説明

窒化ホウ素凝集粉末

制御された密度及び破壊強さの特徴を有する新規の窒化ホウ素凝集粉末が提供される。加えて、窒化ホウ素凝集粉末の製造方法も提供される。1つの方法は、窒化ホウ素凝集体を含む供給原料粉末を準備し、そして、供給原料粉末を熱処理することにより、熱処理済の窒化ホウ素凝集粉末を形成することを必要とする。1態様の場合、供給原料粉末は、制御された結晶サイズを有する。別の態様の場合、供給原料粉末はバルク源から導かれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、凝集窒化ホウ素粉末の製造方法、これにより形成された粉末、及びこのような粉末を組み込んだ構成部材に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ電子装置、例えば集積回路チップはより小さく、そしてよりパワフルになってきている。現在の動向としては、製造される集積チップは、密度が着実に増大しつつあり、所与の期間で先行のチップを凌ぐ機能を発揮するようになる。その結果、消費電力が増大し、より多くの熱が発生することになり、従って、熱管理が、電子デバイスの開発における主要な関心事になってきている。
【0003】
典型的には、熱発生源又は熱発生デバイス、例えば集積回路チップは、作業中に発生した熱を除去するためにヒートシンクと結合される。しかし熱発生源又は熱発生デバイスとヒートシンクとの間の熱接触抵抗が、ヒートシンクの効果的な熱除去能力を制限する。集成中、熱伝導性グリース層、典型的にはシリコーン・グリース層、又は熱伝導性有機ワックス層を塗布することにより、熱源及びヒートシンクの互いに対向する結合表面間に低い熱抵抗の経路を形成するのを助けるのが一般的である。他の熱伝導性材料は、バインダー、好ましくは樹脂バインダー、例えばシリコーン、熱可塑性ゴム、ウレタン、アクリル、又はエポキシであって、中に1種又は2種以上の熱伝導性充填剤が分配されているものの使用に基づく。
【0004】
典型的には、これらの充填剤は2つの主要タイプのうちの一方:熱伝導性且つ電気的絶縁性の充填剤、又は熱伝導性且つ導電性の充填剤、である。酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、及び窒化ホウ素が、熱製品に使用される最もしばしば引用されるタイプの、熱伝導性且つ電気的絶縁性の充填剤である。窒化ホウ素は、優れた熱伝達特性を有し、そして比較的に低廉である点で特に有用である。
【0005】
しかし、目下使用されている充填剤、例えば窒化ホウ素を用いて十分な熱伝導性を達成するためには、バインダー中に高装入量の充填剤を採用することが必要である。例えば、全てShaffer他の米国特許第5,898,099号明細書、同第6,048,511号明細書、及び欧州特許第0 939 066号明細書(A1)を参照されたい。これらの明細書は、45容積%に近いソリッド六方晶系窒化ホウ素を達成する代わりの方法を記載している。
【0006】
改善された熱伝導性充填剤材料、及びこのような材料を形成する方法が今なお必要である。具体的には、このような材料を経済的にそして大きな容積で製造することができると共に、最終生成物の特性をより良好に制御できるような方法が今なお必要である。加えて、制御された密度の粉末、例えば半導体分野のような用途における取り扱い及び配備のために十分な強度を維持する低密度及び中密度の粉末を含む、改善された窒化ホウ素粉末も依然として必要である。
【0007】
熱伝導性用途のための充填剤材料として窒化ホウ素粉末を使用するだけでなく、摩擦低減用途のような他の最終用途における配備のために所望され目標とされる特性を有する窒化ホウ素粉末を生成することも、当業者に必要である。この点に関して、種々様々な物理的、熱的、電気的、機械的、及び化学的特性を有する窒化ホウ素粉末を、コスト効率の高い技術を用いて高い収率で生成するのに用いることができる極めてフレキシブルな製作方法が必要である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの面によれば、窒化ホウ素凝集粉末は、タップ密度に対する凝集体破壊強さの比が約11 MPa・cc/g以上である。
【0009】
本発明の別の面によれば、窒化ホウ素凝集粉末の、エンベロープ密度に対する凝集体破壊強さの比は、約6.5 MPa・cc/g以上である。
【0010】
本発明の1つの面によれば、窒化ホウ素凝集粉末を形成する方法であって、窒化ホウ素凝集体を含有する供給原料粉末を利用する方法が提供される。供給原料粉末は一般に、粒子サイズ約5 μm以下の微細な結晶を有する。次いで、供給原料粉末を熱処理することにより、熱処理済の窒化ホウ素凝集粉末を形成する。
【0011】
本発明の別の面によれば、アクティブな構成部分、基板、及びアクティブな構成部分と基板との間に設けられた熱界面材料を含むマイクロ電子デバイスが提供される。アクティブな構成部分は典型的には熱を発生させ、そして熱界面材料は、エンベロープ密度に対する破壊強さの比が約6.5 MPa・cc/g以上である凝集体を含む。
【0012】
本発明の別の面によれば、複数の層を含むプリント基板であって、これらの層のうちの1つ以上の層は、エンベロープ密度に対する破壊強さの比が約6.5 MPa・cc/g以上である凝集体を含む、プリント基板が提供される。
【0013】
本発明のさらに別の面によれば、複合構造構成部材であって、マトリックス相と、エンベロープ密度に対する破壊強さの比が約6.5 MPa・cc/g以上である凝集体とを含む複合構造構成部材が提供される。
【0014】
本発明のもう1つの面によれば、凝集体を含有するバルク窒化ホウ素粉末を準備する、窒化ホウ素凝集粉末の形成方法が提供される。次いで、バルク粉末から窒化ホウ素凝集体の一部を取り出すことにより、供給原料粉末を形成し、そして供給原料粉末を加熱することにより、窒化ホウ素凝集粉末を形成する。
