本実施の形態において、図柄を形成する箇所を子葉の表面としたが、植物が発芽した際に見える箇所で良ければ如何なる箇所でも良いことは言うまでもない。本発明は、特許請求の範囲を越えない範囲において、様々な変更および変形態様が可能であることは当業者には明らかである。
【0084】
図9〜図14は、本発明の種子育成装置の第2の実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。図9〜図11において、種子育成装置40は、底部に水抜き用の開口部41aが形成された金属性の容器41と、容器41の外周下部に着脱自在に装着され、開口部41aを閉塞する底部キャップ部42と、容器41に収納され、上述したようにレーザによって自分の気持ちまたはメッセージ等の図柄15がマーキングされた種子10を含有する土壌43と、容器41内の底部に装着され、開口部41aを閉塞するスポンジ(板状の閉塞部材)44と、土壌43の上部に位置するように容器41に収納されたダンボール(板状の除湿材)45と、容器41の上部に着脱自在に装着され、容器41を密閉する蓋46とを備えている。なお、容器の形状は円柱状も角柱でも良い。
【0085】
土壌43としては一般的な化学肥料が用いられており、種子10は容器41の高さAに対して、2/3Aの高さに位置している。また、種子10の周囲の土壌43に綿等の吸水材47が含有されている。
【0086】
また、蓋46は容器41の同じ材質の金属性の容器、あるいは容器41と異なる材質の弾性体から構成しても良く、容器41に着脱自在で、かつ、容器41に取付けられたときに容器41内を密閉できるように構成されている。また、ダンボール45には、種子の育成方法や種子育成装置40の取り扱い方法、あるいはコマーシャル等が記載されている。
【0087】
次に、図12〜図14に基づいて種子育成装置40の組立方法を説明する。
まず、容器41の外周下部に底部キャップ部42を装着した後(図12(a)参照)、容器41内にスポンジ44を収納する(図12(b)参照)。次いで、容器41内に2/3Aの高さになるように土壌43を収納した後(図12(c)参照)、土壌43の上部に種子10を載せるとともに、種子10の周囲に吸水材47を設置する(図13(a)参照)。
【0088】
次いで、土壌43の上に残りの土壌43を載せるように容器41内に土壌43を収納した後(図13(b)参照)、土壌43の上にダンボール45を載せる(図13(c)参照)。
【0089】
次いで、容器41に蓋46を取付けて容器41を蓋46によって密閉した後(図14(a)参照)、容器41と蓋46の境目にテープ48を取付けて、蓋46を容器41に固定する(図14(b)参照)。
【0090】
このようにして組立てられた種子育成装置40によって種子10を発芽させるには、容器41から蓋46、ダンボール45および底部キャップ部42を取り外した後、種子10に水を与える。
【0091】
この水は土壌43に十分に浸透しつつ、余剰分が水抜き用の開口部41aから流下して種子10を育成する環境が整えられる。この後、底部キャップ部42を取付けることにより、開口部41aから排出された水が底部キャップ部42より外部に漏出するのを防止することができる。
【0092】
なお、発芽期間は種子10、および種子10を育成する環境により異なり、容器41に収容する種子10および土壌43の養分、保湿性、保温性、通気性等の育成環境を考慮して調整することにより、メッセージを伝える期間を変更することが可能である。例えば、容器41の蓋46を閉じたままにして、種子10を種子育成装置40内に密封した状態で保存したり、冷蔵庫で低温に保存することにより、メッセージを伝える期間を数週間から数ヶ月等、延長することもできる。
【0093】
このように本実施の形態では、蓋46を開封しない状態では、ダンボール45によって土壌の湿気を除去することができるので、種子10を良好に保存することができるとともに害虫の発生を防止することができる。このとき、蓋46を開封する時期を適宜選択することにより、メッセージを伝える期間を長期間延長することが可能になる。なお、除湿材としては、除湿をできるものであればダンボール以外でも良いことは言うまでもない。
【0094】
この結果、所定の期間を経た後に、意図する図柄を発芽した植物の種子10に表示することができ、インターネットに接続した端末や表示装置、印刷装置、または地中深くに埋める頑丈な保管器等を必要とせずに、環境に優しく、安価な方法で所定の期間の後に相手に自分の気持ちまたはメッセージ等を伝えることができる。
【0095】
また、蓋46を容器41に着脱自在にしたので、プルトップ式の容器に比べて、子供等が蓋を開封したときに、切り口で指を損傷するおそれがなく、安全な種子育成装置40を提供することができる。
【0096】
