説明

符号化装置、復号化装置、送信装置、受信装置および符号化方法

【課題】 複数の媒体を用いてデータを伝送または記録する符号化方法において、データの復号性能を向上させ、データを復号するまでに要する時間を短縮すること。
【解決手段】 符号化率決定部108は、各キャリアの伝搬環境情報から、各キャリアに対応する符号化率を決定する。パンクチャリング部103は、符号化率決定部108で決定された符号化率に基づき、分割ブロックごとにパンクチャリングを施す。キャリア分割部104は、パンクチャリング後の分割ブロックを異なるキャリアに割り当てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、符号化装置、復号化装置、送信装置、受信装置および符号化方法に関し、特に、マルチキャリア通信方式や光ディスク等において、誤り訂正符号を用いる符号化装置、復号化装置、送信装置、受信装置および符号化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチキャリア通信方式を行う送信装置は、誤り訂正能力の向上を目的として、誤り訂正符号としてターボ符号と呼ばれるブロック符号を用いることがある。具体的には、インタリーブ後の情報データを符号化器において符号化し、符号化後のデータ列にパンクチャリングを施し、パンクチャリング後のデータ列を複数のブロックに分割し、分割後の各ブロックをそれぞれ複数の異なるキャリアに割り当て送信している。
【0003】
図7に上述した送信装置をマルチキャリア通信に対応させた場合のパンクチャリングの動作の様子を示す。図7では、1入力3出力の符号化器を用いた場合の例である。図7(a)は、入力データXkが符号化器に入力された場合に、符号化器から出力されるデータ列Xk、ZkおよびZ’kの状態を示す。図7(b)は、図7(a)のデータ列Xk、ZkおよびZ’kに対し、パンクチャリング(符号化率3/4)を施した状態を示す。図7(c)は、図7(b)のパンクチャリング後のデータを複数のブロックに分割した状態を示している。各データは、分割されたブロックごとに異なる複数のキャリア(キャリア1、キャリア2、…、キャリア4)へ割り当てられ、送信される。
【0004】
このようなパンクチャリングを行う送信装置として例えば特許文献1に開示されたものがある。この送信装置は、伝搬環境に応じて符号化率を変えてパンクチャリングを行っている。これにより、地形や建造物による反射、回折などで複数の伝搬路を通ってきたランダムな位相の信号が合成された環境を受信機が移動することにより伝搬環境が時間的に変動する場合においても、伝搬環境に応じて誤り訂正の効果を改善することができる。
【特許文献1】特開2003−69531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のマルチキャリア通信方式に用いられる送信装置では、各キャリアの伝搬環境が異なる場合に、全体として伝送効率が低下するという問題がある。すなわち、各キャリアの伝搬環境の状態によって誤りの発生状況が一律でなく異なり、インタリーブ後の情報データを符号化器において符号化し、符号化後のデータを複数のブロックに分割し、分割後の各ブロックをそれぞれ複数の異なるキャリアに割り当てて送信する場合は、伝搬環境の悪いキャリアの影響を受けて、分割前のインタリーブ後の情報データ全体の誤り訂正の効果が低くなる場合がある。つまり、あるキャリアの誤り訂正の効果が低下し、伝送エラーによりそのキャリアに割り当てられたデータが誤る場合には、全キャリア、もしくは伝送エラーが生じたキャリアに割り当てられたデータの再送を必要とする場合等が生じ、データを復号するまでに要する時間が増加するという問題がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、複数の媒体を用いてデータを伝送または記録する符号化方法において、データの復号性能を向上させ、データを復号するまでに要する時間を短縮する符号化装置、復号化装置、送信装置、受信装置および符号化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る符号化装置は、データを伝送または記録する複数の媒体の各々に情報データと当該情報データに付加されるパリティビットとを割り当てる符号化装置であって、各媒体の復調品質に応じて媒体ごとの符号化率を決定する符号化率決定手段と、前記情報データに付加されるパリティビットを決定された媒体ごとの符号化率で間引くパンクチャリングを行うパンクチャリング手段と、情報データとパンクチャリング後のパリティビットとを前記複数の媒体の各々に割り当てる割当手段と、を有する構成を採る。
【0008】
本発明に係る符号化方法は、データを伝送または記録する複数の媒体の各々に情報データと当該情報データに付加されるパリティビットとを割り当てる符号化方法であって、各媒体の復調品質に応じて媒体ごとの符号化率を決定する工程と、前記情報データに付加されるパリティビットを決定された媒体ごとの符号化率で間引くパンクチャリングを行う工程と、情報データとパンクチャリング後のパリティビットとを前記複数の媒体の各々に割り当てる工程と、を有するようにした。
【0009】
これらによれば、データを伝送または記録する複数の媒体の各媒体の復調品質に応じて、媒体ごとの符号化率を決定し、情報データに付加されるパリティビットを決定された媒体ごとの符号化率で間引くパンクチャリングを行って、情報データとパンクチャリング後のパリティビットとを複数の媒体の各々に割り当てるため、各媒体の復調品質が異なる場合においても、媒体ごとに誤り訂正の効果を改善することが可能となる。したがって、マルチキャリア通信方式や光ディスク等において、効率よくデータを符号化することができる。また、複数の媒体に同一の誤り訂正符号を用いることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の媒体を用いてデータを伝送または記録する符号化方法において、データの符号性能を向上させ、データを復号するまでに要する時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下実施の形態では、データを伝送するための媒体としてキャリアを用い、媒体の復調品質としてキャリアの伝搬環境を用いた場合について説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示すブロック図である。図1において、送信装置100は、符号化部101、ブロック分割部102、パンクチャリング部103、キャリア分割部104、送信部105、受信部106、伝搬環境情報抽出部107、符号化率決定部108を有している。
【0013】
符号化部101は、誤り訂正能力の向上を目的としてブロック符号を用い、情報データを符号化し、符号化後のデータ列をブロック分割部102へ出力する。ブロック符号としては、ハミング符号やLDPC(Low Density Parity Check)符号、3GPPにおいて採用されているターボ符号等がある。例えば、3GPPにおいて採用されるターボ符号をブロック符号として用いる場合には、符号化部101は、二つの要素符号器より構成される。このとき、符号化部101は、1入力3出力の符号化器として働き、1系列の情報データが入力されると、1系列の情報データと2系列のパリティビット(以下「データ列」という)を出力する。
【0014】
