説明

紙葉類処理装置及び紙葉類処理方法

【課題】処理効率に優れた紙葉類処理技術を提供すること。
【解決手段】紙葉類処理装置は、処理対象の紙葉類の有無を検出するとともに、紙葉類を順に供給する第1の供給手段と、前記第1の供給手段により供給された紙葉類を順に処理する処理手段と、前記処理手段により処理された紙葉類を順に集積する集積手段と、前記集積手段に集積された複数の紙葉類を所定枚数単位で仕切るための仕切り紙の有無を検出するとともに、仕切り紙要求タイミングに基づき仕切り紙を前記集積手段へ供給する第2の供給手段と、仕切り紙無しが検出されても未処理の紙葉類有りの検出に基づき紙葉類処理を継続し、未処理の紙葉類無しの検出に基づき紙葉類処理を停止する制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有価証券等の紙葉類を処理する紙葉類処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
紙葉類処理装置は、例えば、有価証券等の紙葉類を複数枚収容し、収容された紙葉類を一枚ずつ取り出し、OCRなどで紙葉類の券面情報を読み取り、これら読取済みの紙葉類を集積する。さらに、紙葉類処理装置は、読取済みの紙葉類を所定枚数単位で区別するための厚紙等の仕切り紙を供給する機能を備えている。これにより、紙葉類処理装置は、所定枚数単位で読取済みの紙葉類に対して仕切り紙を入れる(特許文献1参照)。
【0003】
紙葉類処理装置は、運転開始後、仕切り紙無し検出に基づき運転を停止する。つまり、紙葉類処理装置は、仕切り紙無し検出に基づき、処理対象の紙葉類が存在しているにもかかわらず、即座に運転を停止する。さらに、紙葉類処理装置は、仕切り紙の補充を要求し、仕切り紙が補充されることを運転再開条件としている。
【特許文献1】特開平7−267402
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したように、紙葉類処理装置は、仕切り紙無し検出に基づき、即座に運転を停止し、仕切り紙の補充を要求する。仕切り紙無しでも紙葉類を適切に処理できる場合があるが、紙葉類処理装置は、仕切り紙が無いと運転を再開しない。例えば、処理対象の紙葉類が残り僅かで、仕切り紙の挿入が発生しないようなケースが考えられる。このようなケースでも、紙葉類処理装置は、仕切り紙無し検出に基づき、運転を停止し、仕切り紙の補充を要求し続ける。このような紙葉類処理装置の動作に対して、紙葉類処理効率の向上が要望されている。
【0005】
本発明の目的は、処理効率に優れた紙葉類処理技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一実施形態に係る紙葉類処理装置は、処理対象の紙葉類の有無を検出するとともに、紙葉類を順に供給する第1の供給手段と、前記第1の供給手段により供給された紙葉類を順に処理する処理手段と、前記処理手段により処理された紙葉類を順に集積する集積手段と、前記集積手段に集積された複数の紙葉類を所定枚数単位で仕切るための仕切り紙の有無を検出するとともに、仕切り紙要求タイミングに基づき仕切り紙を前記集積手段へ供給する第2の供給手段と、仕切り紙無しが検出されても未処理の紙葉類有りの検出に基づき紙葉類処理を継続し、未処理の紙葉類無しの検出に基づき紙葉類処理を停止する制御手段と、を備えている。
【0007】
この発明の一実施形態に係る紙葉類処理方法は、紙葉類を順に供給し、前記供給された紙葉類を順に処理し、前記処理された紙葉類を順に集積し、紙葉類集積先に対して、仕切り紙要求タイミングに基づき仕切り紙を供給し、仕切り紙無しが検出されても未処理の紙葉類有りの検出に基づき紙葉類処理を継続し、未処理の紙葉類無しの検出に基づき紙葉類処理を停止する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、処理効率に優れた紙葉類処理技術を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る紙葉類処理システムの概略構成を示すブロック図である。図2は、紙葉類処理システムの搬送ルートの概略を示す図である。
