説明

糖鎖栄養素を含む免疫強化食品及びその製造方法

【課題】燕窩(海燕の巣)を主成分とする、糖鎖栄養素を含む免疫強化食品及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】燕窩成分に、少なくとも、グルコース、ガラクトース、マンノース、フコース、キシロース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルノイラミン酸の内、1種以上の成分を配合してなり、或いは又、燕窩成分に、少なくとも、きのこ抽出成分、海藻抽出成分、キダチアロエ末成分、ムコ多糖体、たんぱく、グルコサミン、グルコン亜鉛の内、1種以上の成分を配合してなる糖鎖栄養素を含むことを特徴とする、免疫強化食品並びに間歇滅菌工程を含む糖鎖栄養素を含む免疫強化食品の製造方法による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、糖鎖栄養素を含む免疫強化食品及びその製造方法に関するものであり、殊に燕窩(海燕の巣)を主成分とし、更に糖鎖やその他の植物由来成分を添加したものである。
【背景技術】
【0002】
近年、健康に関する研究、開発は目を見張るものがあり、取り分け自然界由来のものと人工製造のものの混合物など幅広く考え出されている。この背景には、人体に好影響を与えるものとしては、人体内で自然に生成するものには限界があり、同様に自然界由来のものや、また一方同様に人工製造のものにも限界があることによる。
この発明の成分を構成する糖鎖栄養素にも、人体内で自然に生成するもの以外に、意図的にその取り入れを目指さないと、取得できないものがある。本発明はこれらの背景を考慮し、自然界の植物および動物由来の成分、殊に燕窩を主成分とし、近似注目を浴びている糖鎖栄養素を付加栄養素とした、免疫強化食品及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0003】
燕窩は、アナツバメが産卵期に発達した唾液腺から分泌される唾液を固めて約1ケ月かけて作り上げるものである。その食用は、古くから東南アジア・中国において珍重され、滋養・美容・強壮効果があることが知られている。感染防御、テストテロン(男性ホルモン)の産生効果も知られている。
【0004】
また、糖鎖とは、たんぱく質、脂質(脂肪)などの本体に1個乃至それ以上結合し、人体の生理作用を左右する糖類で、これらの本体に例えば産毛のような形でついているレセプター(受容体)と言われる物質である。この糖鎖は、一つの細胞に千〜数万本程付いているものであり、単糖が鎖状に連なったところから名前の由来があるものである。この糖鎖は、細胞間のコミュニケーションに重要な役割を担っているものである。このため、疾病や細菌・ウイルスなどから身体を守り、ホメオスタシス(免疫系・自律神経系・内分泌系)を司るものとされている。ヒトの身体には約60兆個もの細胞があるが、この糖鎖は細胞間のより良い情報伝達を円滑にする、言わば細胞のアンテナとも言える。糖鎖は、8種類の糖類をパーツとして1つ若しくはそれ以上から構成されている。例えば免疫システムでは、自然免疫系・獲得免疫系・自己免疫疾患に、また糖尿病では、I型及びII型糖尿病の生理作用に関係することが知られるようになってきている。
【0005】
また、糖鎖の主成分としては、グルコース、ガラクトース、マンノース、フコース、キシロース、N・アセチルグルコサミン、N・アセチルガラクトサミン、N・アセチルノイラミン酸(シアル酸)があり、これらの8種類の糖類は、ヒトの生命機能に欠かせないものであり、この単糖類が糖鎖のパーツとして重要な役割を果たしている。この内、グルコース及びガラクトースは食事などからの補給が可能であるが、これら以外のその他の糖鎖成分は食事などからの補給が困難とされている。
【0006】
特許文献1のものは、糖鎖解析法に関するものであり、本願発明の要旨である、燕窩成分を主とした糖鎖栄養素を活かした免疫強化食品およびその製造方法に関するものではなく、明らかに発明の構成・作用・効果が異なっている。