ブロック分割部102は、データ列を、キャリア分割部104で割り当てられるキャリア数と同じ数のブロックに分割し、分割後のデータ列をパンクチャリング部103に出力する。ここで、キャリアはデータを伝送するための媒体である。
【0015】
パンクチャリング部103は、符号化率決定部108で決定された符号化率に基づき、分割後のデータ列ごと、つまり、分割ブロックごとにパンクチャリングを施し、パンクチャリング後の分割ブロックをキャリア分割部104に出力する。なお、符号化率決定部108による符号化率の決定の動作については、後に述べる。
【0016】
キャリア分割部104は、パンクチャリング後の分割ブロックを異なるキャリアに割り当て、逆フーリエ変換して得られたマルチキャリア信号を送信部105に出力する。
【0017】
送信部105は、マルチキャリア信号に対し、送信処理(変調、D/A変換、アップコンバートなど)を施し、アンテナを介して送信する。
【0018】
受信部106は、受信装置側から通知される伝搬環境情報が含まれる信号を受信し、受信処理(ダウンコンバート、復調、A/D変換など)を行った後、復調データを伝搬環境情報抽出部107に出力する。ここで、伝搬環境情報は、データを伝送する媒体としてキャリアを用いた場合に、キャリアの復調品質を示す。
【0019】
伝搬環境情報抽出部107は、復調データから各キャリアの伝搬環境の状態を示す伝搬環境情報を抽出し、伝搬環境情報を符号化率決定部108に出力する。伝搬環境情報とは、受信装置側で測定される搬送波電力対雑音電力比、信号電力対雑音電力比、BER(Bit Error Rate)、PER(Packet Error Rate)等、伝送路の損失を推測できる情報をいう。
【0020】
符号化率決定部108は、各キャリアの伝搬環境情報から、各キャリアに対応する符号化率を決定する。例えば、あるキャリアのBERが所定の値より高く他のキャリアに比べ伝搬環境が悪い場合には、符号化率決定部108は、伝搬環境の悪いキャリアに対応する符号化率を伝搬環境の良い他のキャリアに対応する符号化率より低く設定する。これにより、符号化率が低く設定されたキャリアの誤り訂正の効果が改善される。そして、誤り訂正の効果の改善により、受信装置側でデータが誤る割合が減少する。この結果、再送等の処理が減り、伝送効率の低下を防ぐことができる。一方、符号化率決定部108は、あるキャリアにおけるBERが所定の値より低く他のキャリアに比べ伝搬環境が良い場合には、伝搬環境の良いキャリアに対応する符号化率を伝搬環境の悪い他のキャリアに対応する符号化率より高く設定する。
【0021】
また、符号化率決定部108は、過去の送信における伝搬環境情報、符号化率および再送回数等の履歴を保有していて、各キャリアの伝搬環境情報から再送処理がされなかった場合の符号化率を、今回用いる符号化率として設定するなどの方法を用いてもよい。再送処理は、通常、符号化による誤り訂正の効果が得られず、受信装置側でデータが誤った場合に施され、符号化により誤り訂正の効果が得られデータが正常に復調された場合には施されない。すなわち、再送処理が施されなかった場合の符号化率は、伝搬環境による伝送エラーを誤り訂正の効果により解消できる符号化率として実績のある値といえる。一般に、伝搬環境が良い場合には、符号化率が高く設定された場合においても、符号化により誤り訂正の効果が得られデータが正常に復調される。一方、伝搬環境が悪い場合には、符号化率を低く設定することにより、符号化による誤り訂正の効果が得られる。したがって、上述した履歴をもとに符号化率を決定する場合には、伝搬環境の良いキャリアに対応する符号化率は他のキャリアに対応する符号化率より高く、伝搬環境の悪いキャリアに対応する符号化率は他のキャリアに対応する符号化率より低く設定され、そして、再送処理が不要な符号化率として実績のある符号化率が設定される。
【0022】
図2は、実施の形態1に係る受信装置の構成を示すブロック図である。図2において、受信装置200は、受信部201、デパンクチャリング部202、ブロック合成部203、復号部204、伝搬環境情報取得部205、送信部206を有している。
【0023】
受信部201は、マルチキャリア信号を受信し、所定の受信処理(ダウンコンバート、復調、A/D変換など)を施し、受信処理後の復調データをデパンクチャリング部202に出力する。合わせて、受信部201は、送信装置側から通知される各分割ブロックに適用された符号化率や分割ブロック長などの復号化に必要な情報を復調し、デパンクチャリング部202に出力する。
【0024】
デパンクチャリング部202は、各キャリアに割り当てられた分割ブロックごとに、復調データをデパンクチャリングし、デパンクチャリング後のデータ列をブロック合成部203に出力する。
【0025】
ブロック合成部203は、デパンクチャリング後のデータ列を、複数のブロックに分割する前のデータ列に合成し、復号部204に出力する。
【0026】
復号部204は、複数のブロックに分割する前のデータ列を分割前のブロック長を単位として復号して情報データを取得し、後工程の機器へ出力する。
【0027】
伝搬環境情報取得部205は、BER、PER、搬送波電力対雑音電力比、信号電力対雑音電力比等、伝搬環境情報となり得るデータを取得する。例えば、予め送信装置側より送信される既知データからBERやPERを測定したり、信号電力対雑音電力比や搬送波電力対雑音電力比を測定するなどの方法をとる。伝搬環境情報の測定は、受信装置200以外の装置で行ってもよく、その場合には、受信部201は、伝搬環境情報の測定を行う他の装置から通知される伝搬環境情報が含まれる信号を受信し、受信した信号を伝搬環境情報取得部205に出力する。そして、受信部201から出力される信号から、伝搬環境情報取得部205は、伝搬環境情報を取得する。伝搬環境情報取得部205は、取得した伝搬環境情報を送信部206に出力する。ここで、上述したように、伝搬環境情報は、データを伝送する媒体としてキャリアを用いた場合に、キャリアの復調品質を示す。
【0028】
送信部206は、伝搬環境情報取得部205で取得された伝搬環境情報をアンテナを介して送信装置側へ送信する。
【0029】
次いで、上記のように構成された送信装置100による符号化率を決定する動作について以下に説明する。
【0030】
送信装置100は、受信装置200から通知される伝搬環境情報が含まれる信号を受信部106にて受信し、伝搬環境情報抽出部107において伝搬環境情報を抽出する。
【0031】
抽出された伝搬環境情報には、各キャリアの伝搬環境の状態を示す搬送波電力対雑音電力比、信号電力対雑音電力比、BER、PER等の情報が含まれていて、これら伝搬環境情報は符号化率決定部108に出力される。
【0032】
伝搬環境情報が符号化率決定部108に出力されると、符号化率決定部108によって、各キャリアに対応する符号化率が各キャリアの伝搬環境情報に基づき決定される。具体的には、伝搬環境の悪いキャリアに対応する符号化率は低く、伝搬環境が良いキャリアに対応する符号化率は高く設定される。例えば、あるキャリアのBERが高く他のキャリアに比べ伝搬環境が悪い場合には、そのキャリアに対応する符号化率は他のキャリアに対応する符号化率より低く設定される。これにより、符号化率が低く設定されたキャリアにおける誤り訂正の効果が改善される。そして、誤り訂正の効果が改善されることにより、受信装置側でデータが誤る割合が減少する。この結果、再送等の処理が減り、伝送効率の低下を防ぐことができる。符号化率決定部108において、各キャリアの伝搬環境に基づいて決定された符号化率は、パンクチャリング部103に出力される。
【0033】
