立体映像表示装置
【課題】右目に伝達される画像と左目に伝達される画像とが明確に区別されて認識されるようにし、立体表示品質が向上した立体映像表示装置を提供する。
【解決手段】複数の画素を含み、左目に伝達される画像及び右目に伝達される画像をそれぞれ表示する表示装置を備え、表示装置は、左目に伝達される画像と右目に伝達される画像との間にブラックデータ映像を挿入して両画像間の区別を明確にする。また、左目に伝達される画像と右目に伝達される画像とが互いに重畳する画素領域と重畳しない画素領域に、それぞれ互いに異なるデータ電圧を印加して同一の輝度を示すようにする。
【解決手段】複数の画素を含み、左目に伝達される画像及び右目に伝達される画像をそれぞれ表示する表示装置を備え、表示装置は、左目に伝達される画像と右目に伝達される画像との間にブラックデータ映像を挿入して両画像間の区別を明確にする。また、左目に伝達される画像と右目に伝達される画像とが互いに重畳する画素領域と重畳しない画素領域に、それぞれ互いに異なるデータ電圧を印加して同一の輝度を示すようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、超高速情報通信網を根幹として構築された情報の高速化のために実現されるサービスは、現在の電話のような単純に聞いて話すサービスから、文字、音声、映像を高速処理するデジタル端末を中心とした、見て聞くマルチメディア型サービスに発展し、究極的には時空間を超越して、実感があって、立体的で見て感じて楽しむ超空間型の実感3次元立体情報通信サービスに発展すると予想される。
【0003】
一般に、3次元を表現する立体映像は、二つの目を通じたステレオ視覚の原理によって行われることになるが、二つの目の視差、つまり、二つの目が約65mm程度離れて存在するために現れる両眼視差は立体感の最も重要な要因であるといえる。つまり、左右の目は、それぞれ互いに異なる2次元画像を見ることになり、この二つの画像が網膜を通じて脳に伝達されると、脳はこれを正確に互いに融合して、本来の3次元映像の深さ感と実際感を再生することになる。このような能力を通常ステレオグラフィ(stereography)という。
【0004】
立体映像表示装置は両眼視差を利用するものであって、観察者が別途の眼鏡を着用したか否かにより、眼鏡式(stereoscopic)の偏光方式と時分割方式、非メガネ式(autostereoscopic)のパララックスバリア方式、レンチキュラー(lenticular)方式、及びブリンキングライト(blinking light)方式がある。
【0005】
非メガネ式立体映像表示装置は、液晶表示装置の上にレンチキュラーレンズ層を配置して形成する装置が多く使用される。非メガネ式立体映像表示装置は、観察者が直接スクリーンを注視することで、追加的な眼鏡なしに立体映像を見ることができるという長所があるが、右目に伝達される画像と左目に伝達される画像とが明確に区分されないため、立体感が落ちるという短所がある。
【0006】
一方、メガネ式立体映像表示装置は別途の眼鏡を使用しなければならないという点で追加費用が発生するが、多くの人員が立体映像を楽しめ、左目に伝達される画像と右目に伝達される画像とを明確に区分させるので、立体感に優れるという長所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、立体映像表示装置において、右目に伝達される画像と左目に伝達される画像とが明確に区別されて認識されるようにし、立体表示品質が向上した立体映像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の一特徴による立体映像表示装置は、複数の画素を含み、左目に伝達される画像及び右目に伝達される画像をそれぞれ表示する表示装置を備え、前記表示装置は、前記左目に伝達される画像と前記右目に伝達される画像との間に一定の輝度を示す挿入画像を挿入して表示し、前記左目に伝達される画像と前記右目に伝達される画像とが互いに重畳する画素領域と重畳しない画素領域に、それぞれ互いに異なるデータ電圧を印加して同一の輝度を示す。
【0009】
前記左目に伝達される画像と前記右目に伝達される画像とが互いに重畳しない画素に印加するデータ電圧は、入力されたデータを修正した後にデータ電圧に変換して印加することができる。
前記左目に伝達される画像と前記右目に伝達される画像とが互いに重畳する画素に印加するデータ電圧は、入力されたデータを修正せずにデータ電圧に変換して印加することができる。
前記画素において、前記左目に伝達される画像及び前記右目に伝達される画像のいずれか最初に表示されるデータを第1データといい、次に表示されるデータを第2データというとき、前記第2データは前記第1データ及び前記第2データの値に基づいて修正した後、データ電圧に変換して前記画素に印加することができる。
前記第2データの修正は、1フレーム内に前記画素が前記挿入画像によって表示される輝度から、前記第2データによって表示される輝度に変更されるように、前記第2データを修正することができる。
前記第2データの修正は、前記第1データ及び前記第2データの値に基づいて修正された第2データの値を貯蔵しているルックアップテーブルによって行われる。
前記第1データは低い輝度を示し、前記第2データは高い輝度を示す場合、修正された第2データは前記第2データより高い輝度を示すことができる。
前記第1データは高い輝度を示し、前記第2データは低い輝度を示す場合、修正された第2データは前記第2データより低い輝度を示すことができる。
前記挿入画像の前記一定の輝度はブラックを表わすことができる。
左目に伝達される画像は左側画像データ電圧で前記画素に印加され、右目に伝達される画像は右側画像データ電圧で前記画素に印加され、前記挿入画像は挿入データ電圧で前記画素に印加され、前記画素には、前記左側画像データ電圧、前記挿入データ電圧、前記右側画像データ電圧、及び前記挿入データ電圧の順序でデータ電圧を印加することができる。前記挿入画像の前記一定の輝度はブラックを表わすことができる。
前記挿入データ電圧は、ブラックより高い輝度を示す設定された電圧値でありうる。
前記左側画像データ電圧と前記右側画像データ電圧と間の差が一定の範囲以上である場合に、前記挿入データ電圧をブラックより高い輝度を示す電圧値で印加することができる。前記挿入データ電圧は、前記左側画像データ電圧と前記右側画像データ電圧によって表示される輝度を同一にすることができる。
前記左側画像データ電圧と前記右側画像データ電圧のいずれか一つが示す階調が最大ブラック階調より小さく、他の一つが示す階調が最小ホワイト階調より大きい場合に、前記挿入データ電圧をブラックより高い輝度を示す電圧値で印加することができる。前記挿入データ電圧は、前記左側画像データ電圧と前記右側画像データ電圧によって表示される輝度を同一にすることができる。
前記表示装置は、液晶層を含む液晶表示パネルとバックライトユニットとを含むことができる。
前記立体映像表示装置は、交互にオン/オフが行われる一対のレンズを含む眼鏡を更に備え、前記表示装置が左目に伝達される画像及び右目に伝達される画像を表示することと、前記眼鏡がレンズを交互にオン/オフすることとを、互いに同期化することができる。
前記眼鏡と前記表示装置は、無線通信方式で同期することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、立体映像表示装置は、右目に伝達される画像と左目に伝達される画像とが明確に区分されて認識されるようにし、液晶表示装置の特性によって発生する表示問題を除去することで、立体映像の表示品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による立体映像表示装置の動作状態を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態による立体映像表示装置の動作状態を示す概略図である。
【図3】図1及び図2の実施形態による立体映像表示装置の信号波形を示すグラフである。
【図4】本発明の一実施形態で表示しようとする画像を示した図面である。
【図5】本発明の一実施形態で表示しようとする画像を示した図面である。
【図6】図4の実施形態で実際に表示される画像を示した図面である
【図7】図5の実施形態で実際に表示される画像を示した図面である。
【図8】図6及び図7のA領域で変化する輝度レベルを示したグラフである。
【図9】図7のB領域で変化する輝度レベルを示したグラフである。
【図10】本発明の一実施形態によってB領域に表示される輝度レベルを示したグラフである。
【図11】本発明の一実施形態で左目に伝達される画像と右目に伝達される画像間の輝度レベル差による表示輝度レベルを示したグラフである。
【図12】本発明の一実施形態で左目に伝達される画像と右目に伝達される画像間の輝度レベル差による表示輝度レベルを示したグラフである。
【図13】本発明の一実施形態による入力データ変換部を示した概略図である。
【図14】本発明の一実施形態によって挿入データを決める方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の立体映像表示装置を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
【0013】