また、本実施の形態では、容器41の高さAに対して、2/3Aの高さに種子10を位置させたので、種子を良好に発育させることができる。ここで、種子10の位置を容器の高さAに対して2/3Aよりも高くした場合には、種子10の発芽率が低下し、種子10の位置を容器の高さAに対して2/3Aよりも低くした場合には、種子10が発芽する前に腐ってしまうことが実験で確認された。
【0097】
また、本実施の形態では、種子10の周囲の土壌43に吸水材47を含有したので、種子10の周囲に存在する吸水材47に水を十分に含ませることができる。このため、種子10に水を十分に与えることができ、種子10の発芽を良好なものにすることができる。なお、開口部41aは任意の形状の1つの穴でも良いし、複数の微小な任意の形状の穴から構成されていても良い。
【0098】
図15、図16は、本発明の種子育成装置の第3の実施の形態を示す図であり、第2の実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図15、図16において、本実施の形態では、蓋51を底部キャップ部と兼用したものであり、種子育成装置40を開封して種子10を育成する前の状態では、図15に示すように、蓋51によって容器41を密閉している。また、開口部41aをシール52によって閉塞することにより、開口部41aから土壌43が漏れるのを防止している。
【0099】
一方、種子育成装置40を開封して種子10を育成するときには、容器41から蓋51、シール52およびダンボール45を取り外した後、種子10に水を与える。
この水は土壌43に十分に浸透しつつ、余剰分が水抜き用の開口部41aから流下し、種子10を育成するための環境が整えられる。この後、図16に示すように容器41の外周下部に蓋51を取付けることにより、開口部41aから排出された水が蓋51により外部に漏出するのを防止することができる。
【0100】
本実施の形態では、第2の実施の形態と同様の効果に加えて、蓋51を容器41の外周下部に着脱自在にしたので、容器41を開封した後に、蓋51を容器41の外周下部に取付けて開口部41aを閉塞する底部キャップ部にすることができ、開口部41aから排出される水が外部に漏れるのを防止することができる。また、蓋51と底部キャップ部とを兼用することができるので、種子育成装置40の製造コストを低減することができる。
【0101】
図17は、本発明の種子育成装置の第4の実施の形態を示す図であり、第2の実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図17において、容器41内には土壌を粘着剤等によって固めて構成された鉢53が収納されており、この鉢53の中には、土壌43、スポンジ44、ダンボール45、吸水材47および種子10が収納されている。
【0102】
したがって、土壌43、スポンジ44、ダンボール45、吸水材47および種子10は鉢53と共に容器41に着脱自在である。なお、種子10は容器41の高さAに対して、2/3Aの高さに位置していることは言うまでもない。
【0103】
本実施の形態では、種子育成装置40を開封して種子10を育成するときには、容器41から蓋46、ダンボール45および底部キャップ部42を取り外した後、種子10に水を与える。
【0104】
この水は土壌43に十分に浸透しつつ、余剰分が水抜き用の開口部41aから流下して種子10を育成する環境が整えられる。この後、容器41に底部キャップ部42を取付けることにより、開口部41aから排出された水が底部キャップ部42により外部に漏出するのを防止することができる。
【0105】
本実施の形態では、第2の実施の形態と同様の効果に加えて、容器41内には鉢53を収納しているので、植物が成長して大きくなったとき、例えば、種子育成装置40を部屋に置けるスペースが少なくなったときに、容器41から鉢53を取り外して鉢53と共に植物を庭に植えることができ、種子育成装置40が邪魔になるような事態が発生するのを抑制することができる。
【0106】
図18〜図20は、本発明の種子育成装置の第5の実施の形態を示す図であり、第2の実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図18、図19において、種子育成装置60の容器61は陶器やプラスチック材料から構成されるとともに、アニメや映画等に登場するキャラクタやアイドルのキャラクタ等の形状をしており、この容器61の上部にはPE等の軟質材からなる蓋62が着脱自在になっている。
【0107】
また、容器61内には土壌43、スポンジ44、ダンボール45、吸水材47および種子10が収納されている。また、容器61の底面には複数の微小な丸穴からなる水抜き用の開口部61aが形成されている。
【0108】
また、本実施の形態では、図19(a)に示すように、蓋62が容器61の外周下部に着実自在になっており、蓋62を底部キャップ部と兼用することができるようになっている。