一方、情報データは符号化部101にて誤り訂正符号化処理が施され、情報データにパリティビットが付加されて出力される。情報データとパリティビット(データ列)は、ブロック分割部102によってキャリア分割部104で割り当てられるキャリア数と同じ数のブロックに分割される。分割後のデータ列、つまり、分割ブロックは、パンクチャリング部103に出力され、パンクチャリング部103において符号化率決定部108で決定される符号化率に基づいて分割ブロックごとにパンクチャリングが施される。このとき、パンクチャリングで用いる符号化率は、上述したように、符号化率決定部108によって各キャリアの伝搬環境に基づいて決定される。すなわち、あるキャリアの伝搬環境が他のキャリアより悪い場合、伝搬環境の悪いキャリアに対応する符号化率は、他のキャリアに対応する符号化率よりも低く設定される。この結果、伝搬環境の悪いキャリアに対応する分割ブロックでは、パンクチャリングにより削除されるパリティビット数は少ない。そして、削除されるパリティビット数が少ないと、誤り訂正の効果が改善される。つまり、符号化率を各キャリアの伝搬環境に基づいて決定し、対応する分割ブロックにおいてパンクチャリングされ削除されるパリティビット数に差異を設けることにより、キャリアの伝搬環境に応じてキャリアごとに誤り訂正の効果を改善することができる。
【0034】
パンクチャリングされた分割ブロックは、キャリア分割部104で異なる複数のキャリアへ割り当てられ、逆フーリエ変換して得られたマルチキャリア信号は送信部105に出力される。そして、マルチキャリア信号は、送信部105で送信処理(D/A変換、直交変調、無線周波数帯へのアップコンバートなど)が施された上でアンテナを介して送信される。
【0035】
送信装置100から送信されたマルチキャリア信号は、受信装置200のアンテナを介して受信部201によって受信処理(ダウンコンバート、復調、A/D変換など)された後、デパンクチャリング部202において分割ブロックごとにデパンクチャリングが施され、ブロック合成部203において、分割前のデータ列に合成された後、復号部204において復号され、情報データとして後工程の機器へ出力される。
【0036】
次に、本実施の形態1におけるパンクチャリングの動作の具体例について、図3を用いて説明する。図3において、1つ1つの四角はデータの所定の単位(ビット、シンボル等)を示す。また、図3は、符号化部101が1入力3出力の符号化器として働く場合の例である。
【0037】
図3(a)に示すように、情報データXk(k:1、2、…、36)は、符号化部101において誤り訂正符号化処理が施され、情報データXkにパリティビットZk、Z’kが付加されて出力される。
【0038】
そして、情報データXkおよびパリティビットZk、Z’k(データ列)は、ブロック分割部102において、キャリア分割部104で割り当てられるキャリア数と同じ数のブロックに分割される。図3(b)は、データ列がブロック分割部102において太枠で囲まれる4つのブロックに分割された状態を示す。
【0039】
分割後のデータ列(図3(b))は、パンクチャリング部103において、符号化率決定部108で決定された符号化率に基づいて分割ブロックごとにパンクチャリングが施される(図3(c))。図3(c)において、斜線の四角は、パンクチャリング部103でパンクチャリングが施された結果、削除されたデータを表す。ここで、図3(c)は、キャリア1の伝搬環境が他のキャリア2、キャリア3、キャリア4に比べ悪い場合の例で、符号化率決定部108は、他のキャリア2、キャリア3、キャリア4に適用する符号化率を3/4と設定したのに対し、キャリア1に適用する符号化率を1/2と低く設定した場合の様子を示す。伝搬環境の悪いキャリア1に適用する符号化率を低く設定し、誤り訂正の効果を改善することで、キャリア1での誤りの発生を防ぐことができ、受信装置側でデータが誤る割合が減少する。この結果、再送等の処理が減り、分割前のデータ全体として伝送効率を向上することが可能となる。なお、上述した例では、キャリア1に適用される符号化率のみを低く設定したが、各キャリアに適用される符号化率をキャリアごとに異なる値に設定することも、すべてのキャリアに適用される符号化率を同一に設定することも可能である。パンクチャリングが施されたデータ列は、キャリア分割部104において、4つの異なるキャリアにそれぞれ割り当てられる。
【0040】
このように本実施の形態によれば、各キャリアに適用する符号化率を、各キャリアの伝搬環境に応じて設定する。このため、各キャリアの伝搬環境が異なる場合であっても、キャリアごとに誤り訂正の効果を改善することが可能となり、伝送エラーを減少させることができる。結果として、再送等の処理が減少し、分割前のデータ全体を効率よく伝送することができる。また、各キャリアに適用される符号化率をキャリアごとに決定し、それぞれのキャリアの損失を補填することができるので、すべてのキャリアを同一の誤り訂正符号で符号化することが可能となり、伝搬損失が異なるキャリアごとに誤り訂正符号を用意する必要がない。
【0041】
なお、本実施の形態では、データを伝送するための媒体としてキャリアを用い、媒体の復調品質としてキャリアの伝搬環境を用いた場合について説明した。ところで、光ディスク等の記録媒体では、中心部付近と円周部付近で誤り率が異なることが知られている。したがって、本実施の形態において、光ディスク等の中心部付近と円周部付近のように誤り率の異なる部分を、データを記録する複数の媒体とし、各部分の記録媒体の誤り率を各媒体の復調品質として用いる場合にも適用することが可能である。
【0042】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係る送信装置の構成を示すブロック図である。なお、図4の本実施の形態の送信装置300において、図1と共通する構成部分には、図1と同一の符号を付して説明を省略する。図4は、図1に対して、分割ブロック長決定部301を追加した構成を採る。
【0043】
分割ブロック長決定部301は、伝搬環境情報抽出部107から出力された伝搬環境情報から、各キャリアの伝搬環境に応じて、各キャリアに割り当てる情報データ数、つまり、分割ブロック長を決定する。例えば、あるキャリアのBERが所定の値より高く他のキャリアに比べ伝搬環境が悪い場合に、分割ブロック長決定部301は、伝搬環境の悪いキャリアに割り当てる情報データ数が伝搬環境の良いキャリアに割り当てる情報データ数より少なくなるように分割ブロック長を短く設定する。分割ブロック長を短く設定した結果、伝搬環境の悪いキャリアに割り当てられる情報データ数、つまり、伝送エラーの影響を受ける可能性の高い対象データ数が少なくなる。この結果、伝送エラーを受けて受信装置側データが誤る割合が減少する。これにより、再送等の処理が減り、伝送効率の低下を防ぐことができる。一方、分割ブロック長決定部301は、あるキャリアにおけるBERが所定の値より低く他のキャリアに比べ伝搬環境が良い場合には、伝搬環境の良いキャリアに割り当てる情報データ数が伝搬環境の悪い他のキャリアに割り当てる情報データ数より多くなるよう分割ブロック長を長く設定する。分割ブロック長決定部301は、決定した分割ブロック長をブロック分割部102に出力する。なお、上述したように、伝搬環境情報は、データを伝送する媒体としてキャリアを用いた場合に、キャリアの復調品質を示す。
【0044】
実施の形態2に係る受信装置は、実施の形態1に係る受信装置と同一の構成を採るため説明を省略する。
【0045】
次いで、上記のように構成された送信装置300による分割ブロック長および符号化率を決定する動作について以下に説明する。
