説明

粒子状物質をガス流れから濾過するための濾過媒体

第1ポリマーから電気ブローされたナノファイバーのウェブを、ウェブ間に接着剤の不存在下に、相容性材料から紡糸されたナノファイバーより大きい平均直径の繊維を含んでなる第1の支持ウェブ上へ付着させ、そしてウェブを一緒に溶剤接合することによって形成される複合布。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体流れから粒子状物質を濾過するための、空気濾過媒体としての使用に好適な複合不織布に関する。
【背景技術】
【0002】
0.3ミクロン・チャレンジで99.97%未満の効率で機能するHVAC空気フィルター用に典型的に利用されるフィルター媒体は、ガラス、セルロースまたはポリマーベースのいずれかである。この性能範囲中の媒体で製造されたフィルターは、米国暖冷房空気調和技術者協会(American Society of Heating,Refrigerating and Air−Conditioning Engineers)がかかる用途でのフィルター媒体の性能について基準を作成しているので、典型的には「アシュレ(ASHRAE)フィルター」と呼ばれる。ポリマーベースのフィルター媒体は典型的には、ウェットレイド製紙法によって製造されたガラスまたはセルロース媒体と比較したときにより低い圧力降下でより高い濾過効率を提供するためにしばしば静電的に機能強化されているスパンボンドまたはメルトブローン不織布である。
【0003】
静電的に機能強化された空気フィルター媒体およびウェットレイド法によって、より具体的にはガラス繊維を用いて製造された媒体は現在のところ限界を有する。特許文献1および特許文献2に記載されているような、静電的に処理されたメルトブローンフィルター媒体は当初はうまく機能するが、媒体が粒子を捕捉し始めそして静電荷がこのように隔離されるようになるにつれてダスト負荷のために使用で濾過効率を急速に失う。加えて、微粒子の効果的な捕捉が電荷に基づくので、かかるフィルターの性能は、電荷散逸を引き起こす空気湿度によって大きく影響を受ける。
【0004】
微細ガラス繊維および微細ガラス繊維を含有するブレンドを利用する濾過媒体は典型的には、化学薬品攻撃に対する十分な耐性および比較的小さい孔径を有する、織構造か不織構造かのどちらかに配置された小直径ガラス繊維を含有する。かかるガラス繊維媒体は次の米国特許:スミス(Smith)ら、特許文献3;ワゴナー(Waggoner)、特許文献4;ラクゼック(Raczek)、特許文献5;ヤング(Young)ら、特許文献6;ボーデンドルフ(Bodendorf)ら、特許文献7;アダムス(Adams)、特許文献8;およびピュース(Pews)ら、特許文献9に開示されている。微細ガラス繊維および微細ガラス繊維を含有するブレンドは、典型的には比較的脆く、従ってひだを付けられたときに、破断が望ましくない収率損失をもたらす。破断した微細ガラス繊維はまた、微細ガラス繊維を含有するフィルターによって空気中へ放出され、微細ガラス繊維が吸入されることになった場合に潜在的な健康被害を生み出し得る。
【0005】
公知の濾過媒体の上記リストされた限界を回避しながら、アシュレ・レベル空気濾過を達成するための手段を提供することは望ましいであろう。
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,874,659号明細書
【特許文献2】米国特許第4,178,157号明細書
【特許文献3】米国特許第2,797,163号明細書
【特許文献4】米国特許第3,228,825号明細書
【特許文献5】米国特許第3,240,663号明細書
【特許文献6】米国特許第3,249,491号明細書
【特許文献7】米国特許第3,253,978号明細書
【特許文献8】米国特許第3,375,155号明細書
【特許文献9】米国特許第3,882,135号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1実施形態では、本発明は、ウェブ間に接着剤の不存在下に、前記ナノファイバーと相容性の材料から紡糸されたナノファイバーより大きい平均直径の繊維を含んでなる第1の支持ウェブに溶剤接合された電気ブローン・ポリマーナノファイバーのウェブを含んでなる複合布に関する。
【0008】
本発明の別の実施形態は、ポリマーナノファイバーのウェブおよびそのための溶剤を、前記ナノファイバーポリマーと相容性である材料から紡糸されたより大きい繊維を含んでなる移動中の支持ウェブ上へ電気ブローする工程と、組み合わせられたウェブに約4mm HO〜170mm HOの真空圧力をかけてナノファイバーウェブを支持ウェブに溶剤接合する工程とを含んでなる、複合布の形成方法に関する。
【0009】
定義
用語「ナノファイバー」は、1,000ナノメートル未満の平均直径を有する繊維を意味する。
【0010】
用語「フィルター媒体」または「媒体」は、粒子状物質の媒体中または媒体上に付随した少なくとも一時的な付着を用いた、微粒子運搬流体が通過する材料または材料の群を意味する。
【0011】
用語「アシュレ・フィルター」は、空気から粒子を濾過するための暖房、換気および空調システムでの使用に好適な任意のフィルターを意味する。
【0012】
用語「SN構造体」は、支持または「スクリム」(S)層とナノファイバー(N)層とを含有する多層不織材料を意味する。
【0013】