図面において、種々の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して表わした。明細書の全体にわたって類似する部分に対しては同一の図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるというとき、これは他の部分の“すぐ上”にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の“すぐ上”にあるというときには、中間に他の部分がないことを意味する。
【0014】
図1及び図2は、本発明の一実施形態による立体映像表示装置の動作状態を示す概略図であり、図3は、図1及び図2の実施形態による立体映像表示装置の信号波形を示すグラフである。
【0015】
本実施形態による立体映像表示装置は、大きく、表示装置(図1、2の符号100及び200に対応)と、眼鏡300とを含む。表示装置は液晶表示装置や有機発光表示装置などがあり、以下では表示装置として液晶表示装置を中心に説明する。
【0016】
本発明の一実施形態による表示装置である液晶表示装置は、液晶表示パネル100と、バックライトユニット200とを含む。
【0017】
液晶表示パネル100は、複数の画素を含み、二つの電極間で発生する電界によって液晶配向方向を変更させ、これにより透過する光の量を調節して画像を表示する。
【0018】
本発明で使用できる液晶表示パネル100としては、多様な実施形態があり得る。そのうちの代表的な実施形態について説明すれば、次の通りである。
【0019】
本実施形態による液晶表示パネル100は、上部基板、下部基板、及び上部基板と下部基板との間に注入されている液晶層を含む。
【0020】
下部基板には、ゲート線、データ線、画素電極、及びこれらに接続された薄膜トランジスタが形成されている。薄膜トランジスタは、ゲート線及びデータ線に印加される信号に基づいて画素電極に印加される電圧を制御するが、これはゲート線を通じて印加される電圧が一定水準以上の電圧であれば、データ線に印加される電圧を薄膜トランジスタのソース側からドレイン側に伝送し、ドレイン電極と接続された画素電極に当該電圧がかかるようにして制御する。実施形態によっては、画素電極が、透過領域と反射領域とを有する半透過型画素電極で形成されることもある。また、保持容量キャパシタを追加形成することもでき、これは画素電極に印加された電圧が一定期間の間で維持されるようにする。薄膜トランジスタと画素電極は一つの画素ごとに形成されている。
【0021】
一方、下部基板に対向する上部基板には、ブラックマトリックス、カラーフィルタ、及び共通電極が形成されている。
【0022】
上部基板と下部基板との間に注入された液晶層は、共通電極と画素電極との間に電界が印加されない場合に、基板面に対して垂直配向されているVA(vertically aligned)モードの液晶を使用する。一方、液晶層はTN(Twisted nematic)モード、ECB(Electrically controlled birefringence)モードなどの液晶を使用することもできる。
【0023】
上部基板の外側面及び下部基板の外側面にはそれぞれ偏光板が付着されており、実施形態によっては基板面と偏光板との間に補償フィルムを追加しても良い。
【0024】
実施形態によっては、上部基板に形成されたカラーフィルタ、ブラックマトリックス、及び共通電極のうちの少なくとも一つを下部基板に形成でき、共通電極と画素電極が全て下部基板に形成された場合には、両電極のうちの少なくとも一つを線状電極形態に形成できる。
【0025】
バックライトユニット200は、液晶表示パネル100に光を提供するためのものであり、ランプを含む。ランプから放出した光を液晶表示パネル100に向かうようにするために、反射板、導光板、及び輝度向上フィルムなどを追加的に形成できる。ランプには、CCFLのような蛍光ランプを使用することも可能であり、LEDも使用可能である。
【0026】
バックライトユニット200で、液晶表示パネル100に入射した光は、液晶表示パネル100を透過したり遮断されたりして、光の透過程度によって階調が表現される。
【0027】
一方、眼鏡300は、液晶表示パネル100と同調され、一定の周期で右側レンズ302、302’と左側レンズ301、301’とが交互に光を遮断するように形成されている。つまり、右側レンズ302の場合、まず、光が遮断(オフ)され、このとき、左側レンズ301は光が透過(オン)する。その後、右側レンズ302’に光が透過(オン)し、このとき、左側レンズ301’は光が遮断(オフ)される。その結果、一定期間の間には左目だけで画像を認識するようになり(図1参照)、その後、一定期間の間には右目だけで画像を認識するようになる(図2参照)。左目と右目で認識された画像の差によって立体映像を認識するようになる。
【0028】
このように、眼鏡300のレンズ301、302がオン/オフされるとき、液晶表示パネル100ではこれに合わせて左目に伝達される画像と、右目に伝達される画像とをそれぞれ表示するようになる。
【0029】
このために、液晶表示パネル100では、左目に伝達される画像と右目に伝達される画像とが、それぞれ表示されるようにし、このとき、左目に伝達される画像と右目に伝達される画像とを区分させるために、両画像の間にブラックデータを挿入する。
【0030】
つまり、液晶表示パネル100は、左目に伝達される画像を次のように表示する。(図3のN及びN+1フレームと、図1参照)
【0031】
順次にゲート線にゲートオン電圧を印加して、当該ゲート線に接続された薄膜トランジスタを通じて画素電極にデータ電圧が印加されるようにする。このとき、印加されるデータ電圧は、左目に伝達される画像を表現するためのデータ電圧(以下、左側データ電圧という)であり、印加された左側データ電圧は、保持容量キャパシタによって一定期間の間で維持される(図3のNフレーム参照)。図3には、一番目の画素行に対するデータ電圧、中間画素行に対するデータ電圧、及び最後の画素行に対するデータ電圧だけを示している。図1で示したN番目のフレームのパネル100は、最後の画素行にデータ電圧が印加された後の状態を示す。図1〜図3の他のフレームも、上記N番目フレームに対する説明に準じて示している。
【0032】
その後、再び順次にゲート線にゲートオン電圧を印加して、当該ゲート線に接続された薄膜トランジスタを通じて画素電極にブラックデータ電圧が印加されるようにする。このとき、印加されるブラックデータ電圧は、左目に伝達される画像と右目に伝達される画像との間に挿入されるブラック画像を表示するためのものであって、これによって両画像が容易に区分される。印加されたブラックデータ電圧も保持容量キャパシタによって一定期間の間で維持される。(図3のN+1フレーム参照)
【0033】
その後、液晶表示パネルは、右目に伝達される画像を次のように表示する。(図3のN+2及びN+3フレームと、図2参照)
【0034】
順次にゲート線にゲートオン電圧を印加して、当該ゲート線に接続された薄膜トランジスタを通じて画素電極にデータ電圧が印加されるようにする。このとき、印加されるデータ電圧は、右目に伝達される画像を表現するためのデータ電圧(以下、右側データ電圧という)であり、印加された右側データ電圧は保持容量キャパシタによって一定期間の間で維持される(図3のN+2フレーム参照)。
【0035】
その後、再び順次にゲート線にゲートオン電圧を印加して、当該ゲート線に接続された薄膜トランジスタを通じて画素電極にブラックデータ電圧が印加されるようにする。このとき、印加されるブラックデータ電圧は、右目に伝達される画像と左目に伝達される画像との間に挿入されるブラック画像を表示するためのものであって、これによって両画像が容易に区分される。また、印加されたブラックデータ電圧も保持容量キャパシタによって一定期間の間で維持される(図3のN+3フレーム参照)。
【0036】
図1及び図2を参照すると、液晶表示パネルの動作と、眼鏡のオン/オフ動作との関係が明確に示されている。ここで、液晶表示パネル100に示した矢印方向は、ゲート線にゲートオン電圧が印加される順序を示す。つまり、本実施形態では、パネルの上部ゲート線からゲートオン信号が印加され、順次にゲートオン信号が印加されることを示す。
【0037】
図1及び図2で、液晶表示パネル100とバックライトユニット200を上下に示しているが、実際は液晶表示パネル100の背面にバックライトユニット200が位置する。液晶表示パネル100とバックライトユニット200は、図1及び図2で総4組を示したが、左側から、左目に伝達される画像を表示した状態(Nフレーム)、ブラックデータを表わした状態(N+1フレーム)、右目に伝達される画像を表示した状態(N+2フレーム)、及びブラックデータ(N+3フレーム)を表わした状態を示す。これに同調して、眼鏡300はNフレーム及びN+1フレームでは左側レンズ301がオンの状態であり、右側レンズ302はオフの状態である。また、N+2フレーム及びN+3フレームでは左側レンズ301’がオフの状態であり、右側レンズ302’はオンの状態である。つまり、眼鏡300は、液晶表示パネル100の二つのフレームごとにオン/オフ状態が変わるように設定する。本実施形態では、液晶表示パネル100の各フレームは240Hzの反転周期を有することができ、眼鏡300は120Hzの反転周期を有することができる。
【0038】
