説明

箱状物の供給装置、取り出し装置、棚段及び自動搬送システム

【課題】創薬、臨床検査など多数の検体の自動アッセイシステムにおけるスクリーニングピッチの短縮によるスループットの向上と事故の大幅な削減。
【解決手段】安定した待ち時間の無い搬送システムを開発した。1枚に多数の穴を有する蓋付きマイクロプレートを多数積み重ねてカセットで供給し、上から順に取り出す新規な箱状物取り出し装置と、複数のシャトル型搬送ラインと、水平回動型ダブルアームロボットとの組み合わせにより、蓋取り蓋合わせ、分注台への搬送、ピペットチップの供給、保温器や分析装置への配送・取り出し、検査済み試料マイクロプレートの返送を効率よくシステム化してスループット向上をすると共に、人手による取扱いの排除、昼夜運転、ロボットの把持失敗の皆無化を実現した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱状物の自動搬送に関し、詳しくは、臨床検査、生化学検査、創薬試験分野における分析など自動化アッセイ設備において、検体を入れるマイクロプレートなど箱状物を搬送する自動搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、臨床検査やイムノアッセイなどでは大量の検体を一定条件下で試薬と混合してその反応状況を各種検査器で分析するための自動化アッセイ装置が利用されている。当初、1検体ごとに手作業で行われていたが、多数の検体を処理するために自動化が試みられ、例えば、特開H3−51672号公報では無限長ベルトに検体を検体試験管などの容器を多数取り付け、必要な試薬を自動的且つ連続的に注入して反応させ、その変化を検出している。
【0003】
図13に従来の、自動化アッセイ装置の一例(特開平11−227941号公報)の搬送システム部分を示す。複数の回転棚に人間の手で多数のマイクロプレートを挿入し、これらを分配注入機やワークステーション間を、複数の回転直動型で把持型ロボテック装置を用いて、仮置き台を介して順次受け渡して搬送している。
【0004】
また、合成医薬、生物化学的医薬の開発の創薬研究分野では、何十万種、何百万種の検体を高速大量処理スクリーニング(High Throughput Screening)するために96穴(=well)の小さな穴状の容器を設けたプラスチックス製の85.5×127.8mm箱状物(マイクロプレート)に検体を自動的に分注入し、このマイクロプレートをロボットを利用して、試薬注入場所や可視光吸収スペクトル分析器、蛍光分析器、化学発光分析器、ラジオアイソトープシンチレーションカウンターなど各種の分析機器、保温器、棚などの所定場所に、昼夜を問わず配送し、バーコード制御システムによる自動的にアッセイする装置が利用されている。さらに、大量の検体を処理するために、同じサイズのマイクロプレートに384well、1534wellを設けたものも開発され、細かすぎて人手では分注不可能となるため、自動化の要請がますます高まっている。(ロボット、No.137、2000年11月号)
【0005】
【特許文献1】特開平3−51672号公報
【特許文献2】特開平11−227941号公報
【非特許文献1】長谷川「コンビナトリアルケミストリー」p194−203、(株)化学同人(1997年)
【非特許文献2】石井、武本、江澤、小菅、八尋、他「ロボット」、No.137号(2000年11月)P.27−45、(社)日本ロボット工業会編
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在、マイクロプレートへの注入、ロボット搬送、保温、各種分析などのための機器はそれぞれ開発され、コンピュータ制御により部分的に又は複数の機器に渡って自動化されているが、これらを集積すると高価であり、必ずしもハイスループットになっていない、故障が多い、使い方が難しい、運転の柔軟性に乏しいなどの不満が聞かれる。
【0007】
特に搬送に関しては、ロボット1台のみで前述の各種機器の間を3〜4mも移動してマイクロプレートを移送するものや、数台のロボットで順次隣のロボットに受け渡すものもあるため、搬送に時間がかかり、搬送スピードを上げすぎると薬液をこぼしたり、特に検体が細胞の場合は異変を起こすなどの不具合がある。図5に示すように、ロボットはマイクロプレートの細い側面底部に突起した周りぶちを横から把持しなければならないため、把持に失敗して落下させてしまう等の事故が発生している。一度、不具合が発生すると、全システムが止まるだけでなくアッセイ中のサンプルがすべて無駄となったり、薬液をこぼしてアッセイ装置内部に侵入してさらに故障を誘起するなど、損害が大きくなることもあった。さらに、マイクロプレートの薄い物では、蓋部とこの周りぶちとが接触するものもあり、把持することができない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、搬送の安定性、スループットの向上を目指して鋭意検討を重ねた結果、少なくとも、1又は2以上の蓋付き箱状物を直接積み重ねてカセット内に貯蔵し上から順に供給する箱状物ストッカと、重ねられた前記箱状物の1又は2以上を上から取り出す箱状物取り出し装置と、前記箱状物を1つずつ目的場所に搬送する水平回動型ロボットと、搬送制御装置とからなることを特徴とする箱状物自動搬送システムを開発した。この自動搬送システムには、前記取り出された前記箱状物の1又は2以上を搬送する複数のシャトル型搬送ラインを設けることもできる。
ここで、箱状物ストッカは箱状物取り出し装置と隣り合って配置されるが、水平回動型ロボットとシャトル型搬送ラインとは連結の順番は任意であり、水平回動型ロボットも複数配置してもよい。また、この箱状物ストッカは、薬液処理後の箱状物を取り込んで収納装置として利用することができ、シャトル型搬送ラインは箱状物を往復で搬送することができる。
【0009】
ここで前記水平回動型ロボットは、前記箱状物を載置する二つのフィンガと、