【0046】
送信装置300は、受信装置200から通知される伝搬環境情報が含まれる信号を受信部106にて受信し、伝搬環境情報抽出部107において伝搬環境情報を抽出する。
【0047】
抽出された伝搬環境情報には、各キャリアの伝搬環境の状態を示す搬送波電力対雑音電力比、信号電力対雑音電力比、BER、PER等の情報が含まれていて、これら伝搬環境情報は分割ブロック決定部301および符号化率決定部108に出力される。
【0048】
伝搬環境情報が分割ブロック長決定部301に出力されると、分割ブロック長決定部301によって、各キャリアの伝搬環境に応じて、各キャリアに割り当てられる情報データ数、すなわち、分割ブロック長が決定される。つまり、あるキャリアのBERが所定の値より高く他のキャリアに比べ伝搬環境が悪い場合には、分割ブロック長が短く設定される。これにより、伝搬環境の悪いキャリアに割り当てられる情報データ数が少なくなり、この結果、伝送エラーの影響を受ける可能性の高い対象データが少なくなる。換言すると、伝送エラーを受けて受信装置側でデータが誤る割合が減少する。この結果、再送等の処理が減少し、伝送効率の低下を防ぐことができる。分割ブロック長決定部301において決定された分割ブロック長は、ブロック分割部102に出力される。
【0049】
伝搬環境情報は、また、符号化率決定部108に出力され、実施の形態1と同様に符号化率決定部108によって、各キャリアに対応する符号化率が各キャリアの伝搬環境情報に基づき決定される。そして、決定された符号化率は、パンクチャリング部103に出力される。
【0050】
一方、情報データは符号化部101にて誤り訂正符号化処理が施され、情報データにパリティビットが付加されて出力される。情報データとパリティビット(データ列)は、ブロック分割部102において、分割ブロック長決定部301で決定された分割ブロック長に基づいて分割される。ここで、各キャリアに対応する分割ブロック長は、分割ブロック長決定部301によって各キャリアの伝搬環境に基づいて決定される。すなわち、あるキャリアの伝搬環境が他のキャリアの伝搬環境より悪い場合には、分割ブロック長決定部301において、伝搬環境の悪いキャリアに割り当てられる情報データ数が少なくなるよう設定される。これにより、伝送エラーの影響を受ける可能性の高い対象データ数が少なくなるため、伝送エラーを受けて受信装置側でデータが誤る割合が減少する。この結果、再送等の処理が減り、伝送効率の低下を防ぐことができる。
【0051】
分割後のデータ列、つまり、分割ブロックはパンクチャリング部103に出力され、パンクチャリング部103において符号化率決定部108で決定される符号化率に基づいて、ブロック分割部102で分割された分割ブロックごとにパンクチャリングが施される。なお、パンクチャリングで用いられる符号化率は、実施の形態1と同様に、符号化率決定部108によって各キャリアの伝搬環境に基づいて決定される。
【0052】
パンクチャリングされた分割ブロックは、キャリア分割部104で異なる複数のキャリアへ割り当てられ、逆フーリエ変換して得られたマルチキャリア信号は送信部105に出力される。そして、マルチキャリア信号は、送信部105で送信処理(D/A変換、直交変調、各キャリア帯へのアップコンバートなど)が施された上でアンテナを介して送信される。
【0053】
送信装置300から送信されたマルチキャリア信号は、受信装置200のアンテナを介して受信部201によって受信処理(ダウンコンバート、復調、A/D変換など)された後、デパンクチャリング部202において分割ブロックごとにデパンクチャリングが施され、ブロック合成部203において、分割前のデータ列に合成された後、復号部204において復号され、情報データとして後工程の機器へ出力される。
【0054】
次に、本実施の形態2におけるパンクチャリングの動作の具体例について、図5を用いて説明する。図5において、1つ1つの四角はデータの所定の単位(ビット、シンボル等)を示す。また図5は、符号化部101が1入力3出力の符号化器として働く場合の例である。
【0055】
図5(a)に示すように、情報データXk(k:1、2、…、36)は、符号化部101において誤り訂正符号化処理が施され、情報データXkにパリティビットZk、Z’kが付加されて出力される。
【0056】
そして、情報データXkおよびパリティビットZk、Z’k(データ列)は、ブロック分割部102において、分割ブロック長決定部301で決定された分割ブロック長に基づき分割される。図5(b)は、図5(a)に示すデータ列が、ブロック分割部102において、分割ブロック長決定部301で決定された分割ブロック長に基づき太枠で囲まれる4つのブロックに分割された状態を示す。ここで、図5(b)は、キャリア1の伝搬環境が他のキャリア2、キャリア3、キャリア4に比べ悪い場合の例で、分割ブロック長決定部301は、他のキャリア2、キャリア3、キャリア4に割り当てられる情報データ数を10となるように分割ブロック長を設定したのに対し、キャリア1に割り当てられる情報データ数を6と他のキャリアに比べ少なくなるように分割ブロック長を設定した場合の様子を示す。伝搬環境の悪いキャリア1に割り当てるデータ数が少なくなるよう分割ブロック長を決定することで、伝送エラーの影響を受ける可能性の高い対象データ数が少なくなる。これにより、伝送エラーを受けて受信装置側でデータが誤る割合が減少する。この結果、再送等の処理が減り、伝送効率の低下を防ぐことができる。
【0057】
分割後のデータ列(図5(b))は、パンクチャリング部103において、符号化率決定部108で決定された符号化率に基づいて分割ブロックごとにパンクチャリングが施される(図5(c))。図5(c)において、斜線の四角は、パンクチャリング部103でパンクチャリングが施された結果、削除されたデータを表す。ここで、図5(c)は、図5(b)と同様に、キャリア1の伝搬環境が他のキャリア2、キャリア3、キャリア4に比べ悪い場合の例で、符号化率決定部108は、他のキャリア2、キャリア3、キャリア4に適用する符号化率を5/6と設定したのに対し、キャリア1に適用する符号化率を1/2と低く設定した場合の様子を示す。伝搬環境の悪いキャリア1に適用する符号化率を低く設定し、誤り訂正の効果を改善することで、キャリア1のデータ列に起因する誤り率の低下を防ぐことができ、受信装置側でデータが誤る割合が減少する。この結果、再送等の処理が減るため、分割前のデータ全体として伝送効率を向上することが可能となる。パンクチャリングが施されたデータ列は、キャリア分割部104において、4つの異なるキャリアにそれぞれ割り当てられる。
【0058】
このように本実施の形態によれば、各キャリアに割り当てられる情報データ数、つまり、分割ブロック長と、各キャリアに対応する符号化率を各キャリアの伝搬環境に応じて設定する。このため、伝搬環境の悪いキャリアに割り当てられる情報データ数、つまり、伝送エラーの影響を与える可能性の高い対象データ数を少なくし、キャリアの伝搬環境に応じてキャリアごとに誤り訂正の効果を改善させることができるので、伝送エラーが減少し、再送等の必要が減り、分割前のブロック全体を効率よく伝送することができる。
【0059】
なお、本実施の形態では、符号化率決定部108と分割ブロック長決定部301は、それぞれ独立に符号化率および分割ブロック長を決定するが、符号化率決定部108は、分割ブロック長決定部301で決定される分割ブロック長を考慮して、各ブロックの符号化率を決定しても良い。
【0060】