用語「SNS構造体」は、2つの支持層の間に挟まれたナノファイバー層を含有する多層不織材料を意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、少なくとも1つのナノファイバー層と少なくとも1つのスクリム層とを含んでなる、フィルター媒体としての使用に好適な複合不織布に関する。ナノファイバー層は、約1μmすなわち1000nm未満の直径を有する実質的に連続の有機ポリマーナノファイバー群を含んでなる。かかるフィルター媒体は、流体流れから粒子状物質、特に、空気などのガス流れから粒子状物質を除去するための濾過用途に使用することができる。
【0015】
アシュレ濾過および車両客室空気濾過をはじめとする、空気濾過用途での使用に好適な濾過媒体は、1つもしくはそれ以上のナノファイバー層をスクリム層と層状にしてSN構造体を形成することによって、または1つもしくはそれ以上のナノファイバー層を2つのスクリム層間に挟んでSNS構造体(ここで、xは少なくとも1である)を形成することによって製造することができる。各ナノファイバー層は少なくとも約2.5g/mの坪量を有し、ナノファイバー層の全坪量は約25g/mもしくはそれ以上である。
【0016】
本発明の媒体で、ナノファイバー層は約100μm未満の厚さを有し、有利にはナノファイバー層の厚さは5μmより大きく、100μm未満である。ナノファイバー層の厚さはナノファイバーポリマーの密度に依存して変わることができる。ナノファイバー層の厚さは、ナノファイバー層の固形分体積分率がカレンダー掛けによってまたは高真空下にナノファイバー層を集めることによってなどで増加する場合には効率または他のフィルター特性の実質的な低下なしに減らすことができる。一定の層厚さでソリディティ(solidity)を上げると、細孔径を減少させ、濾過効率を上げる。
【0017】
本発明でのナノファイバー層は、参照により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2004/0116028 A1号明細書に開示されているバリア・ウェブに従って製造されてもよい。
【0018】
ナノファイバー層は、1000nm未満、有利には約100nm〜約700nm、またはさらに約200nm〜約650nm、またはさらに約200nm〜約500nm、またはさらに約300nm〜400nmの直径を有する実質的に連続のポリマー繊維で構成される。ナノファイバー層の連続ポリマー繊維は、参照により本明細書に援用される、PCT特許公開国際公開第03/080905A号パンフレット(2002年11月20日出願の米国特許出願第10/477,882号明細書に対応する)に開示されている電気ブローイング法によって形成することができる。国際公開第03/080905A号パンフレットは、ナノファイバーウェブを製造するための装置および方法を開示しており、該装置は本質的に図1に示されるようなものである。該方法は、貯蔵タンク100からのポリマーおよび溶剤を含んでなるポリマー溶液の流れを紡糸口金102内の一連の紡糸ノズル104へフィードし、紡糸口金に高電圧がかけられ、それを通ってポリマー溶液が放出される工程を含んでなる。それと同時に、空気ヒーター108中で場合により加熱される圧縮空気が、紡糸ノズル104のサイドまたは外周に配置された空気ノズル106から出される。空気は、新たに出されたポリマー溶液を包み、前進させ、そして繊維ウェブの形成に役立つブローイングガス流れとして概して下方へ向けられ、ウェブは、空気ブロワー112の入口から真空がかけられた真空チャンバー114の上方の接地された多孔性収集ベルト110上に集められる。
【0019】
電気ブローイング法によって付着されたナノファイバー層は、その中に有意量のプロセス溶剤が必ず同伴される。2004年12月28日出願の、そして本明細書に参照により援用される、米国仮特許出願第60/639771号明細書に開示されているような、複合布形成方法の以前の実施形態では、ほとんどのケースで、ナノファイバー層が先ず付着され、そして真空チャンバー114の助けを借りて、同伴された処理溶剤のほとんどがナノファイバー層をロールへ集める前に除去された。次に、ナノファイバー層は接着接合によってスクリム層と手動で組み合わせられて複合SNまたはSNS布を形成する。
【0020】
電気ブローン・ナノファイバーおよび処理溶剤を、スクリム層、特にナノファイバーポリマーと相容性である材料でできたより大きい繊維を含有するスクリム層上へ直接付着させると、ウェブ間に別の接着剤の添加なしに、スクリムへのナノファイバー層の直接その場接合を可能にすることが発見された。
【0021】
本発明によれば、「相容性」ポリマーは処理溶剤に自由に溶けるもの、またはスクリムポリマーが処理溶剤に少なくとも部分的に溶けるかもしくは溶剤で膨潤可能であるもの、またはポリマーが別の接着剤の不存在下では互いに接着しないであろうほどには異ならない相対的極性をナノファイバーおよびスクリムポリマーが有するものである。本発明者らは、本発明の「溶剤接合」が下に議論される様々な溶剤/ポリマー相互作用のために起こると考える。
【0022】
