説明

積層グレージングを製造するための方法および積層グレージング

所定のストレスに抵抗するような積層グレージングを製造するための本発明の方法によれば、参照積層グレージングは、所定のストレスに抵抗し、および製造されるべき積層グレージングの場合と同じ化学組成を有する少なくとも1つの基材および1つのインサートを含むように同定され;積層グレージングインサートの引裂強度(Jc−ref)、ならびに参照積層グレージングのインサート厚さ(ei−ref)および基材厚さ(eg−ref)が次いで決定され;次いで、製造されるべき積層グレージングの場合と同じ化学組成を有する少なくとも1つの基材および1つのインサートを含むいずれかの所与の積層グレージングが、所定のストレスに抵抗するために必要とされるインサートの最小引裂抵抗(Jc−min)を示すグラフ(C)を、インサート厚さ(e)および/または基材厚さ(e)に基づいて用い、インサート厚さおよび基材厚さに関して最適値の組み合わせ(ei−opt、eg−opt)が推測され;積層グレージングが、次いで最適値(ei−opt、eg−opt)以上であるインサート厚さ(ei−dim)および基材厚さ(eg−dim)に合わせてサイズ調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス機能を有する少なくとも1つの基材および少なくとも1つのポリマー中間層を含む積層グレージングユニットを製造するための方法に関する。本発明はまた、積層グレージングユニットおよび積層グレージングユニットのためのポリマー中間層に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の意味内において、ガラス機能を有する基材は、ガラスおよび/またはプラスチック製の基材を示し、ここで「プラスチック製基材」という表現は、高分子量の1つ以上の有機ポリマー基材を含有する基材を意味すると理解される。さらに、ポリマー中間層は、モノリシック中間層または層、樹脂もしくはフィルム形態の幾つかのポリマー構成成分のアセンブリで構成される複合中間層である。本発明の意味内において、「積層グレージングユニット」という表現はまた、ガラス機能を有する少なくとも1つの基材および少なくとも1つの中間層を含むいずれかのグレージング構造を意味すると理解され、単一基材および単一中間層を共に合わせた状態で含む構造が含まれる。
【0003】
積層グレージングユニットは、これらの良好な機械的強度特性のために、通常、車両または建物に装備されるために使用される。例として、積層グレージングユニットは、車両、とりわけ自動車、特にフロントガラス;建物の外観グレージングユニット;または少なくとも1つのガラス基材および積層中間層によって基材に結合した1つ以上の太陽電池セルを含む太陽電池モジュールのためのグレージングユニットを含む。積層グレージングユニットの中間層は、グレージングユニットの機械的強度に肝要な役割を果たす。特に、衝撃時、ガラスが破損する前に、有利なことには中間層が粘性消散によってエネルギーの一部を吸収し得る。さらに、中間層は、ガラスが完全に砕け散る場合にグレージングユニットの構造の一体性を十分に保証し、中間層へのガラスフラグメントの接着およびアセンブリとこの支持体との構造上の保持力のために、ガラスの破片が飛び散り、結果として人を傷つけるのを防止できる。
【0004】
積層グレージングユニットの中間層はまた、この機械的特性に加えて、グレージングユニットを通して客室に到達する空中伝搬および/または固体伝搬騒音の知覚を緩和する目的で、特に車両および建物に装備されることを目的とした積層グレージングユニットに関して防音特性を有するように、選択されてもよい。例えば、この機械的特性のために広く使用される中間層であるポリビニルブチラール(PVB)はまた、この組成が適切に調節される場合に防音特性を有する積層グレージングユニットを提供し得る。
【0005】
建物および自動車の積層グレージングユニットは、これらの機械的強度に関して基準の要件を満たさなければならず、特に、破壊行為または不法侵入または弾道発射の行為中のように偶発的な衝突、落下物または人々、またはこの他には投げ込まれた物によるものであるかどうかに拘わらず、良好な衝撃抵抗を有していなければならない。積層グレージングユニットは、ソフト衝撃(EN12600標準のクラス1B1および2B2)、またはハード衝撃(R43標準、EN356標準)に対する抵抗性の基準を満たさなければならない。産業において製造された積層グレージングユニットは、現在のところ、基材および標準化された厚さを有する中間層から形成され、必要な機械的強度性能は、標準厚さを有する中間層を幾つかのプライに重ね合わせることによって得られる。しかし、中間層厚さが既知の厚さの倍数であるこうした積層グレージングユニットの製造方法は、非常に多くの場合、積層グレージングユニットの過大寸法をもたらす。これは、結果として、これらの積層グレージングユニットの追加コストおよび過剰重量をもたらす。さらに、標準厚さを有する中間層のプライの重ね合わせによるこの製造方法では、必要に応じて積層グレージングユニットの他の特性、例えばアセンブリの光透過性を積層体の1つ以上の面において改善するために、積層グレージングユニットの構造を自由に調節できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの欠点は、より具体的には、得られる積層グレージングユニットが、一方で基準要件に対応する所定のストレスに耐えるのに適しており、他方で機械的強度要件に関して最適化された基材および中間層厚さに従ってサイズ調整され、これらの最適な厚さは、積層グレージングユニットの最小化された総厚さに対応することを保証する積層グレージングユニットの製造方法を提案することによって解決することを本発明が意図するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明の1つの主題は、積層グレージングユニットが所定のストレスに耐えるように積層グレージングユニットを製造する方法であって、この積層グレージングユニットは、所与の化学組成のガラス機能を有する少なくとも1つの基材および所与の化学組成の少なくとも1つのポリマー中間層を含み、この方法は:
−参照積層グレージングユニットが、所定のストレスに耐え、製造されるべき積層グレージングユニットの場合と同じ化学組成を有する少なくとも1つの基材および1つの中間層を含むように同定される工程;
−この参照積層グレージングユニットの中間層の引裂強度、この参照積層グレージングユニットの中間層厚さおよびこの参照積層グレージングユニットの基材厚さが決定される工程;
−いずれかの所与の積層グレージングユニットが、製造されるべき積層グレージングユニットの場合と同じ化学組成を有する少なくとも1つの基材および1つの中間層を含み、所定のストレスに耐えるために必要とされる中間層の最小引裂強度を示すグラフを、この所与の積層グレージングユニットの中間層厚さおよび/またはこの所与の積層グレージングユニットの基材厚さの関数として用い、中間層厚さおよび基材厚さの最適値の組み合わせが、参照積層グレージングユニットの中間層の引裂強度に等しい最小必須中間層引裂強度の値に対応するように推測される工程;
−積層グレージングユニットが、この中間層厚さの最適値以上の選択された中間層厚さ
および基材厚さの最適値以上の選択された基材厚さに合わせてサイズ調整される工程
を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の意味内において、中間層厚さの最適値および基材厚さの最適値の組み合わせは、積層グレージングユニットが所定のストレスに耐えることと、積層グレージングユニットの総厚さが最小となることとの組み合わせである。さらに、積層グレージングユニットが、ガラス機能を有する幾つかの基材を含む場合、「所与の化学組成の」という表現は、ガラス機能を有するこれらの基材すべてが、所与の化学組成である同じ化学組成を有することを意味する。同様に、積層グレージングユニットが幾つかのポリマー中間層フィルムを含む場合、「所与の化学組成の」という表現は、これらの中間層フィルムすべてが、所与の化学組成である同じ化学組成を有することを意味する。
