説明

積層体の製造方法

【課題】圧着・転写の処理量に応じてローラとの間の摩擦が低下しつつも、広幅状の転写材料を転写する際に長期的に気泡混入を防止することができる積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】仮支持体上に転写層を有する広幅状の転写材料を基板に圧着する圧着ローラの前記仮支持体に対する静止摩擦係数の平均値が0.25〜0.7の範囲であるときに、前記仮支持体と接する前記圧着ローラの軸芯方向における静止摩擦係数の相対標準偏差を0.25以下に維持して圧着し、圧着後に前記仮支持体を剥離することにより前記転写層を前記基板に転写して積層体を作製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮支持体上に転写層を有する転写材料を用いた積層体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、液晶パネル用基板、プリント配線用基板、PDPパネル用基板などは、感光性樹脂層を有する感光性シート体(ウエブ)を基板表面に貼り付けて構成されたものが知られており、これに用いられる感光性シート体は、可撓性のプラスチック性基材上に感光性樹脂層と保護フィルムとを設けて構成されたものがある。
【0003】
このような感光性シート体の貼り付けには、一般に、ガラス基板や樹脂基板等の基板を所定の間隔に離間して搬送すると共に、基板に貼り付けられる感光性樹脂層の範囲に対応する領域の保護フィルムを感光性シート体から剥離し、露出した感光性樹脂層の表面を基板に密着させて剥離転写する方式が採用されている。
【0004】
感光性樹脂層の剥離転写に際しては、基板との間にエアの混入やシワ等の発生が生じると、後に剥れ等の転写不良が生じたり、最終的に形成される画像に欠陥ができる問題がある。
【0005】
上記の転写方式に関連して、感光材料層を支持する支持体に対する圧着ローラの静止摩擦係数を0.1〜0.7の範囲に設定し、圧着ローラを回転させて支持体を介して感光材料層を基板に圧着させることにより、圧着ローラと支持体との間で適度な滑りを発生させ、支持体及び基板を長期間安定した状態で搬送し、感光材料層をむらのない状態で基板に転写する感光性積層体の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、基板に転写フィルムを重ね合わせて押圧して貼り合わせる際に、基板と供給される転写フィルムの角度が鈍角になるようにして、あるいは押圧部の押圧部材に小さい径のローラ部分を有する押圧ローラを用いて貼り合せることにより、効率良く転写し、空気の巻き込みによる不良の発生を防止するための転写方法等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−23407号公報
【特許文献2】特開平8−160216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の感光性積層体の製造方法のように、支持体に対する圧着ローラの静止摩擦係数を0.1〜0.7の範囲に設定して転写しても、ラミネート処理数が増えると表面に汚れが付着してフィルムとゴム製の圧着ローラとの間の摩擦は次第に低下する。この摩擦の低下により、フィルム搬送時にスキューが発生し、感光材料層を支持している支持体に生じるシワも次第に強くなる。これは、基板サイズが大きくなって基板へのラミネート幅が広くなるほど著しく、感光材料層が基板に転写される際に摩擦低下により生じるフィルム蛇行(スキュー)により、感光材料層を支持する支持体にシワや弛みが発生して気泡を巻き込み、ラミネート後に得られる積層体の品質(ラミ品質)が損なわれる。そのため、長期間の使用に耐えるためには、ラミネート速度を落としてラミ品質を安定化させる等の方法が採られているが、生産性を著しく低下させる。また、上記のようなスキューは、フィルムテンションを上げる等の製造条件の調整によってある程度は解消され、気泡の巻き込みも低減し得るものの、フィルムテンションを上げると、感光材料層にひび割れができ、クッション層も剥離しやすくなるとの別の課題が生じ、結果的に濃度ムラ等を招来し、品質の低下を引き起こす。その一方で、近年では液晶パネル基板の大型化が急速に進んでおり、より大サイズの基板へのラミネートが良好に行なえる技術の確立が望まれている。
シワや弛み、気泡の混入の問題は、幅方向が例えば1000mm以上の広幅なロールフィルムを用いて転写する場合に生じやすく、ロール幅が1200mm以上の広幅になると更に顕在化する。
【0008】
また、基板及び転写フィルム間の角度を鈍角にしたり、押圧部材に小径のローラ部分を用いる上記の転写方法では、広幅なフィルムを基板に貼り付ける場合において、ラミロールのゴム表面の静止摩擦の変化に伴なって生じる気泡の巻き込みに対する防止効果までは期待できない。
【0009】
