説明

積み降ろし設備管理システム

【課題】積み降ろし設備が不正な作業者に使用されることを未然に回避すると共に、作業者が荷物の積み降ろし作業を効率良く行えるようにする。
【解決手段】積み降ろし設備管理システム21において、運転手(作業者)が所有するIDカード27から読取られたIDコードと登録情報データベース24に記憶されている登録情報とが対応した運転手に対してのみフォークリフトの使用が許可される。また、運転手がフォークリフトの使用を開始した使用開始時刻や使用を終了した使用終了時刻が使用履歴としてフォークリフト鍵保管庫8の表示部に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が荷物集配車両に荷物を積んだり荷物集配車両から荷物を降ろしたりする荷物集配場内で用いられる積み降ろし設備管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の運行を管理するものとして例えば下記の特許文献1が示されている。
【特許文献1】実開平7−6897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
作業者がトラックに荷物を積んだりトラックから荷物を降ろしたり作業では、作業者が例えばフォークリフトや搬送台車などの積み降ろし設備を使用する場合がある。ところが、不特定多数の作業者が積み降ろし設備を自由に使用することが可能な環境では、積み降ろし設備が不正な作業者(例えばフォークリフトの運転資格(運転免許)を有しない作業者など)に使用されるという問題がある。また、例えば全ての積み降ろし設備が他の作業者に使用されている場合に、それら積み降ろし設備の使用状況を作業者が知ることができないと、作業者が積み降ろし作業の段取りを組むことできなくなり、荷物の積み降ろし作業を効率良く行うことができないという問題がある。
【0004】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、積み降ろし設備が不正な作業者に使用されることを未然に回避することができると共に、作業者が荷物の積み降ろし作業を効率良く行うことができる積み降ろし設備管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載した発明によれば、作業者が所有するIDコード記録媒体から当該作業者を識別するIDコードがIDコード読取手段により読取られると、使用許可・禁止手段は、IDコード読取手段により読取られたIDコードと登録情報記憶手段に登録情報として記憶されているIDコードに対応する作業者毎に当該作業者が使用可能な積み降ろし設備とを照合し、それらIDコードと登録情報とが対応すると、そのIDコードに対応する作業者が使用可能な積み降ろし設備の使用を許可し、一方、それらIDコードと登録情報とが対応しないと、積み降ろし設備の使用を禁止する。また、使用開始時刻記憶手段は、作業者が積み降ろし設備の使用を開始した時刻を使用開始時刻として記憶し、使用終了時刻記憶手段は、作業者が積み降ろし設備の使用を終了した時刻を使用終了時刻として記憶し、使用履歴報知手段は、それら記憶された使用開始時刻や使用終了時刻を使用履歴として報知する。
【0006】
これにより、積み降ろし設備が不特定多数の作業者に自由に使用されるのではなく、IDコードと登録情報とが対応した作業者に対してのみ積み降ろし設備の使用が許可されることになるので、積み降ろし設備が不正な作業者に使用されることを未然に回避することができ、また、作業者が積み降ろし設備の使用を開始した使用開始時刻や作業者が積み降ろし設備の使用を終了した使用終了時刻が使用履歴として知らされることになるので、作業者が積み降ろし作業の段取りを組むことでき、作業者が荷物の積み降ろし作業を効率良く行うことができる。
【0007】
