説明

粉体搬送ポンプユニット、粉体搬送装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置

【課題】粉体の搬送において高い精度で搬送することができる粉体搬送ポンプユニットを提供する。
【解決手段】一軸偏心スクリュから構成されたロータ601とロータ601を内挿しかつ内側面に螺旋溝が形成された筒形のステータ602とから構成されるモーノポンプを有する粉体搬送ポンプユニットにおいて、ステータ602の両端部近傍の側面が、ロータ601の回転軸と垂直な方向から前記粉体搬送ポンプユニットに保持されている粉体搬送ポンプユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置のトナーとして応用可能な、搬送粉体を搬送先に搬送する粉体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特開2001-175064号公報(特許文献1)などにより粉体ポンプ(モーノポンプ)を用いて粉体収容部内を、トナーを搬送する粉体搬送装置に用いた画像形成装置が知られている。
【0003】
このタイプの粉体搬送装置は、一軸偏心スクリュから構成されたロータと、両底面を貫通し該ロータが同軸に外挿されかつ内部で粉体が搬送される螺旋貫通孔を有する円筒形のステータと、から構成されている。
【0004】
そして、ステータの回転を抑制するために、装置にステータを保持する保持手段をステータの底面に有している。
【0005】
近年の画像形成装置の小型化に伴い、現像装置においてもコンパクト化が要求され、それに対応する現像装置では、内部の現像剤容器の容量も少なくなっている。
【0006】
特に二成分現像の場合は、トナーとキャリアとの濃度の比率が作像される画像の濃度や画像内の画像濃度偏差に大きく影響するために、必然的にキャリアに対してトナーを供給するトナー搬送の精度が非常に高いレベルで要求されている。
【0007】
しかしながら、粉体ポンプを用いた粉体搬送装置で、粉体ポンプの駆動時間を制御するだけでは、充分な精度でのトナー搬送量の制御ができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、粉体の搬送において高い精度で搬送することができる粉体搬送ポンプユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等はこのようなモーノポンプを備えた粉体搬送装置において種々調査検討を行ったところ、以下の理由によりトナー搬送量を高い精度で制御することができないことが明らかになってきた。
【0010】
すなわち、粉体ポンプ可動中に発生する圧力(粉体を駆動する力となる)にばらつきがあり、このばらつきによって粉体搬送量にもばらつきが生じる。このばらつきは、粉体ポンプが粉体を気体との混合気として搬送されるが、このとき、回転するロータによりステータの螺旋貫通孔の側面は貫通孔軸に垂直な方向に負荷がかかり、従来技術では、ステータの保持が不充分であるために、ステータの螺旋貫通孔の軸がロータの軸に対して偏心し、結果として粉体の搬送量の精度が低下することを見出した。
【0011】
すなわち、本発明の粉体搬送ポンプユニットは、上記課題を解決するために、請求項1に記載の通り、一軸偏心スクリュから構成されたロータと前記ロータを内挿しかつ内側面に螺旋溝が形成された筒形のステータとから構成されるモーノポンプを有する粉体搬送ポンプユニットにおいて、前記ステータの両端部近傍の側面が、前記ロータの回転軸と垂直な方向から前記粉体搬送ポンプユニットに保持されていることを特徴とする粉体搬送ポンプユニットである。
【0012】
また、本発明の粉体搬送ポンプユニットは請求項2に記載の通り、請求項1に記載の粉体搬送ポンプユニットにおいて、前記ステータが、前記ロータの軸方向両端の外側面にそれぞれ拡径されて構成された鍔部を有することを特徴とする粉体搬送ポンプユニットである。
【0013】
また、本発明の粉体搬送ポンプユニットは請求項3に記載の通り、請求項1または請求項2に記載の粉体搬送ポンプユニットにおいて、前記ロータの軸が、前記ステータの両端近傍で保持されていることを特徴とすることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の粉体搬送ポンプユニットは請求項4に記載の通り、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の粉体搬送ポンプユニットにおいて、前記ステータが、該ステータの側面を包容するステータ収納部を介して前記粉体搬送ポンプユニットに固定されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の粉体搬送装置は請求項5に記載の通り、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の粉体搬送ポンプユニットを有することを特徴とする粉体搬送装置である。
