説明

積層体及びその製造方法

【課題】放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布膜を放射線により硬化させた下層を設け、その下層上に真空成膜法により無機膜を設けた積層体の製造方法おいて、上層の被覆率の良い積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】(a):基材上に放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布液を塗布して塗布膜を設け、塗布膜を加熱処理し、加熱処理後の塗布膜を放射線により硬化させて有機層を成膜する工程と、(b):工程(a)を繰り返すことで2層以上の有機層を含む下層を形成する工程と、(c):下層上に真空成膜法により無機膜を形成する工程と、で積層体を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体及びその製造方法に関し、特に、基材上に下層を設け、その下層上に真空成膜法により無機膜を設ける積層体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学素子、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置、半導体装置、薄膜太陽電池など、各種の装置に、ガスバリアフィルム、保護フィルム、光学フィルタや反射防止フィルム等の光学フィルムなど、各種の機能性フィルム(機能性シート)が利用されている。
【0003】
また、これらの機能性フィルムの製造に、スパッタリングやプラズマCVD等の真空成膜法による成膜(薄膜形成)が利用されている。
【0004】
真空成膜法によって、効率良く、高い生産性を確保して成膜を行なうために、長尺な基材に連続的に成膜することが行われている。
【0005】
このような成膜方法を実施する設備として、長尺な基材(ウェブ状の基材)をロール状に巻回してなる供給ロールと、成膜済の基材をロール状に巻回する巻取りロールとを用いる、いわゆるロール・ツー・ロール(Roll to Roll)の成膜装置が知られている。このロール・ツー・ロールの成膜装置は、プラズマCVDによって基材に成膜を行なう成膜室を通過する所定の経路で、供給ロールから巻取りロールまで長尺な基材を挿通し、供給ロールからの基材の送り出しと、巻取りロールによる成膜済基材の巻取りとを同期して行いつつ、成膜室において、搬送される基材に連続的に成膜を行なう。
【0006】
ところで、ガスバリアフィルムや保護フィルム等の機能性フィルムは、単層であるとは限らず、例えば、プラスチックフィルム等の基材上に、ポリマーを主成分とする有機膜を成膜し、その上に無機物からなる無機膜を成膜してなる機能性フィルム(積層フィルム)も知られている。
【0007】
一例として、特許文献1には、6官能のアクリレ−トもしくはメタクリレ−トのモノマーもしくはオリゴマーを含む組成物を硬化させた有機膜と、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物、インジウムとスズの複合酸化物、インジウムとセリウムの複合酸化物等の中から選ばれた酸化物からなる無機膜を積層したガスバリアフィルムが開示されている。
【特許文献1】特開2002−264274号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、プラスチックフィルム等の基材上に、放射線硬化性モノマーが含有された塗布膜を放射線により硬化させた下層を設け、その下層上に真空成膜法により無機膜を設けた積層フィルム等の積層体においては、基材に異物の付着があることから、下層の部分的な被覆不良が生じ、その下層の上に設ける上層(無機膜)に欠陥が生じるという問題があった。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布膜を放射線により硬化させた下層を設け、その下層上に真空成膜法により無機膜を設けた積層体の製造方法おいて、上層の被覆率の良い積層体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、(a):基材上に放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布液を塗布して塗布膜を設け、前記塗布膜を加熱処理し、前記加熱処理後の塗布膜を放射線により硬化させて有機層を成膜する工程と、(b):工程(a)を繰り返すことで2層以上の有機層を含む下層を形成する工程と、(c):前記下層上に真空成膜法により無機膜を形成する工程と、を含むことを特徴とする積層体の製造方法を提供する。
