説明

筋肉減少の治療に使用される薬剤の組合せ

本発明は、β2アゴニスト及びプロゲスチンを含む産物であって、筋肉減少の治療又は予防において別々に、同時に、又は順次的に使用されるための、組合せ調製物としての産物である。本発明はまた、筋肉減少の治療又は予防に使用されるための、R,R-フォルモテロール、インダカテロール、又はリトドリンから選択されるβ2アゴニストである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は筋肉量の減少が起こる疾患及び異常の治療に使用される薬剤に関わる。
【背景技術】
【0002】
癌の患者には通常、食欲不振症(anorexia)/悪液質(cachexia)と呼ばれる消耗症候群が発生する。その罹患率は病気の進行に伴って増加し、進行癌の患者では80%を超える率で起こる。この異常は完全には理解されておらず、多くの因子の因果関係が存在すると考えられている。厳密な診断基準は無いものの、一般には体重減少、食欲不振、疲労/脱力、慢性的な吐き気、全身状態(performance status)の低下、及び身体像の変化による心理的ストレスを含むとみなされる。栄養治療にもそれは不応である。この症候群は死亡率の増加を引き起こし、癌に伴う死の10%-20%の原因となっていると推定されている。癌性悪液質は単なるカロリー摂取量欠乏以上のものを含んでいる。
【0003】
癌患者に起こる体重減少は飢餓において起こるものとは異なり、後者においては脂肪からの優先的な体重減少が重量減少の75%を占め、残りが筋肉からの減少である。これは癌患者においては脂肪と筋肉から同等に重量が失われるのとは対照的である。癌性悪液質/食欲不振症において組み合わさって生じる腫瘍の副産物と宿主のサイトカイン放出との併発が代謝異常を引き起こすと考えられている。癌においてはTNF、IL1、IL6及びインターフェロンγが特に(これらに限定される訳ではないが)関与すると考えられている。これに加え腫瘍は悪液質を起こす物質を産生し得る。悪液質では筋肉の量が著しく失われるが、代謝の変化も起こる。これらの変化には乳酸の過剰産生、及び高度の嫌気性解糖代謝を担う2型(type 2)筋繊維の優先的な萎縮が含まれる。
【0004】
現在の癌性悪液質の治療は、プロゲステロン作用薬、酢酸メゲストロール及び酢酸メドロキシプロゲステロンの使用、並びにデキサメタゾン、メチルプレドニゾロン及びプレドニゾロンを含む副腎皮質ステロイドの使用を含む。可能な治療としては、例えばセレコキシブ、ニメスリド、ケトロラク、インドメタシン、イブプロフェン、エトドラク及びジクロフェナク等のCOX-2阻害剤の使用、例えばドロナビノール等のカンナビノイドの使用、ミルタザピン及びオランザピン等の抗うつ薬の使用、サリドマイド等のサイトカイン修飾因子の使用、ペントキシフィリンの使用、硫酸ヒドラジン等の代謝阻害剤の使用、オキサンドロロン、デカン酸ナンドロロン及びフルオキシメステロン等のタンパク質同化薬の使用、アンジオテンシン変換阻害剤の使用、アンジオテンシンII拮抗薬の使用、並びにレニン阻害剤の使用が含まれる。
【0005】
酢酸メゲストロールはプロゲステロン作用薬(プロゲスチン)のクラスの中で最もよく研究されてきた。これは処置された癌患者の15%において5%を超える体重増加をもたらすことが示され、そこにおいては脂肪の増加が有意な要素であるという証拠がある。その作用機構は不明であり、タンパク同化性グルココルチコイド活性、サイトカイン放出への影響、並びにIL1、IL6及びTNFの抑制が関係していることがあり得る。それは食欲増進効果を有する。いくつかの臨床試験は酢酸メゲストロール又は酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)が食欲、カロリー摂取及び栄養状態の改善をもたらすことを見出した。メゲストロールは160mg(40mgの経口服用を1日4回)から1600mgの用量において食欲、カロリー摂取、体重増加(主に脂肪)及び健常感覚(sensationof well-being)についての有益な効果を示し、最適な用量は一日あたり800mgである。患者への投与は最少の用量(一日あたり160mg)から始め、臨床的応答に応じて上方に用量設定することが推奨される。
【0006】
有害作用は薬剤投与量と関連する。これらの作用は、酢酸メドロキシプロゲステロンにも共通で、血栓塞栓症、末梢性浮腫(peripheral oedema)の増加、血圧上昇、高血糖、脱毛症、クッシング症候群、副腎抑制、及び副腎不全を含む(急に中断された場合)。プロゲスチンは予期された生存期間が4週間を超える患者に推奨される。
【0007】
副腎皮質ステロイドは顕著な対症効果を有し、食欲、食物摂取量、健常感覚及び全身状態を向上させる。しかしながらこの効果は数週間に限られる。長期治療における著しい副作用、及び悪液質への作用期間の短さから、これらは予期される生存期間が短い患者に用いられるのがより適切であり、そこでは体重増加は期待される結果ではない。
