説明

粒状半導体材料のドーピング

本発明は半導体材料のドーピング方法に関する。基本的には、該方法は一定量の粒状半導体材料とイオン性塩またはイオン性塩の調製物を混合することを含む。好ましくは、粒状半導体材料は1 nm ないし100 μmの範囲のサイズを有する粒子を含む。特に好ましくは、粒子サイズは50 nmないし500 nmの範囲である。好ましい半導体材料は真性および金属級シリコンである。本発明はバインダーおよび溶媒と同様、ドープした半導体材料を含む印刷可能組成物にまで及ぶ。本発明はさらに、pおよびn型特性を有する印刷可能組成物層から形成される半導体デバイスに及ぶ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粒状半導体材料のドーピング方法に関する。特に、本発明は半導体ナノ粒子のドーピングに関するが、広いサイズ幅の粒子のドーピングに対する一般的適用性を有する。
【背景技術】
【0002】
数ナノメートルから数百ナノメートルまでの特徴的サイズを有する半導体ナノ粒子は、広く研究されてきた材料の型であり、サイズ効果はバルク材料の特性を支配する。一般に、特定材料およびその適用に依存して、3つの異なるサイズ-に関する現象は、このようなナノ粒子の電子的、光学的、熱的および機械的特性を変化させ得る:
【0003】
1.既知のバルク相と比較して異なる構造および組成;