水平面内を回動する複数のアームとを有し、前記フィンガを水平面内で回動させる旋回手段と、前記二つのフィンガを交互に直線状に往復させる手段と、前記フィンガを昇降させる手段(Z軸)とを有することが好ましい。この水平回動型ロボットは、スカラ型ダブルアームロボットと呼ばれ、前記に動作手段の他に水平回動型ロボット全体を水平直線状に移動させる手段(X軸)を備えてもよい。
【0010】
本発明は、前記箱状物が多数の穴を有するマイクロプレートであり、前記目的場所が少なくとも、1又は2以上のピペットによる検体又は試薬を前記多数の穴に注入する分注台と、分析器の投入口であることを特徴とする箱状物自動搬送システムとして利用することもできる。前述の臨床検査、創薬開発用スクリーニング、イムノアッセイなど生化学分野用アッセイ装置の自動搬送システムであってもよい。ここで、ソフトウェアは、本発明の搬送システム制御用プログラムと、既存アッセイ装置のスケジューリングプログラムと組み合わせて構築することができる。
【0011】
前記の箱状物ストッカは、少なくとも、箱状物を収納ないし取り出し可能なカセットと、1又は2以上積み重ねられている前記箱状物を前記カセットに入ったまま箱状物載置板に載せて昇降させる昇降機と、前記昇降機が前記箱状物を定められた位置に昇降させる手段とを有するものである。ここで前記カセットは、箱状物を積み重ねたまま収納するものであって、カセット上部にある前記箱状物取り出し口と、箱状物ストッカの昇降機の箱状物載置板がカセット下に挿入されてカセット内を昇降するための開口部と、1または2枚の水平回動型ドアと、前記ドアの下側にあって前記カセット底部を貫通して上下に可動に設けたピンと、前記ピンは前記カセット底部から抜け落ちを防ぐストッパを有し、前記カセットは、前記箱状物ストッカ内の凹凸のある置台に置かれた時は前記ピンが自重で下がって前記水平回動型ドアを施錠し、前記箱状物ストッカ外の平板状台に置かれた時は前記ピンが押し上げられて開錠することを特徴としている。また、ドアには止めピンとバネとからなるドアストップを設けてもよいし、ドア上部に箱状物取り出し用の空間を設けることができる。
ここで、この箱状物ストッカに前記カセットは、複数個セットできるようにしてもよい。ここに置かれる箱状物には、検体又は試薬が入っている場合と入っていない場合であってもよい。また、この箱状物ストッカは、カセットの出入り口にドアを設ける他は、天井及び周辺を壁で覆ってもよい。
【0012】
次に本発明における箱状物取り出し装置は、1又は2以上積み重ねられた同形状の箱状物から、対向する一対の把持部によって前記箱状物の側面を把持することによって、1又は2以上の前記箱状物を取り出す装置であって、前記箱状物は、底部と四辺の側部とからなる容器部と、前記容器部の外側に嵌合する天板部と四辺の側部とからなる蓋部とからなり、前記一対の把持部は、上部に把持駆動部と下部に2つの支持部とを有し、一方の支持部は下方に向けて設け下端に当該支持部から箱側に張り出した凸部によって箱状物の底部側面を圧し、且つ、他方の支持部によって前記蓋部の底部側面と反対側側面を圧して把持した後、目的場所に移送し、把持を解除して載置することを特徴としている。ここで把持部は、棒状であっても平板状であってもよく、また、一方の把持部に1本或いは複数本設けてもよい。これら把持部の表面の箱状物と接触する面は、フッ素ゴム、軟質ポリウレタンなど軟質の高分子材料とすることもできる。
【0013】
ここで、前記の箱状物取り出し装置は、前記凸部を有する前記支持部の近傍に前記蓋部の高さを検出するセンサが配設されたことを特徴とする。このセンサは、公知の接触式センサが好ましいが、光学式センサであってもよい。また、把持された1又は2以上の前記箱状物が他の積み重ねられた箱状物から離間される手段が、他の積み重ねられた箱状物を降下させる手段であることが好ましい。さらに、前記一対の把持部で1又は2以上の前記箱状物が、把持されて他の積み重ねられた箱状物から離間された直後に、前記把持されていない前記箱状物の他の二辺の下に、前記箱状物側に爪が屈曲した一対のL字型支持部が、挿入され、移送後目的場所で引き出されるようにしてもよい。
【0014】
さらに、本発明のシャトル型搬送ラインは、少なくとも、直線状の一定区間を駆動されて往復する搬送シャトルと、前記搬送シャトルに備えられ箱状物を載置する搬送台と、前記搬送シャトルに備えられ前記搬送台を昇降させる手段と、
前記搬送シャトルに備えられ前記搬送シャトルを移動させる駆動源と、前記一定区間内にあって基部の上部に固設され前記搬送シャトルが通過し得る間隙を有する少なくとも1つの箱状物用の載置台とを有することを特徴とする。ここで、前記載置台は、複数のピペットを有する分注機でマイクロプレートに薬液を注入或いは吸引する場所として機能させてもよい。
【0015】
また、前記搬送台の駆動源が、片面に歯を有し反対面が略平滑である柔軟なベルトを、前記搬送シャトルに固定したモータ部のシャフトに固設した歯車と、前記搬送シャトルに取り付けたローラとで挟み、前記ベルトは長尺状であって両端を基台に固定され、確実にベルトを掴む構造とすることが好ましい。なお、本発明の箱状物搬送システムに、このシャトル型搬送ラインを並列又は直列して複数台取り付けることができる。また、このシャトル型搬送ラインの途中に吸着又は把持によって箱状物の蓋を脱着する手段を1又は2以上、仮置きのための載置台を設けてもよい。
【0016】
本発明では水平回動型ロボットが処理前ないし処理後の箱状物を収納する棚段にも特徴がある。即ち、天井板と底板とを有する箱状物を収納するための棚段において、多数の棚部を平面円弧状及び高さ方向に多段に配した棚段であって、円弧内側の太さが小さい柱と円弧外側の太さが大きい柱と、前記各柱が前記箱状物の底縁部を載置するための複数の水平方向突起を有し、前記天井板と前記底板間、及び、各柱間に連続した空間が存在していることを特徴とする棚段である。これら柱の断面は任意に形状であるが、各棚は隣の棚との間は、内側は内側で1本の柱を共用し、外側は外側で隣り合う棚同士が1本の柱を共用する。勿論、円弧の両端では共用しない。尚、箱状物の平行な側辺が入るように、各棚の円弧内側柱間の寸法と円弧外側柱間の寸法は等しくしても良いし、又、円弧外側柱間の寸法を狭くして箱状物が円弧の外側に飛び出さない構造としてもよい。