【0008】
筋肉量及び強度の激しい減少(しばしば脂肪量の減少を伴う)は、癌性悪液質に加え、ジストロフィー、敗血症、AIDS、火傷(burn injury)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及びうっ血性心不全(CHF)を含む多くの他の状態及び疾患に連関する。
【0009】
高度に悪液性である腫瘍を持つラット及びマウスの両方において、β2アゴニストであるラセミのフォルモテロールの投与が筋消耗のプロセスを逆転する結果となったことが最近示された(Busquets et al 2004, Cancer Res 64:6725-6731) 。薬剤の抗消耗効果はタンパク質合成率の促進及び筋タンパク質分解率の抑制の両方に基づいていた。ノーザンブロット法解析により、フォルモテロール処置は腓腹筋においてユビキチン及びプロテアソームサブユニットのmRNA含有量の低下をもたらすことが明らかになった。この結果と、観察されたプロテアソーム活性の低下とを合わせると、この薬剤の抗タンパク質分解作用は主としてATP及びユビキチン依存のタンパク質分解システムの抑制に基づき得ることが示唆される。興味深いことに、フォルモテロールは腫瘍を持った動物に見られていた筋肉のアポトーシス率の増加(DNAラダー解析及びカスペース3活性により測定)をも抑えることができた。この研究から著者らは、フォルモテロールは癌性悪液質を特徴づけるタンパク質分解の亢進をアンタゴナイズすることにより、心筋及び骨格筋において選択的且つ強力な保護的作用を発揮した、と結論付けた。著者らはまた、「多数の副作用を有しヒトにおいてかなりの毒性を有する他のβ2アゴニストでの状況とは逆に、フォルモテロールは癌性悪液質又は他の消耗性疾患のように筋肉タンパク質の異化亢進が決定的な特色である病理学的状態において治療手段となる可能性を持つということが明らかになり得る」とも結論付けた。
【0010】
リトドリンは現在、妊婦において子宮弛緩をもたらす為に使用されている。米国特許第5,449,694号広報に報告されているように、(-)-リトドリンがより強力なエナンチオマーである。
【0011】
インダカテロール(QAB-149又は5-[(R)-2-(5,6-ジエチルインダン-2-イルアミノ)-1-ヒドロキシエチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オンとしても知られる)はアドレナリン作動性β2アゴニストである。これは喘息及びCOPDの一日一回治療法(once daily treatment)となる可能性があるとして開発されている長時間作用型の気管支拡張薬である。これらの呼吸器異常に対する投与はマルチ投与量(multidose)乾粉末吸入器を使用して行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第5,449,694号広報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Busquetset al 2004, Cancer Res 64:6725-6731
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、第1の側面によれば、筋肉減少の治療又は予防において、組合せ調製物(combined preparation)として、別々に、同時に、又は順次的に使用するための、β2アゴニスト及びプロゲスチンを含む産物である。
【0015】
本発明は、第2の側面によれば、筋肉減少の治療又は予防に使用するための、R,R-フォルモテロール、インダカテロール又はリトドリンから選択されるβ2アゴニストを含む産物である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本明細書中で用いられる場合、β2アゴニストという用語はβ2-アドレナリン受容体アゴニストを意味する。
【0017】
本発明における使用に適したβ2アゴニストの例は、アルブテロール 、サルメテロール、ビトルテロール、ピルブテロール、フォルモテロール、インダカテロール又はリトドリンである。好ましい一形態では、β2アゴニストはフォルモテロール、リトドリン又はインダカテロールである。β2アゴニストがキラル分子である場合は、ラセミ体として、非ラセミ混合物として、又は実質的に単一のエナンチオマーとして、用いられ得る。一実施形態では、β2アゴニストはラセミのフォルモテロールである。別の実施形態では、β2アゴニストはR,R-フォルモテロールである。さらに別の実施形態では、β2アゴニストは実質的に単一なエナンチオマーの(-)-リトドリンである。さらなる実施形態では、β2アゴニストはラセミのリトドリンである。
