説明

粉末金属または圧縮成形技術を用いる二次加工に好適な耐熱樹脂のブレンド

本発明は、少なくとも2つのドライブレンドされた非溶融加工性樹脂微粒子を含む樹脂ブレンドであって、該少なくとも2つのドライブレンドされた非溶融加工性樹脂微粒子は圧縮成形によって成形される樹脂ブレンドに関する。本発明はまた、少なくとも2つの非溶融加工性樹脂微粒子をドライブレンディングによって混合する工程と、該混合物を圧縮成形によって成形する工程とを含む樹脂ブレンドの製造方法にも関する。本発明の別の態様は、少なくとも2つのブレンドされた非溶融加工性ポリイミド樹脂微粒子を含む樹脂ブレンドであって、該少なくとも2つのブレンドされた非溶融加工性樹脂微粒子は圧縮成形によって成形される樹脂ブレンドである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末金属または圧縮成形技術を用いて成形可能である、ドライブレンドされた微粒子耐熱ポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
耐熱樹脂は、機械部品および機械構成部品の製造で金属をますます代替しつつある。その結果として、機械部品および機械構成部品の生産および代替コストのかなりの低減が実現されてきた。機械部品および機械構成部品の金属を代替するために、耐熱樹脂は、機械的摩耗、表面応力、および極度の温度条件に対する高い耐性を有するべきである。さらに、耐熱樹脂の性能特性は、代替されつつある金属のそれと同等であるかまたはそれを超えるべきである。
【0003】
ポリイミドは、それらの機械的強度、寸法安定性、熱安定性、化学安定性、難燃性、および誘電性のために特に好ましい耐熱樹脂である。1965年4月20日にエドワーズ(Edwards)に付与された米国特許公報(特許文献1)に記載されたもののようなポリイミドは、多種多様な商業用途で使用することができる。応力下および高温でのこれらのポリマーの優れた性能特性は、ブッシング、シール、電気絶縁体、圧縮機翼および羽根車、ピストンおよびピストンリング、ギア、スレッドガイド、カム、ブレーキライニング、ならびにクラッチフェイスの形でそれらを有用にした。
【0004】
個々の樹脂ポリマーを超えてブレンドの物理的特性を改善するための樹脂ポリマーのブレンディングは当該技術では周知である。樹脂ポリマーの加工で用いられる公知技法には、ドライブレンディング、直接圧縮、ウェット顆粒化、溶融混合、溶液からの共沈澱、および冷凍粒子の噴霧凍結が含まれる。樹脂のドライブレンディングは、残留水分の一因となるかもしれない溶媒および他の液体が存在しないために有利である。ドライブレンディングはまた、他の混合方法と比較してその簡単さのために有利である。
【0005】
吸収された水分は、例えば吸湿膨張による成形品の寸法安定性、引張強度のような機械的性質、電気的性質、および加水分解安定性に負の影響を及ぼし得るので、成形品が低い吸湿量を有することは重要である。従って、物品の特性のいかなるものも変えることなく成形品の吸湿量を下げることが望ましい。
【0006】
1989年4月11日にポリキャストロ(Policastro)らに付与された米国特許公報(特許文献2)は、少なくとも190℃のガラス転移温度のポリエーテルイミド−シリコーン共重合体ブレンドを開示している。
【0007】
1991年1月22日にオータ(Ohta)らに付与された米国特許公報(特許文献3)は、射出成形、圧縮成形、トラスファー成形、および押出成形のような様々な成形用途に使用することができる溶融加工性ポリイミド−芳香族ポリアミドイミド・ブレンドを開示している。
【0008】
1993年1月12日にジョージ(George)に付与された米国特許公報(特許文献4)は、グラファイト・フィラーおよびポリテトラフルオロエチレン・フィラーを含有するポリイミド組成物を開示している。
【0009】
従って、本発明の一態様は、ドライブレンドされた樹脂微粒子を含む成形品の吸湿量がブレンドの個々の成分の吸湿量に基づいて予想されるレベルより低いドライブレンドされた樹脂微粒子を提供することである。本発明の別の態様は、これらのドライブレンドされた樹脂微粒子が圧縮成形に好適であることである。
【0010】
【特許文献1】米国特許第3,179,614号明細書
【特許文献2】米国特許第4,820,781号明細書
【特許文献3】米国特許第4,987,197号明細書
【特許文献4】米国特許第5,179,153号明細書
