説明

粘性流体塗布装置

【課題】基板にクリーム半田および接着剤を塗布する装置であって、装置を大型化することなくこれら粘性流体の塗布に係る作業効率を向上させる粘性流体塗布装置を提供すること。
【解決手段】基板に粘性流体を塗布する粘性流体塗布装置101であって、粘性流体であるクリーム半田を吐出することで、1つの基板上のクリーム半田を塗布すべき位置である半田塗布位置にクリーム半田を塗布する第1ノズル11aと、粘性流体である接着剤を吐出することで、基板上の接着剤を塗布すべき位置である接着剤塗布位置に接着剤を塗布する第2ノズル22aと、第1ノズル11aと第2ノズル22aとを保持する1つの基体10aと、基体10aと基板との、基板の粘性流体が塗布される面に平行な平面上における相対位置を変更するY軸用モータ17およびX軸用モータ18とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品実装に必要な粘性流体をプリント基板に塗布する粘性流体塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クリーム半田および接着剤等の部品実装に必要な粘性流体を、プリント基板(以下、単に「基板」という。)に塗布する装置が存在する。例えば、マスクを用いて基板にクリーム半田を塗布する装置が存在する。
【0003】
この装置によれば、基板をマスクの下面に近接させ、マスク上でスキージをスライドさせる。これにより、マスクに開孔された複数の孔を通して基板上の所定の塗布位置にクリーム半田を塗布することができる。
【0004】
このように、マスクを用いることにより、複数の塗布位置に短時間でクリーム半田を塗布することができる。
【0005】
しかしながら近年、基板に実装する部品の小型化が進んでいる。これに伴い、クリーム半田等の粘性流体の一箇所当たりの塗布面積も小さくなり、かつ、複数存在する塗布位置間の距離も非常に短いものとなっている。
【0006】
そのため、従来のマスクを用いた装置では、マスクの孔が微小化しかつ密集することになり、クリーム半田を正確かつ確実に塗布することが困難になってきている。
【0007】
また、クリーム半田の塗布パターンを変更する場合、その都度マスクの変更および調整が必要であり、いわゆる段取り変えに時間を要するという問題もある。
【0008】
そこで、マスクを用いずに、粘性流体を吐出するノズルを用いて粘性流体を基板に塗布する装置も使用されている。
【0009】
このような装置では、粘性流体を一箇所ずつ塗布するため、マスクを用いる装置と比べると、粘性流体の塗布に係る作業効率が比較的低いものになる。
【0010】
そこで、ノズルを用いて粘性流体を基板に塗布する装置において、ノズルを備えたヘッドを複数用いて複数の基板に対する粘性流体の塗布作業を行うことで生産タクトを向上させる技術も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
図24は、従来の接着剤塗布装置の主要な構成を示す図である。
【0012】
図24に示す接着剤塗布装置200では、それぞれの基板61をテーブル63および64の移動により搬送方向と直角な方向に個々に位置決めする。また、塗布ヘッド67および68を搬送方向に移動させて個々に位置決めする。
【0013】
マルチノズルヘッドである塗布ヘッド67および68はそれぞれ、互いに塗布径の異なるノズル71、72および73を有しており、それぞれがいずれかのノズルから接着剤を吐出することにより、テーブル63および64上の2つの基板61の必要位置に接着剤を塗布する。
【0014】
接着剤塗布装置200は、このようにして基板61への接着剤塗布に係る作業効率を向上させている。
【特許文献1】特開平9−141165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記従来の接着剤塗布装置200は、基板に接着剤を塗布する装置である。しかし、このようにノズルを用いて基板に粘性流体を塗布する方法は、クリーム半田の基板への塗布にも応用できる。
【0016】
つまり、ノズルを用いてクリーム半田を基板に塗布することにより、マスクを用いた塗布方法では困難である微小な領域に対するクリーム半田の塗布の正確性および確実性が向上する。
【0017】
ここで、クリーム半田を塗布すべき位置(以下、「半田塗布位置」ともいう。)と、接着剤を塗布すべき位置(以下、「接着剤塗布位置」ともいう。)とが混在する基板も一般に存在する。
【0018】
また、このような基板において、接着剤塗布位置の数は半田塗布位置の数よりも大幅に少ない場合が多い。
【0019】
しかし、このような基板については、当然にクリーム半田を塗布する工程と、接着剤を塗布する工程とが必要である。そのため、基板にこれら粘性流体を塗布する現場では、半田塗布装置に加え、接着剤塗布装置を設置する必要がある。
【0020】
つまり、基板1枚あたりの塗布作業量が少ないにも関わらず、接着剤を基板に塗布するための専用の塗布装置の設置が必要である。このことは、経済的な観点および空間の有効利用という観点から非効率的である。
【0021】
そこで、上記従来の接着剤塗布装置200を利用し、一方の塗布ユニットにクリーム半田を塗布させ、他方の塗布ユニットに接着剤を塗布させることが考えられる。
【0022】
これにより、一つの装置でクリーム半田および接着剤の塗布をまかなうことができ、かつ、微小な領域へのこれら粘性流体の塗布が可能となる。
【0023】
しかし、上記従来の接着剤塗布装置200は、詰まるところ、複数の塗布ユニットからなる塗布ラインにより、複数の基板に対する粘性流体の塗布作業を並列して行うことで作業効率を向上させる構成に他ならない。
【0024】
このような構成であれば、物理的に2台の装置を並べるよりは、経済的および空間的な効率性は向上するとも考えられる。しかし、それぞれの塗布ユニットが受け持つ基板ごとに塗布ユニットの動作を制御する必要があり制御に係る処理が煩雑であることに変わりはない。
【0025】
また、作業効率の向上はすなわち塗布ユニットの台数の増加であり、作業効率の向上がそのまま装置全体の大型化およびコストの上昇等を招くこととなる。
【0026】
また、装置を構成するモータ等については、各装置は、高速性を要求される。そのため各モータに要求される出力や制御装置に要求される処理時能力等が高いものとなり、設備全体のコストアップにつながることになる。
【0027】
本発明は、上記従来の課題を考慮し、基板にクリーム半田および接着剤を塗布する装置であって、装置を大型化することなくこれら粘性流体の塗布に係る作業効率を向上させる粘性流体塗布装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上記目的を達成するために、本発明の粘性流体塗布装置は、基板に粘性流体を塗布する粘性流体塗布装置であって、粘性流体であるクリーム半田を吐出することで、1つの基板上の前記クリーム半田を塗布すべき位置である半田塗布位置に前記クリーム半田を塗布する第1ノズルと、粘性流体である接着剤を吐出することで、前記基板上の前記接着剤を塗布すべき位置である接着剤塗布位置に前記接着剤を塗布する第2ノズルと、前記第1ノズルと前記第2ノズルとを保持する1つの基体と、前記基体と前記基板との、前記基板の前記粘性流体が塗布される面に平行な平面上における相対位置を変更する駆動手段とを備える。
【0029】
このように、本発明の粘性流体塗布装置は、1つの基体が備える2つのノズルによりクリーム半田と接着剤とを1つの基板に塗布する構成を採用している。
【0030】
つまり、1つの塗布ユニットにより1つの基板に対するクリーム半田および接着剤の塗布をまかなうことができる。
【0031】
従って、本発明の粘性流体塗布装置は、装置を大型化することなく粘性流体の塗布に係る作業効率を向上させる装置である。
【0032】
なお、本願明細書等において「1つの基板」という場合、1つの基板として取り扱われる各種の基板を含む。例えば、粘性流体の塗布または部品の実装などの作業の際には1つの基板として取り扱われ、事後的に複数の基板に分けられる、いわゆる多面取り基板も1つの基板に含まれる。
【0033】
また、さらに、前記第1ノズルに前記クリーム半田を吐出させるとともに前記第2ノズルに前記接着剤を吐出させることで、前記半田塗布位置への前記クリーム半田の塗布と、前記接着剤塗布位置への前記接着剤の塗布とを同時に行わせる制御手段を備えるとしてもよい。
【0034】
このように、クリーム半田と接着剤とを同時に塗布することにより、塗布作業の効率をより向上させることができる。
【0035】
なお、本願明細書等において「同時に塗布」という場合、各ノズルによる粘性流体の塗布期間が完全に一致する場合のみならず、各ノズルによる粘性流体の塗布期間の少なくとも一部が重複する場合も含む。「同時に吐出」という場合も同様である。
【0036】
また、前記第2ノズルは、前記第1ノズルとの間のノズル間距離を変更可能に前記基体に保持されているとしてもよい。
【0037】
このようにノズル間距離が可変であることにより、クリーム半田および接着剤の同時塗布の機会を増加させることができる。
【0038】
また、さらに、前記ノズル間距離を変更する変更手段と、前記半田塗布位置と前記接着剤塗布位置を示すデータである塗布データを取得する取得手段とを備え、前記制御手段はさらに、前記第1ノズルおよび記第2ノズルに前記クリーム半田および前記接着剤を吐出させる前に、前記塗布データに基づいて、前記第1ノズルが前記半田塗布位置上に位置するように前記駆動手段に前記相対位置を変更させ、かつ、前記第2ノズルが前記接着剤塗布位置上に位置するように、前記変更手段に前記ノズル間距離を変更させる。
【0039】
このように、塗布データを取得し、その塗布データに基づいて基体と基板との相対位置およびノズル間距離を変更することにより、例えば、数多くの様々な基板に対して効率よく塗布作業を進めていくことができる。
【0040】
また、前記塗布データは前記基板上の複数の半田塗布位置と1以上の接着剤塗布位置を示すデータであり、前記制御手段はさらに、前記塗布データに基づいて、前記複数の半田塗布位置の中から1つの半田塗布位置を決定し、決定した半田塗布位置上に前記第1ノズルが位置した場合の、前記第2ノズルの塗布可能範囲内にある1つの接着剤塗布位置を前記第2ノズルが前記接着剤を塗布する接着剤塗布位置と決定する決定手段を有するとしてもよい。
【0041】
このように、取得した塗布データに基づいて、複数の塗布位置の中から各ノズルに担当させる塗布位置を決定することにより、例えば、塗布作業の効率が最も向上するノズルと塗布位置との組み合わせを決定することができる。