その結果、左目で認識される画像はNフレームで表わした画像、つまり、四角形101及び三角形102が距離αほど離れている画像である。一方、右目で認識される画像はN+2フレームで表わした画像、つまり、四角形101’及び三角形102’が距離βほど離れている画像である。このように、両目で認識される画像間の離れた距離が異なる場合、これにより四角形と三角形に互いに異なる距離感を有するようになって、四角形の後に三角形が離れていると認識するようになり、立体感を感じる。三角形と四角形が離れている距離α及びβを調節することにより、両物体が離れていると感じる距離(深さ感)を調節することができる。
【0039】
以上では、ブラックデータ映像を挿入するN+1フレーム及びN+3フレームについて説明した。このようなブラックデータ映像の挿入により、左目に伝達される画像と右目に伝達される画像との区分が明確になり、これについては図3を参照して説明する。
【0040】
一般に、データ電圧が画素電極に印加されると、液晶層は印加されたデータ電圧によって発生した電界に沿って配向方向を変更するが、一定の時間が要求される。図3のパネルでは、印加された電界方向に液晶層の配向方向が変わる際に、一定の時間がかかるということを太線で示している。(ここで、薄い四角波形は印加されるデータ電圧の変化を示す。)つまり、データ電圧が瞬間的に変わっても、液晶の配向方向が変わって輝度レベルが所望するレベルに至るまでは時間がかかるということを示している。また、1フレームで最初にデータ電圧が印加される画素行と、最後にデータ電圧が印加される画素行との間のデータ電圧の印加時間の差も存在する。
【0041】
従って、このような時間差によって左目に伝達される画像を表示した後、次のフレームで直ちに右目に伝達される画像を表示する場合には、眼鏡300のレンズのオン/オフが変わった状態でも、依然として反対側に印加される画像がしばらく認識されるはずである。これは、両目間のステレオグラフィを弱くして、立体画像の表示品質を低下させる。しかし、本発明のように、左側データ電圧と右側データ電圧との間にブラックデータ電圧を挿入することにより、左目は左目に伝達される画像とブラックデータ画像を視認し、右目も右目に伝達される画像とブラックデータ画像を視認して、両目間のステレオグラフをそのまま維持するようになる。その結果、立体画像の表示品質が向上する。
【0042】
以上のように、本発明の一実施形態では、左側データ電圧と右側データ電圧との間にブラックデータ電圧を挿入する。但し、以上ではブラックデータ電圧であると言及したが、これはブラックを表わすデータ電圧だけでなく、ブラックより高い輝度を示すデータ電圧であり得る。ブラックデータ電圧の代わりに印加されるデータ電圧は、実施形態別に多様であり得る。
【0043】
以下、図4〜図9を参照して、液晶表示パネルに印加するデータ電圧の修正について説明する。
【0044】
図4及び図5は、本発明の一実施形態で表示しようとする画像を示した図面であり、図6及び図7は、図4及び図5の実施形態で実際に表示される画像を示した図面であり、図8は、図6及び図7のA領域で変化する輝度レベルを示したグラフであり、図9は、図7のB領域で変化する輝度レベルを示したグラフである。
【0045】
図4は、Nフレームで左目に伝達される画像を表示した液晶表示パネルを示し、図5はN+3フレームで右目に伝達される画像を表示した液晶表示パネルを示している。
【0046】
図4及び図5は、互いに重畳する領域(つまり、図6及び図7においてAで示す領域)と、重畳しない領域(つまり、図6及び図7においてBで示す領域)とを有する。一方、図4及び図5において、四角形の外側部分はブラックを表わしている。
【0047】
図4及び図5のような画像を表示するために、液晶表示パネルに電圧を印加すると、実際には図6及び図7のような画像が表示される。つまり、左目に伝達される画像と右目に伝達される画像とが互いに重畳するA領域は、表示しようとする輝度G2で示される。しかし、両画像が重畳しないB領域は、表示しようとする輝度に比べて低い輝度G1で示される。その理由は、それぞれ図8及び図9に示している。
【0048】
図8及び図9では、輝度レベルの変化を、フレームを基準として示しており、G2は表示しようとする輝度レベルであり、G1はG2より低い輝度レベルを示す。
【0049】
まず、A領域の輝度レベルの変化を、図8を参照して説明する。A領域はNフレームで画像を表示する画像データ電圧が印加され、N+1フレームではブラックデータ電圧が印加され、N+2フレームでは再び同一の画像データ電圧が印加され、N+3フレームではブラックデータ電圧が印加される。
【0050】
このように印加される場合、A領域における輝度レベル変化は図8の通りである。つまり、ブラックデータ電圧が印加される区間の前後に、同一の画像データ電圧が印加されるので、表示輝度からブラック輝度に落ちる期間が短く、N+1フレーム及びN+3フレームでブラックより高い輝度を示すようになるが、表示しようとする輝度は十分に示すことができる。つまり、左目に伝達される画像と右目に伝達される画像とは目標輝度が視認される。
【0051】
一方、挿入されるデータ電圧はブラックデータ電圧であるが、表示される画像はブラックより高い輝度を示すようになり、これは、挿入されるデータ電圧がブラックデータ電圧より高い輝度を示すデータ電圧を印加する場合と同様の結果を有する。
【0052】
一方、B領域中、図7のB領域の輝度レベルは図9に示したように変化する。つまり、総4個のフレーム中に1度だけ目標輝度を示す映像データ電圧が印加され、残りフレームではブラックデータ電圧が印加されるので、ブラックに落ちる期間が長く、ブラック画像は十分に低い輝度に表現できるが、データ電圧が印加されるフレームには十分に高いG2輝度レベルを表示することができず、これよりも低いG1輝度レベルだけを表示するようになる。その結果、表示しようとする輝度よりも低い輝度を表示するはずである。これは図6のB領域も同様である。
【0053】
図9に示したように、左に伝達される画像と右側に伝達される画像とが互いに重畳しないB領域で発生する問題を除去するために、B領域に印加する電圧を補正して印加する必要がある。これは図10で示している。
【0054】
図10は、本発明の一実施形態によってB領域に表示する輝度レベルを示したグラフである。ここで、G3は、修正されたデータ電圧に応じた場合に表示される輝度レベルを示す。
【0055】
B領域ではG2輝度レベルを表示しなければならないが、応答速度が遅いため、G1輝度レベルだけが表示されるということは図9で説明した(図10の一点鎖線グラフと同一)。このような場合、一般にA領域に印加するデータ電圧より高いデータ電圧(図10でG3輝度レベルを表示できるデータ電圧)を印加して、1フレーム間に輝度レベルが速やかに変わるようにして、G2輝度レベルを表示するようにする(図10の実線グラフ参照)。
【0056】
このように、B領域で印加するデータ電圧を、A領域で印加するデータ電圧より高くして、液晶層が配向方向を更に速やかにすることにより、B領域でも目標とする輝度を示すようにする。つまり、両画像が重畳するA領域と両画像が重畳しないB領域とには互いに異なるデータ電圧を印加するが、同一の輝度を示すようになる。
【0057】
以上の実施形態では、A領域よりB領域で高いデータ電圧を印加することを記述したが、低いデータ電圧を印加する場合も可能である。つまり、データ電圧の修正は、データ電圧を高く変更することではなく、液晶層の配向方向がより速やかに変動できるようにする方向にデータ電圧を変更することが可能である。
【0058】
以上では、左側に印加される画像用データ電圧と、右側に印加される画像用データ電圧とが同一の場合について説明した。
【0059】
以下、互いに異なる電圧が印加される場合に印加するデータ電圧の修正について説明し、これは図11及び図12に示した。
【0060】
図11及び図12は、本発明の一実施形態で左目に伝達される画像と右目に伝達される画像との輝度レベル差による表示輝度レベルを示したグラフである。
【0061】
まず、図11を参照して説明する。図11において、左目に伝達される画像はGp輝度レベルを表示し、右目に伝達される目標画像はGp輝度レベルより高いGc目標輝度レベルを表示するようにする場合を示している。
【0062】
1フレーム間のGc目標輝度レベルを表わすようにデータ電圧を印加すると、図11の一点鎖線のようにGf輝度レベルを表わすだけで、Gc目標輝度レベルまで表示することはできない。従って、Gc目標輝度レベルより高い輝度レベルGaを表示するデータ電圧を印加して、1フレーム間にGc目標輝度レベルを表示するようにしなければならない。
【0063】
一方、図12では、左目に伝達される画像はGp輝度レベルを表示し、右目に伝達される目標画像はGp輝度レベルより低いGc輝度レベルを表示するようにする場合を示している。
【0064】
一般に、Gc目標輝度レベルを表示するようにデータ電圧を印加すると、図12の一点鎖線のようにGc目標輝度レベルより高いGf輝度レベルを表わすだけで、Gc輝度レベルまで落ちることはできない。つまり、N+1フレームで印加された挿入データ(ブラックデータ又はブラックデータより高い輝度を示すデータ)が、十分に低い輝度レベルまで落ちることができないので、N+2フレームでは相対的に高い輝度レベルを表示するようになる。従って、Gc輝度レベルより低い輝度レベルGaを表示するデータ電圧を印加して、1フレーム間にGc輝度レベルに落ちるようにしなければならない。
【0065】
一方、図11及び図12では、ブラックデータより高いデータ電圧が印加された場合を示しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、データ電圧が印加された場合、それぞれ表示しようとする輝度が表示されるようにデータ電圧を修正することができる。
