説明

紙−繊維構造物積層体およびその製造方法

【課題】簡便な工程で、且つ紙層部が低目付けであっても十分に紙の機能、物性を維持し、かつ基材層の隠蔽性が強い紙層を有する紙−繊維構造物積層体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】非常に高度にフィブリル化された有機繊維パルプを水などの溶媒に分散させて得られるスラリーを各種基材上にスプレー吹き付けにより薄く均一に塗布し、乾燥後表面を加圧圧着することにより、紙層部が低坪量でも基材層の隠蔽性が強く、かつ機能、物性に優れた紙−繊維構造物積層体を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機繊維パルプを含む紙層部が低坪量でも十分に紙の機能、物性を維持した紙−繊維構造物積層体及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、有機パルプを分散媒に分散させて作成されるスラリーをスプレー塗布により不織布、織編み物などの基材繊維構造物上に薄く均一に積層後、加熱プレスさせて得られる紙−繊維構造物積層体およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、不織布は低目付け且つ高強度な布帛が得られるため、産業資材、衛生製品、土木資材等に幅広く利用されている。しかし、これらは用途によっては吸水性、撥水性、ヒートシール性、耐熱性等の表面特性が十分でないとか、低目付けでは均一性に欠け、隠蔽性が低いという欠点がある。
【0003】
一方、湿式抄紙による紙はパルプやショートカット繊維を水等の溶媒に分散させたスラリーを抄紙用ワイヤーメッシュを用いて漉き上げる方法で抄造され、緻密で均一な層を形成し、隠蔽性に優れているが強度や剛性の点で問題があった。
【0004】
そこで、不織布および紙の特徴を活かし、且つ欠点を補うために、不織布−紙の貼り合せ複合体が考案されている。例えば特開平5−279997号公報や特開平10−53950号公報には湿式抄造紙層をスパンボンド不織布に積層してなる複合紙の製造方法が開示されている。確かにこの方法により湿式抄紙層の繊維を適宜選択することによりある程度表面機能性、隠蔽性は向上する。しかしながら、湿式抄紙層が低目付けでは湿式抄造時の湿潤強度が不足するため製造上限界があること、また下層となるスパンボンド不織布を十分隠蔽するにはかなりの目付けが必要であること、そのため高目付けにすることにより重くなるとかコストアップ、また剛性が上がるという問題があった。また特開平4−91299号公報には合成パルプを含有する紙料を水性媒体中に分散させ、不織布等の強化層上に直接抄紙し、乾燥熱処理する方法が開示されている。この方法によれば低目付けでも湿式抄紙層を形成することはできるが、この場合も表面の低目付けでの隠蔽性は十分とは言えなかった。そのため低目付けでも表面機能とともに隠蔽性のある加工方法が求められていた。
【0005】
【特許文献1】特開平5−279997号公報
【特許文献2】特開平10−53950号公報
【特許文献3】特開平4−91299号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
簡便な工程で、且つ紙層部が低目付けであっても十分に紙の機能、物性を維持し、かつ基材層の隠蔽性が強い紙層を有する紙−繊維構造物積層体及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
下層の基材繊維構造物層の隠蔽性に関しては、上層の湿式抄紙層に使用する繊維やパルプの比表面積に大きく依存していること、また湿式抄造時の湿潤強度に依存しない紙層の形成方法について鋭意検討し本発明を完成した。
【0008】
すなわち本発明者らは、非常に高度にフィブリル化された有機繊維パルプを水などの溶媒に分散させて得られるスラリーを各種基材上にスプレー吹き付けにより薄く均一に塗布し、乾燥後表面を加圧圧着することにより、紙層部が低坪量でも基材層の隠蔽性が強く、かつ機能、物性に優れた紙−繊維構造物積層体が得られることを見出した。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、有機繊維パルプスラリーを基材繊維構造物上にスプレー塗布後、熱プレスにより加圧・乾燥して、薄く均一な紙層と基材繊維構造物との積層体を簡便に得ることができ、この紙−繊維構造物積層体は紙層部が薄くても十分に紙物性や特性を反映するもので、各種用途に適する紙−繊維構造物積層体の製造コスト低減に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明でいう高度にフィブリル化した有機繊維パルプとは、剛直な分子構造を持つ有機繊維をリファイナーやビーター、ミル、高圧ホモジナイザー、摩砕装置等の装置により高度にフィブリル化させたものをいう。このフィブリル化の度合いが高いほどフィブリルにより機能性付与効果や下地を隠蔽する効果が高く、より緻密な表面を形成することもできる。
【0011】
