説明

端子付電線及びその製造方法

【課題】亀裂が生じにくくかつ簡素な端子構造を有しながら機械的強度の確保と接触抵抗の低下を両立させることが可能な端子付電線と、その製造時における電線の破断を抑止することが可能な当該端子付電線の製造方法を提供する。
【解決手段】端子付電線を構成する端子10の導体バレル16に、圧着高さの小さい第1圧着部16aと、圧着高さの大きい第2圧着部16bと、両圧着部16a,16bとの間で圧着高さが連続的に変化する中継圧着部16cとが形成される。この導体バレル16は、前記第1圧着部16aに対応する第1押圧面と、前記第2圧着部16bに対応する第2押圧面と、前記中継圧着部16cに対応する中継押圧面とをもつ金型を用いて製造することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ワイヤハーネス等に含まれる端子付電線及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、絶縁電線の端末に端子を圧着するための手段として、圧着が多用されている。この圧着は、予め前記端子に形成されている導体バレルを金型によって前記絶縁電線の導体の端末にかしめることにより、行われる。
【0003】
この圧着技術では、前記導体バレルの圧着高さ(クリンプハイト)の設定が難しい。当該圧着高さを小さく設定する(すなわち圧着度合いを高く設定する)と、当該導体バレルと前記電線の導体との接触抵抗が下がるという利点が得られる半面、導体断面積の減少率が高いために機械的強度が低下するという不都合が生じる。逆に、前記圧着高さを大きく設定する(すなわち圧着度合いを高く設定する)と、機械的強度を高く維持することができる半面、当該導体バレルと前記電線の導体との接触抵抗が大きくなるという不都合が生じる。
【0004】
そこで、特許文献1では、前記導体バレルに、圧着高さの大きい部分と圧着高さの小さい部分とを同時に形成する技術が開示されている。前記圧着高さの大きい部分は、機械的強度の維持に寄与し、前記圧着高さの小さい部分は、接触抵抗の低下に寄与する。これらの部分は、途中に段差のある押圧面をもつ金型を用いることによって、同時に形成することが可能である。
【特許文献1】特開昭59−165390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に記載される端子付電線では、その端子のうち圧着高さの大きい部分と圧着高さの小さい部分との間に不連続な段差が存在し、その段差のある部分で端子に亀裂が生じ易い。
【0006】
また、従来の端子のように単一の導体バレルのみを有するものを用いて前記特許文献1に記載されるような圧着高さの大きい部分と圧着高さの小さい部分とを形成することは困難であり、実際には、圧着高さの大きい部分を形成するためのバレルと圧着高さの小さい部分を形成するためのバレルとを別々に形成しなければならない。このことは端子の構造を複雑にする。
【0007】
さらに、製造段階では、前記段差に起因して導体の端末に大きなせん断力が作用するおそれがあり、このせん断力により当該導体の端末が破断すると却って抵抗が増加してしまう不都合が生じる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑み、亀裂が生じにくくかつ簡素な端子構造を有しながら機械的強度の確保と接触抵抗の低下を両立させることが可能な端子付電線と、その製造時における電線の破断を抑止することが可能な当該端子付電線の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、導体及びこれを覆う絶縁被覆を有し、当該絶縁被覆の端末が除去されて前記導体の端末が露出する絶縁電線と、この絶縁電線の端末に圧着される端子とを備えた端子付電線であって、前記端子は、前記絶縁電線の導体の端末に圧着される導体バレルを有し、この導体バレルは、前記導体の端末の先端側部分に圧着される第1圧着部と、前記導体の端末の前記先端側部分よりも後ろ側の部分に圧着され、かつ、前記第1圧着部よりも大きな圧着高さを有する第2圧着部と、前記第1圧着部と前記第2圧着部との間に介在し、後方に向かうに従って前記第1圧着部の圧着高さから前記第2圧着部の圧着高さまで連続的に増加する圧着高さを有する中継圧着部とを一体に有するものである。
【0010】