また、本実施の形態では、データを伝送するための媒体としてキャリアを用い、媒体の復調品質としてキャリアの伝搬環境を用いた場合について説明した。ところで、光ディスク等の記録媒体では、中心部付近と円周部付近で誤り率が異なることが知られている。したがって、本実施の形態において、光ディスク等の中心部付近と円周部付近のように誤り率の異なる部分を、データを記録する複数の媒体とし、各部分の記録媒体の誤り率を各媒体の復調品質として用いる場合にも適用することが可能である。
【0061】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3に係る送信装置の構成を示すブロック図である。なお、図6の本実施の形態の送信装置400において、図1と共通する構成部分には、図1と同一の符号を付して説明を省略する。図6は、図1に対して、符号化率決定部108を削除し、分割ブロック長/符号化率決定部401を追加した構成を採る。
【0062】
分割ブロック長/符号化率決定部401は、伝搬環境情報抽出部107から出力された伝搬環境情報から、実施の形態2の分割ブロック長決定部301と同様に、各キャリアの伝搬環境に応じて各キャリアに割り当てる情報データ数、すなわち、分割ブロック長を決定する。つまり、伝搬環境の悪いキャリアには、割り当てられる情報データ数が伝搬環境の良いキャリアに割り当てられる情報データ数より少なくなるように分割ブロック長を短く設定する。さらに、分割ブロック長/符号化率決定部401は、分割ブロックごとにパンクチャリングを施した後の情報データとパリティビットを合計した送信データ数が、いずれの分割ブロックにおいても同一となるように、分割ブロックごとの符号化率を決定する。このとき、送信データ数がすべての分割ブロックにおいて同一となる符号化率が算出できないときには、分割ブロック長/符号化率決定部401は、分割ブロック長を変更して、変更後の分割ブロック長に基づいて上述した手順を繰り返し、分割ブロックごとにパンクチャリングを施した後の送信データ数をいずれも同一とする分割ブロック長と符号化率の組み合わせを決定する。分割ブロック長/符号化率決定部401は、決定した分割ブロック長をブロック分割部102へ、決定した符号化率をパンクチャリング部103に出力する。なお、上述したように、伝搬環境情報は、データを伝送する媒体としてキャリアを用いた場合に、キャリアの復調品質を示す。
【0063】
実施の形態3に係る受信装置は、実施の形態1に係る受信装置と同一の構成を採るため説明を省略する。
【0064】
次いで、上記のように構成された送信装置400による分割ブロック長および符号化率を決定する動作について以下に説明する。
【0065】
送信装置400は、受信装置200から通知される伝搬環境情報が含まれる信号を受信部106にて受信し、伝搬環境情報抽出部107において伝搬環境情報を抽出する。
【0066】
抽出された伝搬環境情報には、各キャリアの伝搬環境の状態を示す搬送波電力対雑音電力比、信号電力対雑音電力比、BER、PER等の情報が含まれていて、これら伝搬環境情報は分割ブロック長/符号化率決定部401に出力される。
【0067】
伝搬環境情報が分割ブロック長/符号化率決定部401に出力されると、分割ブロック長/符号化率決定部401によって、まず、上述したように、各キャリアの伝搬環境に応じて分割ブロック長が決定される。つまり、分割ブロック長/符号化率決定部401において、伝搬環境の良いキャリアに割り当てられる情報データ数が多く、伝搬環境の悪いキャリアに割り当てられる情報データ数が少なくなるよう分割ブロック長が決定される。
【0068】
さらに、決定された分割ブロック長に基づいて、分割ブロックごとにパンクチャリングを施した後の送信データ数がいずれも同一となるように、分割ブロック長/符号化率決定部401によって、分割ブロックごとの符号化率が決定される。このとき、それぞれの分割ブロックに対する送信データ数がいずれも同一となる符号化率が算出できないときには、分割ブロック長/符号化率決定部401において、分割ブロック長が変更され、次いで変更後の分割ブロック長に基づいて上述した手順が繰り返され、パンクチャリング後の送信データ数がいずれも同一となる分割ブロック長と符号化率の組み合わせが決定される。上述した分割ブロック長および符号化率の組み合わせの算出では、伝搬環境が悪いキャリアには、割り当てられる情報データ数が少ないので、他のキャリアに割り当てられる送信データ数と同一にするためには、情報データが少ない分をパリティビットで補う必要がある。したがって、パンクチャリングによって削除されるパリティビット数の割合が他のキャリアに比べ少なく、結果として、伝搬環境が悪いキャリアに対応する符号化率が低く設定される。つまり、伝送エラーの影響を受けて正常に受信されない可能性の高い対象データ数が少なく、また、伝搬環境の悪いキャリアに対応する符号化率が低く設定されるので、対応するキャリアの誤り訂正の効果を改善することができる。これにより、伝送エラーが減少し、この結果、再送等の処理が減り、分割前のデータ全体として伝送効率を向上させることができる。さらに、パンクチャリング後の送信データ数が分割ブロックごとにいずれも同一となるので、キャリアごとの送信データ数が特定の大きさに限定されているような通信規約に沿うシステムに適用することが可能となる。分割ブロック長/符号化率決定部401において決定された分割ブロック長はブロック分割部102へ、決定された符号化率はパンクチャリング部103に出力される。
【0069】
一方、情報データは符号化部101にて誤り訂正符号化処理が施され、情報データにパリティビットが付加されて出力される。情報データとパリティビット(データ列)は、ブロック分割部102において、分割ブロック長/符号化率決定部401で決定された分割ブロック長に基づいて分割される。このとき、ブロック分割部102で用いられる分割ブロック長は、上述したように、分割ブロック長/符号化率決定部401によって、各キャリアのパンクチャリング後の分割ブロックごとの送信データ数がいずれも同一となるように決定される。すなわち、分割ブロック長/符号化率決定部401において、あるキャリアの伝搬環境が他のキャリアに比べ悪い場合には、他のキャリアに対応する分割ブロック長に比べなるべく短い分割ブロック長が設定される。そして、分割ブロックごとにパンクチャリングされた後の送信データ数が同一となるためには、分割ブロック長が短く設定された分割ブロックにおいては、情報データが少ない分をパリティビットで補う必要がある。つまり、分割ブロック長が他の分割ブロック長に比べ短い場合には、パンクチャリングにより削除されるパリティビットの割合が他の分割ブロックよりも少ない。すなわち、分割ブロック長が短い場合には、対応する符号化率が低く設定される。これにより、伝送エラーの影響を受ける可能性の高い対象データ数が少なくなり、また、伝搬環境の悪いキャリアに対応する符号化率が低く設定される結果、キャリアの誤り訂正の効果が改善し、伝送エラーを受けて受信装置側でデータが誤る割合が減少する。この結果、再送等の処理が減り、伝送効率の低下を防ぐことができる。
【0070】