【0015】
本発明のもう1つの態様によれば、乱層状窒化ホウ素を含有し、窒化ホウ素凝集体を含む供給原料粉末を準備する、窒化ホウ素凝集粉末の形成方法が提供される。次いで、供給原料粉末を熱処理することにより、熱処理済の窒化ホウ素凝集粉末を形成する。
【0016】
本発明の1構成要件によれば、熱処理後の窒化ホウ素凝集粉末に、機械的撹拌作業、例えば破砕を施すことができる。このプロセスは、熱処理過程中に典型的に形成される弱い凝集体間結合を破断することにより、粒子サイズ分布が元の供給原料粉末の粒子サイズ分布と類似又は密に近似するようにするのに効果的である。典型的には、破砕後の熱処理済窒化ホウ素粉末の25重量%以上が、供給原料粉末の初期粒子サイズ範囲内にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
添付の図面を参照することにより、本発明をよりよく理解することができ、その数多くの目的、特徴、及び利点が当業者にとって明らかになるであろう。なお、異なる図面において使用された同じ参照符号は、同様又は同一の部分を示す。
【0018】
図1を参照すると、凝集窒化ホウ素粉末を形成するための一般的なプロセス・フローを示す。プロセス・フローは、窒化ホウ素ブリケット又はぺレットの準備から始まる。典型的には、窒化ホウ素ブリケット又はぺレットは、ブリケット又はぺレットの形で押し合わされた窒化ホウ素粉末から形成される。ブリケット又はぺレットのサイズは特に重要ではなく、その密度は、ブリケット又はぺレットを形成するためのプロセス(例えば、濾過ケーキ、ロール圧縮、ピル・プレス、アイソスタティック・プレス)に応じて幅広く変化することができる。本発明の実施態様は、比較的小さな、例えば数グラムのオーダーのブリケット又はぺレットを利用するが、より大きな、例えば100 kgのオーダーのより大きいブリケットを処理することもできる。
【0019】
窒化ホウ素ブリケット又はぺレットの初期処理の目標は、本発明の実施態様に基づいて使用される供給原料粉末を提供することである。供給原料粉末は一般に、工程10において、窒化ホウ素ブリケット又はぺレットを最初に破砕することにより形成される。ブリケットの好適な破砕方法は、ジョー・クラッシュ及びロール・クラッシュを含む。ブリケット又はぺレットは破砕により、所望の凝集体サイズ又は直径を有する窒化ホウ素の凝集体になる。好ましくは、ブリケット又はぺレットは、約10ミクロン〜約1,000ミクロンの窒化ホウ素の凝集体に破砕される。ジョー・クラッシュ及びロール・クラッシュに加えて、バルク粉末をミル微粉砕することにより、より小さな粒子、例えば極めて微細な結晶、例えば10ミクロン未満のサイズの結晶から形成された粒子を形成することができる。
【0020】
1実施態様の場合、ジョー・クラッシュ、ロール・クラッシュ及び/又はミル微粉砕の任意の組み合わせを利用してバルク粉末を形成するための破砕に続いて、バルク粉末を工程16で分級して、後の処理のために所望の供給原料粉末を形成する。目標粒子サイズよりも大きな粗凝集体は、目標サイズ分布内になるまで再破砕して分級する。しかし、バルク粉末を工程12でプレスすることが一般にはより典型的である。典型的にはプラスを冷間プレス又はアイソスタティック・プレスの形態で実施することにより、結晶特性及びB2O3含量特性を有する新しいログ、ブリケット又はぺレットを中間工程で形成する。プレス後、新しいログ、ブリケット又はぺレットを工程14で破砕する。プレス工程12及び破砕工程14を任意の回数繰り返すことにより、得られた供給原料粉末結晶サイズ、粒子サイズ、粒子サイズの分布、及びB2O3含量を改変することができる。
【0021】
工程16で分級される供給原料粉末並びにバルク粉末は、凝集体を含有する。本明細書中で使用される凝集体は、結合することにより個々に識別可能な粒子を形成する窒化ホウ素結晶集合体である。このような凝集体は、典型的には結晶から形成されるが、凝集体は、不純な又は乱層状の窒化ホウ素の場合のように、部分的又は完全にガラス状であってもよい。
【0022】
本発明の1実施態様によれば、凝集されていない窒化ホウ素粒子(例えば、小板又は結晶ドメイン)、並びに所望の供給原料粉末粒子サイズ分布には含まれない凝集体が、粉末から除去される。このような非凝集型窒化ホウ素粒子のサイズは典型的には、10ミクロン未満である。好ましくは、非凝集型窒化ホウ素粒子は、約5%未満まで、より好ましくは約1%未満まで、例えば約0.1%未満まで除去される。非凝集型粒子の好ましい除去技術は、スクリーニング、空気分級、及び水簸を含む(Chem. Eng. Handbook, Perry & Chilton、第5版、McGraw-Hill(1973)参照、なお、この全体を参考のため本明細書中に引用する)。このような除去法は当業者に知られているので、ここでは手短かに論じるに留める。
【0023】
典型的には、分級はスクリーニングによって行われる。スクリーニングは、種々のサイズの粒子/凝集体の混合物をスクリーン表面によって、2つ又は3つ以上の部分に分離することである。スクリーン表面は小さめの粒子/凝集体が貫流する開口を有する一方、大きめの粒子/凝集体は上面に留まる。このプロセスを、スクリーニング開口を変えることによって、粗い粒子/凝集体サイズ及び細かい粒子/凝集体サイズの両方の流れに対して必要な回数だけ繰り返し、これにより粒子/凝集体を所望の粒子/凝集体サイズ範囲に分級することができる。
【0024】