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、圧着・転写の処理量に応じてローラとの間の摩擦が低下しつつも、広幅状の転写材料を転写する際に気泡の混入を回避し、従来以上に長期にわたって気泡混入を防止することができる積層体の製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、広幅状の転写材料を基板に圧着、転写する場合において、転写材料を基板に圧着する圧着ローラは転写を繰り返すことにより仮支持体との接触で仮支持体との間の静止摩擦係数が低下し、必ずしも静止摩擦係数の低下は圧着ローラの幅方向に均一でなく、圧着時のテンションや温度のバラツキによって変動するとの知見、更には仮支持体と当接する圧着ローラ表面の幅方向の静止摩擦係数の分布は気泡の巻き込みに関係し、特定範囲で気泡の軽減に寄与できるとの知見を得、かかる知見に基づいて達成されたものである。
【0011】
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 仮支持体上に転写層を有する広幅状の転写材料を基板に圧着する圧着ローラの前記仮支持体に対する静止摩擦係数(60℃、55%RH)の平均値が0.25〜0.7の範囲であるときに、前記仮支持体と接する前記圧着ローラの軸芯方向における静止摩擦係数(60℃、55%RH)の相対標準偏差を0.25以下に維持して圧着し、圧着後に前記仮支持体を剥離することにより前記転写層を前記基板に転写して積層体を作製する積層体の製造方法である。
【0012】
<2> 前記仮支持体と接する前記圧着ローラの表面はゴム材であることを特徴とする前記<1>に記載の積層体の製造方法である。
【0013】
<3> 前記圧着は、前記圧着ローラを80〜150℃の範囲で加熱して行なうことを特徴とする前記<1>又は前記<2>に記載の積層体の製造方法である。
【0014】
<4> 前記転写層は、前記圧着ローラにより80〜150℃の範囲に加熱されたときに30〜30000Pa・sの範囲の粘度特性を示す熱可塑性の感光性樹脂層であることを特徴とする前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載の積層体の製造方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、圧着・転写の処理量に応じてローラとの間の摩擦が低下しつつも、広幅状の転写材料を転写する際に気泡の混入を回避し、従来以上に長期にわたって気泡混入を防止することができる積層体の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の積層体の製造方法について詳細に説明する。
本発明の積層体の製造方法は、仮支持体上に転写層を有する広幅状の転写材料を基板に圧着する圧着ローラの前記仮支持体に対する60℃、55%RHでの静止摩擦係数の平均値が0.25〜0.7の範囲であるときに、前記仮支持体と接する前記圧着ローラの軸芯方向における60℃、55%RHでの静止摩擦係数の相対標準偏差を0.25以下に維持して転写材料と基板とを圧着し、圧着後に前記仮支持体を剥離することにより前記転写層を前記基板に転写して積層体を作製する構成としたものである。
【0017】
本発明においては、層の転写形成に用いる転写材料が仮支持体上に転写層を有する広幅状(例えば幅方向が1000mm以上)の転写材料である場合において、この転写材料の仮支持体に当接して転写材料を基板に圧着させるための圧着ローラ(例えばゴム系ローラ)の表面に使用により磨耗や汚れ付着等が生じ、圧着ローラと仮支持体の間の平均の静止摩擦係数が所定範囲に達したとき、つまり転写材料がローラ表面を滑って蛇行しやすい状態にあるときに、圧着ローラの幅方向(軸心方向)における静止摩擦係数の分布を相対標準偏差で0.25以下となる範囲に維持することで、ローラ表面の幅方向において局部的に滑り難くなって起きる力の歪みが緩和されるので、転写時の気泡混入が回避され、均一性の高い転写処理が行なえる。これにより、濃淡ムラの発生が抑制された高画質な画像の形成が可能であり、長期にわたる安定処理が可能になる。更には、圧着ローラの交換頻度を軽減でき、長期での連続稼動が可能であり、生産効率も向上する。これは、特に被転写体である基板の大型化に適用でき、圧着ローラの幅方向に対応する基板の幅長、すなわち矩形状の基板の長辺(幅方向)が1000mm以上の基板に長尺の転写材料を圧着、剥離転写する場合に効果的である。
【0018】
本発明においては、転写材料を被転写体である基板に重ねて圧着する場面のうち、「圧着ローラの仮支持体に対する静止摩擦係数(60℃、55%RH)の平均値が0.25〜0.7であるとき」は、蛇行の発生、ひいてはシワ等に起因する気泡の発生を起こし易い状態である時をいい、この時の蛇行に対応することが気泡の発生防止、ひいては気泡発生を防止できる処理の長期保持の点で重要である。
この静止摩擦係数の平均値が前記範囲にあるとき、転写材料の仮支持体と接する側の圧着ローラの軸芯方向の静止摩擦係数(60℃、55%RH)の相対標準偏差を0.25以下とする。この相対標準偏差が0.25を超えると、ローラ表面の滑り性が不均一な状態であるので、蛇行した場合に転写材料に加わる歪みが緩和されず、シワ等が発生し、気泡の発生を防止することができない。相対標準偏差としては、気泡の発生防止の点で、0.15以下であるのが好ましい。