また本発明は、前記端子付電線を製造するための方法であって、前記端子として、前記絶縁電線の導体の端末に圧着される導体バレルを有する端子を成形する端子成形工程と、前記導体バレルを金型の押圧によってかしめることにより前記導体の端末に圧着する圧着工程とを含み、前記圧着工程では、前記金型として、第1押圧面と、この第1押圧面よりも高い第2押圧面と、前記第1押圧面と前記第2押圧面との間に介在し、前記第1押圧面の高さから前記第2押圧面の高さまで連続的に変化する中継押圧面とが連続する押圧面をもつ金型を用い、前記第1押圧面、前記中継押圧面、及び前記第2押圧面の並び方向と前記端子の軸方向とが並ぶ状態で当該端子を前記押圧面により押圧することにより、前記導体バレルに、前記導体の端末の先端側部分に圧着される第1圧着部と、前記導体の端末の前記先端側部分よりも後ろ側の部分に圧着され、かつ、前記第1圧着部よりも大きな圧着高さを有する第2圧着部と、前記第1圧着部と前記第2圧着部との間に介在し、後方に向かうに従って前記第1圧着部の圧着高さから前記第2圧着部の圧着高さまで連続的に増加する圧着高さを有する中継圧着部とを形成するものである。
【0011】
前記の端子付電線では、圧着高さの互いに異なる第1圧着部及び第2圧着部の併存が、機械的強度の確保と接触抵抗の低下との両立を可能にする。しかも、その両圧着部間にこれらを連続させる中継圧着部が介在することが、当該第1圧着部と当該第2圧着部との間から亀裂が生ずるのを有効に抑止する。また、導体バレルは第1圧着部から第2圧着部まで連続しているので、各圧着部のために個別にバレルを形成する必要がない。
【0012】
また、前記の製造方法によれば、当該端子付電線を製造するための金型として、前記第1圧着部を形成するための第1押圧面と前記第2圧着部を形成するための第2押圧面との間に中継押圧面を有する金型を用いることにより、両押圧面間で導体に大きなせん断力が作用するのを抑止して当該せん断力に起因する導体の切断及びこれによる電気抵抗の増加を防ぐことが可能である。
【0013】
前記端子付電線では、前記中継圧着部のうち前記第1圧着部につながる側の端部の上面は、当該第1圧着部から離れるに従って当該第1圧着部の傾きと同等の傾きから連続的に増加する傾きを有する曲面をなすことが、より好ましい。同様に、前記中継圧着部のうち前記第2圧着部につながる側の端部の上面は、当該第2圧着部に向かうに従って当該第2圧着部の傾きと同等の傾きまで連続的に減少する傾きを有する曲面をなすことが、より好ましい。このような曲面は、前記中継圧着部と前記第1圧着部との境界部分や、前記中継圧着部と前記第2圧着部との境界部分での亀裂の発生をも有効に抑止することを可能にする。
【0014】
また、前記製造方法においては、前記金型として、その中継押圧面のうち前記第1押圧面につながる側の端部が、当該第1押圧面から離れるに従って当該第1押圧面の傾きと同等の傾きから連続的に増加する傾きを有する金型を用いることが、より好ましい。同様に、前記金型として、その中継押圧面のうち前記第2押圧面につながる側の端部が、当該第2押圧面に向かうに従って当該第2押圧面の傾きと同等の傾きまで連続的に減少する傾きを有する金型を用いることが、より好ましい。このような金型の使用は、前記中継圧着部と前記第1圧着部との境界部分や前記中継圧着部と前記第2圧着部との境界部分での応力集中の緩和をも可能にする。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明に係る端子付電線では、第1圧着部及び第2圧着部の併有によって機械的強度の確保と接触抵抗の低下を両立させることができるとともに、前記両圧着部の間に中継圧着部が介在することにより端子の亀裂を有効に抑止することができる効果がある。また、導体バレルは第1圧着部から第2圧着部まで連続しているので、各圧着部のために個別にバレルを形成する必要がない。
【0016】
また、本発明に係る端子付電線の製造方法によれば、当該端子付電線を製造するための金型として、前記第1圧着部を形成するための第1押圧面と前記第2圧着部を形成するための第2押圧面との間に中継押圧面を有する金型を用いることにより、両押圧面間で導体に大きなせん断力が作用するのを抑止して当該せん断力に起因する導体の切断及びこれによる電気抵抗の増加を防ぐことができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しながら説明する。この実施の形態では、次の端子成形工程及び圧着工程によって端子付電線が製造される。