【特許文献5】米国特許第4,360,626号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、少なくとも2つのドライブレンドされた非溶融加工性樹脂微粒子を含む樹脂ブレンドであって、該少なくとも2つのドライブレンドされた樹脂微粒子が圧縮成形によって成形される樹脂ブレンドを提供することである。本発明の別の態様は、該樹脂ブレンドを含む圧縮成形品である。本発明の別の態様は、少なくとも2つの非溶融加工性樹脂微粒子をドライブレンディングによって混合する工程と、該混合物を圧縮成形によって成形する工程とを含む圧縮成形品の製造方法を提供することである。本発明の別の態様は、少なくとも2つのブレンドされた非溶融加工性ポリイミド樹脂微粒子を含む樹脂ブレンドであって、該少なくとも2つのブレンドされた非溶融加工性ポリイミド樹脂微粒子が圧縮成形によって成形される樹脂ブレンドである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
出願者らは、本開示のすべての引用される参考文献の全内容を明確に援用する。数値の範囲が本明細書で列挙される場合、特に明記しない限り、その範囲はその終点、ならびに範囲内のすべての整数および小数部を含むことを意図される。本発明の適用範囲が範囲を明確にする時に列挙された具体的な値に限定されることは意図されない。
【0013】
本開示との関連で、多数の用語が用いられるものとする。
【0014】
用語「圧縮成形」は、本明細書で用いるところでは、それによってポリマーが溶融しない加熱および加圧の両方によってポリマーまたはポリマー混合物から部品を製造するための方法を意味する。加熱および加圧は同時または順次的であることができる。圧縮成形の方法には、直接成形および焼結、静水圧成形、ならびに当業者に公知の他の方法が含まれる。
【0015】
用語「ドライブレンディング」は、本明細書で用いるところでは、個々の粒子の完全性を維持しながら、かつ、処理に役立つための溶媒のような追加材料の恩恵を受けずに2つ以上の微粒樹脂が十分に混合される方法を意味する。「ドライブレンド」は従ってドライブレンディング法の得られた混合物である。
【0016】
用語「樹脂微粒子」は、本明細書で用いるところでは、場合によりカプセル化フィラーを含む、約5μm〜約500μmの平均粒度のポリマーを意味する。好ましくは、樹脂微粒子は約20μm〜約400μmの平均粒度を有する。より好ましくは、樹脂微粒子は約30μm〜約300μmの平均粒度を有する。平均粒度は、コールター・マルチサイザー(Coulter Multisizer)を用いる水性スラリーのような方法によって測定することができる。
【0017】
用語「吸湿量」は、室温で2週間の水への浸漬後に引張試験片によって吸収された水の重量パーセントを意味する。従って、樹脂ブレンドについての「予想吸湿量」は、ブレンドを調製するために使用される個々のベース樹脂のそれぞれから調製された2つ以上の引張試験片の吸湿量の加重平均を計算することから予想される重量増加の量である。
【0018】
本発明は、少なくとも2つのドライブレンドされた非溶融加工性樹脂微粒子を含む樹脂ブレンドであって、該少なくとも2つのドライブレンドされた樹脂微粒子が圧縮成形によって成形される樹脂ブレンドに関する。本発明の別の態様は、該樹脂ブレンドを含む圧縮成形品である。
【0019】
非溶融加工性樹脂微粒子のドライブレンディング、引き続く圧縮成形は、個々の樹脂微粒子の吸湿量の加重平均から予想されるものと比較して樹脂ブレンドの減少した吸湿量をもたらすことが意外にも発見された。樹脂ブレンドを含む圧縮成形品における予想値より55%以下も下の吸湿量の改善が観察された。
【0020】
本発明での使用に好適な望ましい群のポリマーは、高温で優れた機械的性質を保持するものである。しかしながら、この群のポリマーはしばしば非常に高温で溶融するか、または溶融せずに分解する。さらに、溶融相でのそれらの粘度は極端に高い。それ故、これらのポリマーは加工しにくい、すなわち、非溶融加工性であると考えられる。従って、これらのポリマーの造形品への成形は、よくても高価につき、多くのケースで不可能である。
【0021】
例えば、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸とのナイロンは優れた耐温度性を示すが、それらの結晶溶融温度に達する前にそれらは分解するので、溶融−紡糸または成形することができない。同様に、ピロメリット酸無水物と芳香族ジアミンとのポリイミドのような多くの他の全芳香族ポリマーも溶融加工することができない。粉末加工および焼結技術がかかる加工しにくいポリマーを使用可能な物品へ加工するために用いられてきた。
【0022】
このように、本発明との関連で、「非溶融加工性の」は、認められる融点を有する樹脂微粒子のケースでは少なくとも400℃の融解転移温度(「T」)を有するか、認められる融点を持たないが少なくとも400℃以下の温度で安定であるかのどちらかである樹脂微粒子に関する。
【0023】