【0066】
図11及び図12に示したようなデータ電圧の修正は、図13に示す構成によって行える。
【0067】
図13は、本発明の一実施形態による入力データ変換部を示した概略図である。
【0068】
図13において、Gn及びGn−1は、これらのいずれか一つが右側画像データであり、他の一つは左側画像データを示す。Gnが左側画像データの場合にはGn−1は右側画像データであり、Gnが右側画像データの場合にはGn−1は左側画像データである。
【0069】
図13で、LUTはルックアップテーブルを示し、GnとGn−1値に対して修正階調データGcnが保存されている。修正階調データGcnは、図4〜図7で互いに重畳する領域と重畳しない領域との輝度レベルを同一にするデータであって、図10〜図12に示したように、本来のデータに比べ、大きいか、又は小さいデータ値を有することができる。
【0070】
つまり、まず入力された画像データGn−1は、フレームメモリFrame Memに保存され、次にデータGnが入力されると、GnとGn−1に基づいてルックアップテーブルで修正階調データGcnを探して出力する。出力された修正階調データGcnは、Gnデータの代わりに画像を表示するデータとして使用される。
【0071】
上記ではブラックデータに対する言及がないが、ブラックデータは、修正階調データGcnと、次のフレームの修正階調データとの間に挿入される。
【0072】
一方、修正階調データGcnは、データ電圧に変わってデータ線に印加される。
【0073】
一方、図4〜図13に示したようなデータの修正は、液晶層の応答速度が駆動速度に付いてこられない場合であるので、液晶層が十分に速い応答速度を有するか、又は印加されたデータが十分に速やかに表示される場合には、このようなデータ処理が不要になることもある。
【0074】
上記では、ブラックデータの代わりにブラックより高い輝度を示す任意のデータを挿入することも可能であると記述したが、以下でこれについて説明する。
【0075】
一般に、左側画像データと右側画像データとの間にはブラックデータを挿入できるが、左側画像データと右側画像データとの差が大きい場合には、ブラックデータを印加してもブラックを表示できないこともあるので、この場合にはブラックより高い輝度を示す挿入 データを挿入することができ、これは図14でフローチャートに示している。
【0076】
図14は、本発明の一実施形態によって挿入データを決める方法を示すフローチャートである。
【0077】
図14において、Gn−1は左側画像データ及び右側画像データのいずれか一つを示し、Gnは残り一つを示す。Black_maxは低階調を示すデータのうち、定められた最大の階調データ値であり、White_minは高諧調を示すデータのうち、定められた最小の階調データ値である。
【0078】
つまり、左側画像データから右側画像データに変わるか、又はその反対の場合に、両データが全てBlack_maxとWhite_minとの間に存在せず、これらのいずれか一つはBlack_maxより低いデータ値であり、他の一つはWhite_minより大きい値のときには、1フレーム内で輝度変更が不可能であるので、ブラックデータ(black data)の代わりに、ブラックよりも高い輝度を示す定められた挿入データ(Specified gray data)を印加する。その結果、右側画像データや左側画像データが所望する表示輝度を示すことができる。
【0079】
ここで、Black_max、White_min、及び定められた挿入データ値は、1フレームの期間及び液晶層の反応速度によって定められる。
【0080】
以上のような立体映像表示装置では、眼鏡300と表示装置(図1、2の100、200参照)との間の動作が同期化される必要がある。同期化のために、表示装置内には別途の同期信号発生部を要し、眼鏡300にはこれを受信してレンズをオン/オフさせる装置が必要である。眼鏡300と表示装置の同期のために、赤外線(IR)通信のように光を利用するか、又はBluetooth(登録商標)のような短距離無線通信を利用することもできる。また、眼鏡300と表示装置の間を有線で接続して同期化させることもできるなど多様な実施形態が存在する。
【0081】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0082】
100 液晶表示パネル
101、101’ 四角形
102、102’ 三角形
200 バックライトユニット
300 眼鏡
301、301’ 左側レンズ
302、302’ 右側レンズ
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、超高速情報通信網を根幹として構築された情報の高速化のために実現されるサービスは、現在の電話のような単純に聞いて話すサービスから、文字、音声、映像を高速処理するデジタル端末を中心とした、見て聞くマルチメディア型サービスに発展し、究極的には時空間を超越して、実感があって、立体的で見て感じて楽しむ超空間型の実感3次元立体情報通信サービスに発展すると予想される。
【0003】
一般に、3次元を表現する立体映像は、二つの目を通じたステレオ視覚の原理によって行われることになるが、二つの目の視差、つまり、二つの目が約65mm程度離れて存在するために現れる両眼視差は立体感の最も重要な要因であるといえる。つまり、左右の目は、それぞれ互いに異なる2次元画像を見ることになり、この二つの画像が網膜を通じて脳に伝達されると、脳はこれを正確に互いに融合して、本来の3次元映像の深さ感と実際感を再生することになる。このような能力を通常ステレオグラフィ(stereography)という。
【0004】
立体映像表示装置は両眼視差を利用するものであって、観察者が別途の眼鏡を着用したか否かにより、眼鏡式(stereoscopic)の偏光方式と時分割方式、非メガネ式(autostereoscopic)のパララックスバリア方式、レンチキュラー(lenticular)方式、及びブリンキングライト(blinking light)方式がある。
【0005】
非メガネ式立体映像表示装置は、液晶表示装置の上にレンチキュラーレンズ層を配置して形成する装置が多く使用される。非メガネ式立体映像表示装置は、観察者が直接スクリーンを注視することで、追加的な眼鏡なしに立体映像を見ることができるという長所があるが、右目に伝達される画像と左目に伝達される画像とが明確に区分されないため、立体感が落ちるという短所がある。
【0006】
一方、メガネ式立体映像表示装置は別途の眼鏡を使用しなければならないという点で追加費用が発生するが、多くの人員が立体映像を楽しめ、左目に伝達される画像と右目に伝達される画像とを明確に区分させるので、立体感に優れるという長所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、立体映像表示装置において、右目に伝達される画像と左目に伝達される画像とが明確に区別されて認識されるようにし、立体表示品質が向上した立体映像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の一特徴による立体映像表示装置は、複数の画素を含み、左目に伝達される画像及び右目に伝達される画像をそれぞれ表示する表示装置を備え、前記表示装置は、前記左目に伝達される画像と前記右目に伝達される画像との間に一定の輝度を示す挿入画像を挿入して表示し、前記左目に伝達される画像と前記右目に伝達される画像とが互いに重畳する画素領域と重畳しない画素領域に、それぞれ互いに異なるデータ電圧を印加して同一の輝度を示す。
【0009】
前記左目に伝達される画像と前記右目に伝達される画像とが互いに重畳しない画素に印加するデータ電圧は、入力されたデータを修正した後にデータ電圧に変換して印加することができる。
前記左目に伝達される画像と前記右目に伝達される画像とが互いに重畳する画素に印加するデータ電圧は、入力されたデータを修正せずにデータ電圧に変換して印加することができる。
前記画素において、前記左目に伝達される画像及び前記右目に伝達される画像のいずれか最初に表示されるデータを第1データといい、次に表示されるデータを第2データというとき、前記第2データは前記第1データ及び前記第2データの値に基づいて修正した後、データ電圧に変換して前記画素に印加することができる。
前記第2データの修正は、1フレーム内に前記画素が前記挿入画像によって表示される輝度から、前記第2データによって表示される輝度に変更されるように、前記第2データを修正することができる。
前記第2データの修正は、前記第1データ及び前記第2データの値に基づいて修正された第2データの値を貯蔵しているルックアップテーブルによって行われる。
前記第1データは低い輝度を示し、前記第2データは高い輝度を示す場合、修正された第2データは前記第2データより高い輝度を示すことができる。
前記第1データは高い輝度を示し、前記第2データは低い輝度を示す場合、修正された第2データは前記第2データより低い輝度を示すことができる。
前記挿入画像の前記一定の輝度はブラックを表わすことができる。
左目に伝達される画像は左側画像データ電圧で前記画素に印加され、右目に伝達される画像は右側画像データ電圧で前記画素に印加され、前記挿入画像は挿入データ電圧で前記画素に印加され、前記画素には、前記左側画像データ電圧、前記挿入データ電圧、前記右側画像データ電圧、及び前記挿入データ電圧の順序でデータ電圧を印加することができる。前記挿入画像の前記一定の輝度はブラックを表わすことができる。
