説明

空気浄化装置及び塗装設備

【解決手段】空気浄化装置10は、筒体13と、この筒体13に内蔵し、吸着液を用いて空気を浄化する湿式浄化部20と、筒体13に内蔵し、湿式浄化部20で処理した後の空気を固形浄化材料製フィルタ41を用いて浄化する乾式浄化部40とからなる。
【効果】汚れた空気は湿式浄化部で先ず浄化し、乾式浄化部で残部を浄化する。乾式浄化部では吸着液を循環させながら分離器で汚れを除去するため、浄化処理と並行して再生を実施することができる。次の乾式浄化部でも、含水珪酸マグネシウム粘土鉱物が浄化処理と並行して再生を実施する。したがって、1基の浄化装置で、再生を実施しながら空気の浄化を実施することがでる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性有機化合物(以下「VOC」と記載する。)の排出量を抑える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
塗装設備では塗料を薄めるためにトルエンなどのVOCを大量に扱う。このVOCが大気汚染物質であるため、大気への排出量は少ないほどよい。
【0003】
従来。塗装ブースにおいてVOCの排出量を抑える技術が提案されてきた(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平5−131113号公報(請求項1)
【0004】
特許文献1の請求項1に「有機溶剤吸着用活性炭により有機溶剤含有排出ガスを濾過して排気した後、有機溶剤を吸着した活性炭に水蒸気を供給して活性炭を再生すると共に、活性炭から排出した有機溶剤含有水蒸気を凝縮して液化し、その凝縮液を油水分離した水溶性有機溶剤含有分離水を有機溶剤分離により清浄化処理することを特徴とする有機溶剤回収方法。」の記載がある。
【0005】
活性炭は表面に膨大な数の微細孔を有し、これらの微細孔で有機溶剤を吸着するため、空気浄化材料として好適である。
しかし、上記特許文献1の技術には次に示す問題がある。
再生処理が不可欠であり、再生中には浄化を実施することができない。そのため、2つの活性炭槽を準備し、一方で浄化を実行し、他方で再生を実行するごとくに、2つの活性炭槽を交互に使用することになり、浄化設備が大規模になる。
また、活性炭に有機溶剤が蓄積するに連れて、活性炭槽の流路抵抗が急増する。そのため、容量の大きなブロアを設置する必要があり、浄化設備のコストが嵩む。
【0006】
そこで、流路抵抗が増加する心配がなく、1基の浄化槽で再生しながら浄化処理を実施することができる浄化装置が望まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、流路抵抗が増加する心配がなく、再生しながら浄化処理を実施することができる浄化技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、ダクトの途中に設けられた筒体と、この筒体に内蔵し、吸着液を用いて空気を浄化する湿式浄化部と、前記筒体に内蔵し、前記湿式浄化部で処理した後の空気を固形浄化材料を用いて浄化する乾式浄化部とからなり、揮発性有機化合物を含む空気を浄化する空気浄化装置であって、
前記吸着液は、揮発性有機化合物を吸着する性質を有する液状高分子物質と水との混合液であり、前記湿式浄化部は、空気に接触させた後の吸着液から汚れを分離する分離器及び吸着液を循環させる液送ポンプを備え、前記乾式浄化部は、セラミック粘土鉱物を主要素とするフィルタで構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明では、乾式浄化部は、酸化作用及び加水分解作用を発揮する含水珪酸マグネシウム粘土鉱物を主要素とする空気抵抗の少ないブロックで構成することを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明では、湿式浄化部は、吸着液を空気へ噴霧する吸着液噴霧ノズルと、吸着液をカーテン状に流して空気に接触させる吸着液カーテンと、微細な流路に吸着液を流すことで空気に接触させるキャピラリーエリミネータとを、空気の流れ方向に沿ってこの順に配置してなることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、塗装対象物と塗装ガンとをブースで囲い、このブースの上部からブース内へ空気を吹き込み、この空気でブース内に漂う残塗料を下降させ、この空気をブースの下部から排出ダクトに導いて屋外へ放出する形式の塗装設備において、この塗装設備は、前記排出ダクトに、請求項1又は請求項2記載の空気浄化装置を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、ブースの下部に水の渦流を形成し、この渦流で空気を水洗し、水洗した空気を前記排出ダクトに送るように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、汚れた空気は湿式浄化部で先ず浄化し、乾式浄化部で残部を浄化する。乾式浄化部では吸着液を液送ポンプで循環させながら分離器で汚れを除去するため、浄化処理と並行して再生を実施することができる。次の乾式浄化部でも、セラミック粘土鉱物が浄化処理と並行して再生を実施する。したがって、1基の浄化装置で再生しながら空気の浄化を実施することができ、浄化装置のコンパクト化を図ることができる。
【0014】
また、湿式浄化部で浄化した空気を乾式浄化部へ供給するため、乾式浄化部での汚れは少なくなり、乾式浄化部での流路抵抗はほとんど増加しない。湿式浄化部では吸着液を液送ポンプで循環させながら分離器で汚れを除去するため、湿式浄化部での流路抵抗の増加は発生しない。
したがって、流路抵抗が増加する心配はなく、ブロアのコンパクト化を図ることができる。
このように、請求項1によれば、流路抵抗が増加する心配がなく、1基の浄化装置で再生しながら浄化処理が可能になるような浄化技術を提供することができる。
【0015】
請求項2に係る発明では、乾式浄化部は、酸化作用及び加水分解作用を発揮する含水珪酸マグネシウム粘土鉱物を主要素とする空気抵抗の少ないブロックで構成する。含水珪酸マグネシウム粘土鉱物は強い酸化作用及び加水分解作用を発揮するため汚れた空気を強力に浄化する。加えて、乾式浄化部は空気抵抗の少ないブロックで構成するため、流路抵抗が増加する心配はなく、ブロアの一層のコンパクト化を図ることができる。
【0016】
請求項3に係る発明では、湿式浄化部に、吸着液噴霧ノズルと吸着液カーテンとキャピラリーエリミネータとをこの順で配置した。吸着液噴霧ノズルで第1次浄化を実施し、この吸着液噴霧ノズルをすり抜けた空気に対して吸着液カーテンで第2次浄化を実施し、この吸着液カーテンをすり抜けた空気に対してキャピラリーエリミネータで第3次浄化を実施する。
第1次浄化から第3次浄化を実施することで、湿式浄化部で高度の浄化を達成することができる。
【0017】
請求項4に係る発明では、塗装設備の排出ダクトに、湿式浄化部及び乾式浄化部からなる空気浄化装置を介在させることで、塗装設備から排出されるVOCの排出量を大幅に抑えることができる。
加えて、湿式浄化部及び乾式浄化部からなる空気浄化装置は、浄化と再生を並行して実施することができるため、塗装設備のコンパクト化を図ることができる。
【0018】
請求項5に係る発明では、塗装設備内で空気を水洗し、水洗後の空気を空気浄化装置に送る。塗装設備から排出されるVOCの排出量をさらに大幅に抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る空気浄化装置の構成図であり、空気浄化装置10は、一端に入口拡径部11を有し他端に出口縮径部12を有する筒体13と、この筒体13に内蔵し、吸着液を用いて空気を浄化する湿式浄化部20と、筒体13に内蔵し、湿式浄化部20で処理した後の空気を固形浄化材料製フィルタ41を用いて浄化する乾式浄化部40とからなる。なお、筒体13は、円筒、角筒、多角筒に代表される箱体であって、形状は任意である。
【0020】
湿式浄化部20は、吸着液を空気へ噴霧する吸着液噴霧ノズル21・・・(・・・は複数個を示す。以下同様)と、吸着液をカーテン状に流して空気に接触させる吸着液カーテン22と、微細な流路に吸着液を流すことで空気に接触させるキャピラリーエリミネータ23とを、空気の流れ方向に沿ってこの順に配置してなる。なお、キャピラリーは毛細管、エリミネータは除去器を意味する。