【0016】
本発明のプロセスカートリッジは請求項6に記載の通り、請求項5に記載の粉体搬送装置を有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0017】
本発明の画像形成装置は請求項7に記載の通り、請求項6に記載のプロセスカートリッジを有する画像形成装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の粉体搬送ポンプユニットは、ステータの両端部近傍の側面が、前記ロータの回転軸と垂直な方向から粉体搬送ポンプユニットに保持されているために、ステータが、その螺旋貫通孔のルータに対する偏心が効果的に防止されており、粉体搬送量の精度が高い。
【0019】
また、請求項2に記載の粉体搬送ポンプユニットによれば、前記ステータが、前記ロータの軸方向両端の外側面にそれぞれ拡径されて構成された鍔部を有するために、ステータの回転が抑制される。
【0020】
また、請求項3に記載の粉体搬送ポンプユニットによれば、前記ロータが、前記ステータの両端近傍で保持されているために、ロータの螺旋貫通孔に対する偏心が効果的に防止されており、粉体搬送量の精度がより高くなる。
【0021】
また、請求項4に記載の粉体搬送ポンプユニットによれば、前記ステータが、該ステータの側面を包容するステータ収納部を介して前記粉体搬送ポンプユニットに固定されているために、ステータ全体においてロータの螺旋貫通孔に対する偏心が効果的に防止されており、粉体搬送量の精度がさらに高くなる。
【0022】
また、請求項5に記載の粉体搬送装置によれば、前記粉体搬送ポンプユニットを有しているために、粉体搬送量の精度が高い。
【0023】
本発明のプロセスカートリッジは上記粉体搬送装置を備えているためにトナー供給量が安定しているために、小型化しても充分に安定したが造形性が可能となる。
【0024】
本発明の画像形成装置は上記プロセスカートリッジを備えているためにトナー供給量が安定しているために、小型化しても充分に安定した画像形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態に係るプリンタ100の概略構成図である。
【図2】画像形成部1の概略構成を示す拡大図である。
【図3】粉体搬送装置としてのトナー補給装置200を示す概略図である。
【図4】画像形成装置におけるトナー補給装置200を示す概略図である。
【図5】本発明の一実施の形態である粉体搬送装置の構成を示すモデル断面図である。
【図6】ステータ602の筒部の軸に垂直な面(鍔部を含む)でのモデル断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本実施形態に係るプリンタ100の概略構成図である。
【0027】
プリンタ100は、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の各色の画像を形成するための4組の画像形成部1M,1C,1Y,1Bk(以下、各符号の添字M,C,Y,Bkは、それぞれマゼンタ、シアン、イエロー、ブラック用の部材であることを示す)を備えている。
【0028】
この画像形成部1M,1C,1Y,1Bkは、それぞれ、潜像担持体としてのドラム状の感光体11M,11C,11Y,11Bkを有する感光体ユニットと、現像装置とを備えている。
【0029】
また、各画像形成部1M,1C,1Y,1Bkの配置は、各感光体ユニット内の感光体11M,11C,11Y,11Bkの回転軸が平行になるように且つ転写紙移動方向に所定のピッチで配列するように、設定されている。
【0030】
また、プリンタ100は、画像形成部1M,1C,1Y,1Bkのほか、光書込ユニット2、給紙カセット3,4、各感光体11M,11C,11Y,11Bkに対向する転写部に向けて転写紙Pを搬送する転写ベルト90を有する転写ユニット6、転写ベルト90に転写紙Pを供給する一対のローラからなるレジストローラ5、ベルト定着方式の定着ユニット7、排紙トレイ8、反転ユニット9等を備えている。
