説明

端末装置およびキーボード

【課題】狭間ピッチキー構造を採る場合の機器筐体の強度低下を補う。
【解決手段】各スイッチ押圧突起21が対応する各ドームスイッチ28に対して移動自在な挿通孔32aを有して開口32よりも大きく形成された補強板32をキー配列シート22と回路基板27との間に配置させてフロントケース12に固定することで、複数のキートップ20を狭間ピッチで配列させる狭間ピッチキー構造を採るために、フロントケース12にキートップ20間のケース部分を取り除くことにより仕切桟なく連続する大きな開口23を形成することでフロントケース12自体の強度が低下しても、補強板32によって開口23相当部分が全面的に補強されることとなり、フロントケース12の強度低下を補えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の押釦スイッチを有する操作部を備える携帯電話機、PDA(Personal Data Assistant)等の各種の端末装置および端末装置等が備えるキーボードに関し、特に機器筐体に形成された仕切桟のない開口から複数のキートップを露出させる狭間ピッチキー構造の操作部を備える端末装置および端末装置等が備えるキーボードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機、PDA等の端末装置では、操作部の小型化やデザイン性などの観点から、機器筐体に形成された仕切桟のない開口からキー間隔を極めて狭く配列した複数のキートップを露出させる狭間ピッチキー構造の操作部を備える構成のものがある(例えば、特許文献1〜3参照)。複数のキートップは、シリコンラバー等の可撓性を有するキー配列シート上に狭間ピッチで隣接するように配列されたキーユニット構成とされ、機器筐体の開口内に配設される。ここで、特許文献2,3のものは、キー配列シートの一部に硬質部材等を組合せて用いることにより補強し、キーユニット全体の剛性を高め、キーユニットの歪み防止等を図るようにしている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−296259号公報
【特許文献2】特開2004−319396号公報
【特許文献3】特開2003−178639号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、狭間ピッチキー構造の場合、キートップ毎にキー窓枠を有する通常ピッチキー構造と異なり、機器筐体にはキートップ間の筐体部分を取り除くことにより仕切桟なく連続する大きな開口を形成しているため、筐体自体の強度が低下してしまう不具合がある。この点、特許文献2,3に示されるように、機器筐体の開口内に配設されるキーユニット全体の剛性を高めても、筐体の強度低下を補償することはできない。また、特許文献2,3の場合、キーユニットの構造が複雑になってしまう。一方、小型・薄型化が要求されている携帯電話機等の機器においては、強度低下を防止するために筐体を厚くすることは適切な対応策とはならない。
【0005】
また、狭間ピッチキー構造の場合、キートップ間の筐体部分を取り除いてキーピッチを狭くしているため、同一サイズの機器であれば、キートップ自体のサイズが大きくなり、キーの端を押した場合にキースイッチを正常に押し切れず、スイッチ操作に誤動作を生ずることがある。図6〜図7を参照して説明する。図6−1は、従来の狭間ピッチキー構造の一部を示す断面図であり、図6−2は、キートップの端を押した時の様子を示す断面図であり、図7−1は、キートップ押下前の押し子とドームスイッチとの関係を示す部分拡大図であり、図7−2は、キートップ中心押下時の押し子とドームスイッチとの関係を示す部分拡大図であり、図7−3は、キートップ端部押下時の押し子とドームスイッチとの関係を示す部分拡大図である。
【0006】
図6−1は、フロントケース100に形成された仕切桟のない開口101内に、シリコンラバー102上に狭間ピッチで隣接するように配列されたキートップ103が露出する状態で配設され、シリコンラバー102においてキートップ103の下端側中央対応位置に形成された押し子104が回路基板105上に配列されたドームスイッチ106に対向する構造を示している。端部に位置するキートップ103は、開口101部分においてフロントケース100内に入り込む抜け止め用のフランジ部103aを有する。
【0007】