【0042】
また、前記制御手段は、前記駆動手段に前記基体を移動させることで、前記第1ノズルが前記半田塗布位置上に位置するように前記相対位置を変更させるとしてもよい。
【0043】
つまり、本発明は、例えば、基板を静止させたまま2つのノズルを備える基体を基板に平行な方向に移動させることで基板にクリーム半田と接着剤とを塗布する粘性流体塗布装置として実現できる。
【0044】
また、さらに、前記基板が載置され、前記基板の前記粘性流体が塗布される面と平行な方向へ移動可能なテーブルを備え、前記制御手段は、前記駆動手段に前記テーブルを移動させることで、前記第1ノズルが前記半田塗布位置上に位置するように前記相対位置を変更させるとしてもよい。
【0045】
つまり、本発明は、例えば、基体を静止させたまま基板が載置されるテーブルを基板に平行な方向に移動させることで基板にクリーム半田と接着剤とを塗布する粘性流体塗布装置として実現できる。
【0046】
また、さらに、前記第1ノズルとの間の距離を変更可能に前記基体に保持され、前記クリーム半田を吐出する第3ノズルを備えるとしてもよい。
【0047】
これにより、本発明の粘性流体塗布装置は、基板に接着剤を塗布するとともに、当該基板上の2箇所の半田塗布位置に対するクリーム半田の同時塗布が可能となる。
【0048】
また、本発明は、本発明の粘性流体塗布装置の特徴的な構成部の動作を含む、粘性流体塗布方法として実現することができる。
【0049】
さらに、本発明は、本発明の粘性流体塗布方法における特徴的なステップを含むプログラムとして実現したり、そのプログラムが格納されたCD−ROM等の記憶媒体として実現したり、集積回路として実現することもできる。プログラムは、通信ネットワーク等の伝送媒体を介して流通させることもできる。
【発明の効果】
【0050】
本発明によれば、基板にクリーム半田および接着剤を塗布する装置であって、装置を大型化することなくこれら粘性流体の塗布に係る作業効率を向上させる粘性流体塗布装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0052】
(実施の形態1)
まず、図1〜図4を用いて、実施の形態1の粘性流体塗布装置101の構成を説明する。
【0053】
図1は、実施の形態1の粘性流体塗布装置101の主要な構成を示す上面図である。
【0054】
図1に示す粘性流体塗布装置101は、基板の部品実装に必要な粘性流体であるクリーム半田と接着剤とを基板に塗布する装置である。
【0055】
図1に示すように、粘性流体塗布装置101は、塗布ユニット10と、テーブル15と、ビーム16と、Y軸用モータ17と、X軸用モータ18と、搬入部19と、搬出部20とを備える。
【0056】
塗布ユニット10は、基板50にクリーム半田と接着剤とを塗布する構成部であり、基体10aと、第1ヘッド11と、第2ヘッド22と、認識部23とを備える。
【0057】
なお、塗布ユニット10はこのように複数のノズルを備えており、マルチノズルヘッドの一種である。
【0058】
第1ヘッド11は、クリーム半田を吐出するノズル(図1に図示せず)をテーブル15方向に備えている。
【0059】
また、第2ヘッド22は、接着剤を吐出するノズル(図1に図示せず)をテーブル15方向に備えている。
【0060】
認識部23は、基板50に付された認識マークを光学的に認識する構成部である。
【0061】
認識部23が、基板50に付された少なくとも2箇所の認識マークを認識することにより、クリーム半田の塗布の際の位置補正等が行われる。
【0062】
テーブル15は、搬入部19により搬入される基板50を載置する構成部である。テーブル15に載置され、クリーム半田が塗布された基板50は、搬出部20により搬出される。
【0063】
なお、テーブル15は、搬入部19により搬入された基板50を所定位置に受入れて受載するとともに保持し、クリーム半田の塗布後には搬出部20に送り出す機構を有している。また、この機構は従来の技術であり説明および図示は省略する。
【0064】
テーブル15は、このような形態に限定されるものではなく、例えば、基板50を所定の位置に固定し、基板50の裏面をサポートピンで支持する形態でもよい。
【0065】
ビーム16は、塗布ユニット10をY軸方向に移動可能に保持する構成部である。塗布ユニット10のY軸方向の移動は、Y軸用モータ17により駆動される。
【0066】
また、ビーム16は、X軸用モータ18により、X軸方向の移動が駆動される。
【0067】
このように、塗布ユニット10は、Y軸用モータ17およびX軸用モータ18により、基板50の粘性流体が塗布される面に平行な方向の移動、つまり、XY平面に平行な方向の移動が駆動される。
【0068】
また、基板50の部品が実装される面上に規定されたXY平面と、X軸用モータ18およびY軸用モータ17の駆動により形成されるXY平面とは、X、Y軸方向が一致するように、調整されている。
【0069】
なお、Y軸用モータ17およびX軸用モータ18の少なくとも一方により、本発明の粘性流体塗布装置における駆動手段が実現される。
【0070】
図2は、実施の形態1の塗布ユニット10付近の外観を示す拡大斜視図である。
【0071】
図2に示すように、第1ヘッド11はクリーム半田を吐出する第1ノズル11aを備え、第2ヘッド22は接着剤を吐出する第2ノズル22aを備える。
【0072】
第1ヘッド11および第2ヘッド22は、クリーム半田または接着剤を吐出する際に基体10aに対しZ軸方向下向きに移動する。
【0073】
なお、第1ヘッド11および第2ヘッド22は基体10a内部に備えられたモータによってZ軸方向の移動が駆動される。
【0074】
これら第1ヘッド11および第2ヘッド22の上下動、塗布ユニット10の位置、ならびに、第1ノズル11aおよび第2ノズル22aの吐出量は、後述する塗布データに基づいて制御部30が制御する。
【0075】
つまり制御部30の制御の下で、基板50上の所定の塗布位置にクリーム半田および接着剤が塗布される。
【0076】
図3は、第1ノズル11aおよび第2ノズル22aの吐出量を制御するための構成の一例を示す図である。なお、図3において空圧源から伸びる点線は空気の経路を示している。
【0077】
図3に示すように、第1ノズル11aおよび第2ノズル22aのそれぞれは、圧力制御部21を介して空圧源と接続されている。圧力制御部21は例えば空気の流量を変えることができる電磁弁により実現される。
【0078】
なお、第1ノズル11aと第2ノズル22aの各圧力制御部21は、制御部30により独立して制御可能である。
【0079】
制御部30がこれら圧力制御部21を制御することにより、第1ノズル11aのクリーム半田の吐出量と、第2ノズル22aの接着剤の吐出量とを制御することができる。
【0080】
制御部30は、中央演算装置(CPU)、記憶装置、および情報の入出力を行うインターフェース等を有するコンピュータにより実現することができる。
【0081】
なお、第1ノズル11aおよび第2ノズル22aが粘性流体を吐出する仕組みは、このような空気圧を利用するものに限られない。
【0082】
例えば、ピエゾ素子の振動を利用して粘性流体の吐出の開始および終了ならびに吐出量の制御をする仕組みが採用されてもよい。
【0083】
図4は、実施の形態1の粘性流体塗布装置101の主要な構成を示すブロック図である。
【0084】
図4に示すように、粘性流体塗布装置101は、上述の塗布ユニット10等を含む機構部25の他に、機能的な構成として、制御部30と、記憶部33と、操作部34と、表示部35とを備えている。
【0085】
制御部30は、機構部25の動作を制御する構成部であり、取得部31と決定部32とを備えている。
【0086】
取得部31は、基板上の複数の塗布位置を示すデータである塗布データを取得する構成部である。なお、本実施の形態において、取得部31は記憶部33から塗布データを取得するが、例えば、他の装置との通信により塗布データを取得してもよい。
【0087】
決定部32は、取得部31が取得した塗布データに基づいて、第1ノズル11aがクリーム半田を塗布する塗布位置、および第2ノズル22aが接着剤を塗布する塗布位置を決定する構成部である。
【0088】
制御部30は、この決定部32による決定に基づき、Y軸用モータ17等の動作を制御することにより、塗布ユニット10の位置を制御することができる。
【0089】
記憶部33は、上述の塗布データが記憶されている記憶装置である。なお、塗布データには、基板ごとの半田塗布位置および接着剤塗布位置を示す情報の他、塗布圧力および塗布量等の必要な各種情報が含まれている。
【0090】
操作部34は、粘性流体塗布装置101の操作者が、塗布の開始等の指示を入力するためのキーボード等である。
【0091】
表示部35は、粘性流体塗布装置101の状態等を操作者に提示する液晶モニタ等である。
【0092】
次に、図5〜図7を用いて、実施の形態1の粘性流体塗布装置101の動作を説明する。
【0093】
図5は、実施の形態1の粘性流体塗布装置101の動作の流れの概要を示すフロー図である。
【0094】
決定部32は、塗布データを記憶部33から読み出す。さらに、塗布データに示される複数の半田塗布位置について、第1ノズル11aがクリーム半田を塗布する順序を決定する(S1)。
【0095】
次に決定部32は、当該基板上に接着剤塗布位置があるか否かを確認する。接着剤塗布位置がある場合(S2でYes)、決定部32は、先に決定したクリーム半田の塗布順に従って第1ノズル11aが移動した場合の第2ノズル22aの移動経路と、接着剤塗布位置とを比較する(S3)。
【0096】
この比較により、塗布作業全体の中での、その接着剤塗布位置に接着剤を塗布する順序を決定する(S4)。
【0097】
例えば、1つの基板上に半田塗布位置が5箇所あり、接着剤塗布位置が1箇所あった場合を想定する。
【0098】
この場合、まず、1番目から5番目までクリーム半田の塗布順序が決定される。これにより、接着剤を塗布するタイミングとしては、1番目から5番目のクリーム半田の塗布と同時の5つのタイミングと、1番目から5番目のクリーム半田の塗布タイミングの前もしくは後の6つのタイミングとの計11のタイミングが考えられる。
【0099】
これら11のタイミングのうち、例えば、塗布ユニット10の移動距離が最も短くなるタイミングが、接着剤を塗布するタイミングとして決定される。
【0100】
