説明

簡易音量変更装置付き車

【課題】従来、自動車のマフラー部分は車の騒音を消音し、また排気ガスを軽減することを主たる目的として発展してきた。しかし近年、自動車の魅力の一つとして、排気音そのものの魅力がクローズアップされ、注目されている。マフラー部分は実用的な面で発達すると同時に、純粋に音を発する楽器としても大いに発達し続けている。それをキャビン内の運転手その他が聞くのは、旧態依然とした方法、即ち温和しく閉じられたキャビン内で小さくなった音を聞くか、思い切って窓等をあけて大きな音をそのまま聞くか、といった方法しかなかった。
【解決手段】マフラー部分3の排気音10を防ぐボディの底部の防音部分を、当該防音部分を上下に2分割し、上下何れかを任意に任意の量だけ、縦か横に滑らせるか、巻き取る機能を持つことを特徴とする、マフラー部分3を持つ乗り物「簡易音量変更装置付き車」である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許出願2001−125061及び、特許出願2003−144174の改良版として、従来の自動車のマフラーが、車の騒音を消音化し、又排気ガスを軽減化することを主たる目的としてきたのに対し、マフラーカッターの部分から音を取ることだけを目的とした、第2のマフラー(特許出願2001−125061)や、集音マイク(特許出願2003−144174)を設け、音だけをキャビンに導こうとする諸案から、さらに為し易いよう、より簡単、安価な仕組みを以て、先述の諸案と同じくマフラーカッターの部分から音を、好きな時に好きなだけ取ることだけを目的とした、車体防音技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のマフラーは車の騒音を消音化し、また排気ガスを軽減化することを主たる目的として発展してきた。
しかし近年、自動車の魅力の一つとして、排気音そのものの魅力がクローズアップされ、注目されている。
マフラーは実用的な面で発達すると同時に、純粋に音を発する楽器としても大いに発達し続けている。
ただ、それをキャビン内の運転手その他が聞くのは、旧態依然とした方法、即ち温和しく閉じられたキャビン内で小さくなった音を聞くか、思い切って窓等をあけて大きな音をそのまま聞くか、といった方法しかないのが、現状である。
【特許文献1】特許出願2001−125061
【特許文献2】特許出願2003−144174
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
自動車の魅力の一つは、車外から閉じられたキャビンの雰囲気であり、オープンカーという、いわば例外はもちろん認めるにしても、やはり、屋根を閉じている時間が圧倒的に長いのである。
車外から完全に閉じられたキャビンの雰囲気を楽しみながら、その排気音はより強力なものをのぞむという、2律背反的な要求が、ここ数年来の、合法非合法を問わず、
より過激な改造マフラーとなってあらわれてきている。
これは排気音に興味がなく、静かなモータリゼーションを望む多くの車外の人々にとっても、あくまで合法的な、そして刺激的な快音を望むキャビン内の人々にとっても、一つの欠点であると云えよう。
この課題、問題意識を以て、特許出願2001−125061乃至は特許出願2003−144174が為された訳であるが、本発明ではそれに加えて、さらに簡単、容易にこの欠点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
マフラー部分(3)の排気音(10)を防ぐボディの底部の防音部分を、当該防音部分を上下に分割し、上下何れかを任意に任意の量だけ、縦か横に滑らせるか、巻き取る機能を持つことを特徴とする、マフラー部分(3)を持つ乗り物。
【0005】
請求項1で述べた防音部分の上下に分割された部分の何れかにおいて、縦か横に滑らせるか、巻き取る分の厚みに関する部分を、車体低部から凹凸の何れかの形状を持たせておくことを特徴とする、マフラー部分(3)を持つ乗り物。
【0006】
請求項1で述べた防音部分の上下に分割された部分の何れかにおいて、スピーカーのコーンの形、形態をとって、ボデイ下部にスピーカーの発音平面を備える形にすることを特徴とする、マフラー部分(3)を持つ乗り物。
【0007】
請求項1で述べた防音部分の上下に分割された部分の何れかにおいて、スピーカーのコーンの形、形態をとって、ボデイ下部にスピーカーそのもの、全てを備える形、即ちボデイ下部にマフラー部分を使い、防音部分(9)の上か下部を上低、マフラー部分を下低とする箱を作って、そこにスピーカーそのもの、全てを備える形にすることを特徴とする、マフラー部分(3)を持つ乗り物。
本発明は、以上の構成よりなる「簡易音量変更装置付き車」である。
【発明の効果】
【0008】
本件発明を取り入れた車等に乗ることによって、人は、歩行者や他の車には全く迷惑を掛けることなしに、何時でも好きなときに排気音(10)を楽しむことが出来るようになり、又何時でもその音(10)から開放され得る。
排気サウンド(10)は、かなり強い低周波の音を含むので、高周波の音を感じずに済むと云うマスキング、隠蔽効果もあるので、実施面での容易さ簡単さに焦点を絞った本件発明の存在意義がクローズアップされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
モノコックボディにせよフレームボディで有ろうとも、車等のボディは風、温度、光、音(10)、或は物的衝撃等、に耐えるべくほぼ全面にわたって備えられているが、その排気音(10)に関する部分を、即ち排気音(10)が室内、キャビンへ侵入することを防いでいる、防音壁としてのパーツ。
具体的には、車等の排気音(10)を発するマフラー部分(3)、即ちメインパイプ、メインマフラー(サイレンサー)、テールエンド(マフラーカッター)等の部品の上部にある、この場合、防音壁としてのパーツ。
そのパーツが全体から区別されて防音部分として有る場合は、その防音部分の何割りかを、区別されず只の壁としてある場合は、その壁、即ちこの場合防音壁を兼ねる壁の何割りかを任意にカットする技術。
即ち、防音部分か壁の何割りかをカットする技術は、その時々の室内、キャビンの運転手、乗客の気分、好みによって両者の割合を何割りにも変えることができる技術。
【0010】
車等の作成時に、例えば、車の底部のパーツのうち最も排気音(10)の室内、キャビンへの侵入を防いでいるパーツにあたる防音部分を、例えば厚さ10mmのスチール版を予定していた場合、厚さ5mmづづの2枚に分け、当該防音部分を5mmだけ上下何れかにずらした形で成型し、当該防音部分上下のいずれか1枚を、電動その他で縦か横に滑らすか、巻き取る形で、外には直接開かず風雨については安全なまま、ただ薄くなった状態、即ちこの場合5mm、となる可動式とする。
ここで、電動その他で縦か横に滑らすか、巻き取り易いよう、その分の厚みに関する部分において、車体低部から凹凸の何れかの形状を持たせる方法もある。
巻き取り式の場合、その材質は巻き取られ易いよう、柔軟性物質や、一部に切れ目をもつ物質などが考えられる。
【0011】
普段は10mmのスチール版によって、静に保たれていた室内、キャビン内への排気音(10)が防御壁5mmと軽減化された排気温を、何時でも味わえ、やめようと思えばすぐ止めることができる。
もちろん、10mm、5mmという厚みは仮定の数値であり、又、防音部分(9)上か下部の材質もそれぞれ別々、個々に、スチール版、アルミ版等の金属からプラスチック、発泡スチロール、或いはセロファン、紙等、耐えるべき騒音や、味わうべきサウンド(10)により自由自在に変更できる。
また、味わうその排気音(10)の度合いも、上又は下の板の動かす量の多少によって調節可能となる。
【0012】
一案として、スピーカーのコーンの形、形態をそのままとって、ボデイ下部にマフラー部分と密着する形でスピーカーの発音平面を持ってくる形、即ち防音部分(9)上か下部を上低、マフラー部分(3)を下低とする箱を作って、そこにスピーカーそのものを備える形にしてもよい。
即ち、防音部分(9)上か下部と、マフラー部分(3)との間に、音を運ぶことだけを目的とする、第2のマフラーを作るという案も可能である。
この第2のマフラーのマフラー部分(3)と繋がる部分は、完全に密封して、音以外のもの、例えば排気ガス、をシャットアウトしなければならないが、防音部分(9)上か下部と繋がる部分については、音質の問題として、即ちより良い音にするために、スピーカーの発音平面に小さな穴を空け、車内、キャビンと、そのもつ空気を共有しても良い。
【0013】
本件の発明は、結果的に車等の底の板の厚さを調節するという、一見簡単な仕組みになっているが、特許出願2001−125061の第2のマフラー案や、特許出願2003−144174の集音マイクの案、又その音(10)を人にとって心地よいサウンド(10)に変更する案など幾多の技術のなかから、実施面での容易さ簡単さ安価さに焦点を絞った結果の案である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】簡易音量変更装置(横滑り型)付き車の車両側面図
【図2】簡易音量変更装置(横滑り型)付き車の上方底面図
【図3】簡易音量変更装置(横滑り型)付き車の後方側面図
【図4】簡易音量変更装置(巻き取り型)付き車の後方図
【図5】簡易音量変更装置(上方移動型)付き車の後方図
【図6】簡易音量変更装置(上方移動型)付き車の上方底面図
【符号の説明】
【0015】
1 車 11 巻き取る際の切れ目
2 エンジン 12 巻き取り機
3 マフラー部分 13 ワイヤー
4 分割された防音部分の上部 14 ワイヤー巻き取り機
5 分割された防音部分の下部 15 モーター
6 分割された防音部分の動く向き 16 柱
7 分割された防音部分の上部か下部
8 分割された防音部分の下部か上部
9 車の防音部分
10 サウンド、音


