説明

立体画像データ送信装置、立体画像データ送信方法および立体画像データ受信装置

【課題】立体画像表示の際の重畳情報、例えばOSD等のグラフィクス情報の表示において、画像内の各物体との間の遠近感の整合性の維持を容易に図る。
【解決手段】奥行き情報セット作成部122は、ディスパリティ・マップに基づいて、立体画像データに対応した奥行き情報セットを作成する。奥行き情報セットは、画像表示面の分割情報と各分割領域の奥行き情報を含む。奥行き情報は、例えば、モニタポジションに対して立体画像面が手前にあるか否かを示す画像面情報、さらには、この画像面情報および視差情報とされる。奥行き情報セットには、視差情報の存在を示すフラグ情報が挿入される。奥行き情報セットを、立体画像データのデータストリームを有する多重化データストリームのPMTやEIT等の配下に挿入されるデスクリプタに含めて送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、立体画像データ送信装置、立体画像データ送信方法および立体画像データ受信装置に関し、特に、受信側において、OSD等のグラフィクス情報の表示を良好に行い得る立体画像データ送信装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、立体画像データのテレビ放送電波を用いた伝送方式について提案されている。この場合、左眼用画像データおよび右眼用画像データを含む立体画像データが送信され、テレビ受信機において、両眼視差を利用した立体画像表示が行われる。
【0003】
図35は、両眼視差を利用した立体画像表示において、スクリーン上におけるオブジェクト(物体)の左右像の表示位置と、その立体像の再生位置との関係を示している。例えば、スクリーン上に図示のように左像Laが右側に右像Raが左側にずれて表示されているオブジェクトAに関しては、左右の視線がスクリーン面より手前で交差するため、その立体像の再生位置はスクリーン面より手前となる。DPaは、オブジェクトAに関する水平方向の視差ベクトル(視差情報)を表している。
【0004】
また、例えば、スクリーン上に図示のように左像Lbおよび右像Rbが同一位置に表示されているオブジェクトBに関しては、左右の視線がスクリーン面で交差するため、その立体像の再生位置はスクリーン上、つまりモニタポジションとなる。さらに、例えば、スクリーン上に図示のように左像Lcが左側に右像Rcが右側にずれて表示されているオブジェクトCに関しては、左右の視線がスクリーン面より奥で交差するため、その立体像の再生位置はスクリーン面より奥となる。DPcは、オブジェクトCに関する水平方向の視差ベクトルを表している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−6114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、立体画像表示において、視聴者は、両眼視差を利用して、立体画像の遠近感を認知することが普通である。画像に重畳される重畳情報、例えばOSD(On Screen Display)等のグラフィクス情報に関しても、2次元空間的のみならず、3次元の奥行き感としても、立体画像表示と連動してレンダリングされることが期待される。
【0007】
例えば、立体画像にOSD等のグラフィクス情報を重畳表示(オーバーレイ表示)する場合、遠近感でいうところの最も近い画像内の物体(オブジェクト)の面(以下、「立体画像面」という)よりも手前に表示されないと、視聴者は、遠近感の矛盾を感じる場合がある。つまり、画像にOSD等のグラフィクス情報を重畳表示する場合、画像内の各物体の遠近感に応じて視差調整を施し、遠近感の整合性を維持することが期待される。
【0008】
この発明の目的は、立体画像表示の際の重畳情報、例えばOSD等のグラフィクス情報の表示において、画像内の各物体との間の遠近感の整合性の維持を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の概念は、
左眼画像データおよび右眼画像データを有する立体画像データを出力する画像データ出力部と、
上記画像データ出力部から出力される立体画像データに対応した奥行き情報セットを出力する奥行き情報セット出力部と、
上記画像データ出力部から出力される立体画像データおよび上記奥行き情報セット出力部から出力される奥行き情報セットを送信する送信部とを備え、
上記奥行き情報セットは、画像表示面の分割情報と各分割領域の奥行き情報を含み、
上記送信部は、上記画像データ出力部から出力される立体画像データを含むデータストリームを有する多重化データストリームを送信し、該多重化データストリームに、上記奥行き情報セット出力部から出力される奥行き情報セットを含むデスクリプタを挿入する
立体画像データ送信装置にある。
【0010】
この発明において、画像データ出力部により、左眼画像データおよび右眼画像データを有する立体画像データが出力される。また、奥行き情報セット出力部により、立体画像データに対応した奥行き情報セットが出力される。そして、送信部により、立体画像データおよび奥行き情報セットが送信される。この奥行き情報セットには、画像表示面の分割情報と、各分割領域の奥行き情報が含まれる。
【0011】
例えば、奥行き情報は、モニタポジションに対して立体画像面(画像内の、遠近感でいうところの最も近い物体の面)が手前にあるか否かを示す画像面情報とされてもよい。そして、この画像面情報は、例えば、左眼画像および右眼画像の視差情報(視差ベクトル)を構成する符号情報とされてもよい。視差情報の符号が負の場合、立体画像面がモニタポジションに対して手前にあることが分かる。
【0012】
また、例えば、奥行き情報は、モニタポジションに対して立体画像面が手前にあるか否かを示す画像面情報、またはこの画像面情報と左眼画像および右眼画像の視差情報であり、奥行き情報セットには、視差情報の存在を示すフラグ情報が挿入されてもよい。例えば、奥行き情報は、視差情報を構成する符号情報、またはこの符号情報および視差情報を構成する絶対値情報とされる。この場合、視差情報の符号情報は、画像面情報を構成する。
【0013】
奥行き情報として、画像面情報の他に視差情報が含まれることで、受信側において、立体画像面の位置がモニタポジションに対して手前にあるか否かだけでなく、その位置をより詳細に把握可能となる。また、フラグ情報が挿入されていることにより、奥行き情報として、画像面情報のみ、あるいは画面情報および視差情報の双方を、選択的に送信することが可能となる。
【0014】
例えば、分割情報は、分割タイプを示す情報と分割数を示す情報とからなっていてもよい。このように分割情報が2つの情報から構成されることにより、少ない情報数でより多くの分割パターンを指定することが可能となる。例えば、分割タイプには、画像表示面を対角線を用いて分割する分割タイプが含まれる。また、例えば、分割タイプには、画像表示面を水平方向線および/または垂直方向線を用いて分割する分割タイプが含まれる。
【0015】
送信部では、画像データ出力部から出力される立体画像データを含むデータストリームを有する多重化データストリームが送信される。この多重化データストリームに、奥行き情報セットを含むデスクリプタが挿入される。
【0016】
例えば、多重化データストリームには、この多重化データストリームに含まれる各エレメンタリストリームがどのプログラムに属しているかを示すプログラム・スペシフィック・インフォメーションとしてのプログラム・マップ・テーブルが含まれており、デスクリプタは、このプログラム・マップ・テーブルの配下に挿入される。この場合、番組期間中にデスクリプタが順次送信され、番組期間中において、奥行き情報がダイナミックに変化可能とされる。
【0017】
また、例えば、多重化データストリームには、イベント単位の管理を行うサービス・インフォメーションとしてのイベント・インフォメーション・テーブルが含まれており、デスクリプタは、このイベント・インフォメーション・テーブルの配下に挿入される。この場合、番組の最初にデスクリプタが送信され、番組期間中において、奥行き情報は固定とされる。
【0018】
このように、この発明においては、左眼画像データおよび右眼画像データを有する立体画像データと共に、この立体画像データに対応した奥行き情報セットが送信される。そのため、受信側において、奥行き情報セットを用いることで、左眼画像および右眼画像に重畳される重畳情報、例えばOSD等のグラフィクス情報として、画像内の各物体の遠近感に応じて視差調整が施されたものを用いることができる。これにより、例えばOSD等のグラフィクス情報の表示において、画像内の各物体との間の遠近感の整合性を維持することが可能となる。
【0019】
また、この発明においては、奥行き情報セットは、画像表示面の分割情報と各分割領域の奥行き情報を含むものであって、立体画像データを含むデータストリームを有する多重化データストリームに挿入されるデスクリプタに含まれて送信される。つまり、奥行き情報セットの受信側への送信を簡単に行うことできる。
【0020】
なお、この発明において、例えば、送信部は、デスクリプタを、立体画像データの所定期間毎の開始時点に対応させて多重化データストリームに挿入し、各期間の開始時点に対応させて多重化データストリームに挿入されるデスクリプタには、当該期間より後の期間の奥行き情報セットが含まれている、ようにされてもよい。これにより、受信側において、各期間の左眼重畳情報と右眼重畳情報との間に視差を付与する際に使用する視差情報として、当該期間および当該期間の前後の期間の奥行き情報セットに含まれる視差情報を用いた補間処理により、時間方向(フレーム方向の)変化がなだらかな、つまり更新カーブがスムーズとなる視差情報を得ることが可能となる。
【0021】
また、この発明の他の概念は、
左眼画像データおよび右眼画像データを有する立体画像データを含むデータストリームを有し、画像表示面の分割情報と上記立体画像データに対応した各分割領域の奥行き情報とからなる奥行き情報セットを含むデスクリプタが挿入された多重化データストリームを受信する受信部と、
上記受信部で受信された多重化データストリームから取得された上記立体画像データに含まれる左眼画像データに対応した左眼重畳情報のデータおよび該立体画像データに含まれる右眼画像データに対応した右眼重畳情報のデータを出力する重畳情報データ出力部と、
上記受信部で受信された多重化データストリームから取得された上記左眼画像データおよび上記右眼画像データに、上記重畳情報データ出力部から出力される上記左眼重畳情報のデータおよび上記右眼重畳情報のデータを重畳するデータ重畳部を備え、
上記重畳情報データ出力部は、上記受信部で受信された多重化データストリームから取得された上記奥行き情報セットに基づいて、上記左眼重畳情報と上記右眼重畳情報との間に視差を付与する
立体画像データ受信装置にある。
【0022】
この発明において、受信部により、左眼画像データおよび右眼画像データを含むデータストリームを有する多重化データストリームが受信される。この多重化データストリームには、画像表示面の分割情報と立体画像データに対応した各割領域の奥行き情報とからなる奥行き情報セットを含むデスクリプタが挿入されている。例えば、このデスクリプタは、プログラム・マップ・テーブル、あるいはイベント・インフォメーション・テーブルの配下に挿入されている。
【0023】
重畳情報データ出力部により、受信部で受信された多重化データストリームから取得された立体画像データに含まれる左眼画像データに対応した左眼重畳情報のデータ、およびこの立体画像データに含まれる右眼画像データに対応した右眼重畳情報のデータが出力される。そして、データ重畳部により、受信部で受信された多重化データストリームから所得された左眼画像データおよび右眼画像データに、重畳情報データ出力部から出力される左眼重畳情報のデータおよび右眼重畳情報のデータが重畳される。これにより、立体画像にOSD等のグラフィクス情報を重畳表示できる。
【0024】
重畳情報データ出力部では、受信部で受信された多重化データストリームから取得された奥行き情報セットに基づいて、左眼重畳情報と右眼重畳情報との間に視差が付与される。そのため、この発明においては、例えばOSD等のグラフィクス情報の表示において、画像内の各物体との間の遠近感の整合性を維持することが可能となる。
【0025】
なお、この発明において、例えば、重畳情報データ出力部は、奥行き情報セットに含まれる視差情報に基づいて左眼重畳情報と右眼重畳情報との間に視差を付与する際、受信部で新たなデスクリプタが受信されて視差情報の更新があるとき、この新たな視差情報に複数フレームをかけて到達するように、この複数フレームの間は補間処理で得られる視差情報を使用する、ようにされてもよい。これにより、視差付与に使用される視差情報の時間方向(フレーム方向の)変化をなだらかにでき、左眼および右眼のグラフィクス情報に付与する視差が急激に変化して視聴者に違和感を発生させることを抑制可能となる。
【0026】
また、この発明において、例えば、多重化データストリームには、立体画像データの所定期間毎の開始時点に対応させてデスクリプタが挿入されており、各期間の開始時点に対応させて多重化データストリームに挿入されているデスクリプタには、当該期間より後の期間の奥行き情報セットが含まれており、重畳情報データ出力部は、各期間の左眼重畳情報と右眼重畳情報との間に視差を付与する際、当該期間および当該期間の前後の期間の奥行き情報セットに含まれる視差情報を用いた補間処理で得られる視差情報を使用する、ようにされてもよい。これにより、視差付与に使用される視差情報の時間方向(フレーム方向の)変化をなだらかにでき、つまり視差付与に使用される視差情報の更新カーブをスムーズにでき、左眼および右眼のグラフィクス情報に付与する視差が急激に変化して視聴者に違和感を発生させることを抑制可能となる。
