説明

管理システム、画像処理装置、管理装置及びそれらの制御方法、プログラム

【課題】 ネットワークを介して相互に接続される複数の機器からなるシステムの運用コスト及びシステムの処理効率を向上することができる管理システム、画像処理装置、管理装置及びそれらの制御方法、プログラムを提供する。
【解決手段】 情報処理装置は、画像処理装置が提供する機能を使用するジョブと、当該ジョブを処理する際に用いられる、画像処理装置の機能の使用制限情報と、を画像処理装置に対して出力する。画像処理装置は、ジョブと使用制限情報とを受信する。そのジョブを使用制限情報の範囲内で印刷する。受信したジョブ毎の当該画像処理装置の機能の使用履歴を取得する。管理装置により発行される使用制限情報により制限される画像処理装置の機能を特定する。ジョブ毎に取得した使用履歴から、特定された画像処理装置の機能毎の累積使用量を示す情報を生成する。生成した累積使用量を示す情報を、累積使用量を管理する管理装置へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置と、その画像処理装置の機能を使用する情報処理装置と管理装置とを含み、前記画像処理装置の使用制限を管理するための管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、デバイスの使用を制御する方法として、次に挙げられるものがある。
【0003】
1)ユーザ毎に、デバイスの機能の使用制限、各機能の使用の上限量などを規定する。
2)デバイスを使用する際、単位期間毎の使用量、上限量、機能の使用可否を記録したACT(Access Control Token)を生成する。
【0004】
3)デバイスの動作を指示するジョブデータを作成する。
【0005】
4)ACTを暗号化し、それにジョブデータを付加してデバイスに送信する。
【0006】
5)デバイスはACTを複合化し、ACTが有効であるか調べ、有効であれば、ACTの範囲内でジョブを実行する。
【0007】
また、使用量を把握する方法としては、次に挙げられるものがある。
【0008】
1)デバイスでは、ジョブが完了するごとにユーザ名、当該ジョブの使用量を記録する。これをジョブ履歴と呼ぶ。
【0009】
2)サーバコンピュータが各デバイスからジョブ履歴を取得し、保存する。
【0010】
3)取得したジョブ履歴からユーザごとの使用量を算出する。
【0011】
このようなデバイスの使用の制御の一例としては、例えば、特許文献1がある。この特許文献1では、プリンタに蓄積された印刷ログ情報を用いて任意の期間におけるユーザ毎の印刷枚数を集計し、集計した印刷枚数が予め設定された印刷上限枚数を超えた場合に、ユーザからの印刷要求を拒否する。
【0012】
また、ジョブ毎に、ジョブの情報を蓄積する技術があった。また、ジョブの履歴を、部門ごとに、カウンタ管理する技術も存在した。
【特許文献1】特開公2003−67174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上述した従来技術では、一つのサーバが通信するデバイスの数が多くなったり、デバイスで実行されるジョブの数が多くなったりすると、ネットワークトラフィックが増加する問題があった。また、デバイスに格納できるジョブ履歴には上限があるため、サーバコンピュータは、ジョブ履歴が一杯にならないうちにデバイスからジョブ履歴を取得する必要がある。また、ジョブ履歴の取得には、ジョブ履歴の数に比例した時間がかかるため、一台のサーバコンピュータで管理可能なデバイスの数には上限があった。
【0014】
また、ジョブの履歴情報からジョブの受信後、即座に累積情報としてカウンタ化するのでは、管理者の解析に必要とされるジョブの履歴情報まで欠落してしまう場合がある。さらに、大規模な印刷システムでは、ジョブ履歴を保持しながら、印刷制限に関連しないユーザを含む全ての登録ユーザに対する累積値をカウンタとして管理するハードウェア資源の負担が大きい。送信されてくる全てのジョブ情報を保持して管理するのは同様に資源の負担が大きい。
【0015】
本発明は上記の課題の少なくとも1つを解決するためになされたものである。その目的は、ネットワークを介して相互に接続される複数の機器からなるシステムの運用コスト及びシステムの処理効率を向上することができる管理システム、画像処理装置、管理装置及びそれらの制御方法、プログラムを提供することを1つの目的とする。
【0016】
さらに、本発明は、印刷制限に関するシステムのハードウェア資源の負担を軽減しつつ、管理者、又は、印刷制限に関するシステムが必要とする情報を的確に提供できる仕組みを提供することをさらに別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的を達成するための本発明による管理システムは以下の構成を備える。即ち、
画像処理装置と、その画像処理装置の機能を使用する情報処理装置と管理装置とを含み、前記画像処理装置の使用制限を管理するための管理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記画像処理装置が提供する機能を使用するジョブと、当該ジョブを処理する際に用いられる、前記画像処理装置の機能の使用制限情報と、を前記画像処理装置に対して出力する出力手段を備え、
前記画像処理装置は、
前記ジョブと前記使用制限情報とを受信する受信手段と、
前記ジョブを前記使用制限情報の範囲内で印刷する印刷手段と、
前記受信手段が受信したジョブ毎の当該画像処理装置の機能の使用履歴を取得する取得手段と、
前記管理装置により発行される使用制限情報により制限される画像処理装置の機能を特定する特定手段と、
前記取得手段でジョブ毎に取得した使用履歴から、前記特定手段により特定された画像処理装置の機能毎の累積使用量を示す情報を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成した累積使用量を示す情報を、累積使用量を管理する管理装置へ送信する送信手段と
を備える。
【0018】
上記の目的を達成するための本発明による画像処理装置は以下の構成を備える。即ち、
使用制限情報の範囲内で、受け取ったジョブの処理を行なう画像処理装置であって、
受け取ったジョブ毎の画像処理装置の機能の使用履歴を取得する取得手段と、
使用制限情報により使用が制限されている画像処理装置の機能を特定する特定手段と、
前記取得手段において取得したジョブ毎の使用履歴から、前記特定手段により特定された画像処理装置の機能毎の累積使用量を示す情報を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成した累積使用量を示す情報を、前記累積使用量を管理する管理装置へ送信する送信手段と
を備える。
【0019】
また、好ましくは、前記取得手段は、前記使用履歴として、当該画像処理装置の機能で使用可能な各機能別の使用履歴を取得し、
前記生成手段は、前記取得手段で取得した使用履歴から、前記画像処理装置の機能で使用可能な各機能別に、前記累積使用量を生成する。
【0020】
また、好ましくは、前記使用制限情報は、前記画像処理装置を利用するユーザ別に管理されるものであり、前記生成手段は、使用制限情報により画像形成装置の使用が制限されているユーザの累積使用量を示す情報を生成する。
【0021】