隠蔽性等に効果を示すフィブリル化の程度としては、比表面積1〜24m/gであることが必要である。より好ましくは5〜20m/gである。1m/g以下のとき、フィブリルが少なく十分な隠蔽性が得られない。また基材繊維構造物との接着強力も得られない。24m/g以上のときは、有機繊維パルプの生産性が非常に低下するだけでなく、有機パルプが離解中に互いに絡合し、塊状となるため有効フィブリルが減少し、隠蔽性もそのため逆に低下する。またスプレーノズルの目詰まりを引き起こしやすくなる。
【0012】
さらに、有機繊維の繊維長は1mm以下が好ましい。より好ましくは0.5〜1.0mmの範囲である。この理由としては1mm以上のとき、有機パルプがスラリー中で互いに絡合しやすく塊状になるため、有効なフィブリルが不足し、下地を覆うことができなくなるため隠蔽性も低下する。さらに塊状になるためスプレーノズルの目詰まりも引き起こしやすくなる。また0.5mm以下では繊維同士の絡合が不足し強度が得られない。
【0013】
本発明における有機繊維としては、熱分解開始温度が350℃以上である有機高分子重合体からなる分子配向度の高い液晶性高分子繊維が好ましく、特に芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、ポリベンザゾール繊維が強度、耐熱性、フィブリル化の容易さといった面から適している。
【0014】
芳香族ポリアミド繊維としては、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−p−ベンズアミド、ポリ−p−アミドヒドラジド、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド−3,4−ジフェニルエーテルテレフタルアミドなどを紡糸して繊維化したものが挙げられるが、これらに限定されるものではないが、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミドがより好ましい。
【0015】
芳香族ポリエステルは芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸などのモノマーを組み合わせて、組成比を変えて合成される。例えばp−ヒドロキシ安息香酸と2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸との共重合体が挙げられるが、これに限定されるものではない。芳香族ポリエステル繊維は、このようなポリマーを紡糸して繊維化したものである。
【0016】
ポリベンザゾール繊維はポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)ホモポリマー、および実質的に85%以上のPBO成分を含みポリベンザゾール類とのランダム、シーケンシャルあるいはブロック共重合ポリマーを紡糸して繊維化したものである。
【0017】
上記有機繊維パルプの他に、フィブリッドと呼ばれる有機パルプ状物も使用することが好ましい。本発明でいうフィブリッドとは、湿式抄造工程において、バインダー性能を有する微小のフィブリルを有する薄葉状、鱗片状の小片、又は、ランダムにフィブリル化した微小短繊維の総称であり、例えば、WO2004/099476A1号公報、特公昭35−11851号公報、特公昭37−5732号公報等に記載された方法により、有機系高分子重合体溶液を該高分子重合体溶液の沈澱剤と剪断力の存在する系において混合することにより製造されるフィブリッドや、あるいは、特公昭59−603号公報に記載された方法により、光学的異方性を示す高分子重合体溶液から成形した分子配向性を有する成形物に叩解等の機械的剪断力を与えてランダムにフィブリル化させたフィブリッドを用いるものが好ましく、中でも前者の方法によるものが最適である。尚、フィブリッドは紡糸工程を経ずに得られるという点において前記有機繊維と区別している。このフィブリッドを使用することにより紙層間また紙層と基材繊維層の接着力が向上するので好ましい。
【0018】
さらに、リンターパルプや木材パルプ等のセルロース繊維、メタ型アラミド繊維、アクリル繊維、ポリイミド繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維や、ガラス繊維、ロックウール、チタン酸カリウム繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、金属繊維などの無機繊維も繊維状材料として併用することができる。
【0019】
本発明における下層に用いる基材繊維構造物の形態としては不織布、織編み物、紙のいずれでも良い。当該基材繊維構造物を構成する繊維としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド、メタ型ポリアミド、パラ型ポリアミドなどの芳香族ポリアミド、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維などを主成分とする繊維があげられる。中でも加熱プレス時の耐熱性の面から、芳香族ポリアミド、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維が好ましい。
【0020】