2.バルク相と比較して高い粒子の表面積対体積率であり、それが、表面状態およびプロセスに支配させる要因となっており;および

3. 量子閉じこめは、対象物のサイズが基本励起(電子状態、光学的波長またはフォノン励起)の波長および可干渉距離に対して類似または小さい場合に、影響する。
【0004】
特定の問題は、場合によっては、半導体粒子、半導体層、または半導体材料のいずれかのドーピングレベルの制御に関する。既知プロセスにおいては、小さい粒子サイズに粉砕された、既にドープされたバルク材が利用されてきた。他の可能性としてはナノスケールクラスターのボトムアップ合成の間に、ドーパント原子をナノ材料に組み入れることがある。全ての場合において、ドーピング型(nまたはp)が通常ナノスケールにおいて維持されていたとしても、粒子の電気的特徴、および組成それ自身は、バルクプロトタイプによって明らかに異なり、および制御が困難となり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は粒状半導体材料をドーピングする代替方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面により、半導体材料のドーピング方法を提供し、該方法は、一定量の粒状半導体材料をイオン性塩またはイオン性塩の調製物と混合することを含む。
【0007】
"ドーピング"とは、キャリア濃度および/または半導体材料の型を変化させることを意味する。
【0008】
イオン性塩またはイオン性塩の調製物は1以上の金属ハロゲン化物を含み得る。
【0009】
あるいは、イオン性塩またはイオン性塩の調製物は1以上のハロゲン化アルカリ、希土類ハロゲン化物、または遷移金属ハロゲン化物; 1以上のアルカリ金属塩; 1以上の希土類塩; 1以上の遷移金属塩;または硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩またはアニオン錯体を含み得る。
【0010】
イオン性塩またはイオン性塩の調製物は、金属カチオンおよびアニオン基を含む化合物を含み得る。
【0011】
該方法は、対応する塩の塩基の添加によって達成された、過剰なカチオン種と共にイオン性塩の調製物を一定量の粒状半導体材料に添加することを含み得る。
【0012】
カチオン種はアルカリ金属、希土類金属、遷移金属または他の正に帯電した金属イオンであり得る。
【0013】
例として、塩は塩化ナトリウム(NaCl)であり得、および塩基は水酸化ナトリウム(NaOH)であり得る。
【0014】
他の実施例によっては、塩は塩化マグネシウム(MgCl2)であり得、および塩基は水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)であり得る。
【0015】
該方法は、対応する塩の酸の添加によって、多量の粒子半導体材料まで達成した、過剰な陰イオン種と共にイオン性塩の生成を添加することを含み得る。
【0016】
この場合において、陰イオン種はハロゲン、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩または他のマイナスに帯電した種または錯体であり得る。
【0017】
例として、塩は塩化ナトリウム(NaCl)であり得、および酸は塩酸(HCl)であり得る。
【0018】
他の実施例において、塩は塩化マグネシウム(MgCl2)であり得、および酸は塩酸(HCL)であり得る。
【0019】
粒子半導体材料はIV族元素; 二元、三元または第4化合物半導体; 酸化物;またはカルコゲナイド半導体材料を含み得る。
【0020】
好ましい実施形態として、粒子半導体材料はシリコンを含む。
【0021】
粒子半導体材料は、真性シリコン等の真性材料を含み得る。。
【0022】
あるいは、粒子半導体材料は金属級シリコンなどのn-型材料を含み得る。
【0023】
粒子半導体材料は、1 nmないし100 μmの範囲の粒子サイズを有し得る。
【0024】
好ましくは、粒子半導体材料は10 nmないし1000 nmの範囲、および特に好ましくは50 nmないし500 nmの範囲の粒子のサイズを有し得る。
【0025】
1実施形態においては、粒子半導体材料は平均粒子サイズが60nmである名目上真性シリコンナノパウダーを含む。
【0026】
他の実施形態においては、粒子半導体材料は平均粒子サイズが200nmである金属級シリコンナノパウダーを含む。
【0027】
本発明の第2の側面により、粒子上記で定義した方法によってドープした半導体材料、バインダー、および溶媒を含む印刷可能組成物を提供する。
【0028】
印刷可能組成物は、バインダーおよび/または溶媒と共に混合するのに先立って、イオン性塩または塩の生成と共にドープされた粒子半導体材料を含み得る。
【0029】
あるいは、粒子半導体材料は、イオン性塩または塩の生成の添加に先立って、バインダーおよび/または溶媒と混合された粒子半導体材料を含み得る。
【0030】
バインダーは酢酸酪酸セルロース(CAB)であり得、および溶媒はクロロホルム、アセトンまたは溶剤であり得る。
【0031】
あるいは、バインダーはポリエステルまたは自家重合エステル(モノマー)であり得、および溶媒はアルコール、アセトンまたは溶剤であり得る。
【0032】
溶媒はアルコールであり、エタノールであり得る場合がある。
【0033】
本発明の第3の側面によると、上記方法によってドープした粒子半導体材料、およびバインダーとの混合物より成る半導体合成物を提供する。
【0034】
本発明の第4の側面によると、基板、相互に接触した該基板上に蒸着された半導体材料の第一および第二の層、および該第一および第二の層に対してなされた各電気的接触を含み、ここに、該第一および第二の層の各々は上記で定義した印刷可能組成物を含み、第一および第二の層の一方はn-型特性を有し、および第一および第二の層の他方はp-型特性を有し、従って、p-n接合が該層間に規定されることを特徴とする半導体デバイスを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明は一般に粒子半導体材料のドーピング方法、および特にはそれらより作成される組成物および複合材料と同様、ナノ粒子に関する。これは、イオン性塩、または異なるイオン性塩の、ドーパントとしての一定量の粒状材料または粒子への添加によって達成される。
【0036】
用語"塩"は、ハロゲン化アルカリ、例えばNaCl、希土類ハロゲン化物、例えば、MgCl2を含めた、あるいは硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩等のようないずれの錯体アニオン基も含めた、一般的に塩といわれるいずれの材料も含むように十分に広く解釈されるべきである。
【0037】
塩は最初に水、または他の適切な溶媒に溶解させ、粒状半導体材料と混合し、次いで乾燥することによって半導体材料に添加される。あるいは、ドーパント塩は、粒状半導体、バインダーおよび/または溶媒から成る組成物中に直接混合され得る。
【0038】
本発明の方法において、ドープされた半導体粒子は、通常従来の半導体技術においてはそうであったように、粒子が構成されるバルク半導体材料に対してというよりはむしろ、半導体粒自身に対して行われるドーピングによって生産される。従来の半導体材料では、p-型ドーピングは、例として、典型的には電子を受け取る三価の原子の添加によって起こり、よって結晶構造中の結合のため負にイオン化されるようになる。他の環境においては逆のことが起こる。化学反応時に、同原子は1以上の電子を供与することによって、正にイオン化するようになる。
【0039】
全粒子がドープされるため、本発明における方法は、よって、ナノメートルから数十ナノメートル、または数百ナノメートル、ミクロンに渡る全サイズスケール、およびシリコン、二元および三元化合物、カルコゲナイドおよび酸化物等の元素半導体を含む何らかの適した材料から成る全粒子半導体に適用可能である。また該方法は、結晶性、非晶性、または両者の混合物であるかを問わず、どのような構造局面における粒子にも適用可能である。
【0040】
イオン性塩の一定量の半導体粒子への添加は、各粒子の表面上での塩の吸着を引き起こし、または、より稀には、イオンの塩への吸着を引き起こし、それは粒子全体の遊離キャリア濃度を変化させ、よって多くのそのような粒子を含む複合材料の電気的特性同様、その電子的特性に影響を与える。イオン性塩の添加はキャリア密度を変更するためだけではなく、さらには粒子半導体をn-型からp-型、およびその逆へ変化させるために用いられ得る。これは純度および粒子を生産するのに用いる材料の電気的特性への耐性を非常に低くすることを可能とする。特に、一般的にn-型である金属級シリコンが、P-N接合および他の同様な半導体デバイス構造を生産するのに、予め精製することなしに修飾され得る。
【0041】
イオン性塩の添加によって引き起こされるドーピングプロセスの詳細なメカニズムは、依然として調査中である。目下、図1に示すように、2つの可能性として考えられるメカニズムが存在する。最も単純なシナリオは、それから中和される粒子による、イオンの吸収または吸着である。正に荷電したカチオンは次いで粒子からの電子を受け取り、それが全体的なp-型ドーピングをもたらす。同様に負に荷電したアニオンは電子を提供し、全体的なn-型ドーピングを引き起こす。
【0042】
図1(a)において、遊離(プラス)カチオンC+が、または合計してn電子およびpホールを含む半導体粒子10によって吸着または吸収される。カチオンは半導体粒子からの電子を除去することによって中和される。中性種℃は粒子10に付着した状態を保ち得る。
【0043】
第2のケースについて、もしイオンが吸着されるが、その荷電状態を維持するならば、電荷を保つために、粒子はイオンの電荷と逆の電荷によって、その全体の電荷を変えなければいけない。これが起こるには、イオンは粒子表面上に最も吸着されることとなる。この場合において、もしアニオンが吸着されるならば、粒子は電子を失うこととなる。液体環境においては、これはカチオン等の、正に荷電した種の中和、または溶液中の中性種のイオン化によって最も起こり得る。
【0044】
図1(b)において、遊離(マイナス)アニオンA-は、合計してn電子およびpホールを含む半導体粒子10によって吸着または吸収される。カチオンC+はその荷電状態を保持し、および全体の中性状態を維持するために、電子は遊離カチオンの中和または中性種のイオン化によって、除去されなければいけない。
【0045】
どちらかの状況において、ドーピングは、アニオンに対応する酸、例えばNaClの場合におけるHCl、またはカチオンに対応する塩基、例えばNaClの場合におけるNaOH等で、塩溶液を緩衝化することによって調整される。塩酸(HCl)での緩衝化は塩素イオン(Cl-)を加え、他方、水酸化ナトリウム(NaOH)での緩衝化はナトリウムイオン(Na+)を加え、かくして、溶液のNa:Cl比率を変化させる。
【0046】
上記ドーピング方法は、MTI Crystals Corpからの、平均サイズである60nmの、市販のシリコンナノパウダーより調製した半導体ナノ粒子インク上で行った。上記の特定のSiナノパウダーおよび異なる不活性バインダーを含むインクを用いて作成した印刷層は、供給されたパウダーは名目上真性であったにもかかわらず、ホール効果測定によって見受けられたのは全てわずかにn-型の伝導性であった。第3の実施例において、用いられたパウダーはSilicon Smelters (Pty) Ltd、南アフリカにより提供された2305金属級シリコンより200 nm平均サイズに粉砕された。
【実施例】
【0047】
実施例1: NaClでのp-型ドーピング

