説明

窒素含有硬化部位を有するフルオロプラスチックポリマー

【課題】窒素含有硬化部位とフッ素化モノマーから誘導される単位とを含むフルオロプラスチック(以下FP)またはラテックスを提供する。
【解決手段】窒素含有硬化部位とフッ素化モノマーから誘導される単位とを含むFPまたはラテックス、FPおよびフルオロエラストマーゴムを含む硬化可能な混合物、硬化された成形物品、ラテックス混合物、およびFPを調製する方法である。該方法は:(a)重合反応器の中に、少なくとも60重量パーセントの、フッ素化モノマーを含む第1の重合性組成物を導入する工程(b)前記反応器の中で前記組成物を重合させる工程;(c)少なくとも80重量%の前記第1の重合性組成物の添加の後に、少なくとも70重量パーセントの、窒素含有硬化部位モノマーを含む第2の重合性組成物を前記反応器の中に導入する工程;および(d)前記窒素含有硬化部位モノマーを前記フッ素化モノマーと共重合させて、FPの形成工程、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフルオロポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
フルオロポリマーは、商品化されている有用なタイプの材料である。フルオロポリマー
としては、たとえば、架橋させたフルオロエラストマー、未架橋の非晶質なフルオロエラ
ストマーゴム、半晶質のフルオロプラスチックなどが挙げられる。フルオロエラストマー
には、触媒の存在下で容易に硬化をさせるための硬化部位(cure−site)が含ま
れていることが多い。架橋された(硬化された)フルオロエラストマーは、高温や過酷な
化学環境に対する顕著な耐久性を示す。それらは、高温および/または過酷な化学薬品に
暴露されるシステムにおける、シール、ガスケットおよびその他の成形部品として使用す
るのに特に適している。そのような部品は、とりわけ、自動車、化学装置、半導体、航空
宇宙産業、石油産業などで広く用いられている。
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,166,157号明細書
【特許文献2】米国特許出願番号第60/427,768号明細書
【特許文献3】米国特許出願番号第60/399,245号明細書
【特許文献4】米国特許第4,233,421号明細書
【特許文献5】米国特許第4,912,171号明細書
【特許文献6】米国特許第5,262,490号明細書
【特許文献7】米国特許第6,465,576号明細書
【特許文献8】米国特許第4,394,489号明細書
【特許文献9】米国特許第4,525,539号明細書
【特許文献10】米国特許第5,565,512号明細書
【特許文献11】米国特許第6,281,296号明細書
【特許文献12】米国特許第5,621,145号明細書
【特許文献13】米国特許第5,285,002号明細書
【特許文献14】米国特許第5,378,782号明細書
【特許文献15】米国特許第5,463,021号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一般的に本発明は、窒素含有硬化部位、および少なくとも1種のフッ素化モノマーから
誘導される単位を含む、フルオロプラスチックをその特徴とする。その窒素含有硬化部位
は、さかのぼって、各種の公知の方法により導入できる。そのような例を挙げれば、窒素
含有硬化部位モノマーの使用、末端反応性基またはペンダント反応性基の誘導体化(たと
えば、アミド、または酸官能基からニトリル基へ)、窒素含有連鎖移動剤の使用、および
/または窒素含有部分のグラフト化などがある。上記の方法を組み合わせたものもまた、
本発明の範囲に入る。このフルオロプラスチックにはさらに、臭素原子、ヨウ素原子およ
びそれらの組合せが含まれていてもよい。
【0005】
1つの実施態様においては、このフルオロプラスチックは、反応器中で、全ポリマー質
量の少なくとも60重量%の、フッ素化モノマーを含む第1の重合性組成物を重合させる
ことによって調製することができる。次いで、その内の少なくとも70重量%が窒素含有
硬化部位モノマーを含む、第2の重合性組成物を添加する。
【0006】
このフルオロプラスチックは、ラテックス粒子の形態で得ることも可能である。その粒
子の平均粒径は、約10〜約500nmの範囲であるのが好ましい。その粒子は、コア−
シェル構造とすることも可能で、その場合、フッ素化モノマーから誘導される単位がコア
を形成し、窒素含有硬化部位がシェルに存在するようにする。
【0007】
本発明はさらに、(たとえば、ラテックスの形態の)フルオロプラスチックを(たとえ
ば、ラテックスの形態の)非晶質なフルオロエラストマーゴムと組み合わせた硬化可能な
混合物、さらには、それらの混合物から調製される、硬化された成形物品を特徴とする。
