説明

空気ばね

【課題】ストッパの間隔を容易かつ確実に調整することができる空気ばねの提供。
【解決手段】ベローズ2の上下端部に上部材3及び下部材4を止着する。上部材3及び下部材4に、互いに当接して上部材3の変位量を制限するストッパ面5、6を形成する。下部材4に、上下動してストッパ面6の高さを調整可能な可動体7を設ける。可動体7を上下動可能に保持する保持体8を設ける。可動体7を保持体8に対して中心軸18の周りに相対的に回転可能とする。可動体7及び保持体8のうちの少なくとも一方に、他方に対して摺動可能なテーパー32、41を形成する。保持体8に対して可動体7を回転させてテーパー32、41を摺動させ、可動体7を上下動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下方向の変位量を制限するためのストッパを備えた例えば鉄道車両用の空気ばねに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、鉄道車両などには、車輪側と車体側との間に介在して振動を抑制するための空気ばねが装備されている(図7参照)。空気ばねには、上下方向の変位量を制限するための上下のストッパ101、102が設けられ、例えば、車体のローリングによる振れ幅を抑えて、車体が周辺設備に接触するのを防止するようになっている。また、空気ばねは、その高さを空気の給排気によって調整可能であり、例えば車輪が摩耗した際に、低下した車体高さを元に戻すための車体高さの調整装置としても用いられる。
【0003】
ただ、車体高さを調整する際、単に空気ばねの高さを高くすると、空気ばねの上下のストッパ101、102の間隔が広がり、車体のローリングによる振れ幅が大きくなって、車体が周辺設備に接触するおそれがある。
【0004】
これに対して、例えば特許文献1は、上下のストッパの間隔を調整可能とすることにより、空気ばねの高さを調整しつつ、上下のストッパの間隔が広がるのを防止することができるようにした空気ばねを開示している(図8参照)。
【0005】
特許文献1の空気ばねは、その上面板及び下面板にそれぞれ上ストッパ部材103及び下ストッパ部材104を設けると共に、上ストッパ部材103を回動可能とし、両ストッパ部材103、104に平坦面105、106と隆起面107、108とを設けた構造とされる。この空気ばねは、上ストッパ部材103を回動させて、隆起面107、108を相互に対向させるか、平坦面105、106と隆起面107、108とを対向させるかを選択することにより、車両の高低のいかんにかかわらず、上下のストッパ部材103、104の間隔を所定の範囲に設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−89029号公報(段落番号0009、0014、0015、0017、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1の空気ばねは、上面板に設けた上ストッパ部材を回動させてストッパの間隔を調整するものであり、ストッパの間隔を調整する際には、車体から台車を抜き出して、車体を空気ばね上から取り外す必要がある。
【0008】
また、特許文献1の空気ばねは、上下のストッパ部材の隆起面を互いに当接させるか、あるいは平坦面と隆起面とを当接させるかを選択する構造であり、空気ばねの水平方向の変位を伴う場合には、隆起面同士あるいは平坦面と隆起面とが想定通りに当接しないおそれがある。この場合、ストッパが正常に機能しなくなると共に、上下の隆起面がその端部の狭い面積のみで当接して、ストッパ部材に損傷を生じるおそれがある。
【0009】
本発明は、ストッパの間隔を容易かつ確実に調整することができ、ストッパの損傷を防止することのできる空気ばねの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る空気ばねは、ベローズの上下端部にそれぞれ上部材及び下部材を止着し、この上部材及び下部材に、互いに当接して上部材の変位量を制限するストッパ面を形成したものであり、下部材に、上下動してこの下部材のストッパ面の高さを調整可能な可動体と、この可動体を上下動可能に保持する保持体とを備え、可動体を保持体に対して中心軸周りに相対的に回転可能とし、可動体及び保持体のうちの少なくとも一方に、他方に対して摺動可能なテーパーを水平面に対して可動体の周方向に傾斜して形成したものである。