【0021】
24は邪魔板であり、邪魔板24・・・を設けたことにより、空気を乱流化することができる。乱流状態の空気であれば、キャピラリーエリミネータ23にむら無く接触させることができる。
25はメッシュ板であり、液滴を捕獲する作用を発揮する。このメッシュ板25で湿式浄化部20と乾式浄化部40とを区分しているとも言える。
【0022】
そして、湿式浄化部20の下部に集液パン26を備え、この集液パン26から液送パイプ27で吸着液を筒体13外に導き、液送パイプ27に介在した液送ポンプ28で加圧するとともに、分離器29で汚れを分離する。汚れが分離されたクリーンな吸着液を吸着液噴霧ノズル21・・・、吸着液カーテン22及びキャピラリーエリミネータ23へ供給する。
【0023】
分離器29は遠心分離、比重分離、薬液分離、その他の分離法により、吸着液から異物、不純物を除去する機器である。
【0024】
吸着液の作用を次に説明する。
図2は本発明で採用した液状高分子物質の模式図である。
(a)に示すとおり、液状高分子物質31は、カルモア(KARMOR)社製マイクロゲル(microgel)が好適である。
この液状高分子物質31は、いわばアメーバ状の物質である。詳しくは、液状高分子物質31は、プラス、マイナス両方の極性が集合した総分子量数千万に達するゲルである。すなわち、分子量の点では、水の百万倍、トルエンの二十万倍である。
【0025】
VOC32、33が液状高分子物質31に近づくと、先ず電気的に吸引する。
そして、(b)に示すとおりに、液状高分子物質31はVOC32、33を抱え込む。このようにして、汚れた空気からVOC32、33を分離する。
すなわち、水の分子量を1とすれば、トルエンの分子量は5となり、トルエンの分子が大きいため水で抱え込むことはできない。
一方、トルエンの分子量を1とすれば、液状高分子物質31の分子量は20×10となり、強大な液状高分子物質31でトルエンなどを抱え込むことができる。
【0026】
図1に戻って、湿式浄化部20に、吸着液噴霧ノズル21と吸着液カーテン22とキャピラリーエリミネータ23とをこの順で配置した。
仕上げ加工に例えると、吸着液噴霧ノズル21は粗加工、吸着液カーテン22は中加工、キャピラリーエリミネータ23は仕上げ加工に相当する。
すなわち、吸着液噴霧ノズル21及び吸着液カーテン22は、構造上、目詰まりの発生を心配する必要がない。
【0027】
そして、吸着液噴霧ノズル21で第1次浄化を実施し、この吸着液噴霧ノズルをすり抜けた空気に対して吸着液カーテン22で第2次浄化を実施し、この吸着液カーテンをすり抜けた空気に対してキャピラリーエリミネータ23で第3次浄化を実施する。第1次浄化から第3次浄化までを実施することで、湿式浄化部20で高度の浄化を達成することができる。
なお、湿式浄化部20では、常に汚れを筒体13外へ排出し、分離器29で除去するため、湿式浄化部20での流路抵抗の増加は発生しないという利点もある。
【0028】
以上の湿式浄化部20で浄化した後の空気を、さらに乾式浄化部40で浄化する。この乾式浄化部40は、酸化作用及び加水分解作用を発揮するセラミック粘土鉱物、好ましくは含水珪酸マグネシウム粘土鉱物を主要素とする空気抵抗の少ないブロックで構成する。
含水珪酸マグネシウム粘土鉱物は、カルモア(KARMOR)社製マグセライドが好適である。
フィルタは目詰まりが問題となるが、本発明では湿式浄化部20で十分に浄化した後の空気をフィルタに送るため、フィルタが目詰まりを起こす心配はない。
【0029】
セラミック粘土鉱物、特に含水珪酸マグネシウム粘土鉱物は、酸化作用及び加水分解作用を発揮するため自己再生機能を有する。この自己再生機能は汚れた空気とクリーンな空気とが交互に供給される場合に顕著となる。
例えば、塗装設備では、夜間や作業者の休憩時間に塗装を休止する。この休止時には、含水珪酸マグネシウム粘土鉱物にクリーンな空気のみが供給される(ブロアの運転/停止に関係ない。)ことになるため、この間に十分に再生を行うことができる。
【0030】
以上に述べた空気浄化装置10を塗装設備に適用した実施例を、次に説明する。