このようにして、全ての塗布位置について塗布順序が決定すると、これら決定した順序に従い、第1ノズル11aによる半田塗布位置に対するクリーム半田の塗布、および第2ノズル22aによる接着剤塗布位置に対する接着剤の塗布が実行される(S5)。
【0101】
以上説明した粘性流体塗布装置101のクリーム半田および接着剤の塗布に係る動作の具体例を図6を用いて説明する。
【0102】
図6は、基板50上のIC領域の一例を示す図である。
【0103】
IC領域は、ICが実装される領域である。ICの場合、矩形の本体の周縁部に電極が等間隔で並んで存在することがら、基板50上の半田の塗布位置は、例えば図6に示すように配置される。
【0104】
なお、図6において、H列とJ列とはともにY軸に平行であり、かつ、同じ番号が付された塗布位置を結ぶ直線はX軸に平行である。例えば、H9とJ9とはX軸に平行な直線上にある。
【0105】
また、G列とK列とはともにX軸に平行であり、かつ、同じ番号が付された塗布位置を結ぶ直線はY軸に平行である。例えば、G9とK9とはY軸に平行な直線上にある。
【0106】
また、これら半田塗布位置に囲まれて存在するP1は接着剤を塗布すべき位置である。
【0107】
このように塗布位置が配置されている場合、決定部32は、例えば、最も塗布ユニット10に近いH列の端のH1を、第1ノズル11aが最初にクリーム半田を塗布する塗布位置として決定する。
【0108】
その後、例えば、H1に最も近いH2を次にクリーム半田を塗布する塗布位置として決定する。このようにして、クリーム半田を塗布する塗布位置を順次決定することで、H列、G列、J列、K列の順でクリーム半田を塗布することが決定される。
【0109】
これにより、第1ノズル11aの移動経路は図6に示す経路になる。また第1ノズル11aとのXY平面上における相対位置を変更しない第2ノズル22aの移動経路は、図6に示す経路になる。
【0110】
この場合、P1に最も近い第2ノズル22aの移動経路上の点はQである。また、Qを通りY軸に平行な直線上にH5が存在する。
【0111】
従って、決定部32は、P1への接着剤の塗布を、H5へのクリーム半田の塗布の直前または直後に行うことを決定する。
【0112】
図7は、実施の形態1の粘性流体塗布装置101におけるクリーム半田および接着剤の塗布順序の一例を示す図である。
【0113】
この順序によれば、第1ノズル11aがG5とG6とにクリーム半田を塗布する間に、第2ノズル22aによりP1に接着剤が塗布される。
【0114】
ここで、図7に示す順序で塗布を実行した場合の塗布ユニット10の移動距離について検討すると、H1〜K1の各塗布位置にクリーム半田を塗布する場合の移動距離に、P1に接着剤を塗布するためのY軸方向のわずかな移動が加わるだけである。
【0115】
つまり、従来のように、クリーム半田の塗布と、接着剤の塗布とをそれぞれ別の塗布装置で行う場合と比較すると、塗布作業の効率性が格段に向上する。
【0116】
また、本実施の形態の粘性流体塗布装置101においては、塗布ユニット10という1つのマルチノズルヘッドが備える2つのノズル(第1ノズル11aおよび第2ノズル22a)でクリーム半田の塗布と接着剤の塗布とをまかなっている。
【0117】
つまり、従来のように、物理的には1つの装置であっても、内部に複数のマルチノズルヘッドを並べて備える装置ではない。従って、粘性流体塗布装置101は、空間の有効利用という観点からも従来の装置に比べて有利である。
【0118】
このように、本実施の形態の粘性流体塗布装置101は、装置を大型化することなくこれら粘性流体の塗布に係る作業効率を向上させる装置である。
【0119】
なお、いずれかの半田塗布位置を通りY軸に平行な直線と、第2ノズル22aの移動経路とが交差する位置に接着剤塗布位置が存在する場合、クリーム半田と接着剤の同時塗布が可能である。
【0120】
例えば、図6に示す基板50上のQに接着剤塗布位置P1が存在する場合、G5へのクリーム半田の塗布とP1への接着剤の塗布とを同時に行うことが可能である。
【0121】
この場合、塗布ユニット10は、接着剤塗布のみのための移動をすることなく、P1に接着剤を塗布できる。つまり、塗布ユニット10の移動経路に着目すると、クリーム半田の塗布のみを行う場合と変わりない。
【0122】
この動作は、制御部30が、G5上に第1ノズル11aが位置したときに、第1ノズル11aにクリーム半田を吐出させるとともに、第2ノズル22aに接着剤を吐出させることで実現される。
【0123】
また、図7に示す塗布順序は一例であり、他の塗布順序であってもよい。例えば、K1からスタートし、図6において右回りの方向に、H1までクリーム半田を塗布していってもよい。
【0124】
この場合、例えば、G6への塗布とG5への塗布との間にP1への接着剤の塗布を行えばよい。
【0125】
また、クリーム半田および接着剤の塗布順序の決定手順は、図5に示す手順に限られない。
【0126】
例えば、第1ノズル11aによるクリーム半田の塗布順を決定する際に、随時、第2ノズル22aの近傍に接着剤塗布位置があるか否かを確認することで、塗布作業全体の塗布順序を決定してもよい。
【0127】
例えば、複数の半田塗布位置について塗布順序を決定している途中で、ある1つの半田塗布位置X上に第1ノズル11aが位置した場合の第2ノズル22aを中心とする所定の範囲内に接着剤塗布位置がある場合を想定する。
【0128】
この場合、Xにクリーム半田を塗布した直後に当該接着剤塗布位置に接着剤を塗布すると決定してもよい。
【0129】
また、本実施の形態の粘性流体塗布装置101は、クリーム半田を吐出する1つのノズルと、接着剤を吐出する1つのノズルとを備えるとした。しかしながら、これらノズルの個数はさらに多くてもよい。
【0130】
また、第1ヘッド11および第2ヘッド22は基体10aに対しY軸方向またはX軸方向に移動可能に備えられていてもよい。
【0131】
これにより、第1ノズル11aと第2ノズル22aとの間のノズル間距離を変更することができる。
【0132】
ノズル間距離が可変である場合、例えば、図6に示す基板50にクリーム半田および接着剤を塗布する前に、ノズル間距離をG5の中央とP1の中央との距離に一致させておく。
【0133】
これにより、第1ノズル11aがG5にクリーム半田を塗布すると同時に第2ノズル22aがP1に接着剤を塗布することができる。
【0134】
このように半田を吐出するノズルと接着剤を吐出するノズルとの間の距離、または半田を吐出する2つのノズル間の距離が変更可能である装置については、以下、各実施の形態で説明する。
【0135】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2として、第1ノズル11aと第2ノズル22aとの距離が変更可能な粘性流体塗布装置102について説明する。
【0136】
図8は、実施の形態2の粘性流体塗布装置102の主要な構成を示す上面図である。
【0137】
図8に示す粘性流体塗布装置102は、実施の形態1の粘性流体塗布装置101と同じくクリーム半田と接着剤とを基板に塗布する装置である。
【0138】
また、粘性流体塗布装置101と同じく、塗布ユニット10と、テーブル15と、ビーム16と、Y軸用モータ17と、X軸用モータ18と、搬入部19と、搬出部20とを備える。これら構成部の動作は、粘性流体塗布装置101と同じく制御部30により制御される。
【0139】
しかし、粘性流体塗布装置102において、第2ヘッド22は、第1ヘッド11との間の距離を変更可能に基体10aに保持されている。
【0140】
さらに、第1ノズル11aと第2ノズル22aとの距離を変更するノズル間距離変更部24を備えている。
【0141】
ノズル間距離変更部24は、例えばモータとボールねじにより構成され、第2ノズル22aを基体10aの側面に沿ってY軸方向に移動させることができる。
【0142】
つまり、粘性流体塗布装置102は、2つのノズル間の距離が変更可能な1つのマルチノズルヘッド(塗布ユニット10)を備える装置である。
【0143】
なお、第2ヘッド22の重量は塗布ユニット10の重量に比べると軽く、第2ヘッド22の移動距離は塗布ユニット10の移動距離に比べると短い。
【0144】
従って、ノズル間距離変更部24が有するモータは、Y軸用モータ17およびX軸用モータ18よりも小出力のものが採用される。
【0145】
図9は、実施の形態2の塗布ユニット10付近の外観を示す拡大斜視図である。
【0146】
図9に示すように、第2ヘッド22は、基体10aに対しY軸方向に移動し、かつZ軸方向にも移動する。
【0147】
第2ヘッド22の基体10aに対するY軸方向の移動は、ノズル間距離変更部24により駆動され、ノズル間距離変更部24は制御部30により制御される。
【0148】
つまり制御部30の制御の下で、第1ノズル11aと第2ノズル22aとの距離が変更される。
【0149】
このようにノズル間距離が変更することにより、クリーム半田および接着剤の基板への同時塗布の機会を増加させることができる。
【0150】
図10は、実施の形態2の粘性流体塗布装置102の動作の流れの概要を示すフロー図である。
【0151】
決定部32は、塗布データに示される複数の半田塗布位置について、第1ノズル11aがクリーム半田を塗布する順序を決定する(S11)。
【0152】
次に決定部32は、当該基板上に接着剤塗布位置があるか否かを確認する。接着剤塗布位置がある場合(S12でYes)、決定部32は、先に決定したクリーム半田の塗布順に従って第1ノズル11aが移動した場合の第2ノズル22aの塗布可能領域と、接着剤塗布位置とを比較する(S13)。
【0153】
この比較により、塗布作業全体の中での、その接着剤塗布位置に接着剤を塗布する順序を決定する(S14)。
【0154】
このようにして、全ての塗布位置について塗布順序が決定すると、これら決定した順序に従い、第1ノズル11aによるクリーム半田の塗布、および第2ノズル22aによる接着剤の塗布が実行される(S15)。
【0155】
以上説明した粘性流体塗布装置102のクリーム半田および接着剤の塗布に係る動作の具体例を図11を用いて説明する。
【0156】
図11は、実施の形態2における第1ノズル11aの移動経路と第2ノズル22aの塗布可能領域との例を示す図である。
【0157】
なお図11に示す基板50上の各塗布位置は、図6に示す各塗布位置と同じである。また、第1ノズル11aの移動経路も図6に示す移動経路と同じである。
【0158】
つまり、第1ノズル11aによるクリーム半田の塗布順序は、実施の形態1と同じである。
【0159】