次に、本発明では紙層を形成するのにスプレー塗布法で行うことが必要である。一般にスプレー塗布法は溶媒に微粒子などを分散させて得られる流動体を基材にスプレーコーティングし、新しい機能を付与することを目的として使用され、連続生産化が容易で、凹凸面を有する基材に対しても均一で薄層のコーティングが可能な優れた工業的手法である。具体的には、トンネル掘削等露出した地山の崩落を防止するために急結剤をコンクリートに配合した急結性コンクリートの吹付工法が行われている(特公昭60−4149号公報)。基材に各種塗料を吹き付け、基材に光触媒機能を付与したり、着色を目的に使用されるなど工業的に幅広く利用されている。
【0021】
本発明のスプレー塗布法で上層の紙層を得るには、まず有機繊維パルプを含む紙層部構成物質を水などの分散媒に分散させたスラリーを作製する。離解機などの公知の撹拌装置を用いて十分に離解することにより、各成分が均一に分散したスラリーを得ることができる。次に、このスラリーを公知のスプレー装置を用いて基材繊維構造物上に吹き付ける。この際、紙層部と基材繊維構造物との接着性を向上させる目的でスラリーにバインダー成分を添加することもできる。バインダー成分としては例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、フルオロ重合体樹脂等などの有機バインダー、アルミナ、ジルコニア、シリカなどの無機バインダー等があげられるが、紙層部と基材繊維構造物との接着性を向上させるものであればこれらに限定するものではない。
【0022】
得られた積層体は乾燥後、加熱プレスにより圧着・乾燥させることが必要である。加熱プレスとしては加熱ドラムプレス機、カレンダー加圧機等一般に使用されるものを用いることができ、加熱プレス条件としては・・120〜300℃ 面圧・・0.49〜3.9kPaの条件が好ましい。
【0023】
かくして本発明によれば、少なくとも片面に、有機繊維をフィブリル化して得られる有機繊維パルプを少なくとも含む紙層が基材繊維構造物層に積層されてなる紙−繊維構造物積層体であって、紙層を構成する有機繊維パルプの比表面積が1〜24m/gである高度にフィブリル化された有機繊維パルプであることを特徴とする紙−繊維構造物積層体及び該有機繊維パルプを分散媒に分散させスラリーとし、基材繊維構造物上にスプレー塗布後、加熱プレスにより圧着・乾燥させることを特徴とする紙−繊維構造物積層体の製造方法が提供される。
以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明する。なお本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0024】
以下に述べる測定方法に従って各種の物性測定を実施した。
1烈断長
紙−繊維構造物積層体の烈断長評価はJIS P8113に準拠して行った。
試験機:INSTRON 5565型(INSTRON社製)
温度:室温
ゲージ間距離:100mm
引張速度:10mm/分
N数:5
なお、引張方向と不織布の縦方向は平行となるようにサンプリングした。
2紙層厚み測定
得られた紙−繊維構造物積層体の断面を走査型電子顕微鏡1000倍で観察し、厚みを測長した。
3ガーレー透気度
得られた紙−繊維構造物積層体の通気性を評価するために、ガーレー透気度による評価をおこなった。評価はJIS P8117に準拠して行った。
4紙層と下地繊維構造物との接着性(以下接着力と略称)
得られた紙−繊維構造物積層体を幅1cm、長さ10cmに切り取り、紙層表面に同じ幅のセロテープ(登録商標)を貼り付け、末端2cmを貼り付けないで置き、急速にセロテープ(登録商標)を剥がした時の抵抗力で簡便的にあらわした。
○:紙層と下地との界面で剥がれるが、接着が強い。
×:紙層と下地との界面で簡単に剥がれ、接着力は不良
5下地隠蔽性(以下隠蔽性と略称)
下地の不織布層の斑が上から透き通って見えるか観察した。
○:下地は隠蔽され良好
×:下地は隠蔽されず、透き通って見える。
6フィブリッドの作成
WO2004/099476A1号公報の手法によりパラ型芳香族ポリアミドのフィブリッド(以下アラミドフィブリッドと略称)を作成した。
【0025】
[実施例1]
有機繊維パルプとしてパラ型芳香族ポリアミドフィブリッド 比表面積=2.0、繊維長=1.0mmWL、帝人テクノプロダクツ製 アラミドパルプ1とする)を5重量部、JIS標準離解機にて3000rpmで3分間離解して、スラリーを得た。得られたスラリーを市販のスプレー器(ノズル径;1mm)に投入し、圧力5kPaで目付け60g/mのメタ型ポリアミド不織布(30重量部)上に吹きつけ、プレス脱水した後、温度140℃、面圧0.5kPaで5分間の加熱プレス乾燥することで紙−繊維構造物積層体を得た。紙層部の目付けは25g/mであった。比較例3と比較してスプレー吹き付け法が低目付け紙層を形成するのに有効であることがわかる。 このものは隠蔽性、接着力もよく、紙層の紙力も強く、表面の通気性の他耐熱性、平滑性、触感性に優れるものであった。
【0026】
[実施例2]