【0017】
ここで、前記各柱が円柱または円筒状、即ち、断面が円形であって、前記突起が円形の鍔状であることが好ましく、また、同じ柱にある2つの突起間において、前記各柱の前記箱状物に面する側の外径が、上部突起から途中まで同じ太さで、途中から下部突起までが徐々に大きくなっていることを特徴とすることも出来る。
【0018】
本発明の箱状物搬送システムは、前述の生化学分野のみならず、例えば、食品工業における各種容器の搬送、製品或いは原材料としての箱状物用自動倉庫や自動払い出しシステムなど、多数の箱状物の搬送システムとして応用できる。また、必要ならば、搬送システムを含む全システムをクリーンブースやクリーンルームに納めて無菌状態、無塵状態とすることも出来る。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、複数のシャトル型搬送ラインとダブルアーム型水平回動型ロボットとを組み合わせたことにより、従来1台の垂直回動型ロボットが直線線路上を移動して搬送する搬送システムより、3倍から6倍の搬送速度を実現することができた。また、他の従来例である分注機と直交座標型ロボットとの組み合わせと人手による分析器への搬送に比べれば、10倍以上のスループットの向上を実現することができた。即ち、ダブルアーム型水平回動型ロボットは、1度に2つの箱状物を搬送できるばかりでなく、箱状物が次に送られてくる待ち時間内に搬送してしまい3倍以上の向上が計られたのである。本発明では、シャトル型搬送ラインを通常3ないし5台設けるため、従来1台のロボットが1つの直線線路上を搬送する場合に比べると、水平回動型ロボットアームの動きを合わせると、従来の4から6倍の搬送能力を発揮する。
【0020】
本発明では、フィンガとアームが水平回動するスカラ型ロボットを採用したため、液体の入ったマイクロプレートなどの箱状物を、常に水平に保ちながら搬送できるため、薬液をこぼすなどの恐れが無くなった。加えて、水平に保たれ、且つ、箱止めを備えるフィンガ上に箱状物を載置するため、従来の把持型フィンガに比べ、マイクロプレートを落下させる事故は皆無となった。これにより、生化学スクリーンシステムの停止事故がなくなり、信頼性が大幅に向上した。
【0021】
図5に示すように、マイクロプレートには、各辺の長さは規格化されているが、1穴当りの容積を変えるために穴の深さ、即ち、箱状容器の高さが種々異なり、蓋と容器下部とに間の容器側面の露出部tに幅があり、標準はt=6mm程度(蓋付き箱の高さは15mm)であるが、中には箱の側部が蓋で全く隠れてしまう(t=0mmから15mm)ものまである。本発明の箱状物取り出し装置は、蓋の高さを検出するセンサを有しているため予め箱の高さを制御装置に入力しておけば、箱状物の底部側面を圧する把持部を常に指定位置に降下させることができ、どんなマイクロプレートにも対応できる。
【0022】
従来は、取り出し装置が無い場合が多く、その際、人手でキューブと呼ばれる多数の棚にマイクロプレートを1箱ずつ収納し、その後、垂直多関節ロボットがこれらを取りに行く。本発明の箱状物ストッカでは、前工程で積み重ねられ、検体を入れられた多数のマイクロプレートを、直接積み重ねたまま、人手でカセットに入れてこの装置にセットするのみのため、昼夜無人運転をすることができる。
【0023】
積み重ねた箱状物から1つのマイクロプレートを供給するための従来の装置は、下から2番目のマイクロプレートの側面を把持して、1番下を落とす方法を取っている。これでは、積み重ねの高さにより重さが変わってくるため、特に、高く積んだ場合、把持に失敗し2番目のマイクロプレートも落としてしまう不具合が発生していた。しかし、本発明の箱状物ストッカは、積み重ねた箱状物の一番上のものから取り出すため、常に一定の、且つ、軽い把持力ですむため、把持に失敗するトラブルの発生もなくなった。
【0024】
本発明のカセットは、ドア施錠用のピンが設けられており、机など平面に置けば開錠されてドアは自由に開閉でき、人手による持ち運び中及び箱状物ストッカ内では施錠されてマイクロプレートなど箱状物が飛び出すことは無い。
【0025】
本発明の箱状物取り出し装置は、一対の把持部のうち箱状物の底部側面を押圧する把持部側にそのセンサが取り付けられているため、箱の厚みを制御装置に入力しておけば、後者の把持部は正確に前記底部側面に接触する。即ち、積み重ねた箱状物の上方が傾いている場合でも、このセンサの働きで確実に把持に導き、L字状爪の作用と相まって、マイクロプレートなど箱状物を落下させることは無い。
【0026】
本発明の棚は、各柱間に連続した空間があるため、水平回動型ロボットのフィンガを挿入することが容易であり、ここへのマイクロプレートの載置が確実となった。また、柱数が少なく全体に簡素な形状で、意匠的に優れている。さらに、従来の縦1列の棚段を円弧状に配置したものに比べ、部品数が少なくコスト的にも有利であり、特に、断面円形の柱の場合は、丸棒或いは肉厚パイプからの切り出しが用意で加工費が安価ですむ。さらに、円形の場合は、万一汚れた場合の清掃も簡単で保守しやすい。
【0027】
加えて各柱の各鍔間に垂直部分と下に太い傾斜部分を設けたため、箱状物をこの棚に挿入載置した場合、自動的の位置決めされ、次に水平回動型ロボットで取り上げる際も、フィンガ上に正確に載置される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に本発明の実施例を記すが、この実施例のみに本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0029】