前記挿入データ電圧は、ブラックより高い輝度を示す設定された電圧値でありうる。
前記左側画像データ電圧と前記右側画像データ電圧と間の差が一定の範囲以上である場合に、前記挿入データ電圧をブラックより高い輝度を示す電圧値で印加することができる。前記挿入データ電圧は、前記左側画像データ電圧と前記右側画像データ電圧によって表示される輝度を同一にすることができる。
前記左側画像データ電圧と前記右側画像データ電圧のいずれか一つが示す階調が最大ブラック階調より小さく、他の一つが示す階調が最小ホワイト階調より大きい場合に、前記挿入データ電圧をブラックより高い輝度を示す電圧値で印加することができる。前記挿入データ電圧は、前記左側画像データ電圧と前記右側画像データ電圧によって表示される輝度を同一にすることができる。
前記表示装置は、液晶層を含む液晶表示パネルとバックライトユニットとを含むことができる。
前記立体映像表示装置は、交互にオン/オフが行われる一対のレンズを含む眼鏡を更に備え、前記表示装置が左目に伝達される画像及び右目に伝達される画像を表示することと、前記眼鏡がレンズを交互にオン/オフすることとを、互いに同期化することができる。
前記眼鏡と前記表示装置は、無線通信方式で同期することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、立体映像表示装置は、右目に伝達される画像と左目に伝達される画像とが明確に区分されて認識されるようにし、液晶表示装置の特性によって発生する表示問題を除去することで、立体映像の表示品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による立体映像表示装置の動作状態を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態による立体映像表示装置の動作状態を示す概略図である。
【図3】図1及び図2の実施形態による立体映像表示装置の信号波形を示すグラフである。
【図4】本発明の一実施形態で表示しようとする画像を示した図面である。
【図5】本発明の一実施形態で表示しようとする画像を示した図面である。
【図6】図4の実施形態で実際に表示される画像を示した図面である
【図7】図5の実施形態で実際に表示される画像を示した図面である。
【図8】図6及び図7のA領域で変化する輝度レベルを示したグラフである。
【図9】図7のB領域で変化する輝度レベルを示したグラフである。
【図10】本発明の一実施形態によってB領域に表示される輝度レベルを示したグラフである。
【図11】本発明の一実施形態で左目に伝達される画像と右目に伝達される画像間の輝度レベル差による表示輝度レベルを示したグラフである。
【図12】本発明の一実施形態で左目に伝達される画像と右目に伝達される画像間の輝度レベル差による表示輝度レベルを示したグラフである。
【図13】本発明の一実施形態による入力データ変換部を示した概略図である。
【図14】本発明の一実施形態によって挿入データを決める方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の立体映像表示装置を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
【0013】
図面において、種々の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して表わした。明細書の全体にわたって類似する部分に対しては同一の図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるというとき、これは他の部分の“すぐ上”にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の“すぐ上”にあるというときには、中間に他の部分がないことを意味する。
【0014】
図1及び図2は、本発明の一実施形態による立体映像表示装置の動作状態を示す概略図であり、図3は、図1及び図2の実施形態による立体映像表示装置の信号波形を示すグラフである。
【0015】
本実施形態による立体映像表示装置は、大きく、表示装置(図1、2の符号100及び200に対応)と、眼鏡300とを含む。表示装置は液晶表示装置や有機発光表示装置などがあり、以下では表示装置として液晶表示装置を中心に説明する。
【0016】
本発明の一実施形態による表示装置である液晶表示装置は、液晶表示パネル100と、バックライトユニット200とを含む。
【0017】
液晶表示パネル100は、複数の画素を含み、二つの電極間で発生する電界によって液晶配向方向を変更させ、これにより透過する光の量を調節して画像を表示する。
【0018】
本発明で使用できる液晶表示パネル100としては、多様な実施形態があり得る。そのうちの代表的な実施形態について説明すれば、次の通りである。
【0019】
本実施形態による液晶表示パネル100は、上部基板、下部基板、及び上部基板と下部基板との間に注入されている液晶層を含む。
【0020】
下部基板には、ゲート線、データ線、画素電極、及びこれらに接続された薄膜トランジスタが形成されている。薄膜トランジスタは、ゲート線及びデータ線に印加される信号に基づいて画素電極に印加される電圧を制御するが、これはゲート線を通じて印加される電圧が一定水準以上の電圧であれば、データ線に印加される電圧を薄膜トランジスタのソース側からドレイン側に伝送し、ドレイン電極と接続された画素電極に当該電圧がかかるようにして制御する。実施形態によっては、画素電極が、透過領域と反射領域とを有する半透過型画素電極で形成されることもある。また、保持容量キャパシタを追加形成することもでき、これは画素電極に印加された電圧が一定期間の間で維持されるようにする。薄膜トランジスタと画素電極は一つの画素ごとに形成されている。
【0021】
一方、下部基板に対向する上部基板には、ブラックマトリックス、カラーフィルタ、及び共通電極が形成されている。
【0022】
上部基板と下部基板との間に注入された液晶層は、共通電極と画素電極との間に電界が印加されない場合に、基板面に対して垂直配向されているVA(vertically aligned)モードの液晶を使用する。一方、液晶層はTN(Twisted nematic)モード、ECB(Electrically controlled birefringence)モードなどの液晶を使用することもできる。
【0023】
上部基板の外側面及び下部基板の外側面にはそれぞれ偏光板が付着されており、実施形態によっては基板面と偏光板との間に補償フィルムを追加しても良い。
【0024】
実施形態によっては、上部基板に形成されたカラーフィルタ、ブラックマトリックス、及び共通電極のうちの少なくとも一つを下部基板に形成でき、共通電極と画素電極が全て下部基板に形成された場合には、両電極のうちの少なくとも一つを線状電極形態に形成できる。
【0025】
バックライトユニット200は、液晶表示パネル100に光を提供するためのものであり、ランプを含む。ランプから放出した光を液晶表示パネル100に向かうようにするために、反射板、導光板、及び輝度向上フィルムなどを追加的に形成できる。ランプには、CCFLのような蛍光ランプを使用することも可能であり、LEDも使用可能である。
【0026】
バックライトユニット200で、液晶表示パネル100に入射した光は、液晶表示パネル100を透過したり遮断されたりして、光の透過程度によって階調が表現される。
【0027】
一方、眼鏡300は、液晶表示パネル100と同調され、一定の周期で右側レンズ302、302’と左側レンズ301、301’とが交互に光を遮断するように形成されている。つまり、右側レンズ302の場合、まず、光が遮断(オフ)され、このとき、左側レンズ301は光が透過(オン)する。その後、右側レンズ302’に光が透過(オン)し、このとき、左側レンズ301’は光が遮断(オフ)される。その結果、一定期間の間には左目だけで画像を認識するようになり(図1参照)、その後、一定期間の間には右目だけで画像を認識するようになる(図2参照)。左目と右目で認識された画像の差によって立体映像を認識するようになる。
【0028】
このように、眼鏡300のレンズ301、302がオン/オフされるとき、液晶表示パネル100ではこれに合わせて左目に伝達される画像と、右目に伝達される画像とをそれぞれ表示するようになる。
【0029】
このために、液晶表示パネル100では、左目に伝達される画像と右目に伝達される画像とが、それぞれ表示されるようにし、このとき、左目に伝達される画像と右目に伝達される画像とを区分させるために、両画像の間にブラックデータを挿入する。
【0030】
つまり、液晶表示パネル100は、左目に伝達される画像を次のように表示する。(図3のN及びN+1フレームと、図1参照)
【0031】
順次にゲート線にゲートオン電圧を印加して、当該ゲート線に接続された薄膜トランジスタを通じて画素電極にデータ電圧が印加されるようにする。このとき、印加されるデータ電圧は、左目に伝達される画像を表現するためのデータ電圧(以下、左側データ電圧という)であり、印加された左側データ電圧は、保持容量キャパシタによって一定期間の間で維持される(図3のNフレーム参照)。図3には、一番目の画素行に対するデータ電圧、中間画素行に対するデータ電圧、及び最後の画素行に対するデータ電圧だけを示している。図1で示したN番目のフレームのパネル100は、最後の画素行にデータ電圧が印加された後の状態を示す。図1〜図3の他のフレームも、上記N番目フレームに対する説明に準じて示している。