【0009】
本発明に従う方法の他の有利な特徴によれば、独立して考慮されるか、または技術的に可能な組み合わせのすべてに従って考慮される:
・積層グレージングユニットは、参照積層グレージングユニットの基材厚さに等しい選択された基材厚さに合わせてサイズ調整され、この方法は:
−いずれかの所与の積層グレージングユニットが、製造されるべき積層グレージングユニットの場合と同じ化学組成を有する少なくとも1つの基材および1つの中間層を含み、所定のストレスに耐えるために必要とされる中間層の最小引裂強度を示すグラフを、この所与の積層グレージングユニットの中間層厚さの関数として用い、このグラフが、参照積層グレージングユニットの基材厚さに等しい所与の積層グレージングユニットの基材厚さに関して確立され、最小必須中間層厚さが、参照積層グレージングユニットの中間層の引裂強度に等しい最小必須中間層引裂強度の値に対応するように推測される工程;
−積層グレージングユニットが、この最小必須中間層厚さ以上の選択された中間層厚さ
および参照積層グレージングユニットの基材厚さに等しい選択された基材厚さに合わせてサイズ調整される工程
を含む。
【0010】
・積層グレージングユニットは、参照積層グレージングユニットの中間層厚さに等しい選択された中間層厚さに合わせてサイズ調整され、この方法は:
−いずれかの所与の積層グレージングユニットが、製造されるべき積層グレージングユニットの場合と同じ化学組成を有する少なくとも1つの基材および1つの中間層を含み、所定のストレスに耐えるために必要とされる中間層の最小引裂強度を示すグラフを、この所与の積層グレージングユニットの基材厚さの関数として用い、このグラフが、参照積層グレージングユニットの中間層厚さに等しい所与の積層グレージングユニットの中間層厚さに関して確立され、最小必須基材厚さが、参照積層グレージングユニットの中間層の引裂強度に等しい最小必須中間層引裂強度の値に対応するように推測される工程;
−積層グレージングユニットが、参照積層グレージングユニットの中間層厚さに等しい選択された中間層厚さおよび最小必須基材厚さ以上の選択された基材厚さに合わせてサイズ調整される工程
を含む。
【0011】
・選択された厚さの少なくとも1つが、厳密に、参照積層グレージングユニットの対応する厚さ未満である。
【0012】
・所定のストレスに耐えるように積層グレージングユニットをサイズ調整する前に、製造されるべき積層グレージングユニットの場合と同じ化学組成を有する少なくとも1つの基材および1つの中間層を含むいずれかの所与の積層グレージングユニットが所定のストレスに耐えるために必要とされる最小中間層引裂強度を示すグラフが、所与の積層グレージングユニットの中間層厚さおよび/または所与の積層グレージングユニットの基材厚さの関数として、中間層厚さおよび/または基材厚さの観点から異なる組成を有する積層グレージングユニットに関して行われた機械的強度試験からプロットされる。
【0013】
・所定のストレスに耐えるように積層グレージングユニットをサイズ調整する前に、製造されるべき積層グレージングユニットの中間層の接着が、製造されるべきこの積層グレージングユニットの基材に対して満足のいくものであることが検証される。
【0014】
・製造されるべき積層グレージングユニットの中間層の接着が、基材に結合した中間層のサンプルを捻じることによって、基材からの中間層の分離が発生する場所での捻転力を測定することによって、およびこの力から、対応する接着剪断強度を計算することによって、およびこの接着強度の値を、いずれかの積層グレージングユニットが所定のストレスに耐えるために許容される値の範囲と比較することによって、製造されるべきこの積層グレージングユニットの基材に対して満足のいくものであることが検証される。
【0015】
・所定のストレスに耐える参照積層グレージングユニットが、参照積層グレージングユニットに対して機械的強度試験を行うことによって同定される。
【0016】
・参照積層グレージングユニットの中間層の引裂強度が、Tielking方法を用いて決定される。
【0017】
・所定のストレスに耐えるための積層グレージングユニットのサイズ調整の前に、製造されるべき積層グレージングユニットの中間層の防音特性が満足のいくものであることが検証される。
【0018】
・製造されるべき積層グレージングユニットの中間層の防音特性は、中間層が、温度20℃および周波数50Hzに関して0.6を超える損失係数tanδおよび2×10N/m未満の剪断率G’を有する場合に満足のいくものである。
【0019】
本発明の別の主題は、所定のストレスに耐えるのに適した積層グレージングユニットであり、所与の基材化学組成を有するガラス機能を有する少なくとも1つの基材および所与の中間層化学組成を有する少なくとも1つのポリマー中間層を含み、この中間層厚さが、中間層厚さの最適値を超えて20%の限度以内でこの最適値以上であること、およびこの基材厚さが、基材厚さの最適値を超えて20%の限度以内でこの最適値以上であることを特徴とし、ここで最適値の組み合わせが、所与の基材化学組成を有する少なくとも1つの基材および所与の中間層化学組成を有する1つの中間層を含むいずれかの積層グレージングユニットが、所定のストレスに耐えるために必要とされる最小中間層引裂強度値に対応する。
【0020】
ここでも、「中間層厚さの最適値および基材厚さの最適値の組み合わせ」という表現は、積層グレージングユニットの総厚さが最小になるための組み合わせを意味すると理解される。さらに、積層グレージングユニットが、ガラス機能を有する幾つかの基材を含む場合、「所与の基材化学組成を有する」という表現は、ガラス機能を有するこれらの基材すべてが、所与の基材化学組成である同じ化学組成を有することを意味する。同様に、積層グレージングユニットが幾つかのポリマー中間層フィルムを含む場合、「所与の中間層化学組成を有する」という表現は、これらの中間層フィルムすべてが、所与の中間層化学組成である同じ化学組成を有することを意味する。
【0021】
本発明に従う積層グレージングユニットの他の有利な特徴によれば:
・所与の基材厚さに関して、この中間層厚さは、最小必須中間層厚さ値を超えて20%の限度内でこの値以上であり、ここで所与の基材厚さおよび最小必須中間層厚さの組み合わせが、所与の基材化学組成を有する少なくとも1つの基材および所与の中間層化学組成を有する1つの中間層を含むいずれかの積層グレージングユニットが所定のストレスに耐えるために必要とされる最小中間層引裂強度に対応する。
【0022】
・所与の中間層厚さに関して、この基材厚さは、最小必須基材厚さ値を超えて20%の限度内でこの値以上であり、ここで所与の中間層厚さおよび最小必須基材厚さの組み合わせが、所与の基材化学組成を有する少なくとも1つの基材および所与の中間層化学組成を有する1つの中間層を含むいずれかの積層グレージングユニットが所定のストレスに耐えるために必要とされる最小中間層引裂強度に対応する。
【0023】
・この中間層が、温度20℃および周波数50Hzに関して0.6を超える損失係数tanδ、および2×10N/m未満の剪断率G’を有する。
【0024】
・積層グレージングユニットは、EN12600標準のクラス1B1に対応するストレスに耐えるのに適しており、厚さ3mmを有する2つのガラス基材と、ガラス基材間で0.5mm≦e≦0.74mmで結合されるような厚さeを有するPVB中間層とを含む。
【0025】
・積層グレージングユニットが、EN12600標準のクラス2B2に対応するストレスに耐えるのに適しており、厚さ3mmを有する2つのガラス基材と、ガラス基材間で0.25mm≦e≦0.36mmで結合されるような厚さeを有するPVB中間層とを含む。
【0026】
・積層グレージングユニットが、R43標準に対応するストレスに耐えるのに適しており、それぞれの厚さがeg1=1.8mmおよびeg2=1.4mmを有する2つのガラス基材と、ガラス基材間で0.4mm≦e≦0.74mmで結合されるような厚さeを有するPVB中間層とを含む。
【0027】