図1は、本発明の箱状物自動搬送システム1を組み込んだ自動化アッセイ設備10を示す。図1に示すように、本発明の箱状物自動搬送システム1とは、箱状物ストッカ2a、2b、3a、3b、箱状物取り出し装置11、シャトル型搬送ライン4、水平回動型ロボット5、把持型ロボット33、円弧状棚6からなる一連の箱状物搬送用装置群である。自動化アッセイ設備10は、この箱状物自動搬送システム1に、分注機7、分析装置8及び保温器9が加えられ、反応時間、保温温度、搬送先場所などをスケジューリングする制御装置をもって構成される。
【0030】
アッセイの工程を簡単に説明する。検体が入れられた後のマイクロプレート19は、マイクロプレート用カセット21に挿入されて第1箱状物ストッカ2aにセットされ、箱状物取り出し装置11で取り出され、シャトル型搬送ライン4の一端に受け渡され、蓋が取られて分注台43に置かれる。一方、ピペットチップの入った箱は、ピペットチップ用カセット31に重ねて投入され第2箱状物ストッカ3a、3bにセットされ、把持型ロボット33で搬送され蓋を取られてチップ置き台73に置かれる。分注機7は市販品Biomek FX(ベックマンコールター社製)で、XY搬送機a、b(71a、71b=矢印で表す)に取り付けられた分注ヘッド72を移動させて、チップ置き台73に置かれたチップを分注ヘッド72に差込み、試薬槽74で試薬を吸入し前記分注台43に移動してマイクロプレート19に注入する。このマイクロプレート19は、シャトル型搬送ライン4の他端に移送され、次に水平回動型ロボット5で保温機9に挿入され、所定時間反応後、分析装置8で分析し、再びシャトル型搬送ライン4に戻され逆方向に搬送して、箱状物取り出し装置11で第1箱状物ストッカ2b内のマイクロプレート用カセット21に回収収納する。この間、保温時間、分析時間が一致しないことが多いので、一時的に仮置きのために棚6に仮置きすることがある。
【0031】
次に本発明の箱状物自動搬送システム1について一例を説明する。図1には、取り出し装置11の両側に設置された第1箱状物ストッカ2a、2bを示したが、図2では片側のみを記して詳細を示す。第1箱状物ストッカ2aは、厚さ15mm穴96個を有するマイクロプレート19(図5参照)を54個積み重ねて入れたマイクロプレート用カセット21を、第1箱状物ストッカドア27aから第1回転カセット台26aの所定位置に投入載置する。この第1回転カセット台26aは4台のカセットが搭載でき、順次90度ずつ回転して箱状物取り出し装置11の下にカセットを移送する。第1箱状物ストッカ2aの中央部にはマイクロプレート昇降機20が積み重なったマイクロプレート19を下から押し上げ、箱状物取り出し装置11の箱状物把持機12によってマイクロプレート19が1個ずつ取りだされ、取り出される毎に1つ分押し上げる様に制御される。マイクロプレート昇降機20は、箱状物取り出し装置11基部に固定されたモータ25によって回転するボールねじ23を軸に昇降駆動体24がリニアガイド22に沿って昇降し、この昇降駆動体24に固定された昇降フィンガ29が積み重ねられたマイクロプレート19の最下のものの底に接して下から押し上げる。このマイクロプレート昇降機20は、必要に応じ一部または全体の高さを自由に上昇、降下することができる。
【0032】
図5にマイクロプレート19を示す。(a)はその側面図で、(b)は容器部191平面図である。種類によっては厚みが異なるため収納される数が異なるが、ここではサイズが85.5×127.7×15.0mm、96穴の標準マイクロプレート19を用い、検体が入れられた後のマイクロプレート19をマイクロプレート用カセット21に54段に積み重ねて収納し、この4台を第1箱状物ストッカ2a中にセットする。図1の第1箱状物ストッカ2bは、試験が終わり箱状物取り出し装置11で返送されたマイクロプレート19を収納するストッカである。従って、前述と全く逆の動作によりマイクロプレート用カセット21内に試験済みマイクロプレート19を積み重ね、1つのマイクロプレート用カセット21が一杯になれば第1回転カセット台26が90度回転して次の空のマイクロプレート用カセット21がセットされる。第1箱状物ストッカ2bも第1箱状物ストッカ2aと同様な構造をしている。
【0033】
図3は、マイクロプレート19を把持する箱状物取り出し装置11の斜視図である。フレーム13に水平ロッドレスエアシリンダ支持部131を介して水平ロッドレスエアシリンダ可動部132が取り付けられ、これに昇降ロッドレスエアシリンダ134が取り付けられ、この昇降ロッドレスエアシリンダ134に箱状物把持機12が取り付けられる。箱状物保持機12には、水平に細長い底チャック部122を先端横の箱側に取りつけた底把持部121と、垂直に設けた2本の丸棒である蓋チャック部124を固定した蓋把持部123と、これらチャック部122、124を開閉する左右チャック用アクチュエータ125が取り付けられている。箱状物把持機12に取り付けられた2つの爪把持部127は、爪把持用アクチュエータ128により駆動され、図3で示した底チャック部122、蓋チャック部124とは90度異なるマイクロプレート19の辺を把持する。2つの爪把持部127の下部先端には、それぞれ内向きに屈曲したL字状爪129が取り付けられ、マイクロプレート19の下に、本図に向かって左と右とから近づくように移動してこれを把持する。
【0034】
図4は、箱状物保持機12の一部分である左右チャック用アクチュエータ125側から見た断面図で、マイクロプレート19を把持して取り出す状態を示す。底把持部121と蓋把持部123とを開いた状態で箱状物保持機12を降下させると、蓋用センサ126はマイクロプレート蓋192の上面を検知し降下停止する。尚、マイクロプレート19は、第1箱状物ストッカ2aのマイクロプレート昇降機20がすでに所定位置に押し上げている。マイクロプレート蓋部192を蓋チャック部124が、又、マイクロプレート容器部191の外部側面底部193を底チャック部122が把持し、マイクロプレート昇降機20が他の積み重なったマイクロプレート19を少しさげる。底チャック部122及び蓋チャック部124のマイクロプレート19に接触する部分は、軟質ゴム状プラスチックスが嵌めこまれ把持を確実にしている。