【0027】
この発明のさらに他の概念は、
左眼画像データおよび右眼画像データを有する立体画像データを含むデータストリームを有し、画像表示面の分割情報と上記立体画像データに対応した各分割領域の奥行き情報とからなる奥行き情報セットを含むデスクリプタが挿入された多重化データストリームを受信する受信部と、
上記受信部で受信された多重化データストリームから取得された、上記左眼画像データおよび上記右眼画像データと、上記奥行き情報セットとを、伝送路を介して、外部機器に送信する送信部と
を備える立体画像データ受信装置にある。
【0028】
この発明においては、受信部により、左眼画像データおよび右眼画像データを含むデータストリームを有する多重化データストリームが受信される。この多重化データストリームには、画像表示面の分割情報と立体画像データに対応した各割領域の奥行き情報とからなる奥行き情報セットを含むデスクリプタが挿入されている。例えば、このデスクリプタは、プログラム・マップ・テーブル、あるいはイベント・インフォメーション・テーブルの配下に挿入されている。
【0029】
送信部により、受信部で受信された多重化データストリームから取得された、左眼画像データおよび右眼画像データと、奥行き情報セットとが、伝送路を介して、外部機器に送信される。例えば、送信部では、画像データが、複数チャネルで、差動信号により、伝送路を介して、外部機器に送信され、奥行き情報セットが、画像データのブランキング期間に挿入されて、外部機器に送信される。
【0030】
このように、この発明においては、立体画像データを構成する左眼画像データおよび右眼画像データと共に、この立体画像データに対応した奥行き情報セットが、伝送路を介して、外部機器に送信される。そのため、外部機器、例えばテレビ受信機等の画像表示装置において、奥行き情報セットを用いることで、左眼画像および右眼画像に重畳される重畳情報、例えばOSD等のグラフィクス情報として、画像内の各物体の遠近感に応じて視差調整が施されたものを用いることができる。これにより、例えばOSD等のグラフィクス情報の表示において、画像内の各物体との間の遠近感の整合性を維持することが可能となる。
【発明の効果】
【0031】
この発明によれば、立体画像表示の際の重畳情報、例えばOSD等のグラフィクス情報の表示において、画像内の各物体との間の遠近感の整合性の維持を容易に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の実施の形態としての立体画像表示システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】放送局における送信データ生成部の構成例を示すブロック図である。
【図3】1920×1080pのピクセルフォーマットの画像データを示す図である。
【図4】立体画像データ(3D画像データ)の伝送方式である「Top &Bottom」方式、「Side By Side」方式、「FrameSequential」方式を説明するための図である。
【図5】左眼画像に対する右眼画像の視差ベクトルを検出する例を説明するための図である。
【図6】視差ベクトルをブロックマッチング方式で求めることを説明するための図である。
【図7】画像表示面を対角線を用いて分割する分割タイプ1において4分割した場合におけるポジションマップ例を示す図である。
【図8】OSDグラフィクス情報を画像の端部分にシフトした形で重畳表示する場合を示す図である。
【図9】画像表示面を対角線を用いて分割する分割タイプ1において8分割した場合におけるポジションマップ例を示す図である。
【図10】画像表示面を水平方向および垂直方向に等分割するタイプ2において4分割した場合におけるポジションマップ例を示す図である。
【図11】OSDグラフィクス情報を画像の角部分にシフトした形で重畳表示する場合を示す図である。
【図12】画像表示面を水平方向および垂直方向に等分割するタイプ2において9分割した場合におけるポジションマップ例を示す図である。
【図13】画像表示面を対角線および長方形の辺を用いて分割する分割タイプ3において5分割した場合におけるポジションマップ例を示す図である。
【図14】画像表示面を対角線により4分割する分割パターンにおける各分割領域の視差情報の代表の求め方を示す図である。
【図15】OSDグラフィクス情報を画像の端部分にシフトした形で重畳表示する場合、その重畳表示位置に対応した分割領域の視差情報(代表)を用いて、左眼、右眼のOSDグラフィクス情報に視差を付与できることを示す図である。
【図16】PMTの配下、つまりPMT中のプログラム・デスクリプタ(ProgramDescriptor)にデスクリプタ(z−Surface descriptor)が配置される多重化データストリームの構成例(case1)を示す図である。
【図17】PMTの配下、つまりビデオ・エレメンタリ・ループ(Video ESloop)のデスクリプタ(descriptor)部分にデスクリプタ(z−Surface descriptor)が配置される多重化データストリームの構成例(case2)を示す図である。
【図18】EITの配下にデスクリプタ(z−Surface descriptor)が配置される多重化データストリームの構成例(case3)を示す図である。
【図19】デスクリプタ(z−Surface descriptor)をPMTの配下に挿入し、番組期間中にデスクリプタを順次送信して奥行き情報をダイナミックに変化させる場合を示す図である。
【図20】シーン検出とデスクリプタ送信の処理概要を説明するためのフローチャートである。
【図21】各期間の開始時点で送信されるデスクリプタ(z−Surface descriptor)に1つ後の期間の奥行き情報を含ませる場合における各デスクリプタの送信タイミングと、各デスクリプタに含まれる奥行き情報との関係を示す図である。
【図22】デスクリプタ(z−Surface descriptor)をEITの配下に挿入し、番組期間中において奥行き情報を固定とする場合を示す図である。
【図23】デスクリプタ(z−Surface descriptor)の構造例(Syntax)を示す図である。
【図24】デスクリプタ(z−Surface descriptor)の構造例における主要な情報の内容(Semantics)を示す図である。
【図25】デスクリプタ(z−Surface descriptor)の他の構造例(Syntax)を示す図である。
【図26】セットトップボックスの構成例を示すブロック図である。
【図27】OSD表示データ発生部における視差情報の補間処理を説明するための図である。
【図28】各期間の開始時点に対応して送られてくるデスクリプタ(z−Surface descriptor)に1つ後の期間の奥行き情報が含まれている場合の補間処理例を説明するための図である。
【図29】テレビ受信機の構成例を示すブロック図である。
【図30】HDMI送信部(HDMIソース)とHDMI受信部(HDMIシンク)の構成例を示すブロック図である。
【図31】TMDS伝送データの構造例(横×縦が1920ピクセル×1080ラインの画像データが伝送される場合)を示す図である。
【図32】ソース機器およびシンク機器のHDMIケーブルが接続されるHDMI端子のピン配列(タイプA)を示す図である。
【図33】奥行き情報セットの送信にHDMI Vendor SpecificInfoFrame を利用する場合における、HDMI Vendor Specific InfoFrame のパケット構造例を示す図である。
【図34】立体画像表示システムの他の構成例を示す図である。
【図35】両眼視差を利用した立体画像表示において、スクリーン上におけるオブジェクトの左右像の表示位置と、その立体像の再生位置との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明を以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0034】
<1.実施の形態>
[立体画像表示システムの構成例]
図1は、実施の形態としての立体画像表示システム10の構成例を示している。この立体画像表示システム10は、放送局100と、セットトップボックス(STB)200と、テレビ受信機(TV)300を有している。
【0035】
セットトップボックス200およびテレビ受信機300は、HDMI(HighDefinition Multimedia Interface)ケーブル400を介して接続されている。セットトップボックス200には、HDMI端子202が設けられている。テレビ受信機300には、HDMI端子302が設けられている。HDMIケーブル400の一端はセットトップボックス200のHDMI端子202に接続され、このHDMIケーブル400の他端はテレビ受信機300のHDMI端子302に接続されている。
【0036】
[放送局の説明]
放送局100は、ビットストリームデータBSDを、放送波に載せて送信する。放送局100は、ビットストリームデータBSDを生成する送信データ生成部110を備えている。このビットストリームデータBSDには、立体画像データ、音声データ、奥行き情報セットなどが含まれる。ここで、立体画像データは、左眼画像データおよび右眼画像データを有する所定番組の立体画像データである。音声データは、この立体画像データに対応した音声データである。奥行き情報セットは、この立体画像データに対応したものであり、画像表示面の分割情報と各分割領域の奥行き情報を含んでいる。
【0037】
「送信データ生成部の構成例」
図2は、放送局100において送信データを生成する送信データ生成部110の構成例を示している。この送信データ生成部110は、カメラ111L,111Rと、ビデオフレーミング部112と、ディスパリティ・マップ生成部113と、マイクロホン114と、データ取り出し部115と、切換スイッチ116〜118を有している。また、この送信データ生成部110は、ビデオエンコーダ119と、オーディオエンコーダ120と、奥行き情報セット作成部122と、マルチプレクサ126を有している。
【0038】
カメラ111Lは、左眼画像を撮影して立体画像表示のための左眼画像データを得る。カメラ111Rは、右眼画像を撮影して立体画像表示のための右眼画像データを得る。ビデオフレーミング部112は、カメラ111Lで得られた左眼画像データおよびカメラ111Rで得られた右眼画像データを、伝送フォーマットに応じた立体画像データ(3D画像データ)に加工処理する。このビデオフレーミング部112は、画像データ出力部を構成している。
【0039】
立体画像データの伝送フォーマット例を説明する。ここでは、以下の第1〜第3の伝送フォーマットを挙げるが、これら以外の伝送フォーマットであってもよい。また、ここでは、図3に示すように、左眼(L)および右眼(R)の画像データが、それぞれ、決められた解像度、例えば、1920×1080のピクセルフォーマットの画像データである場合を例にとって説明する。
【0040】
第1の伝送方式は、トップ・アンド・ボトム(Top & Bottom)方式で、図4(a)に示すように、垂直方向の前半では左眼画像データの各ラインのデータを伝送し、垂直方向の後半では左眼画像データの各ラインのデータを伝送する方式である。この場合、左眼画像データおよび右眼画像データのラインが1/2に間引かれることから原信号に対して垂直解像度は半分となる。
【0041】
第2の伝送方式は、サイド・バイ・サイド(Side By Side)方式で、図4(b)に示すように、水平方向の前半では左眼画像データのピクセルデータを伝送し、水平方向の後半では右眼画像データのピクセルデータを伝送する方式である。この場合、左眼画像データおよび右眼画像データは、それぞれ、水平方向のピクセルデータが1/2に間引かれる。原信号に対して、水平解像度は半分となる。
【0042】
第3の伝送方式は、フレーム・シーケンシャル(FrameSequential)方式で、図4(c)に示すように、左眼画像データと右眼画像データとをフレーム毎に順次切換えて伝送する方式である。なお、このフレーム・シーケンシャル方式は、フル・フレーム(Full Frame)方式、あるいはバックワード・コンパチブル(BackwardCompatible)方式と称される場合もある。
【0043】
図2に戻って、ディスパリティ・マップ生成部113は、左眼画像データおよび右眼画像データに基づき、例えば、画像を構成するピクセル毎の視差情報(視差ベクトル)を検出して、ディスパリティ・マップを作成する。視差情報は、符号情報と絶対値情報とから構成される。例えば、モニタポジションより手前に知覚されるピクセル(画素)の視差情報の符号は負となり、モニタポジションより奥に知覚されるピクセルの視差情報の符号は正となる。また、モニタポジションより遠くに知覚されるピクセルほど、視差情報の絶対値は大きくなる。
【0044】
視差ベクトルの検出例について説明する。ここでは、左眼画像に対する右眼画像の視差ベクトルを検出する例について説明する。図5に示すように、左眼画像を検出画像とし、右眼画像を参照画像とする。この例では、(xi,yi)および(xj,yj)の位置における視差ベクトルが検出される。
【0045】