図1に示されたプロセス・フローの1つの特徴によれば、破砕及び分級後、並びに任意のプレス作業及び破砕作業、すなわち工程12及び14によって、望ましい特性を有する供給原料粉末が提供される。供給原料粉末は、バルク窒化ホウ素凝集体粉末から取られた又は取り出された特定の予め決められた粒子サイズ範囲内の凝集体から形成される。この場合、個々の凝集体は、結晶ドメインとしても知られる微細な結晶から構成されている。これらの結晶は、凝集体内結合を介して結合され、個別にSEM分析によって識別可能である。一般に、結晶の結晶平均サイズは、約5ミクロン以下であることが望ましい。より好ましくは結晶平均サイズは、約4ミクロン以下であり、より好ましくは約2ミクロン以下である。
【0025】
供給原料粉末を形成するための前記初期処理を、窒化ホウ素ブリケットとの関連において説明しているが、言うまでもなく、供給原料粉末は、異なる処理技術、例えば窒素の存在における酸化ホウ素の炭素熱還元、ホウ素酸化物を窒化ホウ素に還元するための、強還元性窒素化合物源として作用するメラミン化合物の反応、及びアンモニアによるホウ素酸化物の直接的な窒化を利用して、調製することもできる。或いは、三塩化ホウ素及びアンモニアのような試薬を熱分解法において反応させることにより、高純度の窒化ホウ素を形成することもできる。この技術は、純度が処理量全体にわたって強調される場合に、高純度の窒化ホウ素粉末を形成するのに特に有用である。
【0026】
供給原料粉末及び処理工程の作業に関しては、極めて微細な結晶サイズを有する供給原料粉末の準備に焦点を当てて説明しているが、供給原料粉末は完全又は部分的に乱層状であってもよい。例えば、1実施態様は、10重量%以上の乱層含有率、例えば20、30又は40%以上の乱層を有していてよい。或る特定の実施態様では、大部分が乱層状であってよい。この点において、このような乱層状窒化ホウ素粉末の結晶化指数は0.12未満である。乱層状窒化ホウ素の特性及び結晶構造のより詳細な説明に関しては、Hagio他「Microstructural Development with Crystallization of Hexagonal Boron Nitride」J. Mat. Sci. Lett. 16:795-798(1997)を参照されたい。なお、この文献全体を参考のため本明細書中に引用する。
【0027】
典型的には、供給原料粉末、ブリケット、ログ又はぺレット(全て圧縮体と呼ぶ)の密度は、約0.3〜約2.0 g/ccの範囲にある。この点において、供給原料粉末の圧縮密度は、ブリケット又はログ又はぺレットから、それぞれの辺の寸法が既知の立方体を切り取って計量することにより、測定することができる。供給原料粉末を特徴付けする別の方法は、更なる処理のために初期タップ密度を測定することである。本発明のいくつかの実施態様によれば、初期タップ密度は、約0.2〜約1.0 g/ccの範囲にある。
【0028】
プレス工程12を再び参照すると、典型的には、プレスは当業者によく知られているようなアイソスタティック・プレスによって行われる。処理圧は典型的には、5,000 psiを上回り、より典型的には約10,000 psiを上回り、好ましくは15,000 psi又は20,000 psiを上回る。第2の破砕工程14及び後続の分級工程16に続いて、一般に、供給原料粉末の所望の粒子サイズ範囲外にある粒子が存在する。例えば、目標粒子分布よりも大きい粗い凝集体を、目標サイズ範囲内に入るまで再破砕して分級することができるのに対して、最小凝集体サイズを下回るより小さな凝集体及び非凝集型粒子を、供給原料粉末から退けることができる。後者の場合、退けられた粉末は、再循環することができる。この再循環は典型的には、再循環された粉末に工程12で再びプレスを施し、続いて、図1に示されるように工程14でこれを破砕することにより、行われる。再循環されたこのような粉末は一般に、工程10における破砕に従って形成された到来する未使用粉末と混合される。或いは、プレス工程12は、一軸プレス(ピル・プレス又はタブレット成形)ロールによる圧縮又はブリケット形成によって達成することもできる。加えられる圧力は、前述のように、圧縮されたボディの所望の密度を得るのに十分な圧力である。或いは、圧縮粉は、湿式法によって形成することができ、窒化ホウ素のスラリーが噴霧乾燥又は濾過されて、圧縮体を形成することができる。
【0029】
凝集された供給原料粉末の粒子サイズ範囲は、最終粉末生成物における所望の最終特性に応じて相当変化することがあるが、典型的には、供給原料粉末の粒子サイズ範囲は、約20〜約1,000ミクロン、典型的には約40〜500ミクロンの範囲にある。最終生成物の密な粒子サイズコントロールのためには、前記広い範囲内のより狭い粒子サイズ範囲が処理されるのが典型的である。本明細書中で用いられる粒子サイズ範囲は典型的には、上記スクリーニング技術によって見極められる。この点において、スクリーニングは理想的な方法ではなく、このようなものとして、特定の比率の不所望な粒子サイズが存在することがあり、最も典型的には、微粉が底部スクリーン上の生成物内に捕らえられ、これにより、粒子サイズ範囲を、特定されたものよりも僅かに微細なサイズにシフトすることがある。
【0030】
図1に示すように、分級に続いて、供給原料粉末に工程18で焼結作業を施す。この場合、焼結は、何らかの種類のバルク形態、例えばブリック、ペレット又はログの形態ではなく、粉末形態の窒化ホウ素凝集体に対してもたらされる。この焼結作業中、凝集体は、弱い凝集体間結合(ネッキング)を介して結合するのが典型的である。従って、熱処理済又は焼結済の粉末に、工程20で破砕作業を施すことが一般に望ましい。工程10との関連において上述したように、工程20における破砕作業は、ジョー破砕及び粗ロール破砕を含む種々の技術によって実施することができるが、元の供給原料粉末の初期粒子サイズ(凝集体)にできるだけ近い状態で保つために、工程20でミル微粉砕は実施されないのが典型的である。
【0031】