【0011】
図1に示すように、紙葉類処理システムは、上位PC101、オペレーションスイッチ102、主制御部103、機構制御部104、処理装置105、紙葉類供給装置106、仕切り紙供給装置107、紙葉類集積装置108、搬送装置109を備えている。
【0012】
オペレーションスイッチ102は、オペレータ操作入力を受け付け、受け付けた操作入力を主制御部103へ通知する。例えば、オペレーションスイッチ102が、運転開始又は運転停止の入力を受け付けると、運転開始又は運転停止を主制御部103へ通知する。主制御部103は、これら運転開始又は運転停止の通知に基づき機構制御部104に対して制御信号を送信する。機構制御部104は、主制御部103から送信される制御信号に基づき、上記説明した処理装置105、紙葉類供給装置106、仕切り紙供給装置107、紙葉類集積装置108、搬送装置109の動作を制御する。
【0013】
紙葉類供給装置106は、処理対象の紙葉類が投入堆積される給紙台を備えている。さらに、紙葉類供給装置106は、この給紙台に投入堆積された紙葉類を1枚ずつ分離して取り出すためのローラーを含む取出装置を備えている。紙葉類供給装置106の取出装置によって取り出された紙葉類は、搬送装置109に設けられているベルト状の搬送路により搬送される。なお、紙葉類供給装置106は、給紙台に投入堆積される紙葉類の有無を光学センサ等により検知し、検知結果を主制御部103へ通知する。つまり、主制御部103は、処理対象の紙葉類の有無を認識することができる。
【0014】
搬送装置109は、紙葉類供給装置106から処理装置105へ紙葉類を搬送したり、処理装置105から紙葉類集積装置108へ紙葉類を搬送したり、仕切り紙供給装置107から紙葉類集積装置108へ仕切り紙を搬送したりする。
【0015】
処理装置105は、搬送装置109により搬送されてくる紙葉類の通過を光学センサ等によりチェックする。さらに、処理装置105は、例えばOCR(光学文字読取装置)を備え、紙葉類の券面情報(例えば識別番号)を読み取る。なお、処理装置105は、紙葉類の通過チェック又は紙葉類読取等により紙葉類処理枚数をカウントし、紙葉類処理枚数を主制御部103へ通知する。つまり、主制御部103は、紙葉類処理枚数を認識することができる。
【0016】
紙葉類集積装置108は、搬送装置109により搬送されてくる紙葉類を順に堆積する。また、紙葉類堆積装置108は、紙葉類の券面情報の読取結果に基づき、紙葉類を振り分けて堆積することもできる。例えば、券面情報を正しく読み取ることができなかった紙葉類と、券面情報を正しく読み取ることができた紙葉類とを、別々に堆積することができる。なお、紙葉類堆積装置108は、光学センサ等により紙葉類堆積枚数をカウントし、紙葉類堆積枚数を主制御部103へ通知する。つまり、主制御部103は、紙葉類堆積枚数を認識することができる。
【0017】
仕切紙供給装置107は、紙葉類堆積装置108に堆積された複数の紙葉類を所定枚数単位で仕切るための仕切り紙が投入堆積される給紙台を備えている。さらに、仕切紙供給装置107は、この給紙台に投入堆積された仕切り紙を1枚ずつ分離して取り出すためのローラーを含む取出装置を備えている。仕切紙供給装置107の取出装置は、主制御部103からの仕切り紙要求に基づき仕切り紙を取り出す。仕切紙供給装置107の取出装置によって取り出された仕切り紙は、搬送装置109に設けられているベルト状の搬送路により搬送される。紙葉類集積装置108は、搬送装置109により搬送されてくる仕切り紙を堆積する。なお、主制御部103は、上記したように紙葉類処理枚数及び紙葉類堆積枚数を認識している。従って、主制御部103は、紙葉類集積装置108において紙葉類が所定枚数堆積されたことを認識することができ、この認識のタイミングで仕切り紙を要求する。これにより、所定枚数単位の紙葉類に対して、仕切り紙が挿入されることになる。また、仕切紙供給装置107は、給紙台に投入堆積される仕切り紙の有無を光学センサ等により検知し、検知結果を主制御部103へ通知する。つまり、主制御部103は、仕切り紙の有無を認識することができる。