【0031】
さらに、プリンタ100は、図示していない手差しトレイ、粉体搬送容器、廃トナーボトル、電源ユニットなども備えている。
【0032】
光書込ユニット2は、光源、ポリゴンミラー、f‐θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体11M,11C,11Y,11Bkの表面にレーザ光を走査しながら照射する。
【0033】
また、図1中の一点鎖線は、転写紙Pの搬送経路を示している。
【0034】
給紙カセット3,4から給送された転写紙Pは、図示しない搬送ガイドによってガイドされながら搬送ローラで搬送され、レジストローラ5が設けられている一時停止位置に送られる。
【0035】
転写紙Pは、レジストローラ5により所定のタイミングで転写ベルト90に供給され、各感光体11M,11C,11Y,11Bkに対向する各転写部を通過するように搬送される。
【0036】
このような搬送により、各画像形成部1M,1C,1Y,1Bkによって形成された感光体11M,11C,11Y,11Bk上のトナー像が、転写紙上に順次重ね合わされて転写され、転写紙上にカラー画像が形成される。
【0037】
このカラー画像が形成された転写紙Pは、定着ユニット7でトナー像が定着された後、排紙トレイ8上に排出される。
【0038】
画像形成部1M,1C,1Y,1Bkは、すべて同様の構成となっており、図2は、画像形成部1の概略構成を示す拡大図である。
【0039】
図2に示すように、画像形成部1は、上述したように、感光体ユニット10及び現像装置20を備えている。
【0040】
感光体ユニット10は、感光体11のほか、その感光体表面をクリーニングする揺動可能なクリーニングブレード13、感光体11表面を一様帯電する非接触型の帯電ローラ15等を備えている。
【0041】
クリーニングブレード13は、感光体11の表面移動方向に対してカウンタ方向に当接している。
【0042】
また、感光体11表面に潤滑剤を塗布するとともに、感光体表面を除電する機能を有する潤滑剤塗布兼除電ブラシローラ12も備えている。
【0043】
この潤滑剤塗布兼除電ブラシローラ12は、ブラシ部が導電性繊維で構成され、その芯金部には除電バイアスを印加するための図示しない除電用電源が接続されている。
【0044】
各感光体ユニット10M,10C,10Y,10Bkはプロセスカートリッジユニットとして、各々のストッパーを解除することにより交換できる構成となっている。
【0045】
感光体ユニット10において、感光体11の表面は、電圧が印加された帯電ローラ15により一様帯電される。
【0046】
この感光体11の表面に光書込ユニット2で変調及び偏向されたレーザ光が走査されながら照射されると、感光体11の表面に静電潜像が形成される。
この感光体11上の静電潜像は、現像装置20で現像されてマゼンタのトナー像となる。
【0047】
転写ベルト90上の転写紙Pが通過する転写部Ptでは、感光体11上のトナー像が転写紙Pに転写される。
【0048】
トナー像が転写された後の感光体11の表面は、潤滑剤塗布兼除電ブラシローラ12で所定量の潤滑剤が塗布されるとともに除電された後、感光体クリーニング手段としてのクリーニングブレード13でクリーニングされ、次の静電潜像の形成に備えられる。
【0049】
また、潤滑剤塗布兼除電ブラシローラ12は、感光体11と逆方向に回転し、クリーニングブレード13と併せて感光体11上の転写残トナーを回収して、廃トナー搬送コイル14側へと送っている。
【0050】
廃トナー搬送コイル14へと送られた転写残トナーは、廃トナー排出口まで搬送されて不図示の廃トナーボトルにより回収される。
【0051】
帯電ローラ15としては非接触の帯電ローラ15について説明したが、これに限るものではなく、接触型の帯電ローラを用いてもよい。この場合、帯電ローラ15は感光体11とは逆方向に回転し、感光体11表面への均一な帯電を行っている。
また、帯電ローラ15にはその表面をクリーニングする帯電ローラクリーニング部材を設けても良い。これにより、トナー等の汚れが帯電ローラ15に付着しても、クリーニングすることにより良好な帯電が行うことができる。
【0052】