【0018】
1)端子成形工程
この工程では、図1及び図2に示されるような端子10、すなわち、電線の端末に圧着される前の端子10が成形される。この成形は、通常の端子と同様、金属板からの端子板の打ち抜きと、その端子板の曲げ加工とにより行われる。
【0019】
前記端子10は、従来の端子と同様、電気接触部12と電線圧着部14とを前後に有する。この実施の形態において、前記電気接触部12は雌型であって図略の雄型端子が嵌入可能な箱型に成形されている。前記電線圧着部14は左右一対の導体バレル16と左右一対のインシュレーションバレル18とを含む。前記両導体バレル16は、図2に示すようなU字状の正面形状をなし、前記両インシュレーションバレル18も同様の形状をなす。
【0020】
従って、この実施の形態に係る端子付電線は、従来の端子と同じ形状の端子をそのまま用いて製造することが可能である。
【0021】
2)圧着工程
この工程では、前記導体バレル16及び前記インシュレーションバレル18が共通の金型によりかしめられることにより、両バレル16,18を含む電線圧着部14が、図2に示すような電線20の端末に圧着される。この電線20は、複数本の素線からなる導体22とこれを覆う絶縁被覆24とを有し、当該絶縁被覆24の端末を除去する端末処理が施されることにより前記導体22の端末が露出している。
【0022】
この圧着工程では、図2に示すような金型台28と図1に示すような金型30とが用いられる。そして、前記金型台28上に前記電線圧着部14がセットされ、この電線圧着部14の内側に前記電線20の端末がセットされた状態で、当該電線圧着部14に対して前記金型30が降下することにより、前記電線圧着部14の導体バレル16が前記導体22を抱き込むようにかしめられ、同様にインシュレーションバレル18が前記絶縁被覆24を抱き込むようにかしめられる。
【0023】
前記金型30は、前記導体バレル16をかしめるための導体側押圧面32をもつ導体側金型30Aと、前記インシュレーションバレル18をかしめるための絶縁側押圧面34をもつ絶縁側金型30Bとにより構成される。前記導体側押圧面32は、前記絶縁側押圧面34よりも低く、よって両押圧面32,34間に段差が与えられている。
【0024】
この製造方法の特徴として、前記導体バレル16のかしめに用いられる導体側押圧面32は、図1及び図3に示すような第1押圧面35と、その後ろ側(つまり電線20の先端と反対の側)に位置する第2押圧面36と、前記両押圧面35,36同士の間に介在する中継押圧面38とにより構成されている。
【0025】
前記第1押圧面35及び前記第2押圧面36はともに水平面であるが、前記第1押圧面35は前記第2押圧面36よりも低い。そして、これら押圧面35,36を連続させるように当該押圧面35,36間で前記中継押圧面38が傾斜している。具体的に、この実施の形態に係る中継押圧面38は、前記第1押圧面35の後端と前記第2押圧面36の前端とを結ぶ傾きをもつ平面をなしている。すなわち、この中継押圧面38は、前記第1押圧面35の高さから前記第2押圧面36の高さに至るまで連続的に変化する高さを有している。
【0026】
なお、前記中継押圧面38と前記第1押圧面35及び前記第2押圧面36との境界部分すなわち前記中継押圧面38の前後両端部は、その傾きが不連続的に変化する形状すなわち角(かど)をもつ形状であってもよいが、当該部分は図4に示すような滑らかな曲面により構成されることがより好ましい。換言すれば、前記中継押圧面38のうち前記第1押圧面35につながる側の端部38aは、当該第1押圧面35から離れるに従って当該第1押圧面35の傾きと同等の傾き(図では水平)から連続的に増加する傾きを有する形状の曲面であることが好ましく、また前記中継押圧面38のうち前記第2押圧面36につながる側の端部38bは、当該第2押圧面36に向かうに従って当該第2押圧面36の傾きと同等の傾き(図では水平)まで連続的に減少する傾きを有する形状の曲面であることが好ましい。
【0027】
また、前記中継押圧面38のうち前記端部38a,38b以外の部分も平面に限られず、適当な曲面であってもよい。
【0028】