【0018】
続いて、紙葉類処理システムの動作制御の第1例について説明する。
【0019】
1.主制御部103が、上位PC101からの運転開始許可を受信する。上位PC101は、この運転開始許可に含まれるパラメータにより主制御部103に対して仕切り紙供給(要否)を指示する。
【0020】
2.オペレータが、オペレーションスイッチ102を介して運転開始を指示する。これに対応して主制御部103は、機構制御部104に対して運転開始(搬送モータ駆動)を指示する。
【0021】
3.機構制御部104は、主制御部103に対してモータ駆動を通知する。主制御部103は、機構制御部104に対して仕切り紙供給を指示する。
【0022】
4.機構制御部104は、仕切り紙の供給を指示する。仕切り紙が無くなると、仕切紙供給装置107は、仕切り紙無しを検知し、仕切り紙無しを主制御部103へ通知する。
【0023】
5.主制御部103は、仕切り紙無しをメモリに記憶する。主制御部103は、紙葉類の取出開始を指示する。
【0024】
6.主制御部103、機構制御部104、処理装置105は、紙葉類を処理する。
【0025】
7.紙葉類供給装置106による紙葉類無しの検知に基づき、機構制御部104は、主制御部103に対して紙葉類供給終了を通知する。
【0026】
8.主制御部103は、メモリに記憶された仕切り紙無しの情報に基づき、上位PC101に対して、注意(仕切り紙無し)を通知する。上位PC101は、仕切り紙無し及び仕切り紙補給のメッセージを表示する。さらに、主制御部103は、機構制御部104に対して、運転停止(搬送モータ停止)を指示する。
【0027】
9.オペレータは、仕切り紙を補充する。仕切り紙が補充されると、仕切紙供給装置107は、仕切り紙有りを検知し、仕切り紙有りを機構制御部104へ通知する。機構制御部104は、主制御部103に対して仕切り紙有りを通知する。
【0028】
10.主制御部103が、上位PC101からの運転開始許可を受信する。
【0029】
11.オペレータが、オペレーションスイッチ102を介して運転開始を指示する。これに対応して主制御部103は、機構制御部104に対して状態情報を要求し、仕切り紙有り(補充済み)を再度確認し、運転開始(搬送モータ駆動)を指示する。
【0030】
図3は、上記した紙葉類処理システムの動作制御の第1例を実現するためのフローチャートである。以下、図3に示すフローチャートに沿って、動作を説明する。
【0031】
主制御部103が、上位PC101からの運転開始許可を受信し、さらに上位PC101から仕切り紙供給の有無(要否)を受信し、仕切り紙供給の有無を記憶する(ST101)。オペレーションスイッチ102が、運転開始の入力を受け付けると(ST102)、運転開始を主制御部103へ通知する。主制御部103は、運転開始の通知に基づき機構制御部104に対して運転開始制御信号を送信する。機構制御部104は、主制御部103から送信される運転開始制御信号に基づき、処理装置105、紙葉類供給装置106、仕切り紙供給装置107、紙葉類集積装置108、搬送装置109の動作を制御し、紙葉類処理運転を開始する。
【0032】
上記したように、主制御部103は、仕切紙供給装置107から通知される仕切り紙の有無の検知結果を受信し、これにより仕切り紙の有無を認識することができる。主制御部103は、仕切り紙有りの認識に基づき(ST103、YES)、運転が停止されている状態であれば(ST105、NO)、機構制御部104に対して運転開始を指示する(ST106)。主制御部103は、仕切り紙無しの認識に基づき(ST103、NO)、上位PC101に対して、仕切り紙無しを通知する。これに対応して、上位PC101は、例えばディスプレイに仕切り紙無しを案内するとともに、仕切り紙の補充を要求する(ST104)。
【0033】