実施例1において、スラリーを構成する繊維状物が有機繊維パルプとしてパラ型芳香族ポリアミド繊維を非常に高度にフィブリル化したパルプ(商品名「トワロン1094」、比表面積=14m/g、繊維長=1.1〜1.7mmWL、帝人テクノプロダクツ製 アラミドパルプ2とする)を5重量部使用したこと以外は実施例1と同様に紙−繊維構造物積層体を作成した。
このものは隠蔽性、接着力が非常に良好で、表面の通気性の他耐熱性、平滑性、触感性に優れるものであった。
【0027】
[実施例3]
実施例1において、スラリーを構成する繊維状物が有機繊維パルプとしてアラミドパルプ1を2.5重量部、アラミドパルプ2を2.5重量部を使用したこと以外は実施例1と同様に紙−繊維構造物積層体を作成した。
このものは隠蔽性、接着力が非常に良好で、表面の通気性の他耐熱性、平滑性、触感性に優れ、かつアラミドフィブリッドを添加したため紙層の紙力も強かった。
【0028】
[比較例1]
有機繊維としてパラ型芳香族ポリアミド短繊維、(商品名「トワロン1081」、比表面積=0.1m/g、繊維長=5.0mmWL、帝人テクノプロダクツ製 アラミドパルプ3とする)を5重量部使用したこと以外は実施例1と同様に紙−繊維構造物積層体を作成した。このものはフィブリルがなく下地の隠蔽性が悪く、紙力も弱いものであった。
【0029】
[比較例2]
有機繊維パルプとしてパラ型芳香族ポリアミド繊維を非常に高度にフィブリル化したパルプ、比表面積=30m/g、繊維長=5.0mmWL、帝人テクノプロダクツ製 アラミドパルプ4とする)を5重量部使用したこと以外は実施例1と同様に紙−繊維構造物積層体を作成した。このものはスラリー中でフィブリル同士が絡みつき塊状になって表面の意匠性が悪く、スプレーで目詰まりしやすいものであった。それ故比表面積が高くても有効に生かされないために隠蔽性、接着性も不良であった。
【0030】
[比較例3]
アラミドフィブリッド(アラミドパルプ1)5重量部をJIS標準離解機にて3000rpmで3分間離解して、スラリーを得た。その後、TAPPI式角型抄紙機でこのスラリーを抄造したが漉き上げることはできなかった。
【0031】
[比較例4]
60g/mのメタ型ポリアミド不織布(30重量部)上に有機繊維パルプを含有しない水をスプレーし、プレス脱水した後、温度140℃、面圧0.5kPaで5分間の加熱プレス乾燥した。
【0032】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は紙層が低目付けでも隠蔽性が高く、耐熱性、強度、通気性、密封性などの優れる紙−繊維構造物積層体を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも片面に、有機繊維をフィブリル化して得られる有機繊維パルプを含む紙層が基材繊維構造物層に積層されてなる紙−繊維構造物積層体であって、紙層を構成する有機繊維パルプの比表面積が1〜24m/gである高度にフィブリル化された有機繊維パルプであることを特徴とする紙−繊維構造物積層体。
【請求項2】
紙層を構成する有機繊維パルプの比表面積が5〜20m/gである高度にフィブリル化された有機繊維パルプである請求項1記載の紙−繊維構造物積層体。
【請求項3】
有機繊維パルプが、熱分解開始温度が350℃以上である有機高分子重合体からなる繊維パルプである請求項1、2いずれか一項記載の紙−繊維構造物積層体。
【請求項4】
有機繊維パルプが、熱分解開始温度が350℃以上である有機高分子重合体からなる繊維パルプ、及び/又は熱分解開始温度が350℃以上である有機高分子重合体からなるフィブリッドを含む請求項1、2いずれか一項記載の紙−繊維構造物積層体。
【請求項5】
熱分解開始温度が350℃以上である有機高分子重合体からなる繊維パルプがパラ型芳香族ポリアミド繊維パルプ及び/又はメタ型芳香族ポリアミド繊維パルプである請求項3,4いずれか一項記載の紙−繊維構造物積層体。
【請求項6】
熱分解開始温度が350℃以上である有機高分子重合体からなるフィブリッドがパラ型芳香族ポリアミド及び/又はメタ型芳香族ポリアミドからなるフィブリッドである請求項4、5いずれか一項記載の紙−繊維構造物積層体。
【請求項7】
紙層の厚みが5〜100μmである請求項1〜6いずれか一項記載の紙−繊維構造物積層体。
【請求項8】
有機繊維パルプを分散媒に分散させスラリーとし、基材繊維構造物上にスプレー塗布後、加熱プレスにより圧着・乾燥させて得られることを特徴とする請求項1〜7いずれか一項記載の紙−繊維構造物積層体の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜7いずれか一項記載の紙層と基材繊維構造物層からなる紙−繊維構造物積層体単位が少なくとも2単位以上重ねられて構成されていることを特徴とする紙−繊維構造物積層体。

【公開番号】特開2007−168284(P2007−168284A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−369717(P2005−369717)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(303013268)帝人テクノプロダクツ株式会社 (504)
【Fターム(参考)】