電気ブローイングに好適なポリマー/溶剤組み合わせは、国際公開第03/080905A号パンフレットに記載されており、ポリアミド/ギ酸を含む。電気ブローン繊維と相容性であるポリマー繊維の別々の層を含有するスクリムの使用は、良好な溶剤接合を得るのに最適であろう。一実施形態では、「相容性」ポリマーは、異なるポリマー繊維が実質的に類似の化学的組成を有する、すなわちモノマーの類似の組み合わせで作られたポリマーから製造されていることを意味する。例えば、ナイロン−6繊維はナイロン−6,6繊維にそれらのどちらか1つに好適な電子ブローイング溶剤で成功裡に溶剤接合することができる。化学的に類似の繊維ポリマーが同じ分子量分布を有することも、前記モノマーの量が必然的に同じものであることも、モノマーのすべてが同一であることも必要ではない。化学的に似ているポリマーの処理溶剤への相対的溶解度が溶剤接合の効能を決定する。
【0023】
本発明の溶剤接合技術によれば、スクリム繊維ポリマーが電気ブローイング溶剤に少なくとも部分的に溶けるかもしくは溶剤で膨潤可能である場合のように、スクリム繊維ポリマーがナノファイバーポリマーと相容性である限り、ナノファイバーポリマーはスクリム繊維ポリマーと化学的に異なることができる。上記のように、ナノファイバーおよびスクリム繊維の両方が同じポリマー、または同じ溶剤に溶けるポリマーから製造されている場合、溶剤−ウェルドボンドは、その後除去される電気ブローイング溶剤にポリマー繊維の隣接部分が共に溶解するとき2層間に形成され得る。同様に、スクリムポリマーが処理溶剤に自由には溶けない場合でさえ、それが前記溶剤によって膨潤可能である限り、好適な溶剤接合を得ることができる。あるいはまた、スクリム繊維材料が電気ブローイング溶剤に溶けないかまたは膨潤できない場合でさえ、2つのポリマーが相性の良い相対極性を有する、すなわち極性が余りにも異ならない限り、溶剤除去前にスクリム繊維に付着する溶剤膨潤ナノファイバーの粘着性のために十分な「溶剤接合」を得ることができる。
【0024】
従って、これらの状況下では、粘着性の紡糸したままのナノファイバーがスクリム繊維の少なくとも幾らかに成功裡に付着する限り、スクリム繊維はポリマー、ポリマー繊維とセルロース、レーヨン、綿などのような天然繊維との組み合わせ、またはすべて天然繊維でさえあることができる。
【0025】
例えば、ギ酸中で電気ブローされたポリアミドナノファイバーは、たとえポリエステルが、仮にそうであるとしても、ギ酸にわずかに溶けるにすぎなくても、本発明に従ってポリエステル繊維スクリムに成功裡に溶剤接合することができる。しかしながら、ギ酸中で電気ブローされたポリアミドナノファイバーは、高度に非極性であるポリプロピレンスクリム中の繊維に十分に付着または接合しない(下の比較例B)。このように、比較的極性のポリマーから形成されたナノファイバーは、本発明の意味において、ポリオレフィンなどの、高度に非極性のポリマースクリム繊維と「相容性」ではない。電気ブローン・ポリマーナノファイバーは、セルロース繊維、レーヨン繊維、綿繊維などのような天然材料から製造された少なくとも一部の繊維を含有するスクリムに成功裡に「溶剤接合」できることが分かった。かかる天然繊維材料は、本発明の意味において「相容性」である。
【0026】
ポリマー/溶剤の好適に相容性の組み合わせの例には、ギ酸中のナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10などのポリアミド、DMAc(ジメチルアセトアミド)中のメタ−アラミドおよび硫酸中のパラ−アラミド、トリフルオロ酢酸/塩化メチレンまたはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中のPET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)およびPPT(ポリプロピレンテレフタレート)などのポリエステル、DMF(ジメチルホルムアミド)またはDMAc中のPAN(ポリアクリロニトリル)、水中のPVA(ポリビニルアルコール)、DMAc中のポリウレタン、ならびにDMAcまたはDMF中のPVdFが挙げられるが、それらに限定されない。幾つかのポリアミドに対しては、PETもまた溶かすHFIP(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール)などの,他の好適な溶剤選択がある。ポリマー溶解性技術での熟練者は、(アラン F M バートン(Allan F M Barton)による溶解性パラメーターおよび他の粘着パラメーターのCRCハンドブック(CRC Handbook of Solubility Parameters and Other Cohesion Parameters)などの)参考文献から溶解性パラメーターを適合させることによって、様々な好適なポリマー/溶剤電気ブローイングシステムをスクリム材料に適合させ得ることを理解するであろう。
【0027】
比較的粗い表面を有するスクリム層は、滑らかな接合スクリムなどの、滑らかな平面を有するスクリム層より良好なナノファイバー層への接合を提供するであろうこともまたあり得る。
【0028】
従って、本発明によれば、複合布は、同伴される処理溶剤と組み合わせてナノファイバー層を、移動収集ベルト110によって支持されている実質的に連続のスクリム層上へ直接ナノファイバー層を電気ブローすることによりスクリムに溶剤接合してSN構造体を形成することによって製造される(図1)。
【0029】
SN構造体を溶剤接合する場合、ナノファイバー/溶剤組み合わせが約60mm HOから約170mm HO以下まで、有利には約60mm HO〜約100mm HOの真空レベルでなどの、約60mm HOより大きい真空レベルの真空チャンバーコレクター114一面の支持層上に付着されるときに特に強固な接合が生じることが分かった。