請求項2に記載した発明によれば、荷物集配車両の荷物集配場への到着予定や荷物集配場からの出発予定が到着予定・出発予定検出手段により検出されると、使用許可・禁止手段は、到着予定・出発予定検出手段により検出された荷物集配車両の荷物集配場への到着予定や荷物集配場からの出発予定と入荷計画・出荷計画記憶手段に記憶されている入荷計画や出荷計画とを照合し、それら到着予定や出発予定と入荷計画や出荷計画とが対応し且つIDコードと登録情報とが対応すると、そのIDコードに対応する作業者が使用可能な積み降ろし設備の使用を許可する。
【0008】
これにより、IDコードと登録情報とが対応した作業者であり、しかも、荷物集配車両の荷物集配場への到着予定や荷物集配場からの出発予定と入荷計画や出荷計画とが対応した荷物配達車両に対してのみ積み降ろし設備の使用が許可されることになるので、入荷計画に違反して荷物集配場に到着した荷物配達車両から荷物を降ろしたり出荷計画に違反して荷物集配場から出発する荷物配達車両に荷物を積んだりするために積み降ろし設備が不正な作業者に使用されることを未然に回避することができる。
【0009】
請求項3に記載した発明によれば、誘導手段は、到着予定・出発予定検出手段により検出された荷物集配車両の荷物集配場への到着予定や荷物集配場からの出発予定と入荷計画・出荷計画記憶手段に記憶されている入荷計画や出荷計画とが対応すると、その荷物集配車両を積み降ろし場所へ誘導する。これにより、荷物集配車両の荷物集配場への到着予定や荷物集配場からの出発予定と入荷計画や出荷計画とが対応した荷物集配車両を積み降ろし場所へ適切に移動させることができ、積み降ろし作業を速やかに行うことができる。
【0010】
請求項4に記載した発明によれば、積み降ろし設備管理手段は、到着予定・出発予定検出手段により検出された荷物集配車両の荷物集配場への到着予定や荷物集配場からの出発予定と入荷計画・出荷計画記憶手段に記憶されている入荷計画や出荷計画とが対応すると、その積み降ろし作業に必要な積み降ろし設備を他の積み降ろし作業に優先して確保する。これにより、荷物集配車両の荷物集配場への到着予定や荷物集配場からの出発予定と入荷計画や出荷計画とが対応した荷物集配車両の積み降ろし作業を確実に(積み降ろし設備が空くのを待機することなく)行うことができる。
【0011】
請求項5に記載した発明によれば、警告手段は、到着予定・出発予定検出手段により検出された荷物集配車両の荷物集配場への到着予定や荷物集配場からの出発予定と入荷計画・出荷計画記憶手段に記憶されている入荷計画や出荷計画とが対応しないと、警告動作を行う。これにより、荷物集配車両の荷物集配場への到着予定や荷物集配場からの出発予定と入荷計画や出荷計画とが対応しなかった荷物集配車両の運転手に入荷計画や出荷計画に違反している旨を知らせることができ、退去を促すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。尚、本実施形態では、トラックの運転手が積み降ろし作業を行う作業者であることを前提とし、つまり、トラックの運転手と作業者とが同一であることを前提として説明する。また、積み降ろし設備が荷物を運搬するためのフォークリフトであることを前提として説明する。
【0013】
図2は、荷物集配場の構成を概略的に示している。荷物集配場1には複数区画(本実施形態で8区画)のトラックヤード2a〜2h(本発明でいう積み降ろし場所)が区分されて設けられており、各々のトラックヤード2a〜2hにはトラック3(本発明でいう荷物集配車両)が1台毎に駐車可能となっている。
【0014】
荷物集配場1には入出ゲート4が設置されており、荷物集配場1に到着するトラック3は、入出ゲート4を通過していずれかのトラックヤード2a〜2hに駐車した後に荷物が降ろされることになり、荷物集配場1から出発するトラック3は、いずれかのトラックヤード2a〜2hで荷物が積まれた後に発進して入出ゲート4を通過することなる。トラック3から降ろされた荷物は入荷荷物置場5に搬入され、一方、トラックに積まれる荷物は出荷荷物置場6から搬出される。
【0015】