【0035】
次に図3に示す2つの爪把持部127がマイクロプレート19の下にL字状爪129が把持するように挿入され、搬送中のマイクロプレート19の落下を防止する。昇降ロッドレスエアシリンダ134が箱状物把持機12を上昇させ、所定の高さまで来たら水平ロッドレスエアシリンダ132により、シャトル型搬送ライン4の端のステージ48(図2)上に移送し、マイクロプレートを降下させてステージ48上に載置する。尚、薬液処理済マイクロプレート19が返送されて来た時は、第1箱状物ストッカ2b側のステージ48上に置かれ、箱状物把持機12に掴まれて反対向きに移送され、第1箱状物ストッカ2bのマイクロプレート用カセット21に収納される。
【0036】
図6は、第1箱状物ストッカ2a、2b用のマイクロプレート用カセット21,及び第2箱状物ストッカ3a、3b用のピペットチップ用カセット31を示す。略四角形のカセット上枠217とカセット下枠215との間をそれら枠3辺に配した6本の金属パイプ214でこれらを固定し、カセット上枠217には取手218を取り付ける。カセット下枠215の他の1辺の両脇に小さいドアを設け、ドア上部222とドア下部223とを上下の枠217,215に連結し、観音開きとした。ドア下部223の先端にドア爪224をつけ、また、カセット下枠215のドア下部223が閉まった状態の外側に、穴をあけここに上端と下端にストッパ212をつけたピン211を、自重で自由に下がるように嵌め合わせた。図7左図(a)のように、平板状の台の置けばピン211は押し上げられて、ピン211の軸より外径の大きいストッパ212はドア爪224の上に出て、ドア下部223は自由に開閉する。他方、図7(b)のように、カセットを持ち上げるとピン211は落ちてストッパ212がドア爪224を隠してドア下部223の開放を防止する。また、ドア下部223にはカセット下枠215との間にスプリング225を渡しドアストップを設けた。
【0037】
図8に、シャトル型搬送ライン4の一部省略側面図を示す。基台47にリニアガイドレール42を敷設し、これに嵌合しているリニアガイド416に、ギヤ414を取り付けたシャトル用モータ415とローラ413と上向きエアシリンダ411とを搬送シャトル41を取り付ける。ギヤ414とローラ413との間に直線状のタイミングベルト45を嵌め合わせ、その両端は基台両端のベルト固定具46に固定し、エアシリンダ411のロッド上部に搬送台412を固定する。タイミングベルト45は表が平滑面で裏側に歯形が成形されているので、モータが回転するとタイミングベルト45の歯形とギヤ414が噛み合って搬送シャトル41が自走する。シャトル用モータ415はステッピングモータを用いているのでパルス信号で回転が制御され、搬送シャトル41は自在に移動停止できる。シャトル型搬送ライン4の左右端にステージ48と、その中央に各搬送ラインに3台で3ライン合計9台の分注台43と、分注台43とステージ48の間に仮置き台49とが、取り付けられている。
【0038】
ステージ48と仮置き台49とは同じ形状をしており、各台の上の面は、マイクロプレート容器部191の底四隅を支持するように四辺の中央が切られて4分割されており、各台の上の面にはプラスチックス製釣鐘状の箱止めが取り付けられている。また、搬送台412は十字状になっており、各台の位置で自由に昇降することができる。また、十字状の搬送台412の4つの先端は上に向けて屈曲されており、マイクロプレート19が飛び出さない様に配慮されている。
【0039】
シャトル型搬送ライン4の右端に取り付けられたステージ48に、箱状物取り出し装置11(図2参照)が、マイクロプレート19を置くと、搬送シャトル41が右のステージ48の下に移動し、搬送台412を上昇させてマイクロプレート19を持ち上げて載置した後、そのまま図8左方向に進み、蓋吸着機44の下で停止する。
【0040】
蓋吸着機44は、吸着機フレーム443に取り付けた昇降用ロッドレスシリンダ444と取り付け部442を介して4基の吸着パッド441と蓋閉じ確認センサ445を有している。吸着パッド441が降下してマイクロプレート蓋192を吸着すると減圧度が変わり、吸着していることが解るので、昇降用ロッドレスシリンダ444を上昇させて蓋を開ける。尚、蓋閉じ確認センサ445はマイクロプレート蓋192を閉める際、マイクロプレート容器部191に嵌め合わせに失敗すると蓋位置が高くなるのでこれを検出するが、蓋嵌め失敗が無い場合は取り付けなくてもよい。
【0041】
マイクロプレート蓋192を取り外したマイクロプレート容器部191は、搬送台412が高い位置のまま搬送シャトル41によって運ばれ仮置き台49で停止し、搬送台412が下がって仮置き台49に載置される、分注機7のXY搬送機71aにより分注台43に搬送される。分注台43でマイクロプレートの各穴194に試薬が注入され仮置き台49に返送されると、搬送台412は再び上昇してマイクロプレート容器部191を載置して図面右側に移動し、蓋吸着機44の位置に停止し、マイクロプレート蓋192をかぶせる。尚、分注台43は1列のシャトル型搬送ライン4に3基備え3ラインで合計9台が備えられている。
【0042】