【0018】
本発明によれば、各々の有効薬剤は任意の適切な形態において、例えば塩、水和物又はプロドラッグとして、用いられ得る。例えば、もしR,R-フォルモテロールが用いられるならば、それは通常の塩の形であり得る。
【0019】
インダカテロールは、本発明で用いられる場合、5-[(R)-2-(5,6-ジエチルインダン-2-イルアミノ)-1-ヒドロキシエチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オンである。フォルモテロール及びリトドリンはラセミであるか、又は実質的に単一なエナンチオマーであり得る。一実施形態ではフォルモテロールはR,R-エナンチオマーのフマル酸塩、すなわち (±)-N-[2-ヒドロキシ-5-[1(R*)-ヒドロキシ-2-[1(R*)-メチル-2-(4-メトキシフェニル)エチルアミノ]エチル]フェニル]ホルムアミド フマル酸塩(2:1)一水和物である。別の実施形態ではリトドリンはS,R-エナンチオマーの塩酸塩、すなわち4-[1(S)-ヒドロキシ-2(R)-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチルアミノ]プロピル]フェノール塩酸塩である。
【0020】
本発明の第2の側面によれば、R,R-フォルモテロール、インダカテロール又はリトドリンから選択されるβ2アゴニストを含む産物は筋肉減少の治療又は予防において有用である。一実施形態ではその産物はマクロライドを含まない。好ましい一実施形態では、その産物がリトドリンを含む場合においてのみ、その産物はマクロライドを共に含まない。
【0021】
収載されたβ2アゴニストの各々は、独立的に又は互いに組み合わされて使用され得る。
【0022】
本発明において使用され得るプロゲスチンの例はメゲストロール及び酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)である。好ましくは、プロゲスチンはメゲストロールである。さらに好ましくは、メゲストロールは酢酸塩である。
【0023】
1つの側面によると、本発明は筋肉減少の治療又は予防に使用するための、β2アゴニストとプロゲスチンを含む産物である。好ましい一実施形態では、その産物はマクロライドを含まない。一実施形態では、β2アゴニストがフォルモテロールであってプロゲスチンが酢酸メゲストロールである場合のみ、本発明の産物はマクロライドを含まない。別の実施形態では、β2アゴニストがフォルモテロール又はリトドリンであってプロゲスチンが酢酸メゲストロールである場合のみ、本発明の産物はマクロライドを含まない。
【0024】
さらなる好ましい実施形態では、β2アゴニストがラセミのフォルモテロールであってプロゲスチンが酢酸メゲストロールである場合のみ、本発明の産物はマクロライドを含まない(すなわち、β2アゴニストがラセミのフォルモテロール以外のものであってプロゲスチンが酢酸メゲストロール以外のものである場合には、本発明の産物にはマクロライドが含まれ得る)。別の好ましい実施形態では、β2アゴニストがラセミのフォルモテロール又はラセミのリトドリンであって、プロゲスチンが酢酸メゲストロールである場合のみ、本発明の産物はマクロライドを含まない(すなわち、β2アゴニストがラセミのフォルモテロール又はラセミのリトドリン以外のものであって、プロゲスチンが酢酸メゲストロール以外のものである場合には、本発明の産物にはマクロライドが含まれ得る)。
【0025】
本発明の目的のためには、当該産物は経口的に投与されるのが好ましい(これは頬側投与及び舌下投与を含む)。経口的ルートを取る場合には、カプセル、錠剤(速溶性錠剤(fast dissolving tablet)を含む)、溶液、懸濁液、ガム、メルタブ(meltab)、又は当業者に認知される任意の他の経口剤形が使用され得る。そのような種の剤形は当業者には数多く知られており、本発明の実施に使用され得る。例えば、即放出型(immediate release)及び制御放出型(control release)錠剤が本発明の産物の投与に使用され得る。
【0026】
本発明の産物は代わりに非経口的なルートでも投与され得る。即放出型及び制御放出型の注射テクノロジーが当業者に利用可能となっており、本発明を実施する際に非経口のデリバリー手法を用いる場合に使用され得る。
【0027】
適切な薬用量レベルは、当業者に既知の任意の適切な方法により決定し得る。しかしながら、任意の特定の患者に特異的な用量は、利用される特定の化合物の活性、年齢、体重、全般的な健康状態、性別、食事制限、投与の時間、投与のルート、排泄の速度、薬物併用、治療される症状の重度を含む種々の因子に依存する、ということが理解されるべきである。
【0028】