【0011】
本願発明者は、基材に異物の付着があることから、下層の部分的な被覆不良が生じ、その下層の上に設ける上層(無機膜)に欠陥が生じるのを抑制する方法を鋭意研究した結果、放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布液を塗布し、塗布膜を乾燥するために加熱処理し、加熱処理後に放射線硬化して得られた層上に、さらにもう一度以上、同じ塗布液を塗布し、塗布膜を乾燥するために加熱処理し、加熱処理後に放射線硬化することで解消することができるという知見を得た。
【0012】
即ち、下層の1層目を設ける場合には、基材に付着した異物を塗布膜で完全に覆い被せることが出来ないため、部分的に皮膜不良が発現する可能性があるが、その1層目の上に2層目を設ける際には、1層目の塗布層により平滑性が向上しているのでその部分的な皮膜不良部分を被覆しやすくなる。従って、部分的な皮膜不良が発現しない下層の上に、無機膜を真空成膜法で設けるので、上層(無機膜)に欠陥が生じるのを抑制することができる。
【0013】
請求項1によれば、(a):基材上に放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布液を塗布して塗布膜を設け、前記塗布膜を加熱処理し、前記加熱処理後の塗布膜を放射線により硬化させて有機層を成膜する工程と、(b):工程(a)を繰り返すことで2層以上の有機層を含む下層を形成する工程と、(c):前記下層上に真空成膜法により無機膜を形成する工程と、を含む積層体の製造方法により、積層体の上層(無機膜)を好適に成膜することができるので、欠陥のない積層体を提供することができる。
【0014】
請求項2の発明は請求項1において、前記基材がフィルムであることを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明は請求項2において、工程(a)の塗布がバー塗布又はグラビア塗布で行い、工程(b)において最後に繰り返される工程(a)の塗布がダイ塗布であることを特徴とする。
【0016】
基材がフィルムの場合に、工程(a)の塗布を基材へ接触して塗布するバー塗布やグラビア塗布であることで、基材に付着している異物を取り除く効果がある。そして、工程(b)での塗布を、均一の厚さを塗布することができるダイ塗布とすることで、上層を設ける下層の平滑性が向上する。従って、真空成膜法で成膜される上層(無機膜)の基材に付着している異物による欠陥が発現するのを抑制することができるので、上層の被覆率の良い積層体を得ることができる。
【0017】
請求項4の発明は請求項2又は3において、工程(a)と工程(b)を一連で行うことを特徴とする。
【0018】
請求項4によれば、2箇所以上に塗布手段が設けられた塗布装置で、下層の形成途中で巻き取ることなく下層の形成を行うことで、新たに異物を塗布面に付着させることがなくなるので、更に、下層の部分的な被覆不良が生じることを抑制することができる。
【0019】
請求項5の発明は請求項1〜4の何れか1において、前記下層の厚みが100〜1000nm、前記上層の厚みが5〜40nmであることを特徴とする。
【0020】
本発明は、下層の厚みが100〜1000nm、上層の厚みが5〜40nmである積層体を製造するときに特に有効である。
【0021】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする積層体である。
【0022】
請求項7の発明は請求項6において、前記下層の最上層の異物が、1000nm以下の大きさであり、1m2 当りの個数が500000個以下であることを特徴とする。
【0023】
本発明の積層体の製造方法によれば、下層の最上層の異物が、1000nm以下の大きさであり、1m2 当りの個数が500000個以下である積層体を提供することができる。従って、上層(無機膜)の被覆率の低下を抑制することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布膜を放射線により硬化させた下層を設け、その下層上に真空成膜法により無機膜を設けた積層体の製造方法おいて、上層の被覆率の良い積層体の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施の形態により説明されるが、本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、本実施の形態以外の他の実施の形態を利用することができる。従って、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を含む範囲を意味する。
【0026】