なお、相対標準偏差は、標準偏差を平均値で除算したものである。
【0019】
本発明における静止摩擦係数は、温度60℃、湿度55%RHで下記方法により測定される値である。静止摩擦係数の測定方法について、図4を参照して説明する。
具体的には、図4に示すように、圧着ローラを回転しない状態に保持し、この圧着ローラの中心角90゜の範囲の外周面に当接するように感光性フィルム12を掛け、この感光性フィルムの一端に錘Wを連結して140Nのテンションを与えると共に、感光性フィルム12の他端に箱体59を連結し、この箱体にペレット61を少しずつ投入し、錘Wが持ち上がった時点での箱体59及びペレット61の総重量と錘Wの重量とから算出される。
また、静止摩擦係数の平均値は、上記方法で圧着ローラの幅方向(軸心方向)に100mm間隔で合計11点測定を行なって得られた静止摩擦係数を平均した値である。
【0020】
静止摩擦係数の相対標準偏差は、例えば、有機溶剤の表面処理によって圧着ローラの静止摩擦係数を上昇させる方法などにより、0.25以下にすることができる。
前記表面処理は、有機溶剤を圧着ローラの表面に塗布し、余分な有機溶剤を拭き取り乾燥させる等により行なうことができ、有機溶剤としてはアルコール類が好ましい。有機溶剤は、迅速に乾燥させる観点から、エタノール又はプロパノールが好ましい。有機溶剤は水等と混合して用いてもよく、有機溶剤の使用濃度には特に制限はなく、ローラ表面の状態に応じて適宜選択すればよい。
【0021】
本発明の積層体の製造方法では、仮支持体上に転写層を有する広幅状の転写材料が用いられる。広幅状の例えばロール材を用いて連続的に転写を行なおうとすると搬送時に蛇行することがあり、蛇行時にはローラとの間の摩擦の影響で転写材料がローラ表面を局部的に滑り難くなることがある。本発明にいう「広幅状」とは、転写材料の幅方向の長さが1000mm以上であることをいい、本発明の効果の点では1250mm以上であることが好ましい。
【0022】
転写材料の基板への圧着時には、蛇行抑止のために転写材料にテンション(引っ張り力)を高めてよいが、転写層のひび割れ、及び転写材料が仮支持体及び転写層間にクッション層を有するときにはクッション層の剥がれが発生しやすい点から、転写材料へのテンションは、80〜200N/mmが好ましく、110〜180N/mmがより好ましい。テンションは、140N/mm以上であると蛇行防止、ひいてはシワや気泡混入の抑制効果がより高くなり、100N/mm以下であると転写層のひび割れ及びクッション層剥がれを回避できる。
転写材料のテンションは、フォースゲージにより測定されるものである。
【0023】
ここで、転写材料について略説する。
本発明における転写材料は、仮支持体と該仮支持体上に設けられた転写層とを設けて構成されたものであれば特に制限はなく、公知の転写材料を選択することができる。転写材料の例としては、仮支持体上に該仮支持体側から順に、熱可塑性樹脂層(クッション層)と中間層(酸素遮断層)と感光性樹脂層とが積層された転写材料であってもよい。
【0024】
転写材料は、例えば、仮支持体上に、必要に応じて仮支持体側から熱可塑性樹脂層と中間層とを順次塗布等で形成した後、感光性樹脂層等の転写層を設けて作製される。転写層表面には、さらに保護フィルムを圧着して設けてもよい。具体的な例として、仮支持体上に、熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥して熱可塑性樹脂層を設け、その上に熱可塑性樹脂層と溶解しない中間層用塗布液を塗布、乾燥して中間層を積層した後、中間層と溶解しない感光性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥して感光性樹脂層を積層することにより得ることができる。また、仮支持体上に熱可塑性樹脂層が形成されたシートと、保護フィルム上に感光性樹脂層と中間層とが形成されたシートとを熱可塑性樹脂層及び中間層の各表面を接触させて貼り合わせることにより作製してもよい。
熱可塑性樹脂層、中間層、及び感光性樹脂層等の転写層は、各々に対応する組成物の塗液を公知の方法で塗布等して形成できる。塗布による場合、例えば、スピナー、ホワイラー、ローラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、エクストルーダー等の塗布装置を用いて形成することができる。
【0025】
転写材料における仮支持体としては、可撓性を有し、加圧、若しくは加圧及び加熱下においても著しい変形、収縮若しくは伸びを生じないことが好ましい。そのような仮支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙げることができ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
