説明

紅芋加工飲食物およびその製造方法

【課題】アントシアニン色素の鮮やかな赤紫色の色調が、長期的に変化し難い紅芋搾汁飲料を製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明の紅芋搾汁飲料の製造方法は、以下の工程:
(1)紅芋を剥皮し、剥いた紅芋の表面をクエン酸処理した後、冷凍する工程、
(2)冷凍された紅芋を解凍する工程、
(3)解凍された紅芋を蒸煮する工程、
(4)蒸された紅芋と米麹とをタンクに仕込み、50〜70℃の温度で18〜28時間、紅芋を糖化させる工程、
(5)糖化された紅芋を圧搾し、搾汁と固形残渣とに分離する工程、および
(6)前記搾汁にさらにクエン酸を添加して酸度を調整する工程
からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紅芋加工飲食物とその製造方法に関し、より詳細には、アントシアニン系色素の経年変化を起こし難い紅芋加工飲料の製造方法、ならびに該飲料を製造する過程で派生する固形物を用いた紅芋加工食品の製造方法、ならびにこれらの製造方法で得られる紅芋加工飲食物に関する。
【背景技術】
【0002】
紅芋をはじめとする甘藷食物には、アントシアニン、β―カロチン、ガングリオシド、ヤラピン、可溶性食物繊維、各種ビタミン類など、人間の健康にとって好ましい成分が豊富に含まれている。そのため、甘藷を主材料とした飲料や食品が数多く開発されている。例えば、甘藷搾汁飲料として特開平9−107934号公報((甘藷飲料およびその製造方法)、特開10−215835号公報(甘藷ジュースの製造方法)、特開2004−222528号公報(サツマイモ汁液の製造方法、飲料の製造方法及び飲料)、特開平11-137222号公報(焼酎蒸留残渣から飲料を製造する方法及び焼酎蒸留残渣から製造された飲料)などがあり、さらには甘藷をクエン酸発酵して得られるクエン酸を含有する飲料として、特開2001−69957号公報(クエン酸含有飲料及びその製造方法)、特開2003−33163号公報(サツマイモ搾汁液の濃縮方法、健康飲料の製造方法及び健康飲料)、特開2004-121221号公報(甘しょ焼酎蒸留粕を原料とする健康食品素材と健康飲料及びそれらの製造方法)などがある。
【0003】
上記特開平9−107934号公報、特開2001−69957号公報および特開2004−222528号公報は、主原料に紅芋を使用した紅芋搾汁飲料を記載する。紅芋を使用すると、紅芋に含まれるアントシアニン色素が製品中で鮮やかな赤紫色に発色するため、飲食物の商品価値が高まる。
【特許文献1】特開平9−107934号公報の実施例2
【特許文献2】特開2001−69957号公報の実施例2
【特許文献3】特開2004−222528号公報の実施例1〜4
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
紅芋を加工した従来の飲食物、特に飲料は、数ヶ月のオーダーの長期を経過すると、アントシアニンの赤紫色が退色あるいは変色するという問題を生じる。この退色や変色は、製品の寿命を短縮するので好ましくない。通常、アントシアニン系色素は光や熱の照射に影響されることが知られており、変色や退色を少しでも遅延させるために飲料製品を冷暗所で保存することが、最も簡便な処置である。しかし、その措置にも限界があり、また管理が煩雑である。
【0005】
上記特開平9−107934号公報には、生芋を剥皮すると、内在する酵素の自己消化によって搾汁が褐変すること、およびその渇変は生芋を蒸煮することで回避可能であることが記載されている。しかし、このような対策をとっても、長期的な退色・変色を防ぐことは困難である。
【0006】
別法として、アントシアニン色素の変色防止剤や安定化剤を添加することも提案されている。例えば、化学物質として特開平2−110164号公報、特開平9−263707号公報などに記載の発明や、天然物質として特開平8−224068号公報、特開2000−270807号公報、特開2001−11333号公報などに記載の発明が挙げられる。
【0007】