分割後のデータ列、つまり、分割ブロックは、パンクチャリング部103に出力され、パンクチャリング部103において分割ブロック長/符号化率決定部401で決定される符号化率に基づいて、分割ブロックごとにパンクチャリングが施される。このとき、パンクチャリング部103で用いられる符号化率は、上述したように、分割ブロック長/符号化率決定部401によって、パンクチャリング後の送信データ数がいずれも同一となるよう符号化率が決定される。つまり、伝搬環境の悪いキャリアでは、他のキャリアに比べ、パリティビットが削除される割合が少ない。換言すると、伝搬環境の悪いキャリアに対応する符号化率が低く設定される。この結果、符号化率が低く設定されたキャリアの誤り訂正の効果が改善される。そして、これにより、伝搬環境の悪いキャリアにおける伝送エラーが減少し、再送等の処理が減り、伝送効率の低下を防ぐことができる。また、それぞれのキャリアに割り当てられるパンクチャリング後の送信データ数がいずれも同一であるので、送信データ数が特定の大きさに限定されているような通信規約に沿うシステムに適用することが可能となる。
【0071】
パンクチャリングされたデータ列は、キャリア分割部104で異なる複数のキャリアへ割り当てられ、逆フーリエ変換して得られたマルチキャリア信号は送信部105に出力される。そして、マルチキャリア信号は、送信部105で送信処理(D/A変換、直交変調、各キャリア帯へのアップコンバートなど)が施された上でアンテナを介して送信される。
【0072】
送信装置400から送信されたマルチキャリア信号は、受信装置200のアンテナを介して受信部201によって受信処理(ダウンコンバート、復調、A/D変換など)された後、デパンクチャリング部202において分割ブロックごとにデパンクチャリングが施され、ブロック合成部203において、分割前のデータ列に合成された後、復号部204において復号され、情報データとして後工程の機器へ出力される。
【0073】
次に、本実施の形態3におけるパンクチャリングの動作の具体例について、再度、図5を用いて説明する。図5において、1つ1つの四角はデータの所定の単位(ビット、シンボル等)を示す。また図5は、符号化部101が1入力3出力の符号化器として働く場合の例である。
【0074】
図5(a)に示すように、情報データXk(k:1、2、…、36)は、符号化部101において誤り訂正符号化処理が施され、情報データXkにパリティビットZk、Z’kが付加されて出力される。
【0075】
そして、情報データXkおよびパリティビットZk、Z’k(データ列)は、ブロック分割部102において、分割ブロック長/符号化率決定部401で決定された分割ブロック長に基づき分割される。図5(b)は、分割ブロック長/符号化率決定部401で決定された分割ブロック長に基づき、ブロック分割部102において、データ列が太枠で囲まれる4つのブロックに分割された状態を示す。そして、分割後のデータ列(図5(b))は、パンクチャリング部103において、分割ブロック長/符号化率決定部401で決定された符号化率に基づいて分割ブロックごとにパンクチャリングが施される。図5(c)において、斜線の四角は、パンクチャリング部103でパンクチャリングが施された結果、削除されたデータを表す。
【0076】
ここで、分割ブロック長/符号化率決定部401は、上述したように、伝搬環境の悪いキャリアに割り当てられるデータ数がなるべく少なくなるよう分割ブロック長を決定する。つまり、分割ブロック長/符号化率決定部401において、伝搬環境の良いキャリアに割り当てられる情報データ数が多く、伝搬環境の悪いキャリアに割り当てられる情報データ数が少なくなるよう分割ブロック長が決定される。さらに、決定された分割ブロック長に基づいて、分割ブロックごとにパンクチャリングを施した後の送信データ数がいずれも同一となるように、分割ブロック長/符号化率決定部401によって、分割ブロックごとの符号化率が決定される。
【0077】
図5(b)は、キャリア1の伝搬環境が他のキャリア2、キャリア3、キャリア4に比べ悪い場合の例で、分割ブロック長/符号化率決定部401は、他のキャリア2、キャリア3、キャリア4に割り当てられる情報データ数が10となるように分割ブロック長を設定したのに対し、キャリア1に割り当てられる情報データ数が6と他のキャリアに比べ少なくなるように分割ブロック長を設定した場合の様子を示す。そして、図5(c)は、分割ブロック長/符号化率決定部401によって決定された分割されたブロックに対し、パンクチャリング後の送信データ数が12となるように、各分割ブロックに対応する符号化率が{1/2、5/6、5/6、5/6}に設定された様子を示す。
【0078】
このように、伝搬環境の悪いキャリアに割り当てられるデータ数が少なくなるように分割ブロック長を決定することで、伝送エラーの影響を受ける可能性の高い対象データ数が少なくなる。また、伝搬環境が悪いキャリアには、割り当てられる情報データ数が少ないので、他のキャリアに割り当てられる送信データ数と同一にするためには、情報データが少ない分をパリティビットで補う必要がある。したがって、伝搬環境が悪いキャリアに対応する分割ブロックにおいては、パンクチャリングによって削除されるパリティビット数の割合が他のキャリアに比べ少なく、結果として、対応する符号化率が低く設定される。つまり、伝送エラーの影響を受ける可能性の高い対象データ数が少なく設定され、また、伝搬環境の悪いキャリアに対応する符号化率が低く設定される結果、対応するキャリアの誤り訂正の効果を改善することができる。
【0079】
上述した例では、パンクチャリング後の送信データ数がいずれも同一となる例を示したが、パンクチャリング後の送信データ数が異なる場合には、分割ブロック長/符号化率決定部401において、分割ブロック長が変更され、変更後の分割ブロック長に基づき、パンクチャリング後の送信データ数がいずれも同一となる符号化率を算出する手順が繰り返される。パンクチャリングが施されたデータ列は、キャリア分割部104において、4つの異なるキャリアにそれぞれ割り当てられる。
【0080】
このように本実施の形態によれば、分割ブロックごとにパンクチャリングを施した後の情報データとパリティビットを合計した送信データ数が、いずれの分割ブロックにおいても同一となるように、伝搬環境情報に応じて分割ブロック長および対応する符号化率の組み合わせを決定する。この結果、伝送エラーの影響を受ける可能性の高い対象データ数が少なくなり、また、伝搬環境の悪いキャリアに対応する符号化率が低く設定されるため、符号化率が低く設定されたキャリアの誤り訂正の効果が改善される。これにより、伝送エラーによる再送等の処理が減り、分割前のデータ全体を効率よく伝送することができるとともに、キャリアごとの送信データ数が特定の大きさに限定されているような通信規約に沿うシステムに適用することができる。
【0081】
なお、通信システムにおいては、分割前のデータに対しシステム固有の符号化率が規定されている場合がある。この場合においても、分割ブロック長/符号化率決定部401は、分割前のデータに対して規定されているシステム固有の符号化率を考慮し、各キャリアに対応する分割ブロック長と符号化率を算出することも可能である。例えば、分割前のデータに対しシステム固有の符号化率として3/4が規定されていたとする。この場合、図5(c)のように、情報データ数が{6、10、10、10}となるように分割ブロック長を決定し、分割ブロックに対する符号化率を{1/2、5/6、5/6、5/6}とすることにより、分割前のデータ全体に対して符号化率3/4を実現することができる。具体的には、各キャリアに割り当てられる情報データ数の総和36(=6+10+10+10)に対し、各分割ブロックに符号化率{1/2、5/6、5/6、5/6}を適用すると、送信データ数の総和は48(=12+12+12+12)となることからより、分割前のデータ全体に対する符号化率が3/4(=36/48)となり、システム固有の符号化率と同一にすることができる。
【0082】