【0026】
転写材料における転写層には、例えば、着色剤やモノマー、重合開始剤等を含む感光性樹脂層、アクリル樹脂を含む熱可塑性樹脂層(クッション層)、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン成分を含む中間層(酸素遮断層)などが含まれる。
感光性樹脂層を転写層とする場合、感光性樹脂層の例として、ブラックマトリクス等の遮光性が求められるときには、特開2005−3861号公報に記載の感光性黒色樹脂層や特開2004−240039号公報に記載の着色組成物を用いて形成される層などが挙げられ、また、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等の着色パターン(例えばカラーフィルタの着色画素など)を形成するときには、特開2006−23696号公報に記載の着色感光性樹脂組成物を用いて形成される層などが挙げられる。例えばRGB等の着色パターン形成用の感光性樹脂層は、仮支持体上にRGB等の所望の色相に対応する感光性樹脂層形成用の塗布液を塗布等することにより形成することができる。
【0027】
感光性樹脂層は、圧着ローラにより80〜150℃の範囲で加熱溶融されたときに、30〜30,000Pa・sの範囲の粘度特性を示す熱可塑性の感光性樹脂層であることが好ましい。加熱溶融時の粘度は、30Pa・s以上であると基板密着性を向上することができ、30,000Pa・s以下であると気泡が残存しにくい点で有利である。
【0028】
転写材料には、仮支持体と転写層の間に熱可塑性樹脂層を設けてもよい。熱可塑性樹脂層は、被転写体である基板の表面に凹凸が存在する場合に凹凸に追従するようにクッション性を持たせるものである。熱可塑性樹脂層を構成する成分としては、特開平5−72724号公報に記載の有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的には、アメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。
具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニルあるいはそのケン化物などのエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステルあるいはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル及びそのケン化物などの塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルあるいはそのケン化物などのスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステルあるいはそのケン化物などのビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンなどのポリアミド樹脂、等の有機高分子が挙げられる。
【0029】
転写材料には、複数の塗布層の塗布時及び塗布後の保存時における成分の混合を防止する目的で中間層を設けることができる。中間層は、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載の、酸素遮断機能のある酸素遮断層が好ましい。この場合、露光時の感度が向上し、露光機の時間負荷が減り、生産性が向上する。酸素遮断層としては、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものが好ましく、例えばポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンを含む層などが好適である。
【0030】
また、転写層上に付される前記保護フィルムは、仮支持体と同種又は類似の材料でもよいが、転写層から容易に分離できることが要求される。保護フィルムを設けることで、貯蔵の際に転写層を汚染や損傷から保護することができる。保護フィルムの例としては、シリコーン紙、ポリオレフィン又はポリテトラフルオロエチレンのシートやフィルム等が挙げられる。保護フィルムの厚さは、一般に5〜100μmである。
【0031】
本発明の積層体の製造方法に用いられる基板は、特に制限されるものではなく、例えば、ガラス板、樹脂製のシートやフィルム、樹脂被覆紙などの公知の基材から所望により選択することができる。中でも、透明性の基板が好適であり、例えば、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、あるいはプラスチックフィルム等を挙げることができる。
【0032】
前記基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、転写材料との間の密着を良好にすることができる。カップリング処理としては、特開2000−39033号公報に記載の方法が好適である。
【0033】