硬化部位を有さない典型的なフルオロプラスチックとは異なって、本発明によるフルオロ
プラスチックは、硬化の際に、非晶質なフルオロエラストマーゴムとの間の架橋反応に加
わることができる。そのようにして得られる硬化をさせた混合物は、硬化部位を有さない
フルオロプラスチックを使用して調製した混合物の場合に比較して、圧縮永久歪みが低い
など、改良された性質を示す。そのような混合物の用途としては、たとえば、自動車産業
や半導体産業に関連する用途における、O−リング、ガスケット、チューブ、およびシー
ルなどが挙げられる。
【0008】
本発明の1種または複数の実施態様について、その詳細を以下に示す。本発明について
の、その他の特徴、目的、利点などは、詳細な説明および特許請求項から明らかになるで
あろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、硬化反応に関与することが可能な窒素含有基を含む、フルオロプラスチック
を提供する。そのフルオロプラスチックには、窒素含有硬化部位と、少なくとも1種のフ
ッ素化モノマーから誘導される単位とが含まれる。本発明はさらに、その内部に半晶質の
窒素含有フルオロプラスチックを組み込んだ、フルオロエラストマーマトリックスを含む
窒素含有フルオロプラスチックを提供する。
【0010】
そのようなフルオロプラスチックは、わずかに変性したテトラフルオロエチレンポリマ
ー(コモノマーが約5モルパーセント(モル%)未満)から形成させるか、または、少な
くとも1種のエチレン性不飽和を0.001モル%〜15モル%、好ましくは0.01〜
10モル%の量で含む、1種または複数のモノマー(コモノマーが少なくとも約5モル%
)を含むテトラフルオロエチレンコポリマーから形成させることができる。そのフルオロ
プラスチックの融点は、約100〜325℃、好ましくは約200〜320℃、最も好ま
しくは260〜320℃の範囲である。
【0011】
有用なフッ素化モノマーの例を挙げれば、ペルフルオロオレフィン(たとえば、テトラ
フルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン)、ペルフルオロビニルエーテルであって
式、CF=CF(OCFCF(CF))(O(CFOR(ここで、
m=0〜2、n=0〜6、p=0〜6、そしてRはC〜Cペルフルオロアルキル基
)で表されるものなどがある。具体例としては、ペルフルオロメチルビニルエーテル(P
MVE;m=0、n=0、p=1、R=CF)、ペルフルオロメチルビニルエーテル
−31(MV31;m=0、n=3、p=1、R=CF)、ペルフルオロプロピルビ
ニルエーテル−1(PPVE−1;m=0、n=2、p=1、R=CF)、ペルフル
オロプロピルビニルエーテル−2(PPVE−2;m=1、n=2、p=1、R=CF
)、およびそれらの組合せが挙げられる。ペルフルオロアルコキシビニルエーテルを単
独で用いてもよいし、あるいは他のフッ素化モノマーと組み合わせて用いてもよい。
【0012】
本発明のフルオロプラスチックは、窒素含有基を用いて変性する。そのためには、各種
の方法が使用できる。1つの実施態様においては、硬化部位を窒素含有硬化部位モノマー
から誘導するが、それにはたとえば、ポリマーの主鎖の中に窒素含有コモノマーを取り込
ませる。
【0013】
有用な窒素含有硬化部位モノマーとしては、ニトリル含有フッ素化オレフィンおよびニ
トリル含有フッ素化ビニルエーテル、たとえば:CF=CFO(CFCN;CF
=CFO[CFCF(CF)O]q(CFO)CF(CF)CN;CF
CF[OCFCF(CF)]O(CFCN;およびCF=CFO(CF
OCF(CF)CNなどが挙げられ、ここでL=2〜12;q=0〜4;r=1〜
2;y=0〜6;t=1〜4;そしてu=2〜6である。そのようなモノマーの代表例と
しては、CF=CFO(CFOCF(CF)CN、ペルフルオロ(8−シアノ
−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン)、およびCF=CFO(CF
CNが挙げられる。
【0014】
フルオロプラスチックの中には、目的とする結果を得るために有効な量の硬化部位モノ
マーを使用する。フルオロエラストマーとの結合性を上げるためにはこの量を増やし、フ
ルオロプラスチックの変性を最小限に抑制するためには、この量を減らす。フルオロプラ
スチックの中の硬化部位モノマーの量は、好ましくは少なくとも約0.01モル%、より
好ましくは少なくとも約0.1モル%からの範囲である。フルオロプラスチックの中の硬
化部位モノマーの量は、好ましくは約10モル%未満、より好ましくは約5モル%未満の
範囲である。例を挙げれば、ニトリル含有モノマーや、さらには対応するアミジン、アミ
ジン塩、イミデート、アミド、およびアンモニウム塩などがある。
【0015】