(xi,yi)の位置における視差ベクトルを検出する場合を例にとって説明する。この場合、左眼画像に、(xi,yi)の位置の画素を左上とする、例えば4×4、8×8、あるいは16×16の画素ブロック(視差検出ブロック)Biが設定される。そして、右眼画像において、画素ブロックBiとマッチングする画素ブロックが探索される。
【0046】
この場合、右眼画像に、(xi,yi)の位置を中心とする探索範囲が設定され、その探索範囲内の各画素を順次注目画素として、上述の画素ブロックBiと同様の例えば4×4、8×8、あるいは16×16の比較ブロックが順次設定されていく。
【0047】
画素ブロックBiと順次設定される比較ブロックとの間で、対応する画素毎の差分絶対値の総和が求められる。ここで、図6に示すように、画素ブロックBiの画素値をL(x,y)とし、比較ブロックの画素値をR(x,y)とするとき、画素ブロックBiと、ある比較ブロックとの間における差分絶対値の総和は、Σ|L(x,y)−R(x,y)|で表される。
【0048】
右眼画像に設定される探索範囲にn個の画素が含まれているとき、最終的にn個の総和S1〜Snが求められ、その中で最小の総和Sminが選択される。そして、この総和Sminが得られた比較ブロックから左上の画素の位置が(xi′,yi′)が得られる。これにより、(xi,yi)の位置における視差ベクトルは、(xi′−xi,yi′−yi)のように検出される。詳細説明は省略するが、(xj,yj)の位置における視差ベクトルについても、左眼画像に、(xj,yj)の位置の画素を左上とする、例えば4×4、8×8、あるいは16×16の画素ブロックBjが設定されて、同様の処理過程で検出される。
【0049】
マイクロホン114は、カメラ111L,111Rで撮影された画像に対応した音声を検出して、音声データを得る。
【0050】
データ取り出し部115は、データ記録媒体115aを着脱自在に装着した状態で使用される。このデータ記録媒体115aは、ディスク状記録媒体、半導体メモリ等である。このデータ記録媒体115aには、左眼画像データおよび右眼画像データを含む立体画像データと共に、音声データ、ディスパリティ・マップが対応付けて記録されている。データ取り出し部115は、データ記録媒体115aから、立体画像データ、音声データおよびディスパリティ・マップを取り出して出力する。このデータ取り出し部115は、画像データ出力部を構成している。
【0051】
ここで、データ記録媒体115aに記録されている立体画像データは、ビデオフレーミング部112で得られる立体画像データに相当するものである。また、データ記録媒体115aに記録されている音声データは、マイクロホン114で得られる音声データに相当するものである。また、データ記録媒体115aに記録されているディスパリティ・マップは、ディスパリティ・マップ生成部113で生成される視差ベクトルに相当するものである。
【0052】
切り換えスイッチ116は、ビデオフレーミング部112で得られた立体画像データまたはデータ取り出し部115から出力された立体画像データを選択的に取り出す。この場合、切り換えスイッチ116は、ライブモードでは、a側に接続され、ビデオフレーミング部112で得られた立体画像データを取り出し、再生モードでは、b側に接続され、データ取り出し部115から出力された立体画像データを取り出す。
【0053】
切り換えスイッチ117は、ディスパリティ・マップ生成部113で生成されたディスパリティ・マップまたはデータ取り出し部115から出力されたディスパリティ・マップを選択的に取り出す。この場合、切り換えスイッチ117は、ライブモードでは、a側に接続され、ディスパリティ・マップ生成部113で生成されたディスパリティ・マップを取り出し、再生モードでは、b側に接続され、データ取り出し部115から出力されたディスパリティ・マップを取り出す。
【0054】
切り換えスイッチ118は、マイクロホン114で得られた音声データまたはデータ取り出し部115から出力された音声データを選択的に取り出す。この場合、切り換えスイッチ118は、ライブモードでは、a側に接続され、マイクロホン114で得られた音声データを取り出し、再生モードでは、b側に接続され、データ取り出し部115から出力された音声データを取り出す。
【0055】
ビデオエンコーダ119は、切り換えスイッチ116で取り出された立体画像データに対して、MPEG4−AVC、MPEG2、VC−1等の符号化を施し、ビデオデータストリーム(ビデオエレメンタリストリーム)を生成する。オーディオエンコーダ120は、切り換えスイッチ118で取り出された音声データに対して、AC3、AAC等の符号化を施し、オーディオデータストリーム(オーディオエレメンタリストリーム)を生成する。
【0056】
奥行き情報セット作成部122は、切り換えスイッチ117で取り出されたディスパリティ・マップに基づいて、切り換えスイッチ116から出力される所定番組の立体画像データに対応した奥行き情報セットを作成する。この奥行き情報セットは、画像表示面の分割情報と各分割領域の奥行き情報を含むものとされる。
【0057】
画像表示面の分割情報について説明する。この分割情報は、分割タイプを示す情報と、分割数を示す情報とからなる。例えば、分割タイプには、画像表示面を対角線を用いて分割する分割タイプ、画像表示面を水平方向線および/または垂直方向線を用いて分割する分割タイプなどがある。分割タイプおよび分割数が決まることで、画像表示面の分割パターンが一意に決まる。この分割タイプおよび分割数は、ユーザにより設定可能とされている。
【0058】
図7は、画像表示面を対角線を用いて分割する分割タイプ1において4分割した場合におけるポジションマップ例を示している。この例では、画像表示面が、対角線を用いて4分割されており、上側の分割領域が「0000」で表され、右側の分割領域が「0001」で表され、下側の分割領域が「0010」で表され、左側の分割領域が「0011」で表されている。
【0059】
この図7の分割例は、例えば、図8に示すように、OSDグラフィクス情報を画像の端部分にシフトした形で重畳表示する場合に、その重畳表示位置に対応した奥行き情報を送信できることから好適なものとなる。図9は、画像表示面を対角線を用いて分割する分割タイプ1において8分割した場合におけるポジションマップ例を示している。この例では、画像表示面が、対角線および長方形の辺を用いて8分割されており、各分割領域が「0000」〜「0111」で表されている。
【0060】
図10は、画像表示面を水平方向および垂直方向に等分割するタイプ2において4分割した場合におけるポジションマップ例を示している。この例では、画像表示面が、垂直方向線および水平方向線で4分割されており、右上側の分割領域が「0000」で表され、右下側の分割領域が「0001」で表され、左下側の分割領域が「0010」で表され、左上側の分割領域が「0011」で表されている。
【0061】
この図10の分割例は、例えば、図11に示すように、OSDグラフィクス情報を画像の角部分にシフトした形で重畳表示する場合に、その重畳表示位置に対応した奥行き情報を送信できることから好適なものとなる。図12は、画像表示面を水平方向および垂直方向に等分割するタイプ2において9分割した場合におけるポジションマップ例を示している。この例では、画像表示面が、垂直方向線および水平方向線で9分割されており、各分割領域が「0000」〜「1000」で表される。
【0062】
図13は、画像表示面を対角線および長方形の辺を用いて分割する分割タイプ3において5分割した場合におけるポジションマップ例を示している。この例では、画像表示面が、対角線および長方形の辺を用いて5分割されており、上側の分割領域が「0000」で表され、右側の分割領域が「0001」で表され、下側の分割領域が「0010」で表され、左側の分割領域が「0011」で表され、中央の分割領域が「0100」で表されている。この図13の分割例は、OSDグラフィクス情報を、画像の端部分にシフトした形で、あるいは画像の中央部分に重畳表示する場合に、その重畳表示位置に対応した奥行き情報を送信できることから好適なものとなる。
【0063】
次に、各分割領域の奥行き情報について説明する。この奥行き情報には、画像面情報が含まれる。この画像面情報は、モニタポジションに対して、立体画像面が手前にあるか否かを示す情報である。この立体画像面は、対応する領域の画像内の、遠近感でいうところの最も近い物体の面を意味している。この実施の形態において、この画像面情報は、立体画像面に対応した視差情報(視差ベクトル)を構成する符号情報とされる。この場合、符号情報は、モニタポジションに対して立体画像面が手前にあるときは、「負」を示すものとされる。
【0064】
また、この奥行き情報には、上述の画像面情報の他に、視差情報が含まれることもある。この視差情報として、例えば、対応する領域の画像を構成する各ピクセル(画素)の視差情報(視差ベクトル)のうち、遠近感でいうところの最も手前に知覚されるピクセルの視差情報が代表として使用される。この場合、「負」の視差情報があるときは、その中で最も絶対値の大きな視差情報とされる。また、この場合、「負」の視差情報がないときは、最も絶対値の小さな視差情報とされる。このように、視差情報が含まれる場合にあって、上述したように画像面情報が視差情報を構成する符号情報とされるときには、視差情報を構成する絶対値情報をさらに含めるだけで済む。
【0065】
各分割領域における視差情報の代表は、例えば、分割領域内において、画素毎、あるいは所定の大きさのブロック毎の視差情報を表示スキャン順に比較していくことで求めることができる。図14は、上述したように、画像表示面を対角線により4分割する分割パターンにおける各分割領域の視差情報の代表の求め方を示している。この場合、各分割領域では、視差情報の代表として、「Disparity_00」、「Disparity_01」、「Disparity_10」、「Disparity_11」が求められる。
【0066】
画像表示面を対角線により4分割する分割パターンにおいて、各分割領域の画像面情報だけでなく視差情報をも送信する場合、例えば、上述したように求められた各分割領域の視差情報の代表が使用される。その場合、図15に示すように、OSDグラフィクス情報を画像の端部分にシフトした形で重畳表示する場合、その重畳表示位置に対応した分割領域の視差情報(代表)を用いて、左眼、右眼のOSDグラフィクス情報に視差を付与することが可能となる。
【0067】
奥行き情報セットには、分割領域毎に、あるいは各分割領域共通に、視差情報の存在を示すフラグ情報が挿入される。奥行き情報として、画像面情報の他に視差情報が含まれることで、受信側において、立体画像面の位置がモニタポジションに対して手前にあるか否かだけでなく、その位置をより詳細に把握可能となる。また、フラグ情報が挿入されていることにより、奥行き情報として、画像面情報のみ、あるいは画面情報および視差情報の双方を、選択的に送信することが可能となる。
【0068】
受信側において画像にOSDグラフィクス情報を重畳する場合、左右のOSDグラフィクス情報に視差を付与しなければならないのは、立体画像面がモニタポジションより手前にある場合である。その場合、左右のOSDグラフィクス情報に視差を付与して、このOSDグラフィクス情報が立体画像面より手前に知覚されるようにする必要がある。ただ、左右のOSDグラフィクス情報にどの程度の視差を付与するかは受信側で任意に設定可能であり、従って、画像面情報のみを送信することにも充分意義がある。
【0069】
マルチプレクサ126は、ビデオエンコーダ119およびオーディオエンコーダ120からの各データストリームを多重化し、ビットストリームデータ(トランスポートストリーム)BSDとしての多重化データストリームを得る。また、マルチプレクサ126は、このビットストリームデータBSDに、奥行き情報セット作成部122で作成された奥行き情報セットを挿入する。具体的には、マルチプレクサ126は、ビットストリームデータBSDに挿入されるPSI情報またはSI情報の所定位置に、奥行き情報セットを含むデスクリプタ(z−Surface descriptor)を挿入する。このデスクリプタの詳細については、後述する。
【0070】
図2に示す送信データ生成部110の動作を簡単に説明する。カメラ111Lでは、左眼画像が撮影される。このカメラ111Lで得られる立体画像表示のための左眼画像データはビデオフレーミング部112に供給される。また、カメラ111Rでは、右眼画像が撮影される。このカメラ111Rで得られる立体画像表示のための右眼画像データはビデオフレーミング部112に供給される。ビデオフレーミング部112では、左眼画像データおよび右眼画像データが、伝送フォーマットに応じた状態に加工処理されて、立体画像データが得られる(図4(a)〜(c)参照)。
【0071】
ビデオフレーミング部112で得られた立体画像データは、切り換えスイッチ116のa側の固定端子に供給される。また、データ取り出し部115で得られた立体画像データは、切り換えスイッチ116のb側の固定端子に供給される。ライブモードでは、切り換えスイッチ116はa側に接続され、この切り換えスイッチ116からはビデオフレーミング部112で得られた立体画像データが取り出される。再生モードでは、切り換えスイッチ116はb側に接続され、この切り換えスイッチ116からはデータ取り出し部115から出力された立体画像データが取り出される。
【0072】
切り換えスイッチ116で取り出された立体画像データは、ビデオエンコーダ119に供給される。このビデオエンコーダ119では、その立体画像データに対してMPEG4−AVC、MPEG2、VC−1等の符号化が施され、符号化ビデオデータを含むビデオデータストリームが生成される。このビデオデータストリームはマルチプレクサ126に供給される。