【0030】
本発明の複合布は、ワンパスでナノファイバー層をスクリム上へ形成することによって、またはマルチプルパスを用いて、例えば、電気ブローイング法でナノファイバー層を所望の厚さまたは坪量に構築することによって製造することができる。電気ブローイング法は、ナノファイバーの製造で既知のものより高いポリマー溶液処理量が可能であるので、空気フィルター媒体での使用に好適な坪量のナノファイバー層がワンパスで形成されることを可能にする。ポリマー溶液流量および収集ベルト速度に依存して、約2.5g/mからさらには25g/m以下までの坪量を有する単一ナノファイバー層をワンパスで形成することができる。かかる新規方法の効率の点での便益は当業者には明らかである。本発明に従ってワンパスでナノファイバー層を形成することによって、より少ないハンドリングが必要とされ、最終フィルター媒体中に導入されることになる欠陥の機会を減らし、ナノファイバー層がプロセス流れを中断することなしにスクリム層に直接溶剤接合されることを可能にする。当然ながら、当業者は、ある種の状況下では約25g/mもしくはそれ以上ほどの多くまで全ナノファイバー層坪量を増加させるために、連続して少なくとも約2.5g/mのマルチプル・ナノファイバー層を形成させるべくマルチプル電気ブローイングビームを用いることが有利であり得ることを認めるであろう。ナノファイバー・レイダウン速度、およびそれ故単一ナノファイバー層の坪量を修正するための紡糸条件の変動は、収集ベルト速度、ポリマー溶液流量で、および溶液中のポリマーの濃度を変えることによっても行うことができる。
【0031】
本発明の別の実施形態では、SNS複合布は連続運転で形成し、接合することができる。この実施形態では(図2)、実質的に連続の支持体またはスクリム層122が供給ロール121から移動収集ベルト110上へ供給され、そして紡糸セル120中へおよび1つもしくはそれ以上の電気ブローイングビーム102の下方に導かれ、穏やかな真空下に、移動スクリム上へ溶剤を含有するナノファイバーの1つもしくはそれ以上の層を付着させてSN構造体123を形成する。真空チャンバー114の真空レベルは、ナノファイバー層の収集に役立つように、しかし処理溶剤のかなりの量を除去するほどに高くないように、真空ブロワー112で約4mm HOから約30mm HO以下に維持される。その次に、支持スクリム122と同じまたは異なるものであることができる第2スクリム125が最上部スクリム供給ロール124から供給され、第1テンションロール118を過ぎて、圧密ロール126の周りに導かれ、圧密ロールからの軽い圧縮ありでナノファイバー層の最上部上に付着されて多層状SNS複合布127を形成する。軽い圧縮は、隣接する布層間のフル接触を確実にするための役割を果たしてナノファイバー層中に残る溶剤が様々な層の繊維を一緒に柔らかくし、溶接することを可能にする。圧縮圧力は、層間の十分な接触および接合を確実にするように、しかし個々の繊維を変形させるほどに高くないまたは布の全体的透過性を著しく下げないように好ましくは維持される。その次に、溶剤接合SNS複合布127は別のテンションロール118を越えて、次に残っている溶剤を除去するためにより高い真空レベルで動作する第2真空チャンバー115を越えて導かれて巻取ロール130で巻き取られる。
【0032】
当業者は、真空チャンバー114および真空チャンバー115の両方での最適真空レベルが電気ブローイングおよび接合法に使用されるポリマー/溶剤組み合わせに大いに依存することを認めるであろう。例えば、より揮発性の溶剤は、本明細書に開示される溶剤接合および除去機能を達成するためにどちらかのまたは両方の段階でより少ない真空を必要とするかもしれない。
【0033】
有利には、スクリム層はスパンボンド(SB)不織層であるが、スクリム層は、不織ポリマー繊維および/または天然繊維の梳毛、ウェットレイド、メルトブローンまたは他のやり方で形成されそして圧密されたウェブ、織ポリマー布および/または天然繊維布などであることができる。スクリム層はひだおよび永久折り目を保持するのに十分な剛性を必要とする。単一スクリム層の剛性は有利には、下に記載されるハンドル−o−メーター(Handle−o−meter)機器によって測定されるときに、少なくとも10gである。特に高い剛性は、粗いステープルファイバーを含んでなるアクリル接合梳毛またはウェットレイド・スクリムを使用することによって達成することができる。スクリム層は、梳毛ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)繊維と梳毛ナイロン繊維との層のラミネート、または他のかかる多層布などの、多層状布であってもよい。有利には、本発明の濾過媒体は、少なくとも45gの全ハンドル−o−メーター剛性、および少なくとも2つのスクリム層が剛性に寄与し、そしてナノファイバー層の数xが少なくとも1であるSNSの構造を有する。SNS構造のケースでは、2つのスクリム層は同じものであることができるか、または坪量、繊維組成物もしくは形成技術に関して異なることができる。例えば、支持スクリムは、ポリアミドナノファイバー層がその上に付着されているスパンボンド・ポリアミド不織ウェブであることができ、最上部スクリムは、第3のポリマーがナノファイバーポリマーと相容性である限り、第3のポリマーでできた、織られた、梳毛またはスパンボンド層であることができる。層の別の有利な組み合わせは、PET繊維、セルロース繊維、またはPET繊維とセルロース繊維とのブレンドでさえから製造されたウェット−レイド不織スクリムに溶剤接合された電気ブローン・ポリアミドナノファイバー層である。層の別の有利な組み合わせは、PVAおよびレーヨン繊維の複合ウェット−レイド層に接合された電気ブローン・ポリビニルアルコール繊維である。