マイクロプレート蓋192を被されたマイクロプレート19を載せた搬送シャトル41は、エアシリンダ411を低い位置に下げた後、分注台43の下を通って図面左端に移動して停止し、搬送台412を昇降させて左側のステージ48にこれを載置する。次に、本実施例の水平回動型ロボット5がそのフィンガ52をステージ48の下に挿入し、水平回動型ロボット5のZ軸を上昇させて運ばれてきたマイクロプレート19をフィンガ52に載置し次工程に搬送する。図9に示すように、このシャトル型搬送ライン4は3列あり、図面左側にも蓋吸着機44を各列にもう1台有しているので全部で6台設置している。また、分注ヘッド72は2基有るので、前述と同様な方法により図面左側からも、分注作業、マイクロプレート蓋192の開け閉め作業を行うことができる。尚、図3に示した箱状物取り出し装置11は、マイクロプレート19を中央の搬送シャトル41には置かないが、水平回動型ロボット5が図7左端で3台の搬送シャトル41のいずれにも載置できるので、搬送作業、マイクロプレート蓋192の開け閉め、分注作業は効率よくできる。
【0043】
ここで分注ヘッド72に取り付けるピペットチップ箱搬送装置について説明する。すでに図1で簡単に示したように、このピペットチップ箱搬送装置は、ピペットチップ用カセット6台の入った第2箱状物ストッカ3a、3bと、左右2台の把持型ロボット33と、左右の2台のチップ置き台73とから構成される。
【0044】
図11では、ピペットチップ箱が、第2箱状物ストッカ3aからチップ置き台73に置かれる過程を図示してある。プラスチックス製のラッパ状のピペットチップ96本が、マイクロプレートの各穴194に対応するように、直立して8列12行に並べられて1箱(不図示)に入っており、箱のサイズは幅86mm、長さ128mm、高さ58mmである。このピペットチップ箱14個が積み重ねられて入ったピペットチップ用カセット31が、第2箱状物ストッカドア37から投入されて最大6台の第2回転台36にセットされ、180度回転した位置に停止して、ピペットチップ箱用昇降装置32が積み重ねられた箱の下から押し上げて所定の高さで停止する。尚、ピペットチップ箱用昇降装置32は第1箱状物ストッカ2aのマイクロプレート昇降機20と同じ構造で、モータ35の回転するボールねじ323に嵌め合った昇降駆動体34が、1本の縦型リニアガイド322に導かれてピペットチップ箱用フィンガ321を昇降させ、積み重ねられた箱は一番下から支持されて昇降する。
【0045】
次に同じく図11に示すように、3軸からなる把持型ロボット33が伸張して、先端の2つの把持用逆T字型フィンガ330で、ピペットチップ用カセット31上に押し上げらているピペットチップ箱の本体側面を挟み、この把持型ロボット33の先端部に取り付けてある吸着口(不図示)で蓋を吸着し、この先端部に取り付けられたエアシリンダで垂直に少し上昇させ、一端X軸用ロッドレスシリンダ38上に収縮した後X軸用ロッドレスシリンダ38上を図11下方向に移動して停止し、再び伸張してチップ置き台73に搬送し載置する。吸着している蓋は、この把持型ロボット33収縮した位置の下に用意されているゴミ箱39に落とす。分注ヘッド72がピペットチップを持ち去った後の空き箱は、この把持型ロボット33が把持してゴミ箱39上に搬送しすてる。尚、把持型ロボット33は、X軸用ロッドレスシリンダ38で駆動されるX軸を有し、水平に(図11の上下方向)に移動できる。
【0046】
図9は、図8の仮置き台49位置のA−A´断面での立面図である。シャトル型搬送ライン4は3台あり、分注台43は1ライン当り2基であるから全部で6基ある。図9には、リニアガイドレール42上に乗ったリニアガイド416と、これに固定されたシャトルフレーム418にシャトル用モータ415、その軸に固定されたギヤ414、タイミングベルト45(不図示)を挟むように取り付けられたローラ413、搬送台412とこれを持ち上げるエアシリンダ411、エア配管、動力線、信号線を案内するケーブルガイド417の配置が示されている。
【0047】
図10は、水平回動型ロボット5によるマイクロプレート19の搬送状況を示す平面図である。本実施例では水平回動型ロボット5としてローツェ株式会社製搬送ロボットRR701を用いた。水平回動型ロボット5は、第1アーム50と第2アーム51とフィンガ52とからなるアーム体2本を有し、それぞれ水平面内で回動し、2つのフィンガ52は高低差をもって重なって同一垂直平面内を水平に直線運動し、胴体54は旋回運動とZ軸昇降運動をし、さらに前記シャトル型搬送ライン4に直角に水平回動型ロボット5全体を移動させるX軸軌道を有している。但し、フィンガ52はその周囲に高さ8mm直径6mmの6個のプラスチック製釣鐘状突起を取り付けた進行方向に長い長方形で、ここに載置したマイクロプレート19が落ちず、且つ、ステージ48と干渉しない構造となっている。この水平回動型ロボット5は、マイクロプレート19の置かれたステージ48の下にフィンガ52を挿入し、胴体54をZ軸方向に持ち上げてマイクロプレート19をすくい上げるようにフィンガ52の上に載置する。搬送して目的載置台の上方に到着すると、Z軸方向に胴体54を降下させ、フィンガ52からマイクロプレート19を目的場所に載置する。ここで目的場所とは、棚6、分析装置サンプル出入り口81、保温器サンプル出入り口91及び各ステージ48である。
【0048】
水平回動型ロボット5は、搬送シャトル型41で送られてきた薬液入りのマイクロプレート19を下からすくい上げるようにして一方のフィンガ52上に載置し、旋回して保温器9方向に向かう。保温器サンプル出入口91に所定時間処理が終わって出てきたサンプルのマイクロプレート19を、他方のフィンガ52に載置して取り出し、代わりに運んできた新しいサンプルのマイクロプレート19を挿入する。保温器(Cytomat6000)は、自動的にサンプルを1箱づつ投入しても自動的に所定時間、一定温度で処理して1箱づつ出庫する。次に、旋回して分析装置(1430ViewLuxI/F)のサンプル出入口81の方向に向かい、空いたフィンガ52を伸張して分析済みサンプルマイクロプレート19を取り出し、保温器から取り出した処理済サンプルマイクロプレート19を挿入する。尚、分析するためにはマイクロプレートの蓋192を取り外さなければならないので、分析装置サンプル出入口81にも蓋吸着機44が備えられている。取り出した分析済みサンプルマイクロプレート19は、シャトル型搬送ライン4の返送用のステージ48に載置する。尚、処理前サンプルマイクロプレート19は、保温器9の順番待ち、あるいは保温器9からの出庫と分析装置8へのタイミングが合わない時は、棚6に一時的に保管し、順番を待って分析される。