【特許請求の範囲】
【請求項1】
マフラーの排気音を防ぐボディの底部の防音部分を、当該防音部分を上下に分割し、
上下何れかを任意に任意の量だけ、縦か横に滑らせるか、巻き取る機能を持つことを特徴とする、マフラー部分を持つ乗り物。
【請求項2】
請求項1で述べた防音部分の上下に分割された部分の何れかにおいて、縦か横に滑らせるか、巻き取る分の厚みに関する部分を、車体低部から凹凸の何れかの形状を持たせておくことを特徴とする、マフラー部分を持つ乗り物。
【請求項3】
請求項1で述べた防音部分の上下に分割された部分の何れかにおいて、スピーカーのコーンの形、形態をとって、ボデイ下部にスピーカーの発音平面を備える形にすることを特徴とする、マフラー部分を持つ乗り物。
【請求項4】
請求項1で述べた防音部分の上下に分割された部分の何れかにおいて、スピーカーのコーンの形、形態をとって、ボデイ下部にスピーカーそのもの、全てを備える形、即ちボデイ下部にマフラー部分を使い、防音部分の上か下部を上低、マフラー部分を下低とする箱を作って、そこにスピーカーそのもの、全てを備える形にすることを特徴とする、マフラー部分を持つ乗り物。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−80857(P2008−80857A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−260446(P2006−260446)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】(596115894)
【Fターム(参考)】