本発明のフルオロプラスチックを製造するには、コモノマーを均一に組み入れてもよい
し、あるいは、コア−シェル材料としてもよいが、その場合には、組成物の少なくとも約
60モル%を重合させてから、実質量の窒素含有モノマーを添加する。
【0016】
フルオロプラスチックのための1つの有用な重合方法としては、乳化重合が挙げられる
が、その場合、まず少なくとも60重量パーセント(重量%)(好ましくは少なくとも7
0重量%)の、フッ素化モノマーを含有する組成物を重合反応器の中に導入し、その後で
、少なくとも70重量%(好ましくは少なくとも95重量%)の、窒素含有硬化部位を含
有する組成物をその反応器に導入する。その硬化部位原料をフッ素化モノマーと共重合さ
せる。最終的に得られる結果は、コア−シェル構造を有するフルオロプラスチックであっ
て、そこでは、コアには主としてフッ素化モノマーから誘導される単位が含まれ、シェル
には窒素含有硬化部位が含まれる。
【0017】
フルオロプラスチックを調製するための方法に含まれるのは:少なくとも1種のフッ素
化モノマーを含む第1の重合性組成物を重合反応器の中に導入する工程;前記反応器の中
で前記組成物を重合させて、少なくとも部分的に重合した組成物を形成させる工程;40
重量%(反応器に導入する組成物の全重量を基準とする)までの第2の重合性組成物を反
応器の中に導入する工程であって、前記組成物には、少なくとも70重量%の窒素含有硬
化部位成分を含む、工程;および前記窒素含有硬化部位成分を前記フッ素化モノマーと共
重合させて、フルオロプラスチックを形成させる工程、である。また別な態様においては
、約20重量%まで(より好ましくは約10重量%までの)前記第2の重合性組成物を反
応器に導入する。さらに、第2の重合性組成物中の窒素含有硬化部位原料の濃度は、少な
くとも約80、90、95、さらには98重量%まで増加させることができる。
【0018】
別な方法として、あるいは、窒素基含有コモノマーと組み合わせて、たとえば、窒素基
含有連鎖移動剤(たとえば、(特許文献1)に記載のあるI(CFCN)を使用す
ることによって窒素基をフルオロプラスチックに加えることができる。さらに、たとえば
反応性の末端基(たとえば、重合の間に生成したCOF)をアンモニアと反応させること
によって、窒素含有基をフルオロプラスチックに加えることができる。反応性末端基含量
は、0.0001〜5モル%、好ましくは0.001〜2モル%である。アミドやアンモ
ニウムカルボキシレートのような末端基含量は、たとえば赤外分光光度法のような公知の
方法によって定量することができる。その測定法に従った場合、末端基含量は、炭素原子
100万個あたり末端基が10個超存在すべきである。1つの実施態様においては、末端
基含量は、炭素原子100万個あたり末端基が約50個を超える。さらに、重合を、チオ
シアネートおよびシアネートアニオンのような、プソイドハロゲン類似体を含む、シアニ
ドアニオンの存在下で実施することもできる(特許文献2(出願2002年11月20日
)の記載参照)。
【0019】
フルオロプラスチックは、非テロゲン性のフッ素含有界面活性剤の存在下に、水性乳化
重合により重合させるのが好ましい。重合させた後のそのポリマー粒径は通常、100〜
500nmの範囲である。より小さな粒子を得るために、ペルフルオロポリオキシアルキ
レンを用いることによって、水性ミクロエマルション中で重合を実施することもできる。
その平均粒径は、典型的には少なくとも約10nm、より好ましくは少なくとも約50n
m、そしてさらにより好ましくは少なくとも約60nmである。その平均粒径は、典型的
には約500nm未満、より好ましくは約300nm未満、そしてさらにより好ましくは
約250nm未満である。
【0020】
コモノマー、特に窒素含有コモノマーは、水中にはほとんど不溶である。したがって、
それはプリエマルションからフィードするのが好ましい(特許文献3(出願2002年7
月29日)参照)。
【0021】
フルオロプラスチックおよびフルオロエラストマーの本発明の組成物は、ラテックスを
混合することにより得るのが好ましい。別な方法として、その組成物を2段の重合によっ
て得ることも可能であり、その2段反応は同一の反応器の中で実施してもよい。第1段に
おいて、(所望の粒径を有する)半晶質のフルオロプラスチックを重合させ、第2段でフ
ルオロエラストマーを重合させる。
【0022】
窒素含有硬化部位はさらに、1種または複数のフッ素化モノマーを窒素含有連鎖移動剤
と反応させることによって、フルオロプラスチックの中に導入することもできる。この方
法では、窒素含有末端基が生成する。
【0023】
たとえば、重合の間に、臭素−またはヨウ素−含有連鎖移動剤と反応させることによっ
て、臭素原子、ヨウ素原子、またはそれらの組合せをフルオロプラスチックの中に導入す
ることもできる。臭素およびヨウ素原子が、フルオロプラスチックの上にさらなる硬化部