主制御部103は、上記したように紙葉類処理枚数及び紙葉類堆積枚数を認識している。従って、主制御部103は、紙葉類集積装置108において紙葉類が所定枚数堆積されたことを認識することができ、この認識のタイミングで仕切り紙を必要と判断する(ST107、YES)。つまり、主制御部103は、この認識のタイミングで機構制御部104に対して仕切り紙を要求する(ST108)。機構制御部104は、仕切紙供給装置107に対して仕切り紙を要求する。仕切紙供給装置107は、仕切り紙要求に基づき仕切り紙を取り出す。仕切紙供給装置107の取出装置によって取り出された仕切り紙は、搬送装置109に設けられているベルト状の搬送路により搬送される。紙葉類集積装置108は、搬送装置109により搬送されてくる仕切り紙を堆積する。
【0034】
仕切紙供給装置107が、仕切り紙無しを検知すると、検知された仕切り紙無しは主制御部103へ通知される(ST109、YES)。主制御部103は、仕切り紙無しの情報を記憶する(ST110)。続いて、主制御部103は、紙葉類の取出開始を指示する(ST111)。これに対応して、紙葉類供給装置106の取出装置は、この給紙台に投入堆積された紙葉類を1枚ずつ分離して取り出す。これに対応して、処理装置105は、紙葉類を処理する(ST112)。
【0035】
紙葉類供給装置106が、紙葉類無しを検知すると、検知された紙葉類無しは主制御部103へ通知される(ST113)。主制御部103は、仕切り紙無しを記憶していれば(ST114、YES)、上位PC101に対して仕切り紙無しを通知するとともに、機構制御部104に対して運転停止を指示する。これにより、上位PC101は、例えばディスプレイに仕切り紙無しを案内するとともに、仕切り紙の補充を要求し、また紙葉類処理の運転が停止される(ST115)。
【0036】
オペレータが仕切り紙を補充すると、仕切紙供給装置107が、給紙台に投入堆積された仕切り紙を検知し、仕切り紙有りを主制御部103へ通知する。主制御部103は、上位PC101へ仕切り紙有りを通知し、上位PC101から運転開始許可を受信し、さらに上位PC101から仕切り紙供給の有無を受信し、仕切り紙供給の有無を記憶する(ST101)。オペレーションスイッチ102が、運転開始の入力を受け付けると(ST102)、運転開始を主制御部103へ通知する。主制御部103は、運転開始の通知に基づき機構制御部104に対して制御信号を送信する。主制御部103は、仕切り紙の補充を確認し、つまり仕切り紙有りの認識に基づき(ST103、YES)、運転が停止されている状態であれば(ST105、NO)、機構制御部104に対して運転開始を指示する(ST106)。
【0037】
以上、この動作制御によれば、仕切り紙無しが検出されても、仕切り紙無しの情報を記憶するに留めて紙葉類処理は続行される。仕切り紙無しの情報が記憶された状態で、さらに処理対象の紙葉類無しが検出されると、注意の情報が発行され(メッセージ表示)、紙葉類処理が停止され、仕切り紙の補充が要求される。つまり、仕切り紙無しが検出されても未処理の紙葉類有りの検出に基づき紙葉類処理を継続し、未処理の紙葉類無しの検出に基づき紙葉類処理を停止する。これにより、紙葉類処理効率の向上を図ることができる。
【0038】
続いて、紙葉類処理システムの動作制御の第2例について説明する。
【0039】
1.主制御部103が、上位PC101からの運転開始許可を受信する。上位PC101は、この運転開始許可に含まれるパラメータにより主制御部103に対して仕切り紙供給(要否)を指示する。
【0040】
2.オペレータが、オペレーションスイッチ102を介して運転開始を指示する。これに対応して主制御部103は、機構制御部104に対して運転開始(搬送モータ駆動)を指示する。
【0041】
3.機構制御部104は、主制御部103に対してモータ駆動を通知する。主制御部103は、機構制御部104に対して仕切り紙供給を指示する。
【0042】
4.機構制御部104は、仕切り紙の供給を指示する。仕切り紙が無くなると、仕切紙供給装置107は、仕切り紙無しを検知し、仕切り紙無しを主制御部103へ通知する。
【0043】
5.主制御部103は、上位PC101に対して仕切り紙無し通知する。上位PC101は、仕切り紙無し及び次に仕切り紙が必要となるまでに仕切り紙補給のメッセージを表示する。主制御部103は、紙葉類の取出開始を指示する。