ここで、キートップ103押下前は、押し子104とドームスイッチ106とは図7−1に示すような接触状態にある。そして、キートップ103の中央を押下した場合には、図7−2に示すように、押し子104がドームスイッチ106を奥までしっかり押せるので、ドームスイッチ106を正常に押し切ることができる。ところが、図6−2に示すように、キートップ103の端部を押下した場合には、フランジ部103a部分を支点としてキートップ103が傾斜するような状態で押し下がる。これにより、図7−3に示すように、押し子104がドームスイッチ106の半分位までしか押せず、ドームスイッチ106がオンする状態まで正常に押し切れないことがある。特許文献2,3の場合、キーユニットの全体剛性の向上により改善されてはいるものの、キートップの端部を押下した場合にはキートップや押し子が斜めに傾斜してしまう可能性があり、キースイッチを正常に押し切れない場合が生じ得る。
【0008】
さらに、この種の電子携帯機器では、暗い場所でもキー操作を可能にする等のために、ドームスイッチが配列された回路基板上にドームスイッチ箇所を避けてLEDを点在配置させ、キートップを明るくする照光式キー構造としたものが多い。ところが、狭間ピッチキー構造の場合、隣接するキートップ間には筐体部分が存在しないため、LEDからの光が透光性のシリコンラバーを介してキートップ間の隙間から機器外に直接的に漏れてしまうことがあり、操作部におけるキートップ照光状態にムラを生じ、携帯機器としての外観上の美観を損ねてしまう。
【0009】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、狭間ピッチキー構造を採る場合の機器筐体の強度低下を補うことができ、さらには、キー端部を押下した場合でも誤操作を防止したり、キー照光用の発光素子からのキー間での光漏れを防止したりすることができる端末装置およびキーボードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る端末装置は、機器筐体に形成された仕切桟のない開口から複数のキートップを露出させるようキーを狭間ピッチで配列した操作部を備える端末装置であって、前記キートップ毎に下端側に設けられたスイッチ押圧突起の配列に対応させて配列させた複数のキースイッチを有して前記機器筐体内に配置されたキースイッチ基板と、前記各スイッチ押圧突起が対応する前記各キースイッチに対して移動自在な挿通孔を有して前記開口よりも大きく形成され、前記キー配列シートと前記キースイッチ基板との間に配置されて前記機器筐体に固定された補強板と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明に係る端末装置は、請求項1の発明において、前記各挿通孔は、前記スイッチ押圧突起の断面形状およびサイズに一致する孔形状およびサイズに形成されて前記各スイッチ押圧突起が移動自在に嵌合することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の発明に係る端末装置は、請求項1または2の発明において、前記キートップおよび前記キー配列シートは、透光性材料からなり、前記キースイッチ基板は、複数のキースイッチ間に点在させて実装されたキー照光用の発光素子を備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の発明に係る端末装置は、請求項1〜3の発明において、前記開口は、グループ分けされた複数の前記キートップ毎に個別に形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明に係るキーボードは、機器筐体に形成された仕切桟のない開口から複数のキートップを露出させるようキーを狭間ピッチで配列したキーボードであって、複数の前記キートップが狭間ピッチで隣接するように配列された可撓性を有するキー配列シートと、前記機器筐体の一部に狭間ピッチの複数の前記キートップ間に亘るように連続して形成され、前記キー配列シート上の複数の該キートップを前記機器筐体外に露出させる開口と、前記キートップ毎に下端側に設けられたスイッチ押圧突起の配列に対応させて配列させた複数のキースイッチを有して前記機器筐体内に配置されたキースイッチ基板と、前記各スイッチ押圧突起が対応する前記各キースイッチに対して移動自在な挿通孔を有して前記開口よりも大きく形成され、前記キー配列シートと前記キースイッチ基板との間に配置されて前記機器筐体に固定された補強板と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1および5の発明によれば、キー配列シートとキースイッチ基板との間に配置されて機器筐体に固定された補強板を備えているので、狭間ピッチキー構造を採るために、機器筐体にキートップ間の筐体部分を取り除くことにより仕切桟なく連続する大きな開口を形成することで機器筐体自体の強度が低下しても、補強板によって開口相当部分が全面的に補強されることとなり、機器筐体の強度低下を補うことができるという効果を奏する。