以下、本発明の積層体の製造方法について説明する。なお、以下積層体の基材がフィルムの場合について説明するが、本発明の積層体は積層フィルムに限定されず、積層体の基材がシートの場合についても成り立つ。
【0027】
図1に、積層体の製造方法によって製造される積層フィルムの概念図を示す。
【0028】
図1に示すように、積層体の製造方法は、基材B(フィルム原反)の表面に、所定のポリマーを主成分とする有機膜12を成膜(形成)し、この有機膜12の上に真空成膜法によって無機膜14を成膜して、積層体(以下、積層フィルムともいう。)10を製造するものである。
【0029】
積層体の製造方法は、一例として、基材Bの表面に有機膜12を成膜する有機成膜装置20と、有機膜12の上(表面)に無機膜14を成膜する無機成膜装置22とによって積層フィルム10を製造するものである。
【0030】
図2(A)に、積層体の製造方法を実施する有機成膜装置20の一例を概念的に示す。
【0031】
有機成膜装置20は、塗布手段26、加熱手段28、および、UV照射装置30を有するもので、予め調製した放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布液を基材Bに塗布手段26で塗布し、加熱手段28で乾燥して、UV照射装置30で重合することにより、有機膜12を成膜する。
【0032】
この有機成膜装置20は、ロール・ツー・ロールによって有機膜を成膜するもので、基材Bは、基材ロール40として回転軸32に装填され、長手方向に搬送されつつ有機膜を成膜され、有機膜を成膜した基材Boをロール42として巻取り軸34に巻き取られる。
【0033】
基材ロール40から送り出された基材Bは、最初に塗布手段26に搬送される。塗布手段26では、基材Bの表面に、予め調製した有機膜12となる放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布液を塗布する。この塗布液の塗布は、通常の液体塗布方法が全て利用可能である。
【0034】
基材Bは、次いで、加熱手段28に搬送される。加熱手段28では、塗布手段26が塗布した塗布液中の溶媒を乾燥する。塗布液の加熱方法には、特に限定はなく、ヒータによる加熱、温風による加熱等、基材Bの搬送速度等に応じて、UV照射装置42に至る前に、塗布液を加熱可能なものであれば、公知の加熱手段が全て利用可能である。
【0035】
基材Bは、次いで、UV照射装置30に搬送される。UV照射装置30では、塗布手段26が塗布し加熱手段28で加熱乾燥した塗布液に、UV(紫外線)を照射することにより、放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーを重合させて、有機膜12を成膜する。
【0036】
次いで、有機膜12を成膜した基材Bを巻回した基材ロール42を、図2(B)に概念的に示すような、無機成膜装置22に装填する。
【0037】
無機成膜装置22は、基材Boの表面(すなわち有機膜12の表面)に、真空成膜法によって無機膜14を成膜(形成)するもので、供給室50と、成膜室52と、巻取り室54とを有する。
【0038】
無機成膜装置22も、有機成膜装置20と同様に、ロール・ツー・ロールによる成膜を行なう装置で、基材ロール42から基材Boを送り出し、長手方向に搬送しつつ無機膜14を成膜して、有機膜12と無機膜14とを成膜した機能性フィルム10を巻取り軸58によってロール状に巻き取る。
【0039】
供給室50は、回転軸56と、ガイドローラ60と、真空排気手段61とを有する。無機成膜装置22において、基材Bに有機膜12を成膜してなる基材Boを巻回した基材ロール42は、供給室50の回転軸56に装填される。回転軸56に基材ロール42が装填されると、基材Boは、供給室50から、成膜室52を通り、巻取り室54の巻取り軸58に至る所定の搬送経路を通される(送通される)。無機成膜装置22においても、基材ロール42からの基材Boの送り出しと、巻取り軸56における機能性フィルム10の巻き取りとを同期して行なって、長尺な基材Boを所定の搬送経路で長手方向に搬送しつつ、基材Boに無機膜14の成膜を連続的に行なう。
【0040】
供給室50においては、図示しない駆動源によって回転軸56を図中時計方向に回転して基材ロール42から基材Boを送り出し、ガイドローラ60によって所定の経路を案内して、基材Boを成膜室52に送る。
【0041】
また、供給室50には、真空排気手段61が配置され、供給室50内を、成膜室52における成膜圧力に応じた所定の真空度(圧力)に減圧する。これにより、供給室50の圧力が、成膜室52の圧力(成膜)に悪影響を与えることを防止する。なお、真空排気手段61は、後述する成膜室52の真空排気手段72と同様、公知の物を用いればよい。