【0034】
本発明の複合布は、カートリッジ、フラットディスク、キャニスター、パネル、バッグおよびパウチなどの任意の所望のフィルター・フォーマットへ加工することができる。かかる構造体内で、媒体は実質的にひだのある、巻かれたまたは別のやり方で支持構造体上に配置されたものであることができる。本発明の濾過媒体は、平面パネルフィルター、卵形フィルター、カートリッジフィルター、らせん巻きフィルター構造体をはじめとする実質的に任意の通常の構造で使用することができ、有用な形状または外形への媒体の成形を伴った、ひだのある、Z−フィルター、V−バンク、または他の幾何学形状で使用することができる。有利なジオメトリーには、ひだのある、円筒形パターンが含まれる。
【0035】
フィルター媒体の初期圧力降下(本明細書では「圧力降下」または「圧力差」とも呼ばれる)は、有利には約30mm HO未満、より有利には約24mm HO未満である。フィルターをはさんだ圧力降下は、微粒子がフィルターを塞ぐにつれて、使用中に時間と共に増加する。他の変数が一定に保持されると仮定すれば、フィルターをはさんだ圧力降下が高ければ高いほど、フィルター寿命は短くなる。フィルターは、フィルターをはさんだ選択された制限圧力降下が満たされたときに交換を必要としていると典型的には断定される。制限圧力降下は用途に依存して変わる。圧力のこの増加はダスト(または微粒子)負荷の結果であるので、等しい効率のシステムについては、より長い寿命は典型的にはより高い負荷容量と直接関係する。効率は、微粒子を通すよりもむしろ捕捉する媒体の性向である。一般に、フィルター媒体が流体フロー流れから微粒子を除去するのに効率的であればあるほど、他の変数が一定に保持されると仮定すれば、フィルター媒体は「寿命」圧力差により速く近づくであろう。
【0036】
本発明の溶剤接合複合布は、空気濾過用途向けの通常のウェット−レイド微細ガラス媒体および米国仮特許出願第60/639771号明細書の接着剤接合複合材料の両方と比べて流体透過性と効率との並外れた組み合わせを提供することが発見された。
【0037】
本発明のフィルター媒体は、媒体が5.33cm/秒の面速度で流れる空気中の0.3μmの直径を有する粒子の少なくとも約20%を濾過して除くことができることを意味する、少なくとも約20%の効率を有する。アシュレ・フィルターでの使用のために、有利には、本発明の媒体は5.33cm/秒の面速度で流れる空気中の0.3μm粒子の少なくとも約30%および約99.97%以下を濾過して除くことができる。
【0038】
フィルター媒体の通気性が高ければ高いほど、他の変数が一定に保持されると仮定すれば、圧力降下は低くなり、それ故フィルター寿命は長くなる。有利には、本発明のフィルター媒体のフラジール形(Frazier)通気度は少なくとも約0.91m/分/m、および典型的には約48m/分/m以下である。
【0039】
本発明のフィルター媒体は有利には実質的に電気的に中性であり、それ故、それらの性能をそれらに関連した電荷に負う、上記の米国特許第4,874,659号明細書および同第4,178,157号明細書に開示されているフィルターと比べて空気湿気によって受ける影響がはるかに少ない。「実質的に電気的に中性な」とは、媒体が検出できる電荷を有していないことを意味する。
【0040】
試験方法
濾過効率は、TSIインコーポレーティッド(ミネソタ州セントポール)(TSI Incorporated(St.Paul,Minnesota))から市販されている分級効率フィルター試験機モデル(Fractional Efficiency Filter Tester Model)3160によって測定された。チャレンジ・エアロゾル粒子の所望の粒度は該試験機のソフトウェアへ入力され、所望のフィルター流量が設定された。32.4リットル/分の容量空気流速度および5.33cm/秒の面速度が用いられた。試験は、フィルターがあらゆる選択された粒度でチャレンジされるまで自動的に継続した。圧力降下と共に各粒度についてのフィルター効率データを含有する報告が次にプリントされた。下のデータに報告される効率は、0.3マイクロメートル粒子チャレンジのみについてである。
【0041】
圧力降下は、TSIインコーポレーティッド(ミネソタ州セントポール)から市販されている分級効率フィルター試験機モデル3160によって報告されるものであった。試験条件は、濾過効率試験方法の下に記載されている。圧力降下は、本明細書ではmm HOとも呼ばれる、水柱のmm単位で報告される。
【0042】
坪量は、参照により本明細書によって援用される、ASTM(米国材料試験協会)D−3776によって測定され、g/m単位で報告された。
【0043】
厚さは、参照により本明細書によって援用される、ASTM D177−64によって測定され、マイクロメートル単位で報告される。
【0044】