【0016】
また、請求項2の発明によれば、補強板の各挿通孔は、スイッチ押圧突起の断面形状およびサイズに一致する孔形状およびサイズに形成されて各スイッチ押圧突起が移動自在に嵌合するので、補強板の各挿通孔がキートップ押下時のスイッチ押圧突起のキースイッチへ向けた変位動作のガイドとなり、キートップの端部を押下した場合でもスイッチ押圧突起によってキースイッチを正常に押下させることができ、誤動作を防止することができるという効果を奏する。
【0017】
また、請求項3の発明によれば、キースイッチ基板上に点在させてキー照光用の発光素子を備え、キーを照光する構造を採る場合でも、キートップ間の隙間から機器外に漏れる光は補強板によって遮光することができ、操作部におけるキートップ照光状態にムラを生じないようにすることができるという効果を奏する。
【0018】
また、請求項4の発明によれば、機器筐体の開口が、グループ分けされた複数のキートップ毎に個別に形成されているので、狭間ピッチキー構造を採る上で、操作部において隣接するキートップ列間に極力筐体部分を仕切桟として残すことができ、筐体強度の低下を抑えるとともにキートップ列を配列しやすくすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る端末装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0020】
本実施例は、端末装置として携帯端末装置、例えば携帯電話機への適用例を示す。図1は、本実施例の携帯電話機の構成を示す外観斜視図である。携帯電話機1は、ヒンジ部2により折り畳み自在に連結された送話側筐体3と受話側筐体4とを備える。送話側筐体3は、マイクロフォン等を内蔵した送話部5や、多機能キー6、モードキー7、ダイヤル置数キー8等の押釦スイッチ構造の各種操作キーを有してキーボードとして機能する操作部9を備え、受話側筐体4は、スピーカ等を内蔵した受話部10や液晶表示部11などを備える。また、掌サイズで矩形扁平状の送話側筐体3は、操作部9側に位置する機器筐体としてのフロントケース12と、外面となる背面側に位置するリアケース13との2つ割り構造からなり、フロントケース12とリアケース13とを一体となるように組合せることにより形成される。
【0021】
また、5行3列分のダイヤル置数キー8は、たとえば通話キー、クリアキー、通話終了キー、1〜9,0のテンキー、*キー、#キーの組合せからなり、それぞれ必要に応じて、仮名入力キー、アルファベット入力キー等の複合機能が割り当てられている。ここで、本実施例では、たとえば、これらの5行3列分のダイヤル置数キー8に関して、狭間ピッチキー構造が採用されている。
【0022】
図2は、キー配列シート上の構成を示す平面図である。個々のダイヤル置数キー8は、透光性を有する硬質樹脂からなり、頂部に矩形立体形状に形成されるとともに文字、記号等の装飾が印刷等により表記されたキートップ20を有し、下端側中央にスイッチ押圧突起21を有する。これらのキートップ20は、横並びにグループ分けされたキートップ20同士が狭間ピッチで隣接するようにシリコンラバー等の可撓性を有する1枚のキー配列シート22上に配列されている。なお、グループ間となる縦並びのキートップ20同士については、通常ピッチとなるように配列されている。また、キートップ20は、スイッチ押圧突起21部分を貫通させたその底面側をキー配列シート22上に接着することによりキー配列シート22と一体化されている。
【0023】
図3は、各種操作キーの取付け前の送話側筐体3の構成を示す概略平面図である。送話側筐体3のフロントケース12は、キー配列シート22上に配列された5行3列分のキートップ20の頂部を操作部9においてフロントケース12外に露出させて押下操作可能とするための5行分の開口23を有する。すなわち、開口23は、キー配列シート22上においてグループ分けされた横並び3個分のキートップ20単位で個別に設けられ、これらの横並び3個分のキートップ20間に亘るように仕切桟を有さず連続する横長矩形状に形成されている。したがって、本実施例では、グループ間となる縦並び方向については、開口23間に仕切桟24を有する構造とされている。また、多機能キー6、モードキー7側は、個別に仕切られたキー窓枠25を有する。
【0024】