現像装置20は、静電潜像を現像するための現像剤として、磁性キャリア及び負帯電のトナーを含む二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という)28を使用している。また、この現像装置20は、現像ケース21の感光体側の開口から一部露出するように配設された現像剤担持体としての非磁性材質からなる現像スリーブ22や、現像スリーブ22の内部に固定配置された磁界発生手段としてマグネットローラ(不図示)、撹拌搬送部材としての撹拌搬送スクリュ23,24、現像ドクタ25、検知手段としてのトナー濃度センサとしての現像剤28の透磁率を検知する透磁率センサ26、粉体搬送手段としてのトナー補給装置200等を備えている。
【0053】
現像スリーブ22には現像電界形成手段としての図示を省略した現像バイアス電源により負の直流電圧DC(直流成分)に交流電圧AC(交流成分)が重畳された現像バイアス電圧が印加され、現像スリーブ22が感光体11の金属基体層に対して所定電圧にバイアスされている。
【0054】
図2において、現像ケース21内に収容された現像剤28が撹拌搬送スクリュ23,24で撹拌搬送されることによりトナーが摩擦帯電される。
【0055】
そして、第1撹拌搬送路30A内の現像剤28の一部が現像スリーブ22の表面に担持され、現像ドクタ25で層厚が規制された後、感光体11と対向する現像領域に搬送される。
【0056】
現像領域では、現像スリーブ22上の現像剤中のトナーが現像電界によって感光体11上の静電潜像に付着し、トナー像となる。
【0057】
その後、現像領域を通過した現像剤は、現像スリーブ22上の現像剤離れ極位置で現像スリーブ22から離れ、第1撹拌搬送路30Aに戻る。
【0058】
第1撹拌搬送路30Aをその下流端まで搬送された現像剤28は、第2撹拌搬送路30Bの上流端へ移動し、第2撹拌搬送路30B内で粉体搬送を受ける。
【0059】
その後、第2撹拌搬送路30Bをその下流端まで搬送された現像剤28は、第1撹拌搬送路30Bの上流端へ移動する。第2撹拌搬送路30Bの底部を構成する現像ケース部分には、透磁率センサ26が設置されている。
【0060】
現像ケース21内の現像剤28のトナー濃度は画像形成に伴うトナー消費により低下するので、透磁率センサ26の出力値に基づいて、粉体搬送装置であるモーノポンプを備えるポンプユニット(粉体搬送装置)600(図3参照)によりトナーが補給される。
【0061】
このような構成により、現像剤28のトナー濃度制御が行われ、トナー濃度がほぼ一定に保たれる。
【0062】
また、図1に示すように4つの画像形成部1M,1C,1Y,1Bkは、用紙搬送順に右下から、M、C、Y、Bkの順に配置されている。なお、各感光体ユニット10は各色により非互換となっており色間の入れ替えはできない構成になっている。
【0063】
これら4つの感光体11M,11C,11Y,11Bkのうち、最下流側にあるブラック用の感光体11Bkのみ転写ベルト90に常に接触している転写ニップ常接状態であり、残りの感光体11M,11C,11Yは転写ベルトに対して接離可能となっている。
【0064】
転写ユニット6も感光体ユニット10と同様に斜め方向にレイアウトされており、用紙を右下から搬送しながら、感光体11上の画像を転写紙Pに転写している。
【0065】
また、転写ユニット6は解除レバーを倒すことにより、手前に引き出すことが出来る構成になっている。転写ユニット6交換時など、転写ユニット6を脱着するときには、ストッパーを解除して各感光体ユニット10及び転写ユニット6を手前に引き出せる構成になっている。
【0066】
次に、プリンタ100の画像形成動作について説明する。
【0067】
転写紙P上にカラー画像を形成する場合、4つの感光体11M,11C,11Y,11Bkは、それぞれ転写ベルト90に当接する。
【0068】
静電吸着ローラ91にて、転写紙Pに対してトナーの極性と同極性の電荷を付与し、転写ベルト90に転写紙Pを吸着させる。これにより、転写紙Pのチャージアップによるトナー像の転写不良を解消することができるようになる。
【0069】
転写紙Pは、転写ベルト90に吸着されたまま搬送され、各感光体11M、11C,11Y,11Bk上に形成されたマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色トナー像が順に互いに重なり合うように転写される。そして、転写紙P上に重ねて転写されたトナー像は、定着ユニット7により定着され、転写紙P上にフルカラー画像が形成される。
【0070】
一方、転写紙P上に、例えばブラックの単色画像を形成する場合、図1において、各カラー用の感光体11Y,11C,11Mを転写ベルト90から離間させ、ブラックトナーによるトナー像が形成されるブラック用の感光体11Bkのみを転写ベルト90に当接させるようにする。そして、転写紙Pは、ブラック用の感光体11Bkの転写ニップに搬送されて、ブラックのトナー像が転写された後、定着ユニット7により定着され、転写紙上にブラック単色の画像が形成される。