【0044】
6.主制御部103、機構制御部104、処理装置105は、紙葉類を処理する。
【0045】
7.紙葉類供給装置106による紙葉類無しの検知に基づき、機構制御部104は、主制御部103に対して紙葉類供給終了を通知する。
【0046】
8.主制御部103は、機構制御部104に対して状態情報を要求し、仕切り紙無し(未補充)を確認し、上位PC101に対して仕切り紙無しを通知する。上位PC101は、仕切り紙無し及び次に仕切り紙が必要となるまでに仕切り紙補給のメッセージを表示する。
【0047】
9.主制御部103が、上位PC101からの運転開始許可を受信する。このとき、この運転開始許可に含まれるパラメータにより主制御部103に対して仕切り紙供給無しが指示されるとする。
【0048】
10.オペレータが、オペレーションスイッチ102を介して運転開始を指示する。上位PC101は、仕切り紙無し及び次に仕切り紙が必要となるまでに仕切り紙補給のメッセージを表示する。このとき、仕切紙供給装置107が、仕切り紙有り(仕切り紙補充)を検知していれば、上位PC101に仕切り紙有りが通知される。上位PC101は、上記メッセージを消去する。主制御部103は、紙葉類の取出開始を指示する。
【0049】
11.紙葉類供給装置106による紙葉類無しの検知に基づき、機構制御部104は、主制御部103に対して紙葉類供給終了を通知する。主制御部103が、上位PC101からの運転開始許可を受信する。このとき、この運転開始許可に含まれるパラメータにより主制御部103に対して仕切り紙供給有りが指示されるとする。
【0050】
12.オペレータが、オペレーションスイッチ102を介して運転開始を指示する。これに対応して主制御部103は、機構制御部104に対して状態情報を要求し、仕切り紙無し(未補充)を確認し、上位PC101に対して仕切り紙無しを通知する。上位PC101は、仕切り紙無し及び次に仕切り紙が必要となるまでに仕切り紙補給のメッセージを表示する。主制御部101は、機構制御部104に対して運転開始を指示しない。
【0051】
13.オペレータは、仕切り紙を補充する。仕切り紙が補充されると、仕切紙供給装置107は、仕切り紙有りを検知し、仕切り紙有りを機構制御部104へ通知する。機構制御部104は、主制御部103に対して仕切り紙有りを通知する。
【0052】
14.オペレータが、オペレーションスイッチ102を介して運転開始を指示する。これに対応して主制御部103は、機構制御部104に対して状態情報を要求し、仕切り紙有り(補充済み)を再度確認し、運転開始(搬送モータ駆動)を指示する。
【0053】
図4は、上記した紙葉類処理システムの動作制御の第2例を実現するためのフローチャートである。以下、図4に示すフローチャートに沿って、動作を説明する。
【0054】
主制御部103が、上位PC101からの運転開始許可を受信し、さらに上位PC101から仕切り紙供給の有無(要否)を受信し、仕切り紙供給の有無を記憶する(ST201)。仕切り紙供給が必要な場合(ST202、YES)、主制御部103は、機構制御部104に対して状態を問い合わせる(ST203)。機構制御部104は、仕切紙供給装置107により仕切り紙無しが検知されていることを確認すると(ST204、YES)、仕切り紙無しを主制御部103へ通知する。これに対応して、主制御部103は、上位PC101に対して仕切り紙無しを通知するとともに、機構制御部104に対して運転停止を指示する。これにより、上位PC101は、例えばディスプレイに仕切り紙無しを案内するとともに、仕切り紙の補充を要求し、また紙葉類処理の運転が停止される(ST205)。
【0055】