【0011】
上記構成によれば、可動体及び/又は保持体に水平面に対して周方向に傾斜するテーパーを形成するので、保持体に対して可動体を回転させて可動体及び/又は保持体のテーパーを他方に対して摺動させるだけで、可動体を上下動させることができる。しかも、可動体及び保持体を下部材に設けるので、空気ばね上から車体を取り外すことなく、可動体を上下動させて下部材のストッパ面の高さを調整することができ、ストッパの間隔を容易かつ確実に調整することができる。
【0012】
また、ストッパ面の形状は特に限定されるものではないが、上部材及び下部材のうち、少なくとも一方のストッパ面を平面状に形成した構成を採用するのが好適である。
【0013】
この構成によれば、両ストッパ面を凹凸状に形成することなく、少なくとも一方のストッパ面を平面状に形成するので、空気ばねにある程度の水平方向の変位が生じたとしても、ストッパを正常に機能させることができ、ストッパ間隔の調整を容易かつ確実にすることができる。つまり、平面状のストッパ面は、その部位ごとに他方のストッパとの間隔が変化するということがないので、空気ばねが上下方向に変位する際、ある程度の水平方向の変位を伴ったとしても、設定通りの上下変位量で両ストッパ面を当接させることができる。
【0014】
しかも、少なくとも一方のストッパ面を平面状に形成する分、両ストッパ面を凹凸状に形成した場合のように上下のストッパ面がその凸部の端部の狭い面積のみで当接するということがないので、両ストッパ面を広い面積で確実に当接させて、ストッパ面に損傷が生じるのを防止することができる。
【0015】
また、テーパーを複数形成し、各テーパー間に、可動体を高さ方向に位置決めする水平面を設けた構成も採用可能である。
【0016】
この構成によれば、可動体及び保持体のうちの一方の水平面に他方を乗り上げさせて可動体を位置決めし、可動体と保持体との間に作用する上下方向の力を水平面で効率よく受けることができ、テーパーの作用によって可動体を保持体に対して回転させる力が生じるのを防止することができる。なお、水平面を設けることなく一つのテーパーのみを形成し、例えば、保持体に対する可動体の回転を規制して可動体の上下動を阻止することにより、ストッパ面を所望の高さに位置決めするようにしてもよい。
【0017】
また、可動体及び保持体のうちの一方を回転させるハンドルを設け、このハンドルを他方に対して固定する固定部を設けた構成も採用可能である。
【0018】
この構成によれば、可動体及び保持体のうちの一方を回転させるハンドルを設けるので、保持体に対して相対的に可動体を容易に回転させることができ、しかも、固定部によってハンドルを他方に対して固定することができるので、保持体に対する可動体の回転を阻止して確実に位置決めすることができる。
【0019】
また、本発明は、空気ばねの下部材に設けられ、空気ばねの上部材に当接して上部材の変位量を制限する空気ばね用ストッパであって、上下動して前記下部材のストッパ面の高さを調整可能な可動体と、該可動体を上下動可能に保持する保持体とを備え、前記可動体は、保持体に対して中心軸周りに相対的に回転可能とされ、前記可動体及び保持体のうちの少なくとも一方に、他方に対して摺動可能なテーパーが水平面に対して可動体の周方向に傾斜して形成されたことを特徴とする空気ばね用ストッパを提供する。
【0020】
この構成の空気ばね用ストッパは、主要部の構成が上記の空気ばねと同様であり、したがって、上記の空気ばねと同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0021】
以上のとおり、本発明によると、空気ばねの下部材に可動体及び保持体を設けて、その少なくとも一方にテーパーを形成しているので、可動体を保持体に対して回転させて上下動させることができ、空気ばね上から車体を取り外すことなく、ストッパ面の高さを容易に調整することができる。
【0022】
これにより、例えば、鉄道車両の車輪が摩耗した際に、空気ばねに給排気して車体高さを調整しつつ、上下のストッパ面の間隔を調整して車体のローリングによる振れ幅を抑えることができる。さらに、上部材及び下部材のうち、少なくとも一方のストッパ面を平面状に形成することにより、空気ばねの水平変位が生じる場合であっても、上下のストッパ面の間隔を確実に調整すると共に、ストッパの損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る空気ばねの断面図