【0071】
図4は粉体としてのトナーを備えた粉体収容部であるトナーカートリッジ27から現像装置20にトナーを搬送し、補給する粉体搬送装置としてのトナー補給装置200を示す概略図である。
【0072】
カラー画像を形成する画像形成装置であるプリンタ100は、4組の画像形成部1M,1C,1Y,1Bkに対して、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのトナーをそれぞれ補給する4つのポンプユニット600を備えている。
【0073】
ポンプユニット600は、トナーカートリッジ27内の補給用トナーを粉体搬送口67へ搬送する手段として、粉体搬送装置であるモーノポンプ及び粉体搬送路としての柔軟性のある搬送チューブ614を備えている。
【0074】
また、トナーカートリッジ27を固定し、トナーカートリッジ27の排出口と搬送チューブ65とを連通させる搬送用ノズル80を備えている。また、搬送用ノズル80の一部に不図示の光学センサを組み込み、トナーのニアエンド検知を行っている。
【0075】
プリンタ100では、感光体ユニット10をプロセスカートリッジとして、プリンタ100本体から着脱可能となっている。プリンタ100に対して着脱可能な構成としては、これに限るものではなく、少なくとも感光体11、現像装置20、及びポンプユニット600とを一体的に備えたプロセスカートリッジであっても良い。
【0076】
また、ポンプユニット600がプリンタ100本体に対して着脱可能な構成として、ポンプユニット600と現像装置20とを一体的に支持するユニットをプリンタ100に対して着脱可能としてもよい。また、プリンタ100では、粉体搬送装置がトナーを搬送するポンプユニット600であったが、現像剤を搬送する現像剤搬送装置として粉体ポンプを備えた粉体搬送装置を用いてもよい。
【0077】
図5は本発明の一実施の形態である粉体搬送装置の構成を示す断面図である。ポンプユニット600に組み込まれるステータ602は、外側面の両端が拡径されて構成される鍔部を有した円筒形であり、上記ステータ602の内部には一軸偏心スクリュから構成されたロータ601が同軸に挿入(内挿)されている。
【0078】
上記のようにステータ602が鍔部を有した筒型であることによりステータ602の回転を抑制することができる。
【0079】
このステータ602の内側面603Aには複数のピッチからなる螺旋溝604が設けられており、上記2つの鍔部は、ステータ602の両端面605の一方の端面605aと他方の端面605bとに設けられた2つの被保持手段606となる。
【0080】
上記ステータ602を構成する材質としては、例えばニトリルブタジエンゴム(NBR)やエチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムなどが挙げられる。
【0081】
上記ステータ602を有するポンプユニット600は、粉体たとえばトナーを搬送するためのステータ602と、該ステータ602の上記空洞部603の内測面603Aに設けられた複数ピッチからなる上記螺旋溝604と嵌合しかつ回転可能に挿入(内挿)された一軸偏心スクリュからなるロータ601と、上記ロータ601を回転駆動して粉体を搬送させる駆動装置611と、上記ステータ602の位置決め被保持手段(鍔部)606を保持する保持手段607と、トナー搬送チューブ614に接続され図示されていないトナーカートリッジからトナーを供給するためのトナー搬送口を有する入側ケース612と、入側ケース612のトナー搬送方向下流の、ステータ602を包み込むように収容(包容)するポンプ側ケース608と、ポンプ側ケース608のトナー搬送方向下流の出側ケース609と、ポンプ側ケース608を包み込むように収容(包容)しかつ上記入側ケース612、ポンプ側ケース608、及び、出側ケース609とを連結させるケース615と、から構成される。
【0082】
トナー搬送チューブ614は、たとえば直径4〜10mmのフレキシブルなチューブで耐トナー性に優れたゴム材料(例えば、ポリウレタン、ニトル、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、シリコーン等)から形成されているものを用いることによりフレキシブルなチューブになるために極めて有効であり、これらから形成されるフレキシブルなチューブは上下左右の任意の方向へ配管が容易に行える。