図4は、送話側筐体3のリアケース13内の回路基板の構成を示す概略斜視図である。リアケース13は、内部枠体26等に支持された回路基板27を備える。回路基板27は、各種回路部品を実装したものでキースイッチ基板として機能し、フロントケース12側となる表面側には多機能キー6、モードキー7、ダイヤル置数キー8のそれぞれのスイッチ押圧突起21の配列に対応させて複数のキースイッチとしてのドームスイッチ28が配列されたキーシート29が実装されている。なお、ドームスイッチ28は、キーシート29を用いずに回路基板27上に個々に直接実装させるようにしてもよい。また、回路基板27は、複数のドームスイッチ28間に適宜点在させて実装されたキー照光用の発光素子としてのLED30を備える。これらのLED30は、ドームスイッチ28の個数に比べて少ない個数とされている。キーシート29は、LED30の位置に対応させてLED30が貫通する孔31を備える。
【0025】
図5は、送話側筐体3における一つの開口23部分における狭間ピッチキー構造を示す断面図である。本実施例のフロントケース12は、それぞれ開口23よりも一回り大きな形状に形成されて、キー配列シート22とキーシート29との間でそれぞれの開口23内方に配置されてフロントケース12に接着等により固定された5枚の補強板32を備える(図3中の破線参照)。これらの補強板32は、たとえばフロントケース12と同一材質からなり、各スイッチ押圧突起21が対応するドームスイッチ28に対して移動自在に貫通する挿通孔32aを備える。貫通孔32aは、寸胴なスイッチ押圧突起21の断面形状およびサイズに一致する孔形状およびサイズに形成されている。ここで、補強板32は、図5に示すように、スイッチ押圧突起21下端がドームスイッチ28上端に当接する常態で、キー配列シート22に対して少なくともキートップ20押下操作時のストローク長分の隙間33を持たせてフロントケース12に固定されている。なお、複数個のキートップ20で共用する開口23に対して端部に位置するキートップ20は、端部側にフロントケース12の開口段差部23aに係合し得る抜け止め用のフランジ部20aを備える。
【0026】
上述してきたように、本実施例では、キー配列シート22とキーシート29(回路基板27)との間に開口23よりも大きく形成された補強板32を配置してフロントケース12に固定しているので、狭間ピッチキー構造を採るために、フロントケース12にキートップ20間のケース部分を取り除くことにより仕切桟なく連続する大きな開口23を形成することでフロントケース12自体の強度が低下しても、補強板32によって開口23相当部分が全面的に補強され、フロントケース12の強度低下を補うことができる。また、補強板32を用いることで、キー配列シート22には剛性向上用の特別な工夫を必要とせず、単一のシリコンラバー等による単純な構造のままとすることができる。
【0027】
また、本実施例では、補強板32の各挿通孔32aは、寸胴なスイッチ押圧突起21の断面形状およびサイズに一致する孔形状およびサイズに形成されて各スイッチ押圧突起21が移動自在に嵌合するので、各挿通孔32aがキートップ20押下時のスイッチ押圧突起21のドームスイッチ28へ向けた変位動作をガイドすることとなり、キートップ20の端部を押下した場合でもスイッチ押圧突起21が挿通孔32aに従って直進するように変位動作することでドームスイッチ28を正常に押し切ることができ、誤動作を防止できる。
【0028】
また、本実施例では、回路基板27上にキー照光用のLED30を点在させ、LED30を点灯させることによりスイッチ押圧突起21、キートップ20、キー配列シート22部分の透光性を利用して操作部9におけるキー部分を照光する構造を採り、狭間ピッチキー構造を併用する上でドームスイッチ28間に配置されたLED30からの光がキートップ20間の隙間から機器外に漏れる可能性があるが、キー配列シート22下面側には補強板32が配置されているので、キートップ20間の隙間からの光は補強板32によって遮光することができ、操作部9におけるキートップ照光状態にムラが生じない。
【0029】
また、本実施例では、フロントケース12の開口23が、グループ分けされた複数のキートップ20毎に個別に形成されているので、狭間ピッチキー構造を採る上で、操作部9において隣接するキートップ列間に極力ケース部分を仕切桟24として残すことができ、ケース強度の低下を抑えるとともにキー配列シート22上のキートップ20をグループ単位でそれぞれの開口23に適合させればよく、キートップ列を配列しやすい。補強板32側についても同様であり、複数の開口23に関して、補強板32を各開口23毎に個別に設けることで、全てのキートップ20に対して共通な1枚の補強板を用いる場合よりも、補強板32をフロントケース12に対して容易に取付け固定することができる。
【0030】