分割前のデータ全体に対する符号化率は、予めシステム固有の符号化率として、分割ブロック長/符号化率決定部401が保持する、または、受信部106において符号化率についての情報を受信し取得するなどの方法を取ることで、分割前のデータに対する符号化率が可変な場合にも対応可能となる。
【0083】
このように、上述した分割ブロック長および符号化率の組み合わせの決定においては、分割前のデータ全体に対する符号化率を考慮しながら、各キャリアの伝搬環境に応じて、各キャリアに対応する分割ブロック長および符号化率の組み合わせを設定する。すなわち、伝搬環境が悪いキャリアに割り当てられるデータ数、つまり、伝送エラーの影響を受ける可能性の高い対象データ数がなるべく少なく、分割前のデータ全体に対する符号化率が所望の値となるように各キャリアに対応する分割ブロック長および符号化率の組み合わせが決定される。これにより、伝送エラーが減少し、結果として、再送等の処理が減り、分割前のデータ全体を効率よく伝送することができる。また、システム固有の符号化率と整合を取ることが可能となる。
【0084】
なお、本実施の形態では、データを伝送するための媒体としてキャリアを用い、媒体の復調品質としてキャリアの伝搬環境を用いた場合について説明した。ところで、光ディスク等の記録媒体では、中心部付近と円周部付近で誤り率が異なることが知られている。したがって、本実施の形態において、光ディスク等の中心部付近と円周部付近のように誤り率の異なる部分を、データを記録する複数の媒体とし、各部分の記録媒体の誤り率を各媒体の復調品質として用いる場合にも適用することが可能である。
【0085】
本発明の第1の態様に係る符号化装置は、データを伝送または記録する複数の媒体の各々に情報データと当該情報データに付加されるパリティビットとを割り当てる符号化装置であって、各媒体の復調品質に応じて媒体ごとの符号化率を決定する符号化率決定手段と、前記情報データに付加されるパリティビットを決定された媒体ごとの符号化率で間引くパンクチャリングを行うパンクチャリング手段と、情報データとパンクチャリング後のパリティビットとを前記複数の媒体の各々に割り当てる割当手段と、を有する構成を採る。
【0086】
この構成によれば、データを伝送または記録する複数の媒体の各媒体の復調品質に応じて、媒体ごとの符号化率を決定し、情報データに付加されるパリティビットを決定された媒体ごとの符号化率で間引くパンクチャリングを行って、情報データとパンクチャリング後のパリティビットとを複数の媒体の各々に割り当てるため、各媒体の復調品質が異なる場合においても、媒体ごとに誤り訂正の効果を改善することが可能となる。したがって、マルチキャリア通信方式や光ディスク等において、効率よくデータを符号化することができる。また、複数の媒体に同一の誤り訂正符号を用いることができる。
【0087】
本発明の第2の態様に係る符号化装置は、上記第1の態様において、前記符号化率決定手段は、復調品質が他の媒体に比べ悪い媒体の符号化率を、前記他の媒体の符号化率に比べ低く設定する構成を採る。
【0088】
この構成によれば、復調品質が他の媒体に比べ悪い媒体に対応する符号化率は低く設定されるため、間引かれるパリティビット数が少ない。したがって、符号化率が低く設定された媒体の誤り訂正の効果を改善することができる。
【0089】
本発明の第3の態様に係る符号化装置は、上記第1の態様において、パンクチャリングを行う単位となる分割ブロックの長さを、各媒体の復調品質に応じて決定する分割ブロック長決定手段、をさらに有する構成を採る。
【0090】
この構成によれば、パンクチャリングを行う単位となる分割ブロックの長さを、各媒体の復調品質に応じて決定するため、各媒体の復調品質に応じて各媒体に割り当てる情報データ数を設定することが可能となる。
【0091】
本発明の第4の態様に係る符号化装置は、上記第3の態様において、前記分割ブロック長決定手段は、復調品質が他の媒体に比べ悪い媒体に対応する分割ブロックの長さを、前記他の媒体に対応する分割ブロックの長さに比べ短く設定する構成を採る。
【0092】
この構成によれば、復調品質が他の媒体に比べ悪い媒体に対応する分割ブロック長は短く設定されるため、伝搬環境の悪い媒体に割り当てられる情報データ数を少なくすることができる。したがって、エラーの影響を受ける可能性の高い対象データ数を少なくすることができ、これにより、エラーを受けて復号化装置側でデータが誤る割合を減少させることができる。
【0093】
本発明の第5の態様に係る符号化装置は、上記第3の態様において、前記符号化率決定手段は、各分割ブロックに含まれる情報データおよびパンクチャリング後のパリティビットの総数を同一にする媒体ごとの符号化率を決定する構成を採る。
【0094】
この構成によれば、各分割ブロックに含まれる情報データおよびパンクチャリング後のパリティビットの総数を同一にする媒体ごとの符号化率を決定するため、媒体ごとの情報データ数およびパンクチャリング後のパリティビットの総数が特定の大きさに限定されているような通信規約に沿うシステムに適用することができる。また、分割ブロック長が短く設定された媒体の符号化率が低く設定されるため、伝搬環境の悪い媒体の誤り訂正の効果を改善することができる。
【0095】
本発明の第6の態様に係る符号化装置は、上記第1の態様において、前記符号化率決定手段は、前記複数の媒体全体の符号化率を所定の値と一致させるための媒体ごとの符号化率を決定する構成を採る。
【0096】
この構成によれば、複数の媒体全体の符号化率を所定の値と一致させるための媒体ごとの符号化率を決定するため、複数の媒体全体に対し規定されているシステム固有の符号化率と整合を取ることができる。
【0097】
本発明の第7の態様に係る符号化装置は、上記第1の態様において、前記符号化率決定手段は、各媒体の誤り率に応じて媒体ごとの符号化率を決定する構成を採る。
【0098】
この構成によれば、各媒体の誤り率に応じて媒体ごとの符号化率を決定するため、媒体ごとに誤り率が異なる場合においても、媒体ごとに誤り訂正の効果を改善させることが可能となる。
【0099】
本発明の第8の態様に係る復号化装置は、データを伝送または記録する複数の媒体の復調品質に応じて決定される媒体ごとの符号化率でパリティビットを補填するデパンクチャリングを行うデパンクチャリング手段、を有する構成を採る。
【0100】
この構成によれば、データを伝送または記録する複数の媒体の復調品質に応じて決定される媒体ごとの符号化率でパリティビットを補填するデパンクチャリングを行うため、媒体ごとに誤り訂正の効果を改善させることが可能となる。
【0101】
本発明の第9の態様に係る送信装置は、複数のキャリアの伝搬状態を示す伝搬環境情報を取得する取得手段と、取得された各キャリアの伝搬環境情報に応じてキャリアごとの符号化率を決定する符号化率決定手段と、情報データを誤り訂正符号化して付加されるパリティビットを決定されたキャリアごとの符号化率で間引くパンクチャリングを行うパンクチャリング手段と、情報データとパンクチャリング後のパリティビットとを各キャリアに割り当てて送信する送信手段と、を有する構成を採る。
【0102】
この構成によれば、情報データを誤り訂正符号化して付加されるパリティビットを各キャリアの伝搬環境情報に応じて決定された符号化率で間引くパンクチャリングを行い、情報データとパンクチャリング後のパリティビットとを各キャリアに割り当てて送信するため、キャリアごとの伝搬環境が異なる場合においても、キャリアごとに誤り訂正の効果を改善させることが可能となる。したがって、マルチキャリア通信方式において、再送等の処理を回避し、効率よくデータ伝送することができる。