【0049】
図12(a)は、本発明の棚6の構造を示す平面図である。図12(b)は、(a)のB−B´での断面図である。棚底64と天井63との間に、複数の細い内側柱61と複数の太い外側柱62とを同本数それぞれ同心の円弧状に配置してある。それぞれの柱の形状は内外とも棚1段分は、上から円柱部65と円台形部66と鍔部67とが繋がっており、鍔部67の上面に、マイクロプレート19の底の外縁隅部が載る。従って、2個の内側柱61の円台形部66下部との間と、2個の外側柱62の円台形部66下部との間との寸法は同じでマイクロプレート19の幅よりわずかに長く、内側柱61と外側柱62との中心間寸法はマイクロプレート19の長さよりわずかに短く設計してあり、そこに1個のマイクロプレート19が載置される。外側柱62のさらに外側には、マイクロプレート19が突き抜けて落ちるのを防止するための箱止め68が備えられている。
【0050】
マイクロプレート19は、水平回動型ロボット5のフィンガ52上に載置されたまま、図12の棚6の2つ内側柱61の円柱部65間を外側柱62付近まで挿入され、フィンガ52が降下すると、マイクロプレート19の4つの底の外縁隅部が鍔部67上に置かれる。逆にマイクロプレート19を取り出す際は、空のフィンガ52を、2つの円柱部65間に挿入して6個のプラスチック製釣鐘状突起がマイクロプレート19の外縁部外の下に来るように停止し、次に上昇させてこれを載置し、ロボット5側にフィンガを引く。ついで目的場所にロボット5がそのマイクロプレート19を搬送する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の箱状物自動搬送システムを組み込んだ自動化アッセイ設備の概略平面図である。
【図2】本発明の箱状物ストッカの一部平面図である。
【図3】本発明の箱状物取り出し装置の切り欠き斜視図である。
【図4】本発明の箱状物取り出し装置の断面図である。
【図5】本発明の各種マイクロプレートの側面図、平面図である。
【図6】本発明のカセットの斜視図である。
【図7】本発明のカセット底部の側面図である。
【図8】本発明のシャトル型搬送ラインの一部省略側面図である。
【図9】本発明のシャトル型搬送ラインの側面図である。
【図10】本発明の水平回動型ロボットの搬送状況を示す平面図である。
【図11】本発明のピペットチップ配送装置の一部平面図である。
【図12】本発明の棚の平面図と側面図である。
【図13】従来の箱状物搬送システムを有する自動化アッセイ装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
1 箱状物自動搬送システム
10 自動化アッセイ設備
11 箱状物取り出し装置
12 箱状物把持機
121 底把持部
122 底チャック部
123 蓋把持部
124 蓋チャック部
125 左右チャック用アクチュエータ
126 蓋用センサ
127 爪把持部
128 爪把持用アクチュエータ
129 L字状爪
13 フレーム
131 水平ロッドレスエアシリンダ支持部
132 水平ロッドレスエアシリンダ可動部
133 ケーブルガイド
134 昇降ロッドレスエアシリンダ
19 マイクロプレート
191 マイクロプレート容器部
192 マイクロプレート蓋
193 マイクロプレート底部
194 穴
2a、2b 第1箱状物ストッカ
20 マイクロプレート昇降機
21 マイクロプレート用カセット
211 ピン
212 ストッパ
213 カセットドア
214 パイプ
215 カセット下枠
216 マイクロプレート置き台
217 カセット上枠
218 取手
219 ドアパイプ
22 リニアガイド
220 下部開口部
221 上部開口部
222 ドア上部
223 ドア下部
224 ドア爪
225 スプリング
23 ボールねじ
24 昇降駆動体
25 モータ
26 第1回転カセット台
27 第1箱状物ストッカドア
28 第1供給装置カバー
29 昇降フィンガ
3a、3b 第2箱状物ストッカ
30 ピペットチップ箱搬送装置
31 ピペットチップ用カセット
32 ピペットチップ箱用昇降装置
321 ピペットチップ用フィンガ
322 リニアガイド
323 ボールねじ
33 把持型ロボット
330 逆T字型フィンガ
34 昇降駆動体
35 モータ
36 第2回転カセット台
37 第2箱状物ストッカドア
38 X軸用ロッドレスシリンダ
39 ゴミ箱
4 シャトル型搬送ライン
41 搬送シャトル
411 エアシリンダ
412 搬送台
413 ローラ
414 ギヤ
415 シャトル用モータ
416 リニアガイド
417 ケーブルガイド
418 シャトルフレーム
42 リニアガイドレール
43 分注台
44 蓋吸着機
441 吸着パッド
442 取り付け部
443 吸着機フレーム
444 昇降ロッドレスシリンダ
445 蓋閉じ確認センサ
45 タイミングベルト
46 ベルト固定具
47 基台
48 ステージ
49 仮置き台
5 水平回動型ロボット
50 第1アーム
51 第2アーム
52 フィンガ
53 X軸軌道
54 胴体
6 棚
61 内側柱
62 外側柱
7 分注機
71a XY搬送機a
71b XY搬送機b
72 分注ヘッド
73 チップ置き台
74 試薬槽
8 分析装置
81 分析装置サンプル出入口
9 保温器
91 保温器サンプル出入口




































【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも
1又は2以上の蓋付き箱状物を直接積み重ねてカセット内に貯蔵し上から順に供給する箱状物ストッカと、