なお、本実施例では、複数のキートップ20に関して、横並びのものを同一グループとしてグループ分けし、グループ単位で狭間ピッチキー構造としたが、グループ分けの有無、グループ分け方式を問うものではなく、たとえば、縦並びのものを同一グループとしてグループ分けし、あるいは、全てのキートップ20についてグループ分けせずに縦横に狭間ピッチで隣接配置させたものであってもよい。これに対応して、フロントケース12に形成する開口も、縦並びのグループ単位で縦長矩形形状の開口を複数個形成し、あるいは、全てのキートップを包含する一つの矩形状開口として形成するようにしてもよい。
【0031】
また、本実施例は、携帯電話機1への適用例として説明したが、PDA、ノート型パソコン等の端末装置であっても、操作部に狭間ピッチキー構造を採用するものであれば同様に適用することができる。
【0032】
(付記1)機器筐体に形成された仕切桟のない開口から複数のキートップを露出させるようキーを狭間ピッチで配列した操作部を備える端末装置であって、
複数の前記キートップが狭間ピッチで隣接するように配列された可撓性を有するキー配列シートと、
前記機器筐体の一部に狭間ピッチの複数の前記キートップ間に亘るように連続して形成され、前記キー配列シート上の複数の該キートップを前記操作部において前記機器筐体外に露出させる開口と、
複数のキートップが狭間ピッチで隣接するように配列された可撓性を有するキー配列シートと、
機器筐体の一部に狭間ピッチの複数の前記キートップ間に亘るように連続して形成され、前記キー配列シート上の複数の該キートップを前記操作部において前記機器筐体外に露出させる開口と、
前記キートップ毎に下端側に設けられたスイッチ押圧突起の配列に対応させて配列させた複数のキースイッチを有して前記機器筐体内に配置されたキースイッチ基板と、
前記各スイッチ押圧突起が対応する前記各キースイッチに対して移動自在な挿通孔を有して前記開口よりも大きく形成され、前記キー配列シートと前記キースイッチ基板との間に配置されて前記機器筐体に固定された補強板と、
を備えたことを特徴とする端末装置。
【0033】
(付記2)前記各挿通孔は、前記スイッチ押圧突起の断面形状およびサイズに一致する孔形状およびサイズに形成されて前記各スイッチ押圧突起が移動自在に嵌合することを特徴とする付記1に記載の端末装置。
【0034】
(付記3)前記キートップおよび前記キー配列シートは、透光性材料からなり、
前記キースイッチ基板は、複数のキースイッチ間に点在させて実装されたキー照光用の発光素子を備えることを特徴とする付記1または2に記載の端末装置。
【0035】
(付記4)前記開口は、グループ分けされた複数の前記キートップ毎に個別に形成されていることを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の端末装置。
【0036】
(付記5)前記補強板は、前記各開口の開口形状に対応させて形成され開口毎に個別に設けられていることを特徴とする付記4に記載の端末装置。
【0037】
(付記6)前記補強板は、前記キー配列シートに対して少なくとも前記キートップ操作時のストローク分の隙間を有して前記機器筐体に固定されていることを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の端末装置。
【0038】
(付記7)前記各キートップは、キートップ底面が接着により前記キー配列シートに取付けられていることを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の端末装置。
【0039】
(付記8)前記キー配列シートは、シリコンラバーよりなることを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の端末装置。
【0040】
(付記9)機器筐体に形成された仕切桟のない開口から複数のキートップを露出させるようキーを狭間ピッチで配列したキーボードであって、
複数の前記キートップが狭間ピッチで隣接するように配列された可撓性を有するキー配列シートと、
前記機器筐体の一部に狭間ピッチの複数の前記キートップ間に亘るように連続して形成され、前記キー配列シート上の複数の該キートップを前記機器筐体外に露出させる開口と、
前記キートップ毎に下端側に設けられたスイッチ押圧突起の配列に対応させて配列させた複数のキースイッチを有して前記機器筐体内に配置されたキースイッチ基板と、
前記各スイッチ押圧突起が対応する前記各キースイッチに対して移動自在な挿通孔を有して前記開口よりも大きく形成され、前記キー配列シートと前記キースイッチ基板との間に配置されて前記機器筐体に固定された補強板と、