【0109】
本実施の形態では、種子育成装置60を開封して種子10を育成するときには、容器61から蓋62およびダンボール45を取り外した後、種子10に水を与えると、この水が土壌43に十分に浸透しつつ、余剰分が水抜き用の開口部61aから流下して種子10を育成する環境が整えられる。この後、図19(a)に示すように容器61の外周下部に蓋62を取付けることにより、開口部61aから排出された水が蓋62により外部に漏出するのを防止することができる(なお、この状態では、図16(a)の容器61上に蓋62は存在しない)。
【0110】
本実施の形態では、第2の実施の形態と同様の作用効果に加えて、容器61をアニメや映画等に登場するキャラクタやアイドルのキャラクタ等のような玩具形状に形成しているので、種子10の育成と共に容器61を見て楽しむことができる。
【0111】
なお、本実施の形態では、蓋62に代えて、図20に示すように硬貨を挿通可能な挿通部63aが形成された蓋63から構成しても良い。このようにすれば、植物が枯れた後に、使用済みの容器61を貯金箱として再利用することができるので、ごみを少なくすることができるとともに資源の無駄を少なくすることができる。
【0112】
図21、図22は、本発明の種子育成装置の第6の実施の形態を示す図である。
種子育成装置70の容器71は四角柱から構成されており、この容器71の上部にはヒンジ73を介して蓋72が連結されている。また、蓋72の自由端には係合突起74が設けられており、この係合突起74は容器71の開口端の内周面に設けられた図示しない係合溝に係合するようになっている。
【0113】
また、容器71の底部には微小な丸穴からなる水抜き用の開口部が形成されており、容器71の外周下部には水抜き用の開口部を閉塞する底部キャップ部76が取付けられている。また、容器71内には第2の実施の形態と同様にダンボール75、図示しない土壌、スポンジ、吸水材および種子が収納されている。
【0114】
本実施の形態では、種子育成装置70を開封して種子を育成するときには、容器71から底部キャップ部76を取り外し、次いで、係合突起74を容器71の開口端の内周面に設けられた係合溝から外すようにして蓋72を開放し、容器71からダンボール75を取り外す。次いで、種子に水を与えると、この水が土壌に十分に浸透しつつ水抜き用の開口部から流下して種子を育成する環境が整えられる。この後、底部キャップ部76を容器71の外周下部に取付けることにより、水抜き用の開口部から排出された水が底部キャップ部76により外部に漏出するのを防止することができる。
【0115】
このように本実施の形態では、蓋72をヒンジ73を介して容器71に連結したので、蓋72を簡単に開けることができるとともに、容器71から取り外された蓋72を紛失してしまうのを防止することができる。
【0116】
図23〜図26は、本発明の種子育成装置の第7の実施の形態を示す図である。
種子育成装置80の容器81は三角柱から構成されており、この容器81の上部にはヒンジ83を介して蓋82が連結されている。また、蓋82には一対の係合突起84が設けられており、この係合突起84は容器81の開口端の内周面に設けられた図示しない係合溝に係合するようになっている。
【0117】
また、容器81の底部には微小な丸穴からなる水抜き用の開口部が形成されており、容器81の外周下部には水抜き用の開口部を閉塞する底部キャップ部86が取付けられている。また、容器81内には第2の実施の形態と同様にダンボール85、図示しない土壌、スポンジ、吸水材および種子が収納されている。
【0118】
本実施の形態では、種子育成装置80を開封して種子を育成するときには、容器81から底部キャップ部86を取り外した後、係合突起84を容器81の開口端の内周面に設けられた係合溝から外すようにして蓋82を開放し、容器からダンボール85を取り外す。次いで、種子に水を与えると、この水が土壌に十分に浸透しつつ水抜き用の開口部から流下して種子を育成する環境が整えられる。この後、底部キャップ部86を容器81の外周下部に取付けることにより、水抜き用の開口部から排出された水が底部キャップ部86により外部に漏出するのを防止することができる。
【0119】
このように本実施の形態では、蓋82をヒンジ83を介して容器81に連結したので、蓋82を簡単に開けることができるとともに、容器81から取り外された蓋82を紛失してしまうのを防止することができる。
【0120】
また、容器81を三角柱に形成した場合には、図25(a)に示す容器81の任意の位置に突起(結合手段)87aとこの突起87aに係合する溝(結合手段)87bを形成するようにしても良い。このようにした場合には、図25(b)に示すように、突起87aを溝87bに係合させることにより、一対の容器81を結合させて2種類の種子を育成することができる。