【0073】
マイクロホン114で得られた音声データは、切り換えスイッチ118のa側の固定端子に供給される。また、データ取り出し部115で得られた音声データは、切り換えスイッチ118のb側の固定端子に供給される。ライブモードでは、切り換えスイッチ118はa側に接続され、この切り換えスイッチ118からはマイクロホン114で得られた音声データが取り出される。再生モードでは、切り換えスイッチ118はb側に接続され、この切り換えスイッチ118からはデータ取り出し部115から出力された音声データが取り出される。
【0074】
切り換えスイッチ118で取り出された音声データはオーディオエンコーダ120に供給される。このオーディオエンコーダ120では、音声データに対して、MPEG−2Audio AAC、あるいは、MPEG−4 AAC等の符号化が施され、符号化オーディオデータを含むオーディオデータストリームが生成される。このオーディオデータストリームはマルチプレクサ126に供給される。
【0075】
カメラ111L,111Rで得られた左眼画像データ、右眼画像データは、ビデオフレーミング部112を通じて、ディスパリティ・マップ生成部113に供給される。このディスパリティ・マップ生成部113では、左眼画像データおよび右眼画像データに基づき、ピクセル(画素)毎の視差ベクトルが検出され、ディスパリティ・マップが生成される。このディスパリティ・マップは、切換スイッチ117のa側の固定端子に供給される。また、データ取り出し部115から出力されたディスパリティ・マップは、切り換えスイッチ117のb側の固定端子に供給される。
【0076】
ライブモードでは、切り換えスイッチ117はa側に接続され、この切り換えスイッチ117からはディスパリティ・マップ生成部113で生成されたディスパリティ・マップが取り出される。再生モードでは、切り換えスイッチ117はb側に接続され、この切り換えスイッチ117からはデータ取り出し部115から出力されたディスパリティ・マップが取り出される。
【0077】
切り換えスイッチ117で取り出されたディスパリティ・マップは、奥行き情報セット作成部122に供給される。この奥行き情報セット作成部122では、ディスパリティ・マップに基づいて、切り換えスイッチ116から出力される所定番組の立体画像データに対応した奥行き情報セットが作成される。この奥行き情報セットには、画像表示面の分割情報と各分割領域の奥行き情報が含まれている。この奥行き情報セットは、マルチプレクサ126に供給される。
【0078】
マルチプレクサ126では、ビデオエンコーダ119およびオーディオエンコーダ120からの各データストリームが多重化され、ビットストリームデータ(トランスポートストリーム)BSDとしての多重化データストリームが得られる。
【0079】
また、このマルチプレクサ126では、このビットストリームデータBSDに、奥行き情報セット作成部122で作成された奥行き情報セットが挿入される。すなわち、このマルチプレクサ126では、ビットストリームデータBSDに挿入されるPSI情報またはSI情報の所定位置に、奥行き情報セットを含むデスクリプタ(z−Surface descriptor)が挿入される。
【0080】
[多重化データストリームの構成例]
図16〜図18は、多重化データストリーム(トランスポートストリーム)の構成例を示している。この多重化データストリームには、各エレメンタリストリームをパケット化して得られたPESパケットが含まれている。この構成例では、ビデオエレメンタリストリームのPESパケット「Video PES」、オーディオエレメンタリストリームのPESパケット「AudioPES」が含まれている。
【0081】
また、トランスポートストリームには、PSI(Program SpecificInformation)として、PMT(Program Map Table)が含まれている。このPSIは、トランスポートストリームに含まれる各エレメンタリストリームがどのプログラムに属しているかを記載した情報である。また、トランスポートストリームには、イベント単位の管理を行うSI(Serviced Information)としてのEIT(EventInformation Table)が含まれている。このEITには、番組単位のメタデータが記載される。
【0082】
PMTには、プログラム全体に関連する情報を記述するプログラム・デスクリプタ(ProgramDescriptor)が存在する。また、このPMTには、各エレメンタリストリームに関連した情報を持つエレメンタリ・ループが存在する。この構成例では、ビデオエレメンタリ・ループ、オーディオエレメンタリ・ループが存在する。各エレメンタリ・ループには、ストリーム毎に、パケット識別子(PID)等の情報が配置されると共に、図示していないが、そのエレメンタリストリームに関連する情報を記述する記述子(デスクリプタ)も配置される。
【0083】
図16、図17に示す多重化データストリームの構成例は、奥行き情報セットを含むデスクリプタ(z−Surface descriptor)を、PMTの配下に挿入する例である。すなわち、図16に示す多重化データストリームの構成例(case1)では、PMT中のプログラム・デスクリプタ(Program Descriptor)に、デスクリプタ(z−Surfacedescriptor)が配置されている。また、図17に示す多重化データストリームの構成例(case2)では、ビデオ・エレメンタリ・ループ(Video ES loop)のデスクリプタ(descriptor)部分に、デスクリプタ(z−Surface descriptor)が配置されている。また、図18に示す多重化データストリームの構成例(case3)は、奥行き情報セットを含むデスクリプタ(z−Surface descriptor)を、EITの配下に挿入する例である。
【0084】
奥行き情報セットを含むデスクリプタ(z−Surface descriptor)をPMTの配下に挿入する場合、図19に示すように、番組期間中の所定タイミングでデスクリプタを送ることができ、番組期間中において、奥行き情報をダイナミックに変化させることが可能となる。図19に示す例では、番組期間中において、奥行き情報a、奥行き情報b、奥行き情報cの順にダイナミックに変えられている。この奥行き情報の更新期間は、例えば、100msec、あるいは100msecより長い期間とされる。
【0085】
デスクリプタを送信するタイミングとしては、例えば、シーン変化点が考えられる。その場合、番組期間中の先頭タイミングでデスクリプタを送信し、その後は、シーン変化点毎にデスクリプタを送信して、奥行き情報の更新が図られる。図20は、シーン検出とデスクリプタ送信の処理概要を示している。
【0086】
この場合、現在フレームに含まれる全てのブロックについて、1フレーム前の画像データと比較されて動きベクトルが検出される。そして、現在フレームと1フレーム前のフレームとの間で、相関度の検査値として、ブロック毎の動きベクトル(大きさ)の差分値の総和Σ(mv((t-1)-mv(t))が算出される。同様に、1フレーム前のフレームと2フレーム前のフレームとの間で、相関度の検査値として、ブロック毎の動きベクトル(大きさ)の差分値の総和Σ(mv((t-2)-mv(t-1))が算出される。
【0087】
1フレーム前のフレームと2フレーム前のフレームの間の動きベクトルの相関が高く、かつ、現在フレームと1フレーム前のフレームとの間の動きベクトルの相関が小さいとき、シーン変化があったと判断される。つまり、「Σ(mv((t-2)-mv(t-1))<threshold2)」を満たし、かつ「Σ(mv((t-1)-mv(t))<threshold1)を満たさないとき、シーン変化があったと判断される。このようにシーン変化があったと判断されたとき、デスクリプタの送信が行われる。このデスクリプタには、シーン変化後の画像(現在フレームの画像)に対応した奥行き情報が含まれることとなる。なお、シーン検出方法は、上述例に限定されないことは勿論である。
【0088】
上述したように、番組期間中において、所定期間毎の奥行き情報を含むデスクリプタを送ることができる、その場合、図19に示すように、各期間の開始時点に対応させてデスクリプタ(z−Surface descriptor)が送信される。この場合、デスクリプタに、当該期間の奥行き情報を含ませることの他に、当該期間より後の期間、例えば1つ後の期間の奥行き情報を、いわゆる先出し情報として含ませることも考えられる。
【0089】
図21は、その場合における各デスクリプタ(z−Surface descriptor)の送信タイミングと、各デスクリプタに含まれる奥行き情報との関係を示している。例えば、期間Aの開始時点で送信されるデスクリプタ(z−Surface descriptor)には、期間Bの奥行き情報bが含まれる。また、期間Bの開始時点で送信されるデスクリプタ(z−Surface descriptor)には、期間Cの奥行き情報cが含まれる。以下の各期間の開始時点で送信されるデスクリプタ(z−Surface descriptor)においても同様であり、そのデスクリプタには、次に期間の奥行き情報が含まれる。
【0090】
このように各期間の開始時点で送信されるデスクリプタ(z−Surface descriptor)に、その後の期間、例えば1つ後の期間の奥行き情報を先出し情報として含ませることで、受信側において時間方向変化がなだらかな視差情報を得ることが可能となる。すなわち、受信側において、各期間の左眼重畳情報と右眼重畳情報との間に視差を付与する際に使用する視差情報として、当該期間および当該期間の前後の期間の奥行き情報セットに含まれる視差情報を用いた補間処理を行うことが可能となる。そして、これにより、時間方向(フレーム方向の)変化がなだらかな、つまり更新カーブがスムーズとなる視差情報を得ることが可能となる。
【0091】
なお、図21において、破線S1は送信される立体画像データにおける視差情報カーブ(Videodisparity curve)の一例を示し、実線S2は、各期間に対応して更新される視差情報(Disparityupdate)の一例を示している。また、この図21において、破線S3は、受信側において、補間処理で得られる視差情報カーブ(Receiverinterpolation curve)の一例を示している。
【0092】
この場合、受信側においては、例えば以下のような補間処理が行われる。すなわち、各期間の前半では、前の期間の視差情報と当該期間の視差情報との混合比率が当該期間の方が順次高くされていくことで、各時点の補間視差情報が得られる。また、各期間の後半では、当該期間の視差情報と後の期間の視差情報との混合比率が後の期間の方が順次高くされていくことで、各時点の補間視差情報が得られる。
【0093】
また、奥行き情報セットを含むデスクリプタ(z−Surface descriptor)をEITの配下に挿入する場合、図22に示すように、番組の最初にデスクリプタ送信でき、番組期間中において、奥行き情報は固定となる。
【0094】
[デスクリプタ(z−Surface descriptor)の構造例]
図23は、デスクリプタ(z−Surface descriptor)の構造例(Syntax)を示している。図24は、図23に示す構造例における主要な情報の内容(Semantics)を示している。「descriptor_tag」の8ビットフィールドは、デスクリプタ(記述子)のタイプを示し、ここでは、デスクリプタ(z−Surface descriptor)であることを示す。「descriptor_length」の8ビットフィールドは、デスクリプタの長さ(サイズ)を示す8ビットのデータである。このデータは、デスクリプタの長さとして、「descriptor _length」以降のバイト数を示す。
【0095】
「display_partition_type」の2ビットフィールドは、画像表示面の分割タイプを示す(図7〜図13参照)。「number_of_partition」の4ビットフィールドは、画像表示面の分割数を示す。ここで、“0000”は画像表示面が分割されていないこと、つまり、分割数=1を示す。この場合には、デスクリプタ(z−Surface descriptor)には、画像表示面の全体に対する、単一の奥行き情報が含まれる。画像表示面の分割数分だけ、以降のforループが繰り返される。
【0096】
「z_depth_negative 」の1ビットフィールドは、画像面情報を示す。この画像面情報は、上述したように、モニタポジションに対して立体画像面(対応する分割領域の画像内の、遠近感でいうところの最も近い物体の面)が負(手前)にあるか否かを示す。“1”は、立体画像面がモニタポジションに対して負(手前)にあることを示す。“1”は、立体画像面がモニタポジションと同じか、モニタポジションに対して正(奥)にあることを示す。
【0097】
なお、この実施の形態においては、上述したように、「z_depth_negative 」の1ビットフィールドとして、視差情報を構成する符号情報が用いられる。この場合の視差情報は、対応する領域の画像を構成する各ピクセル(画素)の視差情報(視差ベクトル)のうち、遠近感でいうところの最も手前に知覚されるピクセルの視差情報であり、立体画像面を構成するピクセルの視差情報である。
【0098】