しかし、化学合成された退色防止剤や安定化剤を用いることは、天然素材のみからなる健康飲食物を嗜好する消費者の意向に沿わない。また、天然由来の変色防止剤や安定化剤であっても、それらが紅芋加工飲食物の味覚、粘度などに多少でも影響するので、その添加は好ましくない。
【0008】
そこで、本発明の課題は、化学物質や天然素材からなる変色防止剤の添加に頼らずに、短期および長期的な変色・退色を防止することができる紅芋加工飲食物とその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を鋭意検討した結果、下記に示す一連の工程を採用する製造方法によって解決できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、
(1)紅芋を剥皮し、剥いた紅芋の表面をクエン酸処理した後、冷凍する工程、
(2)冷凍された紅芋を解凍する工程、
(3)解凍された紅芋を蒸煮する工程、
(4)蒸された紅芋と米麹とをタンクに仕込み、50〜70℃の温度で18〜28時間、紅芋を糖化させる工程、
(5)糖化された紅芋を圧搾し、搾汁と固形残渣とに分離する工程、および
(6)前記搾汁にさらにクエン酸を添加して酸度を調整する工程
を含む紅芋加工飲食物の製造方法、および該製造方法を用いて製造される経年の退色・変色を起こし難い液状の紅芋加工飲食物を提供するものである。
【0010】
本発明の製造方法に用いた各工程は、通常の作業で行われているものであるが、本発明の製法に従う一連の工程によってはじめて退色および変色し難い飲食物、特に飲料が得られることは、全く意外なことである。
【0011】
ここで、本発明の製造方法に使用するクエン酸処理とは、クエン酸を含有する液体を紅芋へ塗布することや、該液体の入った容器へ紅芋を浸漬することなどを意味する。
【0012】
工程(4)で使用する米麹は、黄麹菌(Aspergillus oryzae)を種麹とし製麹したものであることが好ましい。
【0013】
また、クエン酸処理・冷凍工程(1)および/または酸度調整工程(6)で使用するクエン酸は、紅芋などの甘藷原料をクエン酸発酵させて得られたものが好ましい。さらには、糖化工程(5)で得られた紅芋固形残渣を前記甘藷原料に使用してもよい。
【0014】
本発明はまた、固形残渣を乾燥することからなる固形の紅芋加工飲食物の製造方法、および該製造方法により製造される固形の紅芋加工飲食物を提供する。この固形の紅芋加工飲食物は、飲料と同様に、長期間経ても退色・変色を起し難い。
【発明の効果】
【0015】
本発明の製造方法によれば、耐光性および耐熱性に優れる紅芋加工飲食物を製造することができる。特に、本製造方法は、短期および長期的、例えば製造後、6ヶ月経過しても、退色や変色を起こし難い液状の紅芋加工飲食物、特に飲料を製造することができる。飲食物の製品寿命が延びることによって、大量に作り置きできるなどの製造管理に融通が効く、従来のような冷暗所で保存するといった管理の手間が省ける、販売された製品の賞味期間が延長されることは消費者にとっても喜ばれる、変色・退色のために廃棄する事態を極力排除できるなどのさまざまな効果を奏する。
【0016】
本発明の製造方法では、米麹による糖化工程(4)とクエン酸による酸度調整工程(6)とが分離されているため、飲食物の糖度(甘味)とクエン酸濃度(酸味)を個別に調整することが容易になる。
【0017】
本発明の製造方法で得られる液状の紅芋加工飲食物は、米麹を除く原料のほとんどを紅芋由来とすることが可能なため、甘藷本来の香りやクエン酸の呈味を満喫することができる。一方、米麹に含まれる甘み成分は、芋の甘みを一層ひきたてる。
【0018】
本発明の製造方法では、紅芋を搾汁して残る固形残渣を、クエン酸発酵の原料や健康食品として利用可能であって、廃棄物を生じない。乾燥した固形の紅芋加工食品は、食物繊維が豊富なため、植物発酵酵素粉末としてダイエット用食品などに有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明の製造方法を詳細に説明する。図1は、本発明の製造方法のフローを示したものである。