また、荷物集配場1には複数台のフォークリフト7(本発明でいう積み降ろし設備)が待機されており、運転手は、フォークリフト鍵保管庫8(本発明でいうIDコード読取手段、使用履歴報知手段)からフォークリフト7の鍵を持出す(貸出を受ける)ことにより、フォークリフト7を使用することができ、トラック3から荷物を降ろしたりトラック3に荷物を積んだりすることができる。また、運転手は、積み降ろし作業を終了した後に、フォークリフト7の鍵をフォークリフト鍵保管庫8に返却する。また、各々のトラックヤード2a〜2hには表示装置9a〜9h(本発明でいう誘導手段)、音声出力装置10a〜10h(本発明でいう誘導手段)及び警告灯11a〜11h(本発明でいう警告手段)が配置されている。
【0016】
図1は、上記した荷物集配場1に構築されている積み降ろし設備管理システム21の全体構成を概略的に示している。積み降ろし設備管理システム21は、管理PC端末22(本発明でいう使用許可・禁止手段、到着予定・出発予定検出手段、積み降ろし設備管理手段)、上記したフォークリフト鍵保管庫8、入荷計画・出荷計画データベース23(本発明でいう入荷計画・出荷計画記憶手段)、登録情報データベース24(本発明でいう登録情報記憶手段)、鍵使用履歴データベース25(本発明でいう使用開始時刻記憶手段、使用終了時刻記憶手段)及びトラックヤード制御装置26がLAN27を介して相互接続されて構成されている。
【0017】
管理PC端末22は、積み降ろし設備管理システム21の動作全般を制御する。フォークリフト鍵保管庫8は、図3に示すように、運転手がIDカード27(本発明でいうIDコード記録媒体)を挿通可能なIDカード挿通部8a、例えば液晶ディスプレイから構成されてなる表示部8b及び運転手が操作する操作キーが配列されてなる操作部8c及びフォークリフト7の鍵28の個々に対応して開錠・施錠機構8dが設けられている。
【0018】
運転手は、フォークリフト7の鍵を持出すとき及びフォークリフト7の鍵を返却するときにIDカード27をIDカード挿通部8aに挿通させるもので、運転手がIDカード27をIDカード挿通部8aに挿通させると、フォークリフト鍵保管庫8は、その挿通されたIDカード27に記録されているIDコードを読取り、その読取ったIDコードを管理PC端末22に出力する。また、フォークリフト鍵保管庫8は、管理PC端末22から開錠信号を入力すると、開錠・施錠機構8dを開錠して運転手がフォークリフト7の鍵28を持出すことを許可し、管理PC端末22から施錠信号を入力すると、開錠・施錠機構8dを施錠する。
【0019】
上記した入出ゲート4には、図4に示すように、入出ゲート4を通過するトラック3のナンバープレート3aを光学的に読取る撮影カメラ31a,31bが配置されている。撮影画像入力装置32は、撮影カメラ31a,31から入力した撮影画像を画像処理アルゴリズムにしたがって画像処理して撮影画像認識装置33に出力し、撮影画像認識装置33は、撮影画像入力装置32から入力した撮影画像を画像解析してナンバープレート3aに記録されている車両ナンバーを識別し、その識別した車両ナンバーを管理PC端末22に出力する。この場合、撮影カメラ31aは、荷物集配場1に到着するトラック3のナンバープレート3aを光学的に読取り、撮影カメラ31bは、荷物集配場から出発するトラック3のナンバープレート3aを光学的に読取る。
【0020】
また、上記した入出ゲート4には、図5に示すように、入出ゲート4を通過するトラック3のナンバープレート3aに装着されている電波モジュール(図示せず)から送信された電波を受信するアンテナ34a〜34dが配置されている。RFIDリーダ35は、電波モジュールから送信されてアンテナ34a〜34dに受信された電波を復調処理して電波モジュールに記憶されている車両情報(車両ナンバー、年式、定員及び積載可能重量など)を識別し、その識別した車両情報を管理PC端末22に出力する。この場合、アンテナ34a,34bは、荷物集配場1に到着したトラック3の電波モジュールから送信された電波を受信し、アンテナ34c,34dは、荷物集配場から出発するトラック3の電波モジュールから送信された電波を受信する。
【0021】