特許文献2のものには、食物補強剤としての植物炭水化物の組成物に関する発明が開示されており、1種〜11種の必須のサッカリド(糖栄養物質)の栄養的に有効な量を、食物補強剤として様々な組成物に使用するものであり、本願発明の要旨である、燕窩成分を主とした糖鎖栄養素を活かした免疫強化食品およびその製造方法に関するものではなく、明らかに発明の構成・作用・効果が異なっている。
従って、本願発明のような、燕窩成分を主成分とし、糖鎖栄養素を添加して成る健康食品およびその製造方法に関する特許文献並びに非特許文献は見当たらない。
【特許文献1】特開2005ー46029号公報
【特許文献2】特表2002ー511051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、これまでの健康食品における有用性に加え、更により良い作用・効果を得るために、燕窩と糖鎖を組み合わせ、更に動・植物由来成分を添加することによる、相乗作用的な働きに着目し、又更には動・植物由来成分を添加することによる、雑菌・汚染などの防止にも腐心した全く新しい発明であり、燕窩(海燕の巣)を主成分とする糖鎖栄養素を含む免疫強化食品及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
取り分け本発明は、燕窩を主成分とはするものの、燕窩に含まれている成分中極めて少ないものを他の糖鎖や動植物由来成分による添加成分により補填することにより、免疫強化食品としてより完全なものを目指すものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的、課題は、本発明によれば、燕窩成分、海藻抽出成分、きのこ抽出成分、ムコ多糖体を配合してなる、糖鎖栄養素を含むことを特徴とする、免疫強化食品により達成される。
この発明においては、燕窩成分中にその他の動植物由来成分などを配合したので、免疫力の高い食品が得られる。
【0009】
上記の目的、課題は、本発明によれば、燕窩成分に、少なくとも、グルコース、ガラクトース、マンノース、フコース、キシロース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルノイラミン酸の内、1種以上の成分を配合してなる、糖鎖栄養素を含むことを特徴とする、免疫強化食品により達成される。
この発明においては、シアル酸を有効的に取り入れた燕窩成分中に加え、他の糖鎖栄養素と相俟って、免疫力の高い食品が得られる。
この燕窩成分に、他の糖鎖成分を配合するのは、燕窩成分に足りない栄養素を糖鎖により補うためと燕窩成分の作用を良く取り出すためである。
【0010】
また、上記の他の目的、課題は、本発明によれば、燕窩成分に、少なくとも、きのこ抽出、海藻抽出成分、その他の植物成分、ムコ多糖体、たんぱく、グルコサミン、グルコン亜鉛の内1種以上の成分を配合してなる糖鎖栄養素を含むことを特徴とする、免疫強化食品により達成される。
この発明においては、シアル酸を有効的に取り入れた燕窩成分中に加え、他の糖鎖栄養素並びに他の動植物由来の成分などと相俟って、免疫力の高い食品が得られる。
この燕窩成分に、他の糖鎖成分や他の動植物由来の成分を配合するのは、燕窩成分に足りない栄養素を補うためと燕窩成分の作用を良く取り出すためである。
【0011】
また、上記の他の目的、課題は、本発明によれば、きのこ抽出成分は、マイタケ、アガリクスから成ることを特徴とする、免疫強化食品により達成される。
この発明においては、燕窩成分中に加えた、きのこ抽出成分を特定したので、他の糖鎖栄養素並びにその他の動・植物由来成分などと相俟って、免疫力の高い食品が得られる。
【0012】
また、上記の他の目的、課題は、本発明によれば、海藻抽出成分は、メカブ抽出物(フコイダン)から成ることを特徴とする、免疫強化食品により達成される。
この発明においては、燕窩成分中に加えた、海藻抽出成分を特定したので、他の糖鎖栄養素並びにその他の動植物由来成分などと相俟って、免疫力の高い食品が得られる。
【0013】
また、上記の他の目的、課題は、本発明によれば、その他の植物成分は、キダチアロエ末から成ることを特徴とする、免疫強化食品により達成される。
この発明においては、燕窩成分中に加えた、その他の植物成分を特定したので、他の糖鎖栄養素並びにその他の動植物由来成分などと相俟って、免疫力の高い食品が得られる。
【0014】