また、好ましくは、前記特定手段は、管理装置から使用制限情報により制限されるべき機能を示す情報を受信し、前記生成手段が生成するべき画像処理装置の機能毎の累積使用量を特定する。
【0022】
上記の目的を達成するための本発明による管理装置は以下の構成を備える。即ち、
画像処理装置の使用制限を示す使用制限情報を発行する管理装置であって、
印刷発行元毎に定められる使用制限するべき画像処理装置の機能を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された、使用制限するべき機能に関する累積使用量を画像処理装置に対して要求する要求手段と、
前記要求手段による要求により取得される累積使用量と、前記入力手段により入力された使用制限するべき機能とを用いて、使用制限情報を発行する発行手段と、
を備える。
【0023】
また、好ましくは、前記画像処理装置から、前記累積使用量を受信する累積使用量受信手段と、
前記使用制限情報を記憶する第1記憶手段と、
前記累積使用量受信手段で受信した累積使用量に基づいて、第2記憶手段に記憶される累積使用量を更新する更新手段と
を更に備える。
【0024】
また、好ましくは、前記第1記憶手段及び前記第2記憶手段に記憶される記憶内容に基づいて、前記使用制限情報を生成する使用制限情報生成手段と、
前記使用制限情報を前記画像処理装置の機能を使用する情報処理装置へ送信する使用制限情報送信手段と
を更に備える。
【0025】
また、好ましくは、前記使用制限情報を設定する設定手段と、
前記設定手段によって前記使用制限情報が更新された場合、当該使用制限情報を前記デバイスへ送信する使用制限情報送信手段と
を更に備える。
【0026】
また、好ましくは、前記要求手段は、前記入力手段が、認証情報を管理するデータベースに対してユーザ毎の画像処理装置の機能に係わる使用制限を入力するのに応答して、当該使用制限される機能を示す情報を画像処理装置に対して送信し、
前記累積使用量受信手段は、前記画像処理装置から当該使用制限される機能に対応する累積使用量を受信する。
【0027】
上記の目的を達成するための本発明による画像処理装置の制御方法は以下の構成を備える。即ち、
使用制限情報の範囲内で、受け取ったジョブの処理を行なう画像処理装置の制御方法であって、
受け取ったジョブ毎の画像処理装置の機能の使用履歴を取得する取得工程と、
使用制限情報により使用が制限されている画像処理装置の機能を特定する特定工程と、
前記取得工程において取得したジョブ毎の使用履歴から、前記特定工程により特定された画像処理装置の機能毎の累積使用量を示す情報を生成する生成工程と、
前記生成工程で生成した累積使用量を示す情報を、前記累積使用量を管理する管理装置へ送信する送信工程と
を備える。
【0028】
上記の目的を達成するための本発明による管理装置の制御方法は以下の構成を備える。即ち、
画像処理装置の使用制限を示す使用制限情報を発行する管理装置の制御方法であって、
印刷発行元毎に定められる使用制限するべき画像処理装置の機能を入力する入力工程と、
前記入力工程により入力された、使用制限するべき機能に関する累積使用量を画像処理装置に対して要求する要求工程と、
前記要求工程による要求により取得される累積使用量と、前記入力工程により入力された使用制限するべき機能とを用いて、使用制限情報を発行する発行工程と、
を備える。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ネットワークを介して相互に接続される複数の機器からなるシステムの運用コスト及びシステムの処理効率を向上することができる管理システム、画像処理装置、管理装置及びそれらの制御方法、プログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0031】
図1は本発明の実施形態のデバイス管理システムの構成を示すブロック図である。
【0032】
尚、本発明は複数の機器からなるシステムにおいて達成される。また、システムあるいは装置にプログラムを供給することにより、本発明が達成される場合にも適用されることはいうまでもない。
【0033】
101、105、107、109、111、113はPC(パーソナルコンピュータ)である。各PCには、OS(オペレーティングシステム)が動作しており、PC上の様々な資源を管理している。また、図1では、各PCが有する特徴的な機能のみを図示して説明しているが、各PC上の機能が複合的に実現されたり、その他の機能が実現されても良いことは言うまでもない。
【0034】
101はPC1である。ユーザは、PC101で動作するアプリケーション102を介して、様々なドキュメントデータを作成することが可能である。このドキュメントデータに対して印刷指示を行うと、プリンタドライバ103がそのデータを、例えば、デバイス116で印刷を行うためのPDL(Page Description Language)データに変換する。PDLデータは、送信部104によって、デバイス116に送信される。尚、プリンタドライバ103の処理の詳細については、後述する。
【0035】
105はPC2である。このPC105では、DBMS(Data Base Management System)が動作し、例えば、使用制限情報DB(データベース)106が格納されている。使用制限情報とは、デバイス116が提供する機能の使用可否を指示する情報である。デバイス116には、例えば、PDL印刷、コピー、FAX、送信等の複数種類の機能を有するが、その機能毎に使用可否の指示をすることができる。また、その機能単位に出力量の制限を与えたり、出力形式の制限を与えたりすることができる。使用制限情報は、ユーザ毎に管理したり、一人以上のユーザから構成されるグループ毎に管理することも可能である。
【0036】
ここで、使用制限情報の一例について、図7を用いて説明する。
【0037】
図7は本発明の実施形態の使用制限情報の一例を示す図である。
【0038】
ここでは、ユーザ名「山田太郎」の一ヶ月毎の使用制限情報を示すものである。出力量制限の表701では、例えば、デバイス116で使用可能な各機能(コピー、PDL印刷、スキャン)に対し、その機能の使用を定量的に管理している。カラーはカラー出力を示し、トータルはカラーと白黒の合計を示す。この例では、ユーザ「山田太郎」は、コピーの使用に関して、カラーコピーは禁止されているが、トータルでは一か月に300ページまで出力可能であることを示している。
【0039】
PDL印刷では、カラーは一か月に100ページまで、トータルでは300ページまで出力可能である。スキャンは、カラー100ページまで、トータルでは制限なしであることを示している。即ち、カラーで100ページスキャンした後は、白黒でしかスキャンできないが、ページ数の制限は無いことを示す。
【0040】
また、出力形式制限の表702では、デバイス116で使用可能な機能に対する使用形式の制限を管理している。レイアウトは、1ページ2面以上でなければならない、即ち、文書の一論理ページを実際の紙1ページに割り当てるような印刷はできず、常に実際の紙1ページに2以上の論理ページを割り当てるような印刷だけが出力可能である。
【0041】
印刷面は、両面のみなので、片面印刷はできない。フィニッシングについては、パンチ(穴あけ)は可能であるが、ステイプルは使用できないことを示している。
【0042】
図1の説明に戻る。
【0043】