【0020】
(1)クエン酸処理・冷凍工程
まず、本発明の製造方法の主原料である紅芋は、紅芋であれば特に制限が無い。例えばアヤムラサキ、ナカムラサキ、種子島紫、山川紫、パープルスイートロード、宮農36号、九州109号などが挙げられる。
【0021】
紅芋の表皮近くには、不良部分やアク成分が多いため、1〜2mm剥皮して取り除く。次いで、剥いた紅芋の表面をクエン酸処理する。このクエン酸処理は、主に保存状態の向上や酸化防止のために行われる。
【0022】
使用するクエン酸は、甘藷その他のでんぷん質原料をクエン酸発酵させたものや結晶クエン酸などのいかなる形態のものでよいが、芋風味を付与する点で甘藷由来のクエン酸が好ましい。特に好ましい原料は、後述する搾汁工程(5)で得られる紅芋固形残渣をクエン酸発酵させたものである。
【0023】
クエン酸処理の手段は、通常、クエン酸水溶液の塗布や浸漬である。クエン酸水溶液の濃度は、通常10〜50%、好ましくは20〜30%である。
【0024】
クエン酸の塗布された紅芋は、通常、−80〜−10℃、好ましくは−25〜−15℃の温度にて冷凍保管される。冷凍は、紅芋の細胞膜を破壊するのに有効である。
【0025】
(2)解凍工程
冷凍された紅芋を、室温まで解凍する。解凍した芋は、蒸煮しやすいように、例えば1〜2cm四方に切断するとよいが、切断しなくてもよい。
【0026】
(3)蒸煮工程
適宜切断した紅芋を、通常、80〜100℃、好ましくは90〜100℃の温度で、20〜60分間、好ましくは20〜40分間、蒸煮する。蒸煮は、雑菌を死滅させ、その後の麹菌の増殖を促す目的で行われる。
【0027】
(4)糖化工程
米麹は、蒸した米に麹菌を繁殖させたものである。米麹には、でんぷんをブドウ糖に分解するアミラーゼが多く含まれ、これが紅芋のでんぷん質を分解する。また、米麹に含まれる糖分が、紅芋搾汁飲料の甘みの増強に寄与する。糖度は、通常、5〜35%の範囲にあり、好ましくは10〜35%、特に好ましくは20〜35%である。
【0028】
本発明の製造方法で使用する米麹は、通常、アスペルギウス属に属する麹菌であってデンプン分解能の大きいものであればよく、例えば黄麹菌(Aspergillus oryzae)、黒麹菌(Aspergillus awamori, Aspergillus niger)、白麹菌(Aspergillus kawachi)などが挙げられる。中でも、黄麹菌が好ましい。
【0029】
本発明の製造方法に使用する米麹を作る(製麹)するには、上記麹菌の胞子を蒸米に接菌し、約35℃の温度で約3日間放置する。その後、胞子が発芽し、蒸米が麹菌の菌糸で覆われた米麹が得られる。米麹は、市販のものを使用してもよく、例えば「黄麹菌」(徳島精工株式会社製)などがある。
【0030】
蒸した紅芋と上記方法で入手した米麹とを、タンクに仕込み、加水する。米麹の使用量は、蒸した紅芋100重量部に対して、通常、100〜230重量部、好ましくは130〜200重量部である。
【0031】
次いで、50〜70℃、好ましくは55〜65℃の温度で、通常、18〜28時間、好ましくは20〜24時間放置して、紅芋のでんぷん質を分解(糖化)させる。その間、適宜、攪拌してもよい。
【0032】
(5)搾汁工程
糖化された紅芋を麻袋に入れて、圧搾機などで圧縮する。圧縮の程度は、通常、6〜14MPaでよく、好ましくは8〜12MPaである。得られた搾汁液は、適宜、フィルター、中空糸膜でのろ過や遠心分離機にかけて、微細な浮遊物を除去する。搾汁液は、適宜、濃縮または希釈してもよい。
【0033】
(6)酸度調整工程
工程(5)で得られた適宜、清澄済みの紅芋搾汁液へ、クエン酸を添加して酸度を調整する。紅芋加工飲料製品として適するクエン酸濃度は、通常、500〜4000mg/100mlであり、好ましくは800〜3000mg/100ml、特に好ましくは1000〜2800mg/100mlである。具体的には、紅芋搾汁液へ、クエン酸の粉末を添加して、クエン酸濃度を上記範囲へ調整する。
【0034】
得られた紅芋搾汁飲料は、80℃以上、好ましくは90〜98℃の温度で、10〜15分の加熱殺菌することが好ましい。通常、殺菌工程を経て製品となる。