樹脂微粒子は、非溶融加工性であるベースポリマーに由来する。ベースポリマーは好ましくは有機ポリマーであり、より好ましくは重合反応で製造される合成ポリマーである。ベースポリマーは、例えば、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリアラミド、ポリアリーレン、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレンスルフィド、ポリイミドチオエーテル、ポリオキサミド、ポリイミン、ポリスルホンアミド、ポリスルホンイミド、ポリイミジン、ポリピラゾール、ポリイソオキサゾール、ポリチアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリオキサジアゾール、ポリトリアゾール、ポリトリアゾリン、ポリテトラゾール、ポリキノリン、ポリアントラゾリン、ポリピラジン、ポリキノキサリン、ポリキノキサロン、ポリキナゾロン、ポリトリアジン、ポリテトラジン、ポリチアゾン、ポリピロロン、ポリフェナントロリン、ポリカルボシラン、ポリシロキサン、ポリアミドイミド、またはそれらの共重合体もしくはブレンドであることができる。
【0024】
好ましくは、ドライブレンドされた樹脂微粒子の少なくとも1つはポリイミド樹脂微粒子である。より好ましくは、ドライブレンドされた樹脂微粒子の少なくとも2つはポリイミド樹脂微粒子である。さらにより好ましくは、ドライブレンドされた樹脂微粒子のすべてがポリイミド微粒樹脂である。
【0025】
樹脂微粒子の少なくとも2つがポリイミド樹脂微粒子である実施形態では、本発明は、圧縮成形によって成形される少なくとも2つのブレンドされた非溶融加工性ポリイミド微粒子を含む樹脂ブレンドを提供する。これらのポリイミド実施形態の樹脂ブレンドは、場合により水および/または当業者に公知のような追加溶媒を含有することができ、このように必ずしもドライブレンドではない。これらのポリイミド実施形態では、水および/または追加溶媒は機能性ブレンドを生み出すために必要であるような量で添加することができる。
【0026】
ポリイミドは、ポリマー・バックボーンの主鎖に沿って線状または複素環単位として特有の−CO−NR−CO−基を含有する。ポリイミドは、例えば、有機テトラカルボン酸、またはそれの相当する酸無水物もしくはエステル誘導体のようなモノマーと脂肪族または芳香族ジアミンとの反応で得ることができる。
【0027】
ポリイミドを製造するために使用されるようなポリイミド前駆体は、ポリイミド前駆体が加熱されるまたは化学処理される時に相当するポリイミドになる有機ポリマーである。このように得られるポリイミドのある種の実施形態では、そのポリマー鎖の繰り返し単位の約60〜100モルパーセント、好ましくは約70モルパーセント以上、より好ましくは約80モルパーセント以上は、例えば、次式
【0028】
【化1】

【0029】
(式中、Rは6個の炭素原子の1〜5つのベンゼノイド不飽和環を有する4価芳香族基であり、4つのカルボニル基はR基のベンゼン環中の異なる炭素原子に直接結合しており、カルボニル基の各ペアはR基のベンゼン環中の隣接する炭素原子に結合しており、そしてRは炭素原子の1〜5つのベンゼノイド不飽和環を有する2価芳香族基であり、2つのアミノ基はR基のベンゼン環中の異なる炭素原子に直接結合している)
で表されるようなポリイミド構造を有する。
【0030】
好ましいポリイミド前駆体は芳香族であり、イミド化された時に芳香族化合物のベンゼン環がイミド基に直接結合しているポリイミドを提供する。特に好ましいポリイミド前駆体には、例えば、次の一般式
【0031】
【化2】

【0032】
(式中、Rは6個の炭素原子の1〜5つのベンゼノイド不飽和環を有する4価芳香族基であり、4つのカルボニル基はR基のベンゼン環中の異なる炭素原子に直接結合しており、カルボニル基の各ペアはR基のベンゼン環中の隣接する炭素原子に結合しており、そしてRは炭素原子の1〜5つのベンゼノイド不飽和環を有する2価芳香族基であり、2つのアミノ基はR基のベンゼン環中の異なる炭素原子に直接結合している)
で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸であって、2つ以上の繰り返し単位のホモポリマーか共重合体かのどちらかであることができるポリアミド酸が含まれる。
【0033】
上の一般式で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸の典型的な例は、ピロメリット酸二無水物(「PMDA」)とジアミノジフェニルエーテル(「ODA」) とからならびに3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(「BPDA」)とODAとから得られるものである。閉環を受けた時に、前者はポリ(4,4’−オキシジフェニレンピロメリットイミド)になり、後者はポリ(4,4’−オキシジフェニレン−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボキシイミド)になる。