また、上記の他の目的、課題は、本発明によれば、たんぱくは、ホエイたんぱくより成ることを特徴とする、免疫強化食品により達成される。
この発明においては、燕窩成分中に加えた、たんぱく成分を特定したので、他の糖鎖栄養素並びにその他の動植物由来成分などと相俟って、免疫力の高い食品が得られる。
【0015】
また、上記の他の目的、課題は、本発明によれば、グルコサミンは、カニ・エビ由来のものから成ることを特徴とする、免疫強化食品により達成される。
この発明においては、燕窩成分中に加えた、グルコサミン成分を特定したので、他の糖鎖栄養素並びにその他の動植物由来成分などと相俟って、免疫力の高い食品が得られる。
【0016】
また、上記の他の目的、課題は、本発明によれば、燕窩成分に、少なくとも乳糖、ぶどう糖、キダチアロエ末、マイタケ、グルコサミン、ムコ多糖体、ホエイたんぱく、N・アセチルグルコサミン、デキストリン、メカブ抽出物、増粘剤、甘味料、グルコン酸亜鉛、ビオチン、ビタミンC、ナイアシン、パントテン酸カルシウム、ビタミンB類(B6,B2,B1,B12)の内1種以上の成分を配合してなる糖鎖栄養素を含むことを特徴とする、免疫強化食品により達成される。
この発明においては、燕窩成分中に加えた、他の糖鎖栄養素並びにその他の動植物由来成分などを具体的に特定したので、免疫力の高い食品が得られる。
【0017】
また、上記の他の目的、課題は、本発明によれば、前記免疫強化食品は、粉末状、顆粒状、液体状、カプセル包状であることを特徴とする、免疫強化食品により達成される。
この発明においては、前記免疫強化食品の商品形態を、粉末状、顆粒状、液体状、カプセル包状に特定したので、服用し易い形態を選択でき、免疫力の高い食品が得られる。
【0018】
また、上記の他の目的、課題は、本発明によれば、前記免疫強化前記免疫強化食品は、間歇滅菌工程を経てなることを特徴とする、糖鎖栄養素を含む免疫強化食品の製造方法により達成される。
この発明においては、間歇滅菌工程を取り入れたので、燕窩を始めとする動・植物由来の成分を添加するに際しても、その雑菌、汚染を完全に払拭することができる。
【0019】
また、上記の他の目的、課題は、本発明によれば、前記免疫強化前記免疫強化食品は、60℃、30分から1時間の条件下で滅菌し、更に1日の間隔後、更に同条件にて滅菌し、再度同条件にて複数回滅菌する、間歇滅菌工程を経てなることを特徴とする、糖鎖栄養素を含む免疫強化食品の製造方法により達成される。
この発明においては、間歇滅菌工程の条件を具体的にしたので、燕窩を始めとする動・植物由来の成分を添加するに際して、尚更に雑菌、汚染を完全に払拭することができる。
【発明の効果】
【0020】
上述のように、燕窩成分を主とし、更には動・植物由来の成分を基に8種類の糖鎖関連物質全てを含む栄養素を服用することができるので、健康維持、疾病予防、アルツハイマー、花粉症、膠原病、エイズ、細菌感染症、糖尿病、代謝異常、ホルモン機能異常、ストレス、うつ病、自閉症、アルコール中毒、喫煙者、肌荒れなどに何らかの改善効果が見ることができる。
また、本発明においては、間歇滅菌工程を取り入れたので、燕窩を始めとする動・植物由来の成分を添加するに際しても、その雑菌、汚染を完全に払拭することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。
【0022】
糖鎖は、蛋白質・核酸に次ぐ第3の生命の鎖であり、糖タンパク質、糖脂質、プロテオグリカンなど複合糖質の構成成分として、生体内で多種多様な分子群を形成している。
糖鎖は上述したように、ブドウ糖などさまざまな糖が鎖のように繋がって物質で、細胞内のほぼ全てのタンパク質や脂質に産毛のように付いているものであり、糖の配列によって機能が異なってくるものである。通常は、これが複雑に枝分かれしていて、人体には数千種類の糖鎖があると予想されている。また、糖鎖はタンパク質が体内で果たす役割に大きく関与しているものと見られている。現段階では必ずしも明確な解明がなされていないが、糖鎖の重要な役割は、人体に約60兆個あるとされる細胞に直接働きかけ、より良い情報伝達を正常に行う、司令塔の機能を有しており、治療系などに密接且つ重要に関係している。
【0023】