【0035】
酸度調整工程(6)で排出される固形残渣には、でんぷん質や酵素が多く残っているため、再利用することが望ましい。再利用には、固形残渣を乾燥して食品に利用する方法、固形残渣をクエン酸発酵させてクエン酸として回収する方法、固形残渣を芋焼酎のアルコール原料とする方法などが挙げられる。
【0036】
上記固形残渣を乾燥する方法は、定法に従い、例えば加熱、凍結乾燥、風乾、遠心分離などが挙げられる。乾燥品の形状は、粉末、顆粒などの粉末、錠剤、ビスケット状などの固形物、あるいは粉末を封入したカプセルであり得る。これらの食品は、ダイエット食品として有用である。それは、そのまま食するか、あるいは食材の一部に使用してもよい。
【0037】
上記固形残渣をクエン酸発酵させる方法は、定法に従い、クエン酸発酵菌を用いて発酵させればよい。クエン酸発酵菌には、アスペルギウス属に属する麹菌であって、クエン酸生成能の大きいもの、例えば黒麹菌(Aspergillus niger 、Aspergillus awamori)、白麹菌(Aspergillus kawachi)を蒸米に接菌し、培養した米麹を用いる。特にAspergillus
nigerは、クエン酸生成能が大きい点で好ましい。市販品として、例えば「泡盛用黒麹」(ビオックス株式会社製)などを用いてもよい。この米麹と前記で得られた固形残渣とを温度35〜60℃で培養して、3〜10日間クエン酸発酵させる。その間、適宜、攪拌してもよい。得られたもろみを温水で抽出して、クエン酸水溶液を得る。
【0038】
こうして得られたクエン酸を、クエン酸処理・冷凍工程(1)や酸度調整工程(6)のクエン酸原料として使用すると、固形残渣の有効利用が図れると共に、本発明の製造方法で得られる飲料の主原料がすべて芋由来となり、飲料の芋風味が損なわれないという効果を奏する。
【0039】
前記固形残渣をアルコール発酵させる方法は、甘藷原料をアルコール発酵する定法に従えばよく、例えば特開平11−137222号に記載の方法を利用することができる。該公報の内容を、参照のために本明細書に編入する。
【実施例】
【0040】
〔実施例1〕
(紅芋加工飲料の製造)
表1に、実施例1の工程を示す。表1において、紅芋(品種:アヤムラサキ)を洗浄後、剥皮した。剥いた紅芋を、用意しておいたクエン酸濃度25%のクエン酸水溶液(紅芋固形残渣由来のもの)へ浸した後、−25℃で10日間、冷凍保存した。
【0041】
冷凍保存された紅芋を室温まで解凍し、次いで蒸煮しやすい大きさ(約5cm四方)に切断した。切断した紅芋を、100℃の温度で40分間蒸煮した。
【0042】
次いで、蒸した紅芋60kgと、市販の乾燥米麹(製品名KL-3、徳島精工株式会社製)100kgとを容積1500Lのタンクに仕込み、約60℃で20時間放置し、紅芋を糖化させた。
【0043】
糖化された紅芋を麻袋に入れて、圧搾機にて10MPaの荷重をかけて圧搾し、搾汁と固形残渣とに分離した。得られた搾汁をさらにフィルターろ過して、不純物を除去した。
【0044】
ろ過した搾汁にクエン酸水溶液を添加し、酸度を1400mg/100mlに調整した。得られた搾汁のpHは、3.0であった。搾汁を温度90℃で10分間殺菌して、液量230Lの最終製品を得た。
【0045】
(色の評価方法と結果)
上記で得た紅芋加工飲料をガラス瓶に詰め、太陽光のもとに長期間放置し、退色と変色の有無を調べた。具体的には、太陽光に曝す期間を種々変えた紅芋搾汁飲料の可視吸収スペクトルを分光光度計(製品名:U-1500、日立ハイテクノロジー社製)を用いて測定した。
【0046】
図2は、二波長における吸光度を、保存期間をパレメータとしてプロットしたものである。525nmはアントシアニンの極大吸収波長(赤紫色)を意味し、この波長の消長から退色の有無がわかる。一方、425nmの吸光度の経日変化は、褐変の有無を示す。図2を見てわかるとおり、本発明の製造方法による紅芋加工飲料は、4ヶ月以上経過しても、退色および褐変がないことがわかる。
【0047】
〔比較例1〕