本発明の別の主題は、所定のストレスに耐えること、およびガラス機能を有し、所与の基材化学組成を有し、所与の厚さで中間層に結合した少なくとも1つの基材を含むことを意図した積層グレージングユニットのための、所与の中間層化学組成を有するポリマー中間層であって、中間層の厚さが、最小必須中間層厚さ値を超えて20%の限度内でこの値以上であり、ここで、所与の基材厚さおよび最小必須中間層厚さの組み合わせが、所与の基材化学組成を有する少なくとも1つの基材および所与の中間層化学組成を有する1つの中間層を含むいずれかの積層グレージングユニットが、所定のストレスに耐えるために必要な最小中間層引裂強度値に対応する。
【0028】
本発明の意味内において、「中間層厚さ」という表現は、中間層の公称厚さを意味すると理解され、この中間層は、可能性として、公称厚さに関して局所的に厚さ変動を有する。
【0029】
本発明に従う中間層の他の有利な特徴によれば:
・EN12600標準のクラス1B1に対応するストレスに耐えることを意図した積層グレージングユニットのためのPVB中間層は、0.5mm≦e≦0.74mmとなるような厚さeを有する。
【0030】
・EN12600標準のクラス2B2に対応するストレスに耐えることを意図した積層グレージングユニットのためのPVB中間層は、0.25mm≦e≦0.36mmとなるような厚さeを有する。
【0031】
・R43標準に対応するストレスに耐えることを意図した積層グレージングユニットのためのPVB中間層は、0.4mm≦e≦0.74mmとなるような厚さeを有する。
【0032】
最後に、本発明の1つの主題は、所与の中間層化学組成を有し、最少必須中間層厚さ値を超えて20%の限度内でこの最小値以上の厚さを有するポリマー中間層の、所定のストレスに耐えるのに好適であり、所与の基材化学組成を有するガラス機能を有する少なくとも1つの基材を含む積層グレージングユニットの単独積層中間層としての使用であり、ここで積層グレージングユニットの基材厚さおよび最小必須中間層厚さの組み合わせが、所与の基材化学組成を有する少なくとも1つの基材および所与の中間層化学組成を有する1つの中間層を含むいずれかの積層グレージングユニットが所定のストレスに耐えるために必要とされる最小中間層引裂強度に対応する。
【0033】
この一般的に規定される使用の内容の範囲内において、本発明の主題は、特に以下である:
・EN12600標準のクラス1B1に対応するストレスに耐えるのに適した積層グレージングユニットの単独積層中間層として、0.5mm≦e≦0.74mmとなるような厚さeを有するPVB中間層の使用。
【0034】
・EN12600標準のクラス2B2に対応するストレスに耐えるのに適した積層グレージングユニットの単独積層中間層として、0.25mm≦e≦0.36mmとなるような厚さeを有するPVB中間層の使用。
【0035】
・R43標準に対応するストレスに耐えるのに適した積層グレージングユニットの単独積層中間層として、0.4mm≦e≦0.74mmとなるような厚さeを有するPVB中間層の使用。
【0036】
本発明の特徴および利点は、例としてのみ与えられ、次の添付の図面を参照して、本発明に従う積層グレージングユニットをサイズ調整するための方法の幾つかの実施形態の次の説明により明らかになる:
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】ガラス機能を有する2つの基材および1つのポリマー中間層を含む積層グレージングユニットの断面である。
【図2】積層グレージングユニットが、EN12600標準のクラス1B1および2B2に対応するストレスに耐えるために必要とされる最小中間層引裂強度を、積層グレージングユニットの中間層厚さの関数として示すグラフであり、3mmの厚さを有する2つのガラス基材、およびそれぞれクラス1B1については3.1MPaから6.8MPa、クラス2B2については4MPaから9.6MPaの接着強度を有する中間層を含む積層グレージングユニットに関して確立される。
【図3】積層グレージングユニットがR43標準に対応するストレスに耐えるために必要とされる最小中間層引裂強度を、積層グレージングユニットの中間層厚さの関数として示す、図2のグラフに類似したグラフであり、2.1mmの厚さを有する2つのガラス基材、および2MPaから5MPaの接着強度を有する中間層を含む積層グレージングユニットについて、4mの落高に関して確立される。
【図4】積層グレージングユニットがR43標準に対応するストレスに耐えるために必要とされる最小中間層引裂強度を、積層グレージングユニットの中間層厚さおよび基材厚さ両方の関数として示す三次元のグラフであり、2MPaから5MPaの接着強度を有する中間層を含む積層グレージングユニットについて、4mの落高に関して確立される。
【図5】中間層の接着を、これが合わされた基材に関して評価するための実験デバイスの概略前面図である。
【図6】中間層の接着を、これが合わされた基材に関して評価するためのデバイスの変形例の透視図である。
【図7】中間層の引裂強度を評価するための実験デバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明に従う製造方法の第1の実施形態において、図2のグラフに例示されるように、ソフト衝撃(EN12600標準のクラス1B1および2B2)に耐えるように積層グレージングユニットをサイズ調整することが求められる。例としておよび図1に示されるように、製造されるべき積層グレージングユニット1は、2つのガラス基材3および5と、この間に結合される所与の化学組成の中間層7を含む積層グレージングユニットであり、この特定の化学組成は、例えばPVB系中間層でありcによって示される。
【0039】
本発明によれば、積層グレージングユニット1をサイズ調整することを目的として、基材3および5に対する中間層7の接着が満足いくものであることが最初に検証される。この目的のために、接着は、試験の基準に基づいて評価され、計算方法は、以下に繰り返される特許出願のEP−A−1495305に記載される。
【0040】
最初に、捻転力を、基材3および5の少なくとも1つに対して中間層7の剥離が発生するまで、積層グレージングユニット1のサンプルに生じさせる。実際、試験は、10mmに等しい半径rを有するグレージングユニット1の丸型サンプル30について、例えば図5に例示される既知のタイプの捻転デバイス300を用いて行われる。
【0041】
デバイス300は、3つのジョー31、32、33および垂直軸の駆動軸35に連結された100mmに等しい半径Rの滑車34を含む。ジョーは、サンプル全体を掴めるようにそれぞれ120°の円弧の形態である。ジョーの表面コーティングは、ガラスと機械的に適合性である材料、例えばアルミニウム、Teflon(登録商標)またはポリエチレンで構成される。
【0042】
ジョーの1つは、フレームに対して固定されて保持されるが、別のジョーは、サンプル上に捻転を生じさせるために回転することを意図する滑車34に締結される。滑車34は、滑車に連結された駆動軸35の移動によって回転させる。駆動軸は、35から50mm/分の最低一定速度にて引っ張られる。
【0043】
力センサを使用して、サンプルが捩じられるときに、中間層7の剥離の発生を開始するのに必要な力Fを測定する。次いでこれから、計算により既知の式
【0044】
【数1】

(式中、Fは、中間層7の剥離の発生を開始するために必要とされる力であり、Rは滑車34の半径であり、rはサンプルの半径である。)
を用いて接着剪断強度を推測できる。
【0045】
しかし、EP−A−1495305において説明されるように、デバイス300は、嵩高く、これは試験が実験室で行われなければならないことを意味する。このため、デバイス300は、積層グレージング製造ラインにおける「処理標識」タイプの測定には不適当である。しかし、積層グレージングユニットの製造に関して、ポリマー中間層の組成が本発明によって設定される強度値に適合するように設計されるが、それにもかかわらず、中間層の乏しい接着が、グレージングユニットの製造方法に関連するパラメータ、例えば結合の質に影響を及ぼすような、中間層の貯蔵条件、ガラス洗浄性質、または他にはガラスと中間層との組立中のカレンダー加工工程の過程での温度および圧力のために、最終製品にて生じる。
【0046】