本発明における半導体ナノ粒子のドーピングの第1の実施例において、塩化ナトリウムは、名目上真性である商用として手に入れられた上記で特定したナノパウダーより作成された、ナノ粒子インクのドーピングレベルおよびドーピング型を、パウダー量と比較して様々な重さの割合で添加することによって変化させるために使用した。バインダー量は8容量%の非ドープ組成物と同量に、一定に保たれた。自己重合エステルはバインダーとして使用し、エタノールは溶媒として使用した。
【0048】
図2(a)はホール係数の振る舞いを示し、混合物に添加するNaCl量の機能として、ネットキャリア濃度に対して反比例をする。2重量%のNaClにおいて、印刷層はn-型を保つが、しかし僅かにより低いキャリア濃度、および非ドープ材料よりもよりマイナスのホール係数を有する。2%および4%間のNaClが添加され、材料はn-型からp-型半導体に変化する。4%およびそれ以上のNaClの添加においては、ホール係数はプラスであり、および濃度の増加に伴い減少する。10%においては、ホール係数非常に低いが、プラスを保つ。
【0049】
上記データより、混合物に添加されるNaCl量は、約0ないし10重量% [約0ないし5モル%]の範囲であるべきだということが推論され得る。
【0050】
120 keV走査型透過電子顕微鏡(STEM)用いることで、元素マッピングは、明らかに塩素がナノ粒子上に吸着され、およびバインダー材料のマトリックス環境下には溶解しないことを示している。図3(a)および3(b)は、塩素における元素マップおよび、10%NaClでドープしたパウダーの対応する顕微鏡写真を示す。塩素の位置は明らかに、粒子の位置と対応する。
【0051】
実施例2: MgCl2でのp-型およびn-型ドーピング