仕切り紙供給が不要な場合(ST202、NO)、或いは仕切り紙が有る場合(ST204、NO)、オペレーションスイッチ102が、運転開始の入力を受け付けると(ST206)、運転開始を主制御部103へ通知する。主制御部103は、運転開始の通知に基づき機構制御部104に対して運転開始制御信号を送信する。機構制御部104は、主制御部103から送信される運転開始制御信号に基づき、処理装置105、紙葉類供給装置106、仕切り紙供給装置107、紙葉類集積装置108、搬送装置109の動作を制御し、紙葉類処理運転を開始する。主制御部103は、運転が停止されている状態であれば(ST207、NO)、機構制御部104に対して運転開始を指示する(ST208)。
【0056】
主制御部103は、上記したように紙葉類処理枚数及び紙葉類堆積枚数を認識している。従って、主制御部103は、紙葉類集積装置108において紙葉類が所定枚数堆積されたことを認識することができ、この認識のタイミングで仕切り紙を必要と判断する。つまり、主制御部103は、この認識のタイミングで機構制御部104に対して仕切り紙を要求する(ST209)。機構制御部104は、仕切紙供給装置107に対して仕切り紙を要求する。仕切紙供給装置107は、仕切り紙要求に基づき仕切り紙を取り出す。仕切紙供給装置107の取出装置によって取り出された仕切り紙は、搬送装置109に設けられているベルト状の搬送路により搬送される。紙葉類集積装置108は、搬送装置109により搬送されてくる仕切り紙を堆積する。
【0057】
仕切紙供給装置107が、仕切り紙無しを検知すると、検知された仕切り紙無しは主制御部103へ通知される(ST210、YES)。主制御部103は、仕切り紙無しの情報を記憶する(ST211)。続いて、主制御部103は、紙葉類の取出開始を指示する(ST212)。これに対応して、紙葉類供給装置106の取出装置は、この給紙台に投入堆積された紙葉類を1枚ずつ分離して取り出す。これに対応して、処理装置105は、紙葉類を処理する(ST213)。
【0058】
紙葉類供給装置106が、紙葉類無しを検知すると、検知された紙葉類無しは主制御部103へ通知される(ST214)。主制御部103は、仕切り紙無しを記憶していれば(ST216、YES)、上位PC101に対して仕切り紙無しを通知する。これにより、上位PC101は、例えばディスプレイに仕切り紙無しを案内する(ST217)。つまり、次に仕切り紙が必要となるまでに仕切り紙の補充が必要であることが案内される。ここでは、仕切り紙無し且つ処理対象の紙葉類無しであっても、仕切り紙が必要とならない限り、紙葉類処理の運転は停止されない。
【0059】
しかし、仕切り紙供給が必要で(ST202、YES)、仕切り紙が無い場合には(ST204、YES)、主制御部103は、上位PC101に対して仕切り紙無しを通知するとともに、機構制御部104に対して運転停止を指示する。これにより、上位PC101は、例えばディスプレイに仕切り紙無しを案内するとともに、仕切り紙の補充を要求し、また紙葉類処理の運転が停止される(ST205)。
【0060】
以上、この動作制御によれば、仕切り紙無しが検出されても、仕切り紙無しの情報を記憶し、注意の情報を発行する(メッセージを表示する)に留めて紙葉類処理は続行される。即ち、仕切り紙が必要となるまで紙葉類処理は続行される。仕切り紙が必要となった時点で、未だ仕切り紙が補充されていなければ紙葉類処理を停止し、仕切り紙が補充されれば紙葉類処理を再開する。これにより、たとえ仕切り紙無しが検出されても未処理の紙葉類が有り且つ仕切り紙要求が無ければそのまま紙葉類処理を継続し、仕切り紙無しが検出され且つ仕切り紙要求が有れば紙葉類処理を停止し、紙葉類処理効率の向上を図ることができる。
【0061】
上記した動作制御によれば、仕切り紙が無くなっても、紙葉類供給装置106に残存する紙葉類を処理し終えてから、紙葉類処理を停止するので、スループットが向上する。また、処理対象の紙葉類の残りが僅かで仕切り紙が不要な場合、仕切り紙を補充することなく、処理対象の紙葉類の処理を完了させることが可能となる。さらに、仕切り紙を補充するタイミングが広がり、オペレータのオペレーションの自由度が広がる。
【0062】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施形態に係る紙葉類処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】紙葉類処理システムの搬送ルートの概略を示す図である。