107はPC3である。このPC107では、UI(ユーザインタフェース)制御部108が動作している。UI制御部108は、使用制限情報DB106に保存される情報を編集する機能を提供する。UI制御部108が提供する編集画面の例を、図8を用いて説明する。
【0044】
図8は本発明の実施形態の編集画面の一例を示す図である。
【0045】
図8では、使用制限情報を編集するためのユーザインタフェースである。801は使用者との対話的なインタフェースを提供するダイアログウインドウである。802はユーザリストであり、例えば、使用制限情報DB106に設定されているユーザ名とそれに対応する使用制限情報を取得して、その内容を表示する。また、このユーザリスト802に対して、任意の一行を選択して各種操作を実行することができる。また、この操作は、例えば、入力デバイス(キーボードやマウス)を介して実現することができる。
【0046】
803は、ユーザリスト802に行を追加するためのデータを指定するための編集可能なテキスト領域である。804は追加ボタンであり、この追加ボタン804を操作すると、追加データ803を、ユーザリスト802中の指定された行に追加することが可能である。
【0047】
805は削除ボタンであり、この削除ボタン805を操作すると、ユーザリスト802で指定された行を削除することが可能である。806は終了ボタンであり、この終了ボタン806を操作すると、ユーザリスト802上のデータを使用制限情報DB106に保存して更新した後、ダイアログウインドウ801を閉じる。更に、その後、変更されたデータを、PC113が管理する使用実績値管理部115に送信する。
【0048】
図8の例では、コピー、PDL、スキャンの列の数値は、単位期間に出力またはスキャン可能な面数を示し、Cの列はカラー、Tはトータルを示している。レイアウトの列は、印刷用紙の一物理面に配置する論理ページの最小の数を示す。印刷面の列は許容される形式を示し、「両」であれば両面印刷のみ、「片」であれば片面印刷のみが可能であり、「両片」であれば、いずれも可能である。パンチ、ステイプルの列の「OK」、「NG」はそれぞれ指定許可、不許可を示している。
【0049】
図1の説明に戻る。
【0050】
109はPC4である。PC109では、ACT(Access Contorol Token)発行部が動作している。ACTとは、前述した使用制限情報をジョブ単位に指定するものである。ACTには、使用制限/使用実績に関する使用管理情報が記載される。尚、ACT発行部109の処理の詳細は後述する。
【0051】
111はPC5である。PC111上では、DBMS(Data Base Management System)が動作し、ユーザ情報DB(データベース)112が格納されている。会社組織等での組織体ではグループ単位でユーザがまとめられ、そのグループが階層構造を持っていることが多い。例えば、社長、部、課、一般人(役職なし)といった構成がある。
【0052】
ここで、ユーザ情報DB112の一例について、図9を用いて説明する。
【0053】
図9は本発明の実施形態のユーザ情報DBの一例を示す図である。
【0054】
ここでは、各ユーザは、氏名、所属、役職の属性を有する。社長の下には複数の部があり、部長が部の最高責任者である。部長の下にが複数の課があり、課長は課の最高責任者である。課の下には役職なしの一般人が所属している。
【0055】
尚、本実施形態では、本システム管理者のユーザ情報DB112へのアクセス権と使用制限情報DB106へのアクセス権が異なるケースがあることを考慮して、別のDBとして管理している。但し、システム管理者に、両DBに読み書きのアクセス権があれば、同一のDB上で管理することも可能である。また、格納先としてはDBMSではなくディレクトリサーバにすることも可能である。
【0056】
113はPC6である。PC113上において、115は使用実績値管理部である。使用実績値管理部115の処理は後述する。また、PC113上では、DBMS(DataBaseManagementSystem)が動作し、実績値DB(データベース)114が格納されている。ここで、実績値DB114に格納される情報の例について、図10を用いて説明する。
【0057】
図10は本発明の実施形態の使用実績DBの一例を示す図である。
【0058】
ユーザ名をキーとし、それに対応する機能毎の出力面数(累積使用量(回数))が表形式で格納されていて、各行が一ユーザの情報を示している。1001の列はユーザ名を示している。1002は対応するユーザのコピーでカラーの現時点での出力面数を示している。1003、1004、1005は、それぞれコピーでトータル、PDL印刷でカラー、PDL印刷でトータルの出力面数を示している。1006はスキャンでカラー、1007はスキャンでトータルの処理面数を示している。
【0059】
図1の説明に戻る。
【0060】
116はデバイスである。一般に、複合機と呼ばれるものであり、ネットワーク120を介して受信したPDLデータの印刷/複写/スキャン/スキャンデータの送信等の各種機能を有する。尚、デバイス116は複合機ではなく、ネットワークプリンタ等の出力機器であったり、ネットワークスキャナ等の入力機器であっても良い。いずれにしても、ユーザ毎に、自身の機能を提供できる、あるいは制限付きで提供できるデバイスであればどのようなものでも良い。
【0061】
117は制御部であり、印刷を含む各種機能を実行するための制御を行う。制御部117は、外部から受信するジョブデータ内に含まれるACTを取得し、その内容に基づく使用制限でジョブデータの処理を実行する。118はアプリケーションプラットフォームであり、任意のアプリケーションが動作するための基盤を提供する。119はジョブ履歴収集部である。ここでは、アプリケーションプラットフォーム118上で動作する一アプリケーションとするが、デバイス116に組み込んで実現してもよい。尚、ジョブ履歴収集部119の処理の詳細は後述する。
【0062】
図1の各PC101、105、107、109、111及び113とデバイス116は、ネットワーク120を介して、相互に通信し、必要な情報を読み書きすることが可能である。通信プロトコルとしては、例えば、SOAP(Simple Object Access Protocol)がある。SOAPは、XML(eXtensible Markup Language)、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)をベースとする、他のコンピュータにあるデータやサービスを呼び出すためのプロトコルである。
【0063】
次に、PC101、105、107、109、111及び113のそれぞれのハードウェア構成について、図2を用いて説明する。
【0064】
図2は本発明の実施形態のPCのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0065】
図2において、201はCPU、即ち、中央処理装置であり、このコンピュータ装置全体の制御及び演算処理等を行う。202はROM、即ち、読出専用メモリであり、システム起動プログラム、アプリケーション、パラメータ等の各種データの記憶領域である。203はRAM、即ち、ランダムアクセスメモリであり、使用制限のないデータ記憶領域である。このRAM203は、オペレーティングシステム、アプリケーション、デバイスドライバ及び通信制御等のプログラムがロードされ、実行される領域である。