「disparity_value_flag」は、上述の画像面情報の他に、視差情報が存在するか否かを示す1ビットのフラグ情報である。この場合の視差情報は、例えば、上述した立体画像面を構成するピクセルの視差情報である。“1”は視差情報が存在することを示し、“0”は視差情報が存在しないことを示す。このフラグ情報が“1”であるとき、「absolute_disparity_value」の8ビットフィールドが存在する。この「absolute_disparity_value」は、視差情報を構成する絶対値情報を示す。この絶対値情報と上述の画像面情報としての符号情報により、視差情報が構成される。
【0099】
図25は、デスクリプタ(z−Surface descriptor)の他の構造例(Syntax)を示している。この構造例において、「disparity_value_flag」は各分割領域で共通とされ、forループの外側に配置されている。forループの中には、「z_depth_negative 」の1ビットフィールドが存在する。また、このforループの中には、「disparity_value_flag」が“1”で視差情報の存在を示すとき「absolute_disparity_value」の7ビットフィールドが存在し、その他のとき7ビットの「reserved」が存在する。
【0100】
このように、図25に示すデスクリプタ(z−Surface descriptor)の構造例では、forループ中のバイトアライン(Byte Align)が確保されている。つまり、この図25に示すデスクリプタの構造例では、forループ中に、バイトアライン(Byte Align)を確保するための「bit_stuffing」は不要となる。
【0101】
図2に示す送信データ生成部110において、マルチプレクサ126から出力されるビットストリームデータBSDには、左眼画像データおよび右眼画像データを有する所定番組の立体画像データと共に、所定番組の立体画像データに対応した奥行き情報セットが含まれている。そのため、受信側において、この奥行き情報セットを用いることで、左眼画像および右眼画像に重畳される重畳情報、例えばOSD等のグラフィクス情報として、画像内の各物体の遠近感に応じて視差調整が施されたものを用いることができる。これにより、例えばOSD等のグラフィクス情報の表示において、画像内の各物体との間の遠近感の整合性を維持することが可能となる。
【0102】
また、図2に示す送信データ生成部110において、奥行き情報セットは、画像表示面の分割情報と各分割領域の奥行き情報を含むものであって、立体画像データを含むデータストリームを有するビットストリームデータ(多重化データストリーム)BSDに挿入されるデスクリプタに含まれて送信される。つまり、奥行き情報セットを、デスクリプタを用いて、受信側に簡単に送信できる。
【0103】
[セットトップボックスの説明]
図1に戻って、セットトップボックス200は、放送局100から放送波にのせて送信されてくるビットストリームデータ(トランスポートストリーム)BSDを受信する。このビットストリームデータBSDには、左眼画像データおよび右眼画像データを含む立体画像データ、音声データ、奥行き情報セットが含まれる。
【0104】
セットトップボックス200は、ビットストリーム処理部201を有している。このビットストリーム処理部201は、ビットストリームデータから、立体画像データ、音声データ、奥行き情報セット等を抽出する。このビットストリーム処理部201は、適宜、OSD等のグラフィクス情報が重畳された左眼画像および右眼画像のデータを生成する。この場合、奥行き情報セットに基づいて、左眼画像に重畳する左眼グラフィクス情報と右眼画像に重畳する右眼グラフィクス情報との間には視差が付与される。このように左眼グラフィクス情報と右眼グラフィクスとの間に視差が付与されることで、ユーザは、立体画像に重畳されるOSD等のグラフィクス情報を、例えば、画像の手前に認識可能となる。
【0105】
[セットトップボックスの構成例]
セットトップボックス200の構成例を説明する。図26は、セットトップボックス200の構成例を示している。このセットトップボックス200は、ビットストリーム処理部201と、HDMI端子202と、アンテナ端子203と、デジタルチューナ204と、映像処理回路205と、HDMI送信部206と、音声処理回路207を有している。また、このセットトップボックス200は、CPU211と、フラッシュROM212と、DRAM213と、内部バス214と、リモコン受信部215と、リモコン送信機216を有している。
【0106】
アンテナ端子203は、受信アンテナ(図示せず)で受信されたテレビ放送信号を入力する端子である。デジタルチューナ204は、アンテナ端子203に入力されたテレビ放送信号を処理して、ユーザの選択チャネルに対応した所定のビットストリームデータ(トランスポートストリーム)BSDを出力する。
【0107】
ビットストリーム処理部201は、上述したように、ビットストリームデータBSDから立体画像データ、音声データ等を抽出して出力する。このビットストリーム処理部201は、立体画像データに対して、適宜、OSD等のグラフィクス情報の表示データを合成する。その際、ビットストリーム処理部201は、奥行き情報セットに基づいて、適宜、左眼画像に重畳する左眼グラフィクス情報と右眼画像に重畳する右眼グラフィクス情報との間に視差を付与する。
【0108】
映像処理回路205は、ビットストリーム処理部201から出力される立体画像データに対して必要に応じて画質調整処理などを行い、処理後の立体画像データをHDMI送信部206に供給する。音声処理回路207は、ビットストリーム処理部201から出力された音声データに対して必要に応じて音質調整処理等を行い、処理後の音声データをHDMI送信部206に供給する。
【0109】
HDMI送信部206は、HDMIに準拠した通信により、例えば、非圧縮の画像データおよび音声データを、HDMI端子202から送出する。この場合、HDMIのTMDSチャネルで送信するため、画像データおよび音声データはパッキングされ、HDMI送信部206からHDMI端子202に出力される。また、このHDMI送信部206は、上述の奥行き情報セットを、HDMIインタフェースで、テレビ受信機300に送信する。このHDMI送信部206の詳細は後述する。
【0110】
CPU211は、セットトップボックス200の各部の動作を制御する。フラッシュROM212は、制御ソフトウェアの格納およびデータの保管を行う。DRAM213は、CPU211のワークエリアを構成する。CPU211は、フラッシュROM212から読み出したソフトウェアやデータをDRAM213上に展開してソフトウェアを起動させ、セットトップボックス200の各部を制御する。
【0111】
リモコン受信部215は、リモコン送信機216から送信されたリモートコントロール信号(リモコンコード)を受信し、CPU211に供給する。CPU211は、このリモコンコードに基づいて、セットトップボックス200の各部を制御する。CPU211、フラッシュROM212およびDRAM213は内部バス214に接続されている。
【0112】
ビットストリーム処理部201について説明する。このビットストリーム処理部201は、デマルチプレクサ220と、ビデオデコーダ221と、オーディオデコーダ224と、OSD表示データ発生部226と、ビデオ重畳部228を有している。デマルチプレクサ220は、ビットストリームデータBSDから、ビデオ、オーディオのパケットを抽出し、各デコーダに送る。また、デマルチプレクサ220は、ビットストリームデータBSDから、奥行き情報セットを抽出し、OSD表示データ発生部226と、上述したHDMI送信部206に送る。
【0113】
ビデオデコーダ221は、デマルチプレクサ220で抽出されたビデオのパケットからビデオのエレメンタリストリームを再構成し、復号化処理を行って、左眼画像データおよび右眼画像データを含む立体画像データを得る。オーディオデコーダ224は、デマルチプレクサ220で抽出されたオーディオのパケットからオーディオのエレメンタリストリームを再構成し、復号化処理を行って、音声データを得て、ビットストリーム処理部201の外部に出力する。
【0114】
OSD表示データ発生部226は、立体画像データに含まれる左眼画像データに対応した左眼グラフィクス情報のデータおよび立体画像データに含まれる右眼画像データに対応した右眼グラフィクス情報のデータを発生する。この場合、OSD表示データ発生部226は、デマルチプレクサ220で抽出された奥行き情報セットに含まれる画像面情報、あるいは画像面情報および視差情報に基づいて、左眼グラフィクス情報と右眼グラフィクス情報との間に、適宜、視差を付与する。
【0115】
例えば、画像面情報に基づいて、立体画像面がモニタポジションに対して手前に位置する場合には、グラフィクス情報が立体画像面より手前に知覚されるように、予め決められた所定の視差が付与される。また、例えば、画像面情報に基づいて、立体画像面がモニタポジションと同じ位置か、あるいはそれより奥に位置する場合には、視差は付与されない。また、例えば、視差情報に基づいて、グラフィクス情報が立体画像面より手前に知覚されるように視差が付与される。
【0116】
ここで、奥行き情報セットを含むデスクリプタ(z−Surface descriptor)がPMTの配下に挿入される場合にあっては、番組期間中において各分割領域の奥行き情報の更新が可能となる(図19参照)。OSD表示データ発生部226は、このように更新される奥行き情報、例えば視差情報を用いることで、左眼および右眼のグラフィクス情報に付与する視差を動的に変化させることができる。
【0117】
この場合、OSD表示データ発生部226は、あるデスクリプタ(z−Surfacedescriptor)に含まれる視差情報を次にデスクリプタ(z−Surface descriptor)が送信されてくるまでの各フレームで使用するということを、繰り返すことも可能である。しかし、その場合、デスクリプタが送信されてきて視差情報が更新される時点で、左眼および右眼のグラフィクス情報に付与する視差が急激に変化して視聴者に違和感を発生させるおそれがある。
【0118】
そこで、この実施の形態において、OSD表示データ発生部226は、図27に示すように、次のデスクリプタ(z−Surface descriptor)が送られてきた場合、そのデスクリプタに含まれる視差情報を直ちに用いることをしない。つまり、OSD表示データ発生部226は、新たな視差情報に複数フレームをかけて到達するように、この複数フレームの間は補間処理による視差情報(破線図示)を使用する。この処理により、視差付与に使用される視差情報の時間方向(フレーム方向の)変化をなだらかにでき、左眼および右眼のグラフィクス情報に付与する視差が急激に変化して視聴者に違和感を発生させることを抑制できる。
【0119】
上述の図27に示す補間処理例は、各期間の開始時点に対応して送られてくるデスクリプタ(z−Surface descriptor)に、当該期間の奥行き情報が含まれている場合を示している。各期間の開始時点に対応して送られてくるデスクリプタ(z−Surface descriptor)に、その後の期間、例えば1つ後の期間の奥行き情報が含まれている場合の補間処理例を説明する。
【0120】
図28は、その場合の補間処理例を示している。この場合、期間Aの開始時点で送られてくるデスクリプタ(z−Surface descriptor)には、期間Bの奥行き情報bが含まれている。また、期間Bの開始時点で送られてくるデスクリプタ(z−Surface descriptor)には、期間Cの奥行き情報cが含まれている。以下の各期間の開始時点で送られてくるデスクリプタ(z−Surface descriptor)においても同様であり、そのデスクリプタには、次に期間の奥行き情報が含まれている。
【0121】
この場合、以下のような補間処理が行われて、各時点の補間視差情報が得られる。すなわち、各期間の前半では、前の期間の視差情報と当該期間の視差情報との混合比率が当該期間の方が順次高くされていくことで、各時点の補間視差情報が得られる。また、各期間の後半では、当該期間の視差情報と後の期間の視差情報との混合比率が後の期間の方が順次高くされていくことで、各時点の補間視差情報が得られる。
【0122】
例えば、期間Aの中間時点から期間Bの中間時点までの期間T_ABの各時点の補間視差情報は、期間Aの視差情報と期間Bの視差情報との混合比率を順次変化させることで得られる。この場合、期間Aの視差情報に関しては100%から0%に順次変化させられ、期間Bの視差情報に関しては0%から100%に順次変化させられる。また、例えば、期間Bの中間時点から期間Cの中間時点までの期間T_BCの各時点の補間視差情報は、期間Bの視差情報と期間Cの視差情報との混合比率を順次変化させることで得られる。この場合、期間Bの視差情報に関しては100%から0%に順次変化させられ、期間Cの視差情報に関しては0%から100%に順次変化させられる。
【0123】
なお、図28において、破線S1は送信されてくる立体画像データにおける視差情報カーブ(Videodisparity curve)の一例を示し、実線S2は、各期間に対応して更新される視差情報(Disparityupdate)の一例を示している。また、この図28において、破線S3は、補間処理で得られる視差情報カーブ(Receiver interpolationcurve)の一例を示している。
【0124】
図28に示すような補間処理が行われることで、時間方向変化がなだらかな、つまり更新カーブがスムーズとなる視差情報を得ることが可能となる。これにより、視差付与に使用される視差情報の時間方向(フレーム方向の)変化をなだらかにでき、左眼および右眼のグラフィクス情報に付与する視差が急激に変化して視聴者に違和感を発生させることを抑制できる。
【0125】