位を加える。
【0024】
フルオロプラスチックをフルオロエラストマーゴムおよび触媒組成物と組み合わせて、
硬化可能な混合物を形成させることができる。その混合物の中のフルオロプラスチックの
量は、典型的には約1〜約50重量パーセント(重量%)である。その混合物の中のフル
オロプラスチックの量は、好ましくは少なくとも約5重量%、いくつかの態様においては
より好ましくは少なくとも約10重量%である。その混合物の中のフルオロプラスチック
の量は、好ましくは約30重量%未満、より好ましくは約20重量%未満である。その混
合物の中のフルオロプラスチックの量は、混合物の全重量を基準にしている。
【0025】
フルオロエラストマーゴムには、1種または複数のフッ素化モノマーと1種または複数
の硬化部位モノマーとの反応生成物を含んでいるのが好ましい。その硬化部位モノマーが
、その組成物を後に硬化させるのに役立つ。好適な硬化部位モノマーの例を挙げれば、ハ
ロゲン化モノマー、たとえば、臭素化モノマーたとえばブロモトリフルオロエチレン、3
,3,4,4−テトラフルオロ−4−ブロモ−1−ブテン、臭素含有ペルフルオロビニル
エーテル、ニトリル含有ビニルエーテル、イミデート含有ビニルエーテル、アミジン含有
ビニルエーテル、アミジン塩含有ビニルエーテル、およびそれらの組合せなどがある。硬
化部位モノマーの量は、好ましくは0.1〜5モル%、より好ましくは0.3〜2モル%
の範囲である。有用なフッ素化モノマーの例を挙げれば、ペルフルオロオレフィン(たと
えば、テトラフルオロエチレン)、ペルフルオロビニルエーテル(先に、フルオロプラス
チックの場合に記載したようなもの)、水素含有フッ素化モノマー(たとえば、フッ化ビ
ニリデン)、およびそれらの組合せなどがある。フルオロエラストマーにはさらに、エチ
レン、プロピレン、およびそれらの組合せのような、非フッ素化モノマーから誘導した単
位が含まれていてもよい。
【0026】
二峰性または多峰性の分子量を有するフルオロエラストマーゴムを使用して、たとえば
加工性を向上させるようなことも可能である。そのようなゴムは、異なった分子量のラテ
ックスをラテックス混合(latex blending)するか、あるいは、たとえば、異なったレベ
ルの連鎖移動剤を使用したり、反応の途中に異なった量の重合開始剤を使用したりするこ
とによって、重合のときに分子量分布が広くなるようにすることで、調製することができ
る。
【0027】
有用な硬化剤として、ペルオキシドを挙げることができる。それらは、オニウム塩と組
み合わせて使用することもできる。有用なペルオキシドとしては、ジアルキルペルオキシ
ドが挙げられるが、中でも特にジ−tertブチルペルオキシドが好ましい。具体例とし
ては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−ヘキシン−3お
よび2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−ヘキサンなどが挙
げられる。有用なペルオキシドのさらなる例を挙げれば、ジクミルペルオキシド、ジベン
ゾイルペルオキシド、過安息香酸tert−ブチル、およびジ[1,3−ジメチル−3−
(tert−ブチルペルオキシ)−ブチル]カーボネートなどがある。
【0028】
1種または複数の架橋助剤を、ペルオキシドに組み合わせてもよい。そのような例とし
ては、トリアリルシアヌレート;トリアリルイソシアヌレート;トリ(メタアリル)−イ
ソシアヌレート;トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン、トリアリルホスファイト
;N,N−ジアリルアクリルアミド;ヘキサアリルホスホルアミド;N,N,N’,N’
−テトラアリルテレフタルアミド;N,N,N’,N’−テトラアリルマロンアミド;ト
リビニルイソシアヌレート;2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン;およびトリ
(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレートなどが挙げられる。
【0029】
好適なオニウム塩は、たとえば、(特許文献4);(特許文献5);(特許文献6)、
および(特許文献7)に記載されている(これら特許のそれぞれを、引用することにより
取り入れたものとする)。例を挙げれば、トリフェニルベンジルホスホニウムクロリド、
トリブチルアルキルホスホニウムクロリド、トリブチルベンジルアンモニウムクロリド、
テトラブチルアンモニウムブロミド、およびトリアリールスルホニウムクロリドなどがあ
る。
【0030】
また別なタイプの有用なオニウム塩として、次式で表されるものがある:
【化1】


ここでQは窒素またはリンであり;Zは、水素原子であるか、または4〜約20個の炭素