さらに、入出ゲート4の近傍にはRFIDリーダ36が配置されており、RFIDリーダ36は、トラック3の運転手が所有するICカード(例えばICカード機能付き運転免許証や社員証など)37から送信されてアンテナ38に受信された電波を復調処理してICカード37に記憶されている運転手情報を識別し、その識別した運転手情報を管理PC端末22に出力する。
【0022】
入荷計画・出荷計画データベース23は、荷物集配場1への入荷計画や荷物集配場1からの出荷計画を記憶しており、これら入荷計画や出荷計画は、車両ナンバー、車両情報、運転手情報、入荷されるべき荷物の識別番号(品番)、出荷されるべき荷物の識別番号(品番)及び入荷予定日時や出荷予定日時の対応関係が記録されているものであり、担当者が入荷計画データや出荷計画データを入力することにより逐一更新されるように構成されている。
【0023】
登録情報データベース24は、IDコードに対応する運転手毎に当該運転手が使用可能な積み降ろし設備を登録情報として記憶している。例えばフォークリフトの運転資格(運転免許)を有するIDコード「1111」の運転手にはフォークリフトの使用を許可し、その一方で、フォークリフトの運転資格を有しないIDコード「1119」の運転手にはフォークリフトの使用を禁止するというような情報である。鍵使用履歴データベース25は、フォークリフト7の鍵28の使用開始時刻(貸出時刻)及び使用終了時刻(返却時刻)を使用履歴として記憶する。
【0024】
トラックヤード制御装置26は、管理PC端末22から入力した制御信号に基づいて、トラックヤード2a〜2h毎に設置されている表示装置9a〜9hの表示制御、音声出力装置10a〜10hの音声出力制御及び警告灯11a〜11hの点灯制御を行う。尚、表示装置9a〜9hには、図6に示すように、例えば積み降ろし作業の進捗状況を表す表示画面が表示され、この場合、作業の進捗状況を表す「作業終了」「作業中」「遅延」「作業予定」の区分は色分けされて表示されても良い。
【0025】
次に、上記した構成の作用について、図7及び図8を参照して説明する。尚、ここでは、トラック3が荷物集配場1に到着して運転手が荷物をトラック3から降ろし、次いで、運転手が別の荷物をトラック3に積んで荷物集配場1から出発する場合を説明する。
【0026】
トラック3が入出ゲート4を通過すると、トラック3のナンバープレート3aが撮影カメラ31aにより光学的に読取られると共にトラック3のナンバープレート3aの電波モジュールから送信された電波がアンテナ34a,34bに受信され、撮影画像認識装置33が車両ナンバーを管理PC端末22に出力すると共にRFIDリーダ35が車両情報を管理PC端末22に出力する。
【0027】
管理PC端末22は、撮影画像認識装置33から車両ナンバーを入力すると共にRFIDリーダ35から車両情報を入力すると(ステップS1にて「YES」)、入荷計画・出荷計画データベース23に記憶されている入荷計画や出荷計画を参照し(ステップS2)、そのトラック3の荷物集配場1への到着予定や荷物集配場1からの出発予定と入荷計画や出荷計画とが対応しているか否かを判定する(ステップS3)。
【0028】
そして、管理PC端末2は、それら両者が対応していると(ステップS3にて「YES」)、制御信号をトラックヤード制御装置26に出力し、トラックヤード2a〜2hのうちいずれかに設置されている表示装置9a〜9hに表示動作を行わせると共に音声出力装置に音声出力動作を行わせ、そのトラック3をいずれかのトラックヤードに誘導する(ステップS4)。
【0029】
次いで、運転手がトラック3からの荷物の降ろし作業を行うべく降車してフォークリフト7を使用するためにIDカード27をフォークリフト鍵保管庫8のIDカード挿通部8aに挿通させると、フォークリフト鍵保管庫8がIDカード27に記録されているIDコードを読取って管理PC端末22に出力する。
【0030】