繊維径は次の通り測定された。5,000倍の倍率での10の走査電子顕微鏡(SEM)画像が各ナノファイバー層サンプルについて撮られた。11の明らかに区別できるナノファイバーの直径が該写真から測定され、記録された。欠陥(すなわち、ナノファイバーの塊、ポリマー滴、ナノファイバーの交差点)は含まれなかった。各サンプルについての平均繊維径が計算された。
【0045】
剛性は、トウィング・アルバート・インスツルメント社(ペンシルバニア州フィラデルフィア)(Thwing Albert Instrument Co.(Philadelphia,Pennsylvania))によって製造された「ハンドル−o−メーター」機器を用いて測定された。ハンドル−o−メーターは、平行エッジのスロット中へ材料の検体を押し込むときに刃が受ける抵抗をグラム単位で測定する。これは材料の剛性の指標であり、それは材料の柔軟性と反比例の関係を有する。剛性は、材料の長手方向(縦方向)および横断方向(横方向)の両方で測定される。
【0046】
フラジール形透過度は、多孔性材料の通気性の尺度であり、立方フィート/分/平方フィートの単位で報告される。それは、0.5インチ(12.7mm)水の差圧で材料を通る空気流の体積を測定する。オリフィスが、サンプルを通る空気の流れを測定できる量に制限するために真空システムに取り付けられる。オリフィスのサイズは材料の気孔率に依存する。フラジール形透過度は、較正されたオリフィス付きシャーマンW.フラジール社(Sherman W.Frazier Co.)二重圧力計を用いて立方フィート/分/平方フィートの単位で測定され、m/分/mの単位に変換される。
【実施例】
【0047】
実施例1
ナノファイバー層を、1.14g/ccの密度を有するナイロン−6,6ポリマー(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー、デラウェア州ウィルミントン(E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,Delaware)から入手可能な)の99%純度のギ酸(ケミラ・オイジ、フィンランド国ヘルシンキ(Kemira Oyj,Helsinki,Finland)から入手可能な)中24重量パーセントの溶液を電子ブローすることによって製造した。ポリマーおよび溶剤を溶液混合タンクへフィードし、溶液を溜めへ移し、PCT特許公開国際公開第03/080905号パンフレットに記載されているような、紡糸ノズルを有する電気ブローイング紡糸パックにギアポンプによって計量供給した。紡糸パックは0.75メートル幅であり、76紡糸ノズルを有した。パックは、10バールの紡糸ノズル中溶液の圧力で室温にあった。紡糸口金を電気的に絶縁し、75kVの電圧をかけた。44℃の温度の圧縮空気を、7.5m/分の速度および660mm HOの圧力で紡糸パック中へ空気ノズルを通して注入した。溶液は、大気圧、65〜70%の相対湿度および29℃の温度の空気中へ紡糸ノズルを出た。ナノファイバー−形成法のポリマー溶液処理量は約2cm/分/穴であった。形成された繊維をパックの出口の310mm下方に5〜12m/分で移動する多孔性ベルトの最上部上の多孔性スクリム上へレイダウンした。ベルトの真下で100〜170mm HOの減圧に引く真空チャンバーが繊維のレイダウンを助けた。コロン・カンパニー(Kolon Company)(韓国)から入手した40g/m坪量スパンボンドPET不織材料(フィノン(Finon)C 3040)をスクリムとして使用した。スクリムは縦方向に35g、横方向に55gの剛性を有した。
【0048】
製造されたSN構造体を、TSI試験機3160を用いて濾過効率および圧力降下について様々な粒度でチャレンジし、結果を表1に与える。
【0049】
実施例2
SN構造体を実施例1に記載されるように、しかしナノファイバー層のより高い坪量で製造した。生じた構造体を濾過効率および圧力降下について様々な粒度でチャレンジし、結果を表1に与える。
【0050】
【表1】

【0051】
実施例3
SN構造を有する濾過媒体を、約70g/cmの坪量を有するフィノンC 3070スパンボンドPETスクリム上に約3g/mの坪量を有する、溶剤を含有するナイロンナノファイバー層を付着させることによって実施例1のように形成した。ナノファイバーの平均直径は約400nmであった。ナノファイバーウェブを、60mm HOのコレクター真空圧力下にスクリム上に集めて複合SN布を形成し、複合布を110℃のおよび20mm HOの真空圧力の乾燥機に通した。複合布にひだを付けてひだ付きフィルター媒体を形成した。溶剤接合プロセスは、層間剥離なし、およびひだ付き媒体の手動摩擦に対するナノファイバー層の良好な耐摩耗性の、スクリムへのナノファイバーウェブの良好な接合をもたらした。ひだ付け前後の濾過媒体の圧力降下および効率を表2にリストする。
【0052】
実施例4
濾過媒体を、ナノファイバー層を80mm HOのコレクター真空圧力下にスクリム上に集めたことを除いては、実施例3のように形成した。複合布にひだを付けてひだ付きフィルター媒体を形成した。溶剤接合プロセスは、層間剥離なし、およびひだ付き媒体のナノファイバー層の手動摩擦に対するかなりの耐摩耗性の、スクリムへのナノファイバーウェブの良好な接合をもたらした。ひだ付け前後の濾過媒体の圧力降下および効率を表2にリストする。
【0053】
比較例A