図3は本発明に係る塗装設備の構成図であり、塗装設備50はトンネル型の塗装ブース51の前半部分の一次塗装ブース51Aと、後半部分の二次塗装ブース51Bとを含む。以下、一次塗装ブース51Aに係る要素は符号にA添え、二次塗装ブース51Bに係る要素は符号にB添える。
【0031】
図中、14fは空気浄化装置10Aに付属したファン、15fは空気浄化装置10Bに付属したファン、66fは空調機66に付属したファン、68fは熱風発生装置68に付属したファンである。これらのファン14f、15f、66f、68fの作用で空気を円滑に流すことができる。なお、ファンの設置箇所を変更することやファンの数を増減することは任意である。
【0032】
一次塗装ブース51Aは、整流板52A、塗装ガン53A、多孔床54A、傾斜底55A、56A、水溜部57A及び排水口58Aを備える。そして、排水口58Aから液送管61Aを延ばし、ポンプ62Aで加圧し、分離器63Aで汚れを分離した後のクリーンな水を傾斜底55A、56A上に戻し、そこで旋回流になるように噴射する。
【0033】
分離器63Aは遠心分離、比重分離、薬液分離、その他の分離法により、水から異物、不純物を除去する機器である。
【0034】
白抜き矢印で示す空気は、塗装対象物(例えば車体)64Aの周囲を流れる際に塗装に伴うVOCで汚れる。この汚れた空気は傾斜底55A、56Aから水溜部57Aに向かう過程で、水の渦流で洗われる。比較的綺麗になった空気(ただしVOCを含む。)は一次ダクト65Aを用いて第2塗装ブース51Bへ向わせる。
この一次ダクト65Aには、空気浄化装置10A(図1で説明した空気浄化装置10と同構造)を介設することで、VOCを含む空気をクリーンにする。
【0035】
二次塗装ブース51Bは、一次塗装ブース51Aと同様に、整流板52B、塗装ガン53B、多孔床54B、傾斜底55B、56B、水溜部57B及び排水口58Bを備える。そして、排水口58Bから液送管61Bを延ばし、ポンプ62Bで加圧し、分離器63Bで汚れを分離した後のクリーンな水を傾斜底55B、56B上に戻し、そこで旋回流になるように噴射する。
【0036】
分離器63Bは遠心分離、比重分離、薬液分離、その他の分離法により、水から異物、不純物を除去する機器である。
【0037】
二次塗装ブース51Bは、いわゆる仕上げ塗装を施すブースであるため、一次塗装ブース51Aよりクリーン度が求められる。そこで、空調機66を備えた二次ダクト65Bで調和された空気(外気であるためクリーンな空気である。)を二次塗装ブース52に供給する。ただし、一次ダクト65Aを二次ダクト65Bに接続することで、空調機66からの空気供給量を節約する。これで大幅な省エネルギーを図ることができる。
【0038】
二次塗装ブース52B内で汚れた空気は、一部は一次塗装ブース51Aに流れ、残部が傾斜底55B、56Bに向かう。
汚れた空気は傾斜底55B、56Bから水溜部57Bに向かう過程で、水の渦流で洗われる。比較的綺麗になった空気(ただしVOCを含む。)は排出ダクト67を用いて屋外へ排出する。この排出ダクト67には、空気浄化装置10B(図1の空気浄化装置10と同構造)を介設することで、VOCを含む空気をクリーンにする。
【0039】
すなわち、二次塗装ブース51Bでは、水の渦流で汚れた空気を、予備洗浄し、排出ダクト67に設けた空気浄化装置10Bで本洗浄を行うため、排出空気は十分にクリーンにすることができる。
予備洗浄を実施すれば、空気浄化装置10Bへの負担が軽減でき、空気浄化装置10Bの小型、軽量化が可能となる。
【0040】
なお、排出ダクト67を流れる空気(VOCを含む。)の一部を抜いて、熱風発生器68の燃料に混ぜて、燃焼させることは望ましいことである。VOCを燃焼させると、無臭化及び無害化させることができるからである。熱風発生器68は、塗装設備50に付属する乾燥設備に熱風を供給する機器である。
【0041】
この結果、熱風発生器68に供給する燃料が節約できて省エネルギーが図れると共に、空気浄化装置10Bへ流れる空気の量を減少させることができ、空気浄化装置10の負担を一層軽減することができる。負担が軽減できれば空気浄化装置10Bの小型化が可能となる。