1種類より多くの有効薬剤を含む本発明の産物においては、それぞれの有効薬剤は単一の剤形に処方され得る。或いはそれらは別々に処方されパッケージとしてまとめられるか、又は独立的に投与され得る。ある特定の場合においては、患者は別の徴候の治療のために1つの薬剤を受けていることがあり得る。その場合、本発明は別の方の薬剤の投与を含む。
【0029】
本発明の産物を他種類の薬剤と併用する、又は同時投与することが有益であり得る。本発明の産物と同時投与され得る薬剤は、副腎皮質ステロイド、消化管運動改善薬、カンナビノイド、エイコサペンタエン酸及び非ステロイド系抗炎症薬を含むがそれらに限定されない。それぞれの薬剤は同時に、別々に、又は順次、投与され得る。
【0030】
本発明の産物は筋肉減少の治療及び予防に有用である。好ましくは、筋肉減少は脂肪質量の減少に連関して起こる。
【0031】
好ましい一実施形態では、筋肉減少は癌性悪液質/食欲不振症に連関するものである。その他の実施形態では、筋肉減少はCOPD、ジストロフィー、敗血症、AIDS、火傷、CHF、糖尿病、固定化状態(immobilisation state)、老化、肝硬変、腎不全、関節リウマチ、栄養疾患、疲労状態(fatigue condition)及びアルツハイマー病から選択される一つ又は複数の状態に連関するものである。
【実施例】
【0032】
下記の研究は当該発明の有用性に対する証拠を提供し得る。
【0033】
研究
当研究は、悪液質の確立に係わる機構の研究に特に適したモデル系であるヨシダAH-130ラット腹水肝細胞癌の使用に関する。その増殖は宿主における(特に骨格筋における)急速で進行性の体重減少及び組織消耗を引き起こす。当該研究はβ2アゴニストであるラセミのフォルモテロール、R,R-フォルモテロール、ラセミのリトドリン、単一エナンチオマーの(-)-リトドリン及びインダカテロールの、腫瘍によって引き起こされた組織消耗に対する効果を検討する。これらのβ2アゴニスト各々とプロゲスチン、酢酸メゲストロールとの同時投与も調査される。
【0034】
体重約100gのウィスターラットが使用される(Busquets et al 2004, Cancer Res 64:6725-6731)。動物は通常の明暗サイクル(午前8時から午後8時まで明るくする)で飼育され、食事及び水への自由なアクセスを与えられる。食事は炭水化物54%、タンパク質17%、脂肪5%から構成され、食物摂取量は毎日測定される。ラットは指数関数的に増殖する腫瘍から得られるAH-130ヨシダ腹水肝癌細胞(108)の腹腔内摂取を受ける。
【0035】
動物は2つの群に分けられた:すなわち、被験薬を受ける群と、媒体を受ける群である。薬剤投与は皮下注射による。腫瘍の移植の7日後、動物の体重を測定しケタミン/キシラジン(xylacine)混合物により麻酔を施す。腫瘍を腹膜腔から収集し、その体積及び細胞性(cellularity)を評価する。その後100gにおける10分間の遠心分離により細胞を腹水から分離する。迅速に組織を切除し、重量を測り、液体窒素で凍結する。
【0036】
以下の事が測定される:初期体重、最終体重、体重増加、死体(carcass)の重量、食物総摂取量、水総摂取量、筋肉重量(脛骨、EDL、腓腹筋及びヒラメ筋(soleus)を含む)、脂肪重量(白色脂肪組織(背部(dorsal)及び前性器(pregenital))及び褐色脂肪組織を含む)、臓器重量(肝臓、心臓、腎臓及び脾臓を含む)、腫瘍体積及び細胞性。
【0037】
当該研究は、ラセミのフォルモテロール、R,R-フォルモテロール、ラセミのリトドリン、単一エナンチオマーの(-)-リトドリン及びインダカテロールが、腫瘍が引き起こす骨格筋質量の減少を抑制することを示すようにデザインされている。これは心臓重量の増加が最小限であるか或いは全く無い状態で、また、摂食量の減少を伴わない状態で、起こるべきである。当該研究はまた、収載されたβ2アゴニストの各々と酢酸メゲストロールの同時投与が、腫瘍が引き起こす筋肉及び/又は脂肪の減少をより優れた選択性をもって抑制し、かつ摂食量を増加させるという、付加的な利点を有する、ということを示すようにデザインされている。
【0038】
最初の実験では、腫瘍を持つラットは3つの群に分けられた。第1の群は無処置であった。第2の群は10μg/kg/日のラセミのフォルモテロールフマル酸塩を受けた。第3の群は10μg/kg/日のラセミのフォルモテロールと100mg/kg/日の酢酸メゲストロールの組合せを受けた。ラットは3日間に渡って観察された。
【0039】
3日目における第1群(無処置)の食物総摂取量は100gラットあたり43±1g(n=10)であった。3日目における第2群(ラセミのフォルモテロールのみ)の食物総摂取量は100gラットあたり45±2g(n=9)であった。3日目における第3群(ラセミのフォルモテロール及び酢酸メゲストロール)の総摂取量は100gラットあたり48±2g(n=10)であった。組合せで処置された動物(第3群)の食物摂取量の増加は11.6%であり、これは統計学的に有意であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