【図2】上側から見た下ストッパの斜視図
【図3】下側から見た下ストッパの斜視図
【図4】上側から見た下ストッパの分解斜視図
【図5】下側から見た下ストッパの分解斜視図
【図6】下ストッパの作動図で、(a−1)〜(a−4)は上側から見た図、(b−1)〜(b−4)は下側から見た図
【図7】従来の空気ばねの断面図
【図8】従来の高さ調節可能なストッパを備えた空気ばねの断面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る空気ばねを実施するための形態について、図面を用いて説明する。
【0025】
図1に示すように、空気ばね1は、例えば、鉄道車両の車体側と車輪側との間に介在して振動を抑制すると共に、車輪が摩耗した際に、空気を給排気して正規の車体高さに調整するためのものであり、筒状のゴム膜からなるベローズ2の上端部に、車体側に取り付けられる上部材3を止着して、ベローズ2の下端部に、車輪側に取り付けられる下部材4を止着し、その上部材3及び下部材4に、互いに当接して上部材3の上下方向の変位量を制限するストッパ面5、6を形成した構造とされ、さらに、その下部材4に、上下動して下部材4のストッパ面6の高さを調整可能な可動体7と、可動体7を上下動可能に保持する保持体8とを備えたものである。
【0026】
上部材3は、例えば鋼製で円形の上面板9に、その下面からリング状に突出するゴム座10を設けると共に、上面板9の中央部に、上側に突出して加圧空気供給部(図示せず)に連結される連結部11を設けた構造とされる。ゴム座10は、例えばリング状の金属片をゴムで覆ってなり、このゴム座10をベローズ2の上端部に内嵌することにより、ベローズ2の上端部に上部材3が止着されると共に、ゴム座10とベローズ2との間がシールされ、連結部11を介してベローズ2に空気を給排気可能とされる。
【0027】
上面板9の下面のうち、ゴム座10よりも内側かつ連結部11の周囲には、ゴム製の上ストッパ12が設けられ、この上ストッパ12の下面がストッパ面5とされる。ストッパ面5は、径方向と平行な複数の溝が形成された凹凸状とされ、その溝が、空気が抜けて両ストッパ面5、6が接触した空気ばね1に空気を給入する際の連結部11からベローズ2への空気の通り道とされる。
【0028】
上面板9の周縁部には、下向きに突出する筒部13が形成され、この筒部13が、下端部を上向きかつ内側に押し込むように折り返されると共に給気されたベローズ2の膨みを規制する。筒部13の内面はゴム14で覆われ、上部材3が水平方向に変位する際のベローズ2の摩耗を軽減するようになっている。
【0029】
下部材4は、上ストッパ12に当接して上部材3の変位量を制限する下ストッパ16をばね座17に取り付けて、このばね座17を積層ゴム15の上面側に止着した構造とされる。
【0030】
図1〜図5に示すように、下ストッパ16は、ばね座17に止着される保持体8と、保持体8が保持する可動体7と、可動体7を中心軸18の周りに回転させるハンドル19とから構成される。
【0031】
ばね座17は、例えば鋼製の円板状とされ、下面に形成された円形のずれ止め20を積層ゴム15の中央穴21に係合させると共に、ボルト孔22にボルト23を挿通して積層ゴム15にボルト固定される。このばね座17には、中心から上側に突出してハンドル19のボス部24を支持する支持軸25が形成されると共に、ハンドル19のアーム26を位置させるための切欠27が例えば中心角が60°程度の扇形状に形成されている。
【0032】
ハンドル19は、アーム26の基端部に可動体7に係合するボス部24を設けてなり、先端部を操作して可動体7を中心軸18の周りに回転移動させると共に、先端部に設けられた固定部としてのピン孔28を保持体8に固定して、可動体7の回転を阻止するようになっている。
【0033】
可動体7は、例えばアルミニウムなどの金属や合成樹脂からなる円盤状で、中央部に、ハンドル19のボス部20に嵌合される嵌合穴29が形成され、この可動体7の上面が平面状のストッパ面6とされる。可動体7の下面側には、その複数箇所に可動体7の下面30から下側に突出する水平面31が形成され、可動体7の下面30と各水平面31とを繋ぐように、水平面に対して可動体7の周方向に傾斜する複数のテーパー32と中間水平面33とが交互に形成されている。