原子を有し、式−COOA(ここでAは水素原子またはNHカチオン)の基を末端に
有する、置換または非置換の、環状または非環状アルキル基であるか、またはZは式CY
−COOR’の基であって、ここでYは水素原子またはハロゲン原子であるか、または
1〜約6個の炭素原子を有し、場合によっては1個または複数のカテナリーなヘテロ原子
を含んでいてもよい、置換または非置換のアルキルまたはアリール基であり、ここでR’
は、水素原子、NHカチオン、アルキル基であるか、または非環状の無水物、たとえ
ば、式−COR(ここでRはアルキル基)の基であるか、または、それ自体がオルガノオ
ニウムを含む(すなわち、ビスオルガノオニウムとなる)基であるが;好ましくはR’は
水素であり;Zはまた、4〜約20個の炭素原子を有し、式−COOA(ここでAは水素
原子またはNHカチオン)の基を末端に有する、置換または非置換の、環状または非
環状アルキル基であってもよく;R、R、およびRはそれぞれ独立して、水素原子
またはアルキル、アリール、アルケニル、もしくはそれらの各種組合せであり;R、R
、およびRはそれぞれ、塩素、フッ素、臭素、シアノ、−OR”、または−COOR
”(ここでR”は、C〜C20アルキル、アリール、アラルキル、またはアルケニル)
で置換されていてもよく、R、R、およびR基のどれかの対が互いに結合していて
、Qと共に複素環を形成していてもよく;R、R、およびR基の1つまたは複数が
さらに、式Zの基(Zは上で定義したもの)であってもよく;Xは、有機または無機アニ
オン(たとえば、ハライド、スルフェート、アセテート、ホスフェート、ホスホネート、
ヒドロキシド、アルコキシド、フェノキシド、またはビスフェノキシド)であり;そして
nは、アニオンXの原子価に等しい数である。
【0031】
窒素含有硬化部位を架橋させるための好適なシステムとしては、たとえば、有機スズ化
合物((特許文献8)参照)、ビスアミノフェノール((特許文献9)参照)、アンモニ
ウム塩((特許文献10)参照)、アンモニア発生化合物((特許文献11)参照)、お
よびビスアミドキシム((特許文献12)参照)などが挙げられる。
【0032】
硬化可能な混合物には、硬化可能な混合物および硬化させた混合物両方の物理的性質を
改良するための、充填剤を加えることもできる。好適な充填剤の例としては、補強用充填
剤(たとえば、サーマルグレード(thermal grade)カーボンブラックまた
は非カーボンブラック顔料)、シリカ、グラファイト、クレー、タルク、珪藻土、硫酸バ
リウム、酸化チタン、ウォラストナイト、およびそれらの組合せなどが挙げられる。単独
、または1種または複数の充填剤と組み合わせて、組成物に添加することが可能なその他
の成分としては、たとえば、可塑剤、潤滑剤、遅延剤、加工助剤、顔料、およびそれらの
組合せなどが挙げられる。
【0033】
硬化可能な混合物を調製するための好適な方法の1つには、フルオロエラストマーゴム
およびフルオロプラスチックをラテックスの形態で調製する工程、その2種のラテックス
を組み合わせる工程、そして次いで得られた組合せ物を場合によってはコアギュレートさ
せて混合物を形成させる工程が含まれる。ラテックス混合が好ましいが、その理由は、そ
の方法によれば実質的に均一な混合物が得られて、その中ではフルオロエラストマーゴム
とフルオロプラスチックとが、密接かつ均質に混合されているからである。
【0034】
フルオロエラストマーゴムとフルオロプラスチックのラテックスは、水系の乳化重合法
を使用して製造することができる。この目的のために適した重合開始剤としては、過マン
ガン酸塩重合開始剤(過マンガン酸カリウムが特に好ましい)、および過硫酸塩重合開始
剤(過硫酸アンモニウムおよび過硫酸カリウムが特に好ましい)が挙げられる。開始剤シ
ステムの一部としてスルフィン酸塩を使用することも可能であるが、これについては、(
特許文献13)および(特許文献14)に記載がある。フルオロプラスチックラテックス
をフルオロエラストマーゴムラテックスと組み合わせる前に、フルオロプラスチックラテ
ックスのカチオンを水素イオンにカチオン交換させておくのが好ましい。
【0035】
組み合わせた後で、フルオロエラストマーゴムとフルオロプラスチックのラテックスは
、高圧ホモジナイザーを用いてコアギュレートさせることができ、また、溶解ガスの存在
下での高剪断コアギュレーションも同様に使用できる。高圧コアギュレーション法は、フ
ルオロプラスチック加工技術では公知のものである(たとえば、(特許文献15)参照)
。一般的には、高圧ホモジナイズ化では、フルオロエラストマーゴム/フルオロプラスチ
ックのラテックス組合せ物を、一連の狭い開口部を通過させることにより、加圧と除圧を
行って、コアギュレートした混合物を形成させる。コアギュレート化させた混合物は、洗