測定強度値が低い場合にすぐに工程に対応できるよう、製造ライン付近で製造のモニタリング中に測定を行うために、よりコンパクトで、容易に輸送できる別の測定装置400を変形例として有利に使用できる。図6に示されるこのデバイス400は、約60cm×20cmに小型化され、2つの3ジョーシステム40および41、回転シャフト42、シャフトを回転させるためのモーター43、捻転メーター44およびコンピューター素子をハウジングするボックス45を含む。
【0047】
積層グレージングユニット1の丸型サンプルは、2つのジョーシステム40および41との間に挟持されることが意図され、1つのシステム40は固定されるが、他方は移動可能であり、シャフト42に連結されることによって回転可能である。捻転メーターは、モーターと移動可能なジョーシステム41との間に配置される。シャフトの回転速度は、中間層の厚さに依存する。例として、0.76mmの厚さを有する中間層に関して、回転は0.08rpmのオーダーである。
【0048】
システム41は回転し、測定された捻転が反転するときに、中間層7の剥離の開始が生じる。捻転メーターは、ボックス45のコンピューター素子に連結され、この素子が、接着強度τの値を直接計測できるディスプレイパートを含む。
【0049】
いずれのデバイスを使用するかに拘わらず、接着強度τの値におけるばらつきを詳細に評価する目的で、幾つかのサンプル、例えば最小数の5つのサンプルについて試験を繰り返すこと、およびこの標準偏差と共に強度τの平均を計算することが好ましい。
【0050】
中間層7の接着は、接着強度の値τが、いずれかの積層グレージングユニットがEN12600標準の標的クラスに対応するストレスに耐えるように、許容される値の範囲内である場合に好適である。本発明によれば、この許容される値の範囲は、異なる組成の積層グレージングユニットについて行われる標準に規定される規格化された機械的強度試験から、EN12600標準のクラス1B1および2B2のそれぞれに関して実験的に決定される。
【0051】
許容される値の範囲は、この範囲内における接着強度τの値はいずれも、接着基準を満たすのに好適であり、EN12600標準のクラス1B1について6.8MPa未満およびEN12600標準のクラス2B2について9.6MPa未満の値のすべてである。実際、考慮される許容される値の範囲は、クラス1B1に関しては3.1MPaから6.8MPa、およびクラス2B2に関しては4MPaから9.6MPaに等しく、これらの値の範囲の下限は、グレージングユニットの機械的強度を考慮することとは独立して、グレージングユニットの良好な透明性を確実にするために決定される。
【0052】
中間層7の接着強度τが、EN12600標準の標的クラスの許容される値の範囲内にあることが検証されたら、積層グレージングユニット1の実際のサイズ調整が行われる。
【0053】
この実施形態において、グレージングユニット1は、例えば3mmである各ガラス基材3および5の厚さに対応するように、6mmに等しい固定された積層グレージングユニットのガラス基材の総厚さeg−dimに合わせてサイズ調整される。
【0054】
中間層7をサイズ調整する目的で、まず図1に見られ、少なくとも1つのガラス基材および製造されるべき積層グレージングユニット1の中間層7と同じ化学組成Cを有する1つの中間層を含むいずれかの所与の積層グレージングユニットがEN12600標準の標的のクラス1B1または2B2に対応するストレスに耐えるために必要とされる最小中間層引裂強度Jc−minを示す曲線CまたはCは、いずれかの所与の積層グレージングユニットの中間層厚さeの関数としてプロットされ、この曲線は、6mmに等しい基材厚さeに関して確立される。実際、曲線CまたはCは、それぞれ少なくとも1つのガラス基材および化学組成Cを有する中間層を含む積層グレージングユニットであって、中間層の厚さ値が互いに異なる、即ち中間層の厚さの観点での組成が互いに異なる積層グレージングユニットについて行われるEN12600標準に規定される規格化された機械的強度試験から得られる。
【0055】
次に、参照積層グレージングユニットは、標的とされるクラス1B1または2B2に対応するストレスに耐え、6mmに等しいガラス基材厚さを有し、サイズ調整されるべき積層グレージングユニット1の中間層7と同じ化学組成Cを有する中間層を含むものが同定される。
【0056】
クラス1B1の必須要件に従ってグレージングユニット1をサイズ調整するための参照積層グレージングユニットの例は、「33.2」タイプであり、即ちそれぞれ3mmの厚さを有する2つのガラス基材および特定組成Cを有する2つの中間層プライを含み、中間層の各プライは、0.38mmの標準化厚さを有し、0.76mmに等しい参照積層グレージングユニットの総中間層厚さei−refに対応する。クラス1B1に対応するストレスに対するこの参照積層グレージングユニットの抵抗性は、規格化機械強度試験によって検証される。
【0057】
参照グレージングユニット「33.2」の中間層の引裂強度Jc−refが次いで決定される。引裂強度は、特許出願のEP−A−1151855およびEP−A−1495305に説明されるTielkingによって開発された亀裂の先端(またはルート)エネルギーJを計算する方法に基づいて評価される。
【0058】
中間層の引裂強度は、これを構成する材料に固有の特徴を有する。材料中に開始される亀裂が成長するのに必要なエネルギーを示すエネルギー値によって特徴付けられる。臨界エネルギーJとして既知のこのエネルギーは、材料のそれぞれのタイプについて異なり、中間層フィルムの厚さに無関係である。
【0059】
引裂強度または臨界エネルギーJは、RiceのJ積分に基づくエネルギー方法によって既知の様式で与えられ、これは、亀裂の位置にて非常に高いストレスに供されるフィルムでの亀裂の先端に局在化したエネルギーを規定する。これは以降で変位δと呼ばれる試験されたサンプルの所定の強度δに関する次の単純化された数学的形式で記述され:
【0060】
【数2】

式中:
はサンプルの厚さを表し;
aは、亀裂のサイズであり;
Uはサンプルのポテンシャルエネルギーである。
【0061】
引裂強度を決定するための実験デバイスは、図7に例示される。引張−圧縮機500を用いる引張試験は、100mm(長さ50mm×幅20mm)に等しい表面積を有する同じ材料の幾つかのサンプルEX、例えば4つのサンプルについて、行われる。各サンプルは、引張力に対して垂直に、側面にてノッチを入れ、各サンプルEXについてそれぞれ5、8、12および15mmに対応する異なる亀裂長さaを有する。
【0062】
各サンプルEXは、100mm/分の延伸速度にて、所与の延伸長さまたは距離δにわたって、温度が20℃である環境中で亀裂20に対して垂直に延伸される。
【0063】
EP−A−1495305において詳細に記載される方法に従って、亀裂の先端エネルギーJの変動曲線を、サンプルによって行われる延伸δの関数として確立できる(図示せず)。次いで亀裂20の成長を示すビデオカメラを用いて、サンプル中の亀裂の成長が始動する点である変位δを検出する。次いで、曲線J(δ)から、変位δに対応するサンプルの引裂の初期設定のための臨界エネルギーJの値が推測される。この臨界値Jにおいて、材料が引裂かれ、必須機械的機能に関して結果として機械的損傷を受ける。
【0064】
参照グレージングユニット「33.2」の中間層に関して測定される引裂強度または臨界エネルギーJc−refは、EN12600標準のクラス1B1の必須要件を満たし、これは18000J/mである。
【0065】
次いで、曲線Cを用いて、参照積層グレージングユニットの中間層の引裂強度Jc−ref(即ち18000J/mに等しい。)に等しい最小必須中間層引裂強度Jc−minに対応する最小必須中間層厚さei−minが推測される。図2の曲線Cに示されるように、最小必須中間層厚さei−minは、この例においては0.62mmに等しい。
【0066】
故に、0.62mmに等しい最小必須中間層厚さei−min以上の中間層7の厚さei−dimに合わせて積層グレージングユニット1をサイズ調整できる。EN12600標準のクラス1B1の要件を満たし、厚さ3mmを有する2つのガラス基材3および5ならびに基材間に結合された0.76mm未満の厚さを有する化学組成Cの中間層7を含む積層グレージングユニット1は、こうして得られる。