本発明における基板のサイズは、任意に選択すればよいが、本発明の効果がより奏される観点からは、矩形の長辺が1000mm以上の基板が好ましく、より好ましくは長辺(幅方向)1300mm×短辺1200mmのサイズ以上の基板を用いる形態が好ましい。
また、基板の厚みは、特に限定はないが、一般には700〜1200μmが好ましく、500〜1100μmがより好ましい。
【0034】
広幅状の転写材料を基板に圧着し、圧着後に仮支持体を剥離することにより転写層を基板に転写して積層体を作製するプロセスについて、図1に示す積層体製造装置を用いた実施態様を一例に説明する。但し、本発明においては、この積層体製造装置を用いた実施態様に制限されるものではない。
【0035】
積層体製造装置には、図2に示す積層構造を有する感光性フィルム12とガラス基板14とが供給され、供給された感光性フィルムがガラス基板面に図3に示すように加熱圧着されることにより液晶パネルやPDPパネル用のカラーフィルタ基板が製造される。
【0036】
感光性フィルム12は、仮支持体16と、所定の色に着色された感光性樹脂層18と、保護フィルム20とを積層して構成されている。仮支持体16は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を素材とし、その外表面に帯電防止剤を含むアクリル系下塗剤が塗布されてなるものである。感光性樹脂層18は、圧着ローラにより80〜150℃の範囲で加熱溶融されたとき、30〜30000Pa・s(=300〜300000ポアズ)の範囲の粘度特性を示す熱可塑性の感光性樹脂層である。なお、感光性フィルム12には、後述する丸刃により所定間隔でハーフカット部27a、27bが形成される。
【0037】
積層体製造装置には、上流側から、感光性フィルム12を供給するフィルムロール22と、供給された感光性フィルム12の保護フィルム20及び感光性樹脂層18の所定部位を仮支持体16を残して切断することによりハーフカット部(27a、27b;図2参照)を形成する加工機構26とが配設されている。さらに、加工機構26の下流側には、保護フィルム20bを介して隣接する保護フィルム20aに両端部が接着する一方、中間部が保護フィルム20bに対して非接着状態に形成された図示しないラベルを吸着する吸着パッド32を有し、このラベルを保護フィルム20aに接着させるラベル接着機構34が配設されている。
【0038】
ラベル接着機構34の更に下流側には、感光性フィルム12をタクト送りから連続送りに変更するためのリザーバ機構36と、感光性フィルム12から保護フィルム20aを剥離する剥離機構38と、感光性フィルム12に対して所定のテンションを付与するテンション制御機構40と、加工機構26により図2のように感光性フィルム12に形成されたハーフカット部27a、27bを検出する検出機構42とが順に配設されており、検出機構42の更に下流側には、感光性フィルム12の感光性樹脂層18をガラス基板14に対して加熱圧着するための圧着機構44が配設されている。なお、図1において、ローラ46は上下に揺動自在に取り付けられ、感光性フィルムの上流側でのタクト搬送と下流側での連続搬送との速度差が吸収されるようになっている。剥離ローラ50を介して感光性フィルム12から連続的に剥離された保護フィルム20aは、巻き取り部52に巻き取られる。テンション制御機構40は、シリンダ54とテンションダンサ56を備えている。
【0039】
圧着機構44は、基板搬送機構62から供給されたガラス基板14の上面部に対し、感光性フィルム12の感光性樹脂層18を加熱圧着するための圧着ローラ64a、64bを備えている。なお、基板搬送機構62は、ガラス基板14を挟むように配設された基板加熱部66と、ガラス基板14を搬送する搬送部68とを備えている。
【0040】
圧着機構44に設けられた圧着ローラ64a、64bは、感光性フィルム12及びガラス基板14を30〜300N/cmの範囲の線圧で圧着しながら、80〜150℃の温度で加熱する加熱ローラであり、各圧着ローラの外周部には、ゴム層65a、65bが形成されている。圧着ローラ64a、64bには、バックアップローラ70a、70bがそれぞれ摺接されており、バックアップローラ70bは加圧シリンダ72により上方に配置されたバックアップローラ70a側に押圧され、圧着ローラ64a及び64bが圧接されるようになっている。
【0041】
また、圧着ローラ64a、64bは、ガラス基板の上方に位置する圧着ローラ64aは駆動機構が設けられており、逆にガラス基板の下方に位置する圧着ローラ64bは圧着ローラ64aの駆動力で従動する構成になっている。なお、駆動側のローラは、感光性フィルム12と接する側とすることが望ましいが、圧着ローラ64a及び64bの両方を回転駆動させてもよい。圧着ローラ64a、64bは、感光性フィルム12及びガラス基板14を圧着させた状態で1.0〜10m/分の速度で搬送する。
【0042】