通常、人体は、糖鎖の異常により、自己免疫疾患が起り、糖鎖を介して(通じて)キラーT細胞、B細胞などの獲得免疫系の抗体を持たせ、作らせている。しかしながら、人体は老化と共にこれらの自然生成が難しくなり、また元々食物のみでは取り入れられないものもある。
【0024】
そもそも、人体には健康を守る免疫系システムが構築されており、通常はそれが正常に作用しているが、異常時にはその免疫系システムが壊れ、人体に好ましくない影響が生ずるとされている。この免疫系には自然免疫系と上述の獲得免疫系とがあり、更に前者にはマクロファージとNK細胞が含まれ、後者にはキラーT細胞やB細胞が含まれている。このような免疫システムを細胞間のコミュニケーションによって指令、機能させているのが糖鎖である。従って、このような糖鎖を正常に機能させ、或いはまたこれらが不足する場合には、代替成分にて補填することが健康の維持、疾病予防、疾病治療に繋がるものと云える。
【0025】
このような糖鎖に異常が生ずると、病気発生の原因の一つになり得ることが解明されつつある。例えば、免疫細胞の糖鎖に異常があると、花粉に異常反応が現れ、鼻水・くしゃみ・目のかゆみなどのアレルギー症状が現れるとされている。
【0026】
このように、糖鎖に異常があると人体に悪影響を与えるが、正常な働きを行っている場合には、外部のストレスから体を防御する神経系・ホルモン系の自己制御機能、自己と異物たる非自己とを見分ける免疫系の自己認識能力の促進、傷口をきれいに修復する自己再生・自己修復機能の促進およびこれらの総合的な能力の促進などが期待されている。
【0027】
また、燕窩には、有用な多糖類が多く含まれていることが知られているが、その含有比率を下記する。
1 フコース 1
2 N−アセチルノイラミン酸 17
3 ガラクトース 29
4 マンノース 3
5 N−アセチルガラクトサミン 17
6 N−アセチルグルコサミン 13
【0028】
また、上述した燕窩成分中(唾液中)には、シアル酸の量が極めて多く、通常ヒトにおいては約6mg/100g含まれており、またミツバチにおいては約50mg/100g含まれているとされているのに対し、アナツバメのそれには約10,000mg/100g含まれているとされている。このように、燕窩には高い生理機能を有するシアル酸がローヤルゼリーの約200倍も含まれており、これはヒトの初乳にはシアル酸量が多く含まれているところから、乳幼児の健康に貢献するところが大であるのと同様に、燕窩に極めて多く含まれているシアル酸を健康食品として有効に利用するものである。
【0029】
以下に、糖鎖の形成に必要な単糖類とその生理作用について述べる。
単糖類 供給源 生理作用
グルコース 殆どの植物 主にエネルギー源・免疫賦活作用
ガラクトース 乳製品 免疫系に重要、ガンの成長・転移阻害
マンノース アロエ・サボテン・燕窩 免疫系に重要、マクロファージ活性化
多くの植物 細菌感染阻害、糖尿病治療、
抗炎症作用
フコース 海藻類・亜麻・茸・燕窩 免疫系に重要、ガンの成長・転移阻害
気道感染症治療
キシロース 穀物の皮・植物 殺菌作用、病原体・アレルゲンの結合阻害
N−アセチル 燕窩・海藻・酵母・甲殻類 変形性関節炎治療、ガンの抑制(グル
グルコサミン コサミンとして評価)、グルコサミノ
グルカン形成
N−アセチル 燕窩・牛乳 ガンの増殖・転移に関与
ガラクトサミン
N−アセチル 燕窩・母乳(初乳) 脳の発育に必要、免疫系に関与、粘膜
ノイラミン酸 の粘度調節(細菌感染防止)
【0030】
以下に、その他の成分の周知の特徴について述べる。
乳糖は、乳製品に含まれている糖分で、別名をラクトースと云う。腸の健康を守る乳酸菌の栄養となって活性化させる働きがある。
【0031】
ぶどう糖は周知のごとくグルコースとも云われ、代表的な単糖の一つである。人間をはじめする動物や植物の活動のエネルギーになる物質の一つである。主にコーンスターチなどの澱粉から作られている。
【0032】
キダチアロエ末は、日本に広く普及し、アロエ属(大きな多肉植物群)に属するキダチアロエから取り出すもので、民間薬として古くから利用されているものである。
【0033】