重ねられた前記箱状物の1又は2以上を上から取り出す箱状物取り出し装置と、
前記箱状物を1つずつ目的場所に搬送する水平回動型ロボットと、
搬送制御装置と
からなることを特徴とする箱状物自動搬送システム。
【請求項2】
前記取り出された前記箱状物を1又は2以上を搬送する複数のシャトル型搬送ラインを有することを特徴とする請求項1の箱状物自動搬送システム。
【請求項3】
前記水平回動型ロボットは、
前記箱状物を載置する二つのフィンガと、
水平面内を回動する複数のアームとを有し、
前記フィンガを水平面内で回動させる旋回手段と、
前記二つのフィンガを交互に直線状に往復させる手段と、
前記フィンガを昇降させる手段とを有することを特徴とする、
請求項1又は2いずれかに記載の箱状物自動搬送システム。
【請求項4】
前記箱状物が多数の穴を有するマイクロプレートであり、
前記目的場所が少なくとも、
1又は2以上のピペットによる薬液を前記多数の穴に注入する分注台と、
検査器の投入口であることを特徴とする、
請求項1から3いずれかに記載の箱状物自動搬送システム。
【請求項5】
少なくとも、
箱状物を収納ないし取り出し可能なカセットと、
1又は2以上積み重ねられている前記箱状物を前記カセットに入ったまま箱状物載置板に載せて昇降させる昇降機と、
前記昇降機が前記箱状物を定められた位置に昇降させる手段とを有することを特徴とする、箱状物ストッカ。
【請求項6】
箱状物を積み重ねたまま収納するためのカセットにおいて、
カセット上部にある前記箱状物取り出し口と、
箱状物ストッカの昇降機の箱状物載置板がカセット下に挿入されてカセット内を昇降するための開口部と、
1または2枚の水平回動型ドアと、
前記ドアの下側にあって前記カセット底部を貫通して上下に可動に設けたピンと、
前記ピンは前記カセット底部から抜け落ちを防ぐストッパを有し、
前記カセットは、前記箱状物ストッカ内の凹凸のある置台に置かれた時は前記ピンが自重で下がって前記水平回動型ドアを施錠し、前記箱状物ストッカ外の平板状台に置かれた時は前記ピンが押し上げられて開錠することを特徴とするカセット。
【請求項7】
1又は2以上積み重ねられた同形状の箱状物から、対向する一対の把持部によって前記箱状物の側面を把持することによって、1又は2以上の前記箱状物を取り出す箱状物取り出し装置において、
前記箱状物は、底部と四辺の側部とからなる容器部と、前記容器部の外側に嵌合する天板部と四辺の側部とからなる蓋部とからなり、
前記一対の把持部は、上部に把持駆動部と下部に2つの支持部とを有し、一方の支持部は下方に向けて設け下端に当該支持部から箱側に張り出した凸部によって箱状物の底部側面を圧し、且つ、他方の支持部によって前記蓋部の底部側面と反対側側面を圧して把持した後、目的場所に移送し、把持を解除して載置することを特徴とする箱状物取出装置。
【請求項8】
凸部を有する前記支持部の近傍に前記箱状物の蓋部の高さを検出するセンサが配設されたことを特徴とする、請求項7記載の箱状物取出装置。
【請求項9】
前記一対の把持部で1又は2以上の前記箱状物が、把持されて他の積み重ねられた箱状物から離間された後に、前記把持されていない前記箱状物の二辺の下に、前記箱状物側に爪が屈曲した一対のL字型支持部が挿入され、目的場所でL字型支持部が引き出されることを特徴とする、請求項7または8いずれかに記載の箱状物取出装置。
【請求項10】
把持された1又は2以上の前記箱状物が他の積み重ねられた箱状物から離間される手段が、他の積み重ねられた箱状物を降下させる手段であることを特徴とする、請求項7から9いずれかに記載の箱状物取出装置。
【請求項11】
少なくとも、
直線状の一定区間を駆動されて往復する搬送シャトルと、
前記搬送シャトルに備えられ箱状物を載置する搬送台と、
前記搬送シャトルに備えられ前記搬送台を昇降させる手段と、
前記搬送シャトルに備えられ前記搬送シャトルを移動させる駆動源と、
前記一定区間内にあって基部の上部に固設され前記搬送シャトルが通過し得る間隙を有する少なくとも1つの箱状物用の載置台と、
を有することを特徴とするシャトル型搬送ライン。
【請求項12】
前記搬送シャトルの前記駆動源が、
片面に歯を有し反対面が略平滑である柔軟なベルトを、前記搬送シャトルに固定したモータ部のシャフトに固設した歯車と、前記搬送シャトルに取り付けたローラとで挟み、
前記ベルトは長尺状であって両端を基台に固定されていることを特徴とする、請求項11記載のシャトル型搬送ライン。
【請求項13】
天井板と底板とを有する箱状物を収納するための棚段において、
多数の棚部を平面円弧状及び高さ方向に多段に配した棚段であって、
円弧内側の太さが小さい柱と円弧外側の太さが大きい柱と、
前記各柱が前記箱状物の底縁部を載置するための複数の水平方向突起を有し、
前記天井板と前記底板間、及び、各柱間に連続した空間が存在していることを特徴とする棚段。
【請求項14】
前記各柱の断面が円形であって、
前記突起が円形の鍔であることを特徴とする請求項13の棚段。
【請求項15】
前記各柱が、同じ柱の2つの突起間において、
各前記柱の前記箱状物に面する側の太さが、上部突起から途中部まで同じ太さで、前記途中部から下に突起の上面まで徐々に大きくなっていることを特徴とする請求項13又は14いずれかの棚段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−177817(P2006−177817A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−372252(P2004−372252)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(591213232)ローツェ株式会社 (33)
【出願人】(302033126)アイ・エス・テクノロジー株式会社 (10)
【Fターム(参考)】