管理PC端末22は、フォークリフト鍵保管庫8からIDコードを入力すると(ステップS5にて「YES」)、そのIDコードの入力が2回目であるか否かを判定する(ステップS6)。ここで、管理PC端末22は、IDコードの入力が2回目ではないと(1回目であると)(ステップS6にて「NO」)、運転手がフォークリフト7の鍵28の持出しを要求していると判定し、その入力したIDコードを一時的に記憶する。そして、管理PC端末22は、登録情報データベース24に記憶されている登録情報を参照し(ステップS7)、IDカード27から読取られたIDコードと登録情報とが対応しているか否かを判定する(ステップS8)。
【0031】
そして、管理PC端末22は、それら両者が対応していると、つまり、フォークリフト鍵保管庫8から入力したIDコードがフォークリフトの運転資格を有する運転手のIDコードであると(ステップS8にて「YES」)、開錠信号をフォークリフト鍵保管庫8に出力し、開錠・施錠機構8dを開錠させて運転手にフォークリフト7の鍵28の持出しを許可する(ステップS9)。そして、管理PC端末22は、図8に示すように、そのフォークリフト7の鍵28が貸出された時刻を使用開始時刻として鍵使用履歴データベース25に記憶させる(ステップS10)。これにより、運転手は、これ以降、フォークリフト7を使用して荷物をトラック3から降ろしたり別の荷物をトラック3に積んだりすることができる。
【0032】
これに対して、管理PC端末22は、それら両者が対応していないと、つまり、フォークリフト鍵保管庫8から入力したIDコードがフォークリフトの運転資格を有しない運転手のIDコードであると(ステップS8にて「NO」)、開錠信号をフォークリフト鍵保管庫8に出力することなく、例えば警告メッセージをフォークリフト鍵保管庫8の表示部8bに表示させたり警告音を出力させたりするなどの警告動作を行い、フォークリフト7の鍵28の持出しを禁止する(ステップS11)。
【0033】
次いで、運転手が荷物の積み降ろし作業を終了してフォークリフト7の鍵28を返却すべくIDカード27をフォークリフト鍵保管庫8のIDカード挿通部8aに再度挿通させると、フォークリフト鍵保管庫8がIDカード27に記録されているIDコードを読取って管理PC端末22に出力する。
【0034】
管理PC端末22は、フォークリフト鍵保管庫8からIDコードを再度入力すると(ステップS5にて「YES」)、そのIDコードの入力が2回目であるか否かを判定し(ステップS6)、IDコードの入力が2回目であると(ステップS6にて「YES」)、運転手がフォークリフト7の鍵28の返却を要求していると判定し、フォークリフト7の鍵28が所定位置に置かれていることを確認した後に施錠信号をフォークリフト鍵保管庫8に出力し、開錠・施錠機構8dを施錠させる(ステップS12)。
【0035】
そして、管理PC端末22は、図8に示すように、そのフォークリフト7の鍵28が返却された時刻を使用終了時刻として鍵使用履歴データベース25に記憶させる(ステップS13)。尚、管理PC端末22は、例えば全ての積み降ろし設備が他の運転手に使用されている場合に、運転手がフォークリフト鍵保管庫8の操作部8cにて所定操作を行うと、このようにして鍵使用履歴データベース25に記憶された使用開始時刻及び使用終了時刻を表示部8bに表示させる。これにより、運転手は、フォークリフト8の使用開始時刻や使用終了時刻を使用履歴として知ることでき、積み降ろし作業の段取りを組むことができる。
【0036】
以上に説明した一連の処理により、トラック3の荷物集配場1への到着予定や荷物集配場1からの出発予定と入荷計画や出荷計画とが対応し、且つ、IDカード27から読取られたIDコードと登録情報とが対応した運転手に対してのみフォークリフト7の使用が許可されることになり、また、運転手がフォークリフト鍵保管庫8の操作部8cにて所定操作を行うと、フォークリフト8の使用開始時刻や使用終了時刻が使用履歴として表示されることになる。
【0037】
ところで、以上は、荷物を荷物集配場1へ入荷した後に別の荷物を荷物集配場1から出荷する場合を説明したものであるが、荷物を荷物集配場1へ入荷するだけの場合(荷物集配場1から空の状態で出発する場合)や、荷物を荷物集配場1から出荷するだけの場合(荷物集配場1に空の状態で到着した場合)も同様である。