本発明における半導体ナノ粒子のドーピングの第1の実施例において、塩化マグネシウムは、名目上真性である商用として手に入れられた上記で特定したナノパウダーより作成された、ナノ粒子インクのドーピングレベルおよびドーピング型を、パウダー量と比較して様々な重さの割合で添加することによって変化させるために使用した。バインダー量は8容量%の非ドープ組成物と同量に、一定に保たれた。
【0052】
図2(b)はホール係数の振る舞いを示し、混合物に添加するMgCl2量の機能として、ネットキャリア濃度に対して反比例をする。4%のドーピングにおいて、ホール電圧を観察するのは可能ではなく、これはキャリア濃度がゼロであり、およびホール係数が未定義であることを示唆した。これは初期のドーピングが、n-型粒子からの伝導電子のトラッピングまたは脱離によって起こることを示している。
【0053】
4%および16重量%間のMgCl2を添加することで、ホール係数はプラスであるが、しかし濃度の増加に伴って減少し、p-型伝導性を示す。20%のMgCl2においては、伝導性は再びn-型となる。この場合において、しかしながら、ホール係数はゼロを通って滑らかに進むように見え、これは2つの効果間の競合によって引き起こされたネットドーピング型における変化として解釈でき得る。これは陰イオンまたは陽イオン種の共-吸収、または2つの異なる荷電状態におけるイオンの一方の型の吸収のいずれかであり得る。混合物に添加したMgCl2量は約0ないし20重量%[0-3.3モル%]の範囲内であるべきだと考えられる。
【0054】
実施例3: 金属級シリコンでドープしたNaClによるP-N接合