マイタケは、サルノコシカケ科のキノコで、タンパク質や糖質、カリウムや鉄などのミネラル類、ビタミンB群はビタミンDなどのビタミン類など、豊富な栄養素が含まれている。その中でもキノコ類に多く含まれている、βーグルカンの含有量も多い。また、マイタケにはマイタケ特有成分である、「マイタケDーフラクション」がある。このマイタケDーフラクションには、ナチュラルキラー細胞を活性化させ、免疫力を高める働きがあり、抗ガン効果があると云われている。また、糖尿病や動脈硬化の予防にも効果があると云われている。
【0034】
グルコサミンは、天然アミノ糖の一種で、糖タンパク質、糖脂質、ムコ多糖類、プロテオグリカン、キチン質といった重要な生体組織に幅広く分布しています。我が国及びヨーロッパなどでは従来からグルコサミン硫酸塩が医療機関でリウマチ性関節炎・変形性関節症の治療薬として、また中国・台湾では骨粗鬆症の治療薬として使用されてきました。グルコサミンは生体内ではグルコースやグリコーゲンからの代謝により作り出されるか、複合糖質から切り出されることにより生成していると考えられています。自然界には、カニ・エビなどの甲殻類の外皮を形成するキチン質に多量に含まれていることから、工業的にはキチンを酸で加水分解し、単離、精製して得られます。また、グルコサミンは、軟骨細胞を形成するための基礎となる栄養成分であり、関節部位の新陳代謝に重要な役割を果たしています。
【0035】
ムコ多糖体は、無数のコンドロイチンやヒアルロン酸、ヘパリン、グルコサミンなどで構成されるゼリー状のタンパク球で、人間の軟骨、靱帯、腱といった関節の結合組織や、骨髄、血管、眼球、角膜、皮膚、肝臓・腎臓などにも多く含まれているほか、約60兆固もあるといわれる細胞のひとつひとつを繋げる役割もしています。
【0036】
ホエイは、ヨーグルトの上部に浮く黄色い液体のことで、乳清とも呼ばれている物質です。ホエイは、ビタミンB群を豊富に含んでいるため、水に溶解すると黄色い色となります。プロテインベーシックに配合されている乳清たんぱく(WPC)はこのホエイをそのまま濃縮したものです。また、プロテインアドバンスに配合されている高純度ホエイプロテイン(WPI)とは、ベーシックの乳清たんぱく(WPC)をさらに分離したもので、たんぱく含量がより高く、より体内に吸収されやすくなっています。そのため、ホエイたんぱくとも呼ばれています。
【0037】
N−アセチルグルコサミンは、エビやカニの甲羅から取り出したキチン質を材料に作られる天然アミノ糖成分で、牛乳にも微量含まれております。
【0038】
デキストリンは、馬鈴薯やとうもろこしから取り出した水溶性の食物繊維で、腸内ではゲル状になって糖質の吸収を抑える働きがあります。食後の血糖値の上昇が穏やかになるため、低インシュリンダイエットとなります。また、ビフィズス菌の栄養素となって、腸内環境を整えるので、便秘の改善や大腸がんの予防につながります。
【0039】
メカブ(めかぶ)は、わかめの根元にあるひだ状の胞子のうのことである。ワカメを繁殖させる部分なので、葉や茎に比べて栄養分が凝縮されている。メカブ(めかぶ)のネバネバは昆布にも含まれているアルギン酸やフコイダンという酸性多糖類である。他にもカルシウムやカリウムなどのミネラルや、EPAなどの有機脂肪酸も多く含まれている。
【0040】
増粘剤(カラギナン)は、ゲル化剤、安定剤としての添加物です。紅藻類のスギノリ科アイリッシュモス、ミリン科キリンサイ、イバラノリ科イバラノリなどの藻体から水で抽出して得られます。主成分は、ガラクトースとアンヒドロガラクトースなどからなる多糖類です。別名カラギナン、カラゲナン、アイリッシュモスなどとも呼ばれます。
【0041】
甘味料(D・キシロース)は、木糖とも呼ばれるもので、既存添加物(天然添加物)です。
植物中に存在する多糖類であるキシランの構成成分で、工業的には木材のキシランを加水分解して製造します。そのほかにもトウモロコシやワラなども原料となります。
【0042】
亜鉛(Zn)は、生命や健康の維持には欠かせない必須微量元素である。亜鉛が欠乏すると人は、味覚障害や皮膚障害、成長遅延、免疫不全、性機能不全などの障害の原因となると云われている。また、グルコン酸亜鉛は、従来の亜鉛酵母に比べて亜鉛の含有率が亜鉛=12.8%と高い。また溶解性が高いが、吸湿性は低く、素材として扱いやすい特徴もある。酵母のような特有の臭いがないため、商品化の際にも香りなどに影響が出ない。