【0067】
この実施例に例示されるように、本発明に従うサイズ調整方法は、所定のストレスに耐えるように積層グレージングユニットの最適なサイズ調整が可能になり、即ち積層グレージングユニットの最小総厚さを有する。特に、本発明によって、同じ標準の同じ性能クラスに合格するために、既知のグレージングユニットを、薄層化グレージングユニットと系統的に置き換えることができる。故に先行する例において、EN12600標準のクラス1B1に合格するために、既知の参照グレージングユニット「33.2」を、3mmの厚さを有する2つのガラス基材および0.62mm≦ei−dim≦0.76mmである厚さei−dimを有する化学組成CのPVB中間層を含む薄層化グレージングユニットと置き換えることができる。
【0068】
好ましくは、先行する実施例におけるようにサイズ調整された積層グレージングユニットの中間層厚さei−dimは、最小必須中間層厚さ値ei−minを超えて20%の限度内にてこの値を超えるだけであり、即ち先行する例において、ei−dimは、好ましくは0.62mm≦ei−dim≦0.74mmになるものである。
【0069】
EN12600標準のクラス2B2に適用される類似のサイズ調整方法は、図2の曲線Cを用いて、同様に、3mmの厚さを有する2つのガラス基材3および5と、基材の間に結合される特定の化学組成Cを有するPVB系の中間層7とを含む積層グレージングユニット1について0.3mmに等しい最小必須中間層厚さei−dimの同定を導く。この場合、参照積層グレージングユニットの1つの例は、「33.1」タイプであり、即ちそれぞれ3mmの厚さを有する2つのガラス基材、および特定の化学組成Cを有する標準厚さを有する1つの中間層プライを含み、0.38mmに等しい参照積層グレージングユニットの中間層厚さei−refに対応する。
【0070】
好ましくは、クラス2B2の要件を満足させるためにサイズ調整される積層グレージングユニットの中間層厚さei−dimは、最小必須中間層厚さ値ei−minを超えて20%限度内にてこの値を超えるだけであり、即ち先行する例において、ei−dimは、好ましくは0.3mm≦ei−dim≦0.36mmとなるものである。
【0071】
先行する実施例にて考慮される化学組成Cの中間層7は、この引裂強度の点から平均性能を有する。特に、引裂強度性能が化学組成Cの中間層の場合より大きいPVBまたは他の材料に基づく中間層の他の化学組成が存在する。現在既知の最良の性能の中間層組成の引裂強度レベルにより、先行する例として与えられた値に関してさらに低減される最小必須中間層厚さei−minが予測可能である。
【0072】
故に、3mmの厚さを有する2つのガラス基材を含むEN12600標準のクラス1B1に対応するストレスに耐えるのに適した積層グレージングユニットに関して、最小必須中間層厚さei−minは約0.5mmまで低下し得る。このため、3mmの厚さを有する2つのガラス基材を含むEN12600標準のクラス1B1の要件を満たす積層グレージングユニットの最適化された中間層厚さei−dimは、一般には0.5mm≦ei−dim≦0.74mmとなるようなものであり、この間隔の下限は、この引裂強度の点から高い性能を有する中間層の化学組成に対応する。
【0073】
同様に、3mmの厚さを有する2つのガラス基材を含むEN12600標準のクラス2B2に対応するストレスに耐えるのに適した積層グレージングユニットに関して、最小必須中間層厚さei−minは約0.25mmまで低下し得るので、結果として3mmの厚さを有する2つのガラス基材を含むEN12600標準のクラス2B2の要件を満たす積層グレージングユニットの最適化された中間層厚さei−dimは、一般に0.25mm≦ei−dim≦0.36mmとなるようなものであり、この間隔の下限は、上記のようにこの引裂強度の点から高い性能を有する中間層の化学組成に対応する。
【0074】
非標準厚さei−dim、即ち0.38mm、0.76mm、1.14mm、1.52mm、2.28mm以外の厚さを有する中間層を含む本発明に従うより薄い積層グレージングユニットの製造のために、非標準厚さei−dimが達成されるまで、標準厚さを有することが考慮される中間層のシートから出発して、補足延伸(または引き込み)工程を、積層グレージングユニットを製造するための従来の方法に一体化させることができる。変形例として、押出によって非標準厚さei−dimに中間層を直接製造できる。
【0075】
図3および4からのグラフによって例示される実施形態において、積層グレージングユニット、例えば自動車のフロントガラスを、ハード衝撃(R43標準)に耐えるようにサイズ調整することが求められる。上記のように、製造されるべき積層グレージングユニットは、例えば2つのガラス基材3および5、およびこの間に結合された特定の化学組成Cの中間層7、例えばPVB系中間層を含む、図1の積層グレージングユニット1である。
【0076】
第1の実施形態に類似の様式において、積層グレージングユニット1がR43標準の要件を満たすようにサイズ調整されることを目的として、まず、基材3および5に関して中間層7の接着が満足のいくものであることが検証される。この目的のために、中間層7の接着強度τの値が、上述のように評価され、接着強度τの値が、いずれかの積層グレージングユニットがR43標準に対応するストレスに耐えるために許容される値の範囲内であることを確認する。本発明によれば、この許容される値の範囲は、R43標準に規定される規格化された機械的強度試験から実験によって決定され、これは、異なる組成の積層グレージングユニットについて行われる。
【0077】
R43標準に関して許容される値の範囲は、この範囲内では接着強度τの値はいずれも、接着基準を満たすのに好適であり、すべて5MPa未満の値である。好ましくは、R43標準に関する接着強度τの許容される値の範囲は、2MPaから5MPaに等しく、この値の範囲の下限は、グレージングユニットの機械的強度を考慮することとは独立して、グレージングユニットの良好な透明性を確実にするために決定される。
【0078】
中間層7の接着強度τが許容される値の上述の範囲内にあることが検証されたら、積層グレージングユニット1の実際のサイズ調整が行われる。図3および4のグラフは、R43標準の要件を満たすためにグレージングユニット1をサイズ調整するための2つの可能な手法を示す。
【0079】
図3に対応する第1の手法によれば、グレージングユニット1は、例えば各ガラス基材3および5の厚さ2.1mmに対応するように、4.2mmに等しい固定された積層グレージングユニットにおけるガラス基材の総厚さeg−dimに合わせて、第1の実施形態と同様にサイズ調整される。
【0080】
この場合において、中間層7をサイズ調整する目的で、まず、図3に見られ、いずれかの所与の積層グレージングユニットに必要な最小中間層引裂強度Jc−minを示す曲線Cは、少なくとも1つのガラス基材および製造されるべき積層グレージングユニット1の中間層7と同じ化学組成Cを有する1つの中間層を含み、R43標準に対応するストレスに耐えるために、いずれかの所与の積層グレージングユニットの中間層厚さeの関数としてプロットされ、この曲線は、4.2mmに等しい基材厚さeに関して確立される。実際、曲線Cは、それぞれ少なくとも1つのガラス基材および化学組成Cを有する1つの中間層を含む積層グレージングユニット、および中間層の厚さ値の点でこの組成が互いに異なる、積層グレージングユニットについて行われるR43標準に規定される規格化された機械的強度試験から得られる。
【0081】
次に、参照積層グレージングユニットは、R43標準に対応するストレスに耐え、特定化学組成Cを有する中間層を含み、4.2mmに等しいガラス基材厚さを有するものが同定される。こうした参照積層グレージングユニットの例は、既知のグレージングユニット2.1/0.76/2.1であり、これはそれぞれ2.1mmの厚さを有する2つのガラス基材および組成Cを有する標準厚さの2つの中間層プライを含み、0.76mmに等しい参照積層グレージングユニットの中間層厚さei−refに対応する。R43標準に対応するストレスに対するこの参照グレージングユニットの抵抗性は、4mのインパクター落高を用いるこの実施例において、規格化された機械的強度試験によって検証される。