【0042】
なお、真空中で有機膜12に接触するガイドローラ60は、基材Boの端部(搬送方向と直交する方向(幅方向)の端部)のみに接触する段差付きローラが好ましい。
【0043】
また、供給室50には、図示した部材以外にも、搬送ローラ対や、基材Boの幅方向の位置を規制するガイド部材など、基材Boを所定の経路で搬送するための各種の部材(搬送手段)を有してもよい。しかしながら、無機膜14の成膜中は、供給室50内は、成膜室の圧力に応じた真空度となるので、有機膜12に接触する部材は、段差付きローラであるガイドローラ60と同様、基材Boの端部のみに接触する構成を有する物とする。
【0044】
基材Boは、ガイドローラ60によって案内され、成膜室52に搬送される。
【0045】
成膜室52は、基材Boの表面(すなわち有機膜12の表面)に、真空成膜法によって無機膜14を成膜(形成)するものである。図示例において、成膜室52は、ドラム62と、成膜手段64a,64b、64c、および64dと、ガイドローラ68および70と、真空排気手段72とを有する。なお、成膜室52が、スパッタリングやプラズマCVD等による成膜をおこなうものである場合には、成膜室52には、さらに、高周波電源等も設置される。
【0046】
基材Boは、供給室50と成膜室52とを分離する隔壁74に形成されるスリット74aから、成膜室52に搬送される。
【0047】
なお、図示例の無機成膜装置22は、好ましい態様として、供給室50および巻取り室54にも真空排気手段を設け、成膜室52における成膜圧力に応じて、供給室50および巻取り室54も真空とするが、本発明を実施する装置は、これに限定はされない。例えば、供給室50および巻取り室54には、真空排気手段を設けずに、基材Boが通過するスリットを、基材Bに接触することなく、かつ、基材Bが通過可能な最小限のサイズとすることにより、成膜室52を略気密に構成してもよい。あるいは、供給室50および巻取り室54には、真空排気手段を設けずに、供給室50および巻取り室54と、成膜室52との間に、基材Bが通過するサブチャンバを設け、このサブチャンバ内を真空ポンプによって真空にしてもよい。
【0048】
なお、成膜室52の上流(基材Bの搬送方向上流)にサブチャンバ等を設ける場合には、このサブチャンバ等の内部で基材を搬送する手段も、有機膜12に接触する場合には、基材Boの端部のみに接触する構成とする必要がある。
【0049】
成膜室52のドラム62は、中心線を中心に図中反時計方向に回転する円筒状の部材である。
【0050】
供給室50から供給され、ガイドローラ68によって所定の経路に案内された基材Boは、ドラム62の周面の所定領域に掛け回されて、ドラム62に支持/案内されつつ、所定の搬送経路を搬送され、成膜手段64a〜64d等によって、表面(有機膜12の上)に、無機膜14を形成される。また、成膜室52が、スパッタリングやプラズマCVD等による成膜をおこなうものである場合には、ドラム62は、対向電極としても作用するように、接地(アース)されてもよく、あるいは高周波電源に接続されてもよい。
【0051】
成膜手段64a〜64dは、真空成膜法によって、基材Bの表面に無機膜14を成膜するためのものである。
【0052】
ここで、本発明の製造方法においては、無機膜14の形成方法には、特に限定は無く、CVD、プラズマCVD、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング等、公知の真空成膜法(気相堆積法)が、全て、利用可能である。
【0053】
従って、成膜手段64a〜64dは、実施する真空成膜法に応じた、各種の部材で構成される。
【0054】
例えば、成膜室52がICP−CVD法(誘導結合型プラズマCVD)によって無機膜14の成膜を行なうものであれば、成膜手段64a〜64dは、誘導磁場を形成するための誘導コイルや、成膜領域に反応ガスを供給するためのガス供給手段等を有して構成される。
【0055】
成膜室52が、CCP−CVD法(容量結合型プラズマCVD)によって無機膜14の成膜を行なうものであれば、成膜手段64a〜64dは、中空状でドラム46に対向する面に多数の小孔を有し反応ガスの供給源に連結される、高周波電極および反応ガス供給手段として作用するシャワー電極等を有して構成される。
【0056】
成膜室52が、CVD法によって無機膜14の成膜を行なうものであれば、成膜手段64a〜64dは、反応ガスの導入手段等を有して構成される。
【0057】
さらに、成膜室52が、スパッタリングによって無機膜14の成膜を行なうものであれば、成膜手段64a〜64dは、ターゲットの保持手段や高周波電極、スパッタガスの供給手段等を有して構成される。