【0066】
204は入力制御部であり、入力デバイスであるキーボードやポインティングデバイス(例えば、マウス)より入力データを受信し、CPU201へ伝達する。205はディスプレイ制御部であり、ディスプレイ装置への表示制御を実行する。尚、ディスプレイ装置としては、CRT、LCD等がある。
【0067】
206は記憶部である。これは、いわゆる外部記憶装置であり、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク装置、ハードディスク装置、SRAM(不揮発性記憶部)がある。この記憶部206には、プログラム及びデータを記憶、格納しておき、実行時に必要に応じて参照またはRAM202へロードする。207は通信部であり、ネットワーク通信制御を行うものであり、図1のネットワーク120上に接続された他のコンピュータ(例えば、PC)や周辺機器(例えば、デバイス116)との通信が可能である。208はシステムバスであり、上述の構成要素間を相互に接続し、データ送受信経路を実現する。
【0068】
次に、デバイス116のハードウェア構成について、図3を用いて説明する。
【0069】
図3は本発明の実施形態のデバイスのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0070】
図3において、305はデバイス116全体を制御するコントローラ部である。コントローラ部305の内部構成として、301はCPU、即ち、中央処理装置であり、このコントローラ部305の制御及び演算処理等を行う。302はROM、即ち、読出専用メモリであり、システム起動プログラム、アプリケーション、パラメータ等の各種データの記憶領域である。303はRAM、即ち、ランダムアクセスメモリであり、使用制限のないデータ記憶領域である。304は記憶部である。これは、いわゆる外部記憶装置であり、例えば、ハードディスク装置、SRAM等がある。
【0071】
RAM303は、オペレーティングシステムや、通信制御及びエンジン制御等のプログラムがロードされ、実行される領域である。306は入出力エンジン部であり、コントローラ部305の制御の下で、印刷動作や画像読取動作を実行する。具体例としては、入出力エンジン部306は、レーザビーム方式等の印刷方式による印刷を実行するプリンタエンジンと、ADF等の給紙機構を有するスキャナエンジンで構成される。
【0072】
307は通信部であり、ネットワーク通信制御を行うものであり、図1のネットワーク20上の、クライアントコンピュータやサーバコンピュータとして機能する各PCとの通信が可能である。308はユーザ操作入出力部であり、ユーザとの対話的な設定作業を行う。このユーザ操作入出力部308は、例えば、タッチパネル、各種キーやボタン等の入力デバイスとディスプレイデバイスから構成される。309はシステムバスであり、上述の構成要素間を相互に接続し、データ送受信経路を実現する。
【0073】
次に、本実施形態を実行する場合の各種PC上のメモリマップの基本構成例について、図4を用いて説明する。
【0074】
図4は本発明の実施形態のPC上のメモリマップの基本構成例を示す図である。
【0075】
41は基本I/Oプログラムを示している。42は、RAM203にロードされて、実行可能状態のウインドウシステム等のオペレーティングシステムを示している。43はRAM3にロードされて、実行可能状態のアプリケーションを示している。44はRAM3にロードされて、実行可能状態のアプリケーションの関連データを示している。45はアプリケーションが使用するワークエリアを示している。
【0076】
尚、図4に示す構成は、図1に示す各PCが自身で実行する処理を実現するための基本構成を示しているだけである。そのため、各PCで特有の処理や、データベース制御等の各種処理を実現するためのプログラムは、RAM203上に適宜ロードされることがあることは言うまでもない。
【0077】
また、本実施形態を実現するためのアプリケーション及び関連データは、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)中に記録されている。この構成例について、図5を用いて説明する。
【0078】
図5は本発明の実施形態のアプリケーション及び関連データの構成例を示す図である。
【0079】
例えば、図5では、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)の記録領域50上に、ボリューム情報51、ディレクトリ情報52、アプリケーション実行ファイル53、アプリケーション起動プログラム関連データファイル54が記録されている。
【0080】
そして、図6に示すように、このフロッピー(登録商標)ディスク(FD)50に記録されたアプリケーション及び関連データは、PC62のFDドライブ(DKC)61を介して、PC内にロードすることができる。フロッピー(登録商標)ディスク(FD)50をFDドライブ(DKC)61にセットすると、オペレーティングシステム42及び基本I/Oプログラム41の制御のもとに、アプリケーション及び関連データがフロッピー(登録商標)ディスク(FD)50から読み出される。そして、それがRAM203にロードされて使用可能となる。
【0081】
尚、フロッピー(登録商標)ディスクの代わりに、CD−ROMやDVD−ROM等の他の記憶媒体を用いることも可能である。
【0082】
また、図1のPCあるいはデバイス116が実現する各種構成要素の実行プログラム及びデータは、記憶部206に永続的に記憶され、必要に応じて、RAM203にロードされ、CPU201で実行される。
【0083】
ここで、各種構成要素は、PCでは、アプリケーション102、プリンタドライバ103、送信部104、使用制限情報DB106、UI制御部108は、ACT発行部110、ユーザ情報DB112、実績値DB114、使用実績値管理部115等である。また、デバイス116では、制御部117、アプリケーションプラットホーム118、ジョブ履歴収集部119等である。
【0084】
尚、これらの各種構成要素は、プログラムではなく、専用のハードウェアによって実現されても良いし、更には、ソフトウェアとハードウェアを任意に組み合わせて実現されても良い。
【0085】
次に、プリンタドライバ103が実行する処理について、図11を用いて説明する。
【0086】
図11は本発明の実施形態のプリンタドライバが実行する処理を示すフローチャートである。
【0087】
ステップS1101で、当該ジョブを印刷しようとしているユーザのユーザ名を取得する。このユーザ名は、アプリケーション102が発行する通常印刷指示(印刷コマンド)のAPI(Application ProgramingInterface)中に格納されている。
【0088】
ステップS1102で、ACT発行部110(PC109)に対して、ユーザ名をキーにACT発行要求を発行し、それに対するACTをACT発行部110(PC109)から取得する。
【0089】
ステップS1103で、取得したACTを送信部104に送信する。
【0090】
ステップS1104で、アプリケーション102からの印刷コマンドについて、未処理の印刷コマンドの有無を判定する。未処理の印刷コマンドがない場合(ステップS1104でNO)、処理を終了する。一方、未処理の印刷コマンドがある場合(ステップS1104でYES)、ステップS1105に進む。