ここで、第2ノズル22aは第1ノズル11aに対する距離が変更可能である。そのため、図11に示すように第1ノズル11aが移動する場合、第2ノズル22aの塗布可能領域は図11に示すように広範囲に及ぶ。
【0160】
本例の場合、G5上に第1ノズル11aが位置するとき、ノズル間距離が図に示すLn1であれば、塗布ユニット10がY軸方向に移動することなく、第2ノズル22aによりP1に接着剤を塗布できる。
【0161】
図12は、実施の形態2の粘性流体塗布装置102におけるクリーム半田および接着剤の塗布順序の一例を示す図である。
【0162】
粘性流体塗布装置102は、ノズル間距離が変更可能であるため、図12に示すように、G5にクリーム半田を塗布すると同時にP1に接着剤を塗布することができる。
【0163】
具体的には、制御部30は、Y軸用モータ17およびX軸用モータ18の動作を制御することにより、第1ノズル11aがG5上に位置するように塗布ユニット10を移動させる。
【0164】
つまり、制御部30は、基体10aを移動させることで、第1ノズル11aがG5上に位置するように、基体10aと基板50との相対位置を変更させる。
【0165】
このとき制御部30はさらに、第2ノズル22aがP1上に位置するようにノズル間距離変更部24にノズル間距離を変更させる。
【0166】
この変更の後、制御部30は、第1ノズル11aにクリーム半田を吐出させ、第2ノズル22aに接着剤を吐出させる。このようにして、G5へのクリーム半田の塗布とP1への接着剤の塗布とが同時に行われる。
【0167】
従って、図7に示す粘性流体塗布装置101における塗布順序と比較すると、短時間で塗布作業が完了することが分かる。
【0168】
つまり本実施の形態の粘性流体塗布装置102は、基板に対する粘性流体の塗布作業をより効率よく行うことができる。
【0169】
なお、制御部30は、全体の塗布作業の開始前に、第1ノズル11aがG5上に位置した場合に第2ノズル22aがP1上に位置するようにノズル間距離変更部24にノズル間距離を変更させてもよい。
【0170】
なお、P1が、図11に示す第2ノズル22aの塗布可能領域内にある場合であっても、いずれかの半田塗布位置から延伸したY軸に平行な直線上またはその近傍にない場合、同時塗布を行うことはできない。
【0171】
しかし、このような場合であっても、第2ノズル22aの塗布可能領域内に存在する限り、P1への接着剤の塗布のみのために塗布ユニット10がY軸方向に移動する必要はない。また、ノズル間距離を変更することで、各半田塗布位置へのクリーム半田の塗布の合間にP1に接着剤を塗布することができる。
【0172】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3として、半田を吐出するノズルを2つ備え、接着剤を吐出するノズルを1つ備える粘性流体塗布装置103について説明する。
【0173】
図13は、実施の形態3の粘性流体塗布装置103の主要な構成を示す上面図である。
【0174】
図8に示す粘性流体塗布装置103は、実施の形態1の粘性流体塗布装置101と同じくクリーム半田と接着剤とを基板に塗布する装置である。
【0175】
また、基本的な構成は実施の形態1の粘性流体塗布装置101と同じであり、各構成部の動作は、粘性流体塗布装置101と同じく制御部30により制御される。
【0176】
しかし、粘性流体塗布装置103は、第1ヘッド11と第2ヘッド22に加え、クリーム半田を塗布する第3ヘッド13を備えている。
【0177】
実施の形態3の粘性流体塗布装置103は、クリーム半田を吐出する2つのノズルを備えることにより、2箇所の塗布位置に対するクリーム半田の同時塗布が可能である。
【0178】
図14は、実施の形態3の塗布ユニット10付近の外観を示す拡大斜視図である。
【0179】
図14に示すように、第3ヘッド13は、基体10aに対しY軸方向に移動し、かつZ軸方向にも移動する。
【0180】
第3ヘッド13の基体10aに対するY軸方向の移動は、ノズル間距離変更部24により駆動され、ノズル間距離変更部24は制御部30により制御される。
【0181】
つまり制御部30の制御の下で、第1ノズル11aと第3ノズル13aとの距離が変更される。
【0182】
粘性流体塗布装置103は、このような構成を採用することにより、クリーム半田および接着剤の基板への塗布作業の効率を向上させることができる。
【0183】
また、粘性流体塗布装置103の粘性流体塗布に係る基本的な動作の流れは、実施の形態1の粘性流体塗布装置101と同様である(図5参照)。
【0184】
すなわち、クリーム半田の塗布順序を決定し、その決定に基づく第2ノズル22aの移動経路から、塗布作業全体の中での接着剤の塗布順序を決定する。
【0185】
しかし、粘性流体塗布装置103は、ノズル間距離が変更可能な2つのノズル(第1ノズル11aおよび第3ノズル13a)でクリーム半田を基板に塗布するため、クリーム半田の塗布順序の決定手順が実施の形態1とは異なる。
【0186】
図15は、実施の形態3におけるクリーム半田の塗布順序の決定の手順を示すフロー図である。
【0187】
決定部32は、塗布データに示される複数の半田塗布位置の中から第1ノズル11aが塗布する1つの半田塗布位置を決定する(S21)。
【0188】
次に決定部32は、決定した当該半田塗布位置上に第1ノズル11aが位置した場合の、第3ノズル13aの塗布可能範囲内に半田塗布位置があるか否かを確認する(S22)。
【0189】
該当する半田塗布位置がある場合(S22でYes)、該当する半田塗布位置の中から、第3ノズル13aが塗布する1つの半田塗布位置を決定する(S3)。
【0190】
その後、全ての半田塗布位置について塗布を担当するノズル(第1ノズル11aまたは第3ノズル13a)が決定していない場合(S24でNo)、第1ノズル11aが塗布する塗布位置の決定(S21)に移行する。
【0191】
このようにして、全ての半田塗布位置について塗布を担当するノズルが決定すると(S24でYes)、次にどのタイミングで接着剤を塗布するかを決定する。
【0192】
以上説明した粘性流体塗布装置103のクリーム半田および接着剤の塗布に係る動作の具体例を図16〜図18を用いて説明する。
【0193】
図16は、塗布位置の配列の異なる各種の領域が存在する基板50の一例を示す図である。
【0194】
図16に示す基板50は、塗布位置の配列の異なるチップ部品領域、IC領域および特殊部品領域を有する基板の一例である。
【0195】
チップ部品領域は、複数のチップ部品が実装される領域である。図16において、A1とB1、A2とB2、・・・、C1とD1というように、A列とB列およびC列とD列のそれぞれ向かい合って存在する2つの塗布位置が1つのチップ部品に対応している。
【0196】
なお、チップ部品は一般に部品の両端が基板に半田付けされるため、基板上ではこのように2箇所の塗布位置が1組となって存在する。
【0197】
また、図16に示すIC領域は、図6に示すIC領域と同じものである。また、接着剤塗布位置P1は、チップ部品領域のA1から延伸するY軸に平行な直線上にある場合を想定している。
【0198】
特殊部品領域は2つの特殊部品が実装される領域であり、M1およびM2のそれぞれは、1つの特殊部品の実装のためのクリーム半田の塗布位置である。
【0199】
図16に示すように、基板50上にチップ部品領域とIC領域と特殊部品領域とが存在する場合、粘性流体塗布装置103は、例えば、チップ部品領域、IC領域、特殊部品領域の順に、クリーム半田の塗布を実行する。
【0200】
まず、チップ部品領域の各半田塗布位置についての塗布順の決定手順を説明する。
【0201】
図に示すように半田塗布位置が配置されている場合、決定部32は、複数の半田塗布位置の中から、例えば最も塗布ユニット10側(図において左側)にありかつ最も第1ノズル11a側(図において下側)にあるA1を、第1ノズル11aが最初に塗布する塗布位置として決定する。
【0202】
さらに、A1を基準とした場合、つまり、A1上に第1ノズル11aが位置した場合の第3ノズル13aの塗布可能範囲内に含まれるB1、C1およびD1のいずれか1つを第3ノズル13aに割り当てる。
【0203】
ここで、D1を第3ノズル13aに割り当てた場合、第1ノズル11aと第3ノズル13aとで、A列とD列の各塗布位置に同時塗布させた後に、第1ノズル11aと第3ノズル13aとの距離を変更し、B列とC列の各塗布位置同時塗布させることも考えられる。
【0204】
しかし、B1を第3ノズル13aに割り当てた場合、第1ノズル11aと第3ノズル13aとの間の距離を、A1とB1との距離に合わせたまま、例えば(A1、B1)、(A2、B2)、(A3、B3)、(A4、B4)、(C4、D4)、(C3、D3)、(C2、D2)、(C1、D1)という順序で全ての塗布位置に対しクリーム半田を塗布できる。
【0205】
なお、(R、S)と記載する場合、Rは第1ノズル11aがクリーム半田を塗布する塗布位置を示し、Sは第3ノズル13aがクリーム半田を塗布する塗布位置を示す。以下の説明においても同じである。
【0206】
また、C1を第3ノズル13aに割り当てた場合も、例えば(A1、C1)、・・・、(A4、C4)、(B4、D4)、・・・、(B1、D1)という順序で全ての塗布位置に対しクリーム半田を塗布できる。
【0207】
さらに、B1を第3ノズル13aに割り当てる場合(パターンα)とC1を第3ノズル13aに割り当てる場合(パターンβ)で比較すると、塗布ユニット10の塗布の開始から終了までのX軸方向の移動距離は同じである。
【0208】
しかし、塗布ユニット10のY軸方向の塗布の開始から終了までの移動距離は、パターンβの方が短くなる。
【0209】
具体的には、パターンαでは、塗布ユニット10のY軸方向の移動距離は、(A4、B4)から(C4、D4)へ移動する際の移動距離であり、A列とC列との間の距離(=B列とC列との間の距離)である。
【0210】
これに対し、パターンβでは、塗布ユニット10のY軸方向の移動距離は、(A4、C4)から(B4、D4)へ移動する際の移動距離であり、A列とB列との間の距離(=C列とD列との間の距離)である。
【0211】
以上のことから、塗布ユニット10の塗布の開始から終了までの移動距離はパターンβの方がパターンαより短くなる。
【0212】
なお、パターンβの方が、第1ノズル11aと第3ノズル13aとの間の距離が長いため、塗布開始前の第3ノズル13aの移動距離がパターンαを採用した場合より長いことも考えられる。
【0213】
しかし、上述のように、ノズル間距離変更部24が有するモータは、Y軸用モータ17より小出力であり、第3ノズル13aの移動も比較的短い距離である。