【0058】
真空排気手段72は、成膜室52内を真空排気して、真空成膜法による無機膜14の成膜に応じた真空度とするものである。
【0059】
真空排気手段72にも、特に限定はなく、ターボポンプ、メカニカルブースターポンプ、ロータリーポンプなどの真空ポンプ、さらには、クライオコイル等の補助手段、到達真空度や排気量の調整手段等を利用する、真空成膜装置に用いられている公知の(真空)排気手段が、各種、利用可能である。
【0060】
ドラム62に支持/搬送されつつ、成膜手段64a〜64dによって無機膜14を成膜された基材Boすなわち機能性フィルム10は、ガイドローラ70によって所定経路に案内されて、巻取り室54に搬送されて、巻取り軸58によってロール状に巻き取られる。
【0061】
ロール状に巻き取られた積層フィルムロールは、次の工程に供される。
【0062】
このように放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布膜を放射線により硬化させた下層(有機膜12)を設け、その下層上に真空成膜法により無機膜14を設けた積層体の製造方法おいて、基材に異物の付着があることから、下層の部分的な被覆不良が生じ、その下層の上に設ける上層(無機膜)に欠陥が生じるという問題があった。
【0063】
そこで、本発明は、基材上に放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布液を塗布して塗布膜を設け、塗布膜を加熱処理し、加熱処理後の塗布膜を放射線により硬化させる、という一巡の工程を繰り返すことで2層以上からなる下層を形成し、下層上に真空成膜法により無機膜を形成することとした。
【0064】
本願発明者は、基材に異物の付着があることから、下層の部分的な被覆不良が生じ、その下層の上に設ける上層(無機膜)に欠陥が生じるのを抑制する方法を鋭意研究した結果、(a):基材上に放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布液を塗布して塗布膜を設け、塗布膜を加熱処理し、加熱処理後の塗布膜を放射線により硬化させて有機層を成膜する工程と、(b):工程(a)を繰り返すことで2層以上の有機層を含む下層を形成する工程と、(c):下層上に真空成膜法により無機膜を形成する工程と、で積層体を製造することで解消することができるという知見を得た。
【0065】
基材に異物の付着があると、下層を設ける場合、図3(a)に示すように、基材Bに付着した異物15を塗布膜12aで完全に覆い被せることが出来ないことがある。この場合、この下層の上に真空成膜法で無機膜を形成すると、無機膜(上層)に欠陥が生じてしまう。従って、図3(b)に示すように、さらにもう一度以上、同じ塗布液を塗布することで塗布膜12bを形成して下層12を形成することで皮膜不良がなくなり、無機膜を真空成膜法で設けても、上層(無機膜)に欠陥が生じにくくなる。
【0066】
具体的には、図2(A)の有機成膜装置20において、下層となる放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布液を2回以上塗布する。即ち、図2(A)に示した有機成膜装置20で、放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布液を塗布手段26で塗布し、加熱手段28で乾燥して、UV照射装置30で重合し、更に有機成膜装置20で、その塗布膜の上に、放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布液を塗布手段26で塗布し、加熱手段28で乾燥して、UV照射装置30で重合することにより、有機膜12を成膜する。尚、塗布液は、1回目の塗布と2回目以降の塗布とで同じ塗布液を用いるが、溶媒組成が異なっていても良い。
【0067】
また、1層目(最下層)の塗布から2層目(最上層)の塗布は、図4(A)の有機成膜装置20’に示すように、一連で行うことが好ましい。放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布液を塗布手段26で塗布し、加熱手段28で乾燥して、UV照射装置30で重合し、その塗布膜12bの上に、放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布液を塗布手段26’で塗布し、加熱手段28’で乾燥して、UV照射装置30’で重合することにより、有機膜12を成膜する。この有機成膜装置20’で下層の形成途中で巻き取ることなく形成することで、新たに異物を塗布面に付着させることがなくなるので、更に、下層の部分的な被覆不良が生じることを抑制することができる。