上記2305金属級シリコンは、180分間軌道粉砕機において粉砕され、およびダイオード中のpおよびn層両者として用いた。この粉砕状態によって得られた平均粒子サイズは、200 nmであり、大きなサイズ分布を伴った。
【0055】
400mgのパウダーがn-型インクを作成するために、その初期状態として用いられた。p-型インクの作成のために、400 mgのパウダーを脱イオン水中のNaCl溶液と混合し、よってNaClの比率は乾燥シリコンの6重量%となった。混合後、溶液は600Cで3日間オーブン乾燥し、水分を蒸発させた。
【0056】
インクはドープおよび非ドープパウダー両者より、パウダーを200 μlの同じ自己重合性の上記バインダーおよび、約400 μlの同じ商用ラッカー薄め液に混合することによって作成し、粘度を調整した。
【0057】
図4(a)および4(b)は、図式的に、上記パウダーを用いて得られるP-N接合の整流特性を示すテスト構造として作成されたプロトタイプダイオードを示す。ダイオード構造は、100ミクロンポリエステルフィルムを含む基板10上に形成した。基板は標準ゼロックス(Xerox)コピー透過材料のシートより切り取った。第1伝導体12はDupont5000シルバーコンタクト材料を用いて基板上に印刷したステンシルであり、接触層を20ミクロンの厚さおよび7mm幅と定義する。p-型インクの層14は、約11mm四方および50ミクロンの厚さであり、シルバーボトムコンタクト12上に投じた。周囲条件下でさらに1日乾燥した後、n-型層16はn-型インクをp-型層14の中心上に投じることで形成し、約60ミクロンの厚さおよび7mm四方の層を形成した。さらに乾燥した後、厚い上端接触層18はp-型層16の中心上に塗り、コンタクト線20をデバイスに適用できるようにした。
【0058】
図5は上記デバイスの電流電圧特性を示す。2つの印刷シリコン層14および16間に形成されたP-N接合の整流特性が、開始電圧が約1Vであると共に、明らかに示される。
【0059】
本発明の方法によって作成された半導体ナノ粒子の潜在用途は、電場発光物質材料および色素増感太陽電池(DSC);有機および無機半導体インク、印刷半導体層および印刷デバイスにおけるそれらの利用も含む。適用によっては、単一粒子がマトリックス(量子ドット、OLEDs、DSC電池、有機半導体インク)内に不規則に分散し、規則的に配列し得(光子配列)、または相互接続構造(無機半導体インク)を形成し得る。後者は細密構造、ランダムネットワークまたは、異なるサイズのフラクタル塊クラスターとなり得る。応用によっては、単層または多層構造が必要とされる場合、サイズ制限は緩和され、よってミクロンまたはサブ-ミリメートルスケールのものまでのより大きな半導体粒子が、複合材料または印刷可能組成物の半導体構成要素を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1(a)および1(b)は、本発明におけるドーピングプロセスの化学反応機構を説明する概略図である;
【図2】図2(a)および2(b)は各々、NaClおよびMgCl2によってドープされたナノ粒子シリコンインクの、ホール係数における変化を説明するグラフである;
【図3】図3(a)および3(b)は各々、10重量%のNaClでドープしたシリコンナノパウダーの、透過型電子顕微鏡写真および対応する元素マップである;
【図4】図4(a)および4(b)は各々、本発明におけるプロトタイプダイオード構造の側面および頂点からの概略図である;および
【図5】図5は、図4のダイオード構造における実施例の電流電圧特性を示すグラフである。
【図1(a)】