ゴム層65a、65bは、JIS K 6253タイプA(ISO 7619タイプA)での硬度が30〜90度の耐熱性ゴム、例えば、シリコーンゴム、CR(クロロプレンゴム)、IIR(ブチルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、CSM(クロロスルホン化ポリエチレンゴム)、フッ素ゴム等を用いて形成することができる。また、各ゴム層の表面は、感光性フィルム12の仮支持体16に対する静止摩擦係数を調整するために、低摩擦化処理が施されている。この場合、低摩擦化処理としては、例えば、表面コーティング処理、含浸処理、チューブ掛け、表面研磨処理等を挙げることができる。
【0043】
前記表面コーティング処理とは、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン;登録商標)系、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー)系、FEP(フッ化エチレンプロピレンテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)系、ETFE(エチレンテトラフルオロエチレン共重合体)系、ECTFE(エチレンクロロトリフルオロエチレン共重合体)系、エポキシ変性系、フッ素系等の低摩擦性の塗料をゴム層表面に塗布して加熱焼き付ける処理である。
前記含浸処理とは、ゴム層を膨潤化し、分子間に前記表面コーティング処理で使用可能な低摩擦性材料を含浸させる処理である。
前記チューブ掛けとは、滑り性のあるPTFE系や他の樹脂からなるチューブを圧着ローラ64a、64bのゴム層65a、65bに直接被覆させる処理であり、チューブを熱収縮させ、あるいは接着剤を用いることで圧着ローラ64a、64bに固定することができる。
なお、これらの処理は、少なくとも感光性フィルム12に接する圧着ローラ64aに施されていることが好ましく、必ずしも圧着ローラ64a、64bの両方に施される必要はない。
【0044】
圧着機構44の下流側には、運転開始時において感光性フィルム12の先端部を切断する先端切断機構74と、ガラス基板14間の感光性フィルム12を切断する基板間切断機構76とが配設されている。また、圧着ローラ64a、64bと先端切断機構74との間には、運転開始時において感光性フィルム12を引き出すためのフィルム搬送ローラ78が配設されており、先端切断機構74の下流側には、感光性フィルム12が圧着されたガラス基板14を搬送する基板搬送ローラ80が配設されている。
【0045】
この積層体製造装置では、フィルムロール22から供給された感光性フィルム12は、加工機構26に搬送され、仮支持体16を残して保護フィルム20及び感光性樹脂層18が丸刃24により所定長毎に切断された後、ハーフカット部27a、27bが形成された感光性シートフイルム12の保護フィルム20に対してラベルが接着され、ラベルが接着された感光性シートフイルム12は、剥離機構38に供給される。このとき、感光性フィルム12は、加工機構26で図2に示すように、ガラス基板14に圧着される感光性樹脂層18の長さLと、ガラス基板14間に残存させる保護フィルム20bの幅Mとに対応した間隔でスリット状のハーフカット部27a、27bが形成される。また、ラベルは、中間部が保護フィルム20bに対して非接着状態で、両端部が感光性フィルム12から剥離される保護フィルム20aに接着される。そして、保護フィルム20aが剥離され、感光性樹脂層18が部分的に露出した感光性フィルム12が、離間状態にある圧着ローラ64a、64b間に供給されると共に、基板加熱部66で所定温度に加熱されたガラス基板14が圧着ローラ64a、64b間に供給される。そして、圧着ローラ64a、64bにより、感光性フィルム12とガラス基板14とが加圧加熱されながら搬送されることで感光性樹脂層18がガラス基板14の所定位置に圧着される。
【0046】
なお、図1に示す積層体製造装置の更なる詳細については、特開2006−23407号公報の記載を参照することができる。
【実施例】
【0047】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
【0048】
(実施例1)
−感光性転写材料の準備−
仮支持体として、長さ400m×幅1290mm×厚み75μmのポリエチレンテレフタレート(PET;以下、PET仮支持体と称する。)を用意し、その一方の表面に下記のアクリル系下塗剤を用いて、導電層形成用塗布液1を塗布、乾燥し、さらに保護層形成用塗布液2を塗布し、乾燥させた。
〜アクリル系下塗剤〜
<導電層形成用塗布液1>
・カルボン酸基を複数有するアクリル樹脂 ・・・30.9部
(ジュリマーET−410、数平均分子量9700、重量平均分子量17000、固形分濃度30質量%、日本純薬社製)
・メラミン樹脂架橋剤 ・・・3.2部
(ベッカミンM−3、固形分濃度80質量%;大日本インキ化学工業(株)製)
・酸化スズ−酸化アンチモン導電性分散液TDL−1 ・・・154.1部
(TDL−1、固形分濃度17%、三菱マテリアル社製)
・界面活性剤 ・・・0.73部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業社製)
・界面活性剤 ・・・1.44部