【0032】
その後、再び順次にゲート線にゲートオン電圧を印加して、当該ゲート線に接続された薄膜トランジスタを通じて画素電極にブラックデータ電圧が印加されるようにする。このとき、印加されるブラックデータ電圧は、左目に伝達される画像と右目に伝達される画像との間に挿入されるブラック画像を表示するためのものであって、これによって両画像が容易に区分される。印加されたブラックデータ電圧も保持容量キャパシタによって一定期間の間で維持される。(図3のN+1フレーム参照)
【0033】
その後、液晶表示パネルは、右目に伝達される画像を次のように表示する。(図3のN+2及びN+3フレームと、図2参照)
【0034】
順次にゲート線にゲートオン電圧を印加して、当該ゲート線に接続された薄膜トランジスタを通じて画素電極にデータ電圧が印加されるようにする。このとき、印加されるデータ電圧は、右目に伝達される画像を表現するためのデータ電圧(以下、右側データ電圧という)であり、印加された右側データ電圧は保持容量キャパシタによって一定期間の間で維持される(図3のN+2フレーム参照)。
【0035】
その後、再び順次にゲート線にゲートオン電圧を印加して、当該ゲート線に接続された薄膜トランジスタを通じて画素電極にブラックデータ電圧が印加されるようにする。このとき、印加されるブラックデータ電圧は、右目に伝達される画像と左目に伝達される画像との間に挿入されるブラック画像を表示するためのものであって、これによって両画像が容易に区分される。また、印加されたブラックデータ電圧も保持容量キャパシタによって一定期間の間で維持される(図3のN+3フレーム参照)。
【0036】
図1及び図2を参照すると、液晶表示パネルの動作と、眼鏡のオン/オフ動作との関係が明確に示されている。ここで、液晶表示パネル100に示した矢印方向は、ゲート線にゲートオン電圧が印加される順序を示す。つまり、本実施形態では、パネルの上部ゲート線からゲートオン信号が印加され、順次にゲートオン信号が印加されることを示す。
【0037】
図1及び図2で、液晶表示パネル100とバックライトユニット200を上下に示しているが、実際は液晶表示パネル100の背面にバックライトユニット200が位置する。液晶表示パネル100とバックライトユニット200は、図1及び図2で総4組を示したが、左側から、左目に伝達される画像を表示した状態(Nフレーム)、ブラックデータを表わした状態(N+1フレーム)、右目に伝達される画像を表示した状態(N+2フレーム)、及びブラックデータ(N+3フレーム)を表わした状態を示す。これに同調して、眼鏡300はNフレーム及びN+1フレームでは左側レンズ301がオンの状態であり、右側レンズ302はオフの状態である。また、N+2フレーム及びN+3フレームでは左側レンズ301’がオフの状態であり、右側レンズ302’はオンの状態である。つまり、眼鏡300は、液晶表示パネル100の二つのフレームごとにオン/オフ状態が変わるように設定する。本実施形態では、液晶表示パネル100の各フレームは240Hzの反転周期を有することができ、眼鏡300は120Hzの反転周期を有することができる。
【0038】
その結果、左目で認識される画像はNフレームで表わした画像、つまり、四角形101及び三角形102が距離αほど離れている画像である。一方、右目で認識される画像はN+2フレームで表わした画像、つまり、四角形101’及び三角形102’が距離βほど離れている画像である。このように、両目で認識される画像間の離れた距離が異なる場合、これにより四角形と三角形に互いに異なる距離感を有するようになって、四角形の後に三角形が離れていると認識するようになり、立体感を感じる。三角形と四角形が離れている距離α及びβを調節することにより、両物体が離れていると感じる距離(深さ感)を調節することができる。
【0039】
以上では、ブラックデータ映像を挿入するN+1フレーム及びN+3フレームについて説明した。このようなブラックデータ映像の挿入により、左目に伝達される画像と右目に伝達される画像との区分が明確になり、これについては図3を参照して説明する。
【0040】
一般に、データ電圧が画素電極に印加されると、液晶層は印加されたデータ電圧によって発生した電界に沿って配向方向を変更するが、一定の時間が要求される。図3のパネルでは、印加された電界方向に液晶層の配向方向が変わる際に、一定の時間がかかるということを太線で示している。(ここで、薄い四角波形は印加されるデータ電圧の変化を示す。)つまり、データ電圧が瞬間的に変わっても、液晶の配向方向が変わって輝度レベルが所望するレベルに至るまでは時間がかかるということを示している。また、1フレームで最初にデータ電圧が印加される画素行と、最後にデータ電圧が印加される画素行との間のデータ電圧の印加時間の差も存在する。
【0041】
従って、このような時間差によって左目に伝達される画像を表示した後、次のフレームで直ちに右目に伝達される画像を表示する場合には、眼鏡300のレンズのオン/オフが変わった状態でも、依然として反対側に印加される画像がしばらく認識されるはずである。これは、両目間のステレオグラフィを弱くして、立体画像の表示品質を低下させる。しかし、本発明のように、左側データ電圧と右側データ電圧との間にブラックデータ電圧を挿入することにより、左目は左目に伝達される画像とブラックデータ画像を視認し、右目も右目に伝達される画像とブラックデータ画像を視認して、両目間のステレオグラフをそのまま維持するようになる。その結果、立体画像の表示品質が向上する。
【0042】
以上のように、本発明の一実施形態では、左側データ電圧と右側データ電圧との間にブラックデータ電圧を挿入する。但し、以上ではブラックデータ電圧であると言及したが、これはブラックを表わすデータ電圧だけでなく、ブラックより高い輝度を示すデータ電圧であり得る。ブラックデータ電圧の代わりに印加されるデータ電圧は、実施形態別に多様であり得る。
【0043】
以下、図4〜図9を参照して、液晶表示パネルに印加するデータ電圧の修正について説明する。
【0044】
図4及び図5は、本発明の一実施形態で表示しようとする画像を示した図面であり、図6及び図7は、図4及び図5の実施形態で実際に表示される画像を示した図面であり、図8は、図6及び図7のA領域で変化する輝度レベルを示したグラフであり、図9は、図7のB領域で変化する輝度レベルを示したグラフである。
【0045】
図4は、Nフレームで左目に伝達される画像を表示した液晶表示パネルを示し、図5はN+3フレームで右目に伝達される画像を表示した液晶表示パネルを示している。
【0046】
図4及び図5は、互いに重畳する領域(つまり、図6及び図7においてAで示す領域)と、重畳しない領域(つまり、図6及び図7においてBで示す領域)とを有する。一方、図4及び図5において、四角形の外側部分はブラックを表わしている。
【0047】
図4及び図5のような画像を表示するために、液晶表示パネルに電圧を印加すると、実際には図6及び図7のような画像が表示される。つまり、左目に伝達される画像と右目に伝達される画像とが互いに重畳するA領域は、表示しようとする輝度G2で示される。しかし、両画像が重畳しないB領域は、表示しようとする輝度に比べて低い輝度G1で示される。その理由は、それぞれ図8及び図9に示している。
【0048】
図8及び図9では、輝度レベルの変化を、フレームを基準として示しており、G2は表示しようとする輝度レベルであり、G1はG2より低い輝度レベルを示す。
【0049】
まず、A領域の輝度レベルの変化を、図8を参照して説明する。A領域はNフレームで画像を表示する画像データ電圧が印加され、N+1フレームではブラックデータ電圧が印加され、N+2フレームでは再び同一の画像データ電圧が印加され、N+3フレームではブラックデータ電圧が印加される。
【0050】
このように印加される場合、A領域における輝度レベル変化は図8の通りである。つまり、ブラックデータ電圧が印加される区間の前後に、同一の画像データ電圧が印加されるので、表示輝度からブラック輝度に落ちる期間が短く、N+1フレーム及びN+3フレームでブラックより高い輝度を示すようになるが、表示しようとする輝度は十分に示すことができる。つまり、左目に伝達される画像と右目に伝達される画像とは目標輝度が視認される。
【0051】
一方、挿入されるデータ電圧はブラックデータ電圧であるが、表示される画像はブラックより高い輝度を示すようになり、これは、挿入されるデータ電圧がブラックデータ電圧より高い輝度を示すデータ電圧を印加する場合と同様の結果を有する。
【0052】
一方、B領域中、図7のB領域の輝度レベルは図9に示したように変化する。つまり、総4個のフレーム中に1度だけ目標輝度を示す映像データ電圧が印加され、残りフレームではブラックデータ電圧が印加されるので、ブラックに落ちる期間が長く、ブラック画像は十分に低い輝度に表現できるが、データ電圧が印加されるフレームには十分に高いG2輝度レベルを表示することができず、これよりも低いG1輝度レベルだけを表示するようになる。その結果、表示しようとする輝度よりも低い輝度を表示するはずである。これは図6のB領域も同様である。
【0053】
図9に示したように、左に伝達される画像と右側に伝達される画像とが互いに重畳しないB領域で発生する問題を除去するために、B領域に印加する電圧を補正して印加する必要がある。これは図10で示している。
【0054】
図10は、本発明の一実施形態によってB領域に表示する輝度レベルを示したグラフである。ここで、G3は、修正されたデータ電圧に応じた場合に表示される輝度レベルを示す。