【0121】
また、図26(a)〜(c)に示すように、複数の容器81を組み合わせて任意の形状の種子育成装置80を構築することができ、多様性のある観賞用の種子育成装置80を提供して楽しむことができる。
【0122】
図27〜図29は本発明の種子育成装置の第8の実施の形態を示す図であり、第2の実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図27、図28において、種子育成装置90は球状に構成されたプラスチック等の弾性部材からなる容器91を備えており、この容器91は半球状の第1の容器92および第2の容器93から構成されている。
【0123】
第1の容器92は上部(一端部)に第1の開口部92aが形成されており、この開口部92aを通して種子10、土壌43、スポンジ44、ダンボール45および吸水材47が収納されている。
【0124】
また、第2の容器93の下部(一端部)には第2の開口部93aが設けられており、第1の容器92の第1の開口部周92aの周縁を第2の容器93の第2の開口部93aの周縁に接続することにより、第2の容器93および第1の容器92は着脱自在になっている。
【0125】
また、第1の容器92の底部(他端部)には水抜き用の微小な複数の開口部92bが形成されているとともに、この開口部92bの周囲の第1の開口部92aの底部には係合突部94が設けられており、係合突部94の外周部にはネジ(第1の係合部)94aが設けられている。
【0126】
また、第2の容器93の上部(他端部)には蓋95が設けられており、この蓋95は第2の容器93の上部に設けられた装着部96に着脱自在になっている。この着脱部96には開口部96aが形成されているとともに、内周面にネジ(第2の係合部)96bが形成されており、このネジ96bは蓋95の外周部に形成されたネジ95aが螺合するようになっている。
【0127】
また、装着部96から蓋95が取り外されたとき、この装着部96に係合突部94が嵌合するようになっており、このときネジ96bがネジ94aに螺合するようになっている。
【0128】
また、第1の容器92の第1の開口部92aは円盤状の中蓋97によって閉塞されており、この中蓋97の外周部にはネジ97aが形成されている。また、第1の開口部92aの内周縁にはネジ92cが形成されており、ネジ97aがネジ92cに螺合することにより、中蓋97が第1の容器92に取付けられるようになっている。
【0129】
また、第2の容器93の第1の開口部93aの内部にはネジ93bが形成されており、このネジ93bにネジ97aが螺合することにより、中蓋97が第2の容器93に装着されるようになっている。本実施の形態では、ネジ97aおよびネジ92cが係合手段を構成している。
【0130】
本実施の形態では、製品が納入された状態または販売されている状態等が図27、図28に示すものであり、この状態では第1の容器92および第2の容器93が接続されている。この状態から種子育成装置90を開封して種子10を育成するときには、蓋95を装着部96から取り外した後、第1の容器92から第2の容器93を取り外す。
【0131】
次いで、第1の容器92から中蓋97を取り外して、第2の容器93のネジ93bにネジ97aを螺合することにより、中蓋97を第2の容器93の内部に装着する。
【0132】
次いで、第1の容器92の第1の開口部92aを上方に開口した状態で第1の容器92から蓋46、ダンボール45を取り外して種子10に水を与える。この水は土壌43に十分に浸透しつつ、余剰分が水抜き用の開口部92bから流下して種子10を育成する環境が整えられる。
【0133】
この後、図29に示すように第2の容器93を逆さにしてネジ96bをネジ94aに螺合することにより装着部96を係合突部94に装着することにより、水抜き用の開口部92bから第2の容器93と中蓋97の間に水を流下させ、土壌43に浸透した水が外部に漏出するのを防止する。
【0134】
このように本実施の形態では、第1の容器92と第2の容器93を分離した後、第1の容器92に設けられた係合突部94のネジ94aを第2の容器93に設けられた装着部96のネジ96aに螺合することにより、第1の容器92の第1の開口部92aを上方に開口させるとともに、第2の容器93の第2の開口部93aを載置面に対向させて第1の容器92を第2の容器93の上方に位置させ、この状態で第1の容器92に収納された種子10を育成することができる。
【0135】
また、第1の容器92の水抜き用の開口部92bから第2の容器93内に水を排出することができるので、排出された水が第2の容器93により外部に漏出するのを防止することができる。
【0136】