【図3】紙葉類処理システムの動作制御の第1例を示すフローチャートである。
【図4】紙葉類処理システムの動作制御の第2例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
101…上位PC、102…オペレーションスイッチ、103…主制御部、104…機構制御部、105…処理装置、106…紙葉類供給装置、107…仕切り紙供給装置、108…紙葉類集積装置、109…搬送装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象の紙葉類の有無を検出するとともに、紙葉類を順に供給する第1の供給手段と、
前記第1の供給手段により供給された紙葉類を順に処理する処理手段と、
前記処理手段により処理された紙葉類を順に集積する集積手段と、
前記集積手段に集積された複数の紙葉類を所定枚数単位で仕切るための仕切り紙の有無を検出するとともに、仕切り紙要求タイミングに基づき仕切り紙を前記集積手段へ供給する第2の供給手段と、
仕切り紙無しが検出されても未処理の紙葉類有りの検出に基づき紙葉類処理を継続し、未処理の紙葉類無しの検出に基づき紙葉類処理を停止する制御手段と、
を備えた紙葉類処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、仕切り紙無しの検出に基づき仕切り紙無しに関する情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項3】
処理対象の紙葉類の有無を検出するとともに、紙葉類を順に供給する第1の供給手段と、
前記第1の供給手段により供給された紙葉類を順に処理する処理手段と、
前記処理手段により処理された紙葉類を順に集積する集積手段と、
前記集積手段に集積された複数の紙葉類を所定枚数単位で仕切るための仕切り紙の有無を検出するとともに、仕切り紙要求タイミングに基づき仕切り紙を前記集積手段へ供給する第2の供給手段と、
仕切り紙無しが検出されても未処理の紙葉類有り且つ仕切り紙要求無しに基づき紙葉類処理を継続し、仕切り紙無し検出且つ仕切り紙要求有りに基づき紙葉類処理を停止する制御手段と、
を備えた紙葉類処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、仕切り紙無しの検出に基づき仕切り紙無しに関する情報を出力することを特徴とする請求項3に記載の紙葉類処理装置。
【請求項5】
紙葉類を順に供給し、
前記供給された紙葉類を順に処理し、
前記処理された紙葉類を順に集積し、
紙葉類集積先に対して、仕切り紙要求タイミングに基づき仕切り紙を供給し、
仕切り紙無しが検出されても未処理の紙葉類有りの検出に基づき紙葉類処理を継続し、未処理の紙葉類無しの検出に基づき紙葉類処理を停止する、
ことを特徴とする紙葉類処理方法。
【請求項6】
仕切り紙無しの検出に基づき仕切り紙無しに関する情報を出力することを特徴とする請求項5に記載の紙葉類処理方法。
【請求項7】
紙葉類を順に供給し、
前記供給された紙葉類を順に処理し、
前記処理された紙葉類を順に集積し、
紙葉類集積先に対して、仕切り紙要求タイミングに基づき仕切り紙を供給し、
仕切り紙無しが検出されても未処理の紙葉類有り且つ仕切り紙要求無しに基づき紙葉類処理を継続し、仕切り紙無し検出且つ仕切り紙要求有りに基づき紙葉類処理を停止する、
ことを特徴とする紙葉類処理方法。
【請求項8】
仕切り紙無しの検出に基づき仕切り紙無しに関する情報を出力することを特徴とする請求項7に記載の紙葉類処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−227348(P2009−227348A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−71710(P2008−71710)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】