【0055】
B領域ではG2輝度レベルを表示しなければならないが、応答速度が遅いため、G1輝度レベルだけが表示されるということは図9で説明した(図10の一点鎖線グラフと同一)。このような場合、一般にA領域に印加するデータ電圧より高いデータ電圧(図10でG3輝度レベルを表示できるデータ電圧)を印加して、1フレーム間に輝度レベルが速やかに変わるようにして、G2輝度レベルを表示するようにする(図10の実線グラフ参照)。
【0056】
このように、B領域で印加するデータ電圧を、A領域で印加するデータ電圧より高くして、液晶層が配向方向を更に速やかにすることにより、B領域でも目標とする輝度を示すようにする。つまり、両画像が重畳するA領域と両画像が重畳しないB領域とには互いに異なるデータ電圧を印加するが、同一の輝度を示すようになる。
【0057】
以上の実施形態では、A領域よりB領域で高いデータ電圧を印加することを記述したが、低いデータ電圧を印加する場合も可能である。つまり、データ電圧の修正は、データ電圧を高く変更することではなく、液晶層の配向方向がより速やかに変動できるようにする方向にデータ電圧を変更することが可能である。
【0058】
以上では、左側に印加される画像用データ電圧と、右側に印加される画像用データ電圧とが同一の場合について説明した。
【0059】
以下、互いに異なる電圧が印加される場合に印加するデータ電圧の修正について説明し、これは図11及び図12に示した。
【0060】
図11及び図12は、本発明の一実施形態で左目に伝達される画像と右目に伝達される画像との輝度レベル差による表示輝度レベルを示したグラフである。
【0061】
まず、図11を参照して説明する。図11において、左目に伝達される画像はGp輝度レベルを表示し、右目に伝達される目標画像はGp輝度レベルより高いGc目標輝度レベルを表示するようにする場合を示している。
【0062】
1フレーム間のGc目標輝度レベルを表わすようにデータ電圧を印加すると、図11の一点鎖線のようにGf輝度レベルを表わすだけで、Gc目標輝度レベルまで表示することはできない。従って、Gc目標輝度レベルより高い輝度レベルGaを表示するデータ電圧を印加して、1フレーム間にGc目標輝度レベルを表示するようにしなければならない。
【0063】
一方、図12では、左目に伝達される画像はGp輝度レベルを表示し、右目に伝達される目標画像はGp輝度レベルより低いGc輝度レベルを表示するようにする場合を示している。
【0064】
一般に、Gc目標輝度レベルを表示するようにデータ電圧を印加すると、図12の一点鎖線のようにGc目標輝度レベルより高いGf輝度レベルを表わすだけで、Gc輝度レベルまで落ちることはできない。つまり、N+1フレームで印加された挿入データ(ブラックデータ又はブラックデータより高い輝度を示すデータ)が、十分に低い輝度レベルまで落ちることができないので、N+2フレームでは相対的に高い輝度レベルを表示するようになる。従って、Gc輝度レベルより低い輝度レベルGaを表示するデータ電圧を印加して、1フレーム間にGc輝度レベルに落ちるようにしなければならない。
【0065】
一方、図11及び図12では、ブラックデータより高いデータ電圧が印加された場合を示しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、データ電圧が印加された場合、それぞれ表示しようとする輝度が表示されるようにデータ電圧を修正することができる。
【0066】
図11及び図12に示したようなデータ電圧の修正は、図13に示す構成によって行える。
【0067】
図13は、本発明の一実施形態による入力データ変換部を示した概略図である。
【0068】
図13において、Gn及びGn−1は、これらのいずれか一つが右側画像データであり、他の一つは左側画像データを示す。Gnが左側画像データの場合にはGn−1は右側画像データであり、Gnが右側画像データの場合にはGn−1は左側画像データである。
【0069】
図13で、LUTはルックアップテーブルを示し、GnとGn−1値に対して修正階調データGcnが保存されている。修正階調データGcnは、図4〜図7で互いに重畳する領域と重畳しない領域との輝度レベルを同一にするデータであって、図10〜図12に示したように、本来のデータに比べ、大きいか、又は小さいデータ値を有することができる。
【0070】
つまり、まず入力された画像データGn−1は、フレームメモリFrame Memに保存され、次にデータGnが入力されると、GnとGn−1に基づいてルックアップテーブルで修正階調データGcnを探して出力する。出力された修正階調データGcnは、Gnデータの代わりに画像を表示するデータとして使用される。
【0071】
上記ではブラックデータに対する言及がないが、ブラックデータは、修正階調データGcnと、次のフレームの修正階調データとの間に挿入される。
【0072】
一方、修正階調データGcnは、データ電圧に変わってデータ線に印加される。
【0073】
一方、図4〜図13に示したようなデータの修正は、液晶層の応答速度が駆動速度に付いてこられない場合であるので、液晶層が十分に速い応答速度を有するか、又は印加されたデータが十分に速やかに表示される場合には、このようなデータ処理が不要になることもある。
【0074】
上記では、ブラックデータの代わりにブラックより高い輝度を示す任意のデータを挿入することも可能であると記述したが、以下でこれについて説明する。
【0075】
一般に、左側画像データと右側画像データとの間にはブラックデータを挿入できるが、左側画像データと右側画像データとの差が大きい場合には、ブラックデータを印加してもブラックを表示できないこともあるので、この場合にはブラックより高い輝度を示す挿入 データを挿入することができ、これは図14でフローチャートに示している。
【0076】
図14は、本発明の一実施形態によって挿入データを決める方法を示すフローチャートである。
【0077】
図14において、Gn−1は左側画像データ及び右側画像データのいずれか一つを示し、Gnは残り一つを示す。Black_maxは低階調を示すデータのうち、定められた最大の階調データ値であり、White_minは高諧調を示すデータのうち、定められた最小の階調データ値である。
【0078】
つまり、左側画像データから右側画像データに変わるか、又はその反対の場合に、両データが全てBlack_maxとWhite_minとの間に存在せず、これらのいずれか一つはBlack_maxより低いデータ値であり、他の一つはWhite_minより大きい値のときには、1フレーム内で輝度変更が不可能であるので、ブラックデータ(black data)の代わりに、ブラックよりも高い輝度を示す定められた挿入データ(Specified gray data)を印加する。その結果、右側画像データや左側画像データが所望する表示輝度を示すことができる。
【0079】
ここで、Black_max、White_min、及び定められた挿入データ値は、1フレームの期間及び液晶層の反応速度によって定められる。
【0080】
以上のような立体映像表示装置では、眼鏡300と表示装置(図1、2の100、200参照)との間の動作が同期化される必要がある。同期化のために、表示装置内には別途の同期信号発生部を要し、眼鏡300にはこれを受信してレンズをオン/オフさせる装置が必要である。眼鏡300と表示装置の同期のために、赤外線(IR)通信のように光を利用するか、又はBluetooth(登録商標)のような短距離無線通信を利用することもできる。また、眼鏡300と表示装置の間を有線で接続して同期化させることもできるなど多様な実施形態が存在する。
【0081】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0082】
100 液晶表示パネル
101、101’ 四角形
102、102’ 三角形
200 バックライトユニット
300 眼鏡
301、301’ 左側レンズ
302、302’ 右側レンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を含み、左目に伝達される画像及び右目に伝達される画像をそれぞれ表示する表示装置を備え、
前記表示装置は、
前記左目に伝達される画像と前記右目に伝達される画像との間に一定の輝度を示す挿入画像を挿入して表示し、
前記左目に伝達される画像と前記右目に伝達される画像とが互いに重畳する画素領域と重畳しない画素領域に、それぞれ互いに異なるデータ電圧を印加して同一の輝度を示すことを特徴とする立体映像表示装置。
【請求項2】
前記左目に伝達される画像と前記右目に伝達される画像とが互いに重畳しない画素に印加するデータ電圧は、入力されたデータを修正した後にデータ電圧に変換して印加することを特徴とする請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項3】
前記左目に伝達される画像と前記右目に伝達される画像とが互いに重畳する画素に印加するデータ電圧は、入力されたデータを修正せずにデータ電圧に変換して印加することを特徴とする請求項2に記載の立体映像表示装置。
【請求項4】
前記画素で、前記左目に伝達される画像及び前記右目に伝達される画像のいずれか最初に表示されるデータを第1データといい、次に表示されるデータを第2データというとき、
前記第2データは、前記第1データ及び前記第2データの値に基づいて修正された後、データ電圧に変換されて前記画素に印加されることを特徴とする請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項5】