(サンデットBL、固形分濃度43質量%、三洋化成工業社製)
・水 ・・・824.4部
【0049】
<保護層形成用塗布液2>
・ポリエチレンラッテクス ・・・17.8部
(ケミパールS120、固形分濃度27質量%、三井化学社製)
・コロイダルシリカ ・・・11.8部
(スノーテックスC、固形分濃度20質量%、日産化学社製)
・エポキシ硬化剤 ・・・1.7部
(デナコールEX−614B、ナガセ化成社製)
・界面活性剤 ・・・0.52部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業社製)
・界面活性剤 ・・・0.59部
(サンデットBL、固形分濃度43質量%、三洋化成工業社製)
【0050】
次に、前記PET仮支持体のアクリル系下塗剤非塗布面側に、下記組成のクッション層用塗布液を乾燥層厚が14.6μmになるように塗布、乾燥してクッション層を形成し、クッション層上に下記組成の中間層用塗布液を乾燥層厚1.6μmになるように塗布、乾燥して中間層を積層した。積層された中間層上に更に、下記組成の感光性樹脂層用塗布液を乾燥層厚1.3μmになるように塗布、乾燥して感光性樹脂層を形成し、形成された感光性樹脂層の表面に厚み12μmのポリプロピレンフィルム(保護フィルム)を圧着し、感光性転写材料とした。
【0051】
<クッション層用塗布液の組成>
・メタノール ・・・11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・6.36部
・メチルエチルケトン ・・・52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃) ・・・6.80部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、平均分子量=1万、Tg≒100℃) ・・・10.2部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製) ・・・9.1部
・下記界面活性剤1の30質量%MEK溶液 ・・・0.54部
【0052】
*界面活性剤1
メガファックF−780−F(商品名;大日本インキ化学工業(株)製)
組成:C613CH2CH2OCOCH=CH2(40部)とH(OCH(CH3)CH2)7OCOCH=CH2(55部)とH(OCH2CH2)7OCOCH=CH2(5部)との共重合体(重量平均分子量3万)
【0053】
<中間層用塗布液の組成>
・PVA205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550) ・・・32.2部
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン社製、K−30)・・・14.9部
・蒸留水 ・・・524部
・メタノール ・・・429部
【0054】
<感光性樹脂層用塗布液の組成>
・カーボンブラック(カラーブラックFW2、デグッサ社製)・・・26.7部
・分散剤 ・・・3.3部
(ディスパロンDA7500(酸価26、アミン価40)、楠本化成(株)製)
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])共重合体(重量平均分子量=30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの50質量%溶液)・・・10部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・60部
【0055】
−転写装置の準備−
図1に示す構造と同様に構成された転写装置を準備した。転写装置を構成する圧着機構44を構成する圧着ローラ64a,64bとして、STKM 13A製の内部中空の芯ロールと、該芯ロールの曲面全体をシリコーンで被覆して形成されたシリコーンゴム層(ゴム層)65a,65bとで構成されたゴム被覆ローラを用いた。また、圧着ローラ64aを駆動ローラとし、圧着ローラ64a、64bはともに加熱されるように構成されている。
【0056】
−積層体の作製−
基板として、長さ1300mm×幅1200mm×厚み0.7mmのガラス基板を準備し、上記より得た感光性転写材料を転写装置に装填して、下記の圧着条件にて圧着、剥離転写することにより、積層体を作製した。このようにして圧着、剥離転写を25000m継続したところ、転写枚数の累積に伴なって蛇行が見られた。
<圧着条件>
・圧着ローラ64a,64bの軸芯方向における線圧:150[N/cm]
・圧着ローラ64a,64bの搬送速度:1.4[m/分]
・圧着ローラ64a,64bの加熱温度:130[℃]
・圧着ローラ64aの外周に掛けられた感光性フィルム12の当接角度:90[゜]
・ガラス基板の基板加熱部66による加熱温度:120[℃]
・ガラス基板のサイズ:幅1100×長さ1300×厚み0.7[mm]
・感光性フィルムのテンション:140[N/幅1090mm]
【0057】
−評価1(ラミ泡・濃淡ムラ)−