浄後、乾燥させる。このラテックスは、たとえば、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム
などのような適切な塩の溶液を添加するような、より慣用的な方法を用いて、コアギュレ
ート化させることも可能である。塩コアギュレーション法は、当業者には公知である。
【0036】
混合物を標準的な方法(たとえば、塩の添加)によってコアギュレートさせることがで
きるが、当業者は、その原料では分別や分離が起きないことは知っている。特に最終的な
用途が半導体用途である場合には、塩を使用しないコアギュレーション方法(ホモジナイ
ザー、超音波、凍結コアギュレーション)などが好ましい。
【0037】
硬化させる前に、コアギュレートさせ、乾燥させた硬化可能な混合物を硬化剤と組み合
わせるが、それには、ゴム原料の中に微細に砕いた固形物を混練するのが好ましい。しか
しながら、その他の慣用されるゴム混合装置、たとえばバンバリーミキサーを使用するこ
とも可能である。硬化や「スコーチ」が早く起きてしまわないように、混練機の中の温度
は約120℃を超えないようにするべきである。
【0038】
成形および硬化方法は典型的には、混合物を所望の形状に押出す工程と、次いで、12
5〜180℃の間(より好ましくは150〜170℃の間)の温度で、10〜120分間
(典型的には30〜60分間)オートクレービングする工程が含まれる。それとは別な方
法で、コンパウンディングした混合物を金型の中で圧縮成形(たとえばトランスファー成
形またはキャビティ成形)し、次いで加熱炉硬化させることにより物品を製造することも
可能である。コンパウンディングした混合物の圧縮成形(加圧硬化)は典型的には、約9
5℃〜約230℃の間、好ましくは約150℃〜約205℃の間の温度で、5分〜約5時
間、通常は10分〜60分の時間をかけて、実施する。金型の中のコンパウンディングし
た混合物には、約500kPa〜約15,000kPaの間、好ましくは約4,000k
Pa〜約8,000kPaの間の圧力をかける。次いで、その成形した加硫物を通常は、
約150℃〜約260℃の間、通常は約232℃の温度で、約2時間〜30時間または、
サンプルの断面の厚みに応じてさらに長時間かけて、後硬化(加熱炉硬化)させる。厚み
のあるものに対しては、後硬化の際の温度は通常、下限温度から、選択した目的とする最
高温度まで、徐々に上げていく。厚みの薄いもの、たとえば5mm未満のものに対しては
、加硫物または硬化させたシート部分を、目的の最高温度とした炉の中に入れてもよい。
用いる最高温度は、好ましくは約260℃で、この温度に約4時間以上保つ。
【0039】
本発明について、以下の実施例を用いることにより、さらに詳しく説明する。
【実施例】
【0040】
特に断らない限り、表示する結果は、以下の試験方法を用いて得たものである。その試
験結果は後の表に示す。
【0041】
試験方法
硬化レオロジー:未硬化のコンパウンディングサンプルについて、モンサント・ムービ
ング・ダイ・レオメーター(Monsanto Moving Die Rheomet
er、MDR)モデル2000を使用し、ASTM D5289−93aに従って、温度
370°F(188℃)、予備加熱なし、経過時間12分、アーク0.5度で、試験した
。所定の時間の間に得られる、最小トルク(M)と、平坦部や最大トルクが得られない
場合には最高トルク(M)との両方を測定した。さらに、Mより2単位高いトルクに
達するまでの時間(「t2」)と、トルクがM+0.5(M−M)に等しい値に
達するまでの時間(「t’50」)と、トルクがM+0.9(M−M)に等しい値
に達するまでの時間(「t’90」)とを、測定した。
【0042】
加圧硬化:特に断らない限り、圧力約6.9メガパスカル(MPa)、温度188℃で
10分間加圧することにより、物理的性質を測定するための150×150×2.0mm
の大きさのサンプルシートとO−リングを調製した。
【0043】
後硬化:加圧硬化させたサンプルシートとO−リングを、空気中で、次の4段階の条件
下で、熱に暴露した。:16時間×175℃;4時間×200℃;4時間×250℃;そ
して8時間×275℃。それらのサンプルは、周囲温度にまで戻してから、試験にかけた

【0044】
物理的性質:加圧硬化および後硬化させたシートから、ASTMのダイDを用いて切り
出したサンプルについて、破断点引張強さ、破断点伸び、および100%伸び時のモジュ
ラスを、ASTM D412−92を用いて測定した。MPaの単位で報告する。
【0045】
硬度:ASTM D2240−85のメソッドAに従って、タイプA−2ショアー硬度
計を用いてサンプルの測定をした。結果の報告に用いた単位は、ショアーA硬度である。
【0046】
圧縮永久歪み:O−リングサンプルについて、ASTM395−89のメソッドBに従
って、各種の温度で70時間、たわみ25%で測定した。そのOリングの断面厚みは0.