【0034】
保持体8は、例えばアルミニウムなどの金属や合成樹脂からなる円盤状とされ、その中央部に、ばね座17の支持軸25及びハンドル19のボス部24を貫通させる貫通穴34が形成され、上面側に、可動体7を上下動自在かつ中心軸18の周りに回転自在に保持する筒部35が形成されている。
【0035】
この保持体8は、ばね座17との間に、支持軸25に外嵌したハンドル19のボス部24を介在させると共に、ボルト孔36に挿通されてねじ孔46に螺合されるボルト37によって、ばね座17にボルト固定される。保持体8の筒部35よりも外周側にはゴム座38が設けられ、保持体8が、ベローズ2の下端部を止着してシールするビードシートとしても機能する。
【0036】
保持体8の上面側かつ筒部35の内側には、その複数箇所に保持体8の上面39から上側に突出する水平面40が形成され、保持体8の上面39と各水平面40とを繋ぐように、水平面に対して可動体7の周方向に傾斜する複数のテーパー41と中間水平面42とが交互に形成されている。
【0037】
保持体8の筒部35に可動体7が挿入され、可動体7の下面30、水平面31、テーパー32及び中間水平面33と、保持体8の水平面40、上面39、テーパー41及び中間水平面42とが噛合っている。可動体7のテーパー32と保持体8のテーパー41とは、互いに摺動可能とされ、ハンドル19を操作して可動体7を中心軸18の回りに回転させることにより、可動体7が上下方向に移動するようになっている。
【0038】
保持体8の水平面40、上面39及び中間水平面42に、可動体7の下面30、水平面31及び中間水平面33が乗り上げた複数の状態で、可動体7が高さ方向に位置決めされる。
【0039】
保持体8の下面には、ハンドル19のピン孔28に挿通したピン43を挿入する複数のピン挿入孔44が形成され、可動体7が高さ方向に位置決めされた状態で、ハンドル19を保持体8に対して固定するようになっている。ピン孔28に挿通したピン43は、割りピン45によってピン孔28からの脱落が阻止される。
【0040】
次に、下ストッパの動作を説明する。図6に示すように、ばね座17の下側から、その切欠27から露出するハンドル19を操作して、ばね座17の支持軸25の周りにハンドル19のボス部24を回転させる。これにより、ボス部24と嵌合穴29で係合する可動体7が中心軸18の回りに回転し、可動体7のテーパー32と保持体8のテーパー41とが互いに摺動して、可動体7が回転しながら上下方向に移動し、下側のストッパ面6の高さが変化する。
【0041】
可動体7は、その下面30が保持体8の上面39に載置された状態(a−1、b−1)と、下面30が保持体8の水平面40に載置された状態(a−4、b−4)との間で移動し、その間、下面30が保持体8の中間水平面42に載置された状態(a−2、b−2)、(a−3、b−3)で一旦位置決めされる。
【0042】
可動体7を高さ方向に位置決めして、下側のストッパ面6を所望の高さに調整した状態において、ハンドル19のピン孔28の位置が保持体8の下面のピン挿入孔44の位置に対応するようになっている。ピン孔28及びピン挿入孔44にピン43を挿入し、ピン43の脱落を割りピン45で阻止して、可動体7の上下動を規制し、下側のストッパ面6の高さ調整が完了する。
【0043】
上記構成によれば、ばね座17の下側からハンドル19を操作して、ストッパ面6の高さを調整することができるので、空気ばね1の上から車体を取り外すことなく、容易にストッパ間隔を調整することができる。
【0044】
また、下側のストッパ面6を平面状に形成しているので、空気ばね1が水平方向に変位して、上部材3と下部材4との中心位置がずれたとしても、両ストッパ面5、6の間隔が変化することはなく、設定通りのストッパ間隔を維持することができる。しかも、下側のストッパ面6が平面状であり、ストッパ面5、6が突出部の狭い面積で当接することがなく、ストッパ面5、6の損傷を防止することができる。
【0045】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、適宜変更を加えることができる。例えば、空気ばね1は、鉄道車両用のものに限らず、他の用途に用いられるものであってもよい。また、保持体8とばね座17とは、別体に形成することなく、これらを一体に形成することもできる。