【0034】
溶液イミド化法によって製造されるポリイミドの典型的な例は、繰り返し単位
【0035】
【化3】

【0036】
(式中、Rは60より大きい〜約85モルパーセントのパラフェニレンジアミン(「PPD」)単位および約15〜40モルパーセント未満のメタフェニレンジアミン(「MPD」)単位である)
を有する硬い芳香族ポリイミド組成物である。
【0037】
本発明の実施に際して好ましく用いられるテトラカルボン酸、または本発明の実施に際して有用な誘導体を製造することができるテトラカルボン酸は一般式
【0038】
【化4】

【0039】
(式中、Aは4価有機基であり、R〜Rはすべて、水素または低級アルキルであって、好ましくはメチル、エチル、もしくはプロピルを含む。4価有機基Aは好ましくは次の構造の1つを有する。
【0040】
【化5】

【0041】
(ここで、Xは、
【0042】
【化6】

【0043】
の少なくとも1つを含む))
を有するものである。
【0044】
芳香族テトラカルボン酸成分として、芳香族テトラカルボン酸、その酸無水物、その塩およびそのエステルを挙げることができる。芳香族テトラカルボン酸の例には、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)チオエーテル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ホスフィン、2,2−ビス(3’,4’−ジカルボキシフェニル)ヘキサフロオロプロパン、およびビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホンが挙げられる。
【0045】
これらの芳香族テトラカルボン酸は単独でまたは組み合わせて用いることができる。芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましく、特に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、およびそれらの混合物が好ましい。
【0046】
有機芳香族ジアミンとして、当該技術でそれら自体公知である、1つまたは複数の芳香族および/または複素環ジアミンが好ましくは使用される。かかる芳香族ジアミンは、構造:HN−R10−NH(式中、R10は16個以下の炭素原子を含有する、場合により、環中に−N−、−O−、または−S−を含む1つ以下のヘテロ原子を含有する芳香族基である)で表すことができる。本明細書ではまた、ジフェニレン基またはジフェニルメタン基であるR10基も含まれる。かかるジアミンの代表的なものは、2,6−ジアミノピリジン、3,5−ジアミノピリジン、メタ−フェニレンジアミン、パラ−フェニレンジアミン、p,p’−メチレンジアニリン、2,6−ジアミノトルエン、および2,4−ジアミノトルエンである。
【0047】
例示的であるに過ぎない芳香族ジアミン成分の他の例には、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、および1,2−ジアミノベンゼンのようなベンゼンジアミン;4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、および4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテルのようなジフェニル(チオ)エーテルジアミン;3,3’−ジアミノベンゾフェノンおよび4,4’−ジアミノベンゾフェノンのようなベンゾフェノンジアミン;3,3’−ジアミノジフェニルホスフィンおよび4,4’−ジアミノジフェニルホスフィンのようなジフェニルホスフィンジアミン;3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、および4,4’−ジアミノジフェニルプロパンのようなジフェニルアルキレンジアミン;3,3’−ジアミノジフェニルスルフィドおよび4,4’−ジアミノジフェニルスルフィドのようなジフェニルスルフィドジアミン;3,3’−ジアミノジフェニルスルホンおよび4,4’−ジアミノジフェニルスルホンのようなジフェニルスルホンジアミン;ならびにベンジジンおよび3,3’−ジメチルベンジジンのようなベンジジンが挙げられる。
【0048】
他の有用なジアミンは、少なくとも1つの非ヘテロ原子含有芳香環または官能基で橋かけされた少なくとも2つの芳香環を有する。
【0049】