また、本実施の形態では、第1の容器92の第1の開口部92aを閉塞する中蓋97を設け、中蓋97の外周部に設けられたネジ97aに第2の容器93の内部に設けられたネジ93bを螺合することにより、中蓋97を第2の容器93に装着するようにしたので、第1の容器内に収納された土壌43が第2の容器93側に移動するのを確実に防止することができるとともに、第2の容器93と中蓋97の間に、水抜き用の開口部92bから流下した水を貯留する閉空間を形成することができる。
【0137】
なお、本実施の形態では、第2の容器93内にスペースがあるため、このスペース内に乗り物、アニメや映画等に登場するキャラクタやアイドルのキャラクタ、動物形状等玩具を収納するようにしても良い。このようにすれば、種子育成装置90を購入した人を楽しませることができる。
【0138】
また、本実施の形態では中蓋97を第2の容器93の内部に収納しているが、第2の開口部93aの開口端にねじを設け、中蓋97を第2の開口部93aの開口端に取付けるようにしても良い。
【0139】
図30は本発明の種子育成装置の第9の実施の形態を示す図である。
図30において、種子育成装置100は、底部に水抜き用の微小な複数の開口部101aが形成された円柱状の容器101と、容器101を閉塞する蓋102とを備えている。容器101内には上記各実施の形態と同様に、図示しない種子を含有する土壌、スポンジ、ダンボールおよび吸水材が収納されている。
【0140】
また、蓋102は容器101の外周上部および外周下部に着脱自在になっており、底部キャップ部も兼用している。
【0141】
本実施の形態の種子育成装置100は、蓋102を容器101の外周下部に着脱自在にしたので、容器101を開封した後に、蓋102を容器101の外周下部に取付けて開口部101aを閉塞する底部キャップ部にすることができ、開口部101aから排出される水が外部に漏れるのを防止することができる。また、蓋102と底部キャップ部とを兼用することができるので、種子育成装置100の製造コストを低減することができる。
【0142】
図31は本発明の種子育成装置の第10の実施の形態を示す図である。
図31において、種子育成装置110は、底部に水抜き用の微小な複数の開口部111aが形成された円柱状の容器111と、容器111を閉塞する蓋112とを備えている。容器111内には上記各実施の形態と同様に、図示しない種子を含有する土壌、スポンジ、ダンボールおよび吸水材が収納されている。
また、蓋112は容器111の内周上部および内周下部に着脱自在になっており、底部キャップ部も兼用している。
【0143】
本実施の形態の種子育成装置110は、蓋112を容器111の内周下部に着脱自在にしたので、容器111を開封した後に、蓋112を容器111の内周下部に取付けて開口部111aを閉塞する底部キャップ部にすることができ、開口部111aから排出される水が外部に漏れるのを防止することができる。また、蓋112と底部キャップ部とを兼用することができるので、種子育成装置110の製造コストを低減することができる。
【0144】
本実施の形態では、蓋112を容器111の内周下部に取付けたので、容器111と蓋112をストレート面にすることができる。
【0145】
なお、第5〜第10の実施の形態にあっても、種子10は容器61、71、81、101、111および第1の容器92の高さAに対して、2/3Aの高さに位置していることは言うまでもない。また、上記各実施の形態では第5の実施の形態と同様に蓋に硬貨を挿通可能な挿通部を形成しても良い。
【0146】
図32〜図34は本発明の種子育成装置の第11の実施の形態を示す図である。
図32において、種子育成装置121は、上部が開口された金属製の第1の容器122と、第1の容器122に収納され、底部に水供給の開口部123aが形成された第2の容器123と、第1の容器122の上部に設けられ、第1の容器122に着脱自在な蓋124と、第2の容器123に収納され、上述したようにレーザによって自分の気持ちまたはメッセージ等の図柄15がマーキングされた種子10を含有する土壌125と、第2の容器123の上部に設けられたシート部材126とを備えている。
【0147】
第2の容器123はカルシウム、金属、弾性部材の何れかの材料でも良い。また、シート部材126は発芽した子葉によって突き破られる材料であれば良く、例えば、カルシウム、紙等が用いられる。また、第2の容器123の形状は球状、楕円状、四角形状、筒状等どのような形状でも良い。
【0148】
また、土壌125としては一般的な化学肥料が用いられており、種子10は第2の容器123の高さAに対して、2/3Aの高さに位置している。また、種子10の周囲の土壌125に綿等の吸水剤127が含有されている。
【0149】
また、蓋124は第1の容器122の同じ材質の金属性の容器、あるいは第1の容器122と異なる材質の弾性体から構成しても良く、第1の容器122に着脱自在で、かつ、第1の容器122に取付けられたときに第1の容器122内を密閉できるように構成されている。