【0091】
ステップS1105で、アプリケーション102からの印刷コマンドをPDLデータに変換する。通常、ウインドウシステム上で動作するアプリケーション102からの印刷は、デバイスに依存しない形でアプリケーション102が印刷コマンドを出力し、プリンタドライバ103が送信先のデバイスが解釈可能なPDLデータに変換する。
【0092】
ステップS1106で、このPDLデータを送信部104に送信する。そして、送信部104は、受信したPDLデータに対して、ステップS1103で既に受信しているACTを付加して、そのPDLデータを、印刷コマンドで指定されている印刷先(例えば、デバイス116)へ出力する。
【0093】
本処理で、送信部104からデバイス116に送信するデータは、例えば、図12に示すように、その先頭にACTが付加されており、その後にPDLデータが続く構成となっている。
【0094】
次に、ACT発行部110が実行する処理について、図13を用いて説明する。
【0095】
図13は本発明の実施形態のACT発行部が実行する処理を示すフローチャートである。
【0096】
ステップS1301で、例えば、PC101からACT発行要求を受信すると、そのACT発行要求に含まれるユーザ名を取得する。
【0097】
ステップS1302で、取得したユーザ名をキーにした使用制限情報要求を発行し、使用制限情報DB106(PC105)から当該ユーザの使用制限情報を取得する。
【0098】
ステップS1303で、取得したユーザ名をキーにした使用実績値要求を発行し、実績値DB114(PC113)から当該ユーザの使用実績値を取得する。
【0099】
ステップS1304で、取得した使用制限情報及び使用実績値を含むACTを生成する。そして、そのACTをACT発行要求元(例えば、PC101)に送信する。
【0100】
ここで、ACTの一例について、図14を用いて説明する。
【0101】
図14は本発明の実施形態のACTの一例を示す図である。
【0102】
ここでは、例えば、XML言語を用いて、図10のユーザ名「Sato」の使用制限情報及び使用実績を含むACTを表現している。それぞれのタグの意味を次に示す。
【0103】
タグ名 内容
ACT ACT
Quota 上限制限
Copy コピー
PDL PDL印刷
Color カラー出力面数
Total カラー白黒を含めた面数
Layout 一物理面に割り当てる論理面の最小
Punch パンチ機能の可否
Staple ステイプル機能の可否
Usage 使用実績
尚、Quota部分(<Quoata>〜</Quoata>)は、使用制限情報DB106から取得した情報である。また、Usage部分(<Usage>〜</Usage>)は、実績値DB114から取得した情報である。
【0104】
次に、使用実績値管理部115が実行する処理について、図15を用いて説明する。
【0105】
図15は本発明の実施形態の使用実績値管理部が実行する処理を示すフローチャートである。
【0106】
ステップS1501で、他のコンポーネント(例えば、PC109)からのリクエストを受け付けるためのポートをオープンする。トランスポートの例としては、TCP/IPがある。
【0107】
ステップS1502で、リクエストデータの受信の有無を判定する。リクエストデータが終了要求である場合、処理を終了する。ジョブ履歴収集部119(例えば、デバイス119)からの実績値更新要求(実績値更新データ)である場合、ステップS1503に進む。ACT発行部110(例えば、PC109)からの実績値要求(実績値要求データ)である場合、ステップS1504に進む。UI制御部108(例えば、PC107)からの使用制限情報変更通知である場合、ステップS1505に進む。この使用情報変更通知は、認証情報を管理する使用制限情報DB106に対してユーザ毎のデバイスの機能に係わる使用制限を入力するのに応答して、デバイスに対して送信しても良い。
【0108】
まず、ジョブ履歴収集部119からの実績値更新要求を受信した場合の処理について説明する。この処理は、ステップS1503〜ステップS1510の処理を実行する。
【0109】
まず、ステップS1503で、例えば、デバイス116から、実績値更新データを取得する。
【0110】
ここで、実績値更新データの一例について、図16を用いて説明する。
【0111】
図16は本発明の実施形態の実績値更新データの一例を示す図である。
【0112】
実績値更新データは、例えば、XML言語で記述されている。それぞれのタグの意味において、図14で既に説明したものは省略する。図16において、タグ<UpdateUsage>は実績値更新要求であることを示す情報、タグ<Hostname>は、要求元のデバイスのホスト名を示す情報である。
【0113】
図15の説明に戻る。
【0114】
ステップS1506で、取得した実績値更新データからユーザ名を取得する。ステップS1507で、取得した実績値更新データから要求元デバイスのホスト名を取得する。
【0115】
ここで、使用実績値管理部115が内部的に保持する実績管理情報の一例を、図17を用いて説明する。
【0116】
図17は本発明の実施形態の使用実績値管理部が保持する実績管理情報の一例を示す図である。
【0117】
実績管理情報1700は、表形式で管理されていて、ユーザ名とホスト名をキーとする表で構成されている。各行は、当該ユーザの当該ホスト名のデバイスの使用実績値を示している。1701はユーザ名「Takahashi」、ホスト名「Device001」の使用実績値を示している。
【0118】
ステップS1508で、実績管理情報1700(図17)を参照して、ステップS1506で取得したユーザ名及びステップS1507で取得したホスト名を含むエントリがあるか否かを検索する。
【0119】
エントリがある場合(ステップS1508でYES)、ステップS1510に進み、該当するエントリにおける各項目の値を、取得した実績値更新データの内容で更新する。
【0120】
一方、エントリがない場合(ステップS1508でNO)、ステップS1509に進み、ステップS1506で取得したユーザ名及びステップS1507で取得したホスト名からなるエントリを、実績管理情報1700に追加する。そして、ステップS1510で、そのエントリにおける各項目の値を、取得した実績値更新データの内容で更新する。
【0121】
例えば、図17の状態で、図16に示す実績値更新データを取得すると、エントリ1702及び対応する値が追加されることになる。
【0122】
次に、ACT発行部110からの実績値要求を受信した場合の処理について説明する。この処理は、ステップS1504〜ステップS1515の処理を実行する。
【0123】
ステップS1504で、例えば、PC109から、実績値要求データを取得する。ステップS1511で、取得した実績値要求データからユーザ名を取得する。
【0124】
ステップS1512で、実績管理情報1700(図17)を参照して、ステップS1511で取得したユーザ名を含むエントリがあるか否かを検索する。エントリがない場合(ステップS1512でNO)、ステップS1513に進み、該当するエントリのデータがない旨を示すメッセージを、実績値要求データの発行元(PC109)に送信する。
【0125】