【図1(b)】

【図2a】

【図2b】

【図3(a)】

【図3(b)】

【図4(a)】

【図4(b)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定量の粒状半導体材料とイオン性塩またはイオン性塩の調製物を混合することを含む半導体材料のドーピング方法。
【請求項2】
該イオン性塩またはイオン性塩の調製物が1以上の金属ハロゲン化物を含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
該イオン性塩またはイオン性塩の調製物が1以上のハロゲン化アルカリ、希土類ハロゲン化物、または遷移金属ハロゲン化物を含む請求項2記載の方法。
【請求項4】
該イオン性塩またはイオン性塩の調製物が1以上のアルカリ金属塩を含む請求項1記載の方法。
【請求項5】
該イオン性塩またはイオン性塩の調製物は1以上の希土類塩を含む請求項1記載の方法。
【請求項6】
該イオン性塩またはイオン性塩の調製物は1以上の遷移金属塩を含む請求項1記載の方法。
【請求項7】
該イオン性塩またはイオン性塩の調製物は硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩または同様のアニオン錯体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
該イオン性塩またはイオン性塩の調製物は、金属カチオンおよびアニオン基を含む化合物を含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
対応する塩の塩基の添加によって達成された、過剰なカチオン種と共にイオン性塩の調製物を一定量の粒状半導体材料に添加することを含む請求項1ないし8の何れか1記載の方法。
【請求項10】
該カチオン種がアルカリ金属、希土類金属、遷移金属または他の正に帯電した金属イオンである請求項9記載の方法。
【請求項11】
該塩が塩化ナトリウム(NaCl)であって該塩基が水酸化ナトリウム(NaOH)である請求項9または請求項10に記載の方法。
【請求項12】
該塩が塩化マグネシウム(MgCl2)であって、該塩基が水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)である請求項9または請求項10に記載の方法。
【請求項13】
対応する塩の酸の添加によって達成された、過剰なアニオン種と共にイオン性塩の調製物を一定量の粒状半導体材料に添加することを含む請求項1ないし8の何れか1記載の方法。
【請求項14】
該アニオン種がハロゲン、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩または他の負に帯電した種または錯体である請求項13記載の方法。
【請求項15】
該塩が塩化ナトリウム(NaCl)であって、該酸が塩酸(HCl)である請求項13または請求項14記載の方法。
【請求項16】
該塩が塩化マグネシウム(MgCl2)であって、該酸が塩酸(HCl)である請求項13または請求項14記載の方法。
【請求項17】
該粒状半導体材料がIV族元素; 2元、3元または4元化合物半導体; 酸化物; またはカルゴゲナイド半導体材料を含む、前記いずれかの請求項1記載の方法。
【請求項18】
該材料がシリコンを含む請求項17記載の方法。
【請求項19】
該粒状半導体材料が真性材料を含む請求項17または請求項18に記載の方法。
【請求項20】
該材料が真性シリコンを含む請求項19記載の方法。
【請求項21】
該粒状半導体材料がn-型材料を含む請求項17または請求項18に記載の方法。
【請求項22】
該材料が金属級シリコンを含む請求項21記載の方法。
【請求項23】
該粒状半導体材料が1 nmないし100 μmの範囲の粒子サイズを有する請求項1ないし22の何れか1記載の方法。
【請求項24】
該粒状半導体材料が10 nmないし1000 nmの範囲の粒子サイズを有する請求項23記載の方法。
【請求項25】
該粒状半導体材料が50 nmないし500 nmの粒子サイズを有する請求項24記載の方法。
【請求項26】
該粒状半導体材料が60nmの平均粒子サイズを有する名目上真性シリコンナノパウダーを含む請求項25記載の方法。
【請求項27】
該粒状半導体材料が200nmの平均粒子サイズを有する金属級シリコンナノパウダーを含む、請求項25記載の方法。
【請求項28】
請求項1ないし27のいずれか1記載の方法でドープされた粒状半導体材料、バインダー、および溶媒を含む印刷可能組成物。
【請求項29】
該粒状半導体材料が、バインダーおよび/または溶媒と混合するのに先立って、イオン性塩または該塩の調製物によってドープされる請求項28記載の印刷可能組成物。
【請求項30】
該粒状半導体材料がイオン性塩または該塩の調製物の添加に先立ってバインダーおよび/または溶媒と混合される請求項28記載の印刷可能組成物。
【請求項31】
該バインダーが酢酸酪酸セルロース(CAB)である請求項28ないし30の何れか1記載の印刷可能組成物。
【請求項32】
該溶媒がクロロホルム、アセトンまたは溶剤である、請求項28ないし31の何れか1記載の印刷可能組成物。
【請求項33】
該バインダーがポリエステルまたは自己重合性エステル(モノマー)であって、該溶媒がアルコール、アセトンまたは溶剤である請求項28ないし30の何れか1記載の印刷可能組成物。
【請求項34】
該アルコールがエタノールである請求項33記載の印刷可能組成物。
【請求項35】
請求項1ないし27の何れか1記載の方法によってドープされた粒状半導体材料、およびバインダーの混合物から成る、半導体複合体。
【請求項36】
基板、相互に接触した該基板上に蒸着された半導体材料の第一および第二の層、および該第一および第二の層に対してなされた各電気的接触を含み、ここに、該第一および第二の層の各々は請求項28ないし34いずれか1記載の印刷可能組成物を含み、第一および第二の層の一方はn-型特性を有し、および第一および第二の層の他方はp-型特性を有し、従って、p-n接合が該層間に規定されることを特徴とする半導体デバイス。

【図5】
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【公表番号】特表2009−505930(P2009−505930A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527528(P2008−527528)
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【国際出願番号】PCT/IB2006/002290
【国際公開番号】WO2007/023362
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(504425406)ユニバーシティ・オブ・ケープ・タウン (9)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF CAPE TOWN
【Fターム(参考)】