【0150】
次に、種子の育成方法を説明する。
まず、図32(a)に示すように、第1の容器122から蓋124を取り外した後、第1の容器122内に水128を入れる。この水128は第2の容器123の開口部123aから土壌125に十分に浸透して種子10を育成する環境が整えられる。
【0151】
そして、種子10が発芽すると、図32(b)に示すように、子葉がシート部材126を突き破るので、発芽に悪影響が与えられることがなく、種子10は順調に育成される。
【0152】
このように本実施の形態では、土壌125が収納された第2の容器123の上部にシート部材126を設けたので、育成を開始するときに、土壌125が第2の容器123から漏れて周囲を汚してしまうのを防止することができる。また、種子10の育成開始後にはシート部材126が発芽した子葉によって突き破られるので、発芽に支障を来すのを防止することができる。
【0153】
この結果、所定の期間を経た後に、意図する図柄を発芽した植物の種子10に表示することができ、インターネットに接続した端末や表示装置、印刷装置、または地中深くに埋める頑丈な保管器等を必要とせずに、環境に優しく、安価な方法で所定の期間の後に相手に自分の気持ちまたはメッセージ等を伝えることができる。
【0154】
また、蓋124を第1の容器122に着脱自在にしたので、プルトップ式の容器に比べて、子供等が蓋を開封したときに、切り口で指を損傷するおそれがなく、安全な種子育成装置121を提供することができる。
【0155】
なお、図34に示すように、第2の容器131を土壌から構成しても良い。このようにすれば、植物が成長して大きくなったとき、例えば、種子育成装置121を部屋に置けるスペースが少なくなったときに、第1の容器122から第2の容器131を取り外して第2の容器131と共に植物を庭に植えることができ、種子育成装置121が邪魔になるような事態が発生するのを抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0156】
以上のように、本発明に係る種子育成方法、種子育成装置およびマーキング装置は、インターネットに接続した端末や表示装置、印刷装置、または地中深くに埋める頑丈な保管器等を必要とせずに、環境に優しく、安価な方法で所定の期間の後に相手に自分の気持ちまたはメッセージ等を伝えることができるという効果を有し、発芽すると子葉に図柄が表示される種子の育成方法、種子育成装置およびマーキング装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明に係る種子育成方法およびマーキング装置の一実施の形態を示す図であり、種子育成方法で使用される図柄付き種子を示す図
【図2】(a)はマーキング装置の一実施の形態における種子の支持基板の外観図、(b)は支持基板の断面図
【図3】一実施の形態におけるマーキング装置の全体構成図
【図4】一実施の形態におけるマーキングの手順を示す図
【図5】図4に後続するマーキングの手順を示す図
【図6】本発明に係る種子育成装置の第1の実施の形態を示す図であり、その種子育成装置の外観図
【図7】図2に示された種子育成装置に埋め込まれた種子が発芽して子葉が土壌から現れた図
【図8】図2に示された種子育成装置に埋め込まれた種子の子葉が開いた図
【図9】本発明に係る種子育成装置の第2の実施の形態を示す図であり、その種子育成装置の外観図
【図10】第2の実施の形態の種子育成装置の断面図
【図11】第2の実施の形態の種子育成装置の分解図
【図12】第2の実施の形態の種子育成装置の組立手順を示す図
【図13】図12に後続する種子育成装置の組立手順を示す図
【図14】図13に後続する種子育成装置の組立手順を示す図
【図15】本発明に係る種子育成装置の第3の実施の形態を示す図であり、(a)はその種子育成装置の外観図、(b)はその種子育成装置の断面図
【図16】(a)は第3の実施の形態の蓋を底部キャップ部として使用したときの種子育成装置の外観図、(b)は蓋を底部キャップ部として使用したときの種子育成装置の断面図
【図17】本発明に係る種子育成装置の第4の実施の形態を示す図であり、(a)は鉢の外観斜視図、(b)はその鉢を備えた種子育成装置の断面図
【図18】本発明に係る種子育成装置の第5の実施の形態を示す図であり、その種子育成装置の外観図
【図19】第5の実施の形態の種子育成装置を示す図であり、(a)はその断面図、(b)は同図(a)のA−A矢視図
【図20】(a)は第5の実施の形態の他の形状の蓋の側面図、(b)はその蓋の上面図
【図21】本発明に係る種子育成装置の第6の実施の形態を示す図であり、(a)はその種子育成装置の正面図、(b)はその種子育成装置の外観斜視図
【図22】(a)は第6の実施の形態の蓋を開放した状態の種子育成装置の正面図、(b)は蓋を開放した状態の種子育成装置の外観斜視図