【0082】
参照グレージングユニット2.1/0.76/2.1の中間層の引裂強度Jc−refは、次いで上述のTielking方法を用いて決定される。参照グレージングユニット2.1/0.76/2.1の組成Cの中間層に関して測定される引裂強度Jc−refの値は、31000J/mである。
【0083】
次いで、曲線Cを用いて、参照積層グレージングユニットの中間層の引裂強度Jc−refに等しい最小必須中間層引裂強度Jc−minに対応する最小必須中間層厚さei−minが推測される。曲線Cに示されるように、最小必須中間層厚さei−minは、0.45mmに等しい。
【0084】
故に、0.45mmに等しい最小必須中間層厚さei−min以上の中間層7の厚さei−dimに合わせて積層グレージングユニット1をサイズ調整できる。R43標準の要件を満たし、厚さ2.1mmを有する2つのガラス基材3および5ならびに基材間に結合された0.76mm未満の厚さを有し、化学組成Cを有するPVB中間層7を含む積層グレージングユニット1は、こうして得られる。
【0085】
好ましくは、積層グレージングユニットの中間層厚さei−dimは、最小必須中間層厚さ値を超えて20%の限度内においてのみ、この値ei−dimを超え、即ち先行する実施例において、ei−dimは、好ましくは0.45mm≦ei−dim≦0.55mmのようである。
【0086】
図4に対応する、R43標準の要件を満たすようにグレージングユニット1をサイズ調整するための第2の可能な手法によれば、グレージングユニット1は、グレージングユニットのガラス基材厚さを任意に設定することなくサイズ調整される。
【0087】
この場合、図4に見られるように、少なくとも1つのガラス基材および製造されるべき積層グレージングユニット1の中間層7と同じ化学組成Cを有する1つの中間層を含むいずれかの所与の積層グレージングユニットが、R43標準に対応するストレスに耐えるために必要とされる最小中間層引裂強度Jc−minを、このいずれかの所与積層グレージングユニットの中間層厚さeおよびいずれかの所与の積層グレージングユニットの基材厚さeの両方の関数として示す三次元のグラフCがプロットされる。図4からのグラフCは、それぞれ少なくとも1つのガラス基材および化学組成Cの1つの中間層を含み、中間層厚さおよび基材厚さの観点において組成が互いに異なる積層グレージングユニットに対して行われる、R43標準に規定される規格化機械的強度試験から得られる。
【0088】
R43に対応するストレスに耐え、特定の化学組成Cを有する中間層を含む参照積層グレージングユニットの引裂強度Jc−refが、次いで決定される。
【0089】
上記で記載される既知の積層グレージングユニット2.1/0.76/2.1は、2.1mmおよび1.8mmのそれぞれの厚さを有する2つのガラス基材、および0.76mmに等しい中間層厚さei−refに対応し、化学組成Cを有する標準厚さの2つの中間層プライを含む、同様に既知である積層グレージングユニット2.1/0.76/1.8と同様であるように、例えば参照積層グレージングユニットとして使用されてもよい。R43標準に対応するストレス下で一方または他方の参照グレージングユニットの引裂強度Jc−refは、Tielking方法を用いて予め評価される。
【0090】
次いでグラフCを用いて、参照積層グレージングユニットの中間層の引裂強度Jc−refに等しい最小必須中間層引裂強度値Jc−minに対応する中間層厚さおよび基材厚さの最適値ei−opt、eg−optの組み合わせが推測される。「中間層厚さおよび基材厚さの最適値の組み合わせ」という表現は、積層グレージングユニットの総厚さが最小になるための組み合わせを意味すると理解される。例えば、31000J/mの引裂強度Jc−refの値に対応する参照グレージング2.1/0.76/2.1から出発する場合、最適値ei−opt、eg−optの組み合わせを提供する点は、31000J/mのJc−min値に対応するグラフCの面積または表面の点である。この主題において、最適値ei−opt、eg−optのそれぞれは、必ずしも、個々に中間層厚さの最小値または基材厚さの最小値ではないことに留意する。値ei−optおよびeg−optの組み合わせは、積層グレージングユニットの全体厚さの最小化値をもたらす。
【0091】
グラフCに見られるように、値e=0.5mmおよびe=1.8mm/1.4mmの組み合わせは、最適値の組み合わせ以上の値の組み合わせである。故に、積層グレージングユニット1は、0.5mm以上である中間層7の厚さei−dim、ならびにそれぞれ1.8mmおよび1.4mmの基材3および5の厚さeg−dimに合わせてサイズ調整可能であり、この積層グレージングユニット1は、R43標準の要件を満たす。
【0092】
第1の実施形態において説明されたように、上記実施例にて考慮される化学組成Cの中間層は、この引裂強度の観点からの平均性能を有し、現在既知の中間層の最良性能の化学組成の引裂強度レベルは、先行して与えられた値に比較してさらに低減される最適値ei−opt、eg−optの組み合わせを考慮できる。
【0093】
特に、それぞれ1.8mmおよび1.4mmの厚さを有する2つのガラス基材を含み、R43標準に対応するストレスに耐えるのに好適である積層グレージングユニットに関して、最小必須中間層厚さei−minは、約0.4mmまで低下し得る。故に、それぞれ1.8mmおよび1.4mmの厚さを有する2つのガラス基材を含み、R43標準の要件に対応する積層グレージングユニットの最適化中間層厚さei−minは、一般に、0.4mm≦ei−min≦0.74mmとなるようなものであり、この間隔の下限は、引裂強度の観点から高性能を有する中間層の化学組成に対応する。
【0094】
積層グレージングユニット1の中間層7は、機械的強度および防音特性の両方を有することが望まれる場合、中間層厚さeおよび/または基材厚さeの関数として最小引裂強度Jc−minのグラフを用いて接着強度τおよび実際のサイズ調整を評価する前に防音性能について中間層7を選択するのが有利である。
【0095】
この目的のために、特許出願のEP−A−0844075に記載される選択技術が使用される。この選択技術によれば、中間層の材料の弾性成分(または剪断率)G’および損失角(または損失係数)の正接tanδは、粘度分析器を用いて評価される。
【0096】
粘度分析器は、精密な温度および周波数条件の下で材料のサンプルに歪を与えることができ、故に材料を特徴付けるレオロジー量のすべてを得て、加工処理できる。各温度における周波数の関数としての力、変位および位相シフトの測定値の原データの加工処理により、弾性率G’および損失角の正接tanδの大きさを計算できる。
【0097】
良好な防音中間層は、20℃の温度および50Hzの周波数に関して、0.6を超える損失係数tanδおよび2×10N/m未満の弾性率G’を有していなければならないことが示された。
【0098】
中間層の材料がこの防音特性に関して選択されたら、この接着が評価され、次いで積層グレージングユニットは、本発明の方法に従ってサイズ調整される。
【0099】
先行して記載された実施形態からわかるように、本発明に従う方法により、得られたグレージングユニットが所定のストレスに耐えることを保証しながら、積層グレージングユニットについて最適な基材および/または中間層厚さを決定できる。特に、本発明によって、標準の性能クラスについて、この性能クラスの要件を満たす既知のグレージングユニットの薄層化バージョンを系統的に探究可能である。故に、積層グレージングユニットの既知のサイズ調整の方法を用いては可能でない、積層グレージングユニットの大きな過大寸法を防ぐことができる。
【0100】
一方で、これは、本発明に従う方法が考慮され、積層グレージングユニットの機械的強度に影響を及ぼすパラメータのすべての変形例が可能であるという事実から生じ、これのパラメータは、基材に対する中間層の接着、中間層の引裂強度、中間層厚さ、基材厚さである。他方で、本発明に従う方法は、最適化中間層および基材厚さの直接決定が可能であり、既知のサイズ調整方法の場合がそうであったようなトライ・アンド・エラーによるものではなく、最小必須引裂強度を厚さの関数として与えるグラフによるものである。