これらの芳香族ジアミンは、単独でまたは組み合わせて用いることができる。1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、およびそれらの混合物が芳香族ジアミン成分として好ましくは用いられる。
【0050】
ポリアミド酸は、芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸成分とを有機極性溶媒中好ましくは実質的に等モル量で重合させることによって得ることができる。溶媒中のすべてのモノマーの量は、約5〜約40重量パーセントの範囲に、より好ましくは約6〜約35重量パーセントの範囲に、最も好ましくは約8〜約30重量パーセントの範囲にあることができる。反応温度は一般に約100℃以下であり、好ましくは約10℃〜80℃の範囲にある。重合反応時間は一般に約0.2〜60時間の範囲にある。
【0051】
ポリイミドが製造される方法はまた、それからポリマーが構成されるモノマーの同一性によって変わることができる。例えば、脂肪族ジアミンとテトラカルボン酸とが重合させられる場合、モノマーは周囲温度で錯塩を形成する。約100〜約150℃の適度な温度でのかかる反応混合物の加熱は、低分子量オリゴマー(例えば、ポリアミド酸)をもたらし、これらのオリゴマーは、順繰りに、約240〜約350℃の高温でさらに加熱することによってより高分子量ポリマーへ変換することができる。酸二無水物がテトラカルボン酸の代わりにモノマーとして使用される場合、ジメチルアセトアミドまたはN−メチルピロリジノンのような溶媒が典型的にはシステムに加えられる。脂肪族ジアミンおよび酸二無水物もまた周囲温度でオリゴマーを形成し、約150〜約200℃でのそれに続く加熱は溶媒を溜去し、相当するポリイミドをもたらす。
【0052】
上記のような脂肪族ジアミンおよび/または脂肪族二酸もしくは酸二無水物の使用に代わる代案として、芳香族ジアミンが典型的にはテトラカルボン酸よりもむしろ酸二無水物と重合させられ、かかる反応では触媒がしばしば溶媒に加えて使用される。窒素含有塩基、フェノール、または両性物質をかかる触媒として使用することができる。より長期の加熱が芳香族ジアミンを重合させるために必要とされ得る。
【0053】
閉環はまた、熱処理またはピリジンおよび無水酢酸、ピコリンおよび無水酢酸、2,6−ルチジンおよび無水酢酸などのような閉環剤が使用される方法のような通常用いられる方法によって達成することができる。
【0054】
ビスフェノールとジニトロビスイミドとからのポリエーテルイミドの形成において、ビスフェノールのビスフェノキシド塩が先ず苛性ソーダでの処理によって得られ、無水ビスフェノキシド塩を得るための共沸蒸留がそれに続く。ビスフェノキシド塩とジニトロビスイミドとを溶媒中約80℃〜約130℃の温度で加熱すると、ポリエーテルイミドをもたらす。
【0055】
上記の重合反応で使用できる有機極性溶媒として、芳香族ジアミン成分または芳香族テトラカルボン酸成分の各モノマー、該モノマーで生み出されるオリゴマーまたは低分子量のポリアミド酸を均一に溶解することができる溶媒をあげることができる。かかる有機極性溶媒の例には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、ピロリドンのようなアミド溶媒;ならびにジメチルスルホキシド、ヘキサメチルスルホンアミド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン、ピリジン、テトラヒドロフラン、およびブチロラクトンが挙げられる。これらの有機極性溶媒は、ベンゼン、トルエン、ベンゾニトリル、キシレン、ソルベントナフサ、およびジオキサンのような他の溶媒と組み合わせて使用することができる。
【0056】
当該技術で公知の他の方法に加えて、ポリイミドはまた、ポリイソシアネートと酸二無水物との反応によって製造することもできる。
【0057】
樹脂微粒子の1つだけがポリイミド樹脂微粒子である場合、ポリイミド樹脂微粒子は、百分率が樹脂ブレンド中の樹脂微粒子のすべての総重量を基準にして、約5重量パーセント〜約95重量パーセントの範囲で使用することができ、好ましくは、ポリイミド樹脂微粒子は約20重量パーセント〜約80重量パーセントの範囲で使用することができる。
【0058】
少なくとも2つのポリイミド樹脂微粒子が存在する場合、ブレンド中に存在する任意の他の樹脂微粒子に加えてポリイミド樹脂微粒子を、当業者が樹脂ブレンドの意図される用途に有利であると認めるであろうような任意の量で使用することができる。
【0059】