【0046】
可動体7は、保持体8に対して中心軸18の周りに相対的に回転可能であればよく、可動体7に代えて保持体8を回転させるようにしてもよい。また、テーパー32、41は、可動体7及び保持体8のうちの少なくとも一方に形成すればよく、テーパー32、41のうちの一方のみを形成するようにしてもよい。
【0047】
ストッパ面5、6は、少なくとも一方を平面状に形成すればよく、下側のストッパ面6を平面状に形成する代わりに、上側のストッパ面5のみを平面状にしてもよく、両ストッパ面5、6を平面状にしてもよい。
【0048】
テーパー32、41を複数形成して、可動体7を高さ方向に位置決めする中間水平面33、42を設ける代わりに、一つのテーパーのみを形成し、可動体7を無段階で位置決めすることもできる。この場合、上下方向に作用する力の一部がテーパーによって周方向に作用する力に変換されるが、ハンドル19を例えば保持体8に固定して可動体7の回転を阻止することにより、可動体7の上下方向の移動を阻止することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 空気ばね
2 ベローズ
3 上部材
4 下部材
5 ストッパ面
6 ストッパ面
7 可動体
8 保持体
9 上面板
10 ゴム座
11 連結部
12 上ストッパ
13 筒部
14 ゴム
15 積層ゴム
16 下ストッパ
17 ばね座
18 中心軸
19 ハンドル
20 ずれ止め
21 中央穴
22 ボルト孔
23 ボルト
24 ボス部
25 支持軸
26 アーム
27 切欠
28 ピン孔
29 嵌合穴
30 下面
31 水平面
32 テーパー
33 中間水平面
34 貫通穴
35 筒部
36 ボルト孔
37 ボルト
38 ゴム座
39 上面
40 水平面
41 テーパー
42 中間水平面
43 ピン
44 ピン挿入孔
45 割りピン
46 ねじ孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベローズの上下端部にそれぞれ上部材及び下部材を止着してなり、前記上部材及び下部材に、互いに当接して上部材の変位量を制限するストッパ面が形成された空気ばねであって、前記下部材は、上下動して当該下部材のストッパ面の高さを調整可能な可動体と、該可動体を上下動可能に保持する保持体とを備え、前記可動体は、保持体に対して中心軸周りに相対的に回転可能とされ、前記可動体及び保持体のうちの少なくとも一方に、他方に対して摺動可能なテーパーが水平面に対して可動体の周方向に傾斜して形成されたことを特徴とする空気ばね。
【請求項2】
前記上部材及び下部材のうち、少なくとも一方のストッパ面が平面状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の空気ばね。
【請求項3】
前記テーパーが複数形成され、各テーパー間に、前記可動体を高さ方向に位置決めする水平面が設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気ばね。
【請求項4】
前記可動体及び保持体のうちの一方を回転させるハンドルが設けられ、該ハンドルを他方に対して固定する固定部が設けられたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の空気ばね。
【請求項5】
空気ばねの下部材に設けられ、空気ばねの上部材に当接して上部材の変位量を制限する空気ばね用ストッパであって、上下動して前記下部材のストッパ面の高さを調整可能な可動体と、該可動体を上下動可能に保持する保持体とを備え、前記可動体は、保持体に対して中心軸周りに相対的に回転可能とされ、前記可動体及び保持体のうちの少なくとも一方に、他方に対して摺動可能なテーパーが水平面に対して可動体の周方向に傾斜して形成されたことを特徴とする空気ばね用ストッパ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−145135(P2012−145135A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1950(P2011−1950)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【Fターム(参考)】