典型的には、工程18における焼結作業は、結晶成長及び非晶質相(乱層)の結晶化を容易にする温度で行われ、これにより、熱処理済生成物中に概ね六方結晶構造を形成する。この点に関して、焼結温度は典型的には約1,400℃よりも高く、例えば約1,600〜2,400℃の範囲にある。焼結温度は、1,800℃〜2,300℃であり、具体的な焼結温度は、約1,850℃〜約1,900℃である。典型的には、焼結中の環境は不活性であることにより、窒化ホウ素供給原料粉末との望ましくない反応を最小化又は防止する。この点に関して、焼結炉は典型的には、例えば約1 atm未満の圧力で排気(真空)されている。焼結環境内に存在するガスは、典型的には不活性であり、例えばアルゴン又は窒素(N2)である。典型的な熱処理調製時間は、炉の構成及び加熱速度に応じて、約0.25〜12時間の範囲内である。
【0032】
焼結作業の結果として、供給原料粉末の密度は、他のタイプのセラミック材料による焼結作業とは異なり、一般に低減される。「焼結」中の密度の低減の1つの説明となるのは、気相輸送のような非緻密化拡散プロセスによって、隣接する粒子間にネック形成が発生することである(Modern Ceramic Engineering, D.W. Richerson第7章、1982年参照)。0.1 g/cc以上、例えば0.2 g/ccのオーダーの密度の低減が見られるのが典型的である。熱処理済粉末の具体的な例は、工程20における破砕及び工程22における分級に続いて、約0.2 g/cc〜約1.0 g/ccのオーダーのタップ密度を示した。この点に関して、工程22における分級は、工程16における分級との関連において上述した技術のうちのいずれか1つによって実施される。
【0033】
本発明の1実施態様によれば、熱処理済の窒化ホウ素凝集粉末(破砕後)の25重量%以上が供給原料粉末の初期粒子サイズ範囲内にある。一般に、熱処理済窒化ホウ素凝集粉末(破砕後)の平均粒子サイズは、20ミクロン以上であり、粒子サイズ範囲は約40ミクロン〜約500ミクロンである。この点に関して、最終粉末生成物の粒子サイズ分布が元の供給原料粉末の粒子サイズ分布に近似することが、一般には望ましい。このような特徴は、熱処理され、破砕され、そして分級された最終窒化ホウ素凝集粉末の収量を、これが従来の処理技術、例えばぺレット、ブリック、ログ又はブリケット形態の窒化ホウ素の熱処理に依存する技術を上回るように改善するのに効果的である。
【0034】
熱処理済の窒化ホウ素凝集粉末は、典型的には六方晶構造を有する。六方晶系窒化ホウ素は、板状六方晶構造(黒鉛の構造と類似する)を有する不活性の滑らかなセラミック材料である(「h-BN」)。h-BN粒子の六角形を示す図2を参照することにより、h-BN粒子のよく知られた異方性を容易に理解することができる。小板状h-BN粒子の直径は、図2において符号Dによって示された寸法であり、そしてa-方向と呼ばれる。BNはa-方向の平面内で共有結合されている。粒子の厚さはLcとして示された寸法であり、Lcは直径に対して垂直であり、そしてc-方向と呼ばれる。積み重ねられた(すなわちc方向で)BN六角形は、比較的弱いファン・デル・ワールス力によって一緒に保持される。
【0035】
熱処理され、破砕され、そして分級された最終凝集窒化ホウ素粉末は、高次六方晶構造から不規則六方晶構造までの、六角形の結晶構造を有することができる。このような粉末は典型的には、0.12以上のオーダーの結晶化指数を有している(Hubacek「Hypothetical Model of Turbostratic Layered Boron Nitride」J. Cer. Soc. of Japan, 104:695-98(1996)参照、なお、この文献全体を参考のため本明細書中に引用する)。
【0036】
加えて、焼結作業は、不純物及び表面酸化汚染物を揮発させるのに効果的である。その結果生じた、破砕前の生成物は、弱く凝集された凝集体の「ケーク(cake)」である。これらの凝集体は、供給原料粉末の初期粒子サイズ分布に似た粒子サイズ分布まで容易に分解される。
【0037】
ここで、図1において工程12と16との間、及び工程20と22との間に、再循環ステップが示されているが、再循環ステップは、図1に示された基礎フローの種々のプロセス工程間で採用することができることに留意されたい。
【0038】
最終の凝集済の窒化ホウ素生成物は、典型的には、特にそのエンベロープ密度(実際の凝集体密度)及び/又は粉末タップ密度(粉末の嵩密度)に関して、比較的高い破壊強さを有する。例えば、1実施態様の場合、タップ密度に対する破壊強さの比は、約11 MPa・cc/g以上、例えば約12 MPa・cc/g以上、約13 MPa・cc/g以上、さらには約14 MPa・cc/g以上である。エンベロープ密度に関しては、このような比は、典型的には6.5 MPa・cc/g以上、例えば6.7 MPa・cc/g以上、又は6.9 MPa・cc/g以上である。
【0039】
粉末粒子サイズの特徴に関しては、粉末の平均凝集体サイズは、約20〜500 μm、例えば約40〜200 μmの範囲にあってよい。これに関して、或る特定の実施態様の場合、粉末の60 %以上が粒子分布範囲約40〜200 μm、又は80 %以上が粒子分布範囲約40〜150 μmの中に含まれてよい。
【0040】
本発明の実施態様によれば、上記の特徴を有する粉末を準備することができる。しかし、他の実施態様においても、種々の用途でこの粉末を使用する。例えば、図4を参照すると、プリント基板200が、層スタック204を形成する複数の層206〜218を含んだ状態で提供される。図示のように、互いに対向する主面のうちの一方が、他の電子素子との電気的な相互接続のための複数のハンダ・バンプを含む。図示はしていないが、プリント基板の反対側の主面は、電気的な信号をルーティングするためにその面に沿った電気的なトレースを有することができる。図4に示す実施態様によれば、複数の層206〜218のいずれか1つは、上述のような凝集体を含んでよい。典型的には、凝集体の装入比は、凝集体が相互接続型網状構造を提供し、効率的な熱伝達のために一般に互いに接触するのに十分な比である。凝集体のこの相互接続型網状構造は、ここでは浸透型構造と呼ばれ、一般に骨格構造を形成することができ、そしてマトリックス相を通って広がることができる、そしてこのマトリックス相内に埋め込まれる。典型的には、マトリックス相は、有機ポリマーを含むポリマーから形成される。或る特定の実施態様の場合、処理の容易さのために熱可塑性ポリマーを利用することが望ましい。本発明の実施態様による凝集体を組み込んだ層は、要求の厳しい電子用途のためのプリント基板の熱伝達を有利に改善する。