前記第2データの修正は、1フレーム内に前記画素が前記挿入画像によって表示される輝度から、前記第2データによって表示される輝度に変更されるように、前記第2データを修正することを特徴とする請求項4に記載の立体映像表示装置。
【請求項6】
前記第2データの修正は、前記第1データ及び前記第2データの値に基づいて修正された第2データの値を貯蔵しているルックアップテーブルによって行われることを特徴とする請求項4に記載の立体映像表示装置。
【請求項7】
前記第1データは低い輝度を示し、前記第2データは高い輝度を示す場合、修正された第2データは前記第2データより高い輝度を示すことを特徴とする請求項4に記載の立体映像表示装置。
【請求項8】
前記第1データは高い輝度を示し、前記第2データは低い輝度を示す場合、修正された第2データは前記第2データより低い輝度を示すことを特徴とする請求項4に記載の立体映像表示装置。
【請求項9】
前記挿入画像の前記一定の輝度はブラックを表わすことを特徴とする請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項10】
左目に伝達される画像は左側画像データ電圧で前記画素に印加され、右目に伝達される画像は右側画像データ電圧で前記画素に印加され、前記挿入画像は挿入データ電圧で前記画素に印加され、
前記画素には、前記左側画像データ電圧、前記挿入データ電圧、前記右側画像データ電圧、及び前記挿入データ電圧の順序でデータ電圧が印加されることを特徴とする請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項11】
前記挿入画像の前記一定の輝度はブラックを表わすことを特徴とする請求項10に記載の立体映像表示装置。
【請求項12】
前記挿入データ電圧は、ブラックより高い輝度を示す設定された電圧値であることを特徴とする請求項10に記載の立体映像表示装置。
【請求項13】
前記左側画像データ電圧と前記右側画像データ電圧との差が一定範囲以上である場合、前記挿入データ電圧をブラックより高い輝度を示す電圧値で印加することを特徴とする請求項10に記載の立体映像表示装置。
【請求項14】
前記挿入データ電圧は、前記左側画像データ電圧と前記右側画像データ電圧によって表示される輝度を同一にすることを特徴とする請求項13に記載の立体映像表示装置。
【請求項15】
前記左側画像データ電圧と前記右側画像データ電圧のいずれか一つが示す階調が最大ブラック階調より小さく、他の一つが示す階調が最小ホワイト階調より大きい場合、前記挿入データ電圧をブラックより高い輝度を示す電圧値で印加することを特徴とする請求項10に記載の立体映像表示装置。
【請求項16】
前記挿入データ電圧は、前記左側画像データ電圧と前記右側画像データ電圧によって表示される輝度を同一にすることを特徴とする請求項15に記載の立体映像表示装置。
【請求項17】
前記表示装置は、液晶層を含む液晶表示パネルとバックライトユニットとを含むことを特徴とする請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項18】
前記立体映像表示装置は、
交互にオン/オフが行われる一対のレンズを含む眼鏡を更に備え、
前記表示装置が左目に伝達される画像及び右目に伝達される画像を表示することと、前記眼鏡がレンズを交互にオン/オフすることとが、互いに同期化されることを特徴とする請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項19】
前記眼鏡と前記表示装置は、無線通信方式で同期されることを特徴とする請求項18に記載の立体映像表示装置。
【請求項1】
複数の画素を含み、左目に伝達される画像及び右目に伝達される画像をそれぞれ表示する表示装置を備え、
前記表示装置は、
前記左目に伝達される画像と前記右目に伝達される画像との間に一定の輝度を示す挿入画像を挿入して表示し、
前記左目に伝達される画像と前記右目に伝達される画像とが互いに重畳する画素領域と重畳しない画素領域に、それぞれ互いに異なるデータ電圧を印加して同一の輝度を示すことを特徴とする立体映像表示装置。
【請求項2】
前記左目に伝達される画像と前記右目に伝達される画像とが互いに重畳しない画素に印加するデータ電圧は、入力されたデータを修正した後にデータ電圧に変換して印加することを特徴とする請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項3】
前記左目に伝達される画像と前記右目に伝達される画像とが互いに重畳する画素に印加するデータ電圧は、入力されたデータを修正せずにデータ電圧に変換して印加することを特徴とする請求項2に記載の立体映像表示装置。
【請求項4】
前記画素で、前記左目に伝達される画像及び前記右目に伝達される画像のいずれか最初に表示されるデータを第1データといい、次に表示されるデータを第2データというとき、
前記第2データは、前記第1データ及び前記第2データの値に基づいて修正された後、データ電圧に変換されて前記画素に印加されることを特徴とする請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項5】
前記第2データの修正は、1フレーム内に前記画素が前記挿入画像によって表示される輝度から、前記第2データによって表示される輝度に変更されるように、前記第2データを修正することを特徴とする請求項4に記載の立体映像表示装置。
【請求項6】
前記第2データの修正は、前記第1データ及び前記第2データの値に基づいて修正された第2データの値を貯蔵しているルックアップテーブルによって行われることを特徴とする請求項4に記載の立体映像表示装置。
【請求項7】
前記第1データは低い輝度を示し、前記第2データは高い輝度を示す場合、修正された第2データは前記第2データより高い輝度を示すことを特徴とする請求項4に記載の立体映像表示装置。
【請求項8】
前記第1データは高い輝度を示し、前記第2データは低い輝度を示す場合、修正された第2データは前記第2データより低い輝度を示すことを特徴とする請求項4に記載の立体映像表示装置。
【請求項9】
前記挿入画像の前記一定の輝度はブラックを表わすことを特徴とする請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項10】
左目に伝達される画像は左側画像データ電圧で前記画素に印加され、右目に伝達される画像は右側画像データ電圧で前記画素に印加され、前記挿入画像は挿入データ電圧で前記画素に印加され、
前記画素には、前記左側画像データ電圧、前記挿入データ電圧、前記右側画像データ電圧、及び前記挿入データ電圧の順序でデータ電圧が印加されることを特徴とする請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項11】
前記挿入画像の前記一定の輝度はブラックを表わすことを特徴とする請求項10に記載の立体映像表示装置。
【請求項12】
前記挿入データ電圧は、ブラックより高い輝度を示す設定された電圧値であることを特徴とする請求項10に記載の立体映像表示装置。
【請求項13】
前記左側画像データ電圧と前記右側画像データ電圧との差が一定範囲以上である場合、前記挿入データ電圧をブラックより高い輝度を示す電圧値で印加することを特徴とする請求項10に記載の立体映像表示装置。
【請求項14】
前記挿入データ電圧は、前記左側画像データ電圧と前記右側画像データ電圧によって表示される輝度を同一にすることを特徴とする請求項13に記載の立体映像表示装置。
【請求項15】
前記左側画像データ電圧と前記右側画像データ電圧のいずれか一つが示す階調が最大ブラック階調より小さく、他の一つが示す階調が最小ホワイト階調より大きい場合、前記挿入データ電圧をブラックより高い輝度を示す電圧値で印加することを特徴とする請求項10に記載の立体映像表示装置。
【請求項16】
前記挿入データ電圧は、前記左側画像データ電圧と前記右側画像データ電圧によって表示される輝度を同一にすることを特徴とする請求項15に記載の立体映像表示装置。
【請求項17】
前記表示装置は、液晶層を含む液晶表示パネルとバックライトユニットとを含むことを特徴とする請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項18】
前記立体映像表示装置は、
交互にオン/オフが行われる一対のレンズを含む眼鏡を更に備え、
前記表示装置が左目に伝達される画像及び右目に伝達される画像を表示することと、前記眼鏡がレンズを交互にオン/オフすることとが、互いに同期化されることを特徴とする請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項19】
前記眼鏡と前記表示装置は、無線通信方式で同期されることを特徴とする請求項18に記載の立体映像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−266852(P2010−266852A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75125(P2010−75125)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
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