【0214】
つまり、塗布ユニット10の移動距離が短いパターンβの方が、当該塗布作業に必要な消費電力が少ないものとなる。
【0215】
従って、決定部32は、第1ノズル11aがA1にクリーム半田を塗布すると同時に第3ノズル13aがクリーム半田を塗布する塗布位置としてC1を決定する。
【0216】
次に決定部32は、第1ノズル11aが次にクリーム半田を塗布する塗布位置として、A1に最も近いA2を決定する。さらに、第3ノズル13aがクリーム半田を塗布する塗布位置として、ノズル間距離を変更することなく塗布可能な塗布位置であるC2を決定する。
【0217】
このようにして、決定部32は、順次それぞれのノズルの塗布位置を決定する。
【0218】
図17(A)は、決定部32により決定されたチップ部品領域に対する塗布順序およびノズルの割り当ての一例を示す図である。
【0219】
この決定により、第1ノズル11aと第3ノズル13aとは、互いの間の距離をLn2に保ちながら、それぞれが担当する各半田塗布位置に対してクリーム半田を同時に塗布することとなる。
【0220】
この場合、同時塗布を全くしない場合と比較すると、ほぼ半分の時間で塗布作業が完了することになる。
【0221】
次に、IC領域の各半田塗布位置についての塗布順の決定手順を説明する。
【0222】
IC領域において図に示すように半田塗布位置が配置されている場合、決定部32は、例えば、最も塗布ユニット10側にあり、かつ第1ノズル11a側にあるH9を、第1ノズル11aが最初に塗布する塗布位置として決定する。
【0223】
さらに、H9を基準とした場合、第3ノズル13aの塗布可能範囲内に含まれるH1〜H8のいずれか1つを第3ノズル13aに割り当てる。
【0224】
ここで、H1〜H9の9箇所に対し、2つのノズルでクリーム半田を塗布する場合、連続する8箇所について4回の同時塗布で塗布作業を完了させ、残りの1箇所については1つのノズルでクリーム半田を塗布する場合が最も効率的である。
【0225】
そこで、決定部32は、例えば、H2〜H9について4回の同時塗布で塗布作業を完了させ、残りのH1については1つのノズルでクリーム半田を塗布すると決定する。
【0226】
さらに、ノズル間距離を変えることなく8箇所について2箇所ずつ同時塗布するためには、第3ノズル13aが最初にクリーム半田を塗布する塗布位置として、H8、H7およびH5が考えられる。
【0227】
つまり、隣接する2箇所の塗布位置を一組として(H9、H8)、(H7、H6)、(H5、H4)(H3、H2)という順序で塗布する場合、H2〜H9を中央で4箇所ずつに分けて各ノズルに担当させて(H9、H5)、(H8、H4)、(H7、H3)、(H6、H2)という順序で塗布する場合、および、4箇所について2箇所ずつ同時塗布することを2回行うと考えて、(H9、H7)、(H8、H6)、(H5、H3)、(H4、H2)という順序で塗布する場合が考えられる。
【0228】
これら3つの場合の塗布ユニット10の移動距離を比較すると、2番目の場合の塗布ユニット10の移動距離はH9からH6までの距離であり最も短い。
【0229】
従って、決定部32は、第3ノズル13aが最初にクリーム半田を塗布する塗布位置をH5と決定する。
【0230】
決定部32はさらに、第1ノズル11aと第3ノズル13aとがクリーム半田を塗布する塗布位置として、それぞれ順次1つずつ番号を減らす方向へずらした位置を決定する。
【0231】
また、残ったH1については、(H6、H2)の時点でH2に近い第3ノズル13aがクリーム半田を塗布することが決定される。
【0232】
図17(B)は、このようにして決定部32に決定されたIC領域に対する塗布順序およびノズルの割り当ての一例を示す図である。
【0233】
この決定により、第1ノズル11aと第3ノズル13aとは、互いの間の距離をLn3に保ちながら、H9〜H2の各塗布位置に対してクリーム半田を同時に塗布することとなる。また、H1に対しては第3ノズル13aがクリーム半田を塗布することとなる。
【0234】
なお、第3ノズル13aがH1にクリーム半田を塗布する際、塗布ユニット10がY軸方向に移動することでH1上に第3ノズル13aを位置させる。または、塗布ユニット10は移動せず、第3ノズル13aが基体10aに対してY軸方向に移動することでH1上に第3ノズル13aを位置させる。
【0235】
決定部32は、このようにH列についての塗布順序およびノズルの割り当てを決定すると、H列に対するクリーム半田の塗布の終了時点で塗布ユニット10に近い位置にある、G列とK列について、塗布順序およびノズルの割り当てを決定する。
【0236】
H列に対するクリーム半田の塗布の終了時点では第1ノズル11aはH6またはH5の上に存在する。そこで、決定部32は、G列の塗布位置の中で第1ノズル11aに近いG1を第1ノズル11aがH6の次に塗布する塗布位置として決定する。
【0237】
さらに、G1を基準とした場合、第3ノズル13aの塗布可能範囲内に含まれるK1を第3ノズル13aに割り当てる。
【0238】
決定部32はさらに、第1ノズル11aと第3ノズル13aとがクリーム半田を塗布する塗布位置として、それぞれ順次1つずつ番号を増やす方向へずらした位置を決定する。
【0239】
図17(C)は、このようにして決定部32に決定された塗布順序およびノズルの割り当てを示す図である。
【0240】
この決定により、第1ノズル11aと第3ノズル13aとは、互いの間の距離をLn4に保ちながら、それぞれが担当するG列またはK列の各塗布位置に対してクリーム半田を同時に塗布することとなる。
【0241】
決定部32は、このようにG列およびK列についての塗布順序およびノズルの割り当てを決定すると、残りのJ列について塗布順序およびノズルの割り当てを決定する。
【0242】
G列およびK列に対するクリーム半田の塗布の終了時点では第1ノズル11aはG9の上に存在する。そこで、決定部32は、J列の塗布位置の中で第1ノズル11aに最も近いJ9を第1ノズル11aがG9の次に塗布する塗布位置として決定する。
【0243】
ここで、J列は、先に塗布順序およびノズルの割り当てが決定されたH列と同じ方向に同じだけの数の塗布位置が並べられた列である。
【0244】
従って決定部32は、H列についての場合と同様に、J9〜J2の8箇所の塗布位置を列の中央で分けた場合の一方の起点となるJ5を第3ノズル13aに割り当てる。
【0245】
決定部32はさらに、第1ノズル11aと第3ノズル13aとがクリーム半田を塗布する塗布位置として、それぞれ順次1つずつ番号を減らす方向へずらした位置を決定する。
【0246】
図17(D)は、このようにして決定部32に決定された塗布順序およびノズルの割り当てを示す図である。
【0247】
この決定により、第1ノズル11aと第3ノズル13aとは、互いの間の距離をLn3に保ちながら、それぞれが担当するJ9〜J2の各塗布位置に対してクリーム半田を同時に塗布することとなる。また、J1に対しては第3ノズル13aがクリーム半田を塗布することとなる。
【0248】
以上のような流れにより、H列、G列、K列、およびJ列の全ての半田塗布位置についてクリーム半田を塗布するノズルが決定され、また、塗布順序も決定される。
【0249】
次に、特殊部品領域の各半田塗布位置についての塗布順の決定手順を説明する。
【0250】
IC領域のJ列に対するクリーム半田の塗布の終了時点では第1ノズル11aはJ5またはJ6の上に位置し、第3ノズル13aはJ1の上に位置する。
【0251】
そこで、決定部32は、第3ノズル13aに最も近いM1を第3ノズル13aがJ1の次に塗布する塗布位置として決定する。
【0252】
また、M2についてはM1へのクリーム半田の塗布時点でM2の近くに存在する第3ノズル13aが塗布することが決定される。
【0253】
以上のようにして、図16に示す基板50に対するクリーム半田の塗布順序が決定される。
【0254】
決定部32は、クリーム半田の塗布順序を決定すると、接着剤の塗布順序を決定する。
【0255】
具体的には、上述のように決定されたクリーム半田の塗布順序の前後またはその間のどのタイミングでP1への接着剤の塗布を行うかを決定する。
【0256】
ここで、P1は図16に示すように、G5からY軸に平行に延伸した直線上に存在する。
【0257】
そのため、決定部32は、例えば、第1ノズル11aがG5にクリーム半田を塗布する直前または直後に、第2ノズル22aにP1に対する接着剤の塗布を行わせることを決定する。
【0258】
制御部30は、このようにして決定された塗布順序ノズルの割り当てに従い、塗布ユニット10の動作を制御する。
【0259】
図18は、図16に示す基板50にクリーム半田および接着剤を塗布する際の、粘性流体塗布装置103の動作の流れを示すタイムチャートである。
【0260】
なお、図18において「XYロボット」は、Y軸用モータ17、X軸用モータ18、およびビーム16等からなる、塗布ユニット10をY軸方向およびX軸方向に移動させる機構全体を意味する。
【0261】
図18に示すように、塗布ユニット10は、まずチップ部品領域へのクリーム半田の塗布のための初期位置に移動する。
【0262】
また、このとき、第1ノズル11aと第3ノズル13aとの距離がLn2に変更される。
【0263】
その後、塗布ユニット10のX軸に平行かつ図において右方向への移動を挟みながら、第1ノズル11aと第3ノズル13aとによるA1〜A4およびC1〜C4に対する同時塗布が実行される。
【0264】
また、A3およびC3に対する同時塗布の後に、第2ノズル22aがIC領域のP1上に塗布ユニット10が位置するように塗布ユニット10が移動する。この移動後、第2ノズル22aによりP1に接着剤が塗布される。
【0265】
なお、このP1への接着剤の塗布は、A3およびC3に対する同時塗布の前でもよい。
【0266】
A4とC4に対するクリーム半田の塗布が終了すると、塗布ユニット10は、第1ノズル11aがD4の上に位置するように、Y軸に平行に移動する。なお、この移動により第3ノズル13aはB4の上に位置する。
【0267】
その後、塗布ユニット10のX軸に平行かつ図において左方向への移動を挟みながら、第1ノズル11aと第3ノズル13aとによるB4〜B1およびD4〜D1に対する同時塗布が実行される。
【0268】
このようにしてチップ部品領域に対するクリーム半田の塗布およびP1への接着剤の塗布が終了すると、塗布ユニット10は、IC領域へのクリーム半田の塗布のための初期位置に移動する。
【0269】
また、このとき、第1ノズル11aと第3ノズル13aとの距離がLn3に変更される。