【0101】
これは、結果として、各積層グレージングユニット適用に関して、現在使用されている積層グレージングユニットに比べて積層グレージングユニットの中間層および/または基材厚さを低減する可能性を生じ、製造コストの低減および積層グレージングユニット重量の低減をもたらすと同時に、これらのグレージングユニットの性能を機械的強度の観点から保証する。特に、中間層厚さ、基材厚さ、およびこの両方を同時に低減可能であり、ひいては積層グレージングユニットの総厚さを低減できる。
【0102】
特定の機械的強度を達成するためにサイズ調整された本発明に従う積層グレージングユニットは、ガラス機能を有する1つ以上の基材、および同様にモノリシック中間層または他には種々の基材によって分離された複数の中間層を含んでいてもよいことが明らかに理解される。いずれの場合も、基材の厚さの合計は、基材厚さeg−dimに対応し、中間層厚さの合計は、中間層厚さei−dimに対応し、ここでeg−dimおよびei−dimは、厚さの関数として最小必須引裂強度を与えるグラフによって決定される。
【0103】
本発明は、記載され、表された実施例に限定されない。特に本発明は、少なくとも1つのガラス基材および化学組成Cを有する少なくとも1つのPVB中間層を使用する積層グレージングユニットの例により例示される。しかし、本発明は、ガラス機能を有する基材それぞれについて所与の化学組成、およびポリマー中間層それぞれについて所与の化学組成を有する積層グレージングユニットのいずれかのタイプに適用されてもよい。特にプラスチック製のガラス機能を有する少なくとも1つの基材を含む積層グレージングユニットに適用可能であってもよい。また、組成Cとは異なる化学組成を有する少なくとも1つのPVB中間層を含む積層グレージングユニット、または他にはPVB以外の粘弾性特性を有するポリマー材料、例えば非限定例としてエチレンビニルアセテート(EVA)またはポリウレタン(PU)製/系の少なくとも1つの中間層を含む積層グレージングユニットに適用可能である。
【0104】
さらに、本発明に従う方法は、基材の厚さが既知の参照値に設定され、中間層厚さが最適化される、または2つの基材および中間層厚さが同時に最適化される場合について上記で例示した。しかし、本発明に従うサイズ調整方法はまた、既知の参照値に中間層厚さを設定することによって、および基材厚さeの関数として最小中間層引裂強度Jc−minを示すグラフを用いて基材厚さだけを最適化することによって、行われてもよく、このグラフは、既知の参照値に等しい積層グレージングユニットの中間層厚さについて確立される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のストレスに耐えるような積層グレージングユニット(1)を製造する方法であって、積層グレージングユニットが、所与の化学組成のガラス機能を有する少なくとも1つの基材(3,5)、および所与の化学組成(c)の少なくとも1つのポリマー中間層(7)を含み、この方法は:
−参照積層グレージングユニットが、所定のストレスに耐えるものであり、製造されるべき積層グレージングユニットの場合と同じ化学組成を有する少なくとも1つの基材および1つの中間層を含むように同定される工程;
−参照積層グレージングユニットの中間層の引裂強度(Jc−ref)、参照積層グレージングユニットの中間層厚さ(ei−ref)および参照積層グレージングユニットの基材厚さ(eg−ref)が決定される工程;
−いずれかの所与の積層グレージングユニットが、製造されるべき積層グレージングユニットの場合と同じ化学組成を有する少なくとも1つの基材および1つの中間層を含み、所定のストレスに耐えるために必要とされる中間層の最小引裂強度(Jc−min)を示すグラフ(C、C、C、C)を、このいずれかの所与の積層グレージングユニットの中間層厚さ(e)および/またはこの所与の積層グレージングユニットの基材厚さ(e)の関数として用い、中間層厚さおよび基材厚さの最適値(ei−opt、eg−opt)の組み合わせが、参照積層グレージングユニットの中間層の引裂強度に等しい最小必須中間層引裂強度の値(Jc−min=Jc−ref)に対応するように推測される工程;
−積層グレージングユニット(1)が、この中間層厚さの最適値(ei−opt)以上の選択された中間層厚さ(ei−dim)および基材厚さの最適値(eg−opt)以上の選択された基材厚さ(eg−dim)に合わせてサイズ調整される工程
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
積層グレージングユニット(1)が、参照積層グレージングユニットの基材厚さに等しい選択された基材厚さ(eg−dim=eg−ref)に合わせてサイズ調整され、この方法が:
−いずれかの所与の積層グレージングユニットが、製造されるべき積層グレージングユニットの場合と同じ化学組成を有する少なくとも1つの基材および1つの中間層を含み、所定のストレスに耐えるために必要とされる中間層の最小引裂強度(Jc−min)を示すグラフ(C、C、C)を、このいずれかの所与の積層グレージングユニットの中間層厚さ(e)の関数として用い、このグラフが、参照積層グレージングユニットの基材厚さに等しいこのいずれかの所与の積層グレージングユニットの基材厚さ(e=eg−ref)に関して確立され、最小必須中間層厚さ(ei−dim)が、参照積層グレージングユニットの中間層の引裂強度に等しい最小必須中間層引裂強度の値(Jc−min=Jc−ref)に対応するように推測される工程;
−積層グレージングユニット(1)が、この最小必須中間層厚さ(ei−min)以上の選択された中間層厚さ(ei−dim)および参照積層グレージングユニットの基材厚さ(eg−ref)に等しい選択された基材厚さ(eg−dim)に合わせてサイズ調整される工程
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
積層グレージングユニット(1)が、参照積層グレージングユニットの中間層厚さに等しい選択された中間層厚さ(ei−dim=ei−ref)に合わせてサイズ調整され、この方法が:
−いずれかの所与の積層グレージングユニットが、製造されるべき積層グレージングユニットの場合と同じ化学組成を有する少なくとも1つの基材および1つの中間層を含み、所定のストレスに耐えるために必要とされる中間層の最小引裂強度(Jc−min)を示すグラフを、このいずれかの所与の積層グレージングユニットの基材厚さ(e)の関数として用い、このグラフが、参照積層グレージングユニットの中間層厚さに等しいこのいずれかの所与の積層グレージングユニットの中間層厚さ(e=ei−ref)に関して確立され、最小必須基材厚さ(eg−min)が、参照積層グレージングユニットの中間層の引裂強度に等しい最小必須中間層引裂強度の値(Jc−min=Jc−ref)に対応するように推測される工程;
−積層グレージングユニット(1)が、参照積層グレージングユニットの中間層厚さ(ei−ref)に等しい選択された中間層厚さ(ei−dim)および最小必須基材厚さ(eg−min)以上の選択された基材厚さ(eg−dim)に合わせてサイズ調整される工程
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
選択された厚さの1つが、厳密に、参照積層グレージングユニットの対応する厚さ未満である(ei−dim<ei−refおよび/またはeg−dim<eg−ref)ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
所定のストレスに耐えるように積層グレージングユニット(1)をサイズ調整する前に、製造されるべき積層グレージングユニットの場合と同じ化学組成を有する少なくとも1つの基材および1つの中間層を含むいずれかの所与の積層グレージングユニットが所定のストレスに耐えるために必要とされる最小中間層引裂強度(Jc−min)を示すグラフが、このいずれかの所与の積層グレージングユニットの中間層厚さ(e)および/またはこのいずれかの所与の積層グレージングユニットの基材厚さ(e)の関数として、中間層厚さおよび/または基材厚さの観点から、異なる組成を有する積層グレージングユニットに関して行われた機械的強度試験からプロットされることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