【0042】
尚、請求項1の空気浄化装置は、塗装設備の排出ダクトに設けることの他、第1塗装ブースから第2塗装槽ブースへ空気を送る第1ダクトに介設こともできるなど、他種の用途に供することができる。他の用途として、塗料調合室の排気の処理、塗料製造ラインの排気の処理、駆体内の塗装現場の排気の処理に供することができ、用途は塗装設備に限定するものではない。
【0043】
さらに、請求項1の空気浄化装置における湿式浄化部は、吸着液噴霧ノズル、吸着液カーテン、キャピラリーエリミネータの全て又は2つ若しくは1つであってもよい。
【0044】
請求項3の塗装設備は、傾斜底による渦流水洗機構を必ずしも備えなくてよい。また、請求項3及び請求項4の塗装装置は、二次塗装ブースのみの塗装設備であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の空気浄化装置は、車体用塗装設備に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る空気浄化装置の構成図である。
【図2】本発明で採用した液状高分子物質の模式図である。
【図3】本発明に係る塗装設備の構成図である。
【符号の説明】
【0047】
10、10A、10B…空気浄化装置、13…筒体、20…湿式浄化部、21…吸着液噴霧ノズル、22…吸着液カーテン、23…キャピラリーエリミネータ、28…液送ポンプ、29…分離器、31…液状高分子物質、40…乾式浄化部、41…固形浄化材料製フィルタ、50…塗装設備、51…塗装ブース、51A…一次塗装ブース、51B…二次塗装ブース、65A…ダクト(一次ダクト)、67…ダクト(排出ダクト)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダクトの途中に設けられた筒体と、この筒体に内蔵し、吸着液を用いて空気を浄化する湿式浄化部と、前記筒体に内蔵し、前記湿式浄化部で処理した後の空気を固形浄化材料を用いて浄化する乾式浄化部とからなり、揮発性有機化合物を含む空気を浄化する空気浄化装置であって、
前記吸着液は、揮発性有機化合物を吸着する性質を有する液状高分子物質と水との混合液であり、前記湿式浄化部は、空気に接触させた後の吸着液から汚れを分離する分離器及び吸着液を循環させる液送ポンプを備え、前記乾式浄化部は、セラミック粘土鉱物を主要素とするフィルタで構成したことを特徴とする空気浄化装置。
【請求項2】
前記乾式浄化部は、酸化作用及び加水分解作用を発揮する含水珪酸マグネシウム粘土鉱物を主要素とする空気抵抗の少ないブロックで構成することを特徴とする請求項1記載の空気浄化装置。
【請求項3】
湿式浄化部は、前記吸着液を空気へ噴霧する吸着液噴霧ノズルと、前記吸着液をカーテン状に流して空気に接触させる吸着液カーテンと、微細な流路に吸着液を流すことで空気に接触させるキャピラリーエリミネータとを、空気の流れ方向に沿ってこの順に配置してなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の空気浄化装置。
【請求項4】
塗装対象物と塗装ガンとをブースで囲い、このブースの上部からブース内へ空気を吹き込み、この空気でブース内に漂う残塗料を下降させ、この空気をブースの下部から排出ダクトに導いて屋外へ放出する形式の塗装設備において、
この塗装設備は、前記排出ダクトに、請求項1、請求項2又は請求項3記載の空気浄化装置を設けたことを特徴とする塗装設備。
【請求項5】
前記ブースの下部に水の渦流を形成し、この渦流で空気を水洗し、水洗した空気を前記排出ダクトに送るように構成したことを特徴とする請求項4記載の塗装設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−237101(P2007−237101A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−64425(P2006−64425)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(597139620)株式会社カルモア (4)
【Fターム(参考)】