濾過媒体を、ナノファイバー層を40mm HOのコレクター真空圧力下にスクリム上に集めたことを除いては、実施例3のように形成した。複合布にひだを付けてひだ付きフィルター媒体を形成した。溶剤接合プロセスは、層間剥離なしのスクリムへのナノファイバーウェブの良好な接合をもたらしたが、ナノファイバー層はひだ付き媒体の手動摩擦によって容易に摩耗した。ひだ付け前後の濾過媒体の圧力降下および効率を表2にリストする。
【0054】
比較例B
濾過媒体を、ナノファイバー層をスパンボンドPPスクリム上に集めたことを除いては、実施例3のように形成した。接合は全く明らかではなかった。
【0055】
実施例5
濾過媒体を、コロン・カンパニー製のフィノンC 3070スパンボンドPETスクリム上へ約3g/mの坪量を有する、溶剤を含有するナイロンナノファイバー層を付着させることによって形成した。ナノファイバー層を4mm HOの真空圧力下にスクリム上に集め、2層梳毛布(HDKインダストリーズ社、サウスカロライナ州グリーンビル(HDK Industries,Inc.,Greenville,S.C.))の最上部スクリムを付着させた。梳毛布は、梳毛ナイロン繊維の層と梳毛PET繊維の層とを有した。梳毛ナイロン繊維層を、ナイロンナノファイバー層と接触させて複合SNS布を形成した。複合SNS布を、最上部および底部スクリム層の両方へのナノファイバー層の溶剤接合を達成するために圧密ニップに通した。その次に、溶剤接合複合材料を、90℃の温度および20mm HOの真空圧力の乾燥機に通した。複合布にひだを付けてひだ付き濾過媒体を形成した。溶剤接合プロセスは、ハンドリング時に層間剥離なし、およびひだ付き媒体の2層を一緒に擦ることによってほんのわずかな層間剥離の、スクリムへのナノファイバーウェブの良好な接合をもたらした。ひだ付け前後の濾過媒体の圧力降下および効率を表2にリストする。
【0056】
実施例6
濾過媒体を、ナノファイバー層の坪量が5g/mであることを除いては、実施例5のように形成した。複合布にひだを付けてひだ付きフィルター媒体を形成した。溶剤接合プロセスは、ハンドリング時に層間剥離なし、およびひだ付き媒体の2層を一緒に擦ることによって層間剥離なしの、スクリムへのナノファイバーウェブの良好な接合をもたらした。ひだ付け前後の濾過媒体の圧力降下および効率を表2にリストする。
【0057】
実施例7
濾過媒体を、底部スクリムがフィノンF 5070スパンボンドPETスクリムでありそしてコレクター真空圧力が5mm HOであることを除いては、実施例5のように形成した。複合布にひだを付けてひだ付きフィルター媒体を形成した。溶剤接合プロセスは、ハンドリング時に層間剥離なし、およびひだ付き媒体の2層を一緒に擦ることによってほんのわずかな層間剥離の、スクリムへのナノファイバーウェブの良好な接合をもたらした。ひだ付け前後の濾過媒体の圧力降下および効率を表2にリストする。
【0058】
実施例8
濾過媒体を、コレクター真空圧力が10mm HOであることを除いては、実施例7のように形成した。複合布にひだを付けてひだ付きフィルター媒体を形成した。溶剤接合プロセスは、ハンドリング時に層間剥離なし、およびひだ付き媒体の2層を一緒に擦ることによって層間剥離なしの、スクリムへのナノファイバーウェブの良好な接合をもたらした。ひだ付け前後の濾過媒体の圧力降下および効率を表2にリストする。
【0059】
実施例9
濾過媒体を、コレクター真空圧力が20mm HOであることを除いては、実施例7のように形成した。複合布にひだを付けてひだ付きフィルター媒体を形成した。溶剤接合プロセスは、ハンドリング時に層間剥離なし、およびひだ付き媒体の2層を一緒に擦ることによってほんのわずかな層間剥離の、スクリムへのナノファイバーウェブの良好な接合をもたらした。ひだ付け前後の濾過媒体の圧力降下および効率を表2にリストする。
【0060】
比較例C
濾過媒体を、本発明に従って30g/mスパンボンドPETベーススクリム(フィノンC 3040)上にポリアミドナノファイバーの3g/m層を付着させることによって形成し、予め形成された70g/mスパンボンドPET最上部スクリム(フィノンC 3040)をナノファイバー層に接着積層してSNS構造体を形成した。ひだ付け前の濾過媒体の圧力降下および効率を表2にリストする。
【0061】
実施例10
濾過媒体を、70g/mスパンボンドPETベーススクリム(フィノンC 3040)上にポリアミドナノファイバーの3g/m層を付着させることによって形成し、30g/mスパンボンドPET最上部スクリム(フィノンC 3040)を、本発明のインライン溶剤接合プロセスに従ってナノファイバー層上に付着させてSNS構造体を形成した。ひだ付け前の濾過媒体の圧力降下および効率を表2にリストする。
【0062】
【表2】

【0063】
上述したように、たったの40mm HO真空下に付着された比較例Aは、可ないし良の耐摩耗性を実証する本発明の実施例3および4とは対照的に、摩耗に対して不十分な耐性を有した。高度に非極性のPPスパンボンドスクリムを利用する比較例Bは、濾過媒体としての使用のためのスクリムとナノファイバー層との十分な接合を達成することができなかった。
【0064】
接着積層された比較例Cは、本発明のインライン溶剤接合積層法に従って形成された、実施例10の同一のSNS構造体と比べて、低下した効率および増加した圧力降下を実証した。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明での使用に好適なナノファイバーを形成するための先行技術電気ブローイング装置の図である。