一方、エントリがある場合(ステップS1512でYES)、ステップS1514に進み、実績管理情報1700(図17)中の該当するユーザの行で管理されている各項目の値の和を計算する。この計算された和が、管理対象のデバイス全ての当該ユーザの使用実績値となる。そして、ステップS1515で、計算した実績値を、実績値要求データの発行元(PC109)に送信する。また、この計算した実績値を用いて、実績値DB114の内容も更新する。
【0126】
次に、UI制御部108からの使用制限情報変更通知を受信した場合の処理について説明する。この処理は、ステップS1505〜ステップS1520の処理を実行する。
【0127】
ステップS1505で、例えば、PC107から、使用制限変更通知を取得する。ステップS1516で、取得した使用制限変更通知からユーザ名を取得する。尚、使用実績値管理部115においても、ユーザ毎に、図7に示す使用制限情報を保持するものとする。以下、これを使用制限情報管理テーブルと称する。
【0128】
ステップS1517で、使用制限情報管理テーブルを参照して、ステップS1516で取得したユーザ名を含むエントリがあるか否かを検索する。エントリがある場合(ステップS1517でYES)、対象エントリの削除と判断して、ステップS1520に進み、そのエントリを削除する。一方、エントリがない場合(ステップS1517でNO)、エントリの新規追加と判断して、ステップS1519に進み、そのエントリを使用制限情報管理テーブルに追加する。
【0129】
ステップS1520で、使用制限情報管理テーブルの内容の更新が完了したら、ジョブ履歴収集部119(デバイス116)に、その内容を通知する。これにより、ジョブ履歴収集部119は、内部データとして、使用制限情報管理テーブルを保持することになる。また、必要に応じて、更新が完了した旨を、使用制限変更通知の発行元(例えば、PC107)へ通知しても良い。
【0130】
尚、使用実績値管理部115は、使用実績値を定期的にクリアする必要がある。これは、通常、使用実績値は、一月、四半期、一年といった単位で設定されるためである。この期間の設定は、例えば、UI制御部108上で専用の設定画面(図18)を介して実現するものとする。そして、実績値管理部115は、この設定を取得し、定期的に、図10の使用実績値をクリアする。
【0131】
次に、ジョブ履歴収集部119が実行する処理について、図19を用いて説明する。
【0132】
図19は本発明の実施形態のジョブ履歴収集部が実行する処理を示すフローチャートである。図20は、ジョブ履歴の一例を示す図である。発行されたジョブのユーザ名、ジョブ名、コンピュータ名、カウンタデータ(用紙サイズ、用紙タイプ、NUP、両面片面、及び、前記各モードにて印刷された枚数)を含む。さらに、ジョブ履歴は、フィニッシング、FAX送信番号、FAX受信番号を含む。
【0133】
ジョブ履歴収集部119は、図15のステップS1520で、使用実績値管理部115から通知される使用制限情報管理テーブル及び実績値DB114(図10)と、同様なユーザ毎の使用制限情報管理テーブルと実績値テーブルを内部的に保持している。
【0134】
ステップS1801で、ジョブ履歴追加イベントの購読を、制御部117に依頼する。以後、ジョブ履歴が追加される度に、制御部117からその内容が通知されることになる。
【0135】
ステップS1802で、イベント受信用のポートをオープンする。ここでは、例えば、TCP/IPの受信ポートのオープンが考えられる。但し、本構成では、同一機器内なので通知を内部的な関数呼出で実装してもよい。
【0136】
ステップS1803で、イベントが受信されていないかを判定する。イベントの内容が、終了要求である場合、ステップS1809に進む。一方、イベントの内容が、ジョブ履歴追加イベントである場合、ステップS1804に進む。
【0137】
ステップS1804で、追加が要求されたジョブ情報(ジョブ履歴)を取得する。ジョブ履歴には、ジョブの実行ユーザ名、ジョブ名、出力したカウンタデータ(例えば、カラーコピーで1面、白黒PDLで3面)等の情報が記録されている。図20はジョブ履歴の一例を示す図である。
【0138】
ステップS1805で、取得したジョブ履歴からユーザ名を取得する。
【0139】
ステップS1806で、ステップS1520で通知された使用制限情報管理テーブルに、取得したユーザ名が存在するか否かを検索する。存在しない場合(ステップS1806でNO)、ステップS1803に戻る。一方、存在する場合(ステップS1806でYES)、ステップS1807に進む。
【0140】
ステップS1807で、取得したジョブ履歴からカウンタデータの値(取得したジョブ履歴に対応するジョブで出力された印刷実績に係る枚数)を取得する。
【0141】
ステップS1808で、実績値テーブルの当該ユーザ名のエントリの各項目の値に、取得したカウンタデータの値を加算(累積更新)する。その後、ステップS1103に戻る。例えば、使用制限情報管理テーブルにおいて、カラーモード、モノクロモードに対して、枚数制限が設定されているユーザであることが判定されたとする。この場合、ジョブ履歴のカウンタ値がカラーで5枚印刷されたことを示していれば、カラー印刷のエントリに対してカウンタデータの値に対して5を加算する。
【0142】
その後、続くイベントが発生していない場合、ステップS1809で、ステップS1102でオープンしたイベント受信用のポートをクローズする。ステップS1810で、ステップS1801で依頼したイベントを解除する。
【0143】
以上の処理により、ジョブ履歴収集部119は、使用制限のあるユーザの実績値だけを累積更新して保持することができる。また、ジョブ履歴収集部119は、定期的に、実績値テーブルの内容を実績値更新データとして使用実績値管理部115(例えば、PC113)に送信する。そして、これを使用実績値管理部115が受信した場合には、上述の図15のステップS1503以降の処理が実行される。
【0144】
尚、使用制限情報が途中で変更されることを考慮すると、ジョブ履歴収集部119にジョブ履歴を記録する機能を設けて、使用制限変更通知を受けた時点で記録したジョブ履歴から再計算すればよい。
【0145】
また、ジョブの発行に基づき生成されたジョブ履歴は、実績値として反映されるのに応答して消去されてもよい。また、すぐに処理したジョブ履歴を消去せずに蓄積し、管理者の印刷解析などの用途に用いられた後に、管理者の指示により、又は特定の時間の経過に応答して、消去されてもよい。
【0146】
以上説明したように、本実施形態によれば、より少ないネットワークトラフィックでユーザの実績値を管理することができるようになる。その結果、一台のコンピュータで管理できるデバイス数を大きくすることができ、PC等のハードウェアの設置コストを小さくしたり、管理のための運用コストを小さくしたりすることが可能になる。
【0147】
尚、上記実施形態で、複数のPCと、デバイスとが協調動作して本実施形態を実現する場合を例に挙げて説明しているが、これに限定されない。例えば、本実施形態を実現するための各種構成要素を1台のPCに集約して、このPCとデバイスにおいて本実施形態を実現する場合も本発明に含まれることは言うまでもない。
【0148】
より具体的には、デバイス116に対し、PC101をクライアントとし、PC113を、PC105、PC107、PC109、PC111の各機能を集約したサーバ(実績管理サーバ)とするシステムによって、本発明を実現することも可能である。あるいは、これらのクライアントとサーバとが一体となった情報処理装置と、デバイス116との間で、本発明を実現することも可能である。