所定のストレスに耐えるように積層グレージングユニット(1)をサイズ調整する前に、製造されるべき積層グレージングユニットの中間層の接着が、この積層グレージングユニットの基材に対して満足のいくものであることが検証されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
製造されるべき積層グレージングユニットの中間層の接着が、基材に結合した中間層のサンプルを捻じることによって、基材からの中間層の分離が開始される場所での捻転力(F)を測定することによって、この力(F)から、対応する接着剪断強度(τ)を計算することによって、およびこの接着強度(τ)の値を、いずれかの積層グレージングユニットが所定のストレスに耐えるために許容される値の範囲と比較することによって、この積層グレージングユニットの基材に対して満足のいくものであることが検証されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
所定のストレスに耐える参照積層グレージングユニットが、参照積層グレージングユニットに対して機械的強度試験を行うことによって同定されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
参照積層グレージングユニットの中間層の引裂強度(Jc−ref)が、Tielking方法を用いて決定されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
所定のストレスに耐えるための積層グレージングユニット(1)のサイズ調整の前に、製造されるべき積層グレージングユニットの中間層の防音特性が満足のいくものであることが検証されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
製造されるべき積層グレージングユニットの中間層の防音特性が、中間層が、温度20℃および周波数50Hzに関して0.6を超える損失係数tanδおよび2×10N/m未満の剪断率G’を有する場合に満足のいくものであることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
所定のストレスに耐えるのに適した積層グレージングユニットであって、所与の基材化学組成を有するガラス機能を有する少なくとも1つの基材および所与の中間層化学組成を有する少なくとも1つのポリマー中間層を含み、この中間層厚さ(ei−dim)が、中間層厚さの最適値(ei−opt)を超えて20%の限度以内でこの最適値以上であること、およびこの基材厚さ(eg−dim)が、基材厚さの最適値(eg−opt)を超えて20%の限度以内でこの最適値以上であることを特徴とし、ここで最適値の組み合わせ(ei−opt、eg−opt)が、所与の基材化学組成を有する少なくとも1つの基材および所与の中間層化学組成を有する1つの中間層を含むいずれかの積層グレージングユニットが、所定のストレスに耐えるために必要とされる最小中間層引裂強度値(Jc−min)に対応することを特徴とする、積層グレージングユニット。
【請求項13】
所与の基材厚さ(eg−dim)に関して、この中間層厚さ(ei−dim)は、最小必須中間層厚さ値(ei−min)を超えて20%の限度内でこの値以上であり、ここで所与の基材厚さおよび最小必須中間層厚さの組み合わせ(eg−dim、ei−min)が、所与の基材化学組成を有する少なくとも1つの基材および所与の中間層化学組成を有する1つの中間層を含むいずれかの積層グレージングユニットが所定のストレスに耐えるために必要とされる最小中間層引裂強度値(Jc−min)に対応することを特徴とする、請求項12に記載の積層グレージングユニット。
【請求項14】
所与の中間層厚さ(ei−dim)に関して、この基材厚さ(eg−dim)は、最小必須基材厚さ値(eg−min)を超えて20%の限度内でこの値以上であり、ここで所与の中間層厚さおよび最小必須基材厚さの組み合わせ(ei−min、eg−dim)が、所与の基材化学組成を有する少なくとも1つの基材および所与の中間層化学組成を有する1つの中間層を含むいずれかの積層グレージングユニットが所定のストレスに耐えるために必要とされる最小中間層引裂強度(Jc−min)に対応することを特徴とする、請求項12に記載の積層グレージングユニット。
【請求項15】
この中間層が、温度20℃および周波数50Hzに関して0.6を超える損失係数tanδ、および2×10N/m未満の剪断率G’を有することを特徴とする、請求項12から14のいずれか一項に記載の積層グレージングユニット。
【請求項16】
EN12600標準のクラス1B1に対応するストレスに耐えるのに適しており、厚さ3mmを有する2つのガラス基材と、ガラス基材間で0.5mm≦e≦0.74mmで結合されるような厚さeを有するPVB中間層とを含むことを特徴とする、請求項12に記載の積層グレージングユニット。
【請求項17】
EN12600標準のクラス2B2に対応するストレスに耐えるのに適しており、厚さ3mmを有する2つのガラス基材と、ガラス基材間で0.25mm≦e≦0.36mmで結合されるような厚さeを有するPVB中間層とを含むことを特徴とする、請求項12に記載の積層グレージングユニット。
【請求項18】
R43標準に対応するストレスに耐えるのに適しており、それぞれの厚さがeg1=1.8mmおよびeg2=1.4mmを有する2つのガラス基材と、ガラス基材間で0.4mm≦e≦0.74mmで結合されるような厚さeを有するPVB中間層とを含むことを特徴とする、請求項12に記載の積層グレージングユニット。
【請求項19】
所定のストレスに耐えること、およびガラス機能を有し、所与の基材化学組成を有し、所与の厚さ(e)で中間層に結合した少なくとも1つの基材を含むことを意図した積層グレージングユニットのための、所与の中間層化学組成を有するポリマー中間層であって、中間層の厚さが、最小必須中間層厚さ値(ei−min)を超えて20%の限度内でこの値以上であり、ここで、所与の基材厚さおよび最小必須中間層厚さの組み合わせ(e、ei−min)が、所与の基材化学組成を有する少なくとも1つの基材および所与の中間層化学組成を有する1つの中間層を含むいずれかの積層グレージングユニットが、所定のストレスに耐えるために必要とされる最小中間層引裂強度値(Jc−min)に対応する、ポリマー中間層。
【請求項20】
EN12600標準のクラス1B1に対応するストレスに耐えることを意図した積層グレージングユニットのための請求項19に記載のPVB中間層であって、この中間層が、0.5mm≦e≦0.74mmとなるような厚さeを有する中間層。
【請求項21】
EN12600標準のクラス2B2に対応するストレスに耐えることを意図した積層グレージングユニットのための請求項19に記載のPVB中間層であって、この中間層が、0.25mm≦e≦0.36mmとなるような厚さeを有する中間層。
【請求項22】
R43標準に対応するストレスに耐えることを意図した積層グレージングユニットのための請求項19に記載のPVB中間層であって、この中間層が0.4mm≦e≦0.74mmとなるような厚さeを有する中間層。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−524021(P2012−524021A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506548(P2012−506548)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050749
【国際公開番号】WO2010/122260
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)
【Fターム(参考)】