【0041】
図5を参照すると、マイクロ電子デバイスを含む本発明の別の実施態様が示されている。この特定の実施態様の場合、マイクロ電子デバイス300は、パッケージングされた状態の半導体ダイ302、つまり、他のマイクロ電子デバイスとの電気的な相互接続のために提供された、支持基板304に結合されたフリップ・チップを含む。マイクロ電子デバイス300は、熱伝達フィルム310を含む。熱伝達フィルムは、マトリックス相、典型的には樹脂のようなポリマー内に設けられた、上述した凝集体を含む。プリント基板との関連において上述したように、凝集体は、集積回路302と支持基板304との間の熱伝達を改善するための相互接続型網状構造体又は浸透型構造体を形成する。当業者には概ね理解されるように、集積回路と基板との電気的な相互接続は、ハンダ・バンプ306が組み込まれていることによって達成される。ハンダ・バンプ306は、半導体ダイ上のそれぞれのパッドに結合され、また、ハンダ材料のリフローによって基板コンタクトに結合されている。
【0042】
本発明のさらに別の特徴によれば、上述のマトリックス相と凝集体とを含む複合構造構成部材が提供される。複合構造構成部材は、種々の構造形態を成すことができ、そして具体的な実施態様において、マイクロ電子デバイスの一体的な構成部材、例えばハードディスク・ドライブを形成する。ハードディスク・ドライブの特定の事例において、構成部材は、アクチュエーター・アームであってよい。
【0043】
さもなければ、構造構成部材は、図6に全体的に示されたコンピュータ・ケースを提供することができる。図6は、2つの半部204及び404を有するケースを備えたノートブック型コンピュータ400を示す。ケース部分402は全体的に、コンピュータのLCDスクリーンのための構造支持体と、LCDスクリーンの背面とを画定するのに対して、ケース部分404はラップトップ型コンピュータ400の鋭敏なマイクロ電子構成部分を封入して保護し、そして底面406を含む。ケースは、本発明の実施態様によるマトリックス相及び凝集体を含む複合材料から成っているのが望ましい。マトリックス相は、構造的に堅固なポリマー材料、例えば熱可塑性ポリマーであってよい。ラップトップが図6に示されているが、言うまでもなく、ケースは、デスクトップ・コンピュータ並びにサーバー及びその他のコンピュータ・デバイスに適するように構成することもできる。
【0044】
さらに、マイクロ電子デバイスのための種々のタイプのシェル又はケースの中で、構造構成部材は電話器ケーシングを成して、電話送受器、例えば携帯電話器の外側の構造表面を規定することができる。
【0045】
以下に記載するものは、好適な複合構造構成部材の包括的なリストではなく、マイクロ電子用途を含む種々の用途のために、無数の幾何学的形態を提供することができる。例えば構造構成部材は、米国特許第6,585,039号明細書に一般的に記載されているようなヒート・パイプの形態、米国特許第6,300,607号明細書及び同第6,124,579号明細書に記載されているような複合ヒーターの形態、米国特許第5,984,055号明細書に記載されているようなブレーキ・パッド構造の形態、又は米国特許第6,251,513号明細書に記載されているような種々の過電圧部分の形態を成すことができる。
【0046】
下記の実施例では、スクリーニング・パラメーターを参照する。スクリーニング・パラメーターは、特に断りのない限り、引張り篩絹(TBC)規格に基づいている。解釈しやすさを目的として、TBCメッシュ・サイズと、US篩(U.S. Sieve)と、ミクロンと、ミルとの間で換算するために下記に表1を示す。
【0047】
【表1】

【実施例】
【0048】
実施例1。
粒子サイズが約5 μm以下の微細な結晶からなる、ほぼ50 lbsの供給原料窒化ホウ素粉末を、アイソスタティック・プレスを用いて20ksiで圧縮した。次いで、得られた材料を、ジョー・クラッシャーを使用し、次いでロール型クラッシャーを使用して破砕した。次いで、得られた粉末をスクリーニングすることにより、細かい凝集体と粗い凝集体とを分離した。粗い凝集体は、この実施例の目的上、150ミクロンを上回り、細かい凝集体は、40ミクロンを下回った。スクリーニングは、120及び200 TBC(Tensile Bolting Cloth:引張り篩絹)スクリーンを備えたスクリーナーを利用して行った。得られた、60%が74ミクロンを上回る8 lbsの材料を、ほぼ1900℃で12時間にわたって熱処理することにより、高純度の窒化ホウ素ケークを生成した。その後、ジョー・クラッシャー、次いでロール型クラッシャーを使用して、このケークを粉砕した。次いで、その結果得られた粉末をスクリーニングすることにより、細かい凝集体と粗い凝集体とを分離した。粗い凝集体は、この実施例の目的上、150ミクロンを上回り、細かい凝集体は、150ミクロンを下回った。サイズが150ミクロンを上回る凝集体を、目標凝集体サイズ範囲内、すなわちこの実施例では150ミクロン未満になるまで再破砕した。得られた2 lbsのスクリーニング済材料は、95%が150ミクロンと74ミクロンとの間にあり、そのタップ密度はほぼ0.50 g/ccであった。選択された直径125ミクロンの粒子の強度は、8.2 MPaであった。