ビデオ重畳部228は、ビデオデコーダ221で得られた立体画像データ(左眼画像データ、右眼画像データ)に対し、OSD表示データ発生部226で発生された左眼および左眼のグラフィクス情報のデータを重畳し、表示用立体画像データを得る。そして、このビデオ重畳部228は、表示用立体画像データを、ビットストリーム処理部201の外部に出力する。
【0126】
セットトップボックス200の動作を簡単に説明する。アンテナ端子203に入力されたテレビ放送信号はデジタルチューナ204に供給される。このデジタルチューナ204では、テレビ放送信号が処理されて、ユーザの選択チャネルに対応した所定のビットストリームデータ(トランスポートストリーム)BSDが出力される。
【0127】
デジタルチューナ204から出力されるビットストリームデータBSDは、ビットストリーム処理部201に供給される。このビットストリーム処理部201では、ビットストリームデータBSDから立体画像データ、音声データ、奥行き情報セット等が抽出される。ビットストリーム処理部201では、立体画像データに対して、適宜、OSD等のグラフィクス情報の表示データが合成される。
【0128】
その際、ビットストリーム処理部201では、奥行き情報セットに基づいて、左眼画像に重畳する左眼グラフィクス情報と右眼画像に重畳する右眼グラフィクス情報との間に視差が付与される。これにより、立体画像に重畳表示されるOSD等のグラフィクス情報に関して、画像内の各物体との間の遠近感の整合性を最適な状態に維持することが可能となる。
【0129】
ビットストリーム処理部201で得られた表示用立体画像データは、映像処理回路205に供給される。この映像処理回路205では、表示用立体画像データに対して、必要に応じて画質調整処理等が行われる。この映像処理回路205から出力される処理後の表示用立体画像データは、HDMI送信部206に供給される。
【0130】
また、ビットストリーム処理部201で得られた音声データは、音声処理回路207に供給される。この音声処理回路207では、音声データに対して、必要に応じて音質調整処理等の処理が行われる。この音声処理回路207から出力される処理後の音声データは、HDMI送信部206に供給される。そして、HDMI送信部206に供給された立体画像データおよび音声データは、HDMIのTMDSチャネルにより、HDMI端子202からHDMIケーブル400に送出される。
【0131】
[テレビ受信機の説明]
図1に戻って、テレビ受信機300は、セットトップボックス200からHDMIケーブル400を介して送られてくる立体画像データを受信する。このテレビ受信機300は、3D信号処理部301を有している。この3D信号処理部301は、立体画像データに対して、伝送方式に対応した処理(デコード処理)を行って、左眼画像データおよび右眼画像データを生成する。この3D信号処理部301は、立体画像データを構成する左眼画像データおよび右眼画像データを取得する。
【0132】
[テレビ受信機の構成例]
テレビ受信機300の構成例を説明する。図29は、テレビ受信機300の構成例を示している。このテレビ受信機300は、3D信号処理部301と、HDMI端子302と、HDMI受信部303と、アンテナ端子304と、デジタルチューナ305と、ビットストリーム処理部306を有している。
【0133】
また、このテレビ受信機300は、OSD表示データ発生部313と、ビデオ重畳部314と、映像処理回路307と、パネル駆動回路308と、表示パネル309と、音声処理回路310と、音声増幅回路311と、スピーカ312を有している。また、このテレビ受信機300は、CPU321と、フラッシュROM322と、DRAM323と、内部バス324と、リモコン受信部325と、リモコン送信機326を有している。
【0134】
アンテナ端子304は、受信アンテナ(図示せず)で受信されたテレビ放送信号を入力する端子である。デジタルチューナ305は、アンテナ端子304に入力されたテレビ放送信号を処理して、ユーザの選択チャネルに対応した所定のビットストリームデータ(トランスポートストリーム)を出力する。
【0135】
ビットストリーム処理部306は、図26に示すセットトップボックス200のビットストリーム処理部201と同様の構成とされている。このビットストリーム処理部306は、ビットストリームデータから立体画像データ(左眼画像データ、右眼画像データ)、音声データ、奥行き情報セット等を抽出する。
【0136】
HDMI受信部303は、HDMIに準拠した通信により、HDMIケーブル400を介してHDMI端子302に供給される非圧縮の画像データおよび音声データを受信する。このHDMI受信部303は、そのバージョンが例えばHDMI1.4とされており、立体画像データの取り扱いが可能な状態にある。また、このHDMI受信部303は、上述の奥行き情報セットを、HDMIインタフェースで、セットトップボックス200から受信する。このHDMI受信部303の詳細は後述する。
【0137】
3D信号処理部301は、HDMI受信部303で受信された、あるいはビットストリーム処理部306で得られた立体画像データに対して、デコード処理を行って、左眼画像データおよび右眼画像データを生成する。この場合、3D信号処理部301は、ビットストリーム処理部306で得られた立体画像データに対しては、その伝送方フォーマットに対応したデコード処理を行う。また、3D信号処理部301は、HDMI受信部303で受信された立体画像データに対しては、後述するTMDS伝送データ構造に対応したデコード処理を行う。
【0138】
OSD表示データ発生部313は、立体画像データに含まれる左眼画像データに対応した左眼グラフィクス情報のデータおよび立体画像データに含まれる右眼画像データに対応した右眼グラフィクス情報のデータを発生する。このグラフィクス情報は、メニュー、番組表などのOSD表示のための重畳情報である。
【0139】
この場合、OSD表示データ発生部313は、ビットストリーム処理部306で得られた、あるいはHDMI受信部303で受信された奥行き情報セットに基づいて、左眼グラフィクス情報と右眼グラフィクス情報との間に視差を付与する。ここで、OSD表示データ発生部313は、奥行き情報セットに含まれる画像面情報、あるいは画像面情報および視差情報に基づいて、左眼グラフィクス情報と右眼グラフィクス情報との間に、適宜、視差を付与する。
【0140】
例えば、画像面情報に基づいて、立体画像面がモニタポジションに対して手前に位置する場合には、グラフィクス情報が立体画像面より手前に知覚されるように、予め決められた所定の視差が付与される。また、例えば、画像面情報に基づいて、立体画像面がモニタポジションと同じ位置か、あるいはそれより奥に位置する場合には、視差は付与されない。また、例えば、視差情報に基づいて、グラフィクス情報が立体画像面より手前に知覚されるように視差が付与される。
【0141】
ビデオ重畳部314は、3D信号処理部301で得られた立体画像データ(左眼画像データ、右眼画像データ)に対し、OSD表示データ発生部313で発生された左眼および左眼のグラフィクス情報のデータを重畳し、表示用立体画像データを得る。
【0142】
映像処理回路307は、3D信号処理部301で生成された左眼画像データおよび右眼画像データに基づいて、立体画像を表示するための画像データを生成する。また、映像処理回路307は、画像データに対して、必要に応じて、画質調整処理を行う。パネル駆動回路308は、映像処理回路307から出力される画像データに基づいて、表示パネル309を駆動する。表示パネル309は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma DisplayPanel)等で構成されている。
【0143】
音声処理回路310は、HDMI受信部303で受信された、あるいはビットストリーム処理部306で得られた音声データに対してD/A変換等の必要な処理を行う。音声増幅回路311は、音声処理回路310から出力される音声信号を増幅してスピーカ312に供給する。
【0144】
CPU321は、テレビ受信機300の各部の動作を制御する。フラッシュROM322は、制御ソフトウェアの格納およびデータの保管を行う。DRAM323は、CPU321のワークエリアを構成する。CPU321は、フラッシュROM322から読み出したソフトウェアやデータをDRAM323上に展開してソフトウェアを起動させ、テレビ受信機300の各部を制御する。
【0145】
リモコン受信部325は、リモコン送信機326から送信されたリモートコントロール信号(リモコンコード)を受信し、CPU321に供給する。CPU321は、このリモコンコードに基づいて、テレビ受信機300の各部を制御する。CPU321、フラッシュROM322およびDRAM323は、内部バス324に接続されている。
【0146】
図29に示すテレビ受信機300の動作を簡単に説明する。HDMI受信部303では、HDMI端子302にHDMIケーブル400を介して接続されているセットトップボックス200から送信されてくる、立体画像データおよび音声データが受信される。このHDMI受信部303で受信された立体画像データは、3D信号処理部301に供給される。また、このHDMI受信部303で受信された音声データは音声処理回路310に供給される。
【0147】
アンテナ端子304に入力されたテレビ放送信号はデジタルチューナ305に供給される。このデジタルチューナ305では、テレビ放送信号が処理されて、ユーザの選択チャネルに対応した所定のビットストリームデータ(トランスポートストリーム)が出力される。
【0148】
デジタルチューナ305から出力されるビットストリームデータは、ビットストリーム処理部306に供給される。このビットストリーム処理部306では、ビットストリームデータから立体画像データ(左眼画像データ、右眼画像データ)、音声データ、奥行き情報セット等が抽出される。ビットストリーム処理部306で得られた立体画像データは、3D信号処理部301に供給される。また、このビットストリーム処理部306で得られた音声データは、音声処理回路310に供給される。
【0149】
3D信号処理部301では、HDMI受信部303で受信された、あるいはビットストリーム処理部306で得られた立体画像データに対してデコード処理が行われて、左眼画像データおよび右眼画像データが生成される。この左眼画像データおよび右眼画像データは、ビデオ重畳部314に供給される。
【0150】
OSD表示データ発生部313では、立体画像データに含まれる左眼画像データに対応した左眼グラフィクス情報のデータおよび立体画像データに含まれる右眼画像データに対応した右眼グラフィクス情報のデータが発生される。この場合、OSD表示データ発生部313では、ビットストリーム処理部306で得られた、あるいはHDMI受信部303で受信された奥行き情報セットに基づいて、左眼グラフィクス情報と右眼グラフィクス情報との間に視差が付与される。
【0151】
ビデオ重畳部314では、3D信号処理部301で得られた立体画像データ(左眼画像データ、右眼画像データ)に対し、OSD表示データ発生部313で発生された左眼および左眼のグラフィクス情報のデータが重畳し、表示用立体画像データが得られる。この表示用立体画像データは、映像処理回路307に供給される。この映像処理回路307では、左眼画像データおよび右眼画像データに基づいて、立体画像を表示するための画像データが生成され、必要に応じて、画質調整処理も行われる。
【0152】
映像処理回路307で得られる画像データはパネル駆動回路308に供給される。そのため、表示パネル309により立体画像が表示される。例えば、表示パネル309に、左眼画像データによる左眼画像および右眼画像データによる右眼画像が交互に時分割的に表示される。視聴者は、表示パネル309の表示に同期して左眼シャッタおよび右眼シャッタが交互に開くシャッタメガネを装着することで、左眼では左眼画像のみを見ることができ、右眼では右眼画像のみを見ることができ、立体画像を知覚できる。
【0153】
また、音声処理回路310では、HDMI受信部303で受信された、あるいはビットストリーム処理部306で得られた音声データに対してD/A変換等の必要な処理が施される。この音声データは、音声増幅回路311で増幅された後に、スピーカ312に供給される。そのため、スピーカ312から表示パネル309の表示画像に対応した音声が出力される。
【0154】
[HDMI送信部、HDMI受信部の構成例]
図30は、図1の立体画像表示システム10における、セットトップボックス200のHDMI送信部(HDMIソース)206と、テレビ受信機300のHDMI受信部(HDMIシンク)303の構成例を示している。
【0155】
HDMI送信部206は、有効画像区間(以下、適宜、アクティブビデオ区間ともいう)において、非圧縮の1画面分の画像の画素データに対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMI受信部303に一方向に送信する。ここで、有効画像区間は、一の垂直同期信号から次の垂直同期信号までの区間から、水平帰線区間及び垂直帰線区間を除いた区間である。また、HDMI送信部206は、水平帰線区間または垂直帰線区間において、少なくとも画像に付随する音声データや制御データ、その他の補助データ等に対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMI受信部303に一方向に送信する。
【0156】