β2アゴニスト及びプロゲスチンを含む産物であって、筋肉減少の治療又は予防において別々に、同時に、又は順次的に使用されるための、組合せ調製物としての、産物。
【請求項2】
プロゲスチンがメゲストロールである、請求項1に記載の産物。
【請求項3】
メゲストロールが酢酸塩である、請求項2に記載の産物。
【請求項4】
プロゲスチンが酢酸メドロキシプロゲステロンである、請求項1に記載の産物。
【請求項5】
β2アゴニストがフォルモテロールである、請求項1〜4のいずれかに記載の産物。
【請求項6】
フォルモテロールがR,R-フォルモテロールである、請求5に記載の産物。
【請求項7】
β2アゴニストがリトドリンである、請求項1〜4のいずれかに記載の産物。
【請求項8】
リトドリンが実質的に単一エナンチオマーの(-)-リトドリンである、請求項7に記載の産物。
【請求項9】
β2アゴニストがインダカテロールである、請求項1〜4のいずれかに記載の産物。
【請求項10】
R,R-フォルモテロール、インダカテロール又はリトドリンから選択されるβ2アゴニストを含む、筋肉減少の治療又は予防に使用するための産物。
【請求項11】
リトドリンが実質的に単一エナンチオマーの(-)-リトドリンである、請求項10に記載の産物。
【請求項12】
筋肉減少が癌性悪液質に連関したものである、請求項1〜11のいずれかに記載の産物。
【請求項13】
筋肉減少がCOPDに連関したものである、請求項1〜11のいずれかに記載の産物。
【請求項14】
筋肉減少がジストロフィーに連関したものである、請求項1〜11のいずれかに記載の産物。
【請求項15】
筋肉減少がCHFに連関したものである、請求項1〜11のいずれかに記載の産物。
【請求項16】
筋肉減少がAIDSに連関したものである、請求項1〜11のいずれかに記載の産物。
【請求項17】
筋肉減少が火傷に連関したものである、請求項1〜11のいずれかに記載の産物。
【請求項18】
マクロライドを含まない、請求項1〜17のいずれかに記載の産物。
【請求項19】
経口投与のための、請求項1〜18のいずれかに記載の産物。
【請求項20】
副腎皮質ステロイドを付加的に含む、請求項1〜19のいずれかに記載の産物。
【請求項21】
カンナビノイドを付加的に含む、請求項1〜20のいずれかに記載の産物。
【請求項22】
筋肉減少の治療又は予防に使用するための、β2アゴニストを含む医薬であって、当該処置の対象がプロゲスチンによる処置も受ける場合における、医薬。
【請求項23】
筋肉減少の治療又は予防に使用するための、プロゲスチンを含む医薬であって、当該処置の対象がβ2アゴニストによる処置も受ける場合における、医薬。
【請求項24】
プロゲスチンがメゲストロールである、請求項22又は23に記載の医薬。
【請求項25】
メゲストロールが酢酸塩である、請求項24に記載の医薬。
【請求項26】
プロゲスチンが酢酸メドロキシプロゲステロンである、請求項22又は23に記載の医薬。
【請求項27】
R,R-フォルモテロール、インダカテロール又はリトドリンから選択されるβ2アゴニストを含む医薬であって、筋肉減少の治療又は予防に使用するための医薬。
【請求項28】
リトドリンが実質的に単一エナンチオマーの(-)-リトドリンである、請求項27に記載の医薬。
【請求項29】
筋肉減少が癌性悪液質、COPD、ジストロフィー、火傷、CHF又はAIDSに連関したものである、請求項22〜28のいずれかに記載の医薬。
【請求項30】
経口的に投与される、請求項22〜29のいずれかに記載の医薬。
【請求項31】
請求項22〜30のいずれかに記載の医薬であって、当該処置の対象が副腎皮質ステロイドによる処置も受ける場合における、医薬。
【請求項32】
請求項22〜31のいずれかに記載の医薬であって、当該処置の対象がカンナビノイドによる処置も受ける場合における、医薬。

【公表番号】特表2010−525044(P2010−525044A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504834(P2010−504834)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際出願番号】PCT/GB2008/001452
【国際公開番号】WO2008/129308
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(509294346)アカシア ファーマ リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】ACACIA PHARMA LIMITED
【Fターム(参考)】