を備えたことを特徴とするキーボード。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上のように、本発明にかかる端末装置は、機器筐体に仕切桟なく連続させて形成された開口から狭間ピッチで隣接配置させた複数のキートップを露出させる狭間ピッチキー構造の操作部を備える場合に有用であり、特に、発光素子を内蔵してキー部分を照光する操作部構造を採る場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本実施例の携帯電話機の構成を示す外観斜視図である。
【図2】キー配列シート上の構成を示す平面図である。
【図3】各種操作キーの取付け前の送話側筐体の構成を示す概略平面図である。
【図4】送話側筐体のリアケース内の回路基板の構成を示す概略斜視図である。
【図5】送話側筐体における一つの開口部分における狭間ピッチキー構造を示す断面図である。
【図6−1】従来の狭間ピッチキー構造の一部を示す断面図である。
【図6−2】キートップの端を押した時の様子を示す断面図である。
【図7−1】キートップ押下前の押し子とドームスイッチとの関係を示す部分拡大図である。
【図7−2】キートップ中心押下時の押し子とドームスイッチとの関係を示す部分拡大図である。
【図7−3】キートップ端部押下時の押し子とドームスイッチとの関係を示す部分拡大図である。
【符号の説明】
【0043】
1 携帯電話機
3 送話側筐体
8 ダイヤル置数キー
9 操作部
12 フロントケース
20 キートップ
21 スイッチ押圧突起
22 キー配列シート
23 開口
27 回路基板
28 ドームスイッチ
29 キーシート
30 LED
32 補強板
32a 挿通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器筐体に形成された仕切桟のない開口から複数のキートップを露出させるようキーを狭間ピッチで配列した操作部を備える端末装置であって、
複数の前記キートップが狭間ピッチで隣接するように配列された可撓性を有するキー配列シートと、
前記機器筐体の一部に狭間ピッチの複数の前記キートップ間に亘るように連続して形成され、前記キー配列シート上の複数の該キートップを前記操作部において前記機器筐体外に露出させる開口と、
前記キートップ毎に下端側に設けられたスイッチ押圧突起の配列に対応させて配列させた複数のキースイッチを有して前記機器筐体内に配置されたキースイッチ基板と、
前記各スイッチ押圧突起が対応する前記各キースイッチに対して移動自在な挿通孔を有して前記開口よりも大きく形成され、前記キー配列シートと前記キースイッチ基板との間に配置されて前記機器筐体に固定された補強板と、
を備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記各挿通孔は、前記スイッチ押圧突起の断面形状およびサイズに一致する孔形状およびサイズに形成されて前記各スイッチ押圧突起が移動自在に嵌合することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記キートップおよび前記キー配列シートは、透光性材料からなり、
前記キースイッチ基板は、複数のキースイッチ間に点在させて実装されたキー照光用の発光素子を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記開口は、グループ分けされた複数の前記キートップ毎に個別に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の端末装置。
【請求項5】
機器筐体に形成された仕切桟のない開口から複数のキートップを露出させるようキーを狭間ピッチで配列したキーボードであって、
複数の前記キートップが狭間ピッチで隣接するように配列された可撓性を有するキー配列シートと、
前記機器筐体の一部に狭間ピッチの複数の前記キートップ間に亘るように連続して形成され、前記キー配列シート上の複数の該キートップを前記機器筐体外に露出させる開口と、
前記キートップ毎に下端側に設けられたスイッチ押圧突起の配列に対応させて配列させた複数のキースイッチを有して前記機器筐体内に配置されたキースイッチ基板と、
前記各スイッチ押圧突起が対応する前記各キースイッチに対して移動自在な挿通孔を有して前記開口よりも大きく形成され、前記キー配列シートと前記キースイッチ基板との間に配置されて前記機器筐体に固定された補強板と、
を備えたことを特徴とするキーボード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【公開番号】特開2007−157340(P2007−157340A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−346495(P2005−346495)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】