【0068】
更に、下層(有機膜)と上層(無機膜)の形成は、図5に示す積層フィルム製造装置24を用いて一連で形成することも考えられる。
【0069】
尚、本発明においては、下層(有機膜12)の厚みが100〜1000nm、上層(無機膜14)の厚みが5〜40nmであることが好ましい。
【0070】
本発明の積層体の製造方法で製造された積層体は、下層の最上層(2層の場合、塗布膜12b)の異物が、1000nm以下の大きさであり、1m2 当りの個数が500000個以下とすることができる。従って、上層(無機膜)の被覆率の低下は抑制される。
【0071】
以上のように、本発明の積層体の製造方法によれば、放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布膜を放射線により硬化させた下層を設け、その下層上に真空成膜法により無機膜を設けた積層体の製造方法おいて、下層(有機膜)の異物を抑制することで、上層の被覆率の良い積層体の製造方法を提供することができる。
【0072】
下層(有機膜12)は、平滑で、膜硬度が高いことが好ましい。有機膜12の平滑性は10μm角の平均粗さ(Ra値)として10nm以下であることが好ましく、2nm以下であることがより好ましい。
【0073】
下層(有機膜12)の膜硬度はある程度以上の硬さを有することが好ましい。好ましい硬さとしては、ナノインデンテーション法で測定したときの押し込み硬度として100N/mm2 以上が好ましく、200N/mm2以上がより好ましい。また、鉛筆硬度としてはHB以上の硬さを有することが好ましく、H以上の硬さを有することがより好ましい。
【0074】
本発明において、有機膜12および無機膜14を成膜される基材Bには、特に限定はなく、PETフィルム等の各種の樹脂フィルム、アルミニウムシートなどの各種の金属シートなど、後述する有機膜12および真空成膜による無機膜14の成膜が可能なものであれば、ガスバリアフィルム、光学フィルム、保護フィルムなどの各種の機能性フィルムに利用されている各種の基材(ベースフィルム)が、全て利用可能である。
【0075】
また、基材Bは、表面に、保護膜や接着膜など、各種の膜が形成されているものであってもよい。
【0076】
有機膜12を形成する塗布膜は、放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーを主成分とする膜である。具体的には、使用されるモノマー又はオリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
【0077】
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレートを挙げることができる。
【0078】
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0079】
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
【0080】
使用される光重合開始剤又は光重合開始剤系としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール2量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾール2量体が好ましい。
【0081】
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとしてあげることができる。光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがさらに好ましい。液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm〜50J/cmであることが好ましく、100〜2000mJ/cmであることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
【0082】
有機膜12の成膜方法としては、通常の溶液塗布法、あるいは真空成膜法等を挙げることができる。
【0083】
溶液塗布法としては、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スライドコート法、或いは、米国特許第2681294号明細書に記載のホッパ−を使用するエクストル−ジョンコート法により塗布することができる。
【0084】