【0038】
また、管理PC端末22において、フォークリフト7の鍵28の貸出に制限を持たせることにより、例えば荷物集配場1への到着が遅延しているトラック3が荷物集配場1へ到着した直後に積み降ろし作業を他の積み降ろし作業に優先して行えるようにしても良い。さらに、管理PC端末22において、警告灯11a〜11hに警告動作を行わせることにより、入荷計画や出荷計画に対応しないトラック3の運転手に入荷計画や出荷計画に違反している旨を知らせ、退去を促すようにしても良い。
【0039】
以上に説明したように本実施形態によれば、積み降ろし設備管理システム21において、IDカード27から読取られたIDコードと登録情報データベース24に記憶されている登録情報とが対応した運転手に対してのみフォークリフト7の使用が許可されるよう構成したので、フォークリフト7が不正な運転手に使用されることを未然に回避することができ、また、運転手がフォークリフト7の使用を開始した使用開始時刻や使用を終了した使用終了時刻が使用履歴としてフォークリフト鍵保管庫8の表示部8bに表示されるように構成したので、運転手が積み降ろし作業の段取りを組むことでき、運転手が荷物の積み降ろし作業を効率良く行うことができる。
【0040】
また、IDコードと登録情報とが対応した作業者であり、且つ、トラック3の荷物集配場1への到着予定や荷物集配場1からの出発予定と入荷計画や出荷計画とが対応したトラック3に対してのみフォークリフト7の使用が許可されるよう構成したので、入荷計画に違反して荷物集配場1に到着した運転手や出荷計画に違反して荷物集配場1から出発する運転手にフォークリフト7が使用されることを未然に回避することができる。
【0041】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
ナンバープレートから読取られた車両ナンバーやナンバープレートの電波モジュールから送信された車両情報に基づいてトラックの到着予定や出発予定と入荷計画や出荷計画とが対応しているか否かを判定する構成に限らず、運転手が所有しているICカードから送信された運転手情報に基づいてトラックの到着予定や出発予定と入荷計画や出荷計画とが対応しているか否かを判定する構成であっても良い。
積み降ろし設備は、搬送台車、クレーン、ホイスト及びパレタイザなどのフォークリフト以外のものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態を示す機能ブロック図
【図2】荷物集配場を示す図
【図3】フォークリフト鍵保管庫を示す図
【図4】入出ゲートに撮影カメラが配置されている態様を示す図
【図5】入出ゲートにアンテナが配置されている態様を示す図
【図6】表示画面を示す図
【図7】フローチャート
【図8】鍵使用履歴データベースに記憶される情報を示す図
【符号の説明】
【0043】
図面中、1は荷物集配場、2a〜2hはトラックヤード(積み降ろし場所)、3はトラック(荷物配達車両)、7はフォークリフト(積み降ろし設備)、8はフォークリフト鍵保管庫(IDコード読取手段、使用履歴報知手段)、9a〜9hは表示装置(誘導手段)、10a〜10hは音声出力装置(誘導手段)、11a〜11hは警告灯(警告手段)、21は積み降ろし設備管理システム、22は管理PC端末(使用許可・禁止手段、到着予定・出発予定検出手段、積み降ろし設備管理手段)、23は入荷計画・出荷計画データベース(入荷計画・出荷計画記憶手段)、24は登録情報データベース(登録情報記憶手段)、25は鍵使用履歴データベース(使用開始時刻記憶手段、使用終了時刻記憶手段)、27はIDカード(IDコード記録媒体)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が積み降ろし設備を使用して荷物集配車両に荷物を積んだり荷物集配車両から荷物を降ろしたりする荷物集配場内で用いられる積み降ろし設備管理システムであって、