139インチ(3.5mm)であった。それらの結果は、元の変形の百分率として報告す
る。
【0047】
材料
フルオロエラストマーA:水性乳化重合で調製し、65.8モルパーセントのテトラフ
ルオロエチレン(モル%TFE)、33.34モル%のペルフルオロメチルビニルエーテ
ル(PMVE)、および0.90モル%の窒素基含有硬化部位モノマー、CF=CFO
(CFCN(MV5−CN)の共重合単位を有する、フルオロポリマー。
【0048】
フルオロエラストマーB:水性乳化重合で調製し、65.7モル%のTFE、33.0
モル%のPMVE、および1.3モル%のMV5−CNの共重合単位を有する、フルオロ
ポリマー。
【0049】
フルオロプラスチックC:220min−1で駆動される撹拌機を備えた容積40Lの
ステンレス鋼製反応器に、29Lの脱イオン水と、150gのペルフルオロオクタン酸ア
ンモニウム(30%溶液)を仕込んだ。系の脱気を行ってから、その反応器を加熱して6
3℃とし、エタンを導入して0.11バールとし、それに続けて、200gのPPVE−
1を仕込んだ。圧力が13バールに達するまで、TFEを反応器に導入した。50mLの
水に溶解させた1.2gの重合開始剤APSを導入して重合を開始させた。TFEと追加
のPPVE−1を1:0.041の比率でフィードして、圧力を一定に保った。TFEの
全量が6.3kgに達したら、116gのAPFO溶液(30%)中の116gのMV−
5CNのエマルションを添加した。TFEの全量が6.85kgに達するまで、重合を継
続した。次いで重合を停止させ、反応器を開放して、内容物を取り出した。33Lの、固
形分含量が18.6%の分散体が得られた。このポリマーは次のような特性を有していた
:平均粒径90nm;融点307℃;MDR(72℃/5kg)1.0;PPVE−1含
量3.9重量%、MV−5CN含量0.8重量%(FTIR法による)。
【0050】
フルオロプラスチックD:水性乳化重合により調製したフルオロポリマー(フルオロプ
ラスチックCと同様であるが、ただし、MV−5CNを使用しなかった)。
【0051】
触媒の調製:2Lの丸底フラスコに、マグネチックスターラー、温度計プローブを取り
付け、窒素バブラーに接続した。そのフラスコに、188g(0.65モル)のペルフル
オロアジピン酸(フロリダ州アラチュア(Alachua,FL)のシンクエスト・ラボ
ラトリーズ・インコーポレーテッド(SynQuest Laboratories,I
nc.)から入手可能なオクタフルオロアジポイルフルオリドから合成)と488gの蒸
留水を仕込んだ。撹拌しながら、898g(1.3モル)の、テトラブチルアンモニウム
ヒドロキシド(アルドリッチ(Aldrich)から入手可能)の40重量%水溶液を、
1時間かけて添加した。弱い発熱反応が観察された。その混合物を室温(約23℃)で、
さらに1時間撹拌した。15トル(2kPa)の減圧下で、フラスコを65℃にまで加熱
して、水を除去すると、523g(0.65モル)の(CPOOC(CF
COOP(Cが定量的な収率で得られた。このビス−(テトラブチルホスホ
ニウム)−ペルフルオロアジペートの融点は123℃であった。FNMRから、その構造
と、2:1のモル比を確認した。
【0052】
触媒マスターバッチ:フルオロエラストマーB80重量%と触媒20重量%との混合物
を、2本ロールミルを用いて混合した。
【0053】
特に断らない限り、全ての他の原料は、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwa
ukee,WI)のアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemi
cal Co.)から、市販されているものである。
【0054】
実施例1および2
フルオロエラストマーAのラテックス(80重量%)を、20重量%のフルオロプラス
チックCと混合した。そのラテックス混合を、次いで、コアギュレートさせ、洗浄、乾燥
させた。この混合物94phrを、4phrのTiO(日本国大阪の堺化学(Saka
i Chemicals,Osaka,Japan)からタイトーン(Titone)A
/110として入手可能なもの)、1.5phrのヒュームドシリカ(デグッサ(Deg
ussa)からアエロジル(Aerosil)R972として入手可能なもの)、および
7.5phrの触媒マスターバッチと共にコンパウンディングした。実施例1と同様にし
て実施例2を調製したが、ただし、フルオロエラストマーBを使用した。CE−1−2と
同様にしてサンプルを調製し、試験した。その結果は下記の表に含まれる。
【0055】
比較例1および2(CE−1およびCE−2)
フルオロエラストマーAのラテックス(80重量%)を、20重量%のフルオロプラス
チックDと混合した。そのラテックス混合を、次いで、コアギュレートさせ、洗浄、乾燥
させた。この混合物94phrを、4phrのTiO(日本国大阪の堺化学(Saka
i Chemicals,Osaka,Japan)からタイトーン(Titone)A
/110として入手可能なもの)、1.5phrのヒュームドシリカ(デグッサ(Deg