上記において、25000mの圧着、剥離転写の後、転写枚数の累積により蛇行が生じ始めた圧着ロール64aのゴム層65aの表面をエタノールを用いて洗浄しながら、静止摩擦係数を調整して圧着、剥離転写を10枚行なったときのラミ泡(気泡混入)及び濃淡ムラの発生の有無を下記の方法により評価した。評価結果は、下記表1に示す。
【0058】
具体的には、圧着ローラ64aの静止摩擦係数の平均値及び静止摩擦係数の相対標準偏差を調整し、それぞれの場合の剥離転写後に光学顕微鏡にて感光性樹脂層のラミネート状態を目視により観察し、感光性樹脂層におけるラミ泡及び濃淡ムラの発生の有無を下記の評価基準にしたがって評価した。ここで、濃淡ムラは、圧着ローラと平行に発生する筋状ムラが発生しているか否かを基準に評価した。
<ラミ泡の評価基準>
○:10枚ともラミ泡の発生はみられなかった。
△:10枚中、一部のガラス基板に密集したラミ泡の発生が確認され、実用上許容できない範囲であった。
×:10枚全てに密集したラミ泡の発生が確認され、品質に支障を来した。
<濃淡ムラの評価基準>
○:10枚とも筋状の濃淡ムラの発生はみられなかった。
△:10枚中、一部のガラス基板に筋状の濃淡ムラが確認され、実用上許容できない範囲であった。
×:10枚全てに筋状の濃淡ムラが確認され、品質上支障を来した。
【0059】
【表1】

【0060】
前記表1に示すように、本発明では、高品質なラミ品質を維持することができた。また静止摩擦係数の幅方向における静止摩擦係数の相対標準偏差(変動係数)が大きく上昇しないように洗浄することにより、長期間にわたってラミ品質が安定的に維持された。
【0061】
−評価2(ラミ泡・クッション層剥離)−
上記において、25000mの圧着、剥離転写の後、転写枚数の累積により蛇行が生じ始めた圧着ロール64aのゴム層65aの表面をエタノールを用いて洗浄しながら静止摩擦係数を調整し、感光性シートフイルム12のテンションを変えて圧着、剥離転写を10枚行ない、仮支持体を剥離した後、光学顕微鏡にてラミネート状態を観察し、ラミ泡(気泡混入)の有無及びクッション層の剥離の有無を下記の評価基準にしたがって評価した。評価結果は、下記表2に示す。
<ラミ泡の評価基準>
○:10枚ともラミ泡の発生はみられなかった。
△:10枚中、一部のガラス基板に密集したラミ泡の発生が確認され、実用上許容できない範囲であった。
×:10枚全てに密集したラミ泡の発生が確認され、品質に支障を来した。
<クッション層剥離の評価基準>
○:10枚とも発生はみられなかった。
×:10枚中、一枚でも発生が確認された。
【0062】
なお、フィルムテンションは、25℃、55%RH環境下、測定した。
【0063】
【表2】

【0064】
前記表2に示すように、静止摩擦係数低下に伴なってラミ泡の発生状況が悪化し、静止摩擦係数が低下すると、感光性フィルムに与えるテンションを高く設定してもシワの発生、気泡の混入、及びクッション層の剥離による品質低下を回避することはできなかった。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の積層体の製造方法の実施に使用できる積層体製造装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】感光性フィルムの断面構造を示す概略断面図である。
【図3】ガラス基板に感光性フィルムを転写した状態を示す概略断面図である。
【図4】静止摩擦係数の測定方法を説明するための説明図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮支持体上に転写層を有する広幅状の転写材料を基板に圧着する圧着ローラの前記仮支持体に対する静止摩擦係数の平均値が0.25〜0.7の範囲であるときに、前記仮支持体と接する前記圧着ローラの軸芯方向における静止摩擦係数の相対標準偏差を0.25以下に維持して圧着し、圧着後に前記仮支持体を剥離することにより前記転写層を前記基板に転写して積層体を作製する積層体の製造方法。
【請求項2】
前記仮支持体と接する前記圧着ローラの表面はゴム材であることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項3】
前記圧着は、前記圧着ローラを80〜150℃の範囲で加熱して行なうことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層体の製造方法。
【請求項4】
前記転写層は、前記圧着ローラにより80〜150℃の範囲に加熱されたときに30〜30000Pa・sの範囲の粘度特性を示す熱可塑性の感光性樹脂層であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−241267(P2009−241267A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−87576(P2008−87576)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】