代わりの実施形態では、有機溶媒中に一様に分散された微粒子フィラーおよび/または繊維状フィラーを、ポリマー前駆体の合成時の前から、ポリイミドを含む実施形態では、ポリイミド前駆体のイミド化の時までの適切な段階で生産システムに添加することができる。ポリイミド中にカプセル化されたフィラーが望ましい場合、微粒子フィラーおよび/または繊維状フィラーを一様に分散させるために使用することができる有機溶媒は通常、酸二無水物とジアミノ化合物との重合のために使用されるのと同じものである。微粒子または繊維状フィラーはそのようなものとして添加することができるが、フィラーは規定量のかかる有機溶媒中に十分に分散されていることが好ましい。有機溶媒で先に湿潤されたフィラーは反応システム中に一様に分散させることができ、ベースポリマーの粒子中へより容易に組み入れることができるので、有機溶媒中の分散状態でのフィラーの添加が好ましいことであり得る。
【0060】
フィラーは典型的には反応システムに直接添加されず、典型的には前もって有機溶媒中に一様に分散され、次にシステムに添加される。このように、フィラーは反応システムに一様に分散させることができ、一実施形態では、ポリマー粒子は分散されたフィラー周りに沈澱する。
【0061】
ポリイミドを含む実施形態では、その中にフィラーが一様に分散された有機溶媒の添加は、ポリイミド前駆体のイミド化の開始前、すなわち、ポリマー粒子の沈澱前の任意の段階で達成することができる。例えば、一様なフィラー分散系は酸二無水物、例えば、芳香族テトラカルボン酸二無水物、もしくはジアミノ化合物、例えば、芳香族ジアミノ化合物の添加前に添加することができ、またはそれはイミド化前にポリイミド前駆体溶液に添加することができる。
【0062】
有機溶媒中のフィラーの一様な分散は、分散装置、例えば、ボールミル、サンドミル、磨砕機、3ロールミル、ビーズミル、ジェットミル、振動ミル、ディスパー、羽根ミル、フロージェットミキサー、ホモジナイザー、コロイドミルなど、または一般撹拌機、例えば、かき混ぜ機を用いることによって実施することができる。
【0063】
好適なフィラーには、高い強度特性をポリマー成形製品に与えるもの、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ホウ素繊維、ガラスビーズ、ウィスカー、もしくはダイヤモンド粉;熱放散性をポリマー成形製品に与えるもの、例えば、アルミナもしくはシリカ;耐コロナ性を与えるもの、例えば、天然雲母、合成雲母、もしくはアルミナ;導電性を与えるもの、例えば、カーボンブラック、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、もしくはニッケル粉;または耐熱性をポリマー成形製品に与えるもの、例えば、アラミド繊維、金属繊維、セラミック繊維、ウィスカー、炭化ケイ素、酸化ケイ素、アルミナ、マグネシウム粉、もしくはチタン粉ような、様々な種類のものが含まれる。さらに、フッ素含有微粉、例えば、ポリテトラフルオロエチレンを摩擦係数を下げるために使用することができる。これらのフィラーは、個々にまたはそれらの2つ以上を組み合わせて使用することができる。
【0064】
カプセル化フィラーが含まれる場合、ポリマー成分は、百分率が樹脂ブレンド中の樹脂微粒子のすべての総重量を基準にして、約30重量パーセント〜約99重量パーセントの範囲で存在することができる。
【0065】
使用されるべきカプセル化フィラーの量はポリマー製品に必要とされる特性に依存して適切に決定することができ、百分率が樹脂ブレンド中の樹脂微粒子のすべての総重量を基準にして、通常約1重量パーセント〜約70重量パーセントの範囲である。
【0066】
フィラーが樹脂微粒子に添加されるが、樹脂微粒子中にカプセル化されていない代わりの実施形態では、フィラーは、百分率が樹脂ブレンド中の樹脂微粒子のすべての総重量を基準にして、約1〜約15重量パーセントの範囲で使用することができる。この実施形態では、ポリマー微粒子は、百分率が樹脂ブレンド中の樹脂微粒子のすべての総重量を基準にして、約85〜約99重量パーセントの範囲で使用することができる。
【0067】
カプセル化および非カプセル化フィラーの両方を含む樹脂微粒子の混合物に由来する樹脂ブレンドもまた、本発明の範囲内である。
【0068】
本発明の別の態様は、少なくとも2つの非溶融加工性樹脂微粒子を混合する工程を含む樹脂ブレンドの製造方法を提供する。本発明のさらなる態様は、少なくとも2つの非溶融加工性樹脂微粒子をドライブレンディングによって混合する工程と、該混合物を圧縮成形によって成形する工程とを含む圧縮成形品の製造方法を提供する。
【0069】
好適なブレンディング・ハードウェアには、ドラムローラー、リボンブレンダー、v−コーンブレンダー、二重コーンブレンダー、運搬箱タンブラー、流動床、リトルフォード(Littleford)型ミキサー、ナウタ(Nauta)型ブレンダー、フォーベルグ(Forberg)、内部邪魔板付き回転ドラム、および自然落下静的ミキサーが含まれるが、それらに限定されない。当業者に公知の他のブレンディング・ハードウェアも用いることができる。