作業者が所有するIDコード記録媒体から当該作業者を識別するIDコードを読取るIDコード読取手段と、
IDコードに対応する作業者毎に当該作業者が使用可能な積み降ろし設備を登録情報として記憶している登録情報記憶手段と、
前記IDコード読取手段により読取られたIDコードと前記登録情報記憶手段に記憶されている登録情報とを照合し、それらIDコードと登録情報とが対応した場合に、そのIDコードに対応する作業者が使用可能な積み降ろし設備の使用を許可し、それらIDコードと登録情報とが対応しなかった場合に、積み降ろし設備の使用を禁止する使用許可・禁止手段と、
作業者が積み降ろし設備の使用を開始した時刻を使用開始時刻として記憶する使用開始時刻記憶手段と、
作業者が積み降ろし設備の使用を終了した時刻を使用終了時刻として記憶する使用終了時刻記憶手段と、
前記使用開始時刻記憶手段により記憶された使用開始時刻や前記使用終了時刻記憶手段により記憶された使用終了時刻を使用履歴として報知する使用履歴報知手段とを備えたことを特徴とする積み降ろし設備管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載した積み降ろし設備管理システムにおいて、
荷物集配場への入荷計画や荷物集配場からの出荷計画を記憶している入荷計画・出荷計画記憶手段と、
荷物集配車両の荷物集配場への到着予定や荷物集配場からの出発予定を検出する到着予定・出発予定検出手段と、
前記使用許可・禁止手段は、前記到着予定・出発予定検出手段により検出された荷物集配車両の荷物集配場への到着予定や荷物集配場からの出発予定と前記入荷計画・出荷計画記憶手段に記憶されている入荷計画や出荷計画とを照合し、それら到着予定や出発予定と入荷計画や出荷計画とが対応し且つIDコードと登録情報とが対応した場合に、そのIDコードに対応する作業者が使用可能な積み降ろし設備の使用を許可することを特徴とする積み降ろし設備管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載した積み降ろし設備管理システムにおいて、
前記到着予定・出発予定検出手段により検出された荷物集配車両の荷物集配場への到着予定や荷物集配場からの出発予定と前記入荷計画・出荷計画記憶手段に記憶されている入荷計画や出荷計画とが対応した場合に、その荷物集配車両を積み降ろし場所へ誘導する誘導手段を備えたことを特徴とする積み降ろし設備管理システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載した積み降ろし設備管理システムにおいて、
前記到着予定・出発予定検出手段により検出された荷物集配車両の荷物集配場への到着予定や荷物集配場からの出発予定と前記入荷計画・出荷計画記憶手段に記憶されている入荷計画や出荷計画とが対応した場合に、その積み降ろし作業に必要な積み降ろし設備を他の積み降ろし作業に優先して確保する積み降ろし設備管理手段を備えたことを特徴とする積み降ろし設備管理システム。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれかに記載した積み降ろし設備管理システムにおいて、
前記到着予定・出発予定検出手段により検出された荷物集配車両の荷物集配場への到着予定や荷物集配場からの出発予定と前記入荷計画・出荷計画記憶手段に記憶されている入荷計画や出荷計画とが対応しなかった場合に、その荷物集配車両に警告動作を行う警告手段を備えたことを特徴とする積み降ろし設備管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−297166(P2007−297166A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−125876(P2006−125876)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【出願人】(500352063)株式会社デンソーエスアイ (6)
【Fターム(参考)】