【0270】
その後、塗布ユニット10のY軸に平行かつ図において上方向への移動を挟みながら、第1ノズル11aと第3ノズル13aとによるH列に対する同時塗布が実行される。なお、第3ノズル13aがH1にクリーム半田を塗布する際は、第1ノズル11aは半田を吐出しない。
【0271】
H列への塗布が終了すると、塗布ユニット10は、G列およびK列へのクリーム半田の塗布のための初期位置に移動する。
【0272】
また、このとき、第1ノズル11aと第3ノズル13aとの距離がLn4に変更される。
【0273】
その後、塗布ユニット10のX軸に平行かつ図において右方向への移動を挟みながら、第1ノズル11aと第3ノズル13aとによるG列およびK列に対する同時塗布が実行される。
【0274】
G列およびK列への塗布が終了すると、塗布ユニット10は、J列へのクリーム半田の塗布のための初期位置に移動する。
【0275】
また、このとき、第1ノズル11aと第3ノズル13aとの距離がLn3に変更される。
【0276】
その後、塗布ユニット10のY軸に平行かつ図において上方向への移動を挟みながら、第1ノズル11aと第3ノズル13aとによるJ列に対する同時塗布が実行される。なお、第3ノズル13aがJ1にクリーム半田を塗布する際は、第1ノズル11aは半田を吐出しない。
【0277】
このようにしてIC領域に対するクリーム半田の塗布が終了すると、塗布ユニット10は、特殊部品領域へのクリーム半田の塗布のための初期位置に移動する。
【0278】
この移動の後、M1、M2の順で、第3ノズル13aによりクリーム半田が塗布される。
【0279】
このように、粘性流体塗布装置103は、互いの間の距離を変更可能な第1ノズル11aと第3ノズル13aとを備えることにより、1つの基板上に存在する多数の塗布位置に対し、2つのノズルで効率よく粘性流体を塗布することができる。
【0280】
また、例えば、これら2つのノズルにより、ある基板に対するクリーム半田の同時塗布を実行した直後に、塗布位置の配列が全く異なる他の基板に対するクリーム半田の同時塗布を実行することができる。
【0281】
つまり、従来の粘性流体塗布装置のように、1のノズルによる1つの基板に対する粘性流体の塗布を並列して行うことで粘性流体の塗布に係る作業効率を向上させるのではなく、複数のノズルによる1つの基板に対する粘性流体の同時塗布を実現することで粘性流体の塗布に係る作業効率を向上させることができる。
【0282】
また、これらノズルは1つの基体10aに備えられており、基体10aが有するノズル間距離変更部24によりその間の距離が変更される。
【0283】
このノズル間距離変更部24は、第1ノズル11aに対する第3ノズル13aの相対位置を変更するのみであり、上述のように小出力のモータにより実現することができる。
【0284】
つまり、粘性流体を基板に塗布する機構全体の位置を変更するためのモータは、塗布ユニット10を移動させる一組のモータ(Y軸用モータ17およびX軸用モータ18)のみである。
【0285】
従って、粘性流体塗布装置103は、消費電力の観点からも粘性流体の基板への塗布を効率よく行うことができる。
【0286】
さらに、粘性流体塗布装置103の塗布ユニット10は、これらクリーム半田を塗布する2つのノズルに加え、接着剤を吐出する第2ノズル22aを備えている。
【0287】
これにより、上述のようにクリーム半田の同時塗布を行っている期間の合間等に、接着剤の塗布を済ませることができる。つまり、クリーム半田と接着剤の塗布が必要な基板に対するこれら粘性流体の塗布作業を効率よく行うことができる。
【0288】
このように、本実施の形態の粘性流体塗布装置103は、装置を大型化することなく粘性流体の塗布に係る作業効率を向上させることができる。
【0289】
なお、図17等を用いて説明した塗布順序およびノズルの割り当てのそれぞれは一例であり、これら説明した塗布順序等に限定されることはない。
【0290】
例えば、図16に示すIC領域にクリーム半田を塗布する際に、第1ノズル11aと第3ノズル13aとの間の距離をLn3に保ちながら、H列とJ列とに連続して同時塗布を実行してもよい。
【0291】
この場合は、H列とJ列とに連続して塗布した後に、上記ノズル間距離をLn4に変更し、G列およびK列に対し第1ノズル11aと第3ノズル13aとによる同時塗布を実行すればよい。
【0292】
また、図18に示すタイムチャートにおいて、P1への接着剤の塗布は、他のタイミングであってもよい。
【0293】
例えば、G5はP1からY軸方向に延伸した直線上に存在するため、第1ノズル11aと第3ノズル13aとでG5およびK5にクリーム半田を同時塗布した前または後に、第2ノズル22aによりP1への接着剤の塗布を行ってもよい。
【0294】
また、本実施の形態では、粘性流体塗布装置103が、複数の半田塗布位置が等間隔に並んでいる基板に対してクリーム半田を塗布する場合について説明した。
【0295】
しかしながら、粘性流体塗布装置103が粘性流体塗布の対象とする基板は、このような基板に限られない。
【0296】
基板上の複数の半田塗布位置のうち、第1ノズル11aと第3ノズル13aの並び方向と平行な直線上に少なくとも2つの塗布位置があり、かつその2つの塗布位置間の距離が、第1ノズル11aと第3ノズル13aとの最大距離内であれば、その2つの塗布位置に対するクリーム半田の同時塗布が可能である。
【0297】
従って、このような基板であっても、同時塗布を全くしない場合よりも短い時間で塗布作業を完了させることができる。
【0298】
また、本実施の形態においては、接着剤を吐出する第2ノズル22aは基体10aに対してY軸方向に移動しないとした。
【0299】
しかしながら、第2ノズル22aは基体10aに対してY軸方向に移動してもよい。
【0300】
この場合、実施の形態2で説明したように、1つの基板に対するクリーム半田と接着剤の同時塗布の機会が増加する。
【0301】
例えば、第3ノズル13aおよび第2ノズル22aの両方が基体10aに対してY軸方向に移動可能である場合、第1ノズル11aと第3ノズル13aとでA3およびC3に対するクリーム半田の同時塗布を行うタイミングで、第2ノズル22aによるP1への接着剤の塗布が可能になる。つまり、3箇所に対する粘性流体の同時塗布が可能になる。
【0302】
このように基体10aに対する各ノズルの自由度を増やすことにより、塗布ユニット10全体が移動することなく各ノズルの塗布可能領域を広げることができる。
【0303】
また、各ノズルの塗布可能領域が広がることで、様々なパターンの塗布位置の配列に対し、2箇所以上の同時塗布の可能性が向上する。
【0304】
なお、チップ部品が大きい場合、クリーム半田の上にチップ部品を搭載しリフロー炉内で半田を溶解させて接合する前に、チップ部品が移動する可能性がある。そのため、基板上のチップ部品の搭載位置に、接着剤を塗布する場合がある。
【0305】
図19は、基板上のチップ部品領域における接着剤塗布位置の例を示す図である。
【0306】
このように、A1とB1との間、およびA2とB2との間といった、1つのチップ部品に対応する2つの半田塗布位置の間に接着剤を塗布する。
【0307】
このような複数の半田塗布位置が、図16に示す基板50のチップ部品領域に存在する場合、例えば、チップ部品領域についてクリーム半田の塗布を行う前に、チップ部品領域内のそれぞれの接着剤塗布位置に、第2ノズル22aにより接着剤を塗布する。
【0308】
その後、図18に示す順序でそれぞれの塗布位置にクリーム半田または接着剤を塗布する。
【0309】
これにより、基板50上の全ての塗布位置にクリーム半田または接着剤を塗布することができる。
【0310】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4として、塗布ユニット10がビーム16に対しY軸方向だけでなくX軸方向にも移動可能な粘性流体塗布装置104について説明する。
【0311】
図20は、実施の形態4の粘性流体塗布装置104の主要な構成を示す上面図である。
【0312】
図20に示す粘性流体塗布装置104は、実施の形態1の粘性流体塗布装置101と同じくクリーム半田を基板に塗布する装置である。
【0313】
また、基本的な構成は実施の形態1の粘性流体塗布装置101と同じであり、各構成部の動作は、粘性流体塗布装置101と同じく制御部30により制御される。
【0314】
また、第1ヘッド11は第1ノズル11aを、第2ヘッド22は第2ノズル22aを、第3ヘッド13は第3ノズル13aを、それぞれテーブル15方向に備えている(図20に図示せず)。
【0315】
しかし、粘性流体塗布装置104において、塗布ユニット10は、サブビーム16aを介してビーム16に取り付けられている。また、塗布ユニット10はサブビーム16aに対しX軸方向に移動可能である。
【0316】
つまり、塗布ユニット10は、ビーム16に対しY軸方向に移動可能のみならず、X軸方向にも移動可能である。
【0317】
なお、この塗布ユニット10のX軸方向の移動は制御部30に制御される。また、第1ヘッド11および第3ヘッド13の塗布ユニット10における可動方向および可動範囲は、実施の形態3と同じである。
【0318】
これにより、塗布ユニット10がX軸方向に移動しながら基板50上の各塗布位置に順次クリーム半田を塗布する際に、ビーム16は静止したままでよい。
【0319】
つまり、X軸用モータ18の駆動によらず、比較的出力の小さなモータの駆動により、塗布ユニット10をX軸方向に移動させることができる。
【0320】
例えば、図16に示す基板50上のチップ部品領域にクリーム半田を塗布する際に、ノズル間距離をLn2に保ったまま、塗布ユニット10がサブビーム16aに沿ってX軸方向に移動することで、(A1、C1)、(A2、C2)、・・・という順序でクリーム半田を同時塗布することできる。
【0321】
またこのクリーム半田の塗布作業の合間に、第2ノズル22aによりP1に接着剤を塗布することができる。
【0322】
このように、塗布ユニット10のビーム16に対する自由度を増やすことで、基板に対するクリーム半田および接着剤の塗布作業をより効率よく行うことができる。
【0323】
また、消費電力が比較的大きなモータの使用時間および使用頻度を低減することができる。
【0324】
従って、粘性流体塗布装置104も、上述の粘性流体塗布装置101等と同じく、装置を大型化することなく粘性流体の塗布に係る作業効率の向上を実現する装置である。