【0103】
本発明の第10の態様に係る受信装置は、複数のキャリアに情報データとパリティビットとが割り当てられた信号を受信する受信手段と、キャリアの伝搬環境に応じて決定されるキャリアごとの符号化率でパリティビットを補填するデパンクチャリングを行うデパンクチャリング手段と、を有する構成を採る。
【0104】
この構成によれば、キャリアの伝搬環境に応じて決定されるキャリアごとの符号化率でパリティビットを補填するため、キャリアごとに誤り訂正の効果を改善させることが可能となる。したがって、マルチキャリア通信方式において、再送等の処理を回避し、データ伝送効率を向上することができる。
【0105】
本発明の第11の態様に係る符号化方法は、データを伝送または記録する複数の媒体の各々に情報データと当該情報データに付加されるパリティビットとを割り当てる符号化方法であって、各媒体の復調品質に応じて媒体ごとの符号化率を決定する工程と、前記情報データに付加されるパリティビットを決定された媒体ごとの符号化率で間引くパンクチャリングを行う工程と、情報データとパンクチャリング後のパリティビットとを前記複数の媒体の各々に割り当てる工程と、を有するようにした。
【0106】
この方法によれば、データを伝送または記録する複数の媒体の各媒体の復調品質に応じて、媒体ごとの符号化率を決定し、情報データに付加されるパリティビットを決定された媒体ごとの符号化率で間引くパンクチャリングを行って、情報データとパンクチャリング後のパリティビットとを複数の媒体の各々に割り当てるため、各媒体の復調品質が異なる場合においても、媒体ごとに誤り訂正の効果を改善することが可能となる。したがって、マルチキャリア通信方式や光ディスク等において、効率よくデータを符号化することができる。また、複数の媒体に同一の誤り訂正符号を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明の送信装置は、マルチキャリア通信方式において、再送等の処理を回避し、効率よくデータ伝送することができ、特に、誤り訂正符号を用いる送信装置に用いるのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図3】(a)実施の形態1に係る訂正符号化後のデータ列を示す概念図(b)実施の形態1に係る複数のブロックに分割されたデータ列を示す概念図(c)実施の形態1に係るパンクチャリング後のデータ列を示す概念図
【図4】本発明の実施の形態2に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図5】(a)実施の形態2および実施の形態3に係る訂正符号化後のデータ列を示す概念図(b)実施の形態2および実施の形態3に係る複数のブロックに分割されたデータ列を示す概念図(c)実施の形態2および実施の形態3に係るパンクチャリング後のデータ列を示す概念図
【図6】本発明の実施の形態3に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図7】(a)誤り訂正符号化後のデータ列を示す概念図(b)パンクチャリング後のデータ列を示す概念図(c)複数のブロックに分割されたデータ列を示す概念図
【符号の説明】
【0109】
101 符号化部
102 ブロック分割部
103 パンクチャリング部
104 キャリア分割部
105 送信部
106 受信部
107 伝搬環境情報抽出部
108 符号化率決定部
201 受信部
202 デパンクチャリング部
203 ブロック合成部
204 復号部
205 伝搬環境情報取得部
206 送信部
301 分割ブロック長決定部
401 分割ブロック長/符号化率決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを伝送または記録する複数の媒体の各々に情報データと当該情報データに付加されるパリティビットとを割り当てる符号化装置であって、
各媒体の復調品質に応じて媒体ごとの符号化率を決定する符号化率決定手段と、
前記情報データに付加されるパリティビットを決定された媒体ごとの符号化率で間引くパンクチャリングを行うパンクチャリング手段と、
情報データとパンクチャリング後のパリティビットとを前記複数の媒体の各々に割り当てる割当手段と、
を有することを特徴とする符号化装置。
【請求項2】
前記符号化率決定手段は、
復調品質が他の媒体に比べ悪い媒体の符号化率を、前記他の媒体の符号化率に比べ低く設定することを特徴とする請求項1記載の符号化装置。
【請求項3】
パンクチャリングを行う単位となる分割ブロックの長さを、各媒体の復調品質に応じて決定する分割ブロック長決定手段、をさらに有することを特徴とする請求項1記載の符号化装置。
【請求項4】
前記分割ブロック長決定手段は、
復調品質が他の媒体に比べ悪い媒体に対応する分割ブロックの長さを、前記他の媒体に対応する分割ブロックの長さに比べ短く設定することを特徴とする請求項3記載の符号化装置。
【請求項5】
前記符号化率決定手段は、
各分割ブロックに含まれる情報データおよびパンクチャリング後のパリティビットの総数を同一にする媒体ごとの符号化率を決定することを特徴とする請求項3記載の符号化装置。
【請求項6】
前記符号化率決定手段は、
前記複数の媒体全体の符号化率を所定の値と一致させるための媒体ごとの符号化率を決定することを特徴とする請求項1記載の符号化装置。
【請求項7】
前記符号化率決定手段は、
各媒体の誤り率に応じて媒体ごとの符号化率を決定することを特徴とする請求項1記載の符号化装置。
【請求項8】
データを伝送または記録する複数の媒体の復調品質に応じて決定される媒体ごとの符号化率でパリティビットを補填するデパンクチャリングを行うデパンクチャリング手段、
を有することを特徴とする復号化装置。
【請求項9】
複数のキャリアの伝搬状態を示す伝搬環境情報を取得する取得手段と、
取得された各キャリアの伝搬環境情報に応じてキャリアごとの符号化率を決定する符号化率決定手段と、
情報データを誤り訂正符号化して付加されるパリティビットを決定されたキャリアごとの符号化率で間引くパンクチャリングを行うパンクチャリング手段と、
情報データとパンクチャリング後のパリティビットとを各キャリアに割り当てて送信する送信手段と、
を有することを特徴とする送信装置。
【請求項10】
複数のキャリアに情報データとパリティビットとが割り当てられた信号を受信する受信手段と、
キャリアの伝搬環境に応じて決定されるキャリアごとの符号化率でパリティビットを補填するデパンクチャリングを行うデパンクチャリング手段と、
を有することを特徴とする受信装置。
【請求項11】
データを伝送または記録する複数の媒体の各々に情報データと当該情報データに付加されるパリティビットとを割り当てる符号化方法であって、
各媒体の復調品質に応じて媒体ごとの符号化率を決定する工程と、
前記情報データに付加されるパリティビットを決定された媒体ごとの符号化率で間引くパンクチャリングを行う工程と、
情報データとパンクチャリング後のパリティビットとを前記複数の媒体の各々に割り当てる工程と、
を有することを特徴とする符号化方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−229693(P2006−229693A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−42252(P2005−42252)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】