【0083】
上記駆動手段611は、上記ロータ601に連結され、これを回転駆動させて入側ケース612内の粉体のトナー(T)を、図示した矢印A方向に搬送するものであり、上記出側ケース609内に収容された軸受け613aと軸受け613b、及び、入側ケース612に収容された軸受け613cの3つの軸受けで支持されたシャフト613eにより、駆動装置611からの回転動力を接続又は断絶するクラッチ613fを介して、ロータ601に回転力が付与される。
【0084】
このようにロータの軸が、前記ステータの両端近傍で保持されていることにより、ロータ自身の偏芯を効果的に防止できるので、安定して粉体を搬送することができる。
【0085】
図6は、ステータ602の筒部の軸に垂直な面(鍔部を含む)での断面図である。上記ステータ602の上部と下部とにはボス602aが拡径部である鍔部の上下に設けられ、ポンプ側ケース608(その円筒形状の軸を含む面で分割されたポンプ側ケースピース608aと608bとから構成される)のステータ602側の面に設けられた位置決め溝608cと嵌合して、ステータ602自身の回転と偏心とを抑制する。図6の構成はステータ602の両端の鍔部にそれぞれ設けられている。このように本発明に係るこのポンプユニットは、ステータの両端部近傍の拡径部である鍔部において、ステータがロータの回転軸と垂直な方向から(この例では断面がリング状のポンプ側ケース608により、ロータの回転軸と垂直な全方向から)粉体搬送ポンプユニット自体に効果的に保持されているので、トナー搬送量のばらつきを抑えることが可能となり、画像形成装置に応用したときに、高品質の画像が形成される画像形成装置を提供することができる。
【0086】
なお、図5に示した例ではステータ602が、ステータ602の側面を包容するステータ収納部であるポンプ側ケース608を介して粉体搬送ポンプユニットに固定されているために、ステータ全体においてロータの螺旋貫通孔に対する偏心が効果的に防止されており、粉体搬送量の精度がさらに高められている。
【符号の説明】
【0087】
600 ポンプユニット
601 ロータ
602 ステータ
608 ポンプ側ケース
609 出側ケース
612 入側ケース
613 軸受け
614 トナー搬送チューブ
615 ケース
【先行技術文献】
【特許文献】
【0088】
【特許文献1】特開2001-175064号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一軸偏心スクリュから構成されたロータと前記ロータを内挿しかつ内側面に螺旋溝が形成された筒形のステータとから構成されるモーノポンプを有する粉体搬送ポンプユニットにおいて、
前記ステータの両端部近傍の側面が、前記ロータの回転軸と垂直な方向から前記粉体搬送ポンプユニットに保持されていることを特徴とする粉体搬送ポンプユニット。
【請求項2】
前記ステータが、前記ロータの軸方向両端の外側面にそれぞれ拡径されて構成された鍔部を有することを特徴とする請求項1に記載の粉体搬送ポンプユニット。
【請求項3】
前記ロータの軸が、前記ステータの両端近傍で保持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の粉体搬送ポンプユニット。
【請求項4】
前記ステータが、該ステータの側面を包容するステータ収納部を介して前記粉体搬送ポンプユニットに固定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の粉体搬送ポンプユニット。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の粉体搬送ポンプユニz3ットを有することを特徴とする粉体搬送装置。
【請求項6】
請求項5に記載の粉体搬送装置を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項7】
請求項6に記載のプロセスカートリッジを有する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−166916(P2012−166916A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30040(P2011−30040)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】