なお、アクリレートやメタクリレートは、空気中の酸素によって重合阻害を受ける。従って、本発明において、有機膜12としてこれらを利用する場合には、重合時の酸素濃度もしくは酸素分圧を低くすることが好ましい。窒素置換法によって重合時の酸素濃度を低下させる場合、酸素濃度は2%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。減圧法により重合時の酸素分圧を低下させる場合、全圧が1000Pa以下であることが好ましく、100Pa以下であることがより好ましい。また、100Pa以下の減圧条件下で2J/cm以上のエネルギーを照射して紫外線重合を行うのが特に好ましい。
【0085】
本発明において、モノマーの重合率は80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。ここでいう重合率とはモノマー混合物中の全ての重合性基(例えばアクリレートやメタクリレートであれば、アクリロイル基およびメタクリロイル基)のうち、反応した重合性基の比率を意味する。
【0086】
積層フィルムとして、有機ELディスプレイや液晶ディスプレイのような表示装置など、各種のデバイスや装置の保護フィルムを製造する際には、無機膜14として、酸化ケイ素膜等を成膜すればよい。
【0087】
さらに、積層フィルムとして、光反射防止フィルム、光反射フィルム、各種のフィルタ等の光学フィルムを製造する際には、無機膜14として、目的とする光学特性を有する、あるいは発現する材料からなる膜を成膜すればよい。
【0088】
中でも特に、有機膜12の優れた表面平滑性により、ガスバリア性の優れた無機膜14を成膜できるので、本発明は、ガスバリアフィルムの製造に最適である。
【0089】
尚、本発明の製造方法においては、無機成膜室において4つの成膜手段48a〜48dを用いて無機膜14を成膜するのに限定はされず、3以下、あるいは5以上の成膜手段を用いて、無機膜を成膜してもよい。
【0090】
さらに、無機膜14は、単層に限定はされず、複数層であってもよい。無機膜を複数層形成する場合には、各層は、同じものであっても、互いに異なるものであってもよい。
【0091】
以上、本発明の積層体の製造方法について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよいのは、もちろんである。
【実施例】
【0092】
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。
【0093】
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)98gを、900gのメチルエチルケトン溶媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバファインケミカルズ(株)製)2gを加え、攪拌溶解したものを塗布液とした。
【0094】
基材は、富士フイルム(株)製のTAC(トリアセチルセルロースフィルム)で80μm厚さのもので200mm幅のものを用いた。フィルムの走行速度を10m/分とした。
【0095】
[比較例]
90℃に加熱したロールを通過した後、塗布工程において#6のワイヤーバーで上記組成の重合性化合物を含む塗布液を50m連続塗布した。塗布液が塗布された後、加熱工程において、100℃で乾燥した。次に、UV光源として350〜400nmに強い発光スペクトルを有するD−Bulbを搭載したマイクロウェーブ発光方式の紫外線照射装置(Light Hammer 10、240W/cm、Fusion UV Systems社製)を用い、UV照射装置30において、焦点から5mmの位置で0.4W/cm、0.4J/cmで1秒間UV照射し重合性化合物を重合させた。その後、室温まで放冷し、長尺のフィルム(基材Bo)を得、巻き取りを行った。UV照射では、不活性ガスとして、純度99.9999%の窒素ガスを使用した。窒素ガスの温度は22°Cであった。
【0096】
次に、スパッタリング装置を用いて、有機膜12の上に、無機膜14として、膜厚40nmの酸化アルミニウム膜を成膜した。酸化アルミニウム膜は、ターゲットとしてアルミニウムを、放電ガスとしてアルゴンを、反応ガスとして酸素を用いた。
【0097】
[実施例]
90℃に加熱したロールを通過した後、塗布工程において#3のワイヤーバーで上記組成の重合性化合物を含む塗布液を50m連続塗布した。塗布液が塗布された後、加熱工程において、100℃で乾燥した。次に、UV光源として前記紫外線照射装置(Light Hammer 10、240W/cm、Fusion UV Systems社製)を用い、UV照射装置30において、焦点から5mmの位置で0.4W/cm、0.4J/cmで1秒間UV照射し重合性化合物を重合させた。その後、室温まで放冷し、長尺のフィルムを巻き取った。そして、更に、その長尺のフィルムを90℃に加熱し通過した後、塗布工程において#3のワイヤーバーで上記組成の重合性化合物を含む塗布液を50m連続塗布した。次に、UV光源として前記紫外線照射装置を用い、UV照射装置30において、焦点から5mmの位置で0.4W/cm、0.4J/cmで1秒間UV照射し重合性化合物を重合させた。その後、室温まで放冷し、長尺のフィルム(基材Bo)を得、巻き取りを行った。UV照射では、不活性ガスとして、純度99.9999%の窒素ガスを使用した。窒素ガスの温度は22°Cであった。