HDMI送信部206とHDMI受信部303とからなるHDMIシステムの伝送チャネルには、以下の伝送チャネルがある。すなわち、HDMI送信部206からHDMI受信部303に対して、画素データおよび音声データを、ピクセルクロックに同期して、一方向にシリアル伝送するための伝送チャネルとしての、3つのTMDSチャネル#0乃至#2がある。また、ピクセルクロックを伝送する伝送チャネルとしての、TMDSクロックチャネルがある。
【0157】
HDMI送信部206は、HDMIトランスミッタ81を有する。トランスミッタ81は、例えば、非圧縮の画像の画素データを対応する差動信号に変換し、複数のチャネルである3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で、HDMIケーブル400を介して接続されているHDMI受信部303に、一方向にシリアル伝送する。
【0158】
また、トランスミッタ81は、非圧縮の画像に付随する音声データ、さらには、必要な制御データその他の補助データ等を、対応する差動信号に変換し、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2でHDMI受信部303に、一方向にシリアル伝送する。
【0159】
さらに、トランスミッタ81は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で送信する画素データに同期したピクセルクロックを、TMDSクロックチャネルで、HDMIケーブル400を介して接続されているHDMI受信部303に送信する。ここで、1つのTMDSチャネル#i(i=0,1,2)では、ピクセルクロックの1クロックの間に、10ビットの画素データが送信される。
【0160】
HDMI受信部303は、アクティブビデオ区間において、複数のチャネルで、HDMI送信部206から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号を受信する。また、このHDMI受信部303は、水平帰線区間または垂直帰線区間において、複数のチャネルで、HDMI送信部206から一方向に送信されてくる、音声データや制御データに対応する差動信号を受信する。
【0161】
すなわち、HDMI受信部303は、HDMIレシーバ82を有する。このHDMIレシーバ82は、TMDSチャネル#0,#1,#2で、HDMI送信部206から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号と、音声データや制御データに対応する差動信号を受信する。この場合、HDMI送信部206からTMDSクロックチャネルで送信されてくるピクセルクロックに同期して受信する。
【0162】
HDMIシステムの伝送チャネルには、上述のTMDSチャネル#0乃至#2およびTMDSクロックチャネルの他に、DDC(Display Data Channel)83やCECライン84と呼ばれる伝送チャネルがある。DDC83は、HDMIケーブル400に含まれる図示しない2本の信号線からなる。DDC83は、HDMI送信部206が、HDMI受信部303から、E−EDID(Enhanced Extended Display Identification Data)を読み出すために使用される。
【0163】
すなわち、HDMI受信部303は、HDMIレシーバ81の他に、自身の性能(Configuration/capability)に関する性能情報であるE−EDIDを記憶している、EDID ROM(Read Only Memory)85を有している。HDMI送信部206は、例えば、CPU211(図26参照)からの要求に応じて、HDMIケーブル400を介して接続されているHDMI受信部303から、E−EDIDを、DDC83を介して読み出す。
【0164】
HDMI送信部206は、読み出したE−EDIDをCPU211に送る。CPU211は、このE−EDIDを、フラッシュROM212あるいはDRAM213に格納する。CPU211は、E−EDIDに基づき、HDMI受信部303の性能の設定を認識できる。例えば、CPU211は、HDMI受信部303を有するテレビ受信機300が立体画像データの取り扱いが可能か否か、可能である場合はさらにいかなるTMDS伝送データ構造に対応可能であるか等を認識する。
【0165】
CECライン84は、HDMIケーブル400に含まれる図示しない1本の信号線からなり、HDMI送信部206とHDMI受信部303との間で、制御用のデータの双方向通信を行うために用いられる。このCECライン84は、制御データラインを構成している。
【0166】
また、HDMIケーブル400には、HPD(Hot Plug Detect)と呼ばれるピンに接続されるライン(HPDライン)86が含まれている。ソース機器は、当該ライン86を利用して、シンク機器の接続を検出することができる。なお、このHPDライン86は双方向通信路を構成するHEAC−ラインとしても使用される。また、HDMIケーブル400には、ソース機器からシンク機器に電源を供給するために用いられるライン(電源ライン)87が含まれている。さらに、HDMIケーブル400には、ユーティリティライン88が含まれている。このユーティリティライン88は双方向通信路を構成するHEAC+ラインとしても使用される。
【0167】
図31は、TMDS伝送データの構造例を示している。この図31は、TMDSチャネル#0,#1,#2において、横×縦が1920ピクセル×1080ラインの画像データが伝送される場合の、各種の伝送データの区間を示している。
【0168】
HDMIの3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で伝送データが伝送されるビデオフィールド(Video Field)には、伝送データの種類に応じて、3種類の区間が存在する。この3種類の区間は、ビデオデータ区間(Video Data period)、データアイランド区間(Data Islandperiod)、およびコントロール区間(Control period)である。
【0169】
ここで、ビデオフィールド区間は、ある垂直同期信号の立ち上がりエッジ(activeedge)から次の垂直同期信号の立ち上がりエッジまでの区間である。このビデオフィールド区間は、水平ブランキング期間(horizontal blanking)、垂直ブランキング期間(verticalblanking)、並びに、アクティブビデオ区間(Active Video)に分けられる。このアクティブビデオ区間は、ビデオフィールド区間から、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間を除いた区間である
【0170】
ビデオデータ区間は、アクティブビデオ区間に割り当てられる。このビデオデータ区間では、非圧縮の1画面分の画像データを構成する1920ピクセル(画素)×1080ライン分の有効画素(Active pixel)のデータが伝送される。
【0171】
データアイランド区間およびコントロール区間は、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間に割り当てられる。このデータアイランド区間およびコントロール区間では、補助データ(Auxiliary data)が伝送される。すなわち、データアイランド区間は、水平ブランキング期間と垂直ブランキング期間の一部分に割り当てられている。このデータアイランド区間では、補助データのうち、制御に関係しないデータである、例えば、音声データのパケット等が伝送される。
【0172】
コントロール区間は、水平ブランキング期間と垂直ブランキング期間の他の部分に割り当てられている。このコントロール区間では、補助データのうちの、制御に関係するデータである、例えば、垂直同期信号および水平同期信号、制御パケット等が伝送される。
【0173】
図32は、HDMI端子のピン配列の一例を示している。図32に示すピン配列はタイプA(type-A)と呼ばれている。TMDSチャネル#iの差動信号であるTMDS Data#i+とTMDS Data#i−は差動線である2本のラインにより伝送される。この2本のラインは、TMDS Data#i+が割り当てられているピン(ピン番号が1,4,7のピン)と、TMDS Data#i−が割り当てられているピン(ピン番号が3,6,9のピン)に接続される。
【0174】
また、制御用のデータであるCEC信号が伝送されるCECライン84は、ピン番号が13であるピンに接続される。また、E−EDID等のSDA(Serial Data)信号が伝送されるラインは、ピン番号が16であるピンに接続される。SDA信号の送受信時の同期に用いられるクロック信号であるSCL(Serial Clock)信号が伝送されるラインは、ピン番号が15であるピンに接続される。上述のDDC83は、SDA信号が伝送されるラインおよびSCL信号が伝送されるラインにより構成される。
【0175】
また、上述したようにソース機器がシンク機器の接続を検出するためのHPDライン(HEAC−ライン)86は、ピン番号が19であるピンに接続される。また、ユーティリティライン(HEAC+ライン)88は、ピン番号が14であるピンに接続される。また、上述したように電源を供給するためのライン87は、ピン番号が18であるピンに接続される。
【0176】
[HDMIでの奥行き情報セットの送信方法]
奥行き情報セットをHDMIインタフェースで送信する方法として、例えば、HDMIVendor Specific InfoFrame を利用する方法が考えられる。この方法では、HDMIVendor Specific InfoFrame paketにおいて、HDMI_Video_Format=“010”かつ3D_Meta_present=1とされて、Vendor SpecificInfoFrame extensionが指定される。その場合、3D_Metadata_typeは、未使用の、例えば、“100”と定義され、奥行き情報セットが指定される。
【0177】
図33は、HDMIVendor Specific InfoFrame のパケット構造を示している。このHDMI VendorSpecific InfoFrameについては、CEA-861-Dに定義されているので、詳細説明は省略する。
【0178】
第4バイト(PB4)の第7ビットから第5ビットに、画像データの種類を示す3ビットの情報「HDMI_Video_Format」が配置されている。画像データが3D画像データである場合、この3ビットの情報は「010」とされる。また、このように画像データが3D画像データである場合、第5バイト(PB5)の第7ビットから第4ビットに、TMDS伝送データ構造を示す4ビットの情報「3D_Structure」が配置される。例えば、フレームパッキング方式の場合、この4ビットの情報は、「0000」とされる。
【0179】
また、第5バイト(PB5)の第3ビットに、「3D_Meta_present」が配置され、Vendor Specific InfoFrame extensionを指定する場合、この1ビットは「1」とされる。また、第7バイト(PB7)の第7ビットから第5ビットに、「3D_Metadata_type」が配置されている。奥行き情報セットの情報を指定する場合、この3ビットの情報は、未使用の、例えば、“100”とされる。また、第7バイト(PB7)の第4バイトから第0バイトに、「3D_Metadata_length」が配置されている。この5ビットの情報により、以降に配置される3D_Metadata領域の長さが示される。
【0180】
また、第8バイト(PB8)の第7ビットから第6ビットに、「display_partition_type」の2ビット情報が配置される。また、第8バイト(PB8)の第3ビットから第0ビットに、「number_of_partition 」の4ビット情報が配置される。そして、以降に、「number_of_partition」が示す画像表示面の分割数に対応した個数の奥行き情報が配置される。この奥行き情報には、「z_depth_negative」の1ビット情報(画像面情報)が含まれ、さらに、「disparity_value_flag」が視差情報の存在を示すとき、「absolute_disparity_value」の8ビット情報が含まれる。
【0181】
上述したように、図1に示す画像送受信システム10において、放送局100(送信データ生成部201)からセットトップボックス200やテレビ受信機300に、左眼画像データおよび右眼画像データを有する所定番組の立体画像データと共に、この立体画像データに対応した奥行き情報セットが送信される。そのため、受信側において、この奥行き情報セットを用いることで、左眼画像および右眼画像に重畳される重畳情報、例えばOSD等のグラフィクス情報として、画像内の各物体の遠近感に応じて視差調整が施されたものを用いることができる。これにより、例えばOSD等のグラフィクス情報の表示において、画像内の各物体との間の遠近感の整合性を維持することが可能となる。
【0182】
また、図1に示す画像送受信システム10において、放送局100(送信データ生成部201)からセットトップボックス200やテレビ受信機300に送信される奥行き情報セットは、画像表示面の分割情報と各分割領域の奥行き情報を含むものであって、立体画像データを含むデータストリームを有するビットストリームデータ(多重化データストリーム)BSDに挿入されるデスクリプタに含まれて送信される。つまり、放送局100は、奥行き情報セットを、デスクリプタを用いて、受信側に簡単に送信できる。
【0183】