【0325】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5として、第1ヘッド11および第3ヘッド13がともに塗布ユニット10においてX軸方向およびY軸方向に移動可能な粘性流体塗布装置105について説明する。
【0326】
図21は、実施の形態5の粘性流体塗布装置105の主要な構成を示す上面図である。
【0327】
図21に示す粘性流体塗布装置105は、実施の形態1の粘性流体塗布装置101と同じくクリーム半田を基板に塗布する装置である。
【0328】
また、基本的な構成は実施の形態1の粘性流体塗布装置101と同じであり、各構成部の動作は、粘性流体塗布装置101と同じく制御部30により制御される。
【0329】
また、第1ヘッド11は第1ノズル11aを、第2ヘッド22は第2ノズル22aを、第3ヘッド13は第3ノズル13aを、それぞれテーブル15方向に備えている(図21に図示せず)。
【0330】
しかし、粘性流体塗布装置105の塗布ユニット10において、第1ヘッド11および第3ヘッド13は、ともにY軸方向およびX軸方向に移動可能である。
【0331】
具体的には、第1ヘッド11は第1アーム11bにX軸方向に移動可能に取り付けられており、第1アーム11bは基体10aに対してY軸方向に移動可能である。
【0332】
また、第3ヘッド13は第2アーム13bにX軸方向に移動可能に取り付けられており、第2アーム13bは基体10aに対してY軸方向に移動可能である。
【0333】
なお、第1アーム11bと第2アーム13bとは、ノズル間距離変更部24により基体10aに対するY軸方向の移動が駆動される。
【0334】
また、第1ヘッド11は、例えば基体10aが内部に有するモータより第1アーム11bに沿ってX軸方向に移動する。第3ヘッド13も同様に、例えば基体10aが内部に有するモータにより第2アーム13bに沿ってX軸方向に移動する。
【0335】
これらモータは、それぞれ第1ヘッド11または第3ヘッド13の各アームに沿った移動のみを担当するものであるため、ノズル間距離変更部24のモータと同様に小出力のものである。
【0336】
なお、例えば、1つのモータと複数のギアとの組み合わせにより、第1ヘッド11および第3ヘッド13のそれぞれを独立して移動させてもよい。
【0337】
また、第1ヘッド11の第1アーム11bに対するY軸方向の移動、第3ヘッド13の第2アーム13bに対するY軸方向の移動、ならびに、第1アーム11bおよび第2アーム13bのY軸方向の移動は制御部30に制御される。
【0338】
このように、本実施の形態の粘性流体塗布装置105において、第1ヘッド11および第3ヘッド13は、基体10aに対してXY方向の自由度を持ちながら基体10aに保持されている。
【0339】
第1ヘッド11および第3ヘッド13がこのような自由度を有することにより、例えば、図16に示す基板50上のIC領域が、第1ノズル11aおよび第3ノズル13aの塗布可能領域に含まれる場合がある。
【0340】
この場合、基体10aが静止したまま、第1ノズル11aおよび第3ノズル13aのみが移動することで、当該IC領域内の各塗布位置にクリーム半田を塗布することが可能である。
【0341】
つまり、IC領域へのクリーム半田の塗布の開始から終了までを考えた場合、Y軸用モータ17およびX軸用モータ18は、塗布ユニット10を塗布の開始位置まで移動させる際に動作するのみである。
【0342】
その後は、比較的出力の小さなモータにより、第1ノズル11aおよび第3ノズル13aの移動が駆動される。これにより、各塗布位置に対するクリーム半田の同時塗布が実行される。
【0343】
このように、第1ノズル11aおよび第3ノズル13aの塗布ユニット10における自由度を増やすことで、第1ノズル11aおよび第3ノズル13aによる同時塗布をより効率よく行うことができる。
【0344】
従って、粘性流体塗布装置105も、上述の粘性流体塗布装置101等と同じく、装置を大型化することなく粘性流体の塗布に係る作業効率の向上を実現する装置である。
【0345】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6として、半田を塗布する第3ヘッド13と、接着剤を塗布する第2ヘッド22とが基体10aに対してY軸方向に移動可能な粘性流体塗布装置106について説明する。
【0346】
図22は、実施の形態6の粘性流体塗布装置106の主要な構成を示す上面図である。
【0347】
図22に示す粘性流体塗布装置106は、実施の形態1の粘性流体塗布装置101と同じくクリーム半田を基板に塗布する装置である。
【0348】
また、基本的な構成は実施の形態1の粘性流体塗布装置101と同じであり、各構成部の動作は、粘性流体塗布装置101と同じく制御部30により制御される。
【0349】
また、第1ヘッド11は第1ノズル11aを、第2ヘッド22は第2ノズル22aを、第3ヘッド13は第3ノズル13aを、それぞれテーブル15方向に備えている(図22に図示せず)。
【0350】
しかし、粘性流体塗布装置106において、半田を塗布する第3ヘッド13と、接着剤を塗布する第2ヘッド22とが基体10aに対してY軸方向に移動可能に備えられている。
【0351】
また、それぞれの移動を駆動するように基体10aにはノズル間距離変更部24が2つ備えられており、2つのノズル間距離変更部24の動作は制御部30に制御される。
【0352】
これにより、第1ノズル11aと第3ノズル13aによるクリーム半田の同時塗布に、第2ノズル22aによる接着剤の塗布を加えた3箇所に対する同時塗布の可能性が向上する。
【0353】
従って、粘性流体塗布装置106も、上述の粘性流体塗布装置101等と同じく、装置を大型化することなく粘性流体の塗布に係る作業効率の向上を実現する装置である。
【0354】
なお、さらに効率よく粘性流体の塗布を行うために、例えば、基体10aの第2ヘッド22が備えられた側に、クリーム半田塗布用または接着剤塗布用のヘッドを備えてもよい。
【0355】
また、これら各ヘッドが基体10aに対してX軸方向およびY軸方向に移動可能であってもよい。また、例えば、図22に示す基体10aがビーム16を境に分離し、それぞれがビーム16に対しX軸方向に移動可能であってもよい。
【0356】
(実施の形態7)
以上説明した、実施の形態1〜6の粘性流体塗布装置101〜106のそれぞれは、基本的には複数のノズルを備える塗布ユニット10がXY方向に移動することで、1枚の基板上に存在する複数の塗布位置に対し粘性流体の塗布を順次行う構成である。
【0357】
しかしながら、塗布ユニット10が装置内で静止した状態で、例えば、テーブル15がXY方向に移動することで、1つの基板に対するクリーム半田および接着剤の塗布を行ってもよい。
【0358】
そこで、実施の形態7として、テーブル15がXY方向に移動する粘性流体塗布装置107について説明する。
【0359】
図23は、実施の形態7の粘性流体塗布装置107の主要な構成を示す上面図である。
【0360】
図23に示す粘性流体塗布装置107は、実施の形態1の粘性流体塗布装置101と同じくクリーム半田を基板に塗布する装置である。
【0361】
また、基本的な構成は実施の形態1の粘性流体塗布装置101と同じであり、各構成部の動作は、粘性流体塗布装置101と同じく制御部30により制御される。
【0362】
なお、塗布ユニット10は粘性流体塗布装置101と同じく、第1ヘッド11と第2ヘッド22を備える。
【0363】
また、第1ヘッド11は第1ノズル11aを、第2ヘッド22は第2ノズル22aをそれぞれテーブル15方向に備えている(図23に図示せず)。
【0364】
しかし、粘性流体塗布装置107は、ビーム16をX軸方向に移動させるX軸用モータ18と、塗布ユニット10をビーム16に沿ってY軸方向に移動させるY軸用モータ17とを備えていない。
【0365】
つまり、ビーム16は粘性流体塗布装置107の所定の位置に固定されており、塗布ユニット10もビーム16の所定の位置に固定されている。
【0366】
しかし、テーブル15が、制御部30の下でX軸方向およびY軸方向に移動するよう設けられている。
【0367】
具体的には、テーブル15のX軸方向およびY軸方向の移動を駆動する駆動手段が例えばテーブル15の下に備えられており、制御部30はこの駆動手段の動作を制御する。
【0368】
これにより、テーブル15に載置された基板50を、塗布ユニット10に対してX軸方向およびY軸方向に移動させることができる。
【0369】
つまり、塗布ユニット10が基板50に粘性流体を塗布する際の、塗布ユニット10と基板50との相対位置は、実施の形態1の粘性流体塗布装置101と同じように変更させることができる。
【0370】
実施の形態7の粘性流体塗布装置107は、このような構成を採ることにより、実施の形態1の粘性流体塗布装置101等と同じく、1つの基板に対するクリーム半田の塗布作業の合間等に接着剤の塗布を行うことができる。
【0371】
従って、粘性流体塗布装置107も、上述の粘性流体塗布装置101等と同じく、装置を大型化することなく粘性流体の塗布に係る作業効率の向上を実現する装置である。
【0372】
なお、本実施の形態のように、テーブル15をXY方向に移動させる場合、第1ヘッド11および第2ヘッド22をビーム16に直接取り付けてもよい。この場合、ビーム16が本発明の粘性流体塗布装置における基体となる。
【0373】
また、本実施の形態において、テーブル15はX軸方向およびY軸方向に移動するとした。しかし、例えば、テーブル15はX軸方向にのみ移動し、塗布ユニット10がY軸方向にのみ移動してもよい。
【0374】
また、テーブル15と塗布ユニット10の双方がX軸方向およびY軸方向に移動してもよい。
【0375】
つまり、塗布ユニット10と基板との相対的な位置を変更することができれば、塗布ユニット10およびテーブル15のいずれが移動してもよい。
【0376】
また、第2ヘッド22は、実施の形態2における第2ヘッド22と同じく、基体10aに対してY軸方向に移動してもよい。
【0377】
さらに、実施の形態5における第1ヘッド11または第3ヘッド13のように、基体10aに対してX軸方向に移動してもよい。
【0378】
このように、接着剤を吐出する第2ノズル22aの自由度を増やすことにより、1つの基板に対するクリーム半田と接着剤との同時塗布の可能性が向上する。また、塗布作業の効率が向上する。
【0379】
また、以上各実施の形態で説明した各種の構造、手順、仕組み等は、適宜組み合わされてもよい。
【0380】