【0149】
また、上記実施形態では、デバイス116の印刷機能を利用する場合の例を挙げて説明しているが、これに限定されない。つまり、デバイス116で使用可能な機能(例えば、スキャナ機能、ファックス機能、データ送信機能)それぞれについても、本発明を適用することができる。
【0150】
更に、図1で示される各DBは、PC内に構成されている例を示しているが、ネットワーク120上に接続されるネットワークストレージ装置内に構成されていても良い。
【0151】
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0152】
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0153】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0154】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0155】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスクがある。また、更に、記録媒体としては、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0156】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、その接続先のホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0157】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0158】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。また、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0159】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の実施形態のデバイス管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態のPCのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態のデバイスのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態のPC上のメモリマップの基本構成例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態のアプリケーション及び関連データの構成例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態のFDに記録されたアプリケーション及び関連データをコンピュータにロードする場合を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態の使用制限情報の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態の編集画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態のユーザ情報DBの一例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態の使用実績DBの一例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態のプリンタドライバが実行する処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態のジョブデータを示す図である。
【図13】本発明の実施形態のACT発行部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態のACTの一例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態の使用実績値管理部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施形態の実績値更新データの一例を示す図である。
【図17】本発明の実施形態の使用実績値管理部が保持する実績管理情報の一例を示す図である。
【図18】本発明の実施形態の設定画面の一例を示す図である。
【図19】本発明の実施形態のジョブ履歴収集部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図20】本発明の実施形態のジョブ履歴の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0161】
102 アプリケーション
103 プリンタドライバ
106 使用制限情報DB
108 UI制御部
110 ACT発行部
112 ユーザ情報DB
114 実績値DB
115 使用実績値管理部
117 制御部
118 アプリケーションプラットホーム
119 ジョブ履歴収集部
201 CPU
203 RAM
206 記憶部
207 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置と、その画像処理装置の機能を使用する情報処理装置と管理装置とを含み、前記画像処理装置の使用制限を管理するための管理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記画像処理装置が提供する機能を使用するジョブと、当該ジョブを処理する際に用いられる、前記画像処理装置の機能の使用制限情報と、を前記画像処理装置に対して出力する出力手段を備え、
前記画像処理装置は、
前記ジョブと前記使用制限情報とを受信する受信手段と、
前記ジョブを前記使用制限情報の範囲内で印刷する印刷手段と、
前記受信手段が受信したジョブ毎の当該画像処理装置の機能の使用履歴を取得する取得手段と、
前記管理装置により発行される使用制限情報により制限される画像処理装置の機能を特定する特定手段と、
前記取得手段でジョブ毎に取得した使用履歴から、前記特定手段により特定された画像処理装置の機能毎の累積使用量を示す情報を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成した累積使用量を示す情報を、累積使用量を管理する管理装置へ送信する送信手段と
を備えることを特徴とする管理システム。
【請求項2】
使用制限情報の範囲内で、受け取ったジョブの処理を行なう画像処理装置であって、
受け取ったジョブ毎の画像処理装置の機能の使用履歴を取得する取得手段と、
使用制限情報により使用が制限されている画像処理装置の機能を特定する特定手段と、
前記取得手段において取得したジョブ毎の使用履歴から、前記特定手段により特定された画像処理装置の機能毎の累積使用量を示す情報を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成した累積使用量を示す情報を、前記累積使用量を管理する管理装置へ送信する送信手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記使用履歴として、当該画像処理装置の機能で使用可能な各機能別の使用履歴を取得し、