【0043】
ビオチンは、ビタミンHとも呼ばれているが、ビタミンB群の一種で水溶性ビタミン。ブドウ糖や脂肪酸、アミノ酸などの代謝や合成に関わっている。また、血糖値の維持、髪や皮膚の維持、貧血予防にも効果があるとされている。また、ビオチンはアトピー性皮膚炎にも効果があると注目を浴びている。アレルギーを引き起こすとされるヒスタミンを体外に排出する働きがあるとされていることによる。ビオチンは、牛や豚の肝臓、いわしやさばの缶詰、茹でた大豆などに多く含まれている。
【0044】
ビタミンCは、美容のビタミンとも呼ばれる水溶性ビタミンである。細胞間を支えているコラーゲンの生成に欠かせないビタミンである。ビタミンCが不足すると、肌の張りがなくなり、出血しやすくなる。またビタミンCは、抗酸化作用があるため、老化を遅らせるとも言われている。さらに、鉄分の吸収を助けるため、貧血予防にも効果があるとされている。喫煙するとビタミンCが大量に失われるため、喫煙者は一般の2〜3倍のビタミンが必要だと言われている。
【0045】
ナイアシンは、ニコチン酸やニコチン酸アミドなどの総称でビタミンB群の一種、水溶性ビタミンである。糖質や脂質の代謝を促す働きがあり、体内で必要なエネルギーのうち、70%近くをナイアシンが作っていると言われている。ナイアシンは血行を改善し、脳神経の働きを強める。また、様々な炎症を引き起こすとされるヒスタミンを抑制する働きがある。
【0046】
パントテン酸は、ビタミンB群の仲間である水溶性ビタミンである。パントテン酸は、脂肪や糖の代謝を助ける。また、化学化合物に対する解毒作用があるとされている。通常、パントテン酸が極端に不足することはないが、高齢者やアルコール過多、妊娠中などの場合は不足しやすいと言われている。
【0047】
ビタミンB6は、タンパク質の代謝を行う水溶性ビタミンである。脳や神経の刺激伝達を行うアミノ酸生成にも不可欠なビタミンである。またビタミンB6は、免疫力を向上させるため、アレルギーに強くなる。ビタミンB6が不足すると、貧血や動脈硬化、口内炎などになる。つわりや月経通の軽減にも効果があるとされている。妊娠中は特に摂取が必要なビタミンである。
【0048】
ビタミンB2は、糖質やタンパク質の代謝、脂肪の分解をする水溶性ビタミンである。脂肪分の多い食事をする人には欠かせないビタミンである。また、ビタミンB2は特に女性には欠かせないビタミンで、皮膚や肌、爪、髪などの発育や抵抗力を強める。ビタミンB2が不足すると口内炎や眼精疲労、白内障などが起こる可能性が高くなる。
【0049】
ビタミンB1は、疲労回復のビタミンとも呼ばれる水溶性ビタミンである。炭水化物や糖質をエネルギーに変える働きをする。脳のエネルギーとなるブドウ糖の代謝にも欠かせないビタミンである。脳の働きを良くし、アルツハイマーの予防などにも効果があるとされている。また疲労回復やストレス解消にも効果があるとされている。糖質の分解に必須なため、甘いものを摂りすぎるとビタミンB1不足になる。
【0050】
ビタミンB12は、赤血球の生成を行う水溶性ビタミンである。貧血は鉄分不足もあげられるが、ビタミンB12が不足しても起こる。またビタミンB12は、集中力、記憶力を高めて精神を安定させ、腰痛や肩こりにも効果があると言われている。ビタミンB12は、植物ではなく、動物性の食品に多く含まれている。
[実施例1]
【0051】
成分名 重量%
1 デキストリン、燕窩 0.75
2 乳糖 65.00
3 ぶどう糖 10.00
4 キダチアロエ末 5.00
5 マイタケ 2.50
6 グルコサミン 2.50
7 ムコ多糖体 2.50
8 ホエイたんぱく 2.00
9 N・アセチルグルコサミン 2.00
10 メカブ抽出物(フコイダン) 0.50
11 増粘剤(カラギナン) 2.50
12 甘味料(キシロース) 2.00
13 グルコン酸亜鉛 2.00
14 ビオチン 0.25
15 ビタミンC他 0.50
(ナイアシン、パントテン酸カルシウム、ビタミンB類(B6,B2,B1,B12を含 む)
合計100.00
上記成分中、先ず少量の乳糖にビオチンとナイアシン、パントテン酸カルシウム、ビタミンB類(B6,B2,B1,B12を含む)を良く攪拌し、30メッシュフィルターに通過させ、上記の燕窩成分を始めその他の成分が混合されている混合釜に入れ、攪拌し、混練する。次いで、押出造粒後、乾燥し整粒し、これにより、粒状の免疫強化食品を得た。