また、図1に示す画像送受信システム10において、セットトップボックス200からテレビ受信機300に、所定番組の立体画像データと共に、それに対応した奥行き情報セット(画像表示面の分割情報と各分割領域の奥行き情報を含む)が、HDMIケーブル400を介して送信される。そのため、テレビ受信機300において、奥行き情報セットを用いることで、左眼画像および右眼画像に重畳される重畳情報、例えばOSD等のグラフィクス情報として、画像内の各物体の遠近感に応じて視差調整が施されたものを用いることができる。これにより、例えばOSD等のグラフィクス情報の表示において、画像内の各物体との間の遠近感の整合性を維持することが可能となる。
【0184】
<2.変形例>
なお、上述実施の形態においては、立体画像表示システム10が、放送局100、セットトップボックス200およびテレビ受信機300で構成されているものを示した。しかし、テレビ受信機300は、図29に示すように、セットトップボックス200内のビットストリーム処理部201と同等に機能するビットストリーム処理部306を備えている。したがって、図34に示すように、放送局100およびテレビ受信機300で構成される立体画像表示システム10Aも考えられる。
【0185】
また、上述実施の形態においては、セットトップボックス200からテレビ受信機300に奥行き情報セットを送信する方法として、HDMI Vendor Specific InfoFrame を利用する方法を説明した。その他に、アクティブスペース(Active Space)を利用する方法、さらには、HPDライン86(HEAC−ライン)およびユーティリティライン88(HEAC+ライン)で構成される双方向通信路を通じて送信することも考えられる。
【0186】
また、上述実施の形態においては、セットトップボックス200と、テレビ受信機300とが、HDMIのデジタルインタフェースで接続されるものを示している。しかし、これらが、HDMIのデジタルインタフェースと同様のデジタルインタフェース(有線の他に無線も含む)で接続される場合においても、この発明を適用できることは勿論である。
【0187】
また、上述実施の形態においては、セットトップボックス200からテレビ受信機300に、ビットストリーム処理部201で使用されている奥行き情報セットを、HDMIインタフェースにより送信する例を示した。しかし、このようにHDMIインタフェースを通じて奥行き情報セットを送信する技術に関しては、その他のソース機器およびシンク機器の組み合わせにも応用できることは勿論である。例えば、ソース機器としてはBDやDVD等のディスクプレーヤ、さらにはゲーム機なども考えられ、シンク機器としてはモニタ装置、プロジェクタ装置なども考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0188】
この発明は、立体画像表示の際の重畳情報、例えばOSD等のグラフィクス情報の表示を良好に行うことができ、立体画像表示システム等に適用できる。
【符号の説明】
【0189】
10,10A・・・立体画像表示システム
100・・・放送局
110・・・送信データ生成部
111L,111R・・・カメラ
112・・・ビデオフレーミング部
113・・・ディスパリティ・マップ作成部
114・・・マイクロホン
115・・・データ取り出し部
115a・・・データ記録媒体
116〜118・・・切り換えスイッチ
119・・・ビデオエンコーダ
120・・・オーディオエンコーダ
122・・・奥行き情報セット作成部
126・・・マルチプレクサ
200・・・セットトップボックス(STB)
201・・・ビットストリーム処理部
202・・・HDMI端子
203・・・アンテナ端子
204・・・デジタルチューナ
205・・・映像処理回路
206・・・HDMI送信部
207・・・音声処理回路
211・・・CPU
215・・・リモコン受信部
216・・・リモコン送信機
220・・・デマルチプレクサ
221・・・ビデオデコーダ
224・・・オーディオデコーダ
226・・・OSD表示データ発生部
228・・・ビデオ重畳部
300・・・テレビ受信機(TV)
301・・・3D信号処理部
302・・・HDMI端子
303・・・HDMI受信部
304・・・アンテナ端子
305・・・デジタルチューナ
306・・・ビットストリーム処理部
307・・・映像処理回路
308・・・パネル駆動回路
309・・・表示パネル
310・・・音声処理回路
311・・・音声増幅回路
312・・・スピーカ
313・・・OSD表示データ発生部
314・・・ビデオ重畳部
321・・・CPU
325・・・リモコン受信部
326・・・リモコン送信機
400・・・HDMIケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左眼画像データおよび右眼画像データを有する立体画像データを出力する画像データ出力部と、
上記画像データ出力部から出力される上記立体画像データに対応した奥行き情報セットを出力する奥行き情報セット出力部と、
上記画像データ出力部から出力される立体画像データおよび上記奥行き情報セット出力部から出力される奥行き情報セットを送信する送信部とを備え、
上記奥行き情報セットは、画像表示面の分割情報と各分割領域の奥行き情報を含み、
上記送信部は、上記画像データ出力部から出力される立体画像データを含むデータストリームを有する多重化データストリームを送信し、該多重化データストリームに、上記奥行き情報セット出力部から出力される奥行き情報セットを含むデスクリプタを挿入する
立体画像データ送信装置。
【請求項2】
上記奥行き情報は、モニタポジションに対して立体画像面が手前にあるか否かを示す画像面情報である
請求項1に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項3】
上記画像面情報は、左眼画像および右眼画像の視差情報を構成する符号情報である
請求項2に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項4】
上記奥行き情報は、モニタポジションに対して立体画像面が手前にあるか否かを示す画面情報、または該画像面情報と左眼画像および右眼画像の視差情報であり、
上記奥行き情報セットには、上記視差情報の存在を示すフラグ情報が挿入されている
請求項1に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項5】
上記奥行き情報は、上記視差情報を構成する符号情報、または該符号情報および上記視差情報を構成する絶対値情報である
請求項4に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項6】
上記多重化データストリームには、該多重化データストリームに含まれる各エレメンタリストリームがどのプログラムに属しているかを示すプログラム・スペシフィック・インフォメーションとしてのプログラム・マップ・テーブルが含まれており、
上記デスクリプタは、上記プログラム・マップ・テーブルの配下に挿入されている
請求項1に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項7】
上記多重化データストリームには、イベント単位の管理を行うサービス・インフォメーションとしてのイベント・インフォメーション・テーブルが含まれており、
上記デスクリプタは、上記イベント・インフォメーション・テーブルの配下に挿入されている
請求項1に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項8】
上記分割情報は、分割タイプを示す情報と分割数を示す情報とからなる
請求項1に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項9】
上記分割タイプには、上記画像表示面を、対角線を用いて分割する分割タイプが含まれる
請求項8に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項10】
上記分割タイプには、上記画像表示面を、水平方向線および/または垂直方向線を用いて分割する分割タイプが含まれる
請求項8に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項11】
上記送信部は、上記デスクリプタを、上記立体画像データの所定期間毎の開始時点に対応させて上記多重化データストリームに挿入し、
各期間の開始時点に対応させて上記多重化データストリームに挿入されるデスクリプタには、当該期間より後の期間の奥行き情報セットが含まれている
請求項1に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項12】
左眼画像データおよび右眼画像データを有する立体画像データを出力する画像データ出力ステップと、
上記画像データ出力ステップで出力される立体画像データに対応した奥行き情報セットを出力する奥行き情報セット出力ステップと、
上記画像データ出力ステップで出力される立体画像データおよび上記奥行き情報セット出力ステップで出力される奥行き情報セットを送信する送信部とを備え、
上記奥行き情報セットは、画像表示面の分割情報と各分割領域の奥行き情報を含み、
上記送信ステップでは、上記画像データ出力ステップで出力される立体画像データを含むデータストリームを有する多重化データストリームを送信し、該多重化データストリームに、上記奥行き情報セット出力部ステップで出力される奥行き情報セットを含むデスクリプタを挿入する
立体画像データ送信方法。
【請求項13】
左眼画像データおよび右眼画像データを有する立体画像データを出力する画像データ出力部と、
上記画像データ出力部から出力される上記立体画像データに対応した奥行き情報セットを出力する奥行き情報セット出力部と、
上記画像データ出力部から出力される立体画像データおよび上記奥行き情報セット出力部から出力される奥行き情報セットを送信する送信部とを備え、
上記奥行き情報セットは、画像表示面の分割情報と各分割領域の奥行き情報を含み、
上記奥行き情報は、モニタポジションに対して立体画像面が手前にあるか否かを示す画像面情報である
立体画像データ送信装置。
【請求項14】
左眼画像データおよび右眼画像データを有する立体画像データを含むデータストリームを有し、画像表示面の分割情報と上記立体画像データに対応した各分割領域の奥行き情報とからなる奥行き情報セットを含むデスクリプタが挿入された多重化データストリームを受信する受信部と、
上記受信部で受信された多重化データストリームから取得された上記立体画像データに含まれる左眼画像データに対応した左眼重畳情報のデータおよび該立体画像データに含まれる右眼画像データに対応した右眼重畳情報のデータを出力する重畳情報データ出力部と、
上記受信部で受信された多重化データストリームから取得された上記左眼画像データおよび上記右眼画像データに、上記重畳情報データ出力部から出力される上記左眼重畳情報のデータおよび上記右眼重畳情報のデータを重畳するデータ重畳部を備え、
上記重畳情報データ出力部は、上記受信部で受信された多重化データストリームから取得された上記奥行き情報セットに基づいて、上記左眼重畳情報と上記右眼重畳情報との間に視差を付与する
立体画像データ受信装置。
【請求項15】
上記重畳情報データ出力部は、
上記奥行き情報セットに含まれる視差情報に基づいて上記左眼重畳情報と上記右眼重畳情報との間に視差を付与する際、
上記受信部で新たな上記デスクリプタが受信されて視差情報の更新があるとき、該新たな視差情報に複数フレームをかけて到達するように、該複数フレームの間は補間処理で得られる視差情報を使用する
請求項14に記載の立体画像データ受信装置。
【請求項16】
上記多重化データストリームには、上記立体画像データの所定期間毎の開始時点に対応させて上記デスクリプタが挿入されており、
各期間の開始時点に対応させて上記多重化データストリームに挿入されているデスクリプタには、当該期間より後の期間の奥行き情報セットが含まれており、
上記重畳情報データ出力部は、
各期間の上記左眼重畳情報と上記右眼重畳情報との間に視差を付与する際、
当該期間および当該期間の前後の期間の上記奥行き情報セットに含まれる視差情報を用いた補間処理で得られる視差情報を使用する
請求項14に記載の立体画像データ受信装置。
【請求項17】
左眼画像データおよび右眼画像データを有する立体画像データを含むデータストリームを有し、画像表示面の分割情報と上記立体画像データに対応した各分割領域の奥行き情報とからなる奥行き情報セットを含むデスクリプタが挿入された多重化データストリームを受信する受信部と、
上記受信部で受信された多重化データストリームから取得された、上記左眼画像データおよび上記右眼画像データと、上記奥行き情報セットとを、伝送路を介して、外部機器に送信する送信部と
を備える立体画像データ受信装置。
【請求項18】
上記送信部は、上記画像データを、複数チャネルで、差動信号により、上記伝送路を介して、上記外部機器に送信し、
上記画像データのブランキング期間に上記奥行き情報セットを挿入することで、該奥行き情報セットを上記外部機器に送信する
請求項17に記載の立体画像データ受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−120142(P2012−120142A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279765(P2010−279765)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】