【0049】
実施例2。
粒子サイズが約5 μm以下の微細な結晶からなる、ほぼ50 lbsの供給原料窒化ホウ素粉末を、ジョー・クラッシャーを使用し、次いでロール型クラッシャーを使用して破砕した。次いで、得られた粉末をスクリーニングすることにより、細かい凝集体と粗い凝集体とを分離した。粗い凝集体は、この実施例の目的上、150ミクロンを上回り、細かい凝集体は、40ミクロンを下回った。スクリーニングは、120及び200 TBC(Tensile Bolting Cloth:引張り篩絹)スクリーンを備えたスクリーナーを利用して行った。得られた、60%が74ミクロンを上回る5 lbsの材料を、ほぼ1900℃で12時間にわたって熱処理することにより、高純度の窒化ホウ素ケークを生成した。その後、ジョー・クラッシャー、次いでロール型クラッシャーを使用して、このケークを粉砕した。次いで、得られた粉末をスクリーニングすることにより、細かい凝集体と粗い凝集体とを分離した。粗い凝集体は、この実施例の目的上、150ミクロンを上回り、細かい凝集体は、150ミクロンを下回った。サイズが150ミクロンを上回る凝集体を、目標凝集体サイズ範囲内、すなわちこの実施例では150ミクロン未満になるまで再破砕した。得られた2 lbsのスクリーニング済材料は、95%が150ミクロンと74ミクロンとの間にあり、そのタップ密度はほぼ0.35 g/ccであった。選択された直径125ミクロンの粒子の強度は、4.5 MPaであった。
【0050】
実施例3。
粒子サイズが約5 μm以下の微細な結晶からなる、ほぼ100 lbsの供給原料窒化ホウ素粉末を、アイソスタティック・プレスを用いて20ksiで圧縮した。次いで、得られた材料を、ジョー・クラッシャーを使用し、次いでロール型クラッシャーを使用して破砕した。次いで、得られた粉末をスクリーニングすることにより、細かい凝集体と粗い凝集体とを分離した。粗い凝集体はこの実施例の目的上、200ミクロンを上回り、細かい凝集体は、40ミクロンを下回った。サイズが200ミクロンを上回る凝集体を、目標凝集体サイズ範囲内、すなわちこの実施例では200ミクロン未満になるまで再破砕した。破砕中に生成された、典型的にはサイズが10ミクロン未満の細かい凝集体及びクリスタライトを、空気分級により、より大きい凝集体から分離した。得られた18 lbsの粗生成物を、88及び120 TBC(Tensile Bolting Cloth:引張り篩絹)スクリーン(Kason Corporation, Millburn, N.J.)を備えたスクリーナーを利用してスクリーニングした。得られた、60%が150ミクロンを上回る3 lbsの材料を、ほぼ1900℃で12時間にわたって熱処理することにより、高純度の窒化ホウ素ケークを生成した。その後、ジョー・クラッシャー、次いでロール型クラッシャーを使用して、このケークを粉砕した。次いで、得られた粉末をスクリーニングすることにより、細かい凝集体と粗い凝集体とを分離した。粗い凝集体は、この実施例の目的上、200ミクロンを上回り、細かい凝集体は、200ミクロンを下回った。得られた2 lbsのスクリーニング済材料は、95%が200ミクロンと74ミクロンとの間にあり、そのタップ密度はほぼ0.50 g/ccであった。選択された直径150ミクロンの粒子の強度は、7.5 MPaであった。
【0051】
上記プロセス・フローに従って、実施例5〜7として、下記の表2に示されるタップ密度の範囲を有する付加的な試料を調製した。加えて、比較例1、2及び3を、比較試験のために調製した。比較例は、上記実施例1〜3と同様に調製したが、著しい違いは、本発明の実施態様との関連において上述したような、凝集された粉末形態ではなく、ログ又はブリケット形態で材料を熱処理することに基づいて比較例が形成されたことである。図3に示された試験装置を利用することにより、全ての試料に凝集体強さ試験を施した。この装置は、可動段110を備えた小さな加重フレーム100からなっている。段の運動を、x、y及びz方向で行い、ステッピング・モーターによって制御した(Newport PM 500 Precision Motion Controller)。z-運動を2 μm/sに設定した。4.9 N(500g)加重セル102を使用し、そして試料を、高研磨された平行なSiCアンビル104, 106上に置いた。段の運動を、Lab Viewによって制御した。分解能0.1 μm及び0.01 Nをもたらす20データポイント/sのサンプリング速度で、データ収集を実施した。
【0052】
試料バッチから同様のサイズの凝集体を手で摘むことにより、試験のための試料を調製し、そして、単一の凝集体の破壊強さを試験した。不規則な形状が球体と立方体との間のどこかにあると想定して、各凝集体の有効引張り強さを計算したところ、次式の値が得られた。
【0053】
【数1】

【0054】
上式において、Pは破壊加重であり、そしてaは凝集体の直径(サイズ)である。
【0055】
タップ密度は、ASTM B527-70に従って測定された。
【0056】
40 Kpsiの圧力下でHg液を浸透させることにより、Hgポロシメトリーによって、エンベロープ密度を測定した。エンベロープ密度は、バルク密度測定であるタップ密度とは異なり、試料の凝集体の平均密度を表す。
【0057】
【表2】

【0058】
前述の比較的高い強度に従って、制御された密度の粉末が提供され、そして具体的には、熱伝導用途に特に適した高強度で低密度及び中密度の粉末が提供される。加えて、粉末は熱的及び構造的に、概ね等方性の挙動を有することができる。本発明のさらに別の実施態様はまた、凝集された窒化ホウ素粉末を形成する処理技術を提供する。このような処理技術は極めてフレキシブルであり、そして収率を改善するのに効果的であり、従ってコスト効率が高い。本発明の実施態様による粉末は特に熱伝導用途、例えば半導体技術において使用することができるが、これらの処理技術はフレキシブルであり、他の用途のために窒化ホウ素粉末を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の1態様による窒化ホウ素凝集粉末を形成するための具体的なプロセス・フローを示すフロー・チャートである。