【図2】本発明に従ったSNS溶剤接合布の製造のための加工ラインの図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブ間に接着剤の不存在下に、ナノファイバーと相容性の材料から紡糸されたナノファイバーより大きい平均直径の繊維を含んでなる第1の支持ウェブに溶剤接合された電気ブローン・ポリマーナノファイバーのウェブを含んでなる複合布。
【請求項2】
ナノファイバーポリマーがポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデンおよびポリビニルアルコールよりなる群から選択され、そして支持ウェブがポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、天然繊維およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される繊維を含んでなる請求項1に記載の複合布。
【請求項3】
相容性材料がポリマーである請求項1に記載の複合布。
【請求項4】
ナノファイバーおよび支持ウェブの両方がポリアミドである請求項2に記載の複合布。
【請求項5】
ナノファイバーポリマーおよび前記支持ウェブのポリマー繊維が異なるポリマーである請求項3に記載の複合布。
【請求項6】
支持ウェブが異なるポリマー繊維の組み合わせを含んでなる請求項3に記載の複合布。
【請求項7】
支持ウェブが異なるポリマー繊維の多層を含んでなる請求項6に記載の複合布。
【請求項8】
支持ウェブが織布または不織ウェブである請求項1に記載の複合布。
【請求項9】
支持ウェブがスパンボンド繊維、メルトブローン繊維、梳毛繊維、ウェットレイド繊維およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される不織ウェブである請求項8に記載の複合布。
【請求項10】
ナノファイバーウェブが約200nm〜500nmの平均ファイバー直径を有し、少なくとも約2.5g/mの坪量を有するポリアミドナノファイバーを含んでなり、そして支持ウェブがスパンボンド繊維の少なくとも1つの層を含んでなる請求項1に記載の複合布。
【請求項11】
ナノファイバーウェブが約200nm〜500nmの平均ファイバー直径を有し、少なくとも約2.5g/mの坪量を有するポリアミドナノファイバーを含んでなり、そして支持ウェブが梳毛ポリアミド繊維と梳毛ポリエステル繊維との二層構造体を含んでなり、かつ、ナノファイバーウェブが梳毛ポリアミド繊維層に溶剤接合される請求項1に記載の複合布。
【請求項12】
第1の支持ウェブの反対側で前記ナノファイバーウェブに溶剤接合された、前記ナノファイバーと相容性の材料から紡糸されたナノファイバーより大きい平均直径の繊維を含んでなる第2の支持ウェブをさらに含んでなる請求項1に記載の複合布。
【請求項13】
前記第1および第2の支持ウェブが化学的に同じものである請求項12に記載の複合布。
【請求項14】
前記ナノファイバーがポリアミドであり、そして支持ウェブがPETと天然繊維とのブレンドを含んでなる請求項2に記載の複合布。
【請求項15】
前記天然繊維がセルロースである請求項14に記載の複合布。
【請求項16】
前記ナノファイバーがポリアミドであり、そして支持ウェブ繊維がすべて天然繊維である請求項2に記載の複合布。
【請求項17】
前記天然繊維がセルロースである請求項16に記載の複合布。
【請求項18】
前記ナノファイバーがポリビニルアルコールであり、そして前記支持ウェブがポリビニルアルコール繊維とレーヨン繊維とのブレンドを含んでなる請求項2に記載の複合布。
【請求項19】
ポリマーナノファイバーのウェブおよびそのための溶剤を、前記ナノファイバーポリマーと相容性である材料から紡糸されたより大きい繊維を含んでなる移動中の支持ウェブ上へ電気ブローする工程と、組み合わせられたウェブに約4mm HO〜170mm HOの真空圧力をかけてナノファイバーウェブを支持ウェブに溶剤接合する工程とを含んでなる、複合布の形成方法。
【請求項20】
溶剤接合ナノファイバーウェブ/支持ウェブ複合布を形成するために、かけられる真空圧力が約60mm HO〜170mm HOである請求項19に記載の方法。
【請求項21】
かけられた真空圧力が約4mm HO〜30mm HOであり、そして前記ナノファイバーポリマーと相容性である材料から紡糸されたより大きい繊維を含んでなる第2の支持ウェブを前記ナノファイバーウェブ上に付着させて、支持ウェブ/ナノファイバーウェブ/支持ウェブ複合布を形成する工程と、前記複合布を圧密ニップに通して複合材料を溶剤接合させる工程とをさらに含んでなる請求項19に記載の方法。
【請求項22】
溶剤接合複合布を真空下に乾燥させて溶剤を除去する工程をさらに含んでなる請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−525671(P2008−525671A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549631(P2007−549631)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/047399
【国際公開番号】WO2006/071979
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】