【0098】
次に、スパッタリング装置を用いて、有機膜12の上に、無機膜14として、膜厚40nmの酸化アルミニウム膜を成膜した。酸化アルミニウム膜は、ターゲットとしてアルミニウムを、放電ガスとしてアルゴンを、反応ガスとして酸素を用いた。
【0099】
(評価)
上記条件で製造された積層フィルムの表面をSEMにより観察を行い、積層体の下層(有機膜12)の異物が、1000nm以下の大きさであり、1m2 当りの個数が500000個以下であるものを○、そうでないものを×とした。観察結果を表1に記載した。
【0100】
【表1】

【0101】
以上の結果から分かるように、本発明の、(a):基材上に放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布液を塗布して塗布膜を設け、前記塗布膜を加熱処理し、前記加熱処理後の塗布膜を放射線により硬化させて有機層を成膜する工程と、(b):工程(a)を繰り返すことで2層以上の有機層を含む下層を形成する工程と、(c):前記下層上に真空成膜法により無機膜を形成する工程と、により積層体を製造することで、下層の異物を抑制するができるので、上層(無機膜)の被覆率の良い積層体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】積層フィルムの製造方法によって製造される積層フィルムを示す図
【図2】積層体の製造方法を実施する装置の一例を示す図
【図3】本発明の積層体の製造方法によって製造される積層フィルムを示す図
【図4】本発明の積層体の製造方法を実施する装置の一例を示す図
【図5】本発明の積層体の製造方法を実施する装置の他の一例を示す図
【符号の説明】
【0103】
10…積層フィルム、12…有機膜、14…無機膜、20,20’…有機成膜装置、22…無機成膜装置、24…積層フィルム製造装置、26,26’…塗布手段、28,28’…乾燥手段、30,30’…UV照射装置、52…成膜室、64a,64b,64c,64d…成膜手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a):基材上に放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーが含有された塗布液を塗布して塗布膜を設け、前記塗布膜を加熱処理し、前記加熱処理後の塗布膜を放射線により硬化させて有機層を成膜する工程と、
(b):工程(a)を繰り返すことで2層以上の有機層を含む下層を形成する工程と、
(c):前記下層上に真空成膜法により無機膜を形成する工程と、
を含むことを特徴とする積層体の製造方法。
【請求項2】
前記基材がフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項3】
工程(a)の塗布がバー塗布又はグラビア塗布で行い、工程(b)において最後に繰り返される工程(a)の塗布がダイ塗布であることを特徴とする請求項2に記載の積層体の製造方法。
【請求項4】
工程(a)と工程(b)を一連で行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の積層体の製造方法。
【請求項5】
前記下層の厚みが100〜1000nm、前記上層の厚みが5〜40nmであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の積層体の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする積層体。
【請求項7】
前記下層の最上層の異物が、1000nm以下の大きさであり、1m2 当りの個数が500000個以下であることを特徴とする請求項6に記載の積層体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−269193(P2009−269193A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−118966(P2008−118966)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】