【0070】
樹脂ブレンドは、当業者に明らかであろうように、ブレンドの全体特性を下げない他の添加物をさらに含むことができる。例えば、前述のベース粒子の任意のものから製造されたもののような、多種多様なポリマー粒子を本発明の非溶融加工性樹脂微粒子とブレンドすることができる。添加物は、本発明の樹脂微粒子のように非溶融加工性であるべきである。酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、補助難燃剤、帯電防止剤、滑剤、および着色剤のような他の添加剤もまた、ブレンドの本質的な特性が影響を受けない限り、添加することができる。
【0071】
より低い水分増加を実証する成形品は便益を提供する。例えば、部品、すなわち、機械または他の装置の構成部材の吸湿は、部品の寸法を変えることができ、アセンブリへ構成部品を容易に取り付ける能力に影響を与えるおよび/または部品の性能に影響を与える。
【0072】
例えば、航空機ブッシングは一定の許容寸法に製造することができるが、製造後にブッシングは多湿環境中で吸湿することができ、寸法を金型から変化させる。ブッシングの検査は、飽和状態か乾燥状態かのどちらかに基づくことができる。または、かかる状態が制御されない場合、結果として生じる特定の許容度を維持する可能性は低下し、はめ合い部品のデザイン許容度がアセンブリの効果的な機能のためにより制限的に制御されることを潜在的に必要とし、コストに影響を与えるであろう。
【0073】
飽和状態のまま検査される場合、ブッシングは、操作で高熱条件に曝された時に乾燥することができ、寸法変化を引き起こし、ブッシングとはめ合い部品との間の隙間に影響を与える。最適でない隙間はブッシング摩耗寿命に影響を与えるおよび/または作動トルクを上げることができ、それによってシステムを作動させるためにより多くのトルクを与えることができる挙動作動システムを必要とする。
【0074】
ブッシングが乾燥状態で検査される場合、部品は、検査と組み立てとの間の時間中に飽和になることができ、寸法変化を引き起こし、製品が組み立て前に予備乾燥されないまたは吸湿を防ぐやり方で貯蔵されない場合、取り付け困難を潜在的に引き起こす。予備乾燥工程は組み立てでの遅れによるコストを追加する。
【0075】
低吸湿性が有利である使用の別の例は半導体チップ製造用の物品においてである。様々な試験または加工工程で、非常に小さな穴付き物品が本発明の樹脂ブレンドを含む物品へ機械加工される。物品内のこれらの穴の正確なサイズおよび位置は、部品の機能および寿命に重要である。機械加工または使用中の水分増加は、機械加工価値の損失につながる機械加工中の寸法不正確さを引き起こし得るか、物品の役に立たない性能につながる部品の使用中の寸法シフトを引き起こし得るかのどちらかである。
【0076】
材料の低吸湿性が物品のためになる別の例は、低い脱ガスを必要とする環境中での材料の使用である。
【0077】
これらの前述の例は、例示目的のためのみを意図し、低吸湿性材料の唯一の可能で有益な用途を包含することを意図するものではない。
【実施例】
【0078】
本発明は次の実施例でさらに明らかにされる。これらの実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、例示のみを目的として与えられることが理解されるべきである。上記の議論およびこれらの実施例から、当業者は本発明の好ましい特徴を確かめることができ、その精神および範囲から逸脱することなく、本発明の様々な変更および修正を行ってそれを様々な用途および条件に適合させることができる。
【0079】
省略形の意味は次の通りである:「min.」は分を意味し、「ml」はミリリットルを意味し、「g」はグラムを意味し、「PMDA」はピロメリット酸二無水物を意味し、「ODA」はジアミノジフェニルエーテルを意味し、「BPDA」は3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボンサン二無水物を意味し、「BTDA」は3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を意味し、「PPD」はパラフェニレンジアミンを意味し、「MPD」はメタフェニレンジアミンを意味し、「kpsi」は平方インチ当たり千ポンドを意味し、そして「wt%」は重量パーセント(百分率)を意味する。
【0080】
(ブレンドの一般的な調製および試験方法)