前記生成手段は、前記取得手段で取得した使用履歴から、前記画像処理装置の機能で使用可能な各機能別に、前記累積使用量を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記使用制限情報は、前記画像処理装置を利用するユーザ別に管理されるものであり、前記生成手段は、使用制限情報により画像形成装置の使用が制限されているユーザの累積使用量を示す情報を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記特定手段は、管理装置から使用制限情報により制限されるべき機能を示す情報を受信し、前記生成手段が生成するべき画像処理装置の機能毎の累積使用量を特定する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像処理装置の使用制限を示す使用制限情報を発行する管理装置であって、
印刷発行元毎に定められる使用制限するべき画像処理装置の機能を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された、使用制限するべき機能に関する累積使用量を画像処理装置に対して要求する要求手段と、
前記要求手段による要求により取得される累積使用量と、前記入力手段により入力された使用制限するべき機能とを用いて、使用制限情報を発行する発行手段と、
を備えることを特徴とする管理装置。
【請求項7】
前記画像処理装置から、前記累積使用量を受信する累積使用量受信手段と、
前記使用制限情報を記憶する第1記憶手段と、
前記累積使用量受信手段で受信した累積使用量に基づいて、第2記憶手段に記憶される累積使用量を更新する更新手段と
を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の管理装置。
【請求項8】
前記第1記憶手段及び前記第2記憶手段に記憶される記憶内容に基づいて、前記使用制限情報を生成する使用制限情報生成手段と、
前記使用制限情報を前記画像処理装置の機能を使用する情報処理装置へ送信する使用制限情報送信手段と
を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の管理装置。
【請求項9】
前記使用制限情報を設定する設定手段と、
前記設定手段によって前記使用制限情報が更新された場合、当該使用制限情報を前記デバイスへ送信する使用制限情報送信手段と
を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の管理装置。
【請求項10】
前記要求手段は、前記入力手段が、認証情報を管理するデータベースに対してユーザ毎の画像処理装置の機能に係わる使用制限を入力するのに応答して、当該使用制限される機能を示す情報を画像処理装置に対して送信し、
前記累積使用量受信手段は、前記画像処理装置から当該使用制限される機能に対応する累積使用量を受信する
ことを特徴とする請求項6に記載の管理装置。
【請求項11】
使用制限情報の範囲内で、受け取ったジョブの処理を行なう画像処理装置の制御方法であって、
受け取ったジョブ毎の画像処理装置の機能の使用履歴を取得する取得工程と、
使用制限情報により使用が制限されている画像処理装置の機能を特定する特定工程と、
前記取得工程において取得したジョブ毎の使用履歴から、前記特定工程により特定された画像処理装置の機能毎の累積使用量を示す情報を生成する生成工程と、
前記生成工程で生成した累積使用量を示す情報を、前記累積使用量を管理する管理装置へ送信する送信工程と
を備えることを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項12】
前記取得工程は、前記使用履歴として、当該画像処理装置の機能で使用可能な各機能別の使用履歴を取得し、
前記生成工程は、前記取得工程で取得した使用履歴から、前記画像処理装置の機能で使用可能な各機能別に、前記累積使用量を生成する
ことを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項13】
前記使用制限情報は、前記画像処理装置を利用するユーザ別に管理されるものであり、前記生成工程は、使用制限情報により画像形成装置の使用が制限されているユーザの累積使用量を示す情報を生成する
ことを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項14】
前記特定工程は、管理装置から使用制限情報により制限されるべき機能を示す情報を受信し、前記生成工程が生成するべき画像処理装置の機能毎の累積使用量を特定する
ことを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項15】
画像処理装置の使用制限を示す使用制限情報を発行する管理装置の制御方法であって、
印刷発行元毎に定められる使用制限するべき画像処理装置の機能を入力する入力工程と、
前記入力工程により入力された、使用制限するべき機能に関する累積使用量を画像処理装置に対して要求する要求工程と、
前記要求工程による要求により取得される累積使用量と、前記入力工程により入力された使用制限するべき機能とを用いて、使用制限情報を発行する発行工程と、
を備えることを特徴とする管理装置の制御方法。
【請求項16】
前記画像処理装置から、前記累積使用量を受信する累積使用量受信工程と、
前記使用制限情報を記憶する第1記憶媒体に第1記憶工程と、
前記累積使用量受信工程で受信した累積使用量に基づいて、第2記憶媒体に記憶される累積使用量を更新する更新工程と
を更に備えることを特徴とする請求項15に記載の管理装置の制御方法。
【請求項17】
前記第1記憶媒体及び前記第2記憶媒体に記憶される記憶内容に基づいて、前記使用制限情報を生成する使用制限情報生成工程と、
前記使用制限情報を前記画像処理装置の機能を使用する情報処理装置へ送信する使用制限情報送信工程と
を更に備えることを特徴とする請求項15に記載の管理装置の制御方法。
【請求項18】
前記使用制限情報を設定する設定工程と、
前記設定工程によって前記使用制限情報が更新された場合、当該使用制限情報を前記デバイスへ送信する使用制限情報送信工程と
を更に備えることを特徴とする請求項15に記載の管理装置の制御方法。
【請求項19】
前記要求工程は、前記入力工程が、認証情報を管理するデータベースに対してユーザ毎の画像処理装置の機能に係わる使用制限を入力するのに応答して、当該使用制限される機能を示す情報を画像処理装置に対して送信し、
前記累積使用量受信工程は、前記画像処理装置から当該使用制限される機能に対応する累積使用量を受信する
ことを特徴とする請求項15に記載の管理装置の制御方法。
【請求項20】
請求項11乃至19のいずれか1項に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−274583(P2007−274583A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−100384(P2006−100384)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】