なお、上記実施例1においては、粒状の免疫強化食品を得たが、所定の処方により、ドリンク状(液体)のものや粉末状のもの、或いは又カプセル状のものを得ることができることは云うまでもない。
[試験例1]
【0052】
前記の実施例1により得られた免疫強化食品を、下記の疾病者又は疾病予備者に3ケ月間継続して服用した結果を示す。
なお、疾病例は以下の通りである。
多型滲出性紅班、乳がん、気管支喘息、掌せき膿疱症・アトピー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、悪性リンパ腫、脊髄小脳変性症、重症末期肺炎、拡張型心筋症、筋萎縮性側策硬化症、間質性肺炎・多発性筋症、非定型性抗酸菌症、子宮内膜症・病的肥満であり、年齢・性別は26才の女性から80才の男性まで幅広い治験がみられ、75症例を得た。

服用薬(普通量)併用 服用薬(小量)併用 服用薬併用なし
著効 12例 10例 8例
有効 10 7 6
やや有効 8 7 5
効果なし 0 1 1
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、上記のように健康食品として、特に免疫強化食品として健康維持のみならず疾病予防用食品や疾病治療用食品として、幅広く利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燕窩成分、海藻抽出成分、きのこ抽出成分、ムコ多糖体を配合してなる、糖鎖栄養素を含むことを特徴とする、免疫強化食品。
【請求項2】
燕窩成分に、少なくとも、グルコース、ガラクトース、マンノース、フコース、キシロース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルノ
イラミン酸の内、1種以上の成分を配合してなる、糖鎖栄養素を含むことを特徴とする、免疫強化食品。
【請求項3】
燕窩成分に、少なくともきのこ抽出成分、海藻抽出成分、キダチアロエ末成分、ムコ多糖体、たんぱく、グルコサミン、グルコン亜鉛の内、1種以上の成分を配合してなる、糖鎖栄養素を含むことを特徴とする、免疫強化食品。
【請求項4】
前記きのこ抽出成分は、マイタケ、アガリクスから成ることを特徴とする、請求項2又は3に記載の免疫強化食品。
【請求項5】
前記海藻抽出成分は、メカブ抽出物(フコイダン)から成ることを特徴とする、請求項2又はに記載の免疫強化食品。
【請求項6】
前記たんぱくは、ホエイたんぱくより成ることを特徴とする、請求項2又は3に記載の免疫強化食品。
【請求項7】
前記グルコサミンは、カニ・エビ由来のものから成ることを特徴とする、請求項2又は3に記載の免疫強化食品。
【請求項8】
前記燕窩成分に、少なくとも乳糖、ぶどう糖、キダチアロエ末、マイタケ、グルコサミン、ムコ多糖体、ホエイたんぱく、Nーアセチルグルコサミン、デキストリン、メカブ抽出物、増粘剤、甘味料、グルコン酸亜鉛、ビオチン、ビタミンC、ナイアシン、パントテン酸カルシウム、ビタミンB類(B6,B2,B1,B12)の内、1種以上の成分を配合して成る、糖鎖栄養素を含むことを特徴とする、免疫強化食品。
【請求項9】
前記免疫強化食品は、粉末状、顆粒状、液体状、カプセル包状であることを特徴とする、請求項1から8の何れかに記載の、免疫強化食品。
【請求項10】
前記免疫強化食品は、間歇滅菌工程を経てなることを特徴とする、糖鎖栄養素を含む免疫強化食品の製造方法。
【請求項11】
前記免疫強化食品は、60℃、30分から1時間の条件下で滅菌し、更に1日の間隔後、更に同条件にて滅菌し、再度同条件にて複数回滅菌する、間歇滅菌工程を経てなることを特徴とする、糖鎖栄養素を含む免疫強化食品の製造方法。

【公開番号】特開2007−61058(P2007−61058A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−254265(P2005−254265)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願人】(503256081)
【Fターム(参考)】