樹脂ブレンドを、表1に記載するベース樹脂の2つの合計30gを250mlジャーに入れることによって調製した。混合物を穏やかに5分間混転し、真空オーブン中150℃で一晩乾燥させた。引張試験片を米国特許公報(特許文献5)に記述されている方法によって調製した。吸湿量研究を、乾燥した引張試験片を室温で水に浸漬し、2週間後に重量変化を測定することによって行った。樹脂ブレンドを含む引張試験片および樹脂ブレンドを調製するために使用した個々のベース樹脂を含む引張試験片を同時に試験した。
【0081】
【表1】

【0082】
(実施例1〜15)
表2に示すように、すべての樹脂ブレンドが減少した吸湿量を示した。
【0083】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのドライブレンドされた非溶融加工性樹脂微粒子を含む樹脂ブレンドであって、該少なくとも2つのドライブレンドされた非溶融加工性樹脂微粒子が圧縮成形によって成形されることを特徴とする樹脂ブレンド。
【請求項2】
前記少なくとも2つのドライブレンドされた非溶融加工性樹脂微粒子の予想される吸湿レベル未満の吸湿レベルを有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂ブレンド。
【請求項3】
少なくとも1つのドライブレンドされた非溶融加工性樹脂微粒子がポリイミド樹脂微粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂ブレンド。
【請求項4】
前記ポリイミド樹脂微粒子が総樹脂ブレンドの約5重量パーセント〜約95重量パーセントの量で存在することを特徴とする請求項3に記載の樹脂ブレンド。
【請求項5】
前記少なくとも2つのドライブレンドされた非溶融加工性樹脂微粒子がポリイミド樹脂微粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂ブレンド。
【請求項6】
前記少なくとも2つのドライブレンドされた非溶融加工性樹脂微粒子が約5μm〜約500μmの平均粒度を有することを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂ブレンド。
【請求項7】
少なくとも1つのカプセル化フィラーをさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂ブレンド。
【請求項8】
前記少なくとも1つのカプセル化フィラーが総樹脂ブレンドの約1重量パーセント〜約70重量パーセントの量で存在することを特徴とする請求項7に記載の樹脂ブレンド。
【請求項9】
少なくとも1つの非カプセル化フィラーをさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂ブレンド。
【請求項10】
前記少なくとも1つの非カプセル化フィラーが総樹脂ブレンドの約1重量パーセント〜約15重量パーセントの量で存在することを特徴とする請求項9に記載の樹脂ブレンド。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の樹脂ブレンドを含むことを特徴とする圧縮成形品。
【請求項12】
(a)少なくとも2つの非溶融加工性樹脂微粒子をドライブレンディングによって混合する工程と、
(b)工程(a)の混合物を圧縮成形によって成形する工程と
を含むことを特徴とする圧縮成形品の製造方法。
【請求項13】
少なくとも1つの非溶融加工性樹脂微粒子がポリイミド樹脂微粒子であることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも2つの非溶融加工性樹脂微粒子がポリイミド樹脂微粒子であることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つのフィラーを添加する工程をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
請求項12に記載の方法によって製造されることを特徴とする圧縮成形品。
【請求項17】
少なくとも2つのブレンドされた非溶融加工性ポリイミド樹脂微粒子を含む樹脂ブレンドであって、該少なくとも2つのブレンドされた非溶融加工性ポリイミド樹脂微粒子が圧縮成形によって成形されることを特徴とする樹脂ブレンド。
【請求項18】
請求項17に記載の樹脂ブレンドを含むことを特徴とする圧縮成形品。

【公表番号】特表2007−514834(P2007−514834A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545442(P2006−545442)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/042304
【国際公開番号】WO2005/061200
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】