【図23】本発明に係る種子育成装置の第7の実施の形態を示す図であり、(a)はその種子育成装置の正面図、(b)はその種子育成装置の外観斜視図
【図24】(a)は第7の実施の形態の蓋を開放した状態の種子育成装置の正面図、(b)は蓋を開放した状態の種子育成装置の外観斜視図
【図25】(a)は第7の実施の形態の他の形状の種子育成装置の正面図、(b)は同図(a)のその種子育成装置を接続して種子を発芽させた状態を示す図
【図26】(a)〜(c)は種子育成装置の接続パターンを示す図
【図27】本発明に係る種子育成装置の第8の実施の形態の種子育成装置の正面図
【図28】第8の実施の形態の種子育成装置の断面図
【図29】第8の実施の形態の第1の容器の下部に第2の容器の上部を取付けた状態を示す図
【図30】本発明に係る種子育成装置の第9の実施の形態の種子育成装置を示す図であり、(a)はその上面図、(b)はその正面図、(c)は同(b)のB−B矢視図
【図31】本発明に係る種子育成装置の第10の実施の形態の種子育成装置を示す図であり、(a)はその上面図、(b)はその正面図、(c)は同(b)のC−C矢視図
【図32】(a)は本発明に係る種子育成装置の第11の実施の形態の種子育成装置を示すその断面図、(b)は第2の容器の正面図
【図33】(a)は第1の実施の形態の種子の育成を開始する状態を示す図、(b)は子葉がシート部材を突き破る状態を示す図
【図34】(a)は第11の実施の形態の他の形状の種子育成装置を示す図であり、(a)はその種子育成装置の断面図、(b)は第2の容器を外観斜視図
【符号の説明】
【0158】
10 図柄付き種子
11 種子表面
15 図柄
20、40 種子育成装置
25、43 土壌
27、41 容器
31、32 支持基板
31a、32a 開口部
33 レーザ照射装置(レーザ照射手段)
34 把持装置(保持手段)
41a 開口部
42 底部キャップ部
44 スポンジ(板状の閉塞部材)
45 ダンボール(板状の除湿材)
46 蓋
47 吸水材
51 蓋
53 鉢
60、70、80、90、100、110 種子育成装置
61、71、81、91、101、111 容器
61a、92b、101a、111a 水抜き用の開口部
62、63、72、82、95、102、112 蓋
63a 挿通部
73、83 ヒンジ
87a 突起(結合手段)
87b 溝(結合手段)
92 第1の容器
92a 第1の開口部
92c ネジ(係合手段)
93 第2の容器
93a 第2の開口部
94a ネジ(第1の係合部)
96b ネジ(第2の係合部)
97 中蓋
97a ネジ(係合手段)
121 種子育成装置
122 第1の容器
123、131 第2の容器
123a 水供給用の開口部
124 蓋
125 土壌
126 シート部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の種子の表面に図柄を形成し、
前記種子を適度な育成環境で育成し、前記種子が所定の期間を経て発芽すると前記図柄が表示されることを特徴とする種子の育成方法。
【請求項2】
前記植物が子葉植物であり、前記図柄は前記種子の子葉の表面に形成されることを特徴とする請求項1に記載の種子の育成方法。
【請求項3】
前記図柄は特定のメッセージを含意することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の種子の育成方法。
【請求項4】
前記図柄は前記種子の子葉の表面にレーザによりマーキングされて形成されることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の種子の育成方法。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の種子が収納される種子育成装置であって、
前記種子を育成する土壌と、前記土壌を収容する容器とを備えた種子育成装置に埋め込まれて育成されることを特徴とする種子育成装置。
【請求項6】
前記容器を密封する蓋を有し、前記種子を育成する際には前記蓋を開封することを特徴とする請求項5に記載の種子育成装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の種子が収納される種子育成装置であって、
底部に水抜き用の開口部が形成された容器と、前記容器の下部に着脱自在に装着され、前記開口部を閉塞する底部キャップ部と、前記容器に収納され、前記種子を含有する土壌と、前記容器内の底部に装着され、前記開口部を閉塞する板状の閉塞部材と、前記土壌の上部に位置するように前記容器に収納された板状の除湿材と、前記容器の上部に着脱自在に装着され、前記容器を密閉する蓋とを備えたことを特徴とする種子育成装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の種子が収納される種子育成装置であって、