ussa)からアエロジル(Aerosil)R972として入手可能なもの)、および
7.5phrの触媒マスターバッチと共にコンパウンディングした。CE−1と同様にし
てCE−2を調製したが、ただし、フルオロエラストマーBを使用した。
【0056】
未硬化のコンパウンディングサンプルについて、硬化レオロジー試験を行った。その結
果は表に含まれる。コンパウンディングした混合物のシートを加圧硬化させ、試験を行い
、次いで後硬化させた。後硬化させたサンプルについて、各種の温度で圧縮永久歪みの試
験を行い、また、加熱エージングによる物性の変化を調べた。その試験結果は表に含まれ
ている。
【0057】
【表1】



【0058】
表1の結果は、フルオロプラスチックの中に窒素含有硬化部位を導入することによって
、改良された物性を有するフルオロプラスチック/フルオロエラストマー混合物が得られ
たことを示している。特に、硬化させた混合物では、窒素含有硬化部位を持たないフルオ
ロプラスチックからの混合物に比べて、圧縮永久ひずみが改良されていることを示してい
る。
【0059】
本発明の実施態様のいくつかについて、述べてきた。しかしながら、本発明の精神と範
囲から逸脱することなく、各種の変更が可能であることは理解すべきである。したがって
、これ以外の実施態様も、特許請求の範囲の中に含まれる。本明細書に引用された全ての
公刊物および特許は、それぞれ個々の公刊物または特許が具体的かつ個別に参照として組
み入れられたかのように、参照として組み入れられたものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)フルオロプラスチックであり、任意に硬化性混合物に対して約1〜70重量%含
まれるフルオロプラスチックおよび(b)フルオロエラストマーゴムを含む硬化可能な混
合物であって、
前記フルオロプラスチックが窒素含有硬化部位と、フッ素化モノマーから誘導される単
位とを含み、
任意に、前記窒素含有硬化部位モノマーがニトリル含有硬化部位モノマーを含み、
任意に、窒素含有硬化部位が
(i)窒素含有硬化部位モノマーであって、任意に、ニトリル含有硬化部位モノマー、ア
ミジン含有硬化部位モノマーおよびその塩、イミデート含有硬化部位モノマー、ならびに
それらの組合せからなる群より選択される、または、
(ii)窒素含有連鎖移動剤
から誘導され、
任意に、前記フッ素化モノマーが、ペルフルオロオレフィン、ペルフルオロビニルエー
テルおよびそれらの組合せからなる群より選択される、混合物。
【請求項2】
(a)フルオロプラスチックおよび(b)フルオロエラストマーゴムを含む硬化された
成形物品であって、
前記フルオロプラスチックが窒素含有硬化部位と、フッ素化モノマーから誘導される単
位とを含み、
任意に、前記窒素含有硬化部位モノマーがニトリル含有硬化部位モノマーを含み、
任意に、窒素含有硬化部位が
(i)窒素含有硬化部位モノマーであって、任意に、ニトリル含有硬化部位モノマー、ア
ミジン含有硬化部位モノマーおよびその塩、イミデート含有硬化部位モノマー、ならびに
それらの組合せからなる群より選択される、または、
(ii)窒素含有連鎖移動剤
から誘導され、
任意に、前記フッ素化モノマーが、ペルフルオロオレフィン、ペルフルオロビニルエー
テルおよびそれらの組合せからなる群より選択され、
任意に、前記物品が70時間×315℃の後で、約70%以下の圧縮永久歪みを有する
、成形物品
【請求項3】
(a)フルオロプラスチック粒子を含むラテックス、および(b)フルオロエラストマ
ーゴム粒子を含むラテックスを含み、前記フルオロプラスチック粒子が、窒素含有硬化部
位とフッ素化モノマーから誘導される単位とを含む、混合物であって、
任意に、前記フルオロプラスチック粒子が、約10〜約500nmの範囲の粒径を有す
る、混合物。
【請求項4】
フルオロプラスチックを調製するための方法であって:
(a)少なくとも1種のフッ素化モノマーを含む第1の重合性組成物を重合反応器の中に
導入する工程;
(b)前記反応器の中で前記組成物を重合させて、少なくとも部分的に重合した組成物を
形成させる工程;
(c)(反応器に導入される組成物の全重量を基準にして)40重量パーセントまで、任
意に約20重量%まで、任意に約10重量%までの第2の重合性組成物を前記反応器に導
入する工程であって、前記組成物が少なくとも70重量パーセントの、窒素含有硬化部位
成分を含む、工程;および
(d)前記窒素含有硬化部位成分を前記フッ素化モノマーと共重合させて、フルオロプラ
スチックを形成させる工程、を含む方法。

【公開番号】特開2011−6692(P2011−6692A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181872(P2010−181872)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【分割の表示】特願2004−565149(P2004−565149)の分割
【原出願日】平成15年12月1日(2003.12.1)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】