以上説明したような金型30と金型台28を用いて、図5に示すような端子付電線が製造される。具体的には、第1押圧面35、中継押圧面38、第2押圧面36、及び絶縁側押圧面34の並び方向と前記端子10の軸方向とが合致する姿勢で当該端子10が金型台28上にセットされ、かつ、この端子10内に電線20の端末がセットされた状態で、前記金型30全体が前記金型台28に向かって降下することにより、当該金型30の導体側金型30A及び絶縁用金型30Bが前記端子10の導体各バレル16,18を前記電線20の導体22及び絶縁被覆24にそれぞれかしめる。
【0029】
具体的に、この端子付電線の導体バレル16には、前記第1押圧面35に対応する形状の上面をもつ第1圧着部16aと、前記第2押圧面36に対応する形状の上面をもつ第2圧着部16bと、前記中継押圧面38に対応する形状の上面をもつ中継圧着部16cとが形成される。前記第1圧着部16aは、前記導体20の端末の先端側部分に圧着された部分であり、前記第2圧着部16bは、前記導体の端末の前記先端側部分よりも後ろ側の部分に圧着され、かつ、前記第1圧着部16aよりも大きな圧着高さを有する部分である。前記中継圧着部16cは、前記第1圧着部16aと前記第2圧着部16bとの間に介在し、後方に向かうに従い前記第1圧着部16aの圧着高さから前記第2圧着部16bの圧着高さまで連続的に増加する圧着高さを有する。
【0030】
この端子付電線では、圧着高さの小さい第1圧着部16aが接触抵抗の低下に寄与すると同時に、圧着高さの大きい第2圧着部16bが機械的強度(特に引張強度)の確保に寄与する。しかも、前記両圧着部16a,16bの間にこれらの圧着部16a,16bを連続させる中継圧着部16cが介在することが、当該圧着部16a,16b間の部分での亀裂の発生を有効に抑止する。また、導体バレル16全体は前記第1圧着部16aから前記第2圧着部16bに至るまで連続しているので、各圧着部のために個別にバレルを形成する必要がない。
【0031】
特に、図4に示すような導体側金型30A、すなわち、前記中継押圧面38の前側端部38aや後側端部38bが滑らかな曲面で構成された金型30が使用された場合、当該金型30により形成される端子付電線の端子10には、より好ましい形状の中継圧着部16cが形成される。
【0032】
具体的に、当該中継圧着部16cのうち前記第1圧着部16aにつながる側の端部の上面は、前記中継押圧面38の前側端部38aの形状に対応する曲面、すなわち、当該第1圧着部16aから離れるに従って当該第1圧着部16aの傾きと同等の傾きから連続的に増加する傾きを有する曲面に形成される。同様に、当該中継圧着部16cのうち前記第2圧着部16bにつながる側の端部の上面は、前記中継押圧面38の後側端部38bの形状に対応する曲面、すなわち、当該第2圧着部16bに向かうに従って当該第2圧着部16bの傾きと同等の傾きまで連続的に減少する傾きを有する曲面に形成される。これらの上面形状は、当該中継圧着部16cと前記第1圧着部16a及び前記第2圧着部16bとの境界部分での亀裂の発生をも有効に抑止することを可能にする。
【0033】
また、当該端子付電線の製造の際には、図6に示すように第1押圧面35と第2押圧面36とが直接隣り合う金型が使用される場合と異なり、前記第1押圧面35と前記第2押圧面36との間での中継押圧面38の介在が当該両押圧面35,36間で導体に大きなせん断力が作用するのを抑止する。これにより、当該せん断力に起因する導体の切断及びこれによる電気抵抗の増加が防がれる。特に、前記中継押圧面38の前側端部38aや後側端部38bが図4に示すような滑らかな曲面で構成された金型30が使用された場合、前記中継圧着部16cと前記第1圧着部16a及び前記第2圧着部16bとの境界部分での応力集中をも緩和することが可能になる。
【0034】
なお、本発明において第1圧着部16aと第2圧着部16bとの段差の寸法や、中継圧着部16cの傾きは、適宜設定が可能である。また、仕様に応じてインシュレーションバレル18が省略されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態に係る端子付電線の製造工程を示す一部断面側面図である。
【図2】前記製造工程を示す正面図である。
【図3】前記製造工程で使用される導体側金型の断面形状を示す斜視図である。
【図4】前記導体側金型における導体側押圧面の形状の好適例を示す断面図である。
【図5】前記製造工程を経て製造された端子付電線を示す側面図である。
【図6】前記導体側金型の比較例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0036】