底部に水抜き用の開口部が形成された容器と、前記容器に収納され、前記種子を含有する土壌と、前記容器内の底部に装着され、前記開口部を閉塞する板状の閉塞部材と、前記土壌の上部に位置するように前記容器に収納された板状の除湿材と、前記容器の上部に着脱自在に装着され、前記容器を密閉する蓋とを備え、
前記蓋を前記容器の下部に着脱自在にしたことを特徴とする種子育成装置。
【請求項9】
前記種子は、前記容器の高さAに対して、2/3Aの高さに位置することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の種子育成装置。
【請求項10】
前記種子の周囲の前記土壌に吸水材が含有されることを特徴とする請求項7〜請求項9の何れか1項に記載の種子育成装置。
【請求項11】
前記容器は、玩具形状に形成されることを特徴とする請求項4〜請求項10の何れか1項に記載の種子育成装置。
【請求項12】
前記蓋に、硬貨を挿通可能な挿通部が形成されることを特徴とする請求項4〜請求項11の何れか1項に記載の種子育成装置。
【請求項13】
土壌を固めて構成された鉢を備え、少なくとも前記種子を含有した前記土壌を前記鉢に収納するとともに、前記鉢を前記容器に着脱自在に収納したことを特徴とする請求項4〜請求項12の何れか1項に記載の種子育成装置。
【請求項14】
前記蓋は、ヒンジを介して前記容器に連結されることを特徴とする請求項7、請求項9〜請求項13の何れか1項に記載の種子育成装置。
【請求項15】
前記容器は、他の容器に結合される結合手段を備えていることを特徴とする請求項4〜請求項14の何れか1項に記載の種子育成装置。
【請求項16】
前記容器は、一端部に第1の開口部を有するとともに少なくとも前記土壌および前記種子を収納する第1の容器と、
一端部に第2の開口部を有し、前記第1の開口部周縁を前記第2の開口部の周縁に接続することにより、前記第1の容器に着脱自在に装着される第2の容器と、
前記第1の容器の他端部に形成された水抜き用の開口部と、
前記水抜き用の開口部の周囲の前記第1の開口部の底部に形成された第1の係合部と、
前記第2の容器の他端部に設けられた前記蓋と、
前記蓋の装着面に形成され、前記蓋が取り外された状態で前記第1の係合部に係合する第2の係合部とを備えたことを特徴とする請求項4〜請求項13の何れか1項に記載の種子育成装置。
【請求項17】
前記第1の容器の前記第1の開口部を閉塞する中蓋を有し、前記中蓋と前記第2の容器の内部とに、前記中蓋を前記第2の容器の内部に係合する係合手段を有することを特徴とする請求項16に記載の種子育成装置。
【請求項18】
前記第2の容器内に玩具が収納されることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の種子育成装置。
【請求項19】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の種子が収納される種子育成装置であって、
第1の容器と、前記容器に収納された第2の容器と、前記第2の容器に収納され、前記種子を含有する土壌と、前記第2の容器の底部に形成された水供給用の開口部と、前記第2の容器の上部に形成されたシート部材と、前記容器を密閉する蓋とを備え、
前記シート部材は、発芽した子葉によって突き破られる材料からなることを特徴とする種子育成装置。
【請求項20】
前記第2の容器は、土壌を固めた鉢から構成されることを特徴とする請求項19に記載の種子育成装置。
【請求項21】
請求項4に記載の前記種子の子葉の表面にレーザによりマーキングを行うマーキング装置であって、
複数の開口部が形成され、前記開口部に前記種子が位置するようにして前記種子を挟持する一対の支持基板と、前記一対の支持基板を保持する保持手段と、前記開口部を通して前記種子の子葉にレーザ光を照射するレーザ光照射手段とを備え、
前記保持手段またはレーザ光照射手段の何れか一方を移動制御することにより、前記子葉の表面に前記図柄をマーキングすることを特徴とするマーキング装置。
【請求項22】
前記種子の子葉の表面の掘り込みの深さは、0.3mm〜0.55mmの間に設定されることを特徴する請求項21に記載のマーキング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2006−191912(P2006−191912A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−33362(P2005−33362)
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【出願人】(502197666)株式会社モック (13)
【Fターム(参考)】