【図2】六方晶窒化ホウ素の理想的な結晶構造を示す摸式図である。
【図3】本発明の態様を特徴付けするために使用された試験装置を示す模式図である。
【図4】本発明の1態様によるプリント配線基板を示す断面図である。
【図5】熱伝達フィルムの使用により基板に結合された集積回路を含むマイクロ電子デバイスを示す断面図である。
【図6】本発明の1態様によるケースを組み込んだラップトップ型コンピュータを示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タップ密度に対する凝集体破壊強さの比が約11 MPa・cc/g以上であることを特徴とする窒化ホウ素凝集粉末。
【請求項2】
前記の比が約12 MPa・cc/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の粉末。
【請求項3】
前記の比が約13 MPa・cc/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の粉末。
【請求項4】
前記の比が約14 MPa・cc/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の粉末。
【請求項5】
該粉末の平均凝集体サイズが約20〜1000 μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の粉末。
【請求項6】
該粉末の平均凝集体サイズが約40〜500 μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の粉末。
【請求項7】
該粉末の平均凝集体サイズが約40〜200 μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の粉末。
【請求項8】
該粉末の平均凝集体サイズが約20〜90 μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の粉末。
【請求項9】
該粉末の60重量%以上が約40〜200 μmの粒子分布範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の粉末。
【請求項10】
該粉末の80重量%以上が約40〜150 μmの粒子分布範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の粉末。
【請求項11】
エンベロープ密度に対する破壊強さの比が約6.5 MPa・cc/g以上であることを特徴とする窒化ホウ素凝集粉末。
【請求項12】
前記の比が約6.7 MPa・cc/g以上であることを特徴とする請求項11に記載の粉末。
【請求項13】
前記の比が約6.9 MPa・cc/g以上であることを特徴とする請求項11に記載の粉末。
【請求項14】
熱を発生させるアクティブな構成部分と;
該アクティブな構成部分が結合された基板と;
該アクティブな構成部分と該基板との間に設けられた熱界面材料と
を含み、
前記熱界面材料が、エンベロープ密度に対する破壊強さの比が約6.5 MPa・cc/g以上である凝集体を含むことを特徴とするマイクロ電子デバイス。
【請求項15】
前記アクティブな構成部分が半導体デバイスを含むことを特徴とする請求項14に記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項16】
前記熱界面材料が、ポリマー・マトリックス中に含有された前記凝集体を含み、前記凝集体が、熱伝達のための浸透型構造を形成することを特徴とする請求項14に記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項17】
前記の比が約6.7 MPa・cc/g以上であることを特徴とするス請求項15に記載のマイクロ電子デバイス。
【請求項18】
複数の層を含み、該層のうちの1つ以上の層は、エンベロープ密度に対する破壊強さの比が約6.5 MPa・cc/g以上である凝集体を含むことを特徴とするプリント配線基板。
【請求項19】
電気的な接続のために前記の層を通って延びる導電性構成要件をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載のプリント配線基板。
【請求項20】
マトリックス相と;
エンベロープ密度に対する破壊強さの比が約6.5 MPa・cc/g以上である凝集体と
を含むことを特徴とする複合構造構成部材。
【請求項21】
マイクロ電子デバイスの1要素であることを特徴とする請求項20に記載の構造構成部材。
【請求項22】
ハード・ドライブ・アクチュエーター・アームであることを特徴とする請求項20に記載の構造構成部材。
【請求項23】
マイクロ電子ケースであることを特徴とする請求項20に記載の構造構成部材。
【請求項24】
コンピュータ・ケースであることを特徴とする請求項23に記載の構造構成部材。
【請求項25】
電話器ケーシングであることを特徴とする請求項23に記載の構造構成部材。
【請求項26】
ヒーターと、ヒート・パイプと、過電圧部分と、ブレーキ構成部分とからなる群から選択されることを特徴とする請求項20に記載の構造構成部材。
【請求項27】
該マトリックス相がポリマーを含むことを特徴とする請求項20に記載の構造構成部材。
【請求項28】
該ポリマーが熱可塑性材料を含むことを特徴とする請求項27に記載の構造構成部材。