特開平9−107934号公報の実施例2に記載の方法に従って、紅芋搾汁飲料を作製した。工程を表1に示す。
【0048】
得られた紅芋飲料の色調測定を、実施例1と同様の手順で行った。その結果を図3に示す。図3に示すとおり、比較例1の飲料は、24ヶ月経過後には、紅芋のアントシアニンに由来する525nmの可視吸収が減少し、一方、425nmの褐色が顕著に現れていることがわかる。
【0049】
〔比較例2〕
特開2001−69957号公報の実施例2に記載の方法に従って、紅芋搾汁飲料を作製した。工程を表1に示す。
【0050】
得られた紅芋飲料の色調測定を、実施例1と同様の手順で行った。その結果を図4に示す。図4に示すとおり、6ヶ月経過後には、紅芋のアントシアニンに由来する525nmの可視吸収が減少し、一方、425nmの褐色が顕著に現れていることがわかる。
【0051】
〔比較例3〕
特開2004−222528号公報の実施例1,2および4に記載の方法に準じて紅芋搾汁飲料を作製した。だだし、この比較例3では、クエン酸処理した紅芋に特開2004−222528号に記載のない凍結→解凍処理を施してから、クエン酸水溶液と混合した点が特開2004−222528号と異なる。本比較例の工程を表1に示す。
【0052】
得られた紅芋飲料の色調測定を、実施例1と同様の手順で行った(図5)。図5に示すとおり、時間の経過とともに、紅芋のアントシアニンに由来する525nmの可視吸収が減少する一方で、425nmの褐色の吸収が増すことにより、紅芋加工飲料が顕著に変色する。
【0053】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の製造方法の工程フロー図である。
【図2】本発明の実施例1に従う紅芋搾汁飲料の吸光度の経時変化を示す図である。
【図3】比較例1で調製した紅芋搾汁飲料の吸光度の経時変化を示す図である。
【図4】比較例2で調製した紅芋搾汁飲料の吸光度の経時変化を示す図である。
【図5】比較例3で調製した紅芋搾汁飲料の吸光度の経時変化を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)紅芋を剥皮し、剥いた紅芋の表面をクエン酸処理した後、冷凍する工程、
(2)冷凍された紅芋を解凍する工程、
(3)解凍された紅芋を蒸煮する工程、
(4)蒸された紅芋と米麹とをタンクに仕込み、50〜70℃の温度で18〜28時間、紅芋を糖化させる工程、
(5)糖化された紅芋を圧搾し、搾汁と固形残渣とに分離する工程、および
(6)前記搾汁にさらにクエン酸を添加して酸度を調整する工程
を含む紅芋加工飲食物の製造方法。
【請求項2】
工程(4)で使用する米麹が、黄麹菌(Aspergillus oryzae)を種麹とし製麹したものであることを特徴とする、請求項1に記載の紅芋加工飲食物の製造方法。
【請求項3】
工程(1)および/または(6)で使用するクエン酸が、甘藷原料をクエン酸発酵させて得られたものである、請求項1または2に記載の紅芋加工飲食物の製造方法。
【請求項4】
工程(5)で得られた固形残渣を前記甘藷原料に使用することを特徴とする、請求項3に記載の紅芋加工飲食物の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法により得られる経年の退色・変色を起こし難い液状の紅芋加工飲食物。
【請求項6】
請求項1で得られた固形残渣を乾燥することからなる紅芋加工飲食物の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の製造方法により得られる固形の紅芋加工飲食物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−246836(P2006−246836A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−70743(P2005−70743)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(503027861)トーシン株式会社 (8)
【Fターム(参考)】