例えば、実施の形態7で説明したテーブル15が移動する構造と、実施の形態4で説明した塗布ユニット10がビーム16に対しX軸方向にも移動可能な構造とを粘性流体塗布装置が備えてもよい。
【0381】
この場合であっても、当該粘性流体塗布装置は、装置を大型化することなく粘性流体の塗布に係る作業効率の向上を実現する装置である。
【産業上の利用可能性】
【0382】
本発明は、部材に粘性流体を塗布する装置に適用できる。特に、半導体素子等の部品の実装に必要なクリーム半田および接着剤を基板に塗布する装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0383】
【図1】実施の形態1の粘性流体塗布装置の主要な構成を示す上面図である。
【図2】実施の形態1の塗布ユニット付近の外観を示す拡大斜視図である。
【図3】第1ノズルおよび第2ノズルの吐出量を制御するための構成の一例を示す図である。
【図4】実施の形態1の粘性流体塗布装置の主要な構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態1の粘性流体塗布装置の動作の流れの概要を示すフロー図である。
【図6】基板上のIC領域の一例を示す図である。
【図7】実施の形態1の粘性流体塗布装置におけるクリーム半田および接着剤の塗布順序の一例を示す図である。
【図8】実施の形態2の粘性流体塗布装置の主要な構成を示す上面図である。
【図9】実施の形態2の塗布ユニット付近の外観を示す拡大斜視図である。
【図10】実施の形態2の粘性流体塗布装置の動作の流れの概要を示すフロー図である。
【図11】実施の形態2における第1ノズルの移動経路と第2ノズルの塗布可能領域との例を示す図である。
【図12】実施の形態2の粘性流体塗布装置におけるクリーム半田および接着剤の塗布順序の一例を示す図である。
【図13】実施の形態3の粘性流体塗布装置の主要な構成を示す上面図である。
【図14】実施の形態3の塗布ユニット付近の外観を示す拡大斜視図である。
【図15】実施の形態3におけるクリーム半田の塗布順序の決定の手順を示すフロー図である。
【図16】塗布位置の配列の異なる各種の領域が存在する基板の一例を示す図である。
【図17】(A)は、実施の形態3の決定部により決定されたチップ部品領域に対する塗布順序およびノズルの割り当ての一例を示す図であり、(B)は、IC領域に対する塗布順序およびノズルの割り当ての一例を示す第1の図であり、(C)は、第2の図であり、(D)は、第3の図である。
【図18】図16に示す基板にクリーム半田および接着剤を塗布する際の粘性流体塗布装置の動作の流れを示すタイムチャートである。
【図19】基板上のチップ部品領域における接着剤塗布位置の例を示す図である。
【図20】実施の形態4の粘性流体塗布装置の主要な構成を示す上面図である。
【図21】実施の形態5の粘性流体塗布装置の主要な構成を示す上面図である。
【図22】実施の形態6の粘性流体塗布装置の主要な構成を示す上面図である。
【図23】実施の形態7の粘性流体塗布装置の主要な構成を示す上面図である。
【図24】従来の接着剤塗布装置の主要な構成を示す図である。
【符号の説明】
【0384】
10 塗布ユニット
10a 基体
11 第1ヘッド
11a 第1ノズル
11b 第1アーム
13 第3ヘッド
13a 第3ノズル
13b 第2アーム
15 テーブル
16 ビーム
16a サブビーム
17 Y軸用モータ
18 X軸用モータ
19 搬入部
20 搬出部
21 圧力制御部
22 第2ヘッド
22a 第2ノズル
23 認識部
24 ノズル間距離変更部
25 機構部
30 制御部
31 取得部
32 決定部
33 記憶部
34 操作部
35 表示部
50 基板
101、102、103、104、105、106、107 粘性流体塗布装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に粘性流体を塗布する粘性流体塗布装置であって、
粘性流体であるクリーム半田を吐出することで、1つの基板上の前記クリーム半田を塗布すべき位置である半田塗布位置に前記クリーム半田を塗布する第1ノズルと、
粘性流体である接着剤を吐出することで、前記基板上の前記接着剤を塗布すべき位置である接着剤塗布位置に前記接着剤を塗布する第2ノズルと、
前記第1ノズルと前記第2ノズルとを保持する1つの基体と、
前記基体と前記基板との、前記基板の前記粘性流体が塗布される面に平行な平面上における相対位置を変更する駆動手段と
を備える粘性流体塗布装置。
【請求項2】
さらに、前記第1ノズルに前記クリーム半田を吐出させるとともに前記第2ノズルに前記接着剤を吐出させることで、前記半田塗布位置への前記クリーム半田の塗布と、前記接着剤塗布位置への前記接着剤の塗布とを同時に行わせる制御手段を備える
請求項1記載の粘性流体塗布装置。
【請求項3】
前記第2ノズルは、前記第1ノズルとの間のノズル間距離を変更可能に前記基体に保持されている
請求項2記載の粘性流体塗布装置。
【請求項4】
さらに、前記ノズル間距離を変更する変更手段と、
前記半田塗布位置と前記接着剤塗布位置を示すデータである塗布データを取得する取得手段とを備え、
前記制御手段はさらに、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルに前記クリーム半田および前記接着剤を吐出させる前に、前記塗布データに基づいて、前記第1ノズルが前記半田塗布位置上に位置するように前記駆動手段に前記相対位置を変更させ、かつ、前記第2ノズルが前記接着剤塗布位置上に位置するように、前記変更手段に前記ノズル間距離を変更させる
請求項3記載の粘性流体塗布装置。
【請求項5】
前記塗布データは前記基板上の複数の半田塗布位置と1以上の接着剤塗布位置を示すデータであり、
前記制御手段はさらに、
前記塗布データに基づいて、前記複数の半田塗布位置の中から1つの半田塗布位置を決定し、決定した半田塗布位置上に前記第1ノズルが位置した場合の、前記第2ノズルの塗布可能範囲内にある1つの接着剤塗布位置を前記第2ノズルが前記接着剤を塗布する接着剤塗布位置と決定する決定手段を有する
請求項4記載の粘性流体塗布装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記駆動手段に前記基体を移動させることで、前記第1ノズルが前記半田塗布位置上に位置するように前記相対位置を変更させる
請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘性流体塗布装置。
【請求項7】
さらに、前記基板が載置され、前記基板の前記粘性流体が塗布される面と平行な方向へ移動可能なテーブルを備え、
前記制御手段は、前記駆動手段に前記テーブルを移動させることで、前記第1ノズルが前記半田塗布位置上に位置するように前記相対位置を変更させる
請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘性流体塗布装置。
【請求項8】
さらに、前記第1ノズルとの間の距離を変更可能に前記基体に保持され、前記クリーム半田を吐出する第3ノズルを備える
請求項1〜7のいずれか1項に記載の粘性流体塗布装置。
【請求項9】
基板に粘性流体を塗布するための粘性流体塗布方法であって、
第1ノズルおよび第2ノズルを保持する1つの基体と、1つの基板との、前記基板の前記粘性流体が塗布される面に平行な平面上における相対位置を変更する駆動ステップと、
前記第1ノズルが、粘性流体であるクリーム半田を吐出することで前記基板上の前記クリーム半田を塗布すべき位置である半田塗布位置に前記クリーム半田を塗布する第1塗布ステップと、
前記第2ノズルが、粘性流体である接着剤を吐出することで前記基板上の前記接着剤を塗布すべき位置である接着剤塗布位置に前記接着剤を塗布する第2塗布ステップと
を含む粘性流体塗布方法。
【請求項10】
基板に粘性流体を塗布する装置を制御するためのプログラムであって、
第1ノズルおよび第2ノズルを保持する1つの基体と、1つの基板との、前記基板の前記粘性流体が塗布される面に平行な平面上における相対位置を変更する駆動ステップと、
前記第1ノズルが、粘性流体であるクリーム半田を吐出することで前記基板上の前記クリーム半田を塗布すべき位置である半田塗布位置に前記クリーム半田を塗布する第1塗布ステップと、
前記第2ノズルが、粘性流体である接着剤を吐出することで前記基板上の前記接着剤を塗布すべき位置である接着剤塗布位置に前記接着剤を塗布する第2塗布ステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
基板に粘性流体を塗布する粘性流体塗布装置であって、
粘性流体であるクリーム半田を吐出することで、1つの基板上の前記クリーム半田を塗布すべき位置である半田塗布位置に前記クリーム半田を塗布する複数の半田用ノズルと、
粘性流体である接着剤を吐出することで、前記基板上の前記接着剤を塗布すべき位置である接着剤塗布位置に前記接着剤を塗布する少なくとも1つの接着剤用ノズルと、
前記複数の半田用ノズルの間の距離を変更する変更手段と、
前記複数の半田用ノズルから基板上に同時に前記クリーム半田を吐出させることで、1つの基板上の一の半田塗布位置と他の半田塗布位置とへの前記クリーム半田の塗布を同時に行わせ、前記半田塗布位置近傍にある接着剤塗布位置には、前記接着剤用ノズルで接着剤塗布を行わせる制御手段と
を備える粘性流体塗布装置。
【請求項12】
複数の半田用ノズルと少なくとも1つの接着剤用ノズルとを用いて基板上の複数の塗布位置に粘性流体を塗布する粘性流体塗布方法であって、
前記複数のノズル間の距離を変更することで、前記複数の半田用ノズルにより1つの基板上の一の半田塗布位置と他の半田塗布位置とに同時に前記粘性流体を塗布することが可能な場合には、前記複数の半田用ノズル間の距離を変更し前記複数の半田用ノズルに同時に前記粘性流体であるクリーム半田を吐出させることで、前記一の半田塗布位置と前記他の半田塗布位置とへの前記クリーム半田の塗布を同時に行わせる半田塗布ステップと、
前記基板上に接着剤塗布位置が存在する場合には、前記接着剤用ノズルにより前記接着剤塗布位置に接着剤を塗布する接着剤塗布ステップと
を含む粘性流体塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−72648(P2009−72648A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−241519(P2007−241519)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】