【請求項29】
該凝集体が、熱伝達のための浸透型構造を形成することを特徴とする請求項20に記載の構造構成部材。
【請求項30】
窒化ホウ素凝集粉末を形成する方法であって、
窒化ホウ素凝集体を含み、かつ該凝集体が粒子サイズ約5 μm以下の微細な結晶を含む供給原料粉末を準備し;そして、
該供給原料粉末を熱処理することにより、熱処理済の窒化ホウ素凝集粉末を形成すること
を含むことを特徴とする窒化ホウ素凝集粉末を形成する方法。
【請求項31】
該供給原料粉末の平均結晶サイズが5 μm以下であることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
該平均結晶サイズが2 μm以下であることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項33】
該熱処理済の窒化ホウ素凝集粉末に破砕作業を施すことをさらに含むことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項34】
該供給原料粉末が初期粒子サイズ範囲を有しており、そして、破砕後の該熱処理済窒化ホウ素粉末の25重量%以上が、初期粒子サイズ範囲内にあることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
破砕作業後、該熱処理済窒化ホウ素粉末が、粒子サイズによって分級されることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項36】
分級後、該熱処理済窒化ホウ素粉末の平均粒子サイズが、20 μm以上であることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
分級後、該熱処理済窒化ホウ素粉末の粒子サイズ分布が、約20 μm〜約1000 μmの範囲にあることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項38】
該熱処理済窒化ホウ素粉末が、六方晶構造を有していることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項39】
該供給原料粉末が乱層状結晶構造を含むことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項40】
粒子サイズによってバルク窒化ホウ素凝集粉末を分級する工程をさらに含み、該供給原料粉末が、所望の粒子サイズ範囲を有する該バルク窒化ホウ素凝集粉末の一部であることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項41】
所望の粒子サイズ範囲内に含まれる該供給原料粉末が、該バルク窒化ホウ素凝集粉末の全体よりも少なく、そして該バルク窒化ホウ素凝集粉末の残りが再循環されることを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項42】
該供給原料粉末を、
ソリッドな窒化ホウ素体を破砕することにより、バルク窒化ホウ素凝集粉末を形成し;そして
所望の粒子サイズ範囲の該バルク窒化ホウ素凝集粉末を取り出すことにより、該供給原料粉末を形成すること
によって形成することを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項43】
該熱処理工程が、1400℃以上の温度で行われることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項44】
該温度が、約1600℃〜2400℃の範囲にあることを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項45】
窒化ホウ素凝集粉末の形成方法であって、
窒化ホウ素凝集体を含有するバルク窒化ホウ素粉末を準備し;
該窒化ホウ素凝集体の一部を取り出すことにより、窒化ホウ素凝集体を含む供給原料粉末を形成し;そして
該供給原料粉末を熱処理することにより、熱処理済の窒化ホウ素凝集粉末を形成すること
を含むことを特徴とする窒化ホウ素凝集粉末の形成方法。
【請求項46】
取り出された前記一部が、所望の粒子サイズ範囲に相当することを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項47】
該窒化ホウ素凝集体の前記一部の取り出しが、粒子サイズによって該バルク窒化ホウ素粉末を分級することによって行われることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項48】
窒化ホウ素凝集粉末の形成方法であって、
窒化ホウ素凝集体を含み、かつ乱層状窒化ホウ素を含む供給原料粉末を準備し;そして、
該供給原料粉末を熱処理することにより、熱処理済の窒化ホウ素凝集粉末を形成すること
を含むことを特徴とする窒化ホウ素凝集粉末の形成方法。
【請求項49】
該供給原料粉末が、10重量%以上の乱層状の窒化ホウ素を含むことを特徴とする請求項48に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−502770(P2007−502770A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523997(P2006−523997)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/026765
【国際公開番号】WO2005/021428
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(593150863)サン−ゴバン セラミックス アンド プラスティクス,インコーポレイティド (139)
【Fターム(参考)】