10 端子
12 電気接触部
14 電線圧着部
16 導体バレル
16a 第1圧着部
16b 第2圧着部
16c 中継圧着部
18 インシュレーションバレル
20 電線
22 導体
24 絶縁被覆
30 金型
30A 導体側金型
30B 絶縁用金型
32 導体側押圧面
34 絶縁側押圧面
35 第1押圧面
36 第2押圧面
38 中継押圧面
38a 中継押圧面の前側端部
38b 中継押圧面の後側端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体及びこれを覆う絶縁被覆を有し、当該絶縁被覆の端末が除去されて前記導体の端末が露出する絶縁電線と、この絶縁電線の端末に圧着される端子とを備えた端子付電線であって、
前記端子は、前記絶縁電線の導体の端末に圧着される導体バレルを有し、
この導体バレルは、前記導体の端末の先端側部分に圧着される第1圧着部と、前記導体の端末の前記先端側部分よりも後ろ側の部分に圧着され、かつ、前記第1圧着部よりも大きな圧着高さを有する第2圧着部と、前記第1圧着部と前記第2圧着部との間に介在し、後方に向かうに従って前記第1圧着部の圧着高さから前記第2圧着部の圧着高さまで連続的に増加する圧着高さを有する中継圧着部とを一体に有することを特徴とする端子付電線。
【請求項2】
請求項1記載の端子付電線において、
前記中継圧着部のうち前記第1圧着部につながる側の端部の上面は、当該第1圧着部から離れるに従って当該第1圧着部の傾きと同等の傾きから連続的に増加する傾きを有する曲面をなすことを特徴とする端子付電線。
【請求項3】
請求項1または2記載の端子付電線において、
前記中継圧着部のうち前記第2圧着部につながる側の端部の上面は、当該第2圧着部に向かうに従って当該第2圧着部の傾きと同等の傾きまで連続的に減少する傾きを有する曲面をなすことを特徴とする端子付電線。
【請求項4】
導体及びこれを覆う絶縁被覆を有し、当該絶縁被覆の端末が除去されて前記導体の端末が露出する絶縁電線と、この絶縁電線の端末に圧着される端子とを備えた端子付電線を製造するための方法であって、
前記端子として、前記絶縁電線の導体の端末に圧着される導体バレルを有する端子を成形する端子成形工程と、
前記導体バレルを金型の押圧によってかしめることにより前記導体の端末に圧着する圧着工程とを含み、
前記圧着工程では、前記金型として、第1押圧面と、この第1押圧面よりも高い第2押圧面と、前記第1押圧面と前記第2押圧面との間に介在し、前記第1押圧面の高さから前記第2押圧面の高さまで連続的に変化する中継押圧面とが連続する押圧面をもつ金型を用い、前記第1押圧面、前記中継押圧面、及び前記第2押圧面の並び方向と前記端子の軸方向とが並ぶ状態で当該端子を前記押圧面により押圧することにより、前記導体バレルに、前記導体の端末の先端側部分に圧着される第1圧着部と、前記導体の端末の前記先端側部分よりも後ろ側の部分に圧着され、かつ、前記第1圧着部よりも大きな圧着高さを有する第2圧着部と、前記第1圧着部と前記第2圧着部との間に介在し、後方に向かうに従って前記第1圧着部の圧着高さから前記第2圧着部の圧着高さまで連続的に増加する圧着高さを有する中継圧着部とを形成することを特徴とする端子付電線の製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の端子付電線の製造方法において、
前記金型として、その中継押圧面のうち前記第1押圧面につながる側の端部が、当該第1押圧面から離れるに従って当該第1押圧面の傾きと同等の傾きから連続的に増加する傾きを有する金型を用いることを特徴とする端子付電線の製造方法。
【請求項6】
請求項4または5記載の端子付電線の製造方法において、
前記金型として、その中継押圧面のうち前記第2押圧面につながる側の端部が、当該第2押圧面に向かうに従って当該第2押圧面の傾きと同等の傾きまで連続的に減少する傾きを有する金型を用いることを特徴とする端子付電線の